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《遊民通信》12 神秘体験記(3)夢から生まれた救いの歌

【コラム・田口哲郎】
前略

信じるも信じないもあなた次第、他人と分かち合えない神秘体験。でも、体験がひとつの歌になると、共感が生まれるのかもしれません。以心伝心、不思議な夢のお話です。6年前、カトリック碑文谷教会(東京都目黒区)でのシスター古木涼子さんの講演会に行きました。シスター古木は「イエスのカリタス修道女会」の総長で、歌うシスターとして有名です。その会で素晴らしい歌とお話を聴き感動しました。

それからひと月ほどしたある夜、私は夢を見ました。ジャズクラブ風の場所でステージにはシスター古木。グランドピアノを弾きながら歌っています。私は客席にいて良い曲に感涙を流していました。曲の内容は旅人が多くの困難を乗り越えるというもの。旅人が果てしない道に絶望し泣いていると風が吹き、気づくと羽根のついた革靴を履いている。その靴のおかげで旅人は苦しみから解放されます。

靴はまるでドラえもんの道具みたいな靴。旅人は「仕込んだわけでもないのに羽根のついた靴が与えられた」とつぶやくのです。するといろいろな人々がバックスクリーンに映し出され、泣き顔が笑顔になる。そしてみんな「この靴を履かせてもらってうれしい」と言うのです。曲に酔いしれていたら、足の痛みで私は目覚めました。足がつったのです。ケガの巧名か、歌の歌詞を覚えていたので、痛みに耐え、必死で書き留めました。

「羽根のついた靴」

果てない道に
ふと もういいとつぶやき
泣きながら あなたを呼ぶと
やさしい風が 通りすぎた
わたしの足には 羽根のついた靴
ふわりと ときはなたれて
わたしはゆく あなたとともに
わたしはゆく あなたとともに
険しい道に
ふと もういいとつぶやき
泣きながら あなたを呼ぶと
ささやく風が 通りすぎた
わたしの足には羽根のついた靴
ふわりと ときはなたれて
わたしはゆく すべてをゆだね
わたしはゆく すべてをゆだね

私は数日考えた末、面識もないのに思い切って夢のことをシスターにメールしました。シスターは喜んでくださり、歌詞にメロディーをつけたいとおっしゃいました。出来上がった曲は夢の中で聴いた曲でした。私に音楽的才能はないのでシスターに伝えたのは歌詞だけです。せめてと思い、夢の光景を絵に描いて送りました。

シスターは曲を早速録音してYouTubeで公開しました。私の絵が背景に映ります。私は狸穴窓(Mamiana So)という筆名で紹介されています。これも偶然の連続でしかないのかもしれません。でも、見知らぬ人がこの歌で癒されたと言ってくれるとき、共感が生まれたようでうれしいのです。ごきげんよう。

草々(散歩好きの文明批評家)

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