【山崎実】4日に開会する県議会第4回定例会に県主要農作物種子条例案が議員提案される。採択されれば全国で13県目の種子条例として来年4月1日から施行される。
稲(コメ)、麦、大豆3品目の種子を、国、都道府県が生産、普及する種子法が、民間活力の導入を理由に2018年4月に廃止されて以来、種子価格や安定的供給に対する危機感が農業関係団体などに広がった。県執行部は「茨城県稲、麦類及び4大豆種子の生産と供給に関する要綱」を定め、従来通り種子生産に取り組む方針を打ち出したが、県議会いばらき自民党政調会(伊沢勝徳会長)を中心に条例化の動きが加速し、パブリックコメントなどを実施してきた。
議員提案される県主要農作物種子条例案は、①県と関係者の連携協力による農業者の所得向上を図る礎となる種子生産②農業大県、茨城として種子生産に取り組むべき作物の位置づけと、優良な品種の育成③高品質種子の安定生産と必要な予算の確保―の3つの視点から施策を推進する。
県独自の取り組みとして、種子生産者など関係機関による種子生産、供給の連携協力、需要が見込まれる安全な主要農作物等を対象とした種子の生産、供給、施策推進のための財政上の措置―などが盛り込まれている。
特に注目されるのは、対象作物に稲、大麦、裸麦、小麦及び大豆に加え、ソバ、その他別に定める作物を位置付け、将来の奨励品種を目指した優良な品種の育成に取り組むことを明文化していることで、幅広い優良種子の生産、供給、確保の構築体制の確立を見据えている。
条例案は全15条から成り、目的、理念、県・種子生産者の役割、奨励品種の指定などのほか、種子法で規定されていた採種計画の策定、原種等の確保、指定種子生産ほ場の指定なども盛り込まれている。
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