関彰商事
近年、企業や自治体を狙ったサイバー攻撃は高度化、巧妙化しており、身代金を要求するランサムウェア被害や情報漏えい事故が相次いでいる。こうした状況を受け、最新の脅威動向と具体的な防御策を学ぶ「サイバーセキュリティ対策セミナー」を関彰商事(本社・筑西市・つくば市、関正樹社長)が県内4カ所で開いている。そのうちの一つ、つくば会場のセミナーが24日、ホテルグランド東雲で開かれ、企業経営者や情報システム責任者など約70人が熱心に受講した。

第1部は身近なサイバーセキュリティ被害対策と題し、同社ビジネストランスフォーメーション部の江幡博康部長が実際の被害事例を紹介した。
同社の子会社であるセキショウキャリアプラスは昨年、不正アクセスの被害を受け、約1万5000人分のデータが漏えいした(25年10月10日付)。江幡部長は「ダーク・サイトに名簿が流出している」という第3者からの報告で分かったと話し、「突き詰めてみると脆弱なプログラムを使っているとか、不要なデータを管理できていなかったというような反省点があった」「当たり前のことを実行しているかどうかということが大事」だなどと述べ、「うちは絶対大丈夫だと思わず、対策にもコストをかける必要がある」と話した。

第2部は「サイバー攻撃の手口の紹介・デモンストレーション、サイバー犯罪の現状と被害防止対策」と題し、県警本部生活安全部サイバー企画課の白土哲也警部が講演した。
白土警部は、セキュリティ対策の基本や、情報セキュリティの個人情報の窃取などの具体的な脅威を紹介し、ランサムウェアなどを詳しく解説した。デモンストレーションでは2台のディスプレイを用い、攻撃側と被害側に分けて、具体的にどうやって侵入するのかを見せた。
その上で「アサヒグループホールディングスやアスクルのように充分な対策をとっている大企業でも被害を受けることがある。100%守り切れるわけでないが、充分な対策をとっていく必要がある」と説明した。さらに「サイバーセキュリティ対策は経営者の関与が大事」だとし、「対策の不備により、法的・道義的責任が問われるなど経営に大きな影響を与える。経営資源の投入と具体的な指示が必要」だと訴えた。
もしウイルス感染や不正アクセス、情報漏えいなどのセキリティインデントが発生したらどうするのかー。白土警部は「ネットワークを切断する、情報システム部と責任者に報告する、最後は警察に通報することになる」などと話した。
受講した物流業「明送」(守谷市)の一ノ瀬慶一社長は「具体的にサイバー攻撃のデモを見せてもらって、分かりやすくて良かった。ある程度の対策をしてきたが、評価を見直し、社員教育にも力を入れていきたい」と話した。福祉機器メーカー「幸和義肢研究所」(つくば市)の山野井勉製造部長は「今回のセミナーはセキュリティの重要さなど分かった多く、ためになった。今日の話を持ち帰り、これからの対策や社員教育にも反映させていきたい」と感想を述べた。(榎田智司)






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