木曜日, 2月 5, 2026
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不登校生徒のフリースクール「ライズ学園」岐路に つくばで19年

【橋立多美】不登校の子どもたちが学ぶフリースクール「ライズ学園」(つくば市谷田部)が岐路に立っている。経営が苦しく、3月末で一旦閉園して運営を検討しようとしたが、保護者の声に押されて教室を移転し、週に1日開級している。同園の礎を築いた小野村哲さん(59)は「これで終わりではない」と奮起する。

公立中学の英語教師だった小野村さんは、小さなつまずきから勉強に追い付けなくなり、「どうせ自分なんか…」と思ってしまっている生徒を見ていた。その一方で、落ちこぼれていく子どもに対応できない学校の限界を感じていた。保護者の「勉強が分からない子どもを見てくれる場所がない」に背中を押され、1999年に教職を離れた。

登園者延べ2万2585人

2000年7月にリヴォルヴ学校教育研究所(01年にNPO法人化)を設立し、不登校の児童・生徒が学力を身に付けることのできる「ライズ学園」の運営に乗り出す。定員15人の少人数制。週4日の時間割で、教員免許を持つ教科担当者が指導するほか、スポーツや絵画造形、農作業など体験型の学習を取り入れた。教室は谷田部内町の洋品店の2階(約132平方メートル)を借りた。

同園のモットーは「みんなちがって、みんないい」。不登校の背景にはいじめや学習障害(LD)、注意欠陥多動性障害(ADHD)などが潜むケースがある。また勉強のつまずきは千差万別。子ども一人ひとりがどこに困難を感じているか理解した上で学習支援を行っている。

「ダメな子」とレッテルを貼られていた子どもが丁寧な指導で分かるようになると、意欲を出して変わっていくという。高校、大学への進学や、社会に適応できないと思われていた子どもが数年して独立していく。開園から今年3月末までの延べ登園者数は2万2585人に上る。

個に応じた学習支援を行うことで得た発達障害などへの対処法や成果を教材としてまとめ、その販売収益と月謝=メモ参照=、助成金、寄付金を活動経費に充ててきた。しかし、次第に負債が膨らみ始める。

4月に学園を巣立つ生徒が数人いても、それに代わる人数の入園生を迎えることはしない。春を待たずに「学校に戻る」ことを選択した子どもが「やっぱりライズに…」となった経験から、卒園生の居場所を確保しておこうという配慮だ。

ライズ学園のスタッフたち。左から事務局長兼国語担当の北村直子さん、英語担当の小野村哲さん、学園長で数学担当の本山裕子さん=つくば市千現のリヴォルヴ学校教育研究所事務局

こうした配慮が月謝収入を不安定にさせ、指導にあたるスタッフが転勤などで退いても経営難から新たなスタッフを採用できなくなった。スタッフ不足は定員に満たない運営につながり、数年前から新たな入園希望に応じられない状況に陥った。

「せめて週に1日でも」

リヴォルヴ学校教育研究所の理事やスタッフが話し合いを重ね、19年度は難局を乗り切り発展するために一時休園という結論に傾いた。ところが保護者から「活動をゼロにしないで欲しい」「せめて週に1日でも」の要望が相次いだ。

教室を近くの公共施設、市民ホールやたべの一室に移し、4月から毎週水曜日に開級している。現在、市内外の中学生2人と高校生4人(通信制2人)が通う。スタッフは数学担当で学園長の本山裕子さん、英語担当の小野村さんら計8人。

書類などを保管する棚がないためスタッフは毎回、教科書や辞書、実験器具、画材を運び込んでの活動だ。教室が変わったことで動揺する通園生はいなかった。授業時間外はスタッフとフレンドリーに言葉を交わし、学校でも家庭でもないライズ学園を子どもたちは心地よく思っていることが伝わってきた。

小野村さんは「今はライズが果たすべき役割を考えて基盤強化を図りたい。ライズ学園はこれで終わりではない」と言い切った。学ぶ意欲を育み、不登校の心に寄り添う挑戦が続く。

※メモ

【フリースクールの月謝】義務教育の教育費は無償だがフリースクールには公的な支援がなく、親が学費を負担する。文科省の調査によれば月会費の平均は3.3万円で親の金銭的な負担は大きい。その一方でフリースクールは月謝だけでは立ち行かず、職員が待遇面で我慢したり寄付金を集めるなど経営に苦しんでいる。

➡NPO法人リヴォルヴ学校教育研究所のホームページはこちら

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ふるさとのない時代《くずかごの唄》154

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消費期限切れ食品を冷凍自販機で販売 つくばまちなかデザイン

保健所が販売停止を指導 つくば市のまちづくり会社「つくばまちなかデザイン」(つくば市吾妻、内山博文社長)が設置、管理する冷凍食品自動販売機で、1月9日から14日までの間、消費期限切れの食品が販売されていたことが分かった。つくば保健所の指導を受けた同社は、該当食品の販売を17日から停止し、現在までに同自販機による全食品の販売を停止している。 同社は購入者に対し返金対応を行うとしているが、同社による事態の告知は自販機への貼り紙と、冷凍食品製造事業者を含む飲食店経営者による有志グループ「旨がっぺTSUKUBA(つくば)」のインスタグラムとフェイスブックなどに限られ、つくば市が出資する第3セクターとしての説明責任が問われる。 販売が停止された自販機は、つくば駅前のつくばセンター広場ペデストリアンデッキ上に設置されている。同社がSNSと自販機に掲示した「お知らせ」によると、販売された消費期限切れの食品は「8大アレルゲンフリー 米粉の焼き菓子おまかせ3点セット」。1月9日、12日、14日の3日間に計4点が購入されていたことが確認されている。消費期限は、購入された時で最大で1週間が過ぎていた。その他に、消費期限が最短で1日以内だった1月1日と6日に購入された2点についても返金するとしている。 コロナ禍発 同自販機が設置されたのは2023年。つくばまちなかデザインが、市内などの飲食店経営者などによる有志グループ「旨がっぺTSUKUBA」とともに立ち上げた実行委員会のプロジェクトとして設置した。同グループは、コロナ禍による外出自粛が呼び掛けられた2020年に、県内飲食店のテイクアウト情報をフェイスブックで発信していた活動を母体としている。冷凍自販機設置に際して同実行委は、PR費用などに充てるとしてクラウドファンディングを実施し、46人の支援者から56万9590円を集めた。 告知は貼り紙と飲食店グループのSNSのみ 消費期限切れ食品の販売が発覚したのは1月17日。まちなかデザインは同日、「旨がっぺTSUKUBA」のインスタグラムとフェイスブックに掲載した同社名義の「消費期限切れ商品の販売に関するお詫びとお知らせ」で、問題が起きた経緯について「弊社による商品管理不足とコミュニケーションの不調」によるなどと説明し、返金対応を行うとした。同時に、自販機に貼り紙を貼り、購入者に連絡を呼び掛けている。一方で、食品の自販機の設置者であり、商品の管理責任を負うまちなかデザイン自身の公式ホームページや、会社のSNSアカウントでは、2月2日時点で、消費者に対する説明や購入者への呼び掛けは行われていない。 社長「大きな問題は起きてない」 取材に対して同社の内山社長は、今回の経緯について、「旨がっぺTSUKUBA」のSNSに公表した文書を念頭に、「あそこに書いてあることが全て」とし、「体調が悪くなったなど、特段、消費者から問い合わせもなく、大きな問題が起きているということはない。問題等があれば、しっかり発表する」と述べ、問題発生に関する詳細な経緯の説明を避けた。 また、市民からの疑問と不安の声を受けて取材を始めたことを伝えると、「『市民の方から』と言えば、なんでも話さなければいけないのか。その方から直接問い合わせをいただければ、私どもも真摯(しんし)に対応する」と述べた。今後については「保健所の指導を受けながら、誰の責任で、どう行うべきか考えていきたい。再開については、はっきりした段階でお伝えしたい」とした。 複数業務兼ね管理行き届かず つくば保健所によると、保健所が事態を把握したのは、問題が発覚してから2日後の19日。問題となった冷凍自販機に食品を納入している業者からの通報がきっかけだった。この時点で該当食品の販売は停止されていたが、まちなかデザインから保健所への連絡はなかった。そのため保健所は同日、同社に電話連絡し、同社が保健所を訪問。保健所は食品衛生法に基づき、施設の衛生管理状況や取扱者の衛生教育などを評価する「食品衛生監視指導表」を交付し、事態改善に向けた指導を同社に対して行っている。 同保健所は「自販機の設置者であるつくばまちなかデザインが、納入された商品の管理と自販機への補充を行ってきた」と、設置だけでなく、商品管理もまちなかデザインが担っていたとした上で、問題が起きた経緯については「自販機販売の担当者が、他の複数業務を兼ねていた。人手不足の中で、商品管理が行き届かず、期限切れの商品が販売された」と原因や背景を分析する。 今後、まちなかデザインから提出される改善案を見た上で、改善措置が図られたと判断した段階で、販売再開が可能になるとしている。 今回の「消費期限切れ」について保健所は「食品表示法により、健康被害の恐れから消費期限が切れた商品を販売することはできない。期限が切れた食品は、もう食べられない状態」にあるとし、厳格な管理が必要との認識を示した。一方で、今回販売されたのが冷凍食品であることから重大な健康被害に直結しにくいとの見方を示し、より期限に猶予期間のある「賞味期限」表示が適切だった可能性にも言及した。 市がどう考えているか知りたい  今回販売された焼き菓子をこれまでたびたび購入してきたという、ブックカフェ「本と喫茶サッフォー」(同市天久保)を経営する山田亜紀子さんは「丁寧に作られていて、安心して食べられるお菓子。美味しくて、好きで食べていた」と話し、自身も食品販売に携わる立場から「食品管理は食中毒を出せば営業できなくなり、経営に直結する問題。一番気を使う部分だ」と指摘する。 さらに「自販機は市民以外も含め誰でも購入できる場所にある。本来、安全を最優先しなければならないはずなのに、食べ物をずさんに扱っている印象を受ける」と不安を口にした。さらに「こうした会社に市が税金を出資している。市としてどう考えているのか知りたい」と話した。 市と会社に説明責任ある これまで市議会でたびたび同社の経営状況や将来負担などについて質問してきた山中真弓市議は「市は、まちなかデザインに6000万円を出資し、指定管理者に指定して、自販機が設置されている場所を含むつくばセンター広場の管理を任せている。市民の税金が投入されている以上、同社は市民に対して問題を説明する責任がある」と指摘する。 その上で、「自販機が設置されている場所は市の土地であり、市職員が同社の取締役に入っている。市が無関係とは言えない」とし、「市にも、市民に対して説明する責任がある。また、まちなかデザインが食品を扱うノウハウがあるのか、確認する必要がある」と述べた。 市は保健所に委ねる姿勢 一方、つくばまちなかデザインを担当する同市学園地区市街地振興課は今回の件について「(まちなかデザインは)保健所の指導に従ってもらいたい」との認識を示すにとどまっている。(柴田大輔)

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