金曜日, 6月 26, 2026
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建設へ年明けにも手続き開始 洞峰公園のグランピング施設で知事 市管理なら無償譲渡

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洞峰公園野球場=つくば市二の宮

つくば市二の宮にある県営の都市公園、洞峰公園(約20ヘクタール)に県がパークPFI制度を導入し、園内の野球場にグランピング施設などを整備する計画で、大井川和彦知事は1日の知事定例会見で「年明けにも(グランピング施設などの)建設許可の事前協議を開始できるようつくば市と調整を進めたい」とし、「市との間で事前調整が整わない場合は国の裁定を受けることも止むを得ない」と述べた。

一方「つくば市が自ら公園を管理するのであれば、県としては洞峰公園を無償で市に移管したい」として「今後のつくば市側の出方を注視したい」と話した。8月の説明会などで県は、洞峰公園の指定管理料として年約1億5000万円、2027年度までの大規模修繕に来年度以降さらに3億5600万円かかるとしている。

県都市整備課によると、つくば市から11月22日、県に要望書が提出された。県は、要望に対する知事の考えを1日、市に説明した。

市の要望は①パークPFI事業を止めて利用料金の値上げを採用すること②洞峰公園のあり方を議論をする場として協議会を設置することの2点(11月2日付)。

これに対し大井川知事は1日の会見で、利用料の値上げについて「利用者の中の一部にだけ負担を押し付けるやり方でバランスが非常に悪い。この考え方は取り得ない」と改めて否定した(11月20日付)。協議会設置についても「これまで説明会、アンケート調査などで県民やつくば市民の考え方を聴取している。協議会の位置付けや性格が不透明。かえって混乱を増すだけ」だとして「設置の必要性は認められない」と、市の要望をいずれも否定した。

その上で、8月のアンケートで出された懸念事項を踏まえて県が示した、ビール工房取り止め、南側駐車場拡張は規模縮小し樹木伐採を行わないなどの再修正案(10月25日付)で予定通り計画を進めるとし、パークPFI事業者に事業を進めるための準備を指示したいとした。事業者が年明けにも、グランピング施設やトレーニングジムの建築許可申請の事前協議書をつくば市に提出するという。

大井川知事はさらに、つくば市が建築許可に対し一切合意できないということであれば、「国の裁定をお願いすることになる」とし、グランピング施設などの建設に向けた手続きを開始するとした。

県議選告示 つくばは現新8人、土浦は現職3人が届け出

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県議選告示、出陣式でガンバロー三唱をする支持者ら

任期満了に伴う県議選は2日告示され、正午時点で、つくば市区(定数5)は現職4人と新人4人の8人が立候補を届け出て3人超の激戦に突入した。土浦市区(同3)は定数と同数の現職3人が立候補を届け出た。土浦はほかに立候補者がない場合、午後5時に当選が確定する。無投票当選は同市で過去に例がない。

つくば市区は女性候補が初めて半数を占めた。立候補を届け出たのは▽無所属新人で美術大学非常勤講師の佐々木里加氏(55)▽つくば市民ネット新人で元市議の宇野信子氏(57)=立憲推薦=▽無所属新人で前市議のヘイズ・ジョン氏(59)▽自民現職で2期目を目指す塚本一也氏(57)▽公明新人で前市議の山本美和氏(53)▽自民現職で4期目を目指す鈴木将氏(50)▽共産現職で5期目を目指す山中たい子氏(71)▽自民現職で4期目を目指す星田弘司氏(48)の8人。同市の1日現在の有権者数は19万5232人。

土浦市区は、▽公明現職で4期目を目指す八島功男氏(66)▽自民現職で2期目を目指す高橋直子氏(38)▽自民現職で6期目を目指す伊沢勝徳氏(52)の3人が立候補を届け出た。1日時点の有権者数は11万8575人。

つくば市区の立候補者(定数5ー立候補者8)

佐々木里加(ささき・りか)55 美大講師 無所属 新
【略歴】東京都出身、多摩美術大大学院修了。現代美術家。栃木県鹿沼市議1期を歴任。7月の参院選に出馬し次点。現在、女子美術大学非常勤講師。
【公約】①高齢者の介護サービスを拡充し高齢者を大事に②教育と出産を無償化し子育て世代への支援拡充③筑波山周辺の魅力を創出し食を誘致

宇野信子(うの・のぶこ)57 団体事務 つくば市民ネット 新
【略歴】高知市出身、広島大学総合科学部卒。広島県立総合精神保健センター職員、つくば市議2期を歴任。現在つくば市民ネット運営委員。竹園
【公約】①情報公開と市民参加で県政を見える化②循環型社会の実現③子育て・教育・福祉を充実④東海第2原発再稼働是非の県民投票実現

ヘイズ・ジョン(へいず・じょん)59 会社経営 無所属 新
【略歴】カナダ出身、リジャイナ大学教育学部卒。1991年来日、英会話教師を経て、現在、外国人研究者をサポートする会社経営。市議4期。二の宮
【公約】①公立高校をつくば市に新設する②再生可能エネルギーと蓄電池の活用③海外の企業・自治体と茨城の橋渡し

塚本一也(つかもと・かずや)57 会社相談役 自民 現①
【略歴】つくば市出身、筑波大学大学院環境科学研究科修了。JR東日本社員を経て、現在、大曽根タクシー相談役、土浦一高PTA会長。大曽根
【公約】①農林水産物のブランド化を進める②スクールバスを運行し県立高校の通学可能圏域拡大③新型コロナの支援策充実

山本美和(やまもと・みわ)53 政党役員 公明 新
【略歴】東京都出身、創価大学教育学部卒。同大職員を経て、市議4期。元土浦一高PTA会長、子ども食堂共同代表。松代
【公約】①孤独・孤立対策のための居場所づくり②防災道の駅を誘致③子ども食堂をすべての小学校区に設置推進

鈴木将(すずき・まさし)50 県議 自民 現③
【略歴】つくば市出身、米サフォーク大中退。県議・市長秘書を経て、現在、いばらき自民党政務調査会副会長、県バレーボール協会理事、寺具
【公約】①TX南北への早期延伸実現など交通整備②高校の早期学級増など学びの保障③ケアラー・ヤングケアラー支援計画策定

山中たい子(やまなか・たいこ)71 政党役員 共産 現④
【略歴】福島県出身、日大Ⅱ部法学部卒。千葉県商工団体連合会職員、旧桜村議1期、つくば市議4期を歴任。まつぼっくり保育園後援会長。倉掛。
【公約】①市内に県立高校新設し少人数学級を推進②東海第2原発再稼働ストップ③県水道料金引き下げなど物価高騰やコロナから暮らしを守る

星田弘司(ほしだ・こうじ)48 会社員 自民 現③
【略歴】つくば市出身、明治大学大学院ガバナンス研究科修了、市議2期。現在、星田建設社員、県パワーリフティング協会会長
【公約】①コロナで影響を受けた観光業や商工業支援②県立高校の定員増など教育環境整備③信号機や横断歩道設置など通学路の安全対策

土浦市区の立候補者(定数3-立候補者3)

八島功男(やしま・いさお)66 党役員 公明 現③
【略歴】土浦市出身、創価大学法学部卒。元常陽銀行土浦ローンプラザセンター長、筑波支店長など歴任。党県本部幹事長。永国
【公約】①つくば霞ケ浦りんりんロードを活用など人にやさしいにぎわいと魅力あるまちづくり②子育て応援トータルプラン策定

高橋直子(たかはし・なおこ)38 歯科医師 自民 現①
【略歴】土浦市出身、日本大学医学部卒。つくばリボン歯科医院長を歴任。現在、県歯科医師連盟顧問。右籾
【公約】①就学前教育の充実と小学校へのスムーズな接続②幼保施設、小学校でのフッ化物洗口など歯科口腔の健康を守る

伊沢勝徳(いざわ・かつのり)52 県議 自民 現⑤
【略歴】土浦市出身、明治大学大学院公共政策学修了。狩野安参院議員秘書、党県連政務調査会長など歴任。現在、県議会議長。真鍋。
【公約】①保健・福祉の充実②教育・生涯学習の充実③地場産業の育成・TX土浦延伸

バーチャルフォトグラフィーという世界 《ことばのおはなし》52

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【コラム・山口絹記】バーチャルフォトグラフィーという単語を聞いたことはあるだろうか。

最近のゲーム、例えばソニーのプレイステーション5やマイクロソフトのXbox(エックスボックス)などの家庭用ゲーム機、ハイスペックPCで遊べるようなゲームを普段からプレイしている方々の中ではもはや当然になりつつあるのだが、今のゲームのグラフィックというのは本当にすごいことになっている。知らない人が見たら、ゲームの画面だとは信じられないレベルになっていると言ってもよいだろう。

今コラムの写真は著作権的な都合で現実世界の写真を載せているが、これくらいの景色がどこまでも広がっている世界を自由に動き回れると思っていただいて差し支えない。

そんなすさまじいグラフィックの世界を歩き回って遊べるゲームが数多くある中で、このゲームの画面を写真として記録する活動が少しずつではあるが広まっている。

少しゲームやPCに詳しい方には、「それってつまりスクリーンショット(キャプチャ)でしょ?」と言われてしまいそうだ。もちろん最終的にはスクリーンショットに違いないのだが、このスクリーンショットを記録する前段階で、目の前の情景をより思い通りに撮影するための機能が最近の多くのゲームに実装されている。

思いもよらない世界が広がる

この機能は「フォトモード」と呼ばれることが多いのだが、実際のカメラやレンズにある概念や機能、焦点距離や絞りはもちろん、ゲームによっては複数の照明装置(ライティング)、色収差やノイズを調整できるものまである。つまり、ゲームの中に本格的な機材を持ち込んで撮影ができるのだ。

加えて、現実ではいじることのできない天候や時間を操作したり、現実ではありえないアングルから自由な撮影も可能であることが多い。

これはどういうことかと言うと、プレイヤーそれぞれの感性をかなりの自由度の中で写真として表現できるということだ。ここまでくると、もはやひとつのアートだし、ゲームの中の一機能にとどまらない独立した文化になっていく(なっている?)のだと思っている。スクリーンショットではなく、あえてフォトグラフィーと呼ぶのはこういった現状を踏まえているのだ。

SNS、特にTwitter(ツイッター)などでは、かなりの頻度でコンテストなどのイベントや、バーチャル空間での展示会なども開催されている。興味のある方は是非、「バーチャルフォトグラフィー」という単語でネット検索をしてみてほしい。そこには思いもよらない世界が広がっているはずだ。(言語研究者)

2024年度から日本国際学園大学に 筑波学院大 仙台にもキャンパス

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筑波学院大学=つくば市吾妻3丁目

筑波学院大学(つくば市吾妻)は1日、2024年4月1日から大学名を日本国際学園大学に変更し、新大学として開学すると発表した。併せてキャンパスを現在のつくばキャンパスに加え、仙台市に新キャンパスを設置し2キャンパス制にする。

同大学の開学準備事務局(仙台市)によると、来年4月1日にまず大学を運営する学校法人名を、現在の筑波学院大学(橋本綱夫理事長)から学校法人日本国際学園に名称変更する。翌24年4月1日に新大学を開学する。併せて24年度から、姉妹法人の東北外語学園(仙台市、橋本理事長)が運営する仙台市の東北外語観光専門学校に新たに仙台キャンパスを設置する。

現在、筑波学院大は入学定員200人で、経営情報学部ビジネスデザイン学科にILA(国際リベラルアーツ)コースと総合コースがある。名称変更後も学部や学位に変更はない。つくばと仙台のいずれもキャンパスでも学べるようになる予定だという。

同大学は、英語で授業を行ったり海外の名門大学に留学体験するILAコースを2021年度に開設するなど、英語でディスカッションやプレゼンテーションができ、国際的にも地域でも活躍できる人材育成に力を入れている。こうした取り組みを、つくば市だけでなく、東日本の中核都市である仙台でも展開し、日本を代表する大学に発展させようと取り組む。

同大学は1990年、東京家政学院が、県とつくば市の協力で筑波短期大学を開学。96年に4年制の筑波女子大学になり、2005年に男女共学の筑波学院大学になった。大学の運営は19年度から、東京家政学院から新学校法人の筑波学院大学に移り、1法人が1大学を運営する体制になった。

今回の大学開学と2キャンパスの設置は、国内外の大学入学志願者層を広げ、少子化という国内の試練を乗り越え、大学の発展と充実を実現する大きな一歩だとしている。

県議選あす告示 つくば市区は現新8人、土浦市区は現職3人が立候補へ

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県議選つくば市選挙区のポスター掲示板=つくば市谷田部

任期満了に伴う県議選は2日告示され、つくば市区(定数5)は現職4人と新人4人の8人が立候補し3人超の激戦になる見通しだ。土浦市区(同3)は定数と同数の現職3人が立候補し選挙戦にならず2日にも当選が確定するとみられる。無投票当選になれば同市区で初めて。

つくば市区は現職5人のうち公明の田村けい子氏が引退する。立候補を表明しているのは、現職が▽4期目を目指す星田弘司氏(48)=自民=▽4期目を目指す鈴木将氏(50)=自民=▽5期目を目指す山中たい子氏(71)=共産=▽2期目を目指す塚本一也氏(57)=自民=の4人と、新人は▽前市議の山本美和氏(52)=公明=▽元市議の宇野信子氏(57)=つくば市民ネット、立憲推薦=▽美術大学非常勤講師の佐々木里加氏(55)=無所属=▽市議のヘイズ・ジョン氏(59)=無所属=の4人。1日時点の有権者数は19万5232人で、4年前より約1万3000人増えている。4年前の投票率は41.80%だった。

土浦市区は▽4期目を目指す八島功男氏(66)=公明=▽6期目を目指す伊沢勝徳氏(52)=自民=▽2期目を目指す高橋直子氏(38)=自民=の現職3人が立候補する予定。1日時点の有権者数は11万8575人で、4年前より約1000人増えている。4年前の投票率は34.93%だった。

3人超の激戦へ つくば市区

つくば市区の星田氏は3期連続でトップ当選を重ねる。県犯罪被害者支援条例など4つの条例制定、信号機設置など通学路の安全対策などに取り組んだ実績を強調し、ポストコロナの再興支援、県立高校の定員増などを掲げる。告示日の2日は午前10時から同市西大沼の事務所前で出陣式。

鈴木氏は市議会最大会派などの応援を受ける。県ケアラー支援条例制定にあたりプロジェクトチームの座長を務めたなどの実績を強調、TX南北への早期延伸実現、科学技術の実装、高校の早期学級増、ケアラー支援計画策定などを訴える。2日は午後2時から寺具集落センターで出陣式。

山中氏は、12月県議会に市民団体が出した県立高校新設などを求める請願で唯一の紹介議員になった。コロナ、物価高、格差と貧困、東海第2原発問題などに対し、暮らしと平和が一番の県政への転換を訴える。11月26日には志位和夫党委員長が応援。2日は午後1時からつくば駅前で第一声。

塚本氏は、TXと常磐線を接続してつくばと水戸を結ぶ構想を提唱。大井川和彦知事が今年度調査費を計上しTX県内延伸構想が動き出した。農林水産物のブランド化、スクールバス運行による県立高校の通学圏拡大などを訴える。2日は午前10時から若森の信金隣りの駐車場で出陣式。

山本氏は、県議を4期務めた田村けい子氏の後継。教員を目指し教育学部で学んだ経験から教育の大切さを強調し、子どもの貧困対策や、TX東京駅延伸による生活の足の確保などを訴える。11月27日には山口那津男党代表が応援に駆け付けた。2日は午前10時から、天久保の事務所内で出陣式。

宇野氏は、現在市議4人を擁するつくば市民ネットが県議選に初挑戦する立候補予定者。公立高校や洞峰公園グランピング問題などを挙げ、県の情報がほとんど市民に届いてないと指摘し、情報公開と市民参加で県政を見える化するなどと訴える。2日は午前10時から二の宮の事務所前で出発式。

佐々木氏は、今年7月の参院選で維新から県選挙区に立候補し次点で敗れたが、つくば市では1万6000票超を得票した。参院選で傾聴した皆さんのお困りごとを解決したいと無所属で挑み、高齢者の介護サービス拡充、教育と出産無償化などを掲げる。2日は午前9時ごろ市役所前で第一声。

ヘイズ氏は、2012年から3期連続で市議トップ当選を果たしている。8年前、県議選に立候補したが次点で敗れ、今回、再挑戦し雪辱を期す。公立高校をつくば市に新設、再生可能エネルギーと蓄電池の活用、海外企業・自治体と茨城の橋渡しなどを訴える。2日は出陣式などは実施しない。

2日にも確定か 土浦市区

八島氏は、誰一人取り残さない、日本一幸せな茨城を目指すと訴え、つくば霞ケ浦りんりんロードの活用、子育て応援トータルプランをつくる、にぎわいの土浦をつくるーなどを掲げる。2日は午前10時から下高津の事務所隣りで出陣式。

伊沢氏は現在、県議会議長を務める。保健・福祉の充実、教育・生涯学習の充実、地場産業の育成・TX土浦延伸、災害に強いまちづくり、女性・若者の声を生かすーなどを掲げる。2日は午後6時から城北町のホテルマロウド筑波で出陣式。

高橋氏は昨年9月の県議補選で初当選。2期目は、子供たちに明るい未来のための教育、歯科口腔の健康を守る、日本一子供を産み育てやすい県の実現と少子化対策ーなどを訴える。2日は午前10時から、小岩田東の事務所前で出陣式。

お米を極める旅in柏崎 ② 《ポタリング日記》10

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門出の夜明け

【コラム・入沢弘子】前回の「お米を極める旅 in柏崎 ① 」(11月6日掲載)に続き、番外編として、10月に参加した「対話型体験」プログラムについて記します。靄(もや)が黄金色に変わり、門出(かどい)の朝が浮かび上がってきました。朝は「お米を知る特別講座」から。米の歴史、お祭りとの関係、米の品種と産地、柏崎の米の品種、分類と活用に至るまでを学びました。

続いての鍋敷き作りは、農業指導士の鈴木貴良さんにご指導をいただきます。Uターンで門出に戻ってから農業一筋35年。耕作放棄地の景観保全を目的に、「門出総合農場」を設立。合鴨(アイガモ)、マガモ農法での米作りをはじめ、大豆栽培と加工品製造、特産品の「じょんのび鶏」飼育、米作依存脱却のための小麦栽培と加工―など、従来の農業に加え、新たな可能性に挑戦している方です。

鍋敷きは、ドーナツ状の藁(わら)、芯に柔らかくした藁を、手でこすり合わせながら巻いていきます。撚(よ)る、繰(く)る、綯(な)うの繰り返し。次に綯う藁が識別できずにいると、「そういうときは、撚りを戻せばいいんです」と鈴木さん。語源を実感したひと時でした。

昼は、柏崎市中心部の割烹ささ川で、巻き寿司づくり体験です。店主の笹川隆司さんの地元の食材にこだわった料理は定評があります。コツを教わりながら、卵焼き、胡瓜(きゅうり)、海老(えび)、干瓢(かんぴょう)、椎茸(しいたけ)、ひじき、桜でんぶ、甘く煮た胡桃(くるみ)を入れた、太巻きずしを作ります。巻いたお寿司(すし)は各自の昼食に。

お米の活用法を五感で体験

絵付けをした網代焼

続いて、老舗菓子店・新野屋の新野良子専務による米菓・網代(あじろ)焼についての講義。日本最古の工業米菓の網代焼は、柏崎の米と海老を使用したお煎餅(せんべい)。他県に勝つために立ち上げた米菓研究所、職人の確保、独自商品流通ルートの開発―など、百年以上メイン商品として製造を続ける努力が感じられ、感銘を受けました。講義の後は、生地を実際に焼き、チョコペンでの絵付け体験。米菓がより身近に感じられました。

夜は、再び割烹ささ川へ。前菜から食後のお茶まで全ての料理に米を使った「米フルコース」をいただきます。京都の料亭・菊乃井の開発したレシピに笹川さんがアレンジを加え、地酒と料理のペアリングを楽しみます。笹川さんの獲った魚や海藻、鈴木さんの育てた米や鶏、市内4つの酒蔵のお酒。料理素材から調味料、嗜好(しこう)品に至るまでを、半径10キロ以内で調達できる柏崎。ここでしか体験できないもてなしに贅沢(ぜいたく)な気分に浸り、夜はふけていきました。

最終日は原酒造の見学。創業2百年以上の老舗は、関東地区でも「越の誉」が有名です。早くから東京営業所を構え、販路拡大を続けてきた賜物(たまもの)でしょう。

今回の「お米を極める旅in柏崎」では、新潟で一番早く米が収穫される柏崎で“お米”の活用法を五感で体験したのは大きな学び。長い年月、地域の活性化につながる活動をしてきたキーマンたちとの対話も非常に印象的でした。数年がかりで取材を続け、その地ならではの魅力を発掘し、対話型プログラムを創る大羽さんにも感服。今後、全国で展開されるプログラムにも注目していきたいです。(広報コンサルタント)

<参考>未来づくりエクスペリエンス by 未来づくりカンパニー

伊東葎花さん公募童話賞で2冠 NEWSつくばに執筆の作家

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伊東葎花さん=勤務先のある土浦市内で

NEWSつくば朝のコラムに「短いおはなし」を連載中の伊東葎花さん(筆名)=美浦村在住=が、ことし公募の童話賞で相次いで大賞を獲得した。30日発表の第34回新見南吉童話賞(半田市教育委員会主催)で最優秀賞(文部科学大臣賞)に選ばれ、第37回家の光童話賞(家の光協会主催)の受賞作は12月1日発売の雑誌「家の光」1月号に掲載される。コロナ禍以降、各公募コンテストはリモートによる投稿数を増やし気味というなかで、注目の2冠達成となった。

新美南吉童話賞には、自由創作部門一般の部766編、中学生の部604編、小学生高学年の部43編、小学生低学年の部59編、新美南吉オマージュ部門369編の合計1841編の作品が全国から寄せられた。審査の結果、オマージュ部門に「きつねの母さん」で応募した伊東さんが同部門大賞に選ばれると共に最優秀賞も獲得した。

小学生の兄弟がお祭りから帰ると家のかまどの影に1匹のきつねがいた。兄にきつねにとりつかれる話を吹き込まれていた弟は、きつねを母だと思いこみ世話を焼いたり、心配して泣き出したりしてしまうのだが…。新見南吉の「狐」に材をとった原稿用紙7枚の作品で、伊東さんによれば過去の受賞作から傾向を読み取り、父と子の物語を母と子の人物配置などに変えるなど工夫したという。

最優秀賞は賞金50万円、ダブル受賞は初めての快挙というが、規定からオマージュ部門の賞金を重複して受け取ることはできないそうだ。

家の光童話賞は副賞30万円、今回は全国から680編の応募があった。JAグループの出版文化団体が主催することから、農作物や農作業にちなむ作品を募集している。受賞の報は9月半ばに届いた。

受賞作は「手ぬぐいそうせんきょ」。おばあちゃんは毎日違う柄の手ぬぐいを姉さんかぶりに畑仕事に出る。気になって仕方がない孫娘は、夜ごと選挙で次の日かぶる手ぬぐいが選ばれるシーンを目撃する。ほのぼのとするお話だが「異議あり」とか「静粛に」とか、少しきつめの言葉がアクセントをつけている。

伊東さんによれば「お話はプロットを作らず、いきなりストーリーから書き始める。仕事の空き時間を見つけては数時間で書きあげてしまう。その後、寝かせるのが大切で、締め切り前に応募要領を読み直してみたりする」。今回の文字制限は原稿用紙5枚だったが、小学校2年生までに覚える漢字しか使えないことを知り、書き直すと文字数オーバー。その推敲(すいこう)に時間を費やした。

対面で出来そうな表彰式が楽しみ

伊東さんは、子供への読み聞かせをアレンジしているうちオリジナル作品を書くようになった。ネットで発表し、公募コンテストに応募するようになった。グリムの里いしばし(栃木県下野市)主催の第19回グリム童話賞で大賞に選ばれた(19年2月3日付)のが2019年、以来第32回新見南吉童話賞特別賞(2020年)、第33回日本動物児童文学優秀賞(2021年)と受賞歴を重ねた。

「文章教室に通ったこともなく、サークルに属しているわけでもなく、過去の受賞作から傾向と対策を自分なりに分析し、応募している」そうで、公募文学の世界で自分がどんなポジションにいるのかは分からない。「だから入賞して表彰式に出るのが楽しみ。有名な作家さんとか先生に会って話をしたいのだけど、コロナ禍で対面の表彰式がなくて残念だった」

次の目標としているのは、「坊っちゃん文学賞」(松山市主催)。自分を童話作家というよりショートショートの作家と見定めているから、是が非でも狙いたい賞だそうだ。「取れたら、もう一つの目標である本の出版にも近づけるかもしれない」、いたずらっぽく微笑んだ。(相澤冬樹)

◆「きつねの母さん」は新見南吉童話賞特設サイトで読める。「手ぬぐいそうせんきょ」掲載の「家の光」23年1月号は最寄りのJAで購読申し込みができる。

「むすびつくば」リヴォルヴへの満足度高い 不登校支援の民官協働事業検証終わる

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第11回つくば市不登校児童生徒支援検討会議の様子=29日、市消防庁舎

つくば市の不登校に関する児童生徒支援検討会議が29日午後2時から、市消防庁舎の多目的ホールで開かれた。昨年12月、不登校児童生徒の学習支援施設「むすびつくば」の運営事業者の選定をめぐり迷走した問題を受け、5月に設置された検討会議(5月17日付)の第11回の開催となる。

会議は森田充市教育長と市教育委員4人を委員に構成される。5月に始まった検討会の議論は終盤に近づき、市が2020年10月から22年3月末までNPO法人リヴォルヴ学校教育研究所(同市二の宮、小野村哲理事長)と協働で実施した「むすびつくば」の事業に関する検証報告書が検討会議で承認された。同報告書は12月1日に市議会の文教福祉委員会(木村清隆委員長)に提出される。また、今後の市の全体的施策と方針の取りまとめについて意見が交わされた。

「むすびつくば」は、民と官が相互に協力、補完して増加する不登校児童生徒の個に応じたさまざまな学習機会の提供と、民間事業者の専門的知見を活用して新たな学習支援の知見を深めることを目的にスタートした。検証は、利用者の小中学生と保護者へのアンケート(6月~7月実施)や、協働事業者のリヴォルヴとつくば市による自己評価、利用者在籍校の聴き取りなどで得られた結果を基に分析と評価が行われた。

協働事業の分析では、①リヴォルヴは学習障害の傾向のある児童生徒への支援や、教科書学習に拒否反応を示す児童生徒には遊びの時間を設けるなど工夫して学習支援を行った②新たな支援方法の構築として、20年以上に及ぶ指導のノウハウを生かして一人ひとりの特性に応じた学習支援を行った③スタッフが児童生徒の目線で対応し、信頼関係を気づいて心理的な居場所づくりをした④保護者同士の交流と経験の分かち合いを目的にした「親の会」や教育相談を開催して保護者への支援を行った-など、リヴォルヴに対する保護者の満足度は高かった。

一方、アンケートでは「子ども同士の関わりが深まる放課後的な時間があると良い」という保護者の意見や、体験入所を利用したが「子どもが行きたくないと言った」ため入所しなかったケースもある。全体を通して児童生徒と保護者の満足度は高く、利用者の期待に応えられるような学習支援活動を提供していたと検証報告書は評価している。

リヴォルヴによる「むすびつくば」の運営は1年間延長されて来年3月まで。23年度以降どうするかについては検討会議で協議しているが結論は出ていない。

支援に8つの柱

検討会議ではまた、第9回会議で示された支援施策案(10月13日付)の要旨を伝える取りまとめが話し合われた。施策は、①校内フリースクールの整備②スクールカウンセラーの増員③スクールソーシャルワーカーの増員④市教育相談センター(同市沼田)の教育相談員の増員⑤不登校児童生徒の保護者への補助⑥民間の不登校児童生徒支援施設の運営者への支援⑦公設の不登校生徒支援施設の運営継続⑧家庭にいる児童生徒への支援-の8つの柱で構成されている。

不登校児童生徒の状況に応じて、担任やスクールカウンセラーなど学校関係者をはじめ、フリースクールなどの関係者が連携して支援することで、社会的な自立に向けた取り組みを行う枠組だ。この施策の基本理念を盛り込むため、検討会議メンバーが構成や文言に知恵を絞る形になった。児童生徒を主体に、幅広い支援を積極的に提案するものだが、予算のハードルは高く、内容が縮小される可能性も懸念される。

検討会議は来年1月に全体的な施策と支援方針をまとめる。次回の検討会は12月27日を予定している。(橋立多美)

旧統一教会と政治の関係 《ひょうたんの眼》54

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庭の紅葉

【コラム・高橋恵一】旧統一教会の被害者救済や新たな被害者の発生防止策が国会で検討されているが、なかなか進展しない。合同結婚式や霊感商法が顕在化し、オウム真理教の地下鉄サリン事件でカルト集団の異常さと不気味さが課題になって、旧統一教会に対しても規制の動きがあったが、メディアの報道も減って立ち消えになっていた。

7月8日、参議院選挙の最中に安倍元首相が街頭演説会場で銃殺されるに至って、政治家と旧統一教会との関連が浮上し、改めて信者の異常な高額寄付などによる被害、信者の家庭崩壊などが、長期間続いていることが明らかになった。

旧統一教会は、本部のある韓国ではビジネス集団としての性格が強く、膨大な資金を背景に、韓国国内だけでなく、北朝鮮や米国、南米の諸国で、多様なビジネスを展開している。その資金や赤字の補填(ほてん)は、日本の高齢者や女性の献金などで集められ、韓国の教団本部に送られる年間数千億円が充てられているという。

旧統一教会のスタンスは、過去の日本が朝鮮半島を植民地支配した、日本人は先祖の罪を償(あがな)うために韓国に金銭を提供しなければならない―というもので、その具体化が霊感商法や献金・寄付などだ。結果、マインドコントロールされた信者やその家族が生活破綻するほどになり、教団の意向によって成立した信者同士の夫婦や子供にも、人権問題が生じている恐れもある。

政治家の自浄作用には期待できない

政治家と旧統一教会の関係が調査され、教団イベントへの出席や祝意の提供などとともに、選挙への強力な支援が見えてきた。平成12年(2000)以降の国政選挙では、教団の強力な支援で当選した議員もあり、教団の選挙支援を差配していたのは、元首相という証言が多数報道されている。

旧統一教会は、霊感商法などの批判から逃れるため、教団の名称変更を文部科学大臣に申請したが、当初は認可されなかった。名称変更が認可されたのは、第2次安倍内閣になってからである。同性婚や選択的夫婦別姓など、多様性を認める地方議会でも慎重論が通ってしまう。旧統一教会の主張する方向が、政治の場に表れている。

最近も、貧困や、家庭内でのDV被害などから子供を守るための「こども庁」の設置が、いつの間にか、「こども家庭庁」になっている。

教団は、宗教法人格の取り消しや集金活動の制限を恐れて、政権与党と強く結びついたのであろう。つまるところ、金集め集団にとって、教団を擁護し、収奪活動への制限をさせない役割を政治家に求め、政治家は、無償で強力な選挙応援をしてくれる教団を必要とした。この関係を断たない限り、被害者の救済も防止も成り立たない。

しかし、元首相など、問題の中核にある政治家との関係の調査が拒否されている。不当な金集め教団、いわば反社会団体の選挙支援活動に期待している政治家は、宗教法人の取り消しや被害者救済に消極的だ。

政治家の自浄作用に期待はできない。この状況で出番はメディアである。政治家の、忘れた、記憶にない、知らなかったなどという説明を信用している国民は、ほぼゼロであろう。うそとわかっていながら、追及できないメディアであってはならない。(地図好きの土浦人)

国家資格「愛玩動物看護師」育成へ学習環境整う つくば国際ペット専門学校に動物医療センター

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完成したつくば国際ペット専門学校付属動物医療センター=つくば市沼田、つくばわんわんランド内

つくば国際ペット専門学校(つくば市沼田、東郷治久理事長、学生数約400人)に動物医療センターが29日、完成した。来年から始まる新たな国家資格「愛玩動物看護師」を育成する実習施設で、隣接する犬のテーマパーク「つくばわんわんランド」や、老犬老猫ホームひまわり、同校の学生1人に1匹手渡されるパートナードックなど計約1000匹の健康管理を一手に担う。

グループ法人が運営するつくばわんわんランド内に建設された。センターは木造2階建て、延床面積434平方メートル。1階に検査室、処置室、手術室、レントゲン室、入院室を備え、2階は大教室になる。スタッフは獣医師4人と動物看護師7人。

動物医療センター1階室内。医療機器などの搬入はこれから

愛玩動物看護師は今年5月施行の愛玩動物看護師法に基づき新たにつくられた国家資格で、来年2月に初の国家試験が実施される。これまで民間資格だけだったが、業務の幅が広がり、新たに採血、投薬、マイクロチップ挿入などが医師の指導の下でできるようになる。受験資格を得るには大学または専門学校などで3年以上勉強することが必要。

新たな国家資格創設を見据え、同校では2年前に3年制の愛玩動物看護師コースを新設した。学生はこれまで、既存の校舎内にある付属動物病院「つくば獣医診療センター」で実習してきた。今回完成した動物医療センターは、既存のセンターの2倍近い広さがあるという。

今後、新センターにレントゲン装置や超音波診断装置などの機材や設備を運び入れた後、新センターでの実習を開始する。

完成したつくば国際ペット専門学校付属動物医療センター前であいさつする東郷治久理事長=同

29日は同校を運営するつくば文化学園や、グループ企業のサンスイグループ関係者ら約50人が参加して竣工式が催された。東郷理事長は「コロナで(グループ企業の)レストランやホテルが苦戦し、だんだん戻ってきているとはいえ依然としてコロナ前の半分にも達していない。そうした中、ペット事業部がグループをリードし、日本一のペット総合企業を目指して、新しい形態を切り開いた。わんわんランドは新しいテーマパークとして来場者数を伸ばし、ペット専門学校は日本で5本の指に入る。日本初の通信制学科も開設した。ブリーディングや葬祭もある。(ペットの)ゆりかごから墓場まで、一つのところに全部そろうのは日本で初めて。このような形態は他にない」などと強調した。

新治本店を復活させる 土浦駅ビル内の佐藤酒店4代目【キーパーソン】

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佐藤酒店4代目の佐藤栄介店主

土浦駅ビル「プレイアトレ土浦」2階。書店、焼き芋店、どら焼き店、パン店が並ぶフロアーに、軽く飲食もできる酒類販売店がある。土浦市新治地区の商業施設にも出店していた佐藤酒店だ。29歳の4代目店主、佐藤栄介さんが、長く閉めていた本店(新治地区沢辺)を近くリニューアル開店させると知り、若い店主に酒屋への思いを聞いた。

「土浦小町」「土浦梅酒」が並ぶ

アトレ店では、茨城県内で造られる日本酒、焼酎、クラフトビール、ワイン、リキュール、つまみ類だけを販売しており、全国ブランドの酒類は扱っていない。酒は売るだけでなく、レジを別にしたスタンドで飲めるようにしてある。JR常磐線利用者の「軽く一杯」には好都合で、書店や和菓子店などと同居する面白い空間だ。「もっと飲みたい」客には、駅周辺の店を紹介する。

「アトレ店を開いたのは2019年12月。駅ビルに星野リゾートBEB5土浦がプレオープンする半年前だ。星野を核にアトレをサイクリングリゾートの拠点にしようと企画するJR(アトレを経営)、茨城県(自転車観光を振興)、土浦市(駅周辺商業を振興)から『茨城の酒を売る店も入れたい』とオファーがあり、引き受けた。JR・県・市の狙いと、うちが大事にしている地元酒が合致したからだ」

プレイアトレ土浦内の佐藤酒店 左は酒類売店、右は飲酒コーナー

店には、土浦市農業公社が主導して商品化したそば焼酎「土浦小町」(消費税込み1500円)も置いている。佐藤酒店の本店がある新治地区の「常陸秋そば」を使い、水戸の酒蔵に造ってもらった焼酎だ。「小町の里」は新治地区の観光スポット。新治産の梅を使い、つくば市の稲葉酒造に製造を頼んだ「土浦梅酒」(同1980円)も並ぶ。

商業施設店を閉め、2店舗を維持

佐藤酒店は、曾祖父豊一郎氏が1948年、旧新治村沢辺の県道つくば千代田線沿いに創業。同村大畑にショッピングセンター「さん・あぴお」がオープンした1993年、同施設内に2号店を出した。2004年、沢辺の本店を閉め、駅ビルに出店するまでは「さん・あぴお」店だけを営業してきた。

しかし、本サイトの記事「専門店街運営の商業協同組合が破産 土浦の『さん・あぴお』」(11月22日掲載)にもあるように、新治商業協同組合の行き詰まりに伴い「さん・あぴお」店を閉め、長く閉じていた沢辺の本店を12月に復活させ、2店舗体制を維持する。

商業協同組合立ち上げに奔走したのが、祖父忠氏。「さん・あぴお」店を切り盛りしたのが、父豊栄氏。4代目栄介さんは、アトレ店を軌道に乗せ、以前から本店再生構想を温めてきた。「リニューアル店は、駅ビル店を経営する有限会社サトウとは別の会社が担当する。父の名が入る株式会社豊栄をすでに立ち上げた」

4代目は、「さん・あぴお」店閉店にめげず、佐藤酒店発祥の地、沢辺本店を復活させ、新しい展開を考えている。

【さとう・えいすけ】県立土浦湖北高卒。2021年、東洋大学法学部を中退、家業の佐藤酒店(法人名は有限会社サトウ)に戻り、専務。父の後を継ぎ、22年11月から社長。初代豊一郎氏は新治商工会会長、2代忠氏は同会副会長、3代豊栄氏は同会青年部長。1993年、旧新治村沢辺(本店所在地)生まれ、同所に在住。

【インタビュー後記】私が好きな地元日本酒は浦里酒造店(つくば市)の「霧筑波」。料理屋では置いてあるかどうか必ず聞く。家では「剣菱」の清酒(旧2級酒)。ウイスキー類は米産バーボン「ワイルドターキー 8年」。ビールはサッポロの「黒ラベル」。ワインはチリ産の安物。焼酎はあまり飲まない。友人からもらった「土浦小町」はまだ飾ってある。(経済ジャーナリスト・坂本栄)

茨城の陶芸家 荒田耕治先生と 《令和楽学ラボ》21

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【コラム・川上美智子】荒田耕治先生の作品との出会いは、結婚して東京から茨城に移り住んだ1970年春のこと、笠間の佐白山(さしろさん)の麓で開かれていた陶芸市をのぞいたときでした。内側がチタンマット、外側が黒釉彩(こくゆうさい)の洗練された素敵なコーヒーカップのセットを見つけ購入しました。新聞紙に包んでくれた係の人が、「荒田耕治さん」という笠間の若手ホープ作家が焼いたものだよと教えてくれました。

当時、先生はまだ32歳で県窯業指導所を終了し、笠間に築窯されたばかりの頃だったようです。実際に、荒田先生にお目にかかったのは、2005年、国民文化祭茨城県実行委員会で一緒に企画委員をしたときでした。

それがご縁で、2009年、国民文化祭が終了した年に、荒田耕治先生の陶芸教室でご指導を頂くことになりました。以来15年間、茨城県美術展覧会と水戸市芸術祭美術展覧会に連続入選することができ、先生のご指導のおかげで奨励賞や市議会議長賞などの賞も頂き、すっかり陶芸にはまってしまいました。

土をこね、土と向き合い大きな壺(つぼ)や花器に仕上げる工程は、もろもろのことを忘れ手仕事に没頭できる貴重な時間です。手を動かすことで、脳も心も浄化されるのを感じます。そのような大切な機会を与えてくれたのが荒田先生との出会いでした。

先生も、ご自分の作品とは異なる新しい形、思いがけないものが出来上がるのを楽しみにしてくれていたようです。手ひねりで大きな作品を作る手法を、この15年間でしっかり学ぶことができ、そろそろ個展を開いて、先生に見て頂きたいと思っていた矢先の、とても残念な先生のご逝去でした。

伝統工芸の第一人者として活躍

荒田先生は、茨城県を代表する陶芸作家で、伝統工芸の第一人者として活躍されました。黒釉彩、緑藻釉(りょくそうゆう)、幾何文様(きかもよう)、木葉天目(このはてんもく)などの先生独自の作風により、文部科学大臣賞、板谷波山賞、大観賞など、多数の賞をとられ、日本工芸会正会員、茨城工芸会顧問、茨城県美術展覧会参与として、茨城の陶芸界をけん引して来られました。まだまだ作品作りへの情熱をお持ちでいらしたので残念でなりません。

12月18日(日)まで、しもだて美術館で「板谷波山生誕150年記念 茨城工芸会展」が開かれています。先生の遺作となってしまった珍しい黄色の木葉天目茶碗(ちゃわん)が展示されています。木葉天目は、葉の葉脈の跡を茶碗の底に残したもので、木の葉には、珪酸(けいさん)分を多く含む椋(むく)の葉を使います。中国の吉州窯(きっしゅうよう、現在の江西省吉安市)で唐代に始まり南宋時代に最盛期を迎えた技法で、きれいに葉脈の形を残すのには高度な技術が求められます。

荒田先生が、県の三の丸庁舎の庭で、ここには椋の木があるんだよと、うれしそうに葉っぱを集められていたのが懐かしく思い出されます。いつか、そのような作品にもチャレンジし、先生に教えて頂いた陶芸の道、歩んで行ければと思います。(茨城キリスト教大学名誉教授)

県立下館一高付属中、つくばで特別授業 関彰商事の取り組み学ぶ

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グループに分かれて社員と仕事について話し合う県立下館一高付属中の生徒ら=つくば市竹園、つくば国際会議場

県立下館一高付属中学校(筑西市)の特別授業が28日つくば市内で催され、1年生40人が関彰商事(本社・筑西市、つくば市)社員らと交流しながら、同社のダイバーシティー(多様性)などの取り組みについて学んだ。

同付属中は、中高一貫教育のため2020年に下館一高に併設された。特別授業は、地域企業の取り組みを知って、地域の実態や特徴、課題について理解を深めようと、同校の探求活動の一環で実施された。

関彰商事は1908(明治41)年に筑西市(当時、下館町)で創業した。関正樹社長は県立下館一高出身で、現在、筑西市とつくば市に本社がある。

経営者としての心得を話す関正樹社長

特別授業はつくば国際会議場で実施された。関社長は「卒業生としてとてもうれしい。(下館一高に)通っていた時は自分がこうなるとは思ってなかった」とあいさつ。「関彰商事は来年、創業115年を迎え、グループ売り上げは1600億円。百年以上続いて、売り上げ1000億円以上の会社は県内でうちだけだが、じゃあこれからも続くかは分からない(というのが経営の世界)。事実として、115歳になり、売り上げ1600億円ということがあるだけ」と経営者としての心得を語り、「生きていく上で(自身が)経験したことはすべて自分のためになっている。とにかく前を向いて、後ろに下がってもいいからちょっとずつ前に進めて、いろんな経験をしていただきたい」などと呼び掛けた。

続いて米国ロサンゼルス出身で、社内のSDGs(持続的な開発目標)教育などを担当する総合企画部のタニ・ジェイミー・アズサさんが、同社のSDGsやダイバーシティーの取り組みなどについて説明し、外国籍社員が現在2328人中34人、障害をもつ社員が35人いることなどを話した。さらに、新型コロナの影響、温暖化対策、ウェルビーイング(心身の健康)の取り組みなどテーマごとに5つのグループに分かれて、仕事や生き方について社員と話し合った。

ダイバーシティーの取り組みなどについて話す米国出身のタニ・ジェイミー・アズサさん

ウェルビーイングをテーマにしたグループでは、社員の離職について原因を話し合った。生徒たちから「給料が安いから」「仕事がつまらないから」などの離職理由が出される中、スポーツアナリテックス事業準備室の早津寛史主任は「人間関係が一番大きな問題。ぎすぎすした職場より、認め合いながら成長する職場の方がいいので、感情が高ぶった時、呼吸を整える方法などを取り入れている」などと話した。

生徒たちは午後から学園の森にバスで移動し「ポルシェセンターつくば」でポルシェの電気自動車の試乗などをした。

生徒たちは事前にホームページなどで関彰商事の事業を勉強し、質問事項を考えて特別授業に臨んだ。参加した男子生徒(13)は「エネルギーなど新しいことを教えてもらい、今後自分たちが大人になって仕事をしていく上で参考になった」と感想を話していた。

付属中の谷島敏浩教頭は「地域を題材に探求することを通して、いろいろな情報を集め、自分がどんなことを勉強したいのかを見つけていってくれれば」と話していた。

W杯応援に1000人 筑波大でパブリックビューイング

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敗戦にため息をもらす観衆=つくば市天久保、筑波大学サッカー場

つくば市天久保の筑波大学サッカー場で27日、カタール・ワールドカップ(W杯)のパブリックビューイング(PV)が催され、コスタリカ代表と対戦した日本代表に声援を送った。日本は終盤の失点から0-1敗れ、1次リーグ突破は次のスペイン戦に持ち越された。

PVは筑波大学蹴球部と大学公認学生団体の「ワールドフットつくば」が主催した。事前申し込みで無料招待された地域住民と大学生の合わせて約1000人が試合を見守った。

三苫選手ら先輩に声援送る

筑波大は、代表メンバーの三苫(2019年度卒)と谷口彰悟(2013年度卒)両選手の母校。PV会場の第1サッカー場は、2人が学生時代に練習で汗を流した場所となる。

企画した山内健太朗さんは「サッカーによって生まれるつながりを大事にしたい。最近はコロナ禍で活動が限定されていたが、この機会を生かし、市民も巻き込んで、たくさんの人たちにサッカーの魅力を伝えたい」と意図を話す。大学との折衝では開催の意義は理解してもらえたが、感染対策などクリアすべきハードルは高かったという。放映権の購入費用にも大学OBなど大勢の人に協力を仰いだ。

三苫選手らの活躍を見守る蹴球部の後輩たち

蹴球部副務の林田伊吹さんは、第1サッカー場改修に向けて実施したクラウドファンディングの代表も務めている。「イベントを通じてつくばの街を盛り上げ、大学生や子どもたちが来てくれて一緒にサッカーを見ることにより、蹴球部がより大きく人の心を動かせる存在になりたい」と話す。改修は来年2月に完成予定、「改修前に有意義なイベントができた。新しい人工芝になったグラウンドに興味を持って、足を運んでくれる子どもたちも増えるのではないか」と期待している。

試合は、前半立ち上がりから日本が数多くチャンスを作り、その度に観客席からは拍手やどよめきが沸き起こった。だがコスタリカが守備を固めてくると日本の攻撃は鈍り始める。日本は後半16分に三苫選手を投入するなど攻撃のテコ入れを図る。だが後半36分、クリアミスのボールを奪ったコスタリカが先制し、そのまま逃げ切った。

PVに先立ち、両団体のコラボイベントとして、ミニゲームや練習会、サッカーボールを使ったアトラクションなども行われた

観戦者の一人、津島陸人さん(牛久市・中根小5年)は「悔しい。クリアをもっとしっかりやればよかった。三苫選手はドリブルがすごかった」と振り返った。

三苫選手を学生時代から応援しているという藤浪莉子さん(つくば市)らのグループは「大舞台で活躍するところが見られて嬉しい。スペイン戦でも頑張ってもらって決勝トーナメントに進出してほしい」と話す。三苫選手の印象は「当時からずば抜けて上手で、すごく優しく、いつもチビっ子に囲まれていた」という。

「友達に教えてもらって来た」という大学生の岡田航平さん(千葉県八千代市)は「惜しい展開だったが決めきれなくて悔しい」との感想。スタンプラリーで谷口選手のサイン入りスパイクをもらい「まさか当たるとは思わなかった。家に飾りたい」と話した。(池田充雄)

木造校舎で学ぶ、育つ 《邑から日本を見る》124

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【コラム・先﨑千尋】今月初め、日立市立中里小中学校を訪ねた。この春に中里地区の小学校と中学校が一緒になり、新しい木造校舎で学ぶということを知り、是非この目で確かめてみたいと考えていたからだ。太平洋に面する日立市の中で同地区は、山を越えた飛び地のような位置にある。日立鉱山の公害を描いた新田次郎の小説『ある町の高い煙突』の舞台となった場所だ。

この小中学校は2011年に小中一貫教育に移行し、翌年に小規模特認校に指定された。この指定により、市内のどこに住んでいても入学、転入できるようになった。9年制になった今年からは義務教育学校になり、9年間を通した独自のカリキュラムを組むことが可能となった。コミュニケーション科(英語、ことば)を設け、9年かけて子どもたちのスピーチやディスカッションの能力を高める授業に取り組んでいる。

さらに、外部講師を呼んで、落語や能楽なども体験している。田植えや稲刈り、リンゴ栽培の手伝いなど、地域の人たちとともに実りを実感できる活動や、地域主催の行事にも参加している。

新しい校舎は山と清流に囲まれ、子どもたちは、森の木々の彩り、草木のざわめき、川のせせらぎ―など、四季の変化と豊かな自然を感じ取ることができる。敷地の南側を流れる里川に沿った円形の校舎は、風景と調和するようにすべて木造。1階には職員室のほか、多様な授業やランチルーム利用などの多目的に使える、マルチスペース「きららホール」や、校舎の中央にある昇降口付近に図書室を配置しているのが特徴だ。2階にある普通教室は、廊下との間仕切りがないためオープンな教室となり、多様な学習形態に対応できる。

同校では校長が対応してくれ、学校の特色やどのような授業を行っているのかなどをお聞きし、教室を案内してもらった。現在の生徒数は53人で、そのうち地元は13人。他は市内の他地区からスクールバスなどで通学している。わずか3人の学年もあり、1人1人がきめ細かな教育を受けることができる。廊下で会った子どもたちの目はキラキラ輝いていた。

学校は村の文化のシンボル

30年前、私は瓜連町長のとき、瓜連小学校の一部を木造で改築した。「日本は木と紙の文化の国」という岩國哲人出雲市長の言葉を聞き、山林資源の多いわが町、校舎を木造で建てたいと考えたからだ。文部省(当時)も、21世紀を担う子どもたちにうるおいとぬくもりのある教育環境をと、木造校舎の建設を奨励していたこともあった。

今では考えられないが、かつて学校は、村の文化のシンボルであり、村人の交流の場だった。寄付を募り、材料を出し合い、労力奉仕で子どもたちの未来のために学校を建てたのだった。

私が木造校舎を建てることを考えたときのコンセプトは、①学びとふれあいの場、②子供たちのふるさとになる愛される学校、③みんなのほこり、まちの顔になる学校―の3つだった。

今度、新装なった中里小中学校をわが目で見て、日立市の教育関係者や設計担当者も同じことを考えたのではないかと思いをはせた。同校の設計は瓜連小と同じ水戸市の三上建築事務所だった、というのも奇縁だ。(元瓜連町長)

ふるさと納税の顛末記 ① 《文京町便り》10

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土浦藩校・郁文館の門=同市文京町

【コラム・原田博夫】年末になると、ふるさと納税でソワソワするお宅もあるかも知れない。魅力的な返礼品をめぐる話題である。しかし、これは、制度導入の経緯からすると、妙な話である。今回は、その顛末(てんまつ)を取り上げたい。

そもそも、高校まで地方圏で教育を受けた若者の相当数が、大学入学や会社就職で都会に出て、その後の社会人生活や結婚後もそこで過ごすのは、20世紀後半の日本社会では(都市部と農村地域の間で教育や就業のチャンスに濃淡がある以上)当然だった。

この若者には財政の観点からは、高校卒業までは地元自治体の教育支出が投入されていた。勤務先の企業は、法人税(国税)および法人住民税を(企業の所在地へ)納めている。会社員としては、給与・報酬から所得税(国税)と個人住民税を(居住地の県・市町村へ)納めている。この会社員も企業も、当該年度に関しては立派な納税者である。

しかし、この会社員を高校時代まで成育させた出身地では、この財政収支の流れはやや釈然としない。少なくとも、地方出身者の高校卒業までに投じた財政資金のある部分は、出身の市町村・県に戻してもらいたい。とりわけ、都市部に出た地方出身者が地元に残った同世代よりも高所得者になっている場合には、そうした矛盾を感じる。

故郷へ還元できる制度はないか?

地方交付税制度は、こうした気分を一部解消する制度でもある。主要な国税5税(所得税・法人税・酒税・消費税・地方法人税)の一部(3割強)を地方の固有財源とみなして、全国の地方自治体を対象に、一定の意基準に従って(地方自治体ごとに基準財政需要額と基準財政収入額を算定し、前者が後者を上回っている場合はその差額を財源不足とみて)財源保障のために一般財源として配分する、という制度である(うち、94%は普通交付税、6%は特別交付税)。

この制度が導入(1954年)されて以降、東京都だけは恒常的に普通交付税の不交付団体だが、市町村の不交付団体(2022年度)は全国で72である(交付団体は1646)。茨城県内の不交付団体は、つくば市、神栖市、東海村である。ともあれ、この制度は全国画一的で、そもそも、個々の納税者には自分の納税額のどの程度が全国に配分されているのか、自覚もトレースも困難である。

個人ベースで、こうした故郷・出身地への還元を実現できる制度はないか、という問題意識はかねてからあった。このあたりの事情は、この制度を(『日経新聞』「経済教室」2006年10月20日で)提案した西川一誠『「ふるさと」の発想』(岩波新書、2009年7月)に詳しい。ちなみに西川氏は、自治省出身で福井県知事(2003~19年)を務めていた。

ともあれ、ふるさと納税制度は、(1)田中康夫・長野県知事が住民登録を自らの考えに近い自治体(泰阜村)に変更するという型破りの問題提起(2004年3月)などもあり、「ふるさと」を必ずしも自分の出身地に限定しない、(2)この納税は、あくまでも所得税・住民税の納税分の一部を対象団体に振り替える寄付金税制として設計され、2008年5月からスタートした。(専修大学名誉教授)

ウクライナ避難民支援募金を大使館に寄付 日本つくば国際語学院

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左から東郷治久理事長、駐日ウクライナ大使館のインナ・イリーナ文化担当官、森山英熙本部長=東京都港区、駐日ウクライナ大使館

学校法人つくば文化学院(東郷治久理事長)が運営する日本語学校「日本つくば国際語学院」(同市松代)が、4月からつくば市内で呼び掛けていたウクライナ避難民支援募金(4月13日付)が9月末までに計24万5000円集まり、10月26日、東京都港区の駐日ウクライナ大使館に寄付した。

募金箱はグループ企業のサンスイグループ(東郷理事長)が運営する市内計8カ所に設置した。当初6月末までの予定だったが延長し、9月末まで寄付を募った。

8カ所は同校のほか、つくばグランドホテル(同市筑波)▽つくばわんわんランド(同市沼田)▽つくば国際ペット専門学校(同市沼田)▽つくば山水亭(同市松代)▽つくば山水亭別亭(同市吾妻、ホテル日航つくば2階)▽KEY’S CAFE(キーズカフェ)ララガーデンつくば店(同市小野崎、10月16日閉店)▽ミスタードーナッツ イーアスつくばショップ(同市研究学園)。特にKEY’S CAFEとつくば国際ペット専門学校に設置した募金箱には多くの寄付が集まったという。

今回の募金活動は「ウクライナ避難民の支援はまず日本語学校から手を挙げてやるべきではないか」という東郷理事長の言葉がきっかけとなった。寄付金を受け取ったウクライナ大使館の担当者からは感謝の言葉が述べられたという。

同校の森山英熙本部長は「みなさんに関心を持って寄付をしていただき、本当に感謝しています。寄付金が避難民の方々のお役に少しでも立てれば」と話し、「これからもウクライナ避難民で日本語を学びたいという人がいたら積極的に受け入れていきたい」と語る。

10月から同校には、ウクライナ避難民でつくば在住の20代男性1人と60代女性1人が聴講生として入学し、意欲的に日本語を学んでいるという。

同校は、4月入学と10月入学が選択でき、新型コロナに関する水際対策緩和を受け、先月10月にはウクライナ避難民を含め13カ国からの留学生50人が入学した。ほかに、市内近郊に住む外国人の家族など20人も聴講生として受け入れた。現在、新入生と在校生20人を合わせて28カ国90人の生徒が在籍している。(田中めぐみ)

百年亭再生プロジェクトが進行中 《宍塚の里山》95

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改修工事中の百年亭

【コラム・佐々木哲美】宍塚の自然と歴史の会では、2019年7月に里山に隣接した築100年以上の住宅を購入し、「百年亭」と名付け、修復作業に取り組んでいます。その資金集めに、クラウドファンディング(CF)を使いました。期間は9月5日~10月21日、目標額は300万円としました。

建物の完成には800万円程度が必要ですが、CFに並行して、助成金申込みや様々な手法で、宍塚の里山の重要性を伝えながら資金を集めます。

CFの結果、223名の方から317万5000円の寄付をいただき、目標を達成することができました。どんな方から寄付があったかまとめたところ、会員から27%、非会員から73%と、非会員の寄付が多くを占めました。居住地別では、つくば市32%、土浦市15%など、県内で62%を占めました。

県外では東京都が14%と多く、関東全体では28%を占め、関東以外は9%でした。宍塚から離れると人数は減少しますが、県外からの寄付者が全体の37%にもなり、宍塚の里山保全への支持が全国に広がったことを示しています。

寄付額は1万円が119名(59%)と最も多く、次いで5000円が65名(29%)と続きます。10万円という高額寄付者が4名もいました。今回の成功のカギは、もちろん、寄付していただいた方、知人・友人に働きかけていただいた方、プロジェクトメンバーの努力ですが、ホームページ(HP)の役割も少なくありません。仲介業者READYFORの方々の親身なサポートもありました。

百年亭の創建年と大工名が判明

現在、百年亭再生プロジェクトは、建物の基礎部分の補強工事に取り組んでいますが、工事にあたって解体した玄関の部材から、墨で書かれた古文書が発見されました。専門家の判読の結果、「明治十四年 六月 佐野子 伊助作」と、建物の創建年月と、手掛けた大工棟梁の名前が判明しました。

この発見によって、今まで不明だった百年亭の建設者と築年数が明らかになり、築年数は推定したよりも長く、141年を数えていたことになります。

CFの取り組みは、今後の宍塚の里山保全の資金集めの参考になりました。また、百年亭の歴史が判明したことで、関わっている一級建築士の若者たちをはじめ、多くのスタッフを元気づけています。皆が力を合わせ、再生プロジェクト完成と里山保全に取り組んでいきたいと思います。(宍塚の自然と歴史の会 顧問)

空気汚染の健康被害を知ってほしい 市民科学者、故 津谷裕子さんの著書を公開

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故 津谷裕子さんと、無料公開された著書「絵でとく健康への環境対策ープラスチックからの新しいVOC空気汚染」の表紙

有害化学物質による空気汚染の被害者で、2021年2月に92歳で死去した土浦市の市民科学者、津谷裕子さんが、化学物質による健康被害について知ってほしいと09年に執筆した著書「絵でとく健康への環境対策ープラスチックからの新しいVOC空気汚染」(A5判、98ページ、社会評論社)が、「忘れるな 杉並病・寝屋川病~プラスチックリサイクルで生活を奪われないために」と題したウェブサイト内でこのほど全面公開された。

公開したのは東京都千代田区の市民団体「化学物質による環境汚染を考える会」代表の森上展安さんだ。森上さんは1990年代後半、当時住んでいた東京都杉並区で津谷さんと共に、プラスチックなどの不燃ごみ圧縮・詰め替え施設で健康被害を受けた周辺住民の実態調査や原因究明に取り組んだ。「杉並病」と呼ばれた健康被害だ。

公開された著書は、アレルギーやアトピーなどの患者が増える中、身の回りのさまざまなところから、これまで無かった、ごく微量の揮発性有機化合物(VOC)が発生し、新たな空気汚染が広がっている実態を知ってほしいと執筆された。

東京都杉並区の施設周辺住民の健康被害の調査結果や、プラスチックごみの圧縮や詰め替えで揮発性化学物質がなぜ発生するかをまとめている。その上で「プラスチックは不完全な加熱や機械的処理では、多種類で多様のVOCが発生し、毒性がごく強いものに変質することもある」などと指摘し、今日推進されているプラスチックのリサイクルについても疑問を投げ掛けている。

予防、救済、解明へ

ウェブサイトでは、著書に対する補足・説明を加え、公式には認められていない津谷さんオリジナルの考えもあると指摘する一方、大気汚染がどのように広がったのかについて津谷さんが「空気汚染が一様に拡散して広がるものではない」「空気中でとても薄い濃度だと分析されても、物やほこりの表面ではびっしりと汚染分子が並んで高濃度になって、表面に付いたり離れたりするので、人の周りの汚染濃度は高い」と記していることについて、「まさにその危険性を、マイクロプラスチックが海洋動物に与えるリスクとして、今、研究が進められている。杉並病からこの可能性を発見したのは、まさに先見の明でしたが、それゆえに当時の人たちには理解されにくかったのでしょう」と解説している。

さらにウェブサイトでは、杉並病と同様の健康被害が発生した大阪府寝屋川市の「寝屋川病」と呼ばれる健康被害や、原因物質と拡散の仕組み、プラスチックリサイクルの問題点などを指摘し、空気汚染と健康被害研究の第一人者である柳沢幸雄東京大学名誉教授が「本サイトで化学物質による環境汚染の理解が深まり、健康被害の予防、救済、解明につながることを祈ります」とメッセージを寄せている。

亡くなる直前まで草の根で測定活動

津谷さんは、つくば市の元通産省工業技術院機械技術研究所(現在は産業技術総合研究所)の研究者で、1996年、東京都が杉並区に建設した不燃ごみを圧縮・詰め替えする中継施設近くに住み、健康被害を受けた。当時、原因が分からないまま、先頭に立って住民の健康調査を実施し、97年、国の公害等調整委員会に公害調停を起こした。2002年、施設の操業に伴って排出された化学物質が健康不調の原因であることを認めさせる裁定を勝ち取った。

ただし原因となった化学物質が何であるかは特定されず、裁定では「この化学物質の数は二千数百万にも達し、その圧倒的多数の物質は毒性を始めとする特性は未知の状態にあるといわれている。(中略)今後、化学物質の解明が進展し、被害の救済につながることを強く期待する」とされた。

津谷さんはその後、土浦市に移り住み、2010年にNPO法人「化学物質による大気汚染から健康を守る会」を立ち上げ、亡くなるまでの10年余り、同NPO茨城事務所長を務めた。

この間、土浦市内の自宅兼茨城事務所を拠点に、化学物質過敏症の被害者の相談に乗ったり、全国各地の空気汚染の裁判を支援したり、海外から揮発性有機化学物質を測定する測定器を購入し、草の根で身の回りの空気汚染の調査を行ってきた。さらに測定データを集めて行政に対策を働き掛けたり、国と話し合いなどをしてきた。近年は、香害といわれる柔軟剤の臭いに悩む全国各地の住民からも相談を受けていた。

二度と起こらないように

森上展安さん(平野晋子さん撮影)

著書を公開した森上さんも1990年代後半、不燃ごみの中継施設があった場所から2キロ南に住んでいた。仕事で主に区外に出ていた森上さんには症状はなかったが、家にいた妻や中継所に隣接する公園で遊んでいた当時小学生の息子に発熱など風邪のような症状が続き、引っ越すと症状が無くなったと話す。

森上さんは津谷さんら地域住民と98年に「杉並病をなくす会」を立ち上げた。2002年の公害調停の裁定後も津谷さんと共に、現在まで、化学物質による健康被害について考える活動を続けている。

森上さんは「杉並で健康被害にあって泣き寝入りした人がいっぱいいる。住んでいるところを追われて、その後も体が良くならないという人の話も聞いている。二度とこのようなことが起こらないように、サイトを見てこういったことがあったということを多くの人に知ってほしい」と語った。

はつゆきさん《短いおはなし》9

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【ノベル・伊東葎花】

はつゆきさんと出会った日、僕はまだ小学生だった。

遊び過ぎた帰り道、肌を切るような冷気に、思わず身を縮めた。

「そこのぼうや、早く帰りなさい。雪が降るわよ」

見上げると木の枝に、透き通るような白い女性がいた。

「雪? まだ11月だよ」

僕が言うと、彼女はほほ笑んで白い指をくるりと回した。

途端に、空から無数の雪が舞い落ちてきた。

灯りがともり始めた夕暮れの町が、幻想的な冬景色に変わった。

「わあ、おねえさん、すごい」

はしゃいで見上げると、木の枝に彼女はいなかった。

僕は彼女を「はつゆきさん」と呼んだ。

はつゆきさんは、初雪の季節になると必ず現れた。

ほんの一言、言葉を交わしてすぐに消える。

年に1度、わずかな時間を過ごすだけなのに、僕にとって彼女はかけがえのない存在になった。

僕は20歳になった。

寒さが足元からじわりと伝わる。今日、初雪の予報が出ている。

いつもの場所に向かうと、やはりいた。

はつゆきさんは、木の枝で静かにほほ笑みながら僕を待っていた。

「今年も会えたね」

「今夜は冷えるわ。温かくしてね」

はつゆきさんはいつものように、白い指を空にかざした。

「ちょっと待って!」

彼女が指をくるりと回す前に、僕は慌てて声をかけた。

「こっちに降りてきなよ。もっと話したい」

はつゆきさんは、戸惑いながら枝を離れ、僕の隣にふわりと舞い降りた。

子供の頃はずいぶん大人に見えたけど、今はまるで可憐な少女だ。

その細い肩に触れようとしたら、彼女はひらりと身をかわした。

「触れてはだめ。溶けてしまうわ」

彼女の身体は雪と同じだ。

僕たちは少し離れてベンチに座った。

時々話して、風に踊る枯葉をながめた。

そして明日も逢う約束をして別れた。

その日、初雪は降らなかった。

それから僕たちは、毎日逢った。

天気予報に雪マークが並んでも、雪は降らない。

やがて、はつゆきさんは少しずつ痩せていった。時おりつらそうに息を吐く。

もう限界だ。これ以上引き留めることはできない。

「今日で最後にしよう」

はつゆきさんは、悲しい瞳で僕をじっと見た。

そしてすっかり細くなった手で、僕の手を握った。

僕の体温が、はつゆきさんの方に流れていく。

「だめだよ。溶けちゃうよ」

はつゆきさんは首を横に振り、僕にそっと寄り添った。

溶けてしまう…。溶けてしまう…。

わかっているのに、離れることができない。

「さようなら」小さな声が風に消えた。

はつゆきさんは、木枯らしのベンチに僕を残し、きれいな水になってしまった。

はつゆきさんが消えた翌日、今年初めての雪が降った。

彼女の代わりの誰かがやって来て、雪を降らせたのだろう。

その姿は、僕には見えない。

きっと、やがて彼女と恋に落ちる、どこかの少年にだけ見えるのだろう。(作家)