つくば市は11日、市が昨年4月に実施した水道配水場の草刈り業務の一般競争入札で、市が計算した設計金額に誤りがあり、本来より少ない予定価格及び最低制限価格で入札を行っていたことが判明したと発表した。正しく設計額を計算していれば、別の業者が落札していた可能性もあるという。
誤った設計額で入札を行ったのは、昨年4月23日に入札を実施した、市内30カ所の配水場の植栽維持管理委託で、計18社が入札に参加し、最低制限価格を上回った業者が、予定価格の93.14%の1057万1000円(消費税を含まない)で落札した。
30カ所の草刈りや剪定(せんてい)などは昨年5月14日から今年3月15日までに実施され、11日現在、ほぼ終了した。
市水道工務課水道監視センターによると、共通仮設費、現場管理費、一般管理費と呼ばれる3つの経費を計算する際、端数の処理を誤ったり、対象とするべき費用を加えなかったなどして、本来よりも29万7000円少ない金額で設計していた。同センターが、間違った計算式のフォーマットを使って設計金額を計算したのが原因という。前年度も同じ計算式のフォーマットを使って設計しており、2020年度も設計金額を間違っていた。
情報開示請求をした一般の人から指摘があり、今年2月24日、設計金額の誤りが判明した。
市は、入札に参加し落札できなかった17社に謝罪した。さらに落札し業務を実施した業者に対しては、現在の契約金額のまま業務を進めることで了承を得たとしている。
再発防止策として同センターは、設計時に積算システムを活用して経費を審査するなど、確実に設計できる体制を整備することで再発防止に努めるなどとしている。