土曜日, 1月 17, 2026
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高校生が挑む舞台「百年の花火」や湖上朗読も 土浦まちなか演劇巡り

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実行委員会事務局の根岸佳奈子さん(右端)と、「百年の花火」に出演する吉田梨衣紗さん(中央右)、布施輝々さん(中央左)、「百年花火」脚本、演出の新堀浩司さん(左端)

18-19日 駅周辺の飲食店などが会場

土浦市内の店舗や寺社を会場とする演劇企画「つち浦々まちなか演劇めぐり2025」(同実行委員会主催)が18、19日の2日間、県内外から多彩な劇団が参加して催される。、土浦駅周辺の飲食店や寺院、博物館など計17カ所が会場となる。まちの各所で上演される演劇を巡りながら、演劇とまちの魅力を知ってもらおうとする企画で、今年で3回目の開催となる。昨年は神立駅周辺で開かれた。

今年は新たに、市内の個人商店を題材にした「つちうら商店街劇場」、霞ケ浦の遊覧船上で上演する「湖上ドラマリーディング」、県内高校生による舞台「百年の花火」などの新企画が登場する。

個人店の物語を演劇に

土浦市立博物館展示ホールで開かれる「つちうら商店街劇場」では、1933年開業の老舗「ムトウ削り節店」(同市川口)、昨年4月に開店した梶原自転車店(同市大手町)、築90年の古民家を活用する城藤茶店(同市中央)の3店舗を取り上げる。長崎市在住の劇作家・福田修司さんが各店を取材し、店主の歩みや店の歴史を元に脚本を執筆した。

土浦市真鍋の劇団「百景社」に所属する、実行委員会事務局の根岸佳奈子さん(38)は「つちうら商店街劇場」について「演劇を通じて、街を歩きながら土浦の歴史や人々の思いを感じてもらうというイベントの趣旨と合わせて、個人の歴史や物語を通じてさらに街の魅力を掘り下げる試み」だという。

「湖上ドラマリーディング」は、霞ケ浦の遊覧船「ラクスマリーナ ホワイトアリス号」の船上で朗読と中国伝統楽器・二胡の生演奏を楽しむ企画。根岸さんは「湖上から眺める土浦の景色は本当にかっこいい。天候に恵まれれば夕暮れ時に富士山のシルエットも見える。芝居と風景の両方を味わってほしい」と語る。

花火100周年題材に青春劇

もう一つの新企画として、県内高校生の有志が出演する舞台「百年の花火」が土浦市立博物館視聴覚ホールで上演される。土浦花火大会100周年を題材に、打ち上げを待つ2人の少女の心の揺れを描く会話劇だ。

出演するのは、神栖市在住で鉾田一高3年の布施輝々(るる)さん(17)と、小美玉市在住で大成女子高1年の吉田梨衣紗(りいさ)さん(15)。ともに演劇部に所属し、公募に応募し参加。週末の稽古を8月から重ねてきたという。

稽古に励む吉田梨衣紗さん(右)と布施輝々さん

布施さんは「クールなセリフの裏にある温かい思いや、感情の揺れを表現したい。花火大会は土浦の方々にとって特別なイベント。見る人の心に残る演技ができれば」と意気込む。吉田さんは「明るく元気な役柄。見る人に元気が伝わるように動きを工夫した。家族や友人を思う心情も伝えたい」と話す。

脚本を手がけた、鉾田一高演劇部コーチの新堀浩司さん(44)は「これから先も2人の関係を築いていこうとする少女たちの思いとともに、困難を乗り越え100年にわたり花火大会を支えてきた人々の思いを伝えたい。異なる環境で活動する高校生が力を合わせて舞台をつくる姿も見ていただけたら」と語った。

総合案内所で観劇コース提案

第1回から企画運営に携わる根岸さんは「世代を超えて演劇を通じてつながること、若い世代が土浦に関心を持つきっかけになれば」と今年の企画への思いを語り、「土浦には面白いところがたくさんある。外から来た人にも楽しんでもらいたい。赤ちゃんから楽しめる人形劇から文学作品を原作とした演劇まで幅広い内容。お気に入りの1本を見つけてほしい」と呼び掛ける。

亀城公園前の公園ビル1階「がばんクリエイティブルーム」に4日から設けられている「総合案内所」では、チケット販売のほか、観劇希望者の興味に応じたコース提案を行っている。根岸さんは「おすすめルートを一緒に考えながら、土浦の街歩きを楽しんでもらいたい」と語った。(柴田大輔)

◆「つち浦々まちなか演劇めぐり2025」は10月18日(土)・19日(日)、土浦駅周辺の店舗や寺社、土浦市博物館など17会場で開催される。チケットは、1日フリーパス券が一般3500円、18歳以下2000円。2日フリーパス券が一般6000円。「湖上ドラマリーディング」券は専用チケットが必要で4000円。

◆18日(土)、19日(日)の2日間、亀城公園では、毎月第3土曜日に駅前アルカス土浦で定期開催されている「あおぞらまるしぇ」が、各日午前10時から開催される。

◆総合案内所は、同市中央のがばんクリエイティブルームに設けられ、17日(金)までは正午から午後5時まで、18日(土)・19日(日)は午前10時から午後8時まで。

◆チケットの申し込み、イベントの詳細は公式ホームページへ。問い合わせは、つち浦々まちなか演劇めぐり実行委員会のメール(tsuchiuraura@gmail.com)または電話(029-896-3099)へ。

➡つち浦々まちなか演劇めぐりの過去記事はこちら(2023年1月1日付23年9月27日付24年10月5日付

県内作家8人がつくる「12分の1の世界」 つくばでミニチュア・ドールハウス展

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宮崎由香里さんの作品

実物の12分の1の世界を楽しむミニチュア・ドールハウス作品展「茨城ミニチュア・ドールハウス作家会 第2回展覧会」が7日から、つくば市吾妻、県つくば美術館で始まった。出展するのは、磁器、木材、樹脂粘土、編み物など、多彩な素材で独自の世界を表現する県内在住の8人の作家たち。計約35点が展示されている。2023年以来で、今回が第2回目の開催となる。会期は13日まで。

小さな人形のための家「ドールハウス」の起源は、1500年代のドイツにさかのぼる。その後ヨーロッパ各地で、貴族のコレクションや子ども用の教育玩具として用いられてきた。20世紀初頭にはイギリス王室で、女王に献上するためのドールハウス制作プロジェクトが発足。その中で、実物の12分の1サイズにすることが決められ、大きさのひとつの基準として現在に引き継がれている。

100年後も残せる作品を

カマチマリコさん

虫眼鏡でのぞき込むと、異なる表情で微笑みかける、頬を赤く染めた少女が見える。2センチほどの人形は、頭、腕、太もも、すね、手、足、それぞれ個別に型を取り、数回に分けて電気炉で焼き固めたものを組み合わせて作る。

作者はつくば市在住のカマチマリコさん。30年前に渡った米国で、焼き重ねた磁器を素材に作られた人形「ビスクドール」と出合った。当初は大きなサイズを作っていたが、人形が抱き抱える人形を作る中で、徐々に、小さな人形作りの魅力に引き込まれたという。「小さなものは、自分の気持ちが穏やかじゃないと仕上げることができない。制作作業は自分と向き合う時間」だと話す。これまでに、米国やドイツの人形コンクールで賞を受賞するなど、国内外で活動の場を広げてきた。現在、市内の自宅で月に4回、教室を開いている。「自信を持って、これが100年後にも残せると思えるものを作り続けたい」と思いを語る。

一番好きな場面を閉じ込める

宮崎由香里さん

宮崎由香里さんが作るのは色とりどりの花々だ。直径1センチにも満たないバラの花は、樹脂粘土を用いて作った一枚一枚の花びらを重ね合わせて作り上げる。1、2ミリほどのがくが集まる直径数ミリのアジサイも圧巻だ。花が飾られる部屋も内装から自作する。2002年ごろから独学で始めた。23年4月には2冊目となる作品集「ミニチュアローズBOOK」(グラフィック社)を刊行した。「つぼみから徐々に開いていって、最後に散っていく。その過程で自分が一番好きな場面をその場に閉じ込められるのが、一番の魅力」と語る。

時間の流れもとどめたい

河内和子さん

水戸市の河内和子さんは、実生活で使ってきた衣服や紙、使われなくなった小物などを利用して、自身の記憶の中にある「昭和」の風景を再現する。棚に置かれるレコードプレーヤー、壁にかかるアコースティックギター、テーブルの上には食べかけのショートケーキとメロンソーダが並んでいる。河内さんが青春時代を過ごした音楽喫茶の風景だ。作品作りのきっかけは、実家で営んでいた茶店を残そうとしたことだった。「過ごした時間の流れも、作品の中にとどめたい」と話す。

さらに小さな作品を

赤星友香さん

つくば市在住の赤星友香さんが作るのは、12分の1サイズでつくる編み物による作品だ。セーターや靴下、手袋、人形など、継ぎ目のない「シームレス」の作品を展示する。15個の引き出しがついた手のひらサイズのキャビネットには、空いた引き出しに爪先ほどの靴下やポシェット、人形などが収められている。子どもの頃から手芸が好きだったという赤星さん。普段は編み物を教えている。小さな作品作りには違った高い技術が必要になると言い、「今取り組んでいるのは、編み物で作るぬいぐるみ『あみぐるみ』。今あるのは元となる作品の6分の1。12分の1までできるよう、頑張りたい」と語る。

赤星さんは、「参加している作家の皆さんは、使う素材や製法、作品も、それぞれジャンルが異なっているので、小さい物が好きな方、 手仕事が好きな方だけでなく、いろいろなことに関心のある方に楽しんでいただける展示だと思う。ぜひ多彩な作品を見にお越しいただければ」と来場を呼び掛ける。(柴田大輔)

◆「茨城ミニチュア・ドールハウス作家会 第2回展覧会」は7日(火)から13日(月)まで、つくば市吾妻2-8 県つくば美術館・第2展示室で開催。開館時間は午前9時30分から午後5時まで。最終日は午後3時まで。入場無料。問い合わせは茨城ミニチュア・ドールハウス作家会の公式サイトへ。

乳幼児も楽しめる舞台芸術 つくばでイタリア劇団が公演

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「日伊櫻の会」の多田亮彦さん

19日 カピオ

乳幼児も楽しめる舞台作品をつくり続けるイタリアの劇団「ラ・バラッカ」の公演が19日、つくばカピオホール(同市竹園)で開かれる。演目は、多様な家族の姿をユーモアを交えて観客に問いかける「ファミリエ」(上演時間40分)。午前は0歳から2歳、午後は3歳以上を対象とした2部制で上演される。

主催するのは、桜の植樹や芸術活動を通じてイタリアとの文化交流を進める「日伊櫻の会」(沢辺満智子代表)。同劇団によるつくばでの公演は昨年に続き2回目となる。

つくばカピオホールで催された昨年の公演の様子(多田亮彦さん提供 )

魔法のような時間

「以前は、小さな子どもが本当に演劇を楽しめるのか疑問もあった」と、主催団体理事の多田亮彦さん(46)は言う。

多田さんが初めてラ・バラッカの舞台を見たのは2019年。会の代表である妻の沢辺さんと、劇団の拠点であるイタリア・ボローニャ市を訪問した時だった。

ラ・バラッカは1976年、ボローニャで創設された劇団で、子どもを対象とした作品を50年近くつくり続けている。特に乳幼児向けの演劇分野で世界的に高い評価を得る。現在は地元自治体と協力し、教育現場に演劇を取り入れ、まちの中に劇場を整備するなど、日常的に子どもが演劇に触れる環境づくりを進めている。

多田さんらが劇場を訪ねて目にしたのが、演劇に夢中になる子どもたちと、子どもが手で触れられそうな距離で、全身を使って物語を表現する俳優たちだった。

「俳優の表情や仕草だけで十分伝わっていて、子どもたちの反応を引き出す魔法のような、幸せな時間だった。これを日本の子どもたちにも見せてあげたい」と感じた。

ボローニャは、世界最大の児童書の見本市が開かれることでも知られている。沢辺さんは現在、つくばで子ども向け書籍の出版会社を経営する。多田さんらの当初の訪問目的は、児童書の見本市を訪ねることだった。同時に、同市で活動するラ・バラッカを知り、「日伊櫻の会」が進める文化交流・創造事業への関心から劇団を訪ねたのが、劇団との出会いのきっかけとなった。

つくばカピオホールで催された昨年の公演の様子(多田亮彦さん提供 )

昨年つくばで上演されたのは、突然いなくなった仲良くしていた野良猫を、マンションの上下階の住民が一緒に探す物語。セリフはなく、体の動きや表情の変化で思いを伝える。

2歳以下の子どもたちは保護者と一緒に舞台上に座り、手が届きそうな距離で役者の動きを目の当たりにする。俳優は、子どもたちとアイコンタクトを取り表情を見ながら、ときに手を差し伸べつつ、物語を表現する。観客も物語の中に引きずり込まれるような感覚を味わえる。年齢を超えて誰もが演劇を楽しめる仕掛けがあるという。

「あれは何だろう、これは何だろうと、子どもたちの好奇心が喚起され、本当に芸術を楽しんでいるのが伝わってきた」と多田さん。来場した保護者からも「自分の子どもがこんなに集中して見るなんて思わなかった」「小さな子どもでも演劇が分かると気づいた」などの感想が寄せられた。

「人を生き返らせる力がある」

ラ・バラッカの演劇は、決して鑑賞者を子ども扱いしないのが特徴だと多田さんは言う。「大人が思い描く子ども像に合わせてつくられていない。作品を通じて作り手が『私はこう思うけど、あなたはどう思う?』と問いかけるような、平等な関係がそこにある。だから、大人も見て感じることがあるのだと思う」「演劇には、人を生き返らせる力がある。芸術は子どもだけでなく、大人たちにとっても生活に必要なものだと思う」と語る。

今後について「つくばで舞台芸術を子どもたちに提供していきたい。みんながそういう機会に触れられるように頑張っていきたいし、つくば市で一緒に取り組みを進めていけたら」と思いを述べる。(柴田大輔)

二つのワークショップ開催

◆「つくば世界こどもシアター2025 劇団ラ・バラッカ『ファミリエ』」は、10月19日(日)、つくば市竹園1-10-1 つくばカピオホールで開催。公演時間は、0歳から2歳までは午前10時30分から、上演時間は各40分。3歳以上は午後2時30分から。入場料は大人3000円、17歳以下1500円。

◆16~18日に二つのワークショップを開催する。①18歳以上を対象にしたワークショップを16日(木)と17日(金)いずれも午後4時から、つくば市吾妻1-10-1 つくばセンタービル・コリドイオ3階大会議室で開催する。参加費は2日間通しで5000円(学生2500円)②親子を対象とした演劇ワークショップを18日(土)午後2時30分から、つくばカピオ2階リハーサル室で開催する。参加費は3500円(親子2人分)。いずれも事前申し込み制。詳細はイベント公式サイトへ。劇団が訪日する10月中に市内の小学校や保育園での上演も企画している。

戦後80年 あるババアの繰り言《ハチドリ暮らし》54

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写真は筆者

【コラム・山口京子】

腹が減る 家は焼かれる 傷を負う 臭い汚い 痛い苦しい
餓死という戦死があった
帰って来ない兄さんの遺骨はどこでどうしているのか

原子爆弾が投下された
生きものがそんな殺されかたをしていいはずがない
人がそんな死にかたをしていいはずがない

1945年 日本敗戦
戦勝国によって裁かれ アメリカの思惑で戦犯が返り咲く
政治の中枢は連綿と 命の重さは今も赤紙一枚のほどか

1956年 もはや戦後でない アメリカンライフに憧れる
楽になること きれいに暮らすこと 物が増えること
忍び寄っていたコインの裏側は何だったのか

写真は筆者

もっと もっと もっと もっと もっと もっと
無制限に 無責任に作り 無責任に使い 無責任に捨てる
正気の沙汰でないことが どんどん積み上がる

マネーとパワーで化粧された言葉や数字たち
化粧を落としたら 一体どんな言葉や数字が現れるのか
肝心なことが表に出なく わけが分からなくなる

自分よりも自分を知っているデータが集められる
そして 人であることがなぎ倒される
これが普通になった罪深さ

(消費生活アドバイザー)

豪華!土浦花火弁当 7店が13種 販売開始 地元食材ふんだんに

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お披露目された今年の土浦花火弁当をPRする(左から)小林勉副市長、安藤真理子市長、中川喜久治土浦商工会議所会頭

11月1日開催の第94回土浦全国花火競技大会で販売される「土浦花火弁当」が6日、同市役所でお披露目された。土浦名産のレンコン、霞ケ浦のシラウオ、県産の常陸牛など地元の食材をふんだんに使い、趣向を凝らした各店オリジナルの弁当だ。今年は土浦とかすみがうら市の飲食店6店と土浦飲食店組合など7事業者が13種類を販売する。

弁当は、花火を打ち上げる筒をイメージした3段重ねの容器に入れられ、花火がデザインされた外箱を広げると、三つの容器を並べて食べられるようになっている。価格は2000円から7940円(消費税込)。今年も昨年と同じ1200個の注文を目指す。

中止の昨年「たくさんの応援いただいた」

昨年は前日に大会中止が発表され、各店は対応に追われた。市内の飲食店などでつくる土浦名物弁当事業者部会の嶋田玲子部会長は「昨年は残念ながら中止となったが、予約された方がキャンセルせずに購入してくれたり、市民が『大変だ』と心配してお店に直接電話してくれたりして、だいたい完売し、何とかなった。SNSを見て予約以上に購入があった店もあり、たくさんの応援の気持ちをいただいた」と振り返り、今年の花火弁当について「土浦のレンコン、霞ケ浦のつくだ煮など地元食材を生かした花火弁当を通して土浦をPRしたい」と話した。

土浦市食のまちづくり検討委員会の堀越雄二委員長は、今年100周年を迎える大会の歴史に触れ「気合を入れて、力を入れて、おいしい、見栄えのあるお弁当を作った。(各店は)大会に何らかの価値を付け、土浦の観光に協力したいという気持ちで参加している」などと話した。

安藤真理子市長らも花火弁当をPRした。安藤市長は「土浦の花火に行くと、こんな素晴らしいお弁当を食べられることを知っていただきたい」とし、土浦商工会議所の中川喜久治会頭は「料理をつくる人たちの腕で地域の素晴らしさを発信していただき、今年の大会を成功させて、次の百年に向けて地域のPRを頑張りたい」などと語った。

今年販売されるのは▽土浦の老舗料亭「霞月楼」(同市中央)による会席料理のエッセンスを凝縮した花火弁当や、8分ほどで炊き立ての温度になる具だくさん釜めし弁当。

霞月楼の「発熱容器 具だくさん釜めし弁当」(左)と「三段花火筒弁当 彩響」

▽弁当・ケータリング・会食の「さくらガーデン」(同市宍塚)による常陸牛のローストやレンコンの天ぷら、うなぎのひつまぶしなど地元の名物を取り入れた花火弁当と、ステーキ重。

さくらガーデンの「ステーキ重」(左)と「三段花火筒弁当 常陸牛のローストとレンコンのひつまぶし」

▽「鮨の旦兵衛」(大和町)による季節の食材や茨城の食材をふんだんに使ったちらし寿司など和食中心の花火弁当と、常陸牛をぜいたくに使い自家製の野菜の香りだれで香ばしく焼き上げた常陸牛香味焼き重。

鮨の旦兵衛の「謹製 花火弁当三段重」(左)と「常陸牛香味焼き重」

▽無農薬野菜や無添加食材のオーガニック料理「ダイニングムーン№385(ミヤコ)」(同市川口)によるタコライス、ハイローラーがメーンの地元野菜をふんだんに使った花火弁当と、タコライス弁当。

ダイニングムーン№385の「タコライスBENTO」(左)と「三段花火筒弁当 綾京」

▽創業109年の小松屋(土浦市大和町)による霞ケ浦のつくだ煮とうなぎを使用した国産うなぎ牛肉弁当と花火弁当うな丼、土浦名物づくし弁当。土浦名物づくり弁当はすでに予約完売という。

小松屋の「国産うなぎ牛肉弁当」(左)と「土浦全国花火競技大会100周年記念 土浦名物づくり弁当」

ほかに、▽天然うなぎ専門うなぎ村(かすみがうら市安食)が、霞ケ浦の天然うなぎやシラウオ、土浦のレンコンや新栗を使用した三段花火筒弁当を販売。▽土浦飲食店組合の福来軒(土浦市中央)が中華花火弁当を販売する。

◆土浦花火弁当は予約受付中。詳細は土浦市観光協会のホームページへ。注文は同ホームページから各店へ。当日の弁当引き渡し場所が変更になり、今年は土浦市田中3-4-5になる。詳しくは電話029-824-2810(同市観光協会)へ。

つくばアルボラーダ 世界大会出場へ 3人制バスケ

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3x3グランプリつくば2025でプレーする「つくばアルボラーダ」の藤原叶夢選手(中央)=アルボラーダ提供

11日から中国 杭州

つくば市を拠点に活動する3人制バスケットボール、3X3(スリー・エックス・スリー)男子の「つくばアルボラーダ」が11〜12日に中国・杭州で開催される国際大会「FIBA 3×3 ワールドツアー」(国際バスケットボール連盟主催)に出場する。世界大会の出場権を賭けた「3×3グランプリつくば2025」が9月6日つくばカピオで開催され、つくばアルボラーダが優勝し出場権を得た。

つくばアルボラーダは、アウトサイドからの攻撃を得意とし、戦術の遂行力が高いことが特徴。選手はU-18日本代表候補になった藤原叶夢(とむ)選手、中学生時代からチームに所属する増崎雄大選手、筑波大医学部出身で医療関係の仕事をしながらプレーする八幡原礼音選手、筑波大出身で教員の資格を持つ喜入大地選手などがいる。中国での戦いについて「格上のチームが相手なので苦戦が続くと思うが、自分たちの戦術がどれだけ続くか挑戦していきたい」と意気込みを語る。

大会で優勝した「アルボラーダ」の選手たち=同

筑波大出身者が設立

チームを運営する一般社団法人アルボラーダ(中祖嘉人代表)は、筑波大学体育専門学群出身でプロバスケットボールチームのアシスタントコーチを務めていた中祖さん(44)と、筑波大バスケットボール部選手だった吉村拓さん(39)が、選手の育成や普及を目指し2012年に設立した。

チームは男子トップチームの「つくばアルボラーダ」のほか、女子トップの「モーリスラクロア」、U-18男子、U-15男子と女子、U-12男子と女子があり、小中学生を対象としたスクールを開くなどの活動を続けている。現在、小学生から社会人まで約150人が所属する。

これまで男女とも日本代表選手を輩出している。谷田部地区出身の小澤峻選手はU-15時代からアルボラーダに所属し、アジアの男子得点王になった。現在はプロバスケットボールB3リーグの「しながわシティ」に所属する。女子の鶴見彩選手は埼玉県出身、5人制バスケの社会人チーム日立ハイテクで活躍し、現在女子トップチームのモーリスラクロアに所属する。

筑波山麓秋祭り」に協力

「認知度を上げたい」と話す理事の吉村拓さん

理事の吉村拓さん(39)は「今まで育成に力をいれてきたが、バスケットに夢中で、地域のことをあまり知らなかった。地域あってこそのチームなので、これからは地域を応援しながら認知度を上げていきたい」と話す。

手始めに10月下旬から始まる「筑波山麓秋祭り」に協力する。きっかけは、女子チーム「モーリスラクロア」が出場する女子の国内プロリーグが11月1日、同市北条の筑波総合体育館で開催することが決定したこと。同時期に山麓秋祭りが開催されることを知り、コラボ出来ないか検討した。秋祭りは、山麓のさまざまな場所で広範囲に開催されることから、アルボラーダが地区ごとに動画を撮影して秋祭りのPRに協力することになった。吉村さんはさらに月1回開催される秋祭りの打ち合わせ会議にも出席、地元と協力関係が芽生えている。(榎田智司)

県詩人協会理事長 柴原利継さん《ふるほんや見聞記》9

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柴原利継さん

【コラム・岡田富朗】茨城県詩人協会は2005年に創立され、会長の鈴木満さん(故人)、理事長の武子和幸さん、名誉会員の星野徹さん(故人)、瀬谷耕作さん(故人)、新川和江さん(故人)、粕谷栄市さん、山本十四尾さんと、会員130名での船出、今年7月で20周年を迎えました。現会長は髙山利三郎さんが務めており、会員数は約90名です。

現理事長の柴原利継さんが詩と出会ったのは、中学3年生のとき。詩人の大島邦行さんが桜中学校に赴任してきたことがきっかけでした。大島さんは水戸市出身で、星野さんの愛弟子。詩誌「白亜紀」の同人でもあり、日本現代詩人会、茨城県詩人協会の会員。詩集『海または音叉』(1979年、国文社)の著者でもあります。

柴原さんは2007年、塚本敏雄さん、福田恒昭さんと共に詩誌「GATE」を創刊。現在も発行しており、柴原さんの詩を読むことができます。同誌では毎号発刊時に読書会を開き、テーマを設けた競作を行っています。また、原稿段階での合評やゲストの招待、持ち回りによるエッセイの執筆なども柱としています。

塚本さんは、日本現代詩人会の前理事長であり、柴原さんとは幼稚園からの旧知の仲。共に大島さんに出会い、詩の世界へと導かれました。高校時代には、大島さん、塚本さんと3人で同人誌を発行していました。

元気をもらえるのは谷川俊太郎の詩

谷川俊太郎詩集 (1965年、思潮社、二十億光年の孤独 収録)

柴原さんは「詩が完成した時もうれしいが、詩を作る中でいろいろなことを考える時間が、何よりも貴重」だそうです。特に好きな詩人はとの質問には、「若い頃は、ちょっと斜に構えて世の中を見ていたので、渋沢孝輔さんのブラックユーモアに面白さを感じていました。でも、読んでいて元気や勇気をもらえるのは、やはり谷川俊太郎さんの詩ですね。『さすが』と思える詩がたくさんあります」と話してくれました。

さらに「谷川俊太郎の詩集の中で、1冊を挙げるなら」と聞くと、「やはり第一詩集『二十億光年の孤独』(1952年、創元社)ですね」と教えてくれました。

谷川俊太郎は2024年11月13日、92歳で逝去されました。1952年の『二十億光年の孤独』刊行以来、絵本を含めて何百冊もの著作を世に送り出してきました。25年6月6日には、朝日新聞連載の「どこからか言葉が」をまとめた詩集『今日は昨日のつづき どこからか言葉が』が出版されました。

この詩集には、谷川俊太郎が最後に残した「感謝」を含む47篇の詩が収録されています。「感謝」は逝去から4日後の朝日新聞に掲載されました。(ブックセンター・キャンパス店主)

現地の暮らしに密着し海外を撮影旅行 土浦の石川多依子さん「一期一会」展 

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タイ、モン族の衣装を着る石川多依子さん=土浦市内

7日から 市民ギャラリー

土浦市在住の写真家、石川多依子さんが、海外で出会った人々や印象を組み写真で表現した写真展「一期一会」展が7日から土浦市民ギャラリー(同市大和町)で開催される。これまで2回、土浦の街中を散策し出会った人々や街の変遷を撮影したモノクロ写真展を開催してきた(22年9月14日付24年9月30日付)。今回は、2000年から18年までの間に海外で撮影した写真を展示する。タイ北部の山岳地帯に住むモン族やリス族、中国新疆ウイグル自治区など現地の人々の暮らしに密着した57点を展示する。そのうち29枚はフイルムカメラで撮影しデジタル化した。

きれいな風景ではなく人間味のあるところ

石川さんは1945年水戸生まれ。中学生のときに父親から写真を教わって以来、子育て期間を除いて撮影を続けている。海外で撮影するきっかけになったのは、父親が亡くなり癒しのために1999年に出掛けた友人との海外旅行だ。なんとなく良さそうと、タイに行ったところ、山岳地帯に住むリス族やラフ族、アカ族などの民族衣装の美しさに魅了されてしまった。以来、チェンライ市の子どもの教育を支援する里子プロジェクトに参加しながら、撮影の旅を続けた。

趣味のパッチワークも海外での人々の暮らしを撮影する機会になった。2002年にメキシコのグアナファート大学に招待されパッチワークの個展を開催した。その際は、グアナファートの町を歩き撮影した。その後もタイ北部のカレン族、中国新疆ウイグル自治区、エジプトなどに積極的に撮影旅行に出掛けた。

2016年には、リス族の写真を見た水戸在住の文化人類学者に「水も電気もない暮らしをしている人がいるエチオピアに行ってみないか」と声を掛けられ、「二つ返事で行った」と石川さん。「みんなが撮影する美しいところや有名なところではなく、人々の生活や人間味のあるところを撮りたい」と石川さんはいう。そのため、より地元の人と触れ合える安いホテルに泊まったり、少数民族の住居に滞在したりする。

タイ北部の首長族が住む山岳地域は水が豊富だ。井戸端で水をたっぷり使いながら髪を洗う女性の姿と横にたたずむ少女の対比が印象的で撮影した。幼い頃から首に巻いた真鍮のリングは、一生外すことができないそうだ。

タイ北部チェンマイの首長族の若い女性が髪を洗う「井戸端」=石川さん提供

ベトナムに住む華僑の女性が、街角で美容サロンを開いていたところを撮影。屋根もない店舗だが、マニキュアを施術されている女性は顔にパック剤をつけて満足気に微笑んでいた。女性のたくましさに感心したという。

「街角」ベトナムのホーチミン=同

家畜であるラクダに荷物を乗せる、エチオピアのサバンナにあるボラナ村の人々を撮影した。村には井戸などがなく水がないため、1日の水分は朝のラクダの乳で作ったミルクティー2杯のみだった。数日間、わらぶき屋根でできた村人の家に滞在したが、子ヒツジや子ヤギも一緒に寝る環境でダニに悩まされたそうだ。

エチオピアのボラナ村「サバンナおだやかな時間(とき)」=同

今回の写真展は、撮影した年代順に12のテーマに分け、組み写真で展示する。2000年は「山の子供」と題してタイ山岳地帯のモン族の写真を紹介、01年は「街角」のタイトルで中国雲南省の麗江(れいこう)ナシ族の写真などを展示する。

海外で撮影した写真を地元土浦で展示するのは初めて。石川さんは「これまで都内や大阪、水戸で展示会をしてきた。今回は土浦の人にも遠い国の人々の暮らしを見てもらいたい。何かを感じ取っていただけたら」と来場を呼び掛ける。(伊藤悦子)。

◆石川多依子写真展「一期一会」は7日(火)から13日(月・祝)まで、土浦市大和町1-1アルカス土浦1階 土浦市民ギャラリーで開催。入場無料。開館時間は午前10時~午後5時(初日は午後1時から、最終日は午後4時まで)。問い合わせは電話029-846-2950(同ギャラリー事務室)

茨城の大学に金融学部を設立せよ《地方創生を考える》32

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筆者の講演の様子

【コラム・中尾隆友】外資系金融機関は近年、東京大学や東京科学大学の学生の就職先として非常に人気がある。国内の大手企業と比べて、将来にわたって高額な報酬を得られる可能性が高いからだ。特に投資部門で成功すれば、桁違いの報酬を稼げることは周知の事実だ。しかし、日本で投資関連のスキルを持った人材は少ない。

講師は投資実績がある人を

そこで私は、茨城大学や筑波大学で金融学部や金融学科を設立することが地方創生の起爆剤になると考えている(コラム25参照)。投資で真に求められるのは、幅広い分野の知識を持った上で、多種多様な局面で柔軟に対応できるような人材だ。

日本でも金融学科がある大学が複数あるものの、そういった人材が育てられているのかはなはだ疑問だ。歴史を振り返っても、生粋の学者は投資の分野に向いていないからだ。有為な人材を育てるためには、非常勤でもよいので外部から優秀な講師陣を揃えなければならない。当然ながら優秀な講師陣とは「投資で常に実績を残している人たち」のことだ。

投資という複雑怪奇な世界と対峙(たいじ)するためには、実践的な考え方や対応の仕方を学ぶ必要がある。後付けの解釈が得意な証券会社やシンクタンクのエコノミストは必要ないわけだ。実績を残し続けている講師陣をそろえれば(実は意外に簡単に集められる)、優秀な学生が全国から集まるのは間違いない。その帰結として、有為な人材を多数輩出することも可能になるだろう。

地方を拠点にするバフェット

それが実現できるか否かは、自治体の首長の才覚にかかっている。凡庸な首長ではとても決断できない発想だからだ。

地方創生の観点から、外資系金融機関の拠点を大学の近くに置く一方で大学が人材を供給するという協定を、複数の金融機関と結ぶという案はいかがだろうか。金融の中心地は東京である必要がない。世界一の投資家といわれるウォーレン・バフェットが大成功を収めた理由のひとつに、米国の地方都市オマハ(ネブラスカ州)に住んでいるメリットが挙げられるからだ。

金融の中心地であるウォール街では投機的な情報が氾濫しており、長期的に成長する分野や企業を見分けるには雑音が多すぎる。むしろ、地方都市のほうが適しているのかもしれない。投資に関するスキルは、起業や経営で成功するためにも、地方を発展させるためにも、必要不可欠な要素だ。投資の力を生かす取り組みを、自治体と大学が一体となって進めることを期待したい。(経営アドバイザー)

推測と事実の違いが… 《続・気軽にSOS》165

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【コラム・浅井和幸】会社の業績が悪くボーナスが支給されないため、ボーナスを当てにして組んだローンが払えないとアタフタする。相手がとても喜んでくれると思ってプレゼントしたのに、思ったより喜んでもらえなかった。計画していたよりも仕事が進まず、やる気も出ない。

これらのように、自分の予想や計画よりも物事が順調に進まず、嫌な思いをすることはよくあることだと思います。自分が推測するほど物事がよい結果を生まないとき、あなたはどのように考えるでしょうか? 行動できるでしょうか?

ローンを払えない自分は悪くないと会社のせいにしたり、プレゼントを喜ばない友人の性格を疑ったり、たまたまかかってきた電話のせいにしたりと、他責思考になるでしょうか? それとも、自分は何て能力のない奴だと、自責の念に駆られるでしょうか?

他責でも自責でも、その瞬間や過去に対して評価をしている状況です。うまくいかないことは、何か悪い原因があるのかと考えるのは、間違いではないかもしれませんが、そこにとどまるだけでは何も解決に向かいません。

解決をするには、解決をするための要素を集める必要があります。仕事が終わらないことを自分や他人のせいにしてネガティブな気持ちに浸っていても、仕事が終わるわけではありません。普段からやる気のスイッチが簡単に見つけられる人でない限り、そのスイッチを探し回っても時間がたつばかりです。

悪い出来事の責任論を続けていても、何かを達成するところへ近づくことはありません。それよりも、実際にどのように仕事を進めるかを考え、実行することの方が優先事項となるでしょう。

いくつかの可能性への対策を用意

人は推測したことが実際に起こらないと、パニックになります。そのパニック状態を起こして、どのような対策をとるかで人物の優秀性を測るテストもあるようです。

優秀な人間はパニックになる状況でも最善策を実行できると言われても、そう簡単に優秀な人間にはなれません。推測を一つに絞らずに、三つぐらいは考える癖をつけましょう。物事が順調にいく未来もあるし、うまくいかないこともあるかもしれない、さらに全く予想もしない別の現実が待っているかもしれない―と考える習慣があれば、いくつかの可能性への対策や心構えを持つことができるでしょう。

いつもうまくいく未来しか思い描けない人の特徴は、傲慢(ごうまん)な振る舞いに現れます。他人への批判ばかりが先行する。自分は完璧な人間であると思い込んで、敵を多く作ってしまう。もしかしたら、傲慢でいなければいけないほど、何かしらのコンプレックスを隠し持っている。コンプレックスを見ないふりをしていないと、不安で不安で仕方がないのかもしれませんね。(精神保健福祉士)

場所を誤認し救急隊の到着10分遅延 つくば市消防

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つくば市役所

つくば市消防本部は3日、消防指令センターが119番通報を受けた際、通信指令員が救急要請場所を誤認し、救急隊及び消防隊の到着が10分遅延してしまったと発表した。傷病者らは商業施設の従業員用駐車場で到着を待っていたが、通信指令員が詳しい場所の確認を適切に行わず、お客様用駐車場の方だと思い込み、救急車と消防車をお客様用駐車場に向かわせてしまったという。

市消防本部消防指令課によると、2日午前9時18分ごろ、同市下平塚から、商業施設付近で高齢の女性が倒れていると119番通報があった。中央消防署から救急車1台と消防車1台が駆け付け、10分後の9時28分、商業施設のお客様用駐車場に到着したが、傷病者を確認できなかった。

隊員から連絡を受けた通信指令員は、通報者に電話を架けるなどしたが、つながらない状態だった。現場に到着した隊員らが、車を降りて周囲を探すなどしたところ、商業施設にいた別の人から、近くに倒れている人がいることを聞き、さらに10分後の9時38分、現場に到着し、女性を救急車で病院に搬送した。

通信指令員は本来、気が動転している通報者と冷静にやりとりし、適切な情報を聞き出し、消防隊や救急隊に出動指令などを出すのが仕事。市消防本部は、通報を受けた通信指令員が、商業施設の駐車場をお客様用の駐車場だと思い込み、通報者に詳しく状況を聞かなかったのが原因だとしている。

青木孝徳消防長は「このたびは本人並びにご家族に多大なるご迷惑をお掛けし心からお詫びします。市民の生命、財産を守る立場である消防本部として、今後同様の事案が発生しないよう、指令員への再教育を徹底し、体制の強化を図ってまいります」などとするコメントを発表した。

海外出張 市長はビジネスクラスまで 全会一致で修正案可決

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市長の海外出張の航空運賃と宿泊費をめぐって全会一致で修正案が可決されたつくば市議会9月定例会議最終日の本会議

つくば市議会

つくば市議会9月定例会最終日の3日、本会議が開かれた。海外出張の際の航空運賃について、市長はファーストクラスまで利用できるとなっている市長提案の市職員旅費条例改正案に対し(9月17日付)、小森谷さやか市議(市民ネット)から修正案が出され、全会一致で修正案が可決された。修正条例は、現行の市旅費条例と同様、市長の航空運賃はビジネスクラスまでとなる。来年4月から施行される。

宿泊費についても修正する。市長提案の条例改正案は宿泊費の基準を3段階の区分のうち一番上(首相等と同等の基準)としていたのを、小森谷市議提案の修正条例は上から2番目(指定職職員等と同等の基準)に修正する。例えばロンドンに宿泊する場合、条例改正案は1泊7万円が基準額だったが、修正条例は1泊4万8000円になる。ストックホルム(スウェーデン)での宿泊の場合は4万8000円が3万3000円になる。

併せて、小森谷市議と山中真弓市議(共産)からそれぞれ、東京都知事の海外出張に関する運用指針にならって、つくば市でも運用指針を策定するよう注文が付いた。これまでも一般質問で問題点を追及してきた山中市議は賛成討論で、五十嵐立青市長がコロナ禍後に再開した海外出張に対して「回数が多く、期間が長い」などと改めて批判、運用指針については東京都にならって①出張の目的を明確にし、事前に目的、出張概要、概算費用を公表する②航空券の手配は複数の事業者から提案を受け経費節減に努める③出張後は速やかに出張経費の項目ごとの内訳、数量を含む詳細な情報と、出張の成果を公表するーなどの指針をできるだけ早く策定するよう求めた。

来年4月からまた値上げ 下水道料金

一方、下水道使用料を平均18.1%引き上げる下水道条例改正案(9月2日付)は賛成多数で可決された。反対したのは山中真弓市議1人だけ。可決により、来年4月から20年ぶりに引き上げられる。同市では今年4月、水道料金が平均15%引き上げられたばかりで、2年連続で上下水道料金が引き上げとなる。

第三者委設置請願は不採択 生活保護行政

生活保護行政の不適正事務をめぐり、市が今年6月にまとめた「生活保護業務の不適正な事務処理に関する報告書」はひじょうに不十分で不誠実だなどとして、当時、生活保護業務を担当していた市職員が出していた第三者委員会による徹底的な調査を求める請願(9月26日付)は、賛成少数で不採択となった。請願に賛成し第三者委の設置を求めたのは山中真弓、川村直子(市民ネット)、酒井泉(新・つくば民主主義の会)、市原琢己(Nextつくば)、川田青星(市民ネット)の5市議。(鈴木宏子)

皆既月食と夏休みの自由研究《ことばのおはなし》86

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写真は筆者

【コラム・山口絹記】変な時間に寝てしまい夜中に目を覚ましてしまうことがある。さえてしまった眼で時間を確認すると、夜中の1時。しばらく寝られそうにもないが、目だけでも閉じておこうとしたところで、今夜は3年ぶりの皆既月食、とのスマホの通知が目に入った。

せっかくだし撮っておくか。ごそごそと立ち上がって、三脚とカメラに望遠レンズをセットする。望遠レンズといっても、せいぜい子どもの運動会用のレンズだが、最近のカメラは性能が良いので、トリミングすればそこそこな写真が撮れてしまう。

寝ている妻にも声をかけてみると、「子どもたちに見せようか」と言うので、月が欠けてきたら起こそう、ということになった。

セッティングを確かめるために一度外に出て三脚をセットする。が、夜なのにまだ暑くて待機するのは諦めた。部屋に戻ってパソコンを立ち上げると、いたるところで月食LIVEの動画配信が行われていた。便利な時代である。快適な室内でちょうどよい頃合いをうかがって外に出ればよい。

観察される側になった私

はっきりと食が確認できるようになったタイミングで、妻と子どもたちと外に出た。子どもたちは食にはそこまで興味がないようで、珍しい夜のイベントに興奮したのかパタパタとあたりを走り回っている。

カメラの背面モニターで拡大した月を確認しながらピントを合わせる。食が最大となる瞬間は何度見ても美しい。何枚か撮影して顔を上げると、娘が月ではなくこちらを見ていた。

ふと、自分が小さい頃、夏休みの自由研究でアゲハチョウの観察をしたことを思い出した。サナギの状態のチョウを枝ごと持ち帰って羽化を観察する計画だったのだが、チョウの羽化は朝早いので、私はウトウトしていてほとんど記憶がない。カメラをやっていた伯父が羽化の瞬間を撮影していたのだが、チョウの羽化よりも、それを見て感動している伯父の姿の方が記憶に残っている。

家族が家に戻った後も撮影を続けながら、ああ、そうか、私も観察される側になったのかもしれないな、とふと思った(言語研究者)

コンパニオンアニマルと孤独の時代《看取り医者は見た!》45

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写真は筆者

【コラム・平野国美】私が今の仕事に従事して20年以上が経過し、世の中のシステムや価値観が大きく変わるのを肌で感じています。最近では、新型コロナ感染症が死生観や葬儀の在り方を変えました。これらの変化を良い、悪いと論じるのではなく、歴史的な事件や災害が生活様式を変えるのは世の常なのでしょう。

家族の形態も大きく変わりました。子供の頃に見ていた日曜日夕方の「サザエさん」のような、一つ屋根の下に多世代が暮らすご家族にお会いすることは、今や年間を通して一件あるかないかです。核家族化が進み、誰もが独り暮らしになりうる時代。サザエさん一家の同居ペットであった猫「タマ」の立ち位置は、ペットという存在をはるかに超えているのです。

ここ数年、訪問先様のお宅でペットにお会いする機会が増えました。以前はワンちゃんが多かったのですが、飼い主様の高齢化に伴い、散歩など体力的な負担が少ない小型犬が好まれ、やがて猫へと変わってきました。この変化については、以前、コラム27「ワンちゃんがネコちゃんに負けた日」(24年9月19日付)で報告したことがあります。

核家族化と独居化が進む中、「我々は誰と老後を暮らし、そして最期を迎えるのか?」という根源的なテーマが浮上しています。その問いに対する一つの答えが、彼ら「コンパニオンアニマル(伴侶動物)」です。

犬や猫と人間の絆が「愛情ホルモン」とも呼ばれるオキシトシンによって育まれることは、医学的にも解明されています。このホルモンは、ストレスの軽減や幸福感の向上、信頼感を深める働きがあり、触れ合い(スキンシップ)や会話によって分泌が促されます。驚くべきことに、オキシトシンは人間同士だけでなく、人と犬といった異種間でも、お互いの分泌を促進させ合うのです。

「孫を飼うなら犬を飼った方がいい」

太古の昔、人の集落に近づいてきた狼の中に、人懐っこい性質の個体がいたのでしょう。それらが家畜化されて犬になったという説があります。犬は他の動物に比べて白目の部分が多く、人とアイコンタクトを取るのが得意です。視線を交わし合うことで、人と犬は共に狩りをし、コミュニケーションを取り、共生の道を歩み始めました。

皆さんも、犬と見つめ合った時に、幸福感に包まれた経験はないでしょうか。まさにその瞬間、オキシトシンが分泌されているのです。もちろん、人と猫の間にも、このホルモンを介した関係が成立することが証明されています。

高齢化と独居が進む時代、唯一無二の存在として傍らにいるのが犬や猫なのです。彼らは今やペットを超え、「コンパニオンアニマル」と呼ばれています。以前、ある患者さんが私に、こんな意味深な言葉を漏らしました。「先生よ、孫を飼うなら犬を飼った方がいいね。裏切らないよ」。この言葉が持つ重みを、私たちはどう受け止めるべきなのでしょうか。(訪問診療医師)

防災拠点27年末完成へ 大屋根芝生広場は計画変更 旧総合運動公園用地

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防災拠点施設=グッドマンジャパン作成(全員協議会に示された資料より引用)

つくば市土地開発公社が外資系物流不動産会社、グッドマンジャパンつくば特定目的会社に売却した同市大穂、高エネ研南側の旧総合運動公園用地(約45ヘクタール)について、市議会全員協議会が29日開かれた。同市が活用する用地南側の防災拠点施設約4.2ヘクタールについて、来年夏ごろ着工し、27年末までに完成する見通しであることが示された。

一方、2022年8月の土地売買契約締結時点の事業計画が変更になる。当時は防災備蓄倉庫やアメニティ施設などの上に大屋根を架け、芝生広場とする事業計画案が示されたが(22年8月30日付)、約4ヘクタールの防災多目的広場と、平屋建て建物面積約2900平方メートルの防災備蓄倉庫を設置する。ほかにグッドマンがアメニティ施設を設ける。消防、警察、自衛隊などの活動拠点や災害廃棄物の仮置き場として使用可能な平場スペースとするためという。広場と倉庫は20年間、市が無料で借り受けるが、その後どうするかは決まってないとした。

一方、1棟目の施設として、来年春ごろにデータセンターを建設する工事に着工するという。28年春ごろ完成予定。

データセンターと防災拠点施設の配置予定図=グッドマンジャパン作成(全員協議会の資料より引用)

全協では、グッドマンが対面での住民説明会をこれまで一度も開催していないことに対して「説明会は普通、対面で説明し同意を得る。周辺区会と敷地境界100メートル以内の住民に紙だけ渡しただけではとうてい説明したことにはならない」(市原琢己市議)などの意見が出た。ほかに、無料で借りられる期間が20年間であることに対する懸念が複数の市議から出されたほか、物流倉庫ではなくデータセンターが最初に建設されることについて「住民説明会で市長は、物流倉庫ができると雇用創出ができるとおっしゃっていた。約束通りきちんとやっていただきたい」(飯岡宏之市議)、防災拠点についての市とグッドマンとの契約内容がまだ示されていないことについて「防災拠点についてなぜ未だに契約の条件がはっきりしないのか」(酒井泉市議)などの意見が相次いで出された。全協は酒井市議が黒田建祐議長に開催を要望していた。

ボランティアフェスタinつくば《けんがくひろば》16

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過去のボランティアフェスタ in つくばの様子

【コラム・山崎誠治】10月11日、つくば駅近くのセンター広場やコリドイオで、「ボランティアフェスタinつくば」が開催されます。各ボランティア団体が、手話、点字、工作、楽器演奏などの体験、よさこい、ガマ口上などの活動発表を行います。スタンプラリーやモルック体験などもあり、子供も大人も楽しめます。今回は研究学園駅周辺の催しの紹介ではありませんが、皆さん、ぜひいらしてください。

みんなでつくるボラフェス

つくばには200を超えるボランティア団体があります。つくば市ボランティア連絡協議会は、ボランティア団体の世話をする人ではなく、「共に活動していく仲間」の集まりとして、従来の「世話人会」から「推進チーム」へと団体名を変更しました。そして推進チームのスタッフだけでなく、登録ボランティア団体の方々も参加していただき、「ボランティアフェスタinつくば」実行委員会を結成し、いろいろな意見を取り入れ、充実したボランティアフェスタ(以下ボラフェス)を開催いたします。

最近、いろいろな場面で「つながる」という言葉を聞きます。ボラフェスは、ボランティア団体の活動を紹介することで、より多くの市民とつながるきっかけを創るだけでなく、各団体のつながりを深めることも大きな目的としています。

昨年のボランティアフェスタinつくばの様子

いろいろなつながりが始まる

ただ、「つながりましょう」と言って、つながるものではありません。団体同士の交流会を開催するにしても、お互いを知り合えるような工夫が必要です。各団体が「団体の紹介カード(きっかけカード)」を作成し、「どんな活動をしているのか」「どんな課題があるのか」「どんな工夫をしているのか」など活動内容だけでなく、問題点やその対処方法など、他の団体を知ることにより、いろいろなつながりが始まると思います。

また、今までボランティア活動に参加したことのない学生や市民の来場者だけでなく、出展者も他の団体のブースに加わり、そのボランティア活動を体験するという「インターン制度」も行います。このように、知り・体験することにより、これからの団体の活動に役立てることができればと思います。

新しい出会いを見つける

子どもも大人も、ボランティア活動を世の中のためということだけでなく、自分のためとして、いろいろな活動に参加するきっかけの発見の場として、ぜひボラフェスを楽しんでいただきたいと思います。

もちろん、いろいろな団体のブースをご覧になり、「つくばではこんなことをしている団体があるんだ」と発見したり、各ブースのイベントを見たり、イベントに参加し、体験していただくことでも、子どもから大人まで十分楽しんでいただけると思います。(ボランティアフェスタ実行委員長)

<ボランティアフェスタinつくば>
・日時:10月11日(土)午前10時~午後3時
・場所:コリドイオ・つくばセンター広場・ノバホール小ホール
・主催:つくば市ボランティア連絡協議会、つくば市社会福祉協議会

花室から上広岡の突風は竜巻 水戸気象台 18日つくばの被害

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倒壊したプレハブ2階建ての事務所兼倉庫の被害状況を調査する水戸地方気象台機動調査班=19日午前11時30分過ぎ、つくば市花室

つくば市で18日発生した突風について、水戸地方気象台は29日、現地調査の結果、プレハブ2階建て事務所兼倉庫が倒壊した同市花室から上広岡で発生した突風は竜巻と認められると発表した。一方、解体作業中の国家公務員住宅の足場の倒壊があった天久保から吾妻にかけて発生した突風の種類は特定に至らなかったとした。

花室から上広岡にかけては18日午後2時53分ごろ、屋根瓦が飛散したり、コンテナが横転するなどした。同気象台によると、突風発生時に活発な積乱雲が付近を通過中で、被害や痕跡は帯状に分布、突風は1分間程度だったという。竜巻の強さは1秒当たり風速45メートルと推定され、0~5まで6段階で強さを評価する「日本版改良藤田スケール」で弱い方から2番目のJEF1該当するという。

一方、気象研究所は、最新型の気象レーダーを用いて調査を行った結果、花室から上広岡にかけて、ガスフロントに伴う複数の竜巻が発生していたことが分かったと発表した。ガストフロントは積乱雲の下で形成された冷たく重い空気の塊が、重みによって、温かく軽い空気の側に流れ出すことによって発生する空気の流れ。今回のような現象を気象レーダーによって至近距離からとらえたことは極めて珍しく、同研究所は現象のメカニズム解明を進めるとしている。

天久保から吾妻にかけての突風は午後3時ごろ発生し、解体中の国家公務員住宅の仮設足場の壁つなぎ財が破断するなどの被害が発生した。突風について水戸気象台は、被害や痕跡、聞き取り調査から、被害をもたらした現象を推定できる情報が得られなかったとした。足場の壁つなぎ材の破断から、突風の強さは1秒当たり風速35メートルと推定され、「日本版改良藤田スケール」で最も弱いJEF0に該当するという。

高齢者を元気にする表現活動《令和楽学ラボ》37

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ギャラリーサザの「二人展」。中央は筆者

【コラム・川上美智子】長寿社会の到来で活躍する高齢者が増えている。筆者自身も年をとっても諦めず、生きがいを求めて人生三つ目の挑戦に挑んでいる。一つ目は子育てと大学教員としての教育研究活動と数々の審議会委員などの社会活動、二つ目は保育園園長として子育ち・子育て支援といろいろなボランティア活動、三つ目が仕事の傍らの陶芸である。

62歳で始めた陶芸、2年前の喜寿には初めて個展を開き、今年はきりのよい傘寿を記念し、9月16日~22日の1週間、ひたちなか市のサザギャラリーで二人展「土が奏でる世界へ」を開催した。

陶芸は、大学に勤務していた頃の教育研究対象の食物科学と全く異なる分野であるため、偶然会場に入って来られ、何十年ぶりかでお会いした方は、「先生は白衣を着てヒールを履いて格好よく歩く姿しか目に浮かばない」と本当にビックリされたようであった。同年代の来る人来る人が作品を見て元気をもらった、自分も頑張らなくてはと言って帰って行かれた。

展覧会に出すのを目標に先生から陶芸の指導を受けて来たので、スタート時点から10キロを超える大型作品造りに挑戦している。重い粘土や作品を運ぶのは、若い頃にワンゲルやスキーで鍛えた丈夫な足腰が役立っている。また、小学校や高校で美術部に入り油絵を描いていたのが、作品にアート要素や自己表現を入れるのにプラスになっているように思う。とにかく今は土をこねて造形する時間が楽しく、仕事の無い日は合間をみて一人、家で小物作品を作っている。

一方で、趣味だから楽しめるのだろうと思っていて、これが仕事になり、作家として生きていこうとすれば、すごく苦しいことになることはわかっている。高齢の身には酷であるが、今は簡単に諦めず、できるところまでやってみるつもりである。

新槐樹社秋季展に出展した「波濤」(左の青い鉢)

11月には県美術展に出展

9月24日からは、数寄屋橋のギャラリーセンタービル6Fの銀座洋協ホールで新槐樹(しんかいじゅ)社秋季展が始まった。現在、このビルが建てられている所は、戦前から戦後、筆者の父親が勤務していた旧財閥の会社ビルだったところから、筆者も小学生の頃、よく訪れていた。今回、本当に懐かしくゆかりのある場所で作品が展示されることに深いご縁を感じていて、30数年前に亡くなった父も喜んでいるのではないかと思っている。

今回は準備で全国から絵画や陶芸の出展者が銀座に集まった。驚いたことに、そのほとんどが私と同年代の男女で、生きがいを求め、表現活動にいそしむ高齢者が多いことを実感した。

11月には17年間欠かさず出展してきた茨城県美術展覧会があり、この時期は美術展が目白押しで趣味三昧の忙しい日々となる。このような生き方が、高齢者のwell-being(=ウェルビーング=、良き生)、すなわち高齢者の生き方モデルの一つになれば、悔いなき充実した人生になるのではないかと考えているところである。(茨城キリスト教大学名誉教授、関彰商事アドバイザー)

逃げ遅れゼロなど 沿岸7首長らが行動宣言 鬼怒川水害10年

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「行動宣言」を承認した首長たち

常総市で式典

2015年9月10日に起きた水害から10年を迎えた常総市で28日、記念式典と水害を考えるシンポジウム「常総水害から10年 水害の記憶を未来へ」が、常総市地域交流センター(豊田城)ホールで開かれた。式典では、水害の記憶を風化させず、安心して暮らしていける社会を築くため、逃げ遅れゼロを目指すーなどの行動宣言が、鬼怒川沿岸の関係6市1町の首長らにより承認された。

主催したのは、国交省下館河川事務所、県と、常総、結城、下妻市など鬼怒川に接する県内6市1町による実行委員会。式典には、神達岳志常総市長ら県市町の首長、地元の国会議員らが登壇した。会場には市民ら1350人余りが足を運んだ。

式典であいさつに立った神達常総市長は「国、県、近隣の市町村も含めて市民と一緒に復旧復興に取り組んできた10年だった。国の緊急対策プロジェクトで600億円を投資しての堤防の整備等、ハード面の整備を進めてきた。それと併せて一番大事な取り組みとして、住民の防災力の向上のため、地域の自主防災組織の活性化に地域と一緒に取り組んだ。防災の取り組みに終わりはないので、しっかり次世代に継承していくために、子どもたちも含めて防災への意識啓発を、共助、自助、公助が連携して取り組んでいきたい」と話した。また今後の治水対策として、大雨により下水道等の排水施設の能力が追いつかず、雨水が排水できなくなり浸水する「内水氾濫」対策が重要だとし、「鬼怒川、小貝川の堤防が決壊せずとも、内水氾濫で水害が起こる気象状況になってきているため、国、県、近隣自治体と連携して進めていきたい」と語った。

大井川和彦知事は「行政、地域住民、企業がそれぞれの役割を認識し、日頃から関係者間の連携を強化し、過去の災害を教訓として想定を超える災害はいつでも起こりうることを念頭に災害に備えることが重要。県として、今後も県民の命と安全を守るため、ハード、ソフトが一体となった流域治水対策に全力で取り組む」と語った。

茨城7区選出の中村勇太衆院議員は「全国各地で甚大な天災が頻発しているが、天災だけでなく、差別やヘイト、分断といった新たな危機に直面する時代となった。これらの危機は一見、全く関係なさそうだが、大切なことは絆を大切にし、人の気持ちを思いやり、力を合わせることが、問題が解決に向かう唯一の方法。水害から10年。改めて家族や近隣住民と深く関わることが大切」だと語った。

防災について講演する赤プルさん

シンポジウムでは、旧石下町(現常総市)出身のお笑い芸人で、防災士の資格を取得し「防災芸人」として活動する赤プルさんが、水害時に実際に被災しボートで救助された姉の体験などを踏まえながら、市民目線でできる防災対策について講演した。

パネルディスカッション後半は、河川工学が専門の白川直樹筑波大准教授が進行を務めた。常総市中妻町根新田で、町内会ぐるみで進める防水害活動が防災功労者内閣総理大臣賞を受賞するなど高く評価されてきた同町内会の須賀英雄さんが登壇し、「多くの人が防災は大切だと感じているが、必要物資の備蓄などできていない人は多い。まずは自助の確立が重要。その上で共助は育まれていく」と、一層の防災意識の向上を訴えた。(柴田大輔)

シンポジウムで取り組みを話す須賀英雄さん(中央)

<行動宣言>

  1. 1.大規模水害に対する逃げ遅れゼロを目指し、防災教育を通じた人材育成を継続し、誰もが水災害リスクを自分ごととして捉え、自らの避難行動につながる取り組みを推進していく。
  2. 2.災害から人命を守るためには自助・公助とともに、地域住民が協力して助かる共助も重要であり、地域コミュニティを維持・発展させ、より一層の地域防災力の向上に努めていく。
  3. 3.国・県・市、町はさらなる連携強化のもと、防災体制や防災機能等の向上を図り、住民の命を守るための的確な避難情報発信や支援等に取り組んでいく。
  4. 4.近年の激甚化・頻発化する水害に対して、行政や企業・住民等、地域全体のあらゆる関係者が協働して水害を軽減させる治水体制、流域治水を推進していく。
  5. 5.自然環境の保全や地域を生かした魅力ある水辺空間の創出、にぎわいのある街づくりなど、鬼怒川の豊かな水と緑の空間を次世代へ残していく。

大学の魅力は今やキャンパスの施設か《文京町便り》44

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土浦藩校・郁文館の門=同市文京町

【コラム・原田博夫】9月下旬の週末(20日・21日)、政治社会学会ASPOS第16回研究大会に参加しました。私はこの学会には設立(2010年)当初からメンバーとして参加しています。同学会の狙いは、リベラルアーツの復権と文理融合を目指し、隔年開催の日韓Joint Conference(韓国側はソウル国立大学アジアセンターが中心の韓国政治社会学会KAPS)も柱にしています。

私自身の専門分野でも、既存の学会活動(日本財政学会、日本経済政策学会、日本計画行政学会、公共選択学会など)では、専門を深める点ではそれなりの意義が認められるものの、私としては、21世紀初頭にふさわしい視野を広げる観点から、ソーシャル・キャピタル論やソーシャル・ウェルビーイング研究などに取り組むことで、一歩横に踏み出していました。ちょうど、そうした転身を始めた時期に、この学会がスタートしたわけです。したがって、両者は私にとって車の両輪と言えるものです。

でも今回は、この学会そのものではなく、会場の追手門学院大学(茨木・総持寺キャンパス)について感想を述べさせていただきます。この地は、京都と大阪から鉄道でそれぞれ20分程度の中間点です。このキャンパスは、従来の茨木キャンパスを新設の理工系学部に充当した上で、既存の文系学部の拠点とするべく開設、全面スタートは今年度(2025年度)です。

敷地は東芝の工場跡地で、4~5ヘクタールはありそうです。建物はありきたりの箱型の構造物ではなく、逆三角形や外側は電飾が点灯するなど、デザインが秀逸であるだけでなく、その内装もゆとりをもった空間レイアウトと教室外の動線・交流スペースのレイアウトや、そこに配置されている椅子・テーブルなども個性的な工夫がちりばめられています。

キャンパス空間デザインを競う時代

約40年前、関西のライバル私立大学はお互いに学生食堂の魅力向上を競い合っていました。そのころ、関東の大学は学生食堂にそれほどの重要性を置いていませんでした。料理の味や学生食堂の雰囲気などは二の次の、ボリューム重視でした。要するに、西高東低だったのです。しかし、遅れること10年ほどで、関東の大学でも学生食堂のレベルが向上し始めたようです。

そうしたことを、学会や研究会の会場となる全国各地の大学を訪れることで、肌で感じていました。今や、大学は魅力的なキャンパス空間デザインを競う時代に突入したようです。

それが、18歳人口が減少し、大学の統廃合がひたひたと迫っている環境変化への対応なのか。それとも、そうした変化への対応を外見的に整えることで、やり過ごそうとしているのか、判然としない点もあります。できれば、カリキュラム内容の充実で勝負してもらいたいところです。

それにしても、この地(摂津国の高槻・茨木など)は、かつて長岡京(784~794年)が近接していて、織田信長以前の天下人と言われた戦国大名・三好長慶(1522~64年)や、キリシタン大名・高山右近(1552か53~1615年)が駆け巡った地であること、そして日本の家電を牽引した東芝の工場跡地であることに、世の栄枯盛衰をしみじみ感じた次第です。(専修大学名誉教授)