日曜日, 8月 23, 2026
ホームつくば当初、口外禁止を条件に和解提案 名誉棄損訴訟で五十嵐つくば市長

当初、口外禁止を条件に和解提案 名誉棄損訴訟で五十嵐つくば市長

訴えられた亀山元市議が会見

五十嵐立青つくば市長が、前回の市長選前に新聞折り込みで配布されたチラシ「つくば市民の声新聞」を発行した「つくば市民オンブズマン」代表の亀山大二郎元市議を相手取って、市長選直後の2020年11月、名誉や社会的評価を著しく棄損されたなどとして慰謝料と謝罪を求める訴訟を起こし、今年1月に取り下げた問題で、訴えられた亀山さん(80)が21日、記者会見を開いた。

非公開で行われた21年5月から12月まで計6回の弁論準備手続きの経緯を説明し、五十嵐市長側が当初、訴訟内容を第三者に口外したり、論評しないことを条件に訴訟を取り下げてもよいと、亀山さん側に和解を提案していたことを明らかにした。2回目の弁論準備手続きが開かれた6月に五十嵐市長側から提案があった。亀山さん側は、名誉棄損の訴えに対し全面的に争うとして答弁書と準備書面を出していたが、その際、五十嵐市長側からの反論はなかった。

亀山さんは「けんかを仕掛け、記者会見など公の場で(亀山さんを)非難しておきながら、分が悪くなったら、訴訟を取り下げてやるから、その代わり論評や批判を一切するなというのはあまりにも身勝手で傲慢な提案だとして、取り下げに同意することを拒否した」としている。

すると五十嵐市長側は、9月の第4回弁論準備手続きで、公選法の虚偽事項公表罪に該当すると訴えを追加した。これに対し亀山さん側が再び全面的に争う内容の準備書面を出すと、五十嵐市長側から反論がないまま、昨年12月に、これ以上、立証活動を行い、主張を維持することは困難だなどとして、取り下げが提案された。今回、取り下げの条件は一切なかった。

亀山さんは「この訴訟で最も傷つけられたのは亀山であり、和解案に謝罪の一言があってしかるべきだった」と話し、訴訟の間、発行を休んでいた市民の声新聞を近く発行して、今回の訴訟の詳細な内容を市民に知らせ、さらに2期目の五十嵐市政を厳しくチェックしていきたいと強調した。

「言い訳としか思えない」

五十嵐市長が20日、訴訟の取り下げを公表したフェイスブック(FB)の投稿に対しては「(五十嵐市長は)自分がやったことは正しいけれど、法制度に照らし合わせると訴訟に負けるから取り下げましたと言っており、言い訳をしているしか思えない」と指摘した。五十嵐市長が「提訴時点で検討が不十分であったことは反省している。亀山氏に応訴の負担をお掛けしたことについても申し訳なく思っている」と陳謝していることに対しても、「本当に謝罪したとは思えない」と批判した。

FBで五十嵐市長がまず、市民の声新聞の記述が事実と違うと主張していることに対して亀山さんは、答弁書や準備書面で反論してきたとし、一部の枝葉の表現に誤りがあったが「市役所に比べて一市民は情報収集能力が低いので、可能な範囲で調査を行った結果、得られた情報が最新のものでなかった」「故意に虚偽事実を流布した認識はない」などと主張してきたとしている。

さらに亀山さんは「政策に対する市民からの批判に対して市長は、言論で対抗したり、市民との対話によって釈明、理解を求めていくのが通常の在り方」であり、「市長が訴訟を起こして市民に負担を強いることは、市長の政策と実績を検証・批判する者に対し、今後、同様の検証・批判・意見の表明を封じようとする圧力以外の何ものでもなく、民主主義を揺るがしかねない表現の自由に対する侵害であって、権力者による弾圧」だなどと主張してきたが、これに対する五十嵐市長側の反論はなかったとしている。(鈴木宏子)

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