月曜日, 1月 26, 2026
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AIが通院や受診を支援 高齢者ら参加しつくばで実証実験

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実証実験の乗り合いタクシーに乗車し、車内でタブレットに顔をかざして顔認証で病院の受け付けを済ませるデモンストレーションをする五十嵐つくば市長=22日、筑波大付属病院

つくば市内で、AI(人工知能)などの先端技術を使って、高齢者や障害者の通院や受診を支援する「つくば医療MaaS(マース)」という実証実験が17日から実施されている。

スマートフォンの専用アプリで自宅に乗り合いタクシーを呼び出し、同じ方面に向かう人同士が乗り合わせて最短ルートで病院に向かったり、タクシーの車内で顔認証により病院の受け付けを済ませたり、病院の玄関から自動運転の車いすに乗って受診する診療科まで連れて行ってもらうなどだ。

国交省の事業に採択され、茨城県、つくば市、筑波大、民間企業など74者が参加する「つくばスマートシティ協議会」(会長・大井川和彦知事、五十嵐立青つくば市長)が取り組んでいる。

高齢化率が高い小田と宝陽台の2地区を中心に、筑波大付属病院や筑波学園病院など市内6病院を結ぶ経路上にある98地区から参加者を募って、2月14日まで約1カ月間実施している。

対象地区の住民なら、専用アプリを自分のスマートフォンにダウンロードして登録すれば、だれでも実証実験に参加することができる。実証実験に参加しているタクシーは2台。期間中に98地区から6病院までを行き来するタクシーの乗車料は無料。22日時点で約180人が登録し、44人が実際に送迎などを利用したという。

AIによる乗り合いタクシーの通院ルート最適化が公共交通政策に反映できるかや、顔認証による受け付けで患者の待ち時間や病院の事務がどのくらい軽減するか、自動運転車いすが患者や付き添い者の負担をどのくらい軽減できるかを検証などする。ほかに病院内の防犯カメラの映像を使って、個人情報を除いた上で院内の人の流れの解析などをしている。

デモンストレーションで、五十嵐市長(中央)を病院の玄関から院内の採血場所に連れて行く自動運転の車いす=同

22日、五十嵐市長らが参加して筑波大付属病院で実証実験のデモンストレーションが催された。乗り合いタクシーと自動運転車いすに乗った五十嵐市長は「何の迷いもなく安心感をもって乗ることができた。ひじょうにスムーズ」と感想を話した。

同協議会幹事の鈴木健嗣筑波大教授は「病院にどうやって行ったらいいかとか、採血室はどこだろうとかなど、患者の不安を少しでも軽減できたら」と述べ、西山博之同病院副院長は「付属病院の1日の外来患者2000人のうち、杖をついていたり、荷物を持っていたりして補助が必要なケースが1日5~10件ある。(自動運転車いすなどで)自動化されれば(介添えなどの)マンパワーを他のところに充てることができる」と実用化の期待を話し「自動化された未来の病院像の設計を考えていくためにも実証実験は重要になる」などと語った。

◆実証実験の参加方法はつくば市ホームページへ。

まん延防止重点措置の適用を国に要請 知事

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茨城県庁(イラストは「いばらきアマビエちゃん」)

新型コロナウイルスの新規感染者が急増しているとして、大井川和彦知事は21日、国にまん延防止等重点措置の適用を申請したと発表した。

対象地域は1週間当たりの新規感染者数が人口1万人当たり1.5人以上の市町村で、21日時点で44市町村のうち、つくば、土浦市を含む41市町村が対象となる。対象地域は状況を見ながら柔軟に変えていく。

オミクロン株が主流の今回は、医療崩壊の危険までまだ余裕があるが、新規陽性者の急増の度合いが第5波の3倍の速さで拡大し、社会経済活動が危機にさらされる恐れがあるとして、従来より早めの申請をしたとしている。

学校の対策を強化

特に20代以下の感染がひじょうに増え過半数を占めているとして、学校の対策を強化する。重点措置が適用となった場合、対象市町村の学校は、部活動の練習試合は県内の学校同士2チーム以内、県内大会は原則、延期または中止、関東大会や全国大会などは全参加者の陰性を確認した上で実施するよう要請する。合宿など宿泊を伴う活動は自粛、修学旅行は、旅行先が重点措置の対象地域であった場合は延期または中止を要請する。

適用されれば、飲食店に対しても再び営業時間の短縮を要請する。ただし今回は①酒類を提供せず午後8時以降、営業自粛とするか、または②酒類を提供し午後9時以降、営業自粛とするか、どちらかを選んでもらう。協力金はどちらを選ぶかによって異なり、①酒類を提供せず午後8時以降の営業自粛の場合は中小企業は1店舗1日当たり売上高に応じて3~10万円②酒類を提供し午後9時以降の営業自粛の場合は2万5000円~7万5000円となる。大企業の飲食店も算定方法は別だが協力金の支給対象となる。

ただし会食は、同一テーブルでの飲食は4人まで、イベント開催は感染防止安全計画を策定した場合に限り2万人までとするよう要請する。

県民に対しては、第5波までは不要不急の外出自粛を要請していたが、今回は、リスクの高い場所への外出や移動の自粛、移動先でのリスクの高い行動を避けてもらうよう要請する。

県民を対象に県内旅行費用の一部を補助する「いば旅あんしん割事業」は、新規予約を22日で停止する。既存の予約分については、ワクチン接種証明ではなく検査の陰性証明を条件に割引をそのまま使うことができるようにする。

2月中に高齢者の3回目ワクチン接種を完了へ

一方、3回目のワクチン接種率は現在、県内の病院の医療従事者が64%、福祉施設従事者と入所者が15%にとどまっている。県は、全力で前倒し接種の働き掛けをしていくほか、一般の接種も前倒しして加速させ、高齢者の接種を2月中に完了させ、64歳以下についても順次、前倒しで接種を開始したいとしている。

21日時点の県内の感染状況は、1日当たりの新規感染者数は1週間平均で363.7人と、県独自の判断指標で「感染爆発・医療崩壊のリスクが高い」のステージ4の状況、一方、県内の病床稼働率は132床で「感染が概ね抑制できている」ステージ2、重症者は2床と「感染が抑制できている」ステージ1の状況。総合的には現在、ステージ2の状況となっている。

新規感染者数の年齢は、20代が29%と最も多く、次いで10代が15%、30代が14%、40代が13%。10歳未満も9%あり、20代以下が過半数を占める。一方、60代以上は10%だが、入院患者は70歳以上が過半数を占めている。

今後は、ピークとなるとみられる2月上旬くらいに1日当たりの新規陽性者数が2000人を超え、病床稼働数は500床を超える可能性があると推計されるという。

「しゅぅ〜ぅ〜シャッ」 《写真だいすき》4

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雑貨屋で埃をかぶっていた昔のカメラのミニチュアモデル

【コラム・オダギ秀】「今日はチャチャ」かな。「しゅぅ〜ぅシャ」かな。仕事に行く前には、こんな会話がされていた。これ、なに? 昔、カメラは暗箱なんて言い方をしていたが、そんな時代のこと。

昔、カメラのレンズの前には、ソルントンシャッターというようなシャッターを取り付けた。外付けだ。

ネジが付いていて、巻くとシャッター幕という黒い布がレンズに入る光を遮った。それにはゴムの管と球が付いていて、ゴム球を握ると黒い布は光を通し、ゴム球の握りを離すと、また黒い布が、レンズに入る光を遮る仕掛けになっていた。

つまり、カメラのレンズから入る光を入れたり閉じたりした。それがシャッターだったのだ。

年配の方なら覚えがあるだろう。学校で記念写真を撮るときなど、写真屋さんは「はあい、撮りますよう」とか言って、手に何かを持って握っていたことを。あの持っていたのが、シャッターを開け閉めするゴム球だ。

今のカメラは、そのシャッターを、電子機構などによって、カメラに光を入れる時間を数百分の一秒とか数千分の一秒とかにコントロールしている。カメラやフィルムの感度も、比較にならぬほど高くなった。

ところが、この昔のシャッターの時代には、数百分の一秒なんて、短い時間のシャッターは切れなかった。そんな仕組みは出来ていなかったから、当初の、「チャチャ」になるのだ。

どういうことかと言うと、シャッター速度、つまりカメラに光を入れる時間は、撮影者の手の動きで決めたのだ。空を仰いで、今日は晴れているから、チャっと開けてチャっと閉めるか。チャチャだ。

今日は天気が悪くて少し暗いから、しゅぅ〜ぅと開けていて、シャッと閉めるか、ということなのだ。師匠からは、この口癖のようなシャッターと明るさの関係を仕込まれた。何分の一なんて、キザなことは教わらなかった。「しゅぅ〜ぅシャッ」なんて、呪文のようなことを覚えさせられた。

木製・金属のカメラ三脚の使い方

カメラは木製だった。見事な細工だった。三脚も軽い木製。持ち歩きには便利だった。それがいいとか、味があるとか、そんなことは言わない。そんな時代だったのだ。

だが、木で作られたそんな三脚は役に立った。今はマナーなどまったく気にしない者が多いが、撮影にいい場所取りをするときなど、いい場所を確保した順番は絶対に守らなければならないマナーだった。

自分のカメラの前に後から来たマナーを守らぬ者が出ようものなら、周囲の皆で懲らしめた。そんなときに、木製三脚は木刀になり、渡り合う道具にできたのだ。金属三脚では、懲らしめ過ぎて、大けがしたのがいたなあ。(写真家、土浦写真家協会会長)

当初、口外禁止を条件に和解提案 名誉棄損訴訟で五十嵐つくば市長

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訴訟取り下げを受け記者会見する「つくば市民オンブズマン」代表の亀山大二郎元市議=21日、学園記者クラブ

訴えられた亀山元市議が会見

五十嵐立青つくば市長が、前回の市長選前に新聞折り込みで配布されたチラシ「つくば市民の声新聞」を発行した「つくば市民オンブズマン」代表の亀山大二郎元市議を相手取って、市長選直後の2020年11月、名誉や社会的評価を著しく棄損されたなどとして慰謝料と謝罪を求める訴訟を起こし、今年1月に取り下げた問題で、訴えられた亀山さん(80)が21日、記者会見を開いた。

非公開で行われた21年5月から12月まで計6回の弁論準備手続きの経緯を説明し、五十嵐市長側が当初、訴訟内容を第三者に口外したり、論評しないことを条件に訴訟を取り下げてもよいと、亀山さん側に和解を提案していたことを明らかにした。2回目の弁論準備手続きが開かれた6月に五十嵐市長側から提案があった。亀山さん側は、名誉棄損の訴えに対し全面的に争うとして答弁書と準備書面を出していたが、その際、五十嵐市長側からの反論はなかった。

亀山さんは「けんかを仕掛け、記者会見など公の場で(亀山さんを)非難しておきながら、分が悪くなったら、訴訟を取り下げてやるから、その代わり論評や批判を一切するなというのはあまりにも身勝手で傲慢な提案だとして、取り下げに同意することを拒否した」としている。

すると五十嵐市長側は、9月の第4回弁論準備手続きで、公選法の虚偽事項公表罪に該当すると訴えを追加した。これに対し亀山さん側が再び全面的に争う内容の準備書面を出すと、五十嵐市長側から反論がないまま、昨年12月に、これ以上、立証活動を行い、主張を維持することは困難だなどとして、取り下げが提案された。今回、取り下げの条件は一切なかった。

亀山さんは「この訴訟で最も傷つけられたのは亀山であり、和解案に謝罪の一言があってしかるべきだった」と話し、訴訟の間、発行を休んでいた市民の声新聞を近く発行して、今回の訴訟の詳細な内容を市民に知らせ、さらに2期目の五十嵐市政を厳しくチェックしていきたいと強調した。

「言い訳としか思えない」

五十嵐市長が20日、訴訟の取り下げを公表したフェイスブック(FB)の投稿に対しては「(五十嵐市長は)自分がやったことは正しいけれど、法制度に照らし合わせると訴訟に負けるから取り下げましたと言っており、言い訳をしているしか思えない」と指摘した。五十嵐市長が「提訴時点で検討が不十分であったことは反省している。亀山氏に応訴の負担をお掛けしたことについても申し訳なく思っている」と陳謝していることに対しても、「本当に謝罪したとは思えない」と批判した。

FBで五十嵐市長がまず、市民の声新聞の記述が事実と違うと主張していることに対して亀山さんは、答弁書や準備書面で反論してきたとし、一部の枝葉の表現に誤りがあったが「市役所に比べて一市民は情報収集能力が低いので、可能な範囲で調査を行った結果、得られた情報が最新のものでなかった」「故意に虚偽事実を流布した認識はない」などと主張してきたとしている。

さらに亀山さんは「政策に対する市民からの批判に対して市長は、言論で対抗したり、市民との対話によって釈明、理解を求めていくのが通常の在り方」であり、「市長が訴訟を起こして市民に負担を強いることは、市長の政策と実績を検証・批判する者に対し、今後、同様の検証・批判・意見の表明を封じようとする圧力以外の何ものでもなく、民主主義を揺るがしかねない表現の自由に対する侵害であって、権力者による弾圧」だなどと主張してきたが、これに対する五十嵐市長側の反論はなかったとしている。(鈴木宏子)

真壁のイシ会と日仏の医師会 《くずかごの唄》101

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【コラム・奥井登美子】床屋さんの看板で青と赤がぐるぐる回っている。フランスのアンブロワーズ・パレは、床屋から医者になり、4代の王様の主治医になった歴史的人物。私も薬史学会の見学会に参加し、パレがいたオテルデュ病院(パリ)に行ったことがある。赤は動脈、青は静脈の象徴である。

日仏薬学会は、日仏医学会とも昵懇(じっこん)の間柄であった。1990年、仏医学会の希望があり、日仏医学会で「アンブロワーズ・パレ生誕400年祭」を記念して、日本外科学会から日本の古代型石灯篭を送ることになったらしい。

日本の王様、天皇陛下に歴史上初めて手術をなさった手術医は森岡恭彦先生。その先生がある日、奥井薬局に飛び込んで来られた。

「石灯籠の製作は真壁町だそうです。行ってみたいのでよろしくお願いします」

パレに捧げる記念品を、日本の王様の主治医が真剣に探している。五所駒瀧神社(ごしょこまがたきじんじゃ、桜川市真壁町)の櫻井崇さんが石工の加藤征一さんを紹介してくださった。

「そちらが医師会ならこちらもイシ(石)会です。同じイシ会としてぜひ協力させてください」

浄瑠璃寺(じょうるりじ、京都府木津川市)の古代燈籠と同じ形の、手づくりの見事な石灯籠が出来上がった。

パレ生誕400年祭に石灯籠

1991年1月19日 石にはその土地の魂が宿っているので、日本の伝統的な行事で送り出してほしいという仏大使館の要望で、五所駒瀧神社で禊(みそ)ぎを行うことになった。

出席者は、東大教授森岡恭彦氏、仏大使館グルギエール氏、仏薬剤師会テメム氏、慶応医学部教授大村敏郎氏、埼玉医大教授加賀美尚氏、東大医学部佐野武氏、千葉大一外科教授奥井勝二、日仏薬学会事務長奥井清、石工加藤征一氏、画家新居田郁夫氏。

千年の歴史がある神社。神官装束の櫻井氏の気品とパレの伝記を読み込んだ祝詞の上品な声。かやぶき屋根の社と、背景の古木の森にこだまして、荘厳な神事であった。たくさんの人が協力して、日本の古代式手づくり石灯籠を、パレ生誕地の公園に設置することができた。(随筆家、薬剤師)

名誉棄損訴訟を取り下げ 五十嵐つくば市長、FBで公表

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2020年発行された「つくば市民の声新聞」

五十嵐立青つくば市長が、前回の市長選前に新聞折り込みで配布されたチラシ「つくば市民の声新聞」に対し、名誉や社会的評価を著しく棄損されたなどとして、発行した「つくば市民オンブズマン」代表の亀山大二郎元市議を相手取って、慰謝料や謝罪を求めた裁判(2021年2月17日付)で、五十嵐市長は20日、自身のフェイスブック(FB)で、訴えを取り下げたことを明らかにした。一方、訴えられた亀山元市議は21日、記者会見を開く。

FBで五十嵐市長は、旧総合運動公園用地について「そもそも公約は『返還』でなく『返還交渉』でした」など、市民の声新聞の記述が事実と違うとする点を8点、具体的に列挙した。その上で、訴えを起こした理由を「公正な選挙のあり方に問題になると考え提訴に及んだ」と改めて述べ、取り下げの理由を「意図的に虚偽あるいは事実を歪曲(わいきょく)したものであることの立証は困難だったと判断」したためと説明した。

具体的には、裁判で亀山元市議側から「(市民の声新聞は)政策批判という性格のものが大部分で、個人の名誉を棄損するとは言い難い」との指摘があり、裁判所もそれを支持する姿勢だったことを挙げた。

これを受けて五十嵐市長側は続いて、公職選挙法の虚偽事実公表罪に当たると主張し訴えを追加したが、同罪は、故意に虚偽あるいは事実を歪曲することを知っていて公表したことが対象であるため、「立証は困難だとの判断に至った」などとFBで説明している。

その上で「虚偽の内容があっても、それが『政策の批判』と現在の法制度で解釈することが成立するのであれば、それは受け入れるしかない」「相手方が『虚偽と分からずに事実だと信じていた』と言えば、具体的証拠を出さない限り虚偽事実の公表は成立しないという仕組みも受け入れるしかない」など、取り下げの理由を説明した。

一方で「提訴時点で検討が不十分であったことは反省している。亀山氏に応訴の負担をお掛けしたことについても申し訳なく思っている」などと陳謝しながら、「(亀山元市議が)メディアの取材で『私の調査不足で一部が違うことは認めます』と答えていたこともあり、訴訟に一定の意義はあった」などとも指摘している。

FBで五十嵐市長はさらに「今後は、事実と違う認識をもたれることがないように、さらには誤ったことが流布されても市民がすぐに事実でないということを認識できるくらいに、情報発信と対話の努力をする」などしている。

五十嵐市長による名誉棄損訴訟は、前回の市長選直後の2020年11月末に、土浦簡易裁判所に提訴された。翌年、水戸地裁土浦支部に移り、その後21年5月から12月まで、論点や証拠を整理するため双方の弁護士が非公開で主張を述べ合う弁論準備手続きが計6回実施された。公開の法廷で主張を述べ合う口頭弁論に移る前に、五十嵐市長側が訴えを取り下げた。

憎くて愛おしい言語障害 《電動車いすから見た景色》26

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初対面の人と直接話すために作ったアイテム

【コラム・川端舞】「もし自分の障害を、両手の麻痺(まひ)、両足の麻痺、言語障害に分けられて、この中の1つだけ神様が治してくれるなら、絶対、言語障害を選ぼう」。中学から大学にかけて、コミュニケーションの壁にぶつかるたびに私はそう思っていた。

足の麻痺はバリアフリーの場所で車いすに乗れば何の問題もなくなるし、手で文字が書けなくても、パソコンを使えば、人より時間はかかるけど文章を書くことができる。でも、言語障害はどんなに事前に伝えたいことを文章にしても、その場で思いついたことをすぐに周囲に伝えられない。

「言語障害さえなければ、もっとたくさんの人と関わることができるのに」と、大学のころまでずっと自分の言語障害を憎んでいた。

しかし大人になり、介助者と外出するようになると、自分の言ったことが相手に伝わらなくても、そばにいる介助者に通訳してもらえるため、事前に伝えたいことを書いていかなくても、気軽に外出先で話せるようになった。

当たり前だが、文字で伝えるより、声で伝えた方が早く伝わるし、そのとき思ったことを臨機応変に伝えられる。何より直接相手と話した方が、コミュニケーションは楽しい。

言語障害だからこそ伝えられること

あれほど嫌だった言語障害を愛(いと)おしく思う瞬間が最近出てきた。様々な場所で私の経験を聞きたいと、講演を依頼されることが増え、「できるだけ介助者が原稿を代読するのではなく、ご自分で話したものを介助者が通訳する形でお願いできないか」と言われることもある。

介助者が代読するより、私が直接話した方が伝わることがあるそうだ。言語障害があっても、どうすれば思いを効果的に伝えられるか、無意識に考える癖が幼いころから付いているからなのかもしれない。言語障害がある私だからこそ、聞き手に訴えかけられるものがあるのなら、私にとって言語障害は武器にもなり、幼いころからともに葛藤しながら歩んできた相棒のようなものなのかもしれない。

子どものころの私は、「言語障害のある人はできるだけ話さない方がいい」と思い込み、言語障害を憎むまでになってしまった。今、堂々と話す私の姿を見て、「言語障害があっても、通訳など周囲の協力があれば、話せるんだ」と、言語障害のある子どもやその周囲にいる人が思ってくれれば、これほどうれしいことはない。

もちろん、障害者によって心地よいコミュニケーション方法は違うが、「本人が自分の声で話したいと思うなら、堂々と話していい」と伝え続けられる人間でいたい。それこそ言語障害とともに生きてきた私だからこそできることだと思う。(障害当事者)

運営事業者の継続求め陳情 不登校の学習支援拠点「むすびつくば」保護者会

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記者会見し陳情書提出について説明する保護者会の(左から)熊倉恵子さん、小柴架奈子さん、塩見直子さん=19日、学園記者クラブ

つくば市とNPO法人リヴォルヴ学校教育研究所(同市二の宮、本山裕子理事長)が協働で、不登校の児童生徒の学習支援を行う「むすびつくば」(同市吾妻)の保護者会が19日、次年度以降もリヴォルヴによる事業継続を訴え、五十嵐立青市長と小久保貴史市議会議長に陳情書を提出した。

昨年12月、市は2022年度の委託事業者を公募型プロポーザル方式で募った。名乗りをあげた4事業者中、新規の民間事業者が1位に選定され、リヴォルヴは次点になったという通知が今月7日に届いたからだ。

保護者会代表の小柴架奈子さんは「通所している子どもたちは学校に居場所がなく、親子でお先真っ暗の辛い時期を過ごした。今はリヴォルヴのスタッフのおかげで通所を楽しみにするようになった。人間関係に不安があったり、新たな環境への適応が難しい子どもは通所が困難になることが予想され、またあの辛い日々に戻らなければならないのかと不安を抱えている」と保護者たちの思いをぶつけた。

また「次年度の事業者が公募されることは知っていたが、つくばで20年以上フリースクールを運営しながら発達障害や学習障害への対処法を研究してきたリヴォルヴの実績は市も知っていて、外されることは想定していなかった。当事者は不登校を経験した繊細な子どもたちなのに、モノをとっかえるような教育政策は納得できない」と憤る。

小久保貴史市議会議長(左)に陳情書を手渡す保護者会代表の小柴架奈子さん=つくば市役所

市は不登校の子どもたちの社会的自立に向け、リヴォルヴと協働で2020年10月1日、TXつくば駅に近いつくば市産業振興センター内に支援拠点「むすびつくば」を開設した。支援業務の教育効果などを明らかにする目的で「協働実証事業」と位置づけられた。

週4日の時間割で、教員免許を持つ教科担当者ら12人が個々の適性に応じた学習支援を行っている。自由に過ごせるフリースペースも設けられている。

開所時は定員15人としたが、問い合わせと見学が引きも切らず、21年10月末現在、小1から中3までの35人が通所している。市内の不登校児童生徒数は約400人(30日以上欠席)に上り、不登校の子どもたちへの公的支援はまだまだ少ない。

「変わったら また引きこもりになるかも」

保護者会の塩見直子さんは「むすびつくばにたどりつくまで明日が見えなかった。事業者が変わったら子どもがまた引きこもりになるかも知れない」と不安を募らせる。

保護者会代表の庄司里奈さんは「一部の子や親がうるさく言っていると思わないでほしい。コロナ禍の学校では給食は黙食、休み時間も大きな声を出せないなど子どもたちはストレスを抱え、子どもが登校を嫌がるという話を聞くことが増えてきた」と話す。

学習障害のために3年間不登校になったが、昨年からむすびつくばに通所し、在籍している中学校にも登校できるようになった中1の男子生徒は「自分は頭が悪いと思っていたが、むすびつくばで『頑張らなくていい』と言われて安心でき、勇気を出して学校で友だちと話せるようになった。どうして(運営者から)無くすのかわからない」と訴えた。

保護者会は陳情書で、リヴォルヴの運営継続のほか、3月末に予定されている実証事業の検証を早急に行うこと、利用している子どもたちの声を聞き取り次年度以降の委託事業に取り入れること、実証事業の検証を待たずに事業者選定に至ったプロセスを明確に説明することを求めている。

さらに、不登校の辛さと「むすびつくば」存続への切実な思いを15人がつづった体験集を添えて、20日に森田充教育長に提出する予定だ。賛同者からのオンライン署名も呼び掛けている。

これに対し市教育局学び推進課は、新年度からの新たな運営事業者の選定について、外部の有識者を含む7人による選定委員会を設置し、プロポーザル方式により、価格のみでなく、実績や専門性、企画力などを公正、適正に選定したとし、19日時点で、新たな事業者がどこになったかは公表できないとしている。

一方、運営事業者が変わることに保護者から不安の声が出ていることについて同課の横田康浩課長は「保護者への丁寧な説明をしたい。不登校の子供たちは不安な状況にあることは間違いないので、不安を払拭できるように進めていきたい」としている。(橋立多美)

「イースト ベース」のお弁当で忘年会 《ご飯は世界を救う》43

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【コラム・川浪せつ子】昨年12月、茨城県内も新型コロナ「ゼロ」の状態が続きました。そんなとき、県建築士会・女性部会の「手作り・忘年会」を、2年ぶりに土浦の市営施設で開きました。

今回は、最近人気の「アルコールインクアート」をやりました。紙の上にアルコールインク液を垂らし、にじんで混ざり合った部分を生かして描く、アートです。思いがけない色の広がりや混ざり具合で、鮮やかな模様が出来上がります。帰宅後、早々に壁に展示。

筆者のアルコールインクアート作品

久々に仲間たちと近況報告

短時間で小さい作品を2枚製作したあと、ランチは「イースト ベース(EAST BASE)」(牛久市刈谷町)のお弁当。1級建築士でありながら、お総菜も作っている、通称「たまちゃん」の店のお弁当です。イラストでご覧のように、食材、素材、調理方法にはこだわりが!

彼女の妹さんは、焼き菓子のお店をやっています。今回は、お弁当のデザートでいただきました。満足、満足。おいしいものは、作り手の心が伝わって、お腹ばかりでなく、ハートまで温かになりますね。

食事のあとは、久々に仕事仲間たちと近況報告。うん、うん、コロナの中でも、みんな頑張っているね。そして、2022年の抱負。小さな目標を重ねていく仲間たち。私も励みますよ~♪♪ (イラストレーター)

つくばセンタービルの価値を紹介 市民団体が「謎解きツアー」

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参加者を前につくばセンタービルについて解説する冠木新市さん(左端)

つくばセンタービル(つくば市吾妻)の7カ所を巡りながら、建築デザインの意味や価値について解説する現地ツアー「つくばセンタービル謎解きツアー」を、市民団体「つくばセンター研究会」(冠木新市代表)が開いている。

昨年11月3日から毎月3回開催し、これまで延べ83人が参加した。1月16日に7回目が開かれ、11人が参加した。同会代表でNEWSつくばコラムニストの冠木新市さんがガイドを務める。冠木さんは、つくばに移り住んで以来30年にわたり、センタービルについて独自に研究してきたという。

つくばセンタービルは建築界のノーベル賞といわれるプリツカー賞を受賞した磯崎新さんが設計した。ポストモダン建築の代表作として世界的な評価を受けている。2020年、つくば市は同ビルにエスカレーターを設置するなどの改修計画を発表したが、専門家や同会から建築物の価値を喪失するなどの指摘を受け、昨年12月、当初の計画を大幅に見直した経緯がある。

冠木さんによると、センタービルの建設に当たり磯崎さんは1978年、日本住宅公団(現在はUR都市機構)が実施した設計者を選ぶプロポーザルコンペで、筑波研究学園都市を批判するレポートを書き、7つの性質をセンタービルに与えることを提案した。劇場性、胎内性、両義性、迷路性、寓意性、逸脱性、対立性の7つだ。磯崎さんはつくばセンタービルが起死回生の役割を果たす象徴的な建築となることを目指し、その中核として同ビル中心に、くぼ地となるセンター広場を造ったという。

センタービルの中心にあるセンター広場の床面は、ルネサンス期のイタリアの建築家ミケランジェロが設計したローマのカンピドリオ広場を引用するデザインとなっている。ツアーで冠木さんは「床面の模様がカンピドリオ広場を反転した色合いになっている」と解説する。広場には霞ケ浦や桜川を反転した形が水の流れでデザインされており、冠木さんは「この反転は現実と虚構、日常と非日常を意味しているのではないか」と参加者に問いを投げ掛ける。

続いて、センタービル正面玄関の柱に引用されている18世紀のフランスの建築家、ルドゥーのアル・ケ・スナン王立製塩所のこぎり歯のモチーフ、ホテル日航つくば1階に設置されている、米女優マリリン・モンローの体のカーブを表現したいす「モンローチェア」などを見て回った。

さらに、2階ペデストリアンデッキのつくばイノベーションプラザ前に立って、ノバホール2階の三角の窓を見ると、窓の中に、ホテル日航つくばの最上階の瞳のような窓の形が映り込む様子が見える。冠木さんは「まるで『プロビデンスの眼』(神の全能の眼)を彷彿とさせる」と独自の解釈を披露し、「ノバホールのノバは新星を表す。新星は新生に通じ、ノバホールの眼は母の胎内から何か新しいものが生まれるのを見つめている。磯崎さんの言う『胎内性』『劇場性』と合致する」と話す。「センター広場は空の器であり、くぼ地の広場で市民が自由に活動し、新しいものを生み出すことを願ってつくられたと解釈できる」ともいう。

ノバホールの三角窓に映り込む(左)ホテル日航つくばの瞳のように見える窓(右)=つくばセンタービル

市内から夫婦でツアーに参加した谷田部宏子さんは、「知らないことばかりでおもしろかった。深い内容だった」とし「(センタービル周辺は)駐車場が停めにくいこともあり買い物にはあまり来ないが、ノバホールには時々来る。センタービルの改修計画ついては何も知らなかった」と話していた。(田中めぐみ)

◆次回のツアーは、30日(日)午後1時から。定員10人前後、参加費無料。参加申し込みは090-5579-5726(冠木さん)

動物は取り換えのきく玩具ではない 《晴狗雨dog》4

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インターナショナルスクールの親子さんと、ドッグトレーナーを迎えて犬の扱いの基本について学ぶ様子

【コラム・鶴田真子美】私が理事長を務めるNPO法人CAPIN(Citizens for animal protection,ibaraki network)は、2008年に設立された「捨猫防止会いばらき」の活動を引き継ぎ、虐待動物保護、被災者支援、法改正運動などに取り組んできました。毎週末に開催する里親会、地域イベントへの参加を通じ、「捨てない、増やさない、終生飼養(しよう)」を訴えてきましたが、避妊去勢手術、フィラリア予防薬、疾病治療など、犬や猫にお金をかけることへの抵抗感がまだ根強く存在しています。

茨城県動物指導センターに収容される迷子犬や捨て犬たちの多くが、フィラリア陽性でせきをしています。避妊を怠ったために産まれてしまった子犬や子猫。老いたから、皮膚病になったから、捨てられたと思われる、決してお迎えの来ない収容犬たち。

動物は取り換えのきく玩具ではない、1匹ごとに命ある生き物です。飽きたら捨てることは許されません。飼い主には責任があることを伝えていかねばなりません。

学校教育で子どもたちの意識を変えていくことが大切と思います。子どもたちが学校で新しい法律や世界の潮流を学び、啓発チラシを家に持って帰り、親御さんに読んでもらうのもよいでしょう。また、学校も子どもたちにお世話の仕方を体験するきっかけを与え、動物との暮らしの豊かさを教えたら素晴らしいと思います。

つくばインターナショナルスクールと交流

地域の意識を変えるには学校教育が鍵を握ります。我々は10年前から公立の小中学校、学童保育に招かれ、命の授業を行ってきましたが、新型コロナにより出張行事はストップとなりました。その代わり、公園などのオープンエリアやCAPINのシェルターで、子どもたちとの新たな連携がスタートしています。

2021年春からは、つくばインターナショナルスクール(TIS、つくば市上郷)との交流を図ってきました。幼稚園児たちと洞峰公園でパレードを行い、多くの市民に啓発チラシを配りました。また、筑波山麓にあるCAPIN第2シェルターでは、毎週末、小中校生のボランティアを受け入れ、犬散歩やごはん作りの体験も重ねています。

昨年12月からは、高校生を中心に親子30人がシェルターで研修を受けることとなりました。12月は犬トレーニング教室を開き、1月9日には参加者が4グループ(犬の散歩、鳥と猫の世話、犬65頭分のごはん作り、支援物資の運搬)に分かれて活動しました。

TISとの交流により、このように動物の域を超えた分野でも様々な刺激がCAPINにもたらされることになりました。2年半前からCAPINスタッフとして働くカナダ人女性イングリッドさんのネットワークは小さくありません。各大学、公私立小中高の研修も受け入れており、これからも「命の教育」に力を入れていきます。(犬猫保護活動家)

17日臨時休校 市立学校教職員が新型コロナ

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つくば市役所

つくば市は17日、市立学校の教職員が16日、新型コロナウイルスに感染していることが分かったとして、この教職員が勤務する学校を17日、消毒のため臨時休校にしたと発表した。学校での接触者はいないという。

休所の2保育所 1カ所は18日開所 

一方、職員が新型コロナウイルスに感染していることが分かり、休所している2カ所の市立保育所のうち、6日と7日に職員3人の感染が確認され20日まで休所するとしていた保育所は、休所期間を短縮し、18日から開所する。

15日に職員2人の感染が分かり17日まで休所するとしていた別の市立保育所は、休所期間を23日まで延長する。保健所と協議しそれぞれ変更を決めた。

大リーグへ 茨城アストロプラネッツ 松田康甫投手

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記者会見に臨む松田投手(右)と色川GM=水戸市内のホテル

プロ野球独立リーグ・ルートインBCリーグの茨城アストロプラネッツに所属する松田康甫投手が、米国メジャーリーグのロサンゼルス・ドジャースとマイナー契約を結んだ。甲子園の経験もなく、けがが重なり、大学では1試合、BCリーグでは3試合の登板しかない23歳の無名の選手が、底知れないポテンシャルを武器にメジャーに挑む。

ドジャースの目に止まった松田選手は身長193センチ、体重93キロ、右投げ右打ちの大型投手。金沢高では3年夏に県ベスト8、拓殖大では1年冬に肩の内視鏡手術をし、ほとんど出番を得られなかった。だがプロへの道をあきらめ難く、BCリーグ合同トライアウトを経て茨城に入団。ここで大きな成長を遂げた。

「大学では毎日ブルペンに入っていたが、プラネッツでは週1回。球数を減らすことで、ただ投げるのではなく1回1回が大事になる。トレーニングの成果も出て、投げるたびに成長を実感できた」

昨季4月4日、栃木ゴールデンブレーブスとの開幕戦では中継ぎで登板し、自己最速の155.8キロを記録。「監督に(コントロール重視で)抑えますかと聞いたら、球を速くしろ、スピードガンコンテストだと言われ、ストレートのみで腕を振りまくった」そうだ。4月16日、3回目の登板となった巨人3軍との交流戦では先発し、打者3人に17球を投げて3三振を奪った。

昨年4月16日、J:COMスタジアム土浦で開催された巨人3軍との交流戦での投球

これらの試合の動画などを見て「155キロを出し、素晴らしいスプリットを見せた。体格、球速、投球スタイルなど、全部が気に入った」と獲得の要因を語ったのは、17日の記者会見にオンラインで参加した、ドジャースのジョン・ディーブル環太平洋スカウティングディレクターだ。

だが巨人戦の後、肘の痛みが出て7月にトミージョン(ひじ靭帯再建手術)を受け、現在もリハビリ中。復帰には12カ月かかるといわれている。手術に踏み切ったのもドジャースとの相談の上だという。「1年後の出口というより、彼が持つポテンシャルでどんな未来を描けるか、ベストの道を選んだ」とアストロプラネッツの色川冬馬ゼネラルマネージャー。

ディーブル・スカウティングディレクターは「われわれは過去にも数々の日本人選手を獲得し育成してきた。選手が上へ駆け上がるための施設や環境が整っている。数々の成功例の流れに乗り、新しい歴史が残せると思う」という。

今、松田投手は、故郷の石川県で小学校の非常勤講師をしながらリハビリに励み、3月の渡米に備えている。ドジャースではじっくりと時間をかけて回復に全力を注ぎつつ成長を図り、リハビリを終えた後は経過を見ながら、現場で投げられるようプッシュしていく道筋だという。

「メジャーはあこがれの場。不安はあるが関係ない。行かないと自分の夢を果たせない」と話す。夢は世界一の野球選手になることで、そのためにリハビリを成功させるのが目の前の目標。メジャーのマウンドに立ったらどういう投球がしたいかという質問には「めっちゃ速い球投げたい。170キロとか」と、いたずらっぽく笑った。(池田充雄)

市民派つくば市長 市民運動に敗北《吾妻カガミ》124

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つくば市役所正面玄関サイド

【コラム・坂本栄】つくばセンター広場改修は五十嵐市政の注目施策でしたが、市民グループの反対キャンペーンによって撤回に追い込まれました。市民運動の延長で市長になった五十嵐さんが市民運動に敗北したこの流れ、市政の原点を忘れてしまったことが敗因だったようです。

3改修案の1つを取り下げ

センター広場改修計画のポイントは、エスカレーターを2基設置する(うち1基は途中で取り下げ)、広場を囲む外壁の一部を造り変える、ノバホールとセンタービル間の外階段をスロープ化する―など、ここをデザインした著名設計者・磯崎新氏の意匠をあちこちいじるほか、利用者の安全を軽視するものでした。

これに対し、学園都市のシンボル的な構造物に傷を付けるなと、市民グループ「つくばセンター研究会」が猛反対。市は結局、広場に手を入れるのを諦めました。詳しくは「…改修計画を大幅見直し」(2021年12月7日掲載)をご覧ください。

つくば駅側のセンター地区を改修する計画は、ゾーンA:センター広場改修(上記2パラ目参照)、ゾーンB:ノバホールやイノベーションプラザ改修(市民活動施設の整備)、ゾーンC:センタービル1階改修(まちづくり会社による貸室などの整備)―の3本柱で構成されています。

改修プランの3分の1に当たる「ゾーンA:センター広場改修」案は、策定作業上のミスだったことになります。

センター地区改修は市民の意見を聴く必要がある「大型事業」ではないという理屈を掲げて、市が執行部主導で策定した改修事業の問題点については、本コラムでも何度か取り上げました。例えばコラム112「…つくば市政 揺らぐその原点」(2021年8月2日掲載)では、以下のように指摘しました。

「広く意見を聴いて施策を進めるという五十嵐市政の基本がお留守になり、事業の策定作業がオープンになっていないと、市民グループから批判されています。五十嵐さんは執行部主導で施策を進めた前市長を批判する運動を繰り広げ、その勢いに乗って市長になった人です。その原点ともいうべきところを突かれるという、おかしな展開になってきました」

企画立案の早い段階で原点に戻っていれば、A+B+C中のAを止めるといった恥ずかしいことにならなかったでしょう。市政運営の原点を忘れたことが失政につながりました。

3セクの「まちづくりごっこ」

ゾーンCのセンタービル1階改修も危うさを抱えています。記事「まちづくり会社 3億円調達にメド…」(2021年12月17日掲載)を読んで、改修後に貸室業などを行うこの会社の資金調達手法を知り、その複雑な手順に驚きました。

政府系金融機関と地元銀行にファンド(投資資金)を設けてもらい、そのファンドにまちづくり会社が発行する返済順位が劣る社債を引き受けてもらう(おカネを貸してもらう)という、込み入った手法です。

まちづくり会社(市が筆頭株主の第3セクター)は増資とか銀行借入といったシンプルな手法をどうして使わなかったのでしょうか? 他の株主や銀行から収支に問題があると思われ、ごく普通のやり方で資金が調達できなかったため、経営リスク承知のファンドに劣後債を引き受けてもらったのでしょうか?

センタービルが建つ吾妻1丁目は市の超一等地です。私はコラム87「つくばセンタービル再生の問題点」(2020年8月3日掲載)で、市は区分所有権を大手開発企業に売り払い、駅周辺を活性化するビジネスゾーンに整備してもらったらどうかと書いたことがあります。

まちづくり会社によるセンタービル1階改修(小貸室、小会議室、共同区画、喫茶室などを細々と配置)は、「まちづくりごっこ」ではないでしょうか。地価が高い区画の利用法としてはもったいない気がします。(経済ジャーナリスト)

市立保育所の休所を延長 濃厚接触者の職員2人も新型コロナ

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つくば市役所

つくば市は16日、市立保育所の職員1人と非常勤職員1人の計2人が15日、新たに新型コロナウイルスに感染していることが確認されたとして、2人の職員が勤務する保育所を17日まで休所すると発表した。

2人は、13日に感染が確認された市立保育所非常勤職員の濃厚接触者等で、保育所は15日まで休所となっていた。

濃厚接触者の感染が新たに確認されたことから、この保育所は休所期間を延長する。さらに保健所の指導で、行政検査の対象範囲を拡大するとしている。

蔵元集まり地酒談義 「神郡塾」 筑波の米、水、土にこだわり

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地酒と地ワインの酒談義で盛り上がった神郡塾=美六山荘、つくば市臼井

地域人材の育成を目指す「神郡(かんごおり)塾」(塾長・青谷洋治坂東太郎会長)の1月講座が16日、つくば市臼井の美六山荘で開かれた。「つくばの酒を知る」をテーマに、筑波山周辺の2つの酒造店代表とワイン向けブドウの栽培家がパネリストになって、素材や水、土壌にこだわりぬく地酒・地ワイン談義を飲酒抜きで繰り広げた。

地産地消のあるべき姿 浦里酒造店

浦里浩司さん(浦里酒造店)

浦里浩司さんは同市吉沼に1877年創業の浦里酒造店5代目蔵元、代表銘柄「霧筑波」で知られる。酒の仕込みが始まる11月から翌年4月まで、酒蔵に菌を持ち込まないよう、好物の「納豆絶ち」をして臨むという。

県酒造組合副会長を務める浦里さんは、県内の日本酒消費量に占める県内蔵元のシェアが合わせて16%程度しかないのを嘆く。そのなかで浦里酒造は地元、つくばはじめ県内出荷分が約95%になる販売戦略をとってきた。茨城県にゆかりの小川酵母にこだわったのが「霧筑波」だが、酒米は富山県の栽培農家と契約する「五百万石」だった。

地産地消のあるべき姿を「地元の米、材料で作る酒」に求め、原料米まで地元産を使おうと、3年前から地元農家と契約して特別純米「霧筑波 吉沼米」を作り上げた。「筑波米」の方が売り出しやすいという声もあったが、旧大穂地区の集落名、吉沼の名をあえて使った。「今季はいいコメが取れ、仕込みも順調で楽しみだったけど、落ち着きを見せていたコロナが新年に入って拡大の気配。消費の持ち直しまでまだまだがまんが続く」と語る。

ミネラル分豊富な筑波の水 稲葉酒造

稲葉伸子さん(稲葉酒造)

稲葉伸子さんは同市沼田に1867年創業の稲葉酒造6代目。2人姉妹の二女で、「子供のころから仕込みに来ていた杜氏(とうじ)の後を付いて、母も入ったことのない女人禁制の麹室(こうじむろ)にも出入りしていた」という。百貨店勤務を経て、1999年に後継に名乗りをあげ、女性杜氏として代表銘柄「男女川(みなのがわ)」を受け継いだ。

季節労働者の杜氏に頼らない常用雇用の社員による酒造り。麹室の微妙な温度管理などは夜間にも及び、「照明のない筑波山の満天の星空の下、酒蔵に通う」のが日常となって、純米大吟醸「すてら」を手掛けた。ステラは「星空」の意味だ。

百人一首に歌われた「筑波嶺(ね)の峰より落つる男女川」、筑波山の花こう岩質の土壌から流れ出る水は地元産の酒米「五百万石」と相性がいい。豊富なミネラル分がキリッと果実酒タイプの味わいをかもす。「辛口で冷やして飲むとおいしい」そう。山田錦を用いる「すてら」は若い人に好まれる味という。

ワイナリー開設目論む ビーズニーズヴィンヤーズ

今村ことよさん(ビーズニーズヴィンヤーズ)

今村ことよさんは大手製薬メーカーの研究職から転職して、40歳で同市臼井にビーズニーズヴィンヤーズを設立、2015年にブドウ栽培を始めた。製造は長野県内の醸造所に依頼してスタートした。初出荷は17年。製造は現在、牛久市内へ委託醸造に出向く格好になっている。Spiral(スパイラル)ブランドの白ワインなどがある。

今村さんが筑波山麓にブドウ畑を求めたのも、花こう岩質の土壌が決め手。ワインの場合「ほぼブドウの出来でワインの出来が決まってしまう」ため、土壌の良し悪しが気候と並んで重要になる。筑波山は硬い斑れい岩に被われた山頂部を除いて花こう岩が山体を作り、その崩れた土壌が山すそに水はけのいい豊かな農地を作る。

ヴィンヤーズはワイン専用のブドウ畑のことで、現在1.5ヘクタールほどの広さがある。夏の終わりから秋にかけボランティアがやってきて収穫を手伝ってくれるほかは、ほとんど1人でブドウ樹のせん定や草取りなど畑仕事をこなしている、今シーズンの収穫は約5トン。「気候のせいで黒ブドウ(赤ワインの原料になる)の収量が思わしくなかった。白ブドウ、黒ブドウを混ぜて5~6アイテムのワインを作るが、当初狙っていた範囲の味が出せるようになり、もう少し絞り込みたいと思っている」。ゆくゆくは製造から販売まで手掛ける自社ワイナリーの開設を目指している。(相澤冬樹)

◆神郡塾 リーダー育成、交流事業などを展開。今年10周年を迎える。講座は月例開催。次回は「会津の武士道」をテーマに2月13日午前9時から美六山荘(つくば市臼井20512-1)で開催予定。事務局電話0280-93-0180

追悼、里内龍史さん 障害者の権利獲得目指し闘い続けた

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在りし日の里内龍史さん。自宅には青い芝の会の「行動綱領」が貼られていた(2021年8月6日、柴田大輔撮影)

障害者の当事者団体「茨城青い芝の会」会長の里内龍史さん(土浦市神立)が9日、亡くなった。66歳だった。障害者の権利獲得を目指して闘い続けた。脳性まひがあり、車いすで市民運動の闘いの現場に出掛け、文字入力音声読み上げ装置を使って発言した。昨年6月には「茨城青い芝の会」60周年記念誌(21年7月29日付)を発行したばかりだった。

滋賀県の浄土真宗の寺に生まれた。1980年、かすみがうら市の閑居山(かんきょざん)にあった障害者のコロニー「マハラバ村」に移り住んだ。滋賀の共同作業所で働いていた頃、同僚から「作業所で働いて善人ぶってもしょうがない。現代の親鸞のような面白い人が茨城にいる。浄土真宗だから、その人のところへ行って、親鸞の悪人正機の思想を学べ」と言われたのがきっかけだった。

マハラバ村は64年、閑居山の麓にあった願成寺(がんじょうじ)住職の大仏空(おさらぎあきら)=故人=がつくった。後にマハラバ村を出た障害者が全国各地で「青い芝の会」を結成し、70年代に先鋭的な社会運動を起こした。マハラバ村自体は長続きせず、ほとんどの障害者が数年で村を出た。残る人が少なくなった状況の中、里内さんはマハラバ村に移住し、最後の大仏門下生となった。

その後、大仏住職は死去し、84年12月、里内さんは村を出て、土浦市神立で自立生活を始めた。

「きれいな目をしている大人」

1人暮らしをする里内さんを長年、介助し、支えた土浦市の天海(てんかい)国男さん(79)は、大仏住職と知り合い、マハラバ村に行くようになり、里内さんと出会った。「ある日、和尚に呼ばれてマハラバ村に行った。車いすの若い男の人に声を掛けられて、政治のこととか何か議論するようなことを言われた。大仏和尚にそのことを話すと『あれは滋賀県のお寺の坊主だ』と言われた。それが里内さんとの最初」と話す。

天海さんは「里内君と初めて会ったとき、子どものようにきれいな目をしている大人だと思った。そこから付き合いが始まった」と当時を振り返った。

里内さんは生前、天海さんとの出会いについて「閑居山に来る人の中に天海(てんかい)さんがいた。大仏和尚が亡くなる1カ月前に天海さんを閑居山の手伝いに呼んだ。大仏和尚は自分の死期を悟って天海さんに閑居山に残した私を託したかった」と茨城青い芝の60周年記念誌に書いている。

天海さんは「(マハラバ村を出た後)どうしているかと気に掛かり、里内君の家を訪れるようになった。当時は介助という制度があったわけではなかったが『介護をやってくれ』ということになり、やるようになった」と話す。

「塩辛を食べること」が掟

記者が筑波大学に在籍していた2021年年3月、里内さんのお宅に伺い、話を聞く機会があった。ちょうど「青い芝の会」をテーマに卒業論文を書いたこともあり、当時アルバイトをしていた介助事業所の関係者がつないでくれた。

里内さんは、マハラバ村での暮らしのこと、茨城青い芝の会の活動のことを、文字入力装置に打ち込み、伝えてくれた。「大仏和尚は塩辛が好きで、塩辛を食べることが村の掟(おきて)だった。掟を破ると村から追い出された」という話が記者の印象に残った。当時のことをなつかしそうに話す里内さんの姿から、最後の大仏門下生の生き様の一旦が、少しだけ分かった気がした。

87年には、脳性まひ者の折本昭子さん=故人=と大仏住職らが創設した「茨城青い芝の会」の会長に就任し、JR土浦駅のスロープ闘争、障害者だけの国立大学として設置が構想された筑波技術短期大学設置反対闘争、知的障害者に対する暴行事件である水戸パッケージ事件の糾弾闘争など、障害者の権利獲得のための闘いを続けた。

近年は、地元、土浦市のバリアフリーのまちづくりにも尽力した。バリアフリー新法が策定され、住民提案制度が創設されたのを機に2007年、里内さんは、市民団体「バリアフリー新法にもとづく基本構想の策定を実現させる会」の一員として全国で初めて、土浦駅周辺のバリアフリー化などを求める基本構想策定を土浦市に住民提案し、市が実施する道路や施設の整備にあたっては、障害がある当事者が計画策定に関わるという仕組みづくりを実現させた。

当時、里内さんと共に市に住民提案した市民団体「アクセス・ジャパン」(東京都板橋区)代表の今福義明さん(63)=当時はDPI日本会議常任委員=は「里内さんは基本構想策定のときに一緒に取り組んだ仲間。里内さんが当時からおっしゃっていた、神立駅近くの危険な踏切問題はまだ解決していない」とし「昨年以降、コロナでお会いすることもなかったが、NEWSつくばで茨城青い芝の会60周年の記念誌が発行されたのを知り、シェアした。訃報を知り、本当にショック」だと話した。(山口和紀)

大好きな霞ケ浦あれこれ②《夢実行人》4

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霞ケ浦のヨットと日の出

【コラム・秋元昭臣】大昔、霞ケ浦は東京湾の一部でしたが、江戸を水害から守るために、利根川の付け替えなどで海の部分が閉じられ、湖になりました。改修された利根川は、北の方からの年貢米輸送の航路ともなり、霞ケ浦は舟運で栄えました。

1959年から63年にかけて、常陸川河口に水門が造られ、塩害防止と水の資源化が行われました。これによって霞ケ浦は淡水化され、農業用水としては茨城と千葉で、水道用水としては茨城、千葉のほか、東京でも使われています。

この「霞ケ浦の水がめ化」によって、鹿島工業地帯、筑波研究学園都市が生まれました。霞ケ浦の水を飲みながら、「霞ケ浦の水はきたない」と言う人には、きれいになった湖でレジャーを楽しみながら、水質について考えて欲しいものです。

霞ケ浦には多数の河川が流れ込んでいますが、農業・畜産・養殖は湖岸に集中しており、その肥料や排せつ物は川を通って霞ケ浦に流れ込み、湖水の富栄養化の原因になっています。全体の25%を占める家庭排水の処理は進んでいるものの、まだ完全とはいきません。

一周サイクリング路「カスイチ」

霞ケ浦は水位の高い利根川の影響を受けています。さらに海の潮の影響もあり、霞ケ浦の水がいつも利根川に流れることはありません。水位を上げるには水門を閉めればOKですが、流すとなると引き潮や利根川の逆流を考えねばならず、台風の後など水位が下がらず、ラクスマリーナなどでは船が陸に上がってしまうこともあります。

霞ケ浦の水が入れ替わるには200日ぐらいかかると言われますが、これも水質汚染に関係していると考えられます。周囲に高い山を持たない霞ケ浦への流入水はフレッシュとは言いえず、現在工事が進められている「那珂川からの導水」は水質浄化の役に立つのではないでしょうか。

霞ケ浦堤防が、サイクリングを楽しむ人たちの人気を呼び、「ビワイチ(琵琶湖一周)」、「しまなみ海道(尾道市と今治市を結ぶ瀬戸内海路)」に次いで、「カスイチ(霞ケ浦一周)」として知られるようになりました。こういった霞ケ浦活性化によって、水質浄化にも関心を持ってもらえればと思います。

最近の霞ケ浦は、昔の「泳げる霞ヶ浦」に近づいていますし、湖岸にはレジャー施設も充実してきました。土浦港のラクスマリーナには、「カヌー遠足」「天然温泉足湯」「定期遊覧船」などがあります。大型遊覧船に自転車を積んでの「サイクルーズ」も用意されています。(ラクスマリーナ元専務)

コロナ急拡大、感染対策プラス警備も強化 大学共通テスト始まる

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テストの開始を待つ受験生たち=筑波大学内第3試験会場(つくば市天王台)

大学入学共通テストが15日、始まった。茨城県内では、7つの大学が会場となり、昨年とほぼ同数の1万2864人が志願した。2日間で6450人が受験予定の筑波大学(つくば市天王台)では午前8時ごろから、受験生が続々と集まり始めた。新型コロナウイルスの変異株「オミクロン株」の感染が急速に広がる中、本格的な大学入試シーズンが幕を開けた。

「自分の力を出し切りたい」

試験会場の入り口付近では、冬晴れの空の下で学生服にコートを羽織り、ギリギリまで参考書に目を通す受験生も見られた。入室時間を待つ筑西市出身の高校3年生、高橋悠希さんは「人が集まるのでコロナ感染が心配ですが、ここまでしっかり勉強してきました。自分の力を出し切りたいです」と緊張の面持ちで、言葉に力を込めた。

笠間市在住の山本義則さんは、試験にのぞむ娘さんを大学構内の駐車場まで送り届けた。スマホを向けて記念の写真を撮ると、肩に手をやり「がんばれ」と声をかけ、会場へ向かう後ろ姿をいつまでも見送った。

各教室入口に設けられた消毒液

初日のこの日は地理歴史、公民、国語、英語(リーディング・リスニング)、ドイツ語・フランス語・中国語・韓国語の外国語(筆記)の各試験があった。16日は午前9時30分から理科1・2、数学1・2の試験が開始される。

感染対策として試験室では、合間に出入り口や窓を開けるなどの換気がなされた上で、空調のほかに扇風機とサーキュレーターが設置された。受験生はマスク着用の上で手の消毒をし、健康管理として、試験2週間前からその日の体温と体調を書き込む「健康観察記録」の提出が求められた。

当日、発熱・咳等の症状など体調不良がある受験生に対して、試験実施機関である大学入試センターは、無理をせず、必要な手続きをした上での追試験受験を勧めている。茨城県での追試験は、今月29、30の両日に筑波大学第3試験場で行われる予定だ。

東京での事件を受け警備強化

共通テスト初日の朝、東京大学(東京都文京区)の近くの路上で、受験生ら3人が刺された事件を受け、末松文部科学相は、全国の会場で警備態勢を強化する方針を明らかにした。つくば警察署では、通常よりも巡回警備にあたる車両台数を増やし大学周辺の警備体制を強化、明日も同様の体制を継続するとNEWSつくばの取材に回答した。(柴田大輔)

つくば並木中等5年生コンビ全国大会へ 金融経済クイズ「エコノミクス甲子園」

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チーム「金木犀」の腰塚さん(左)と河合さん=県立並木中等教育学校(つくば市並木)

大学入学共通テストを横目に、第16回全国高校生金融経済クイズ選手権「エコノミクス甲子園」茨城大会で優勝した県立並木中等教育学校(つくば市)の5年生コンビが2月の全国大会に向け、1年早い猛勉強に励んでいる。

茨城大会は高校生への金融経済教育の普及のため、筑波銀行(本店・土浦市、生田雅彦頭取)が開催した。県内の高等学校10校から33チーム66人が出場し、並木中教校5年の河合舞音さんと腰塚茉莉子さんのチーム「金木犀」が優勝。2月27日にオンライン開催される全国大会に出場する。

同級チームで1~4位独占

河合さんと腰塚さんは2020年開催の第15回茨城大会にも出場した仲良しコンビ。前回は入賞を逃したが、出場した同校の4年生チームの中で最高点を獲得したという。この大会で2人が所属するハンドボール部の先輩が優勝したことから「来年は私たちも必ず優勝したい」と決意を固めていた。

全国大会に向け、腰塚さんは「茨城予選では早押しで他チームに競り負けていたので、知識を身に付けるだけではなく反応速度も上げていきたい」と話す。河合さんは「4択問題なので知識を詰め込めばなんとなく解答できるのではないかと思っていたが、茨城予選でそれだけでは正解できないと感じた。知識を深めて全国大会に臨み、優勝を目指したい」とへの意気込みを語った。

金融経済の知識でなく、新聞やニュースを元にした時事問題や、より生活に根ざした家庭科など、幅広く「お金」に関する知識が問われる。茨城大会では並木中教校5年生のチームが1位から4位までを独占した。同校社会科の石本由布子教諭が、クイズ形式で楽しみながら勉強することで経済への興味を持つきっかけにしてほしいと大会参加を呼びかけた。今回は原侑生さんと鈴木ヴィセット健太さんが準優勝、関杏純さんと河野由依さんが3位、枝川龍之介さんと渡辺大晃さんが4位に入った。

上位を独占したことについて、石本教諭は「校内の練習ではどのチームが優勝してもおかしくないレベルだった。今回優勝したチームは前大会からの実績があり、周りから一目置かれていた。他のチームもこの2人のレベルに追いつこうと勉強してこの結果になったと思う。同学年で近い間柄だからこそ他のチームも2人を目標にして勉強できた」と話す。出題される金融経済の分野については4年次に公民で学んでおり、授業で用いた教材や石本教諭の作った対策プリントを使って勉強し、今大会に臨んだという。

政治家志向とクイズ王目線

優勝した河合さんの夢は政治家。SDGsに興味を持っており、リサイクルのためにペットボトルキャップを回収したり後輩に啓蒙のための講演を行ったりと、校内外で活動している。国際貢献にも興味を持っているという。腰塚さんはクイズ好きで、文化祭で行われるクイズ大会の実行委員を務めている。クイズのルールの設定の仕方や、適切な問題の作り方に興味があり、全国大会に出場したらクイズを作る側の目線から分析したいと笑顔で話した。

「エコノミクス甲子園」は全国の高校生を対象に、金融と経済に関する知識を深めてもらう目的で開催しているクイズ大会。各都道府県を代表する金融機関が地方大会を主催している。茨城大会は2012年度にスタートし、今年度で10回目の開催だった。(田中めぐみ)