土曜日, 1月 17, 2026
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霞ケ浦、決勝で鹿島学園に敗れる 高校女子サッカー県大会

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前半10分、自陣の付近でボールをクリアする霞ケ浦の麻那古留奈(黄色いユニフォーム)

第34回全日本高校女子サッカー選手権 県大会決勝が27日、水戸市下国井町のIFAフットボールセンターで行われ、霞ケ浦が鹿島学園と対戦、0-3で敗れ、全国大会の切符をつかむことができなかった。優勝した鹿島学園は2年連続5回目の出場となる。

鹿島学園 3ー0 霞ケ浦 
   前半0ー0 
   後半3ー0 
得点=44分 阿南愛羽、46分 田口結菜、58分 阿部陽菜多(いずれも鹿島学園)

霞ケ浦は1回戦で大成女子に27ー0、準決勝は昨年延長で敗れた明秀日立を2ー0で破り決勝に進んだ。対する鹿島学園は、5月に埼玉県で開催された関東大会で優勝。県大会は準決勝で常磐大高と水戸三の合同チームを17ー0で破り、決勝に臨んだ。強豪相手に霞ケ浦は「自分たちが出来ることを精一杯やろうと、チーム一丸となり決勝に挑んだ」(キャプテンの後藤咲幸)。

前半9分、ヘディングでボールを奪う霞ケ浦の磯貝依吹

前半は鹿島学園に攻め込まれる時間帯が多かったが、センターバックの麻那古留奈が、後ろからみんなにしっかり声を掛けて前向きなプレーが出来るようサポート。鹿島学園にボールを支配されシュート4本を許しながらも無失点で守り抜いた。

後半は44分に、鹿島学園の阿南愛羽がシュートのこぼれ球を狙い通り押し込み、先制。2分後には田口結菜のゴールが決まり2点をリードされた。霞ケ浦はその後、ショートコーナーからゴール前の混戦でチャンスをつかむが、ゴールネットを揺らすことは出来なかった。鹿島学園はさらに阿部陽菜多が右サイドから左サイドまでドリブルで運んで、最後は左足で右のサイドネットにゴールを決めた。「コースが空いていたのでゴールを狙っていた」と阿部。

後半31分、中央からゴールに迫る迫る霞ケ浦の小池美聖

試合を決定づける3点目を奪われた霞ケ浦は、小池美聖がアディショナルタイムにオーバーラップして攻撃に転じるが、ゴールを奪うことは出来なかった。「鹿島学園はドリブル、パスなど一つ一つが質が違うと感じた」と小池。1年生で先発出場した百津薫は「先輩たちと違って出来ない部分は多いけど、自分が出来ることを全力でやったので悔しい」と涙ながらに話した。

前半21分、ボールを奪う霞ケ浦の百津薫(左)

キャプテンの後藤は「前半を0でいけたのが良かったので、ハーフタイムでは『後半はしっかりゴールに向かって、相手のライン上に隙ができているのでそこにボールを入れて、自分たちは足が速い選手が多いので、そこを上手く使ってゴールに行こう』との指示があった。先にボールに触ることを目標にやってきたが、相手の方がボールに対する執着心が強く勢いにのまれてしまった」と振り返り、「最後まで諦めずに戦うことが目標だったが、悔しい結果に終わってしまった」と残念がった。

試合後健闘を称え合う霞ケ浦と鹿島学園の選手たち

敗れた霞ケ浦は11月2日から鹿嶋市の鹿島ハイツスポーツプラザで行われる関東大会に出場する。キャプテンの後藤は「鹿島学園と戦って学べたことを関東大会で最大限に発揮して優勝目指して頑張りたい」と話した。

試合後の表彰式で準優勝の賞状を受け取る霞ケ浦のキャプテン後藤咲幸


霞ケ浦の竹本栄子監督は「力の差があるのは分かっていたので、選手たちは胸を借り、チャレンジャーの気持ちでやっていた。そこは出来たし前半は良かった。後半はもう少し頑張らなきゃならなかった」と話し「関東大会は全国にはつながらない大会ではあるが、各県の代表と戦える唯一の大会なので優勝目指して頑張りたい」と語った。

優勝した鹿島学園は12月29日から兵庫県内で開催される全国大会に出場する。、鹿島学園の阿南愛羽、阿部陽菜多は「相手のレベルが高く苦しい状況もあるが、みんなで力を合わせてベスト8の壁を越えて全国優勝を目指して頑張る」と抱負を語った。(高橋浩一)

全国大会出場を決めた鹿島学園の選手たち

里山保全活動とチェーンソー作業《宍塚の里山》128

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チェーンソー講習会の様子

【コラム・佐々木哲美】私たちの会では、豊かな里山を目指し、チェーンソーを使って林の手入れをしています。8月には、安全確保のため「チェーンソー取扱作業安全講習」を開催しました。講師は労働安全コンサルタントである私と、同じ会員で空師(高木に登って枝や幹を伐採する職人)の田中裕之さんが担当しました。

6時間半のカリキュラムのうち、午後の2時間は当会所有地「ワクワクの森」で、大木の伐倒などの実技を行いました。講習内容は、厚生労働省通達に基づく「チェーンソーを用いて行う伐木等の業務従事者安全衛生カリキュラム」に準じ、より実践的な構成としました。

当日の参加者は11名。年齢、職業、会員歴、経験はさまざまで、有資格のベテランから初心者の女性まで幅広く、身内ながら緊張感を持って学び合い、楽しく充実した時間を過ごしました。経験の有無にかかわらず、参加者の多くが同様の感想を持っていたのが印象的でした。

当会では2012年から、法令に基づくカリキュラムでチェーンソー特別教育を開始し、数年おきに実施してきました。20年の法改正後には、6時間の補講を2度開催しています。現在の法令では、学科(9時間)と実技(9時間)の18時間が必要で、3日かかります。私が引っ越したこともあり、1月には刈払い機安全講習を実施したものの、チェーンソー講習は無理と考えていました。

今回は林業従事者向けの内容を大幅に省略し、災害復興ボランティア活動の視点を加え、1日で完結する独自テキストを作成しました。そして、会独自の修了証を発行しました。

けがをしたら自己責任

伐木作業に従事する労働者は、木の太さに関係なく、法令に基づく特別教育の修了が義務付けられています。未受講で業務使用した場合は法令違反となり、事業者には懲役または罰金が科される可能性があります。ボランティアや個人使用の場合は、資格や特別教育の義務はありませんが、事故リスクが高いため、安全な使い方の習得が強く推奨されます。けがをしても、自己責任となってしまいます。

チェーンソーによる伐木作業が厳しく法令で規制されているのは、労働災害が多いためです。対応には三つの視点が必要です。第一に、取り扱いを誤ると危険な機械であり、操作や整備の知識が不可欠です。第二に、伐倒方法や方向を誤ると重大な災害につながります。第三に、振動工具であり、作業時間や整備状況を適切に管理しないと、健康障害を引き起こします。

けがの痛みは、労働者もボランティアも変わりません。労働者には法律による救済制度がありますが、ボランティアには補償もなく、講習会の受講料も自費です。ボランティアが安心して活動できるよう、社会制度の整備を強く望みます。(宍塚の自然と歴史の会 顧問)

「報告書は不十分、第三者委設置を」つくば市職員の請願不採択 生活保護

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つくば市議会請願審査特別委員会の様子=25日

市議会特別委 

つくば市の生活保護行政をめぐり不適正な事務処理が相次いで明らかになった問題を受けて、市福祉部が今年6月にまとめた「生活保護業務の不適正な事務処理に関する報告書」(6月23日付)に対して、「報告書は業務の分かる私たちが読めばひじょうに不十分で不誠実だ」などとして、当時、生活保護業務を担当していた市職員(現在は異動)が市議会9月定例会議に、第三者委員会による徹底的な調査を求める請願を出した。25日、市議会請願審査特別委員会(小村政文委員長)で審議が行われ、賛成少数で不採択となった。10月3日の定例会議最終日に改めて審議される。

同職員の議会請願は3回目。今回の請願は99ページに及び、報告書の問題点を一つ一つ取り上げ、課題を指摘している。市議からは「(請願には)報告書に書かれてないものがあり、検証が足りない部分があると思う。(報告書は)不十分だとおっしゃる請願者の主張はごもっとも。どうしてこういうことになったのか、なぜこういうことに至ったのか、全庁的な総括が必要」(小森谷さやか市議=市民ネット=)などとする意見が出た。

500件超の手順誤り

併せて同特別委では、今年7月に一般監査を実施した県から、不適正な手順による診断書料などの支給が500件超あったと8月の結果通知で指摘されたなどの報告が市社会福祉課からあった。

500件超の誤りは、障害年金の受給を申請する際に必要となる診断書料の生活保護からの支給手順について、本来、市が検診命令を出し、医療機関からの請求に基づいて、市が医療機関に支払うべきものを、同市では、申請者が医療機関に診断書料を払い診断書をとった後、市が申請者に支給していたーなど。

監査での県の指摘に対して山中真弓市議(共産)は「6月に報告書が出て調査終了となったが、2カ月後に県の通知があり、これでは調査が不十分。報告書ではなぜこういうことが起きたのかの調査がない」などと話した。一方、同課は「以前から県に運用誤りの報告をしており、報告書にも記載していた。調査は十分行ったと考えている」とする一方「500件超という件数は市長に報告していなかった」とした。

請願を採択するか否かの討論では、採択に賛成する意見として「(6月の報告書は)問題の背景や根本的な原因に到達しておらず、市としての調査は限界がきている。忖度のない、利害関係のない弁護士などを選定した第三者委員会を設置すべき」(山中市議)とする意見が出る一方、反対意見として「このような事態に陥ったのはここ5年とか10年ではない。どこが悪かったのか、責任の所在と原因を明らかにしていかなくてはならない。職員は、不適正だと分かっていても不適正な事務をやらなければらなかった。根が深い問題があるが、最終報告を待ってから第三者委員会の必要性を判断したい」(小森谷市議)、「現時点で第三者委員会による調査を行うことはない。なぜなら、県の監査が有効に機能していて、外部通報窓口が遅くとも来年4月にはできる」(川久保皆実市議=つくばチェンジチャレンジ=)などの意見が出て、委員14人中、賛成は2人(山中市議、川村直子市議=市民ネット=)にとどまり、賛成少数で不採択となった。(鈴木宏子)

建物自体が実験室 学園の森に朝日工業社つくば技術研究所完成

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完成した朝日工業社つくば技術研究所。おおらかなスケールの落ち着いた外装で、自然な風合いの素材感と大きな開口が特徴=つくば市学園の森

つくば市学園の森2丁目の準工業地域(コストコ南側)に、空調設備工事会社、朝日工業社(東京都港区、高須康有社長)のつくば技術研究所(平泉尚所長)が完成し、25日竣工式が催された。建物自体が最先端の建築設備の実験室であり、ショーケースになっている。今後、空調など建築設備の研究開発のほか、植物栽培技術やワクチン、ゲノム編集作物の研究などに取り組む。現在、千葉県習志野市にある技術研究所を移転する。

同研究所は敷地面積9300平方メートル、建物は鉄筋コンクリート造一部鉄骨造2階建てで、建築面積3065平方メートル、延床面積3782平方メートル。昨年7月に着工し、完成した。

建物の天井。直射日光が入らないように設計され、照明がなくても室内は明るい。自然素材・サステナビリティの高い素材で空間を構成している

建物自体には、温度と湿度を分離制御し、捨てられていた排熱を有効活用して除湿する「低温再生デシカント空調システム」や、パイプなどで冷水を供給しサーバーなど発熱機器を効果的に排熱処理する「液冷空調システム」などが導入され、脱炭素社会の実現に向け、実験データをとる。

建物は、室内環境を維持し、大幅な省エネルギーと再生可能エネルギーで年間のエネルギー収支を実質ゼロとするZEB(=ゼブ=、ネット・ゼロ・エネルギー・ビルディング)を達成し、建築物の省エネルギー性能表示制度BELS(ベルス)の最高評価を取得している。さらに国際的な環境認証の取得に向け申請中という。

社員が休憩するリフレッシュスペースのバルコニーに設置された足湯施設。筑波山を眺めながらくつろぐことができる

平泉所長によると現在、筑波大学と協力して人工光の植物工場におけるゲノム編集作物の生産システム開発を行っており、同研究所でも研究開発に取り組む。市内のほかの研究機関との連携も今後、考えていきたいとする。敷地面積が広いので、今後増設の計画があるが時期は未定という。

25日催された竣工式で同社の高須康有社長は「習志野の研究所建設から43年、創立100周年という記念すべき年に新たに研究所が出来たことは万感胸に迫る。狭隘(きょうあい)な事務スペースや老朽化した建物、実験設備、耐震性の課題を解消する目的で計画した。卓越した美しさと機能性を兼ね備えた意匠設計、環境への細かな配慮や工夫の結果、高い環境性評価基準を満たし、認証を取得した。建物の設計・監理を行った日建設計のお陰。この素晴らしい建物にふさわしい企業になれるよう社業に邁進したい」とあいさつした。式典には県立地推進東京統括本部の島田敏次統括本部長らが出席した。

あいさつする高須康有社長

同社は1925年、紡績会社の温湿度調整や除塵装置の施工会社として大阪市で創業。1950年代には高度経済成長による建設ブ-ムの中、産業施設や一般ビルの空調設備工事に取り組み、業容を拡大しながら、省エネ空調システム開発にも取り組んだ。1967年には東京に本社を移転。1983年に千葉県習志野市に技術研究所を建設した。(榎田智司)

41年ぶり 膵腎同時移植を実施 筑波大附属病院

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膵腎同時移植について記者会見する筑波大附属病院の手術部長で消化器・移植外科の小田竜也教授(中央)。左は執刀医の高橋一広講師、、右は篠崎まゆみ看護部長

筑波大学附属病院(つくば市天久保、平松祐司病院長)は24日、膵腎(すいじん)同時移植を同大で41年ぶりに実施したと発表した。頭部に外傷を負い脳死と判定された島根県の20代男性から提供された膵臓(すいぞう)と腎臓を、20日から21日未明に茨城県内の30代男性患者に移植した。現在、患者の症状は安定しているという。

同大は1984年9月、当時の岩崎洋治初代消化器外科教授(故人)らが国内初の脳死による膵腎同時移植を実施した。しかし当時、脳死判定の基準や臓器提供の法整備が未整備だったなどから社会的議論となり、市民グループらが筑波大を殺人罪などで告発し、98年に不起訴処分になった。

1997年に臓器移植法が制定され、日本臓器移植ネットワークが整備される一方、現在、国内では移植医が不足し、関東では移植医療を行う医療機関が減っているという。同附属病院は2019年から膵腎同時移植の再開に向けた準備を進め、6年の準備期間を経て実施に至った。

記者会見する移植チームの医師と看護師ら

膵腎同時移植は、自己免疫の異常などによって自分の膵臓からインシュリンがほとんど出ない1型糖尿病で、末期の腎不全により人工透析を受けている患者を対象に行われる。同時移植により、移植した膵臓からインシュリンが出るようになるほか、人工透析を受けなくて済むようになる。現在、全国で年間約150件の同時移植が行われ、治療法として定着している。

24日記者会見した同附属病院副病院長で消化器・移植外科の小田竜也教授によると、19日、筑波大の外科医など3人が島根大学に向かい、20日午前8時にドナーから膵臓と腎臓を摘出、同日午後3時過ぎに筑波大に戻り、9時間12分の移植手術を実施した。14人の外科医によるチームを編成し、麻酔医や看護師を含め20人以上が対応にあたった。同時移植を受けた男性はこれまで3年間、同附属病院に週3回通い、透析を受けていたという。

小田教授は「アカデミアの使命としてやらなくてはいけないと2019年から準備を始めたが、膵腎同時移植をやるには人的資源とチームワークと組織の体力が必要で、ハードルの高さは予想以上だった」と話し「脳死が法律で整備されていなかった41年前と比べて、あまりにも時代が変わってしまって、働き方改革など医療者の価値観も変わった。移植外科医がひじょうに少ない中、夜も土日も手術に当たらなくてはならないなど長時間の連続業務が必要となる移植医療はこのままでは維持が難しい。診療報酬も決定的に安すぎる。一握りの医療者のボランティア精神に甘えるのではなく、日本全体として、制度として成熟していかないと続いていかない」などと話した。(鈴木宏子)

沖縄の音色響く つくばで4教室合同発表会

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本番に向け練習に励む「三線サークルつくば音」=竹園交流センター

10月5日 カピオ

沖縄の民族楽器、三線(さんしん)の合同発表会「沖縄のうたと踊り」が10月5日、つくば市竹園のカピオホールで開催される。千葉県流山市在住の三線教師、福山研二さん(75)が指導するつくば、牛久、つくばみらい、流山、埼玉県三郷市、東京都墨田区の6教室のうち今回は4教室の合同発表会となる。合同発表会は4回目、つくばでは初めての開催になる。

つくば市の三線教室「三線サークルつくば音」(山田裕久代表)が主催する。琉球舞踊グループ「いばらき琉舞サークル」も加わり、沖縄の伝統芸能エイサーが初めて披露される。

2024年に三郷市文化会館で催された合同発表会の様子(「三線サークルつくば音」会員の高木幹生さん提供)

つくば音は2020年、土浦市内の民間カルチャースクールで三線を学んだメンバーが中心となって、23年秋に設立した。福山研二さんを指導者として迎え、月に2回、市内の竹園交流センターで歌を歌いながら三線を鳴らすなど熱心に練習を重ねる。現在の会員は11人、平均年齢65歳。「民謡もポップスも演奏するが、ポップスの場合、歌の旋律をそのまま三線で鳴らせていく。伴奏としての役割も果たす」という。

サークルでは三線を普及させたいという思いから、安価な素材の空き缶と棒を組み合わせたカンカラ三線を使って練習を始め、慣れてから本格的な三線を購入してもらっている。三線は1万程度のものもあるが、会員は大体3~6万円ぐらいのものを使っているという。

福山研二さんは50代で三線を始め、沖縄に渡り、八重山民謡の第一人者 大工哲弘さん(2019年8月30日付)に師事し、琉球民謡音楽協会の新人賞、優秀賞、最高賞などを受賞した。合同発表会について「当日はお子様連れや途中入退場もOKなので気軽に来てほしい。三線に興味があれば習いにきてほしい」と話す。

指導者の福山研二さん

合同発表会では総勢28人が舞台に上がり沖縄民謡や歌謡曲を歌と三線で演奏する。4教室のメンバーが全員で演奏したり、「いばらき琉舞サークル」による踊りや子供たちによるエイサーが加わったりする。演奏曲目は「安里ゆんた」「かじゃで風節」「安波節」など18曲。特別にフラダンスグループも参加し「月の夜は」を披露する。

三線は戦国時代に琉球王国を経由して日本本土に伝わった三味線の起源の一つで、音を出す胴の部分にニシキヘビの皮を張り、胴の尻から棹(さお)の先に3本の弦が張られている。(榎田智司)

◆合同発表会「沖縄のうたと踊り」は10月5日(日)午後2時から、つくば市竹園1-10-1 つくばカピオで開催。開場は午後1時30分。入場無料。問い合わせはメール(fuku-ken@nifty.com)へ。

ドッペルゲンガーの夏《短いおはなし》43

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イラストは筆者

【ノベル・伊東葎花】

ママのおなかの中にいるとき、私は双子だった。
ふたりで、いろんな話をした。

「どっちが先に出る?」「名前は何がいいかしら」

だけど、生まれたとき、私はひとりだった。
双子のあの子は、どこかで消えてしまった。
そもそも双子だったという事実がなかった。
きっとただの妄想だ。その夏まで、私はそんなふうに思っていた。

それは、16歳の夏だった。
不思議なことは、突然起こった。
ある日、学校から帰ると、ママが怪訝(けげん)な顔をした。

「ただいま」

「あら、千夏、さっき帰ってきたじゃないの」

「え? 私、今帰ってきたんだよ」

「おかしいわね。さっき『ただいま』って2階に上がったじゃないの」

ママの勘違いだと思った。
だって、2階には誰もいなかった。

不思議なことは続いた。

「千夏、きのう本屋にいたよね」

「え? 行ってないよ」

「うそ。ぜったい千夏だったよ。かばんも靴も同じだった」

駅のホームでも

「千夏? さっき、ひとつ前の電車に乗ったのに、どうしているの?」

「え? 乗ってないよ」

「うそ。あたし確かに見たよ」

そんなことが続いた。
ドッペルゲンガーだと誰かが言った。そっくりな、もうひとりの私だと。
だけど私は思った。それは、双子の姉妹ではないか。
ママのおなかの中で消えてしまったあの子ではないかと。
きっと、違う世界で生きている。違う世界で、パパとママに育てられている。
あの子がひょっこり現れたんだ。そして私たちは、いつか出会える。

改札を抜けると、雨だった。
傘を持っていなかったので、私はママに迎えを頼んだ。
雨の音が、懐かしい記憶を呼び起こす鼓動のように聞こえた。
ふと改札に目を向けると、ちょうどひとりの少女が出てきたところだ。

心臓が止まりそうになった。
私と同じ顔、同じ髪型、同じ制服。歩き方までそっくりだ。
もうひとりの私だ。双子のあの子だ。
やっと出会えた。

双子のあの子は、手を振りながら近づいてきた。
私も手を振った。ずっと会いたかったよ。

しかしあの子は、私のとなりをスッと通り過ぎた。
彼女の笑顔は、階段の下で手を振るママに向けられていた。

「千夏、濡れるから早く乗りなさい」

ママが開けた助手席に、当たり前のように乗り込んだ。
私は慌てて階段を降りた。

「まって! 千夏は私よ。その子は違うわ」

私の声は届かない。ママの車は走り去った。
雨に打たれて立ちすくむ私を、誰も見ていない。
タクシーを待つ人も、バスへと走る人も、誰も私に気づかない。
私は、いったい誰だろう…。

「ママが迎えに来てくれてよかった。まさか雨が降るなんて」

「何言ってるの。千夏が電話してきたんでしょう。迎えに来てって」

「え? 私、電話してないよ」

「そう? なんだか最近、不思議なことが多いわね」

「ドッペルゲンガーかな」

ママのおなかの中にいるとき、あたしは双子だった。
ふたりでいろんな話をしたの。

『ねえ、どっちが先に生まれる?』

『私が先よ』

『じゃあ、16歳になったら交代ね』

(作家)

最先端の知見生かすスポーツ教育と研究の舞台に 筑波大に室内練習施設完成

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新施設内で、筑波大・永田学長(右)による始球式が行われた。打席に同大・川村教授(中央)、主審に関彰商事・関社長(左)が立った。捕手は筑波大硬式野球部4年の西川鷹晴選手

関彰商事と連携

筑波大学(つくば市天王台、永田恭介学長)と関彰商事(本社筑西市・つくば市、関正樹社長)が連携して同大敷地内に建設した野球・ソフトボール室内練習施設「Invictus athlete Performance Center(インヴィクタス・アスリート・パフォーマンス・センター)」(通称IPC)が完成した。22日、竣工式が催され、施設内が関係者に披露された。

敷地面積約3200平方メートル、施設は鉄骨造平屋建て、延べ床面積約1700平方メートルで、内部はトレーニングエリア、打撃エリア、ブルペン、ウェイトトレーニングエリアなどがあり、打撃レーン3カ所、ブルペン2カ所、フリーのトレーニングエリアなどに分かれる。

動作解析のデンストレーションで投球を披露した、筑波大公式野球部3年の松田優樹選手

施設には、室内に設置した複数のカメラで撮影した映像をもとに人物の動きを解析する「マーカーレスモーションキャプチャ」や、投球や打球を測定・分析する「トラックマン」「ラプソード」などの最新機器を導入し、選手個々の特性に応じた目標達成に向けた、包括的なサポートを行っていく。平日昼間は大学の授業や硬式野球部、ソフトボール部が利用し、平日夜間と休日は、一般向けにスクール開催、コーチング、運動分析プログラムの提供などを行う。

「選手に寄り添い、共に考える」

施設運営で中心的な役割を担う、野球の動作分析の第一人者で、科学的な知見をもとにした指導法を研究する筑波大の川村卓体育系教授は「(専用機器を用いて)動作を計測できる場所は全国にたくさんあるが、IPCの特色は、計測した知見をどう活かすか、選手本人とともに考えた上で、パッケージとして提供できること。これまでに多くのプロ野球選手の計測を行ってきた経験から、プロ選手との比較もできる」とし、「苦しむ選手をただ分析しても良くならない。選手に寄り添い、共に考えることで内発的な意識を引き出す必要がある。この施設はそのための施設であるとともに、現在の日本におけるスポーツ研究で不足している、1人の選手と長い期間関わる『追跡』の研究拠点にもしていきたい」と、最先端のスポーツ教育と研究を同時に進める舞台として活用していくと思いを語った。

動作解析について説明する筑波大の川村卓教授

初のBTO方式

同施設は、民間事業者が公的施設の建設を担い、完成後は所有権を公的機関に譲渡し、施設の管理・運営は民間事業者が担う「BTO方式」で建てられた。建設費は関彰商事が負担し、完成後は施設を筑波大が所有する。施設の管理運営は、2041年3月までの15年間、関彰商事グループ企業のnvictus Sports(インヴィクタス・スポーツ)」(関正樹社長)が担い、一般向けのスクールや個別指導、イベント開催などを通じて得た事業収入をもとに、整備費用などを回収するとしている。

式典であいさつに立った永田恭介学長は「BTO方式という、大学と企業による新しい方式でつくった施設。研究、芸術、スポーツ、ビジネスなどあらゆる分野が世界と争うのが当たり前になる中で、インヴィクタス・アスリート・パフォーマンス・センターは、選手が上のレベルを目指す際に障壁にぶつかってもへこたれない、不屈のモニュメントになれるよう期待している。地元の方々と手を取り合いながら、新しいつくばの街の形を示していきたい」と話した。関正樹社長は「世界を目指すアスリートの役に立ちたいという思いで、施設をつくった。地元企業として地域に貢献していきたい」と語った。(柴田大輔)

竣工式後に関係者による記念撮影が行われた

直通電話が不通に つくば市消防総務課で18日

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つくば市役所

原因は誤操作

つくば市は22日、消防本部消防総務課の直通電話(外線電話)が18日午前10時48分から午後4時13分まで5時間25分の間、閉庁の音声ガイダンスが流れ、通話できない状態だったと発表した。

18日午後は市内で突風が発生し多数の被害が出たが、119番通報は平常通り通話できる状態で、消防本部の代表電話や市役所からの内線電話もつながる状態だったことから、救急や消火活動への影響はなかった。一方、翌19日午前11時30分ごろ、来庁した人から「消防総務課に電話を架けたが、閉庁の音声ガイダンスが流れ電話がつながらなかった」などの指摘があった。

消防総務課の直通電話は本来、平日の午前8時30分から午後5時15分までつながる状態で、午後5時15分から翌朝8時30分まで閉庁のガイダンスが流れ通話できなくなる。同課によると、保守点検業者が調査したところ、同課に11台ある電話機のうち1台で、手動の「時間外(閉庁)切り替え」ボタンが押された記録があった。職員による誤操作が原因と見られるという。1台の切り替えボタンを押すと11台全部が切り替わる仕組みになっている。

同日午後4時13分、消防職員が切り替わった状態を知らせる電話機の赤いランプに気付き、解除した。

再発防止策として同課は、今後、手動による電話機のボタン切り替え操作を無効にし、誤操作を防ぐとしている。手動のボタンを無効にしても、午後5時15分から翌朝8時30分の間は自動的に「時間外」に切り替わり、閉庁の音声ガイダンスが流れるという。

つくばFC敗れる ホーム最終戦

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前半32分フリーキックからシュートを放つ、つくばFC堀下勇輝

関東サッカーリーグ1部のジョイフル本田つくばFCは21日、つくば市山木のセキショウ・スタジアムで、リーグ戦4位のVONDS(ボンズ)市原FC(本拠地・千葉県市原市)と対戦、ホーム最終戦となったが0-1で敗れ、勝利を収めることは出来なかった。 

第59回関東サッカーリーグ1部第17節(9月21日、セキショウ・チャレンジスタジアム)
ジョイフル本田つくばFC 0ー1 VONDS市原
          前半0ー0
          後半0ー1

前半34分 ヘディングでパスを出すつくばFC吉田悠飛(青のユニフォーム)

つくばFCはここまで2勝3分11敗、勝点9と低迷し、すでに最下位が確定している状況。亘崇詞監督は「多くのサポーターの前で勝つところを見せたい」と試合に臨んだ。

開始直後から果敢に攻めるVONDS市原に対し、つくばFCは堅守で耐える時間帯が続いたが、前半33分、中央からフリーキックのチャンスをつかむ。昨年までVONDS市原に在籍しここまでチーム最多の7得点を挙げている堀下勇輝が自ら志願して蹴ったシュートがゴール枠をとらえるも、相手GKに阻まれた。堀下は「個人的な思いが強く点が取りたかった」と悔しがった。

前半相手と競り合うつくばFC堀下勇輝

その後もつくばFCは相手シュートをGK渋井悠和が好セーブでしのいだ。「両サイドの吉田悠人と恩塚耿之介がしっかり守り、粘り強く耐え抜いた」と亘監督。前半終了間際に吉田悠人がシュートを放つも得点を奪えず、前半はスコアレスで折り返した。

前半32分攻め上がる吉田悠飛

後半も攻め込まれる時間帯が続いたが、大山晟那(せな)と桝田凌我が入ると徐々に流れをつかむ。

後半11分ドリブル突破する恩塚幸之介

しかし後半、相手にPKを与えると、途中交代出場したVONDS市原の大友千裕に右足でシュートを決められ、先制を許す。その後はつくばFCも反撃に出るがゴールネットを揺らすことが出来なかった。

後半アディショナルタイム攻め上がるつくばFC押久保弘人

ホーム最終戦にはスタジアムに609人のサポーターが駆けつけた。

試合後サポーターにあいさつするつくばFCの選手たち

亘監督は試合後、サポーターを前に「最終戦は笑顔で終わりたいと準備してきたが勝てる姿を見せることが出来なかった。いつも温かい声援を送ってくれているのに恩返しが出来なかったのは監督として力不足を感じている。選手を上手く使い切れず勝てなかったのは自分の責任。今日の試合はスタートから守備の時間帯が長くタフな試合だったが、前半は0ー0でしのいだ。後半、波に乗りかけた時にPKで点を取られてしまったが、選手は最後まで全力で戦ってくれた。最終節はいつも応援してくれているサポーターのためにも必死で戦い、勝ちで締めくくれるように全力で戦う」と誓った。

試合後サポーターにあいさつする亘監督

菅谷将人キャプテンは「サポーターに結果で恩返ししたかった。今後はどうしていくべきかクラブとして向き合っていく。未来ある選手がそろっているので最終節は勝って終わりたい」と力を込めた。

試合後サポーターに挨拶する菅谷将人キャプテン

次の最終節は28日、アウェーのスポーツ日大アスレティックパーク稲城サッカーフィールドで日本大学Nと対戦する。(高橋浩一)

ホーム最終戦となった試合後、サポーターとハイタッチをするつくばFCの選手たち

人口増加市つくばのペット行政責任《水戸っぽの眼》5

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朝の洞峰公園。ランナーだけでなく、犬の散歩をされている方もとても多く見かけた

【コラム・沼田誠】2025年1月1日現在の「住民基本台帳に基づく人口、人口動態及び世帯数調査」において、つくば市の人口増加率は特別区を除く市で全国1位になった。私が5月に本欄(5月7日付)で書いたより早く、その時が訪れそうだ。茨城県内一の人口ということになれば、地方自治体としての責任や行政サービスの質も、県を代表するものでなければならないだろう。そのことを考える例として、今回はペット行政を取り上げてみたい。

つくば市と水戸市の違い

ペット行政は、迷子や負傷動物の保護、譲渡、TNR(捕獲・不妊去勢・元の場所に戻す)支援、啓発活動など、市民生活に直結し、行政の姿勢が可視化されやすい分野だ。また、茨城県は犬の人口あたりの飼育率が全国6位(2023年、厚労省資料より算出)など、比較的ペットを飼っている方が多い地域というイメージもある。

つくば市のペット行政を見てみると、不妊去勢やマイクロチップ装着への補助制度を県内でいち早く導入する(つくば市ホームページ)など前向きな施策もある。しかし、犬猫の収容や譲渡といった中核的な機能は県動物指導センター(笠間市)に依存しており、つくば市独自の愛護センターは存在していない。迷子や譲渡情報も県のサイトに誘導され、市民団体による譲渡会などを市が支援するにとどまっている。

一方、水戸市は2020年4月に中核市に移行し、県から野良犬捕獲や収容、返還・譲渡、愛護啓発などの事務を移管された。その拠点が水戸市動物愛護センター「あにまるっとみと」である。ここでは収容動物の情報公開、譲渡会やしつけ教室の開催、TNR支援や不妊去勢手術への助成、学校や親子向けの啓発事業などが、市の裁量で一元的に展開されている(水戸市ホームページ)。

こうした違いは、市の区分に基づく権限の差から生じている。つくば市は「施行時特例市」という位置づけで、県から一部の仕事を先行して移されてはいるが、保健所を設置する権限はなく、動物愛護の主要事務も県が担っている。これに対し、水戸市のような「中核市」は、保健所を自前で設置し、動物愛護センターを運営することで、犬猫の収容・譲渡、TNR支援、啓発活動までを市が一体的に行える。

つまり、つくば市はペット行政については県に依存し、市独自にできることが限られるのに対し、水戸市は市役所内で施策を完結させ、市民に近い場所で柔軟に対応できるという違いがある。

中核市並みの視点が必要

現場のボランティアや愛護団体からは、TNRの多くが今も個人の持ち出しで行われており、例えば、猫の保護を行っている方からは、「まず増やさない」ための公的支援をもっと充実してほしい、との話も聞く。こうした市民の努力にもっと寄り添うことで、命を大切にする姿勢を明確に市民に示してもよいだろう。例えば「動物愛護推進協議会(仮称)」のような場を設け、獣医師や市民団体と共に現状と課題を共有することから始めてみてはどうだろうか。

もちろん、施行時特例市から中核市への移行は、人材や財政の負担も伴い(水戸市の場合は、コロナ禍の最中での保健所の新規立ち上げだったので、大変な苦労があった)、権限移譲によって課題がすぐに解決するわけではない。それでも人口が増えるということは、市民のニーズが多様化し、行政の責任も重くなるということでもある。

少なくとも、中核市並みの自立的な視点で施策を考え、行政サービスの質を高めていくことが、つくば市には必要だろう。(元水戸市みとの魅力発信課長)

<参考資料> 水戸市とつくば市の権限比較(クリックすると読めます)

打ち上げ発数が最も多い花火大会は?《見上げてごらん!》44

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LuckyFM茨城放送「第38回利根川大花火実況中継 in境町」 実況中継の様子。左から、アナウンサー今章子さん、パーソナリティ上恭之介さん、筆者(茨城放送提供)

【コラム・小泉裕司】「日本最大級の3万発」をうたう第38回利根川大花火大会(茨城県境町)の実況中継直前、スタッフからの無茶ぶり質問。「国内で打ち上げ発数が最も多い大会はどこですか?」。「諏訪湖の4万発」と即答後、隠れてスマホで確認した。実は昨夏、諏訪湖を訪れ、その迫力を体感していた。

花火大会のランキングについては、各種の情報サイトが「人気」「打ち上げ発数」「人出」などに分けて公表している。このうち「人気」は水物なので、今回は「打ち上げ発数」と「人出」に着目、少し解説したい。

打上発数ランキング

まず「打ち上げ発数」について、国内最大の花火大会はどこか、AIに聞いてみた。「最も打ち上げ発数が多い花火大会は、長野県諏訪市で開催される『諏訪湖祭湖上花火大会』です。例年、約4万発もの花火が打ち上げられます。次に多いのは、利根川大花火大会(茨城県境町)約3万発を打ち上げ、4人の花火師が競演するのが特徴です」との答え。

この回答には、諏訪湖は2023年から打ち上げ発数を公表していないことでランキング外となったことや、今月6日(土)に開催された「室蘭満天花火」(室蘭市)が3.5万発だったことが反映されていない。ランキングは室蘭が初登場でトップになった。

したがって「利根川大花火」の全国第2位は変わらず。大会当日に体感した物量感を含めて、「日本最大級」の触れ込みに誇張はないようだ。

打ち上げ発数が、大会の規模を理解するための指標となることは間違いないようだが、煙火消費の許可申請書の数値がベースとなるだろう。過去には、「PL花火」(大阪府富田林市)が、1本の筒から広がる小さな星までカウントしていたことから、「10~12万発」という耳を疑う数字を発表したこともある。

人出ランキング

「人出」についても、AIに聞いた。100万人を超える大会は、天神祭奉納花火(大阪府)の約130万人、関門海峡花火大会(福岡県・山口県)の約105万人、神宮外苑花火大会(東京都)の約100万人、隅田川花火大会(東京都)の約91万人―など。土浦の花火も約60万人でランキング入り。

これらの数値は、当然、有料客席外も含めていることは明白だが、どこまでのエリアの数値なのか、各大会の客観的基準はない。土浦の場合、混雑状況を勘案して、前回マスコミに発表した数字を基準に増減してきた経緯があると聞く。「昨年は50万人で今年は混雑度が増しているので60万にしよう」といった具合に。

乱暴に聞こえるかも知れないが、過去の新聞記事は見出しに数値が入る時代もあった。ところが、8月30日の全国花火競技大会(大仙市大曲)の場合、過去に人出は60万人としたこともあるが、朝日新聞秋田県版は今回、会場に限定しての来場者数を10万人にした。

最近はこうしたケースが増えつつあるようだ。当然だが、人出は都市部の大会ほど多くなっており、必ずしも花火大会の規模や品質と結びついていない。

AIの末尾に「日本三大花火大会(長岡、大曲、土浦)は、歴史や規模、技術的な水準で評価されることが多く、必ずしも来場者数のみで順位付けされるわけではありません」とあった。これは然り。本日は、これにて打ち留めー。(花火鑑賞士、元土浦市副市長)

「シンガポールに飛び橋渡し」大井川知事 インターナショナルスクール開校式典

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テープカットをする関係者。左から3人目がアトゥル・テムルニカール会長、同4人目が大井川知事、同5人目が五十嵐つくば市長

19日 つくば

筑波山麓の旧筑波小学校に8月25日開講したインターナショナルスクール「ワン・ワールド・インターナショナルスクールつくばキャンパス」(つくば市国松)の開校記念式典が19日、大井川和彦知事、五十嵐立青つくば市長らを招いて催された(7月21日付)。

アトゥル・テムルニカール会長

運営グループの本拠地「グローバル・スクールス・ファウンデーション」の創設者、アトゥル・テムルニカール会長がシンガポールから駆け付け「このスクールは国内における新たな国際学校で、茨城における初のキャンパス。日本とシンガポールは技術大国であり、人工知能やデータ分析といった新時代の技術を取り入れ未来に向かって前進している。このスクールは質の高い国際教育を理念として、グローバルな視野と異文化理解を育むなど、日本人家庭にも魅力的な選択肢になる」などとあいさつした。

あいさつする大井川知事

大井川知事は「ここは英語でスピーチするのか」とスタッフに聞いた後、日本語で「数年前、東京・江東区でのインターナショナルスクール教育をテレビで見たことがきっかけとなって、シンガポールまで飛び、今回の橋渡しをした。予想以上に早く開校できて良かった。つくばは研究学園都市という科学に秀でた街なのでマッチしていると思う。今、つくば市と高校増設問題で軋轢(あつれき)が生じているが、これがきっかけで緩和してくれれば良い」と話した。

五十嵐市長は「知事の尽力に感謝し、スクールに対しても、市立秀峰筑波義務教育学校スクールバスの校庭でのターン(の際の利用)や地区のコミュニケーションへの協力などに感謝したい。社会では分断が問題になっているが、共通のメッセージをもって対話を繰り返し解決していく必要がある」と述べた。

式典ではあいさつの後、学校紹介、児童による合唱、箏演奏、テープカットなどが催された。

同スクールは、小中学校の統廃合により2018年に廃校になった旧筑波小学校(約8800平方メートル) に開校した。初年度の25年度は、つくば市在住者を中心に2歳半の幼児から小学5年生まで35~40人が通学している。教職員は15人でスタートし、生徒数の増加に応じて増員する。教員は全員外国籍で、国際的な教育プログラムに豊富な経験を有する。

今後、児童生徒の受け入れを拡大しながら、高校生まで400人規模の学校にしたい意向だ。開校から1カ月近くたち、職員は「順調に推移し、地元とも折り合いがよく、児童たちも楽しく学んでいる」と話している。校舎屋上には気象観測機器が設置されている。2022年に契約を結び、気象研究所が男体山頂上の観測所と連携した観測を行っているという。(榎田智司)

ソーダ水と少年《鳥撮り三昧》5

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絵画展のチラシ

【コラム・海老原信一】野鳥を観察し、野鳥に助けられながら撮影・展示する活動を続ける中、絵画を愉しむことも増え、身近に鑑賞の機会があれば出かけるようになりました。地元で活躍されている画家さんと知り合え、世界が少し広がった喜びを感じています。

8月中旬、茨城県天心記念五浦美術館の企画展チラシを手にする機会がありました。そこに載っている写真を見たとき、私の心は60数年前に瞬間移動しました。校外行事に参加した後、先生や級友と入った食堂兼喫茶室での休息時間です。

本来なら子供だけでは入れないような場所なのに、引率の先生の配慮でしょう。家を出るとき、事前にそのことを教えられていたからと思うのですが、確か、親が200円を用意してくれました。その範囲での飲食となると、200円では飲み物一つが限度。

悩んだ末に注文したのがソーダ水。泡が緑色の液体の中を登ってくる様子にワクワクしながら見入っていた時間。同時に、それしか頼めなかった懐具合の悲しい思い。親にとっては200円が簡単でないことも知り、子供心に切なさのようなものも感じました。

この少年は私だ

チラシの絵の写真に視線を戻したとき、描かれている少年が見ている先はトレーを抱えた女性ではなく、トレーの上で宝石のように輝く、緑色の冷たそうな液体に注がれています。右手ははやる心を現すように、自分の所にやって来るのをじっと待つかのように。

私の絵画理解はかなり怪しいのは自認していますが、この絵は観てみたいと思いました。実際に観賞して、「やはりそうだったか。この少年は私だ。そして描いた人そのものなのだ」と感じました。

描いた人は小田野尚之さん(1960年生まれ)。題名は「クリームソーダ」(2004年の作)。私より12歳ほどお若いですが、私の勝手な解釈で楽しませてもらいました。(写真家)

迷惑行為がSNSで炎上 今野大成選手の契約を解除 つくばサンガイア

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事務所

バレーボールVリーグ男子の「つくばユナイテッドサンガイア」を運営するサンガイア(つくば市竹園、都澤みどり社長)は19日、社会的常識を著しく逸脱した不適切な行為があったとして、今野大成選手(23)との契約を同日付けで解除したと発表した。

今野大成選手(サンガイアのホームページより引用)

今野選手をめぐっては、泥酔して、つくばエクスプレス(TX)北千住駅で、階段の上から唾を吐く動画がSNSで拡散し、炎上していた。

今野選手は島根県出身、青山学院大学から2024年11月につくばサンガイアに入団した。

サンガイアは同日の発表で「SNS等で拡散されている迷惑行為(不適切な行為)について事実関係を確認し、慎重に協議を重ねた結果、同選手との契約を解除しました」とし、「スポンサーを始め、ファンの皆様、関係者の皆様に多大なご迷惑をお掛けし、社会的信頼を損なうものであると重く受け止めています。今後は再発防止に向けた教育体制の強化及び選手の行動規範の徹底を図り、信頼回復に努めます。このたびは多大なるご迷惑とご心配をお掛けしましたことを深くお詫びします」などとするコメントを発表した。

水戸気象台が現地調査 つくばの突風被害現場

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倒壊したプレハブ2階建ての事務所兼倉庫の被害状況を調査する水戸地方気象台機動調査班=19日午前11時30分過ぎ、つくば市花室

つくば市内で18日突風が発生し、建物の倒壊や解体現場の足場の崩落など市内各地で多数の被害が発生したのを受けて(18日付)、水戸地方気象台機動調査班の職員4人が19日、つくば市内の被害箇所を現地調査した。

午前中は、プレハブ2階建て事務所兼倉庫が倒壊した同市花室の農業資材販売会社と近隣を調査し、被害状況や倒壊した建物の構造、建物が傾いた向き、飛散物などを調べ写真を撮るなどしていた。さらに関係者に当時の様子を聞き取るなどした。

被害を受けた農業資材販売会社の小田切章社長(59)は「当時、皆、営業で出ていて、事務所にだれもいなかったのでけが人が出なかった。事務員の妻が普段は2階の事務所にいるが昨日はいなかったので無事だった。妻は倒れた側の壁を背にして普段仕事をしているので、事務所にいたら部屋の中のものが覆いかぶさってきて大変なことになっていたと思う」などと話した。

緑色のベストを着用した水戸気象台機動調査班の聞き取り調査を受け、当時の状況などを話す小田切章社長(右端)

隣接の野球室内練習場では建物のシャッターが変形したり、2階の壁の一部が破損するなどした。突風が吹いた時間に室内練習場にいた経営者の沼崎周太郎代表(29)は機動調査班の聞き取りに答え「午後2時40分ごろ、雨が強くなり、いろいろなものがいろいろな方向に飛んでいくのが見えた。風の方法は一定ではなかった。隣の事務所が倒壊する音は、風の音がすごかったので気付かなかった」などと話していた。

水戸気象台は19日、前日の気象状況について、前線の南下に伴って大気の状態が非常に不安定となり、活発な積乱雲が発生。活発な積乱雲が通過したつくば市と境町付近で突風が発生し被害があったと発表した。つくば市の現地調査を実施した同気象台機動調査班の戸崎一弘さんは「突風による被害をもたらしたものが何であったのか、どういう現象が起こったのかを現地調査をして確認したい」などと話した。調査結果はまとまり次第、公表される。

つくば市では7月1日に柴崎付近でダウンバーストまたはガストフロントとみられる秒速約35メートルの突風が発生し、同市天久保の筑波実験植物園で樹木30本以上が倒れたり折れたりする被害が発生したばかり(7月4日付)。

市北部からTX沿線まで被害90件超に

つくば市は19日夕方時点の被害状況(第3報)を発表した。建物の損壊、農業施設の損壊、倒木、火災など、被害は94件に及んだことが分かった。

つくば市がまとめた19日午後6時時点の被害状況(第3報)は以下の通り(19日午後9時40分追加)
【家屋・建物の被害】
▽2階建て事務所兼倉庫の1階部分の倒壊:1件(花室)
▽店舗の看板の破損:1件(上ノ室)
▽民間スポーツ施設のシャッター破損:1件(花室)
▽家屋の屋根瓦の破損・はがれ、外壁の破損:11件(上ノ室)
▽家屋の屋根瓦の破損・剥がれ、外壁の破損:4件(花室)
▽家屋の屋根瓦の破損・剥がれ:3件(上広岡)
▽家屋の屋根瓦の破損・剥がれ:1件(花園)
▽飛来物、倒木による被害:5件(上ノ室)
▽飛来物による被害:2件(大角豆)
▽カーポートの被害:2棟(上ノ室)
▽消防団詰め所の外壁の破損:1件(上ノ室)
▽プレハブ倉庫転覆:1棟(上ノ室)
▽栗原小学校:連絡通路の引戸が倒れ、窓ガラス破損
【農業関連の被害】
▽園芸施設のハウス・作業所への被害:2棟(上広岡)
▽園芸施設のハウス・作業所への被害:3か所(上ノ室)
▽農作物、農地の被害:6カ所(上ノ室)
【倒木・落枝等】
▽倒木24件(立原、要、春日、筑穂、東光台、上ノ室、大角豆、稲荷前、花園、中根、妻木、花畑近隣公園、タテタシ公園、並木公園、天久保公園、葛城公共緑地、つくばウェルネスパーク内、上広岡、科学万博記念公園内)
▽落枝・枝折れ13件(面野井、花畑、松代、学園の森、下河原崎、並木、東岡、大角豆、洞峰公園通り、つくばメモリアルホール内)
▽落枝による事務所ガラス破損(流星台スケートボードパーク)
▽落枝による通行障害(作谷)
【火災】
▽落雷が原因と思われる火災:1件(栗原)
【その他】
▽共同住宅の足場倒壊:1件(並木2丁目)
▽公務員宿舎跡地の足場倒壊:1件(吾妻2丁目)
▽飛来物、通信線の断線による通行障害等:2カ所(大角豆、上ノ室)
▽電線の断線(上ノ室)
▽NTT通信線の断線(上ノ室)
▽街路樹の支柱の傾き(香取台)
▽土嚢の崩れ(寺具)
▽時計台の故障(二の宮公園)

(鈴木宏子)

つくばで突風 高層の解体現場で足場倒壊 吾妻の旧国家公務員宿舎

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突風で足場と防音防塵パネルが崩落し地面に積み重なった国家公務員宿舎の解体現場=18日午後、つくば市吾妻2丁目(つくば市会社経営男性提供)

つくば市内で18日午後、突風が発生し、つくば駅近くの同市吾妻2丁目、国家公務員宿舎解体現場で足場が倒壊したり、花室地区で2階建て事務所兼倉庫が倒壊した。栗原地区では落雷が原因とみられる火災が発生するなど多数の被害が出た。つくば市によるといずれもけが人などは確認されていない。

このうち吾妻2丁目の国家公務員宿舎解体現場では、12~13階建ての高層住宅の解体工事中、ベランダのある壁面の壁一面に取り付けてあった足場と防音防塵パネルほとんどが崩落し、敷地内の地面に積み重なった。解体現場脇の中央通りの歩道や一部車道にも散乱した。

足場や防音防塵パネルが崩壊する前の旧国家公務員宿舎(15日撮影、つくば市会社経営男性提供)

近くのマンションに住む会社経営の40代男性は「午後2時55分ごろに出掛ける用事があったが、北側から急に風が吹いてきて強風と豪雨で出掛けるのを少し延ばしていた。雨が弱まった午後3時25分ごろ出掛けようとしたら、公務員宿舎の解体現場の足場が倒壊しているのが見えた。風の音がすごくて、倒壊した音は聞こえなかった。ちょうど解体現場の脇を通って北に向かう予定だったのでそのまま出たら巻き込まれるところだった」と話し、「足場が歩道や車道まで散乱していたので、けが人が出なかったというのは本当に奇跡だと思う」と話した。

吾妻2丁目の国家公務員宿舎では今年5月末から来年4月末までの期間で解体工事が実施され、低層住宅の解体が終わり、現在は高層住宅の解体が行われていた。18日午後5時前、白い塀で囲まれた解体現場敷地内には崩落した足場やパネルなどが高く積み重なっていて、樹木を押し倒していた。敷地内では作業員が重機を使って片づけたり、中央通りの歩道では、散乱した樹木を回収し掃除する作業員らの姿が見られた。

当時つくば市では竜巻注意報が出ていた。(鈴木宏子)

中央通りの歩道や車道の一部にも散乱した足場やパネル(つくば市会社経営男性提供)

18日午後8時時点で同市がまとめた市内各地の突風被害は以下の通り(18日午後10時6分差し替え)。
【家屋・建物の被害】
▽2階建て事務所兼倉庫の1階部分の倒壊:1件(花室地区)
▽民間スポーツ施設のシャッター破損:1件(花室)
▽家屋の屋根瓦の破損・はがれ:12件(上ノ室)
▽消防団詰め所の外壁の破損:1件(上ノ室)
▽飛来物による車庫の一部破損:1件(上ノ室)
▽カーポートの被害:2棟(上ノ室)
▽プレハブ倉庫転覆:1棟(上ノ室)
▽園芸施設のハウス・作業所への被害(上広岡)
▽栗原小学校:連絡通路の引き戸が倒れ、窓ガラス破損
【倒木・落枝等】
▽倒木20件(立原、要、春日、筑穂、東光台、上ノ室、大角豆、稲荷前、花園、中根、花室近隣公園、タテタシ公園、並木公園、天久保公園、葛城公共緑地、つくばウェルネスパーク内)
▽落枝・枝折れ13件(面野井、花畑、松代、学園の森、下河原崎、並木、東岡、大角豆、洞峰公園通り、つくばメモリアルホール内)
▽落枝による事務所ガラス破損(流星台スケートボードパーク)
【火災】
▽落雷が原因と思われる火災:1件(栗原)
【その他】
▽共同住宅の足場倒壊:1件(並木2丁目)
▽公務員宿舎跡地の足場倒壊:1件(吾妻2丁目)
▽飛来物による通行障害等:2件(大角豆、上ノ室)
▽電線の断線(上ノ室)
▽NTT通信線の断線(上ノ室)
※家屋・建物の被害、倒木・落枝等については、重複が含まれる可能性がある。

何気ない風景から世界かたどる 高木紀英さん個展「短編写真」

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展示作品の一部(案内はがきより)

土浦ギャラリーで20日から 

土浦写真塾講師を務める同市在住の写真家、高木紀英さん(73)の個展「短編写真」が、20日から土浦駅前の土浦市民ギャラリー(同市大和町)で開催される。

高木紀英さん

市内で撮影した何気ない風景や身近な場所などから世界をかたどったモノクロとカラーの写真計60点が、「童の國」「神々の宿る場所」など12のカテゴリーに分けて各5点ずつ展示される。素材の断片を組み合わせたコラージュ作品もあり、見る人によって独自の解釈が生まれるイメージとして撮った写真という。

例えば「黒いコートの女」という作品には人物が写っているが、それは主役でなく風景の一部となっている。高木さんは「自由に見てもらうという姿勢が必要で説明はあまりしない。いろいろな角度で見てもらうのがよい」と語る。

展示される作品はモノクロが多い。「モノクロ写真の良さは、色がないということで見るイメージが広がる効果があり、よりリアル感がある」と高木さん。作品はすべて自作プリント。カラーで写した写真をプリント時にモノクロに変換することもあるという。カラー写真は15点だけ。「カラーで表現する方が好ましいと判断したものについてはそうしている」。

高木さんは土浦生まれ。1992年から本格的に写真を始めた。94年には茨城県展奨励賞を受賞するなど活躍。2019年に初の個展「神々の会話」、21年には個展「路上感撮」など開催してきた。現在、土浦市展委員、土浦美術協会委員などを務める。

展示作品の一部(同)

写真文化衰退の助けに

今回の個展開催にあたっては、写真文化の衰退にいくらかでも助けにならないかという思いがあった。写真教室やサークルはどんどん高齢化が進み、若い人が入ってこない。若い人はスマホで写真を撮りSNSで楽しんでいる。このままでは写真文化がなくなってしまうという危惧をもったという。「接点はどこにあるか探す必要がある」と言い、写真展などにデジタル部門を作り、パソコンと大型スクリーンをつなげ鑑賞するなども方法の一つと考えているという。

底辺を広げるという意味で、今年6月に土浦市民ギャラリーで開催した「形のない集団の写真展」は、大きさやテーマにこだわりを持たず、誰でも参加できる写真展として企画した。敷居の低い作品展をどんどん企画していきたいと語り、「写真展は気軽な感じで来ていただき、心が閏っていただければありがたい」と来場を呼び掛ける。(榎田智司)

◆高木紀英さん個展「短編写真」は9月20日(土)~28日(日)、土浦市大和町1-1、アルカス土浦(市立図書館)1階、土浦市民ギャラリーで開催。開館時間は午前10時~午後6時。ただし初日は午後1時から、最終日は午後4時まで。月曜など休館。入場無料。問い合わせは電話029-846-2950(同ギャラリー)へ。

◆高木紀秀さんが講師を務める「土浦写真塾」では会員を募集している。活動は、月例会を毎月第3土曜日午後1~5時、二中地区公民館で開催。会費は1回1000円。連絡先は吉田宣好さん(電話090-9014-5567、Eメールn_yoshida2024@yahoo.co.jp)へ。

海外出張 市長はファーストクラス可 つくば市議会委員会が否決

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つくば市議会総務文教委員会の様子=17日、市役所内

旅費条例改正案「市民の理解得られない」

国内や海外出張をする際につくば市長や市職員らに支給される旅費について定めた市職員旅費条例改正案が開会中の同市議会9月会議に提案されている。17日開かれた市議会総務文教委員会(木村清隆委員長)で同条例改正案について審議が行われ、市長が海外出張の際に利用する航空機の運賃について、現在の旅費条例がビジネスクラスまでとなっているにもかかわらず、改正案はファーストクラスまで利用できるようになることに対し委員から「市民の理解が得られない」などの意見が相次ぎ、同改正案は賛成少数で否決された。議会最終日の10月3日、本会議で改めて審議される。

同改正案は、国家公務員旅費法が改正されたのに伴って、同法にもとづき市の旅費条例を全面的に改正する内容。円安の進行などにより宿泊費などの上限も大幅に引き上げられる。

海外出張の際の航空機の運賃について現在の市職員旅費条例は「最上位の直近下位の級の運賃」(27条)と市独自に定め、市長はビジネスクラスまでしか利用できない。一方、来年4月施行予定の条例改正案は、海外出張の場合、市長には「最上級の運賃の額」を支給できるようになり、ファーストクラスを利用できるようになる。

17日の委員会での市人事課の説明によると「国家公務員の旅費法をよりどころに旅費を3段階で設定した。特別職は出張に伴う負担が大きいため長時間の移動時間を活用して体調を維持する必要があるためより高い上限を設定した。茨城県知事や他市・区を参考にした」などとし、「必ずしもファーストクラスに乗らなくてはいけないものではなくて出張に応じて適宜判断する」とした。

これに対し委員から「ビジネスクラスでも十分体調を養うことができる。ビジネスクラスとファーストクラスは値段が違い過ぎる。現在の条例の規定をどうして緩めるのか。五十嵐市長は(ファーストクラスに)乗らないと思うが、だれが市長になっても市民感覚に合わせたものにすべき」(小森谷さやか市議=市民ネット)▽「(3段階の運賃設定のうち)ファーストクラスに乗れるというのは内閣総理大臣と一緒になる。実際に乗らないとしても乗れるように(条文改正)することが理解できない。今、政治に厳しい目が向けられている」(樋口裕大市議=Nextつくば)▽「ビジネスクラスでヨーロッパに行くのに現在100万円くらいかかるがファーストクラスは2倍の200万円かかる。他市町村長は年に1回か2回しか海外に行かないのに、つくば市長は年に何回か行っている。市民の税金で行くのに市民にどう説明できるのか。つくば市には東京都が定めているような海外出張の運用指針もない」(山中真弓市議=共産)▽「ファーストクラスにする必要はない。市民感覚からすればビジネスクラスで十分」(飯岡宏之市議=Nextつくば)など厳しい意見が相次いだ。

採決で賛成したのは塩田尚市議(つくばクラブ)と渡辺峰子市議(公明)2人だけで、同条例改正案は否決となった。議会最終日の10月3日は修正案が出される見通しという。

つくば市長の海外出張をめぐっては、今年2月と6月の市議会定例会議一般質問で山中真弓市議(共産)が取り上げ、五十嵐立青市長は直近3年間で計5回の海外出張を行い2365万円の市税を使ったこと、海外での宿泊費が市職員旅費規則に定められた金額を超過し、市の規定が骨抜きになっていることから、旅費規程の見直しが必要だ、などと指摘した経緯がある。(鈴木宏子)

民有林に防除対策費を補助 ナラ枯れ被害拡大防止へ つくば市

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ナラ枯れで枯れたとみられる筑波山中腹付近の赤茶けた樹木=9月4日撮影

ナラ枯れなどによる森林被害の拡大を防ごうと、つくば市は今年度新たに、市内に森林を所有する民間地権者を対象に、防除対策費用の2分の1を補助する制度を創設した。

筑波山周辺の森林や公園など市有地のナラ枯れ被害に対してこれまで同市は、防除対策に取り組んできた。一方、筑波山周辺など市内の民有地の森林でも被害が出ており民有地で対策を施さないと被害拡大を防ぐことができないことから新たに補助を実施する。

同市鳥獣対策・森林保全室によると、現時点での申請者はゼロで、市が相談を受けている地権者が一人。市はホームページや市報などで広報してきたが、補助制度や防除方法を知らない地権者もいると見られる。

つくば市神郡、筑波山麓付近の枯れた樹木=同

ナラ枯れは、カシノナガキクイムシ(通称カシナガ)という体長5ミリほどの昆虫の被害を受けたコナラやクヌギなどが、昆虫の体に付着した病原菌、ナラ菌の繁殖により水分が枝葉に行き渡らなくなり、紅葉前の7~8月頃に急速に葉の色が赤褐色に変色し枯死する被害。幹が太く樹齢を重ねた樹木が被害を受けやすいとされ、枯死した樹木は早期に対策をとらないと、翌年以降、被害が拡大するとされる。2020年9月に県内で初めて、つくば市内で被害が確認され、以後、拡大し、県林業課によると現在、県内44市町村中36市町村で被害が確認されている。

筑波山系では2022年に朝日トンネル付近で確認されたのが最初。翌23年には筑波山や周辺の森林でナラ枯れが目立つようになる中、つくば市では23年、南麓の同市臼井、市有地の筑波ふれあいの里で、ナラ枯れが確認された32本を伐採し、薬剤によるくん蒸処理を実施した。翌24年には観光拠点の筑波山梅林奥の市有地の林道、四季の道周辺に被害が広がり、市は13本を伐採しいずれもくん蒸処理した。

一方、今年は筑波山の林道沿いの市有地に関しては新たな被害は確認されていないという。昨年、四季の道沿いで、被害を受けやすいとされる幹が太く樹齢を重ねた樹木をあらかじめ伐採などしたことなどが被害の拡大を防いだとみられている。

筑波山の男体山中腹付近に目立つ、葉が枯れて赤茶色になった樹木(左側)

つくば市で補助対象となるのは①幹にあらかじめ殺菌剤を注入し行き渡らせておく殺菌剤を樹幹に注入する方法(補助額は1回当たり上限5万円。カシナガに入り込まれ木くずが出た時点で注入しても効果は期待できない)②成虫が飛来する5月ごろから約半年間、樹木の幹に粘着剤やビニールシートを巻き付けカシナガが入り込むのを防ぐ方法(同5万円、粘着剤にとらえられたカシナガを生きたまま放置すると仲間を呼び寄せることがあるので、粘着剤と殺虫剤を併用する方法もある)③被害を受けた樹木を伐採し薬剤で燻蒸処理または焼却処理する方法(同15万円)。今年度予算は165万円で、市は1件につき平均20万円程度、8~10件の申請を想定している。

市鳥獣対策・森林保全室の石塚正巳室長は「市として、ふれあいの里や四季の道など市の施設で、伐倒しくん蒸処理するなどの対策をしてきたが(被害が)全て無くなったわけではない。個人の土地については広報するのみで、(市が)直接的な対策をしていないので根絶はなかなか難しい」という。

一方土浦市は2024年、ナラ枯れ被害に遭った朝日トンネル付近のコナラ16本を伐採した。費用は、運搬、処分、交通封鎖の人件費を含み計583万だった。同市はナラ枯れに対応できる補助金として小規模森林整備補助金があり事業費の70%を補助できるとしている。

ナラ枯れの被害については、全国で毎年調査が実施されている。県林政課によると23年度に被害が確認された市町村は33市町村、24年度は34市町村、25年度は36市町村と市町村数は徐々に増えている。県全体の被害面積はつくば市内で初めて確認された2020年が200平方メートル、21年も200平方メートルだったが、22年に3000平方メートルと15倍に広がり、23年はさらに前年の2.3倍の6700平方メートルに拡大した。24年度の被害面積は6100平方メートルと前年度の91%だが、同課は、森林の奥の広葉樹まで調査が及んでいないなどから、被害は前年と同程度とみている。(榎田智司)