日曜日, 3月 9, 2025
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ロボッツ 破竹の15連勝! 中地区優勝へ大きく前進

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【茨城ロボッツ-群馬クレインサンダース】3本の連続3点シュートを決め、MVPに選ばれた前田陽介選手=28日、水戸市の青柳公園市民体育館

【池田充雄】水戸市とつくば市をホームタウンとするバスケットボールB2リーグの茨城ロボッツは、2017-18シーズンのホーム最終節として28、29日、水戸市の青柳公園市民体育館で群馬クレインサンダースと対戦し2試合とも勝利。連勝記録を15に伸ばすとともに中地区首位の座を守った。

28日の試合は、対戦後、岩下桂太ヘッドコーチが「第1クォーターを制したときのうちは強い」と評したように、ロボッツは立ち上がりから群馬を圧倒。相手に精度の高いシュートを打たせず、リバウンドやターンオーバーを次々と成功させ、30-11と大差をつける。

第1クォーターの流れを呼んだ眞庭城聖主将の速攻

だが第2クォーターは、その点差をほとんどはき出す結果となった。原因はゴール下に入った相手とのマッチアップ。ここへパスを通されたときに次々とディフェンスファウルを取られてしまう。

リック・リカート選手は中からも外からもシュートを量産
平尾充庸選手は16得点を挙げ、巧みなパスでも攻撃のアクセントに

第3クォーターではその点を相手に合わせてマッチアップを変えて修正。第4クォーターでは前田陽介の3本連続3点シュートなどで大きく引き離し、結果80-63で勝利をつかんだ。

相手のディフェンスをものともしない久保田遼選手のレイアップシュート=同
後半は自らコートに立ち、チームを指揮した岡村憲司スーパーバイジングコーチ

今節を終えてロボッツは36勝21敗。2位のFイーグルス名古屋も同率だが直接対決で勝ち越している。レギュラーシーズンの残りは3試合。「まずは一つ一つ。優勝は後からついてくる」と岩下HCは語る。

残り試合全勝を誓う岩下桂太ヘッドコーチ

子どもの「強み」に着目 関係づくりのコツ学ぶ 12日土浦で講演会

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参加を呼びかける実行委員のメンバー。左からマージィ武藤さん、松野祐香さん、赤松洋子さん

【大志万容子】うまく人間関係を築けない子どもたちがいる中、その子の「強み」に着目し、親や周囲の大人とより良い人間関係をつくるコツを学ぶ講座「『強み』で育てるこどものミカタ」が5月12日、県南生涯学習センター(土浦市大和町、ウララビル5階)で開かれる。市民グループ「シェイク・ハンズ・ドット・オゥグ」と“こどものミカタ”養成講座実行委員会が共催。

ここでいう「強み」は、「能力」ではなく「他者に良い影響を与える行動」。同シェイク・ハンズのマージィ武藤さんは「例えば、朝、人に会ったらニコッと笑える。それも強み。どんな子どもにも強みは見つけられる」と話す。

講座のきっかけは、つくば市を中心に長年、子どもや関係者の支援に取り組んできた“こどものミカタ”養成講座実行委員会が昨年、障害のある子どもの学校生活をサポートする特別支援教育支援員のための養成講座を開いたこと。講師の一人、元筑波大教授で臨床心理士の大六一志さんが、子どもと関わるときに有効な視点として紹介したのが、井上さんの「強み探し」だった。参加者から「もっと深く知りたい」と大きな反響があり、一般の人に向けた講演会を企画した。

実行委のメンバーたちは「社会が多様化する中、みんなと同じであることを良しとする学校のシステムはなかなか変わらない」と指摘する。その上で「『強み』に着目することは、子どもと大人のみならず、人と人とが良い関係を結ぶためにも大切なこと。講座をきっかけに強みを見つけられる大人が増え、子どもを囲む社会全体が良い方向に変わるといい」と期待を込める。

講座は2部制。午前10時からの第1部は、強みを探すための方法「ストレングス・トーク(R)」提唱者の児童精神科医、井上祐紀さんの講演と専門家を交えたトークセッション。午後1時45分からの第2部は、参加者がワークショップを通して実際に「強み探し」を体験する。参加費は1部のみ1500円、1部と2部は4000円(2部のみは不可)。申し込みはインターネットhttps://goo.gl/oV9iEX 。問い合わせは℡090・6045・4982またはEメールkodomo-no-mikata@mikata.shake-hands.org。

ミュージアムショップ開店15年 つくば美術館 手作りプレゼントを用意

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女性客に笑顔で対応する山田光子さん㊧=つくば市吾妻、つくば美術館ミュージアムショップa

【鈴木萬里子】県つくば美術館(つくば市吾妻)内の「ミュージアムショップa」が開店15周年を迎えたことを記念して、購入者に手作りのプレゼントを多数用意している。

県近代美術館の分館として1990年にオープンした県つくば美術館。開館に伴って併設されたミュージアムショップは経営者が何人も替わり、15年前引き受け手が無く、閉鎖されることになった。

当時の分館長からの申し出により、絵が好きで同美術館でボランティアをしていた山田光子さん(73)ら10人(現在は7人)が「つくば在住の人にアートフルな生活を届けたい」との思いから経営を引き継いだ。

若い作家たちの陶器や絵画、木工などを展示即売して彼らの活動を応援する一方、街の雑貨店にはないアートが息づく雑貨を扱っている。「県南の顔である美術館に恥じないショップにしたい」との思いから、女性服やアクセサリー、バックなども置くようになった。それらの商品は季節ごとに担当の4人が東京まで出向き、眼鏡にかなった商品を仕入れている。

2005年つくばエクスプレスが開業すると沿線からの来館者が増え、つくばの情報を伝えるなど店はサロン的な雰囲気になっていったという。

美浦村から来店した50代の女性2人は「つくばに遊びに来る時このお店に寄るのが楽しみです」と笑顔に。つくば市の60代の女性は「この店の商品はどれもセンスが良くて見ていて飽きません」と話していた。

プレゼント用に用意された小物は数種のブローチ、はし入れなど。ハスのブローチは木工で形を作り、紅茶で染め上げ、仕上げに布でみがいた手の込んだもの。シルクや麻の切れ端を持ち寄って作ったブローチも好評だ。プレゼントはたくさん用意され、5月末までに来店した人に配布されるという。

◆月曜定休日(ただし祝日の場合は開店、翌日休み)。問い合わせは℡029・856・3711まで。

心のこもった手作りプレゼント=同

七十二候を刻む 篆刻家 宮部紫邦さん 土浦

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篆刻家の宮部紫邦さん=土浦市大和町の市民ギャラリー

【谷島英里子】土浦市在住の篆刻(てんこく)家、宮部紫邦さん(85)の個展「七十二候(しちじゅうにこう)・篆刻展(前期)」が25日から同市大和町のアルカス土浦1階、市民ギャラリーで開かれている。30日まで。

水戸市出身、30代より篆刻を始めた。知丈印社を主宰し日本の篆刻史に名を刻む松丸東魚(1901-75)や加藤紫翆(1894-1984)の元で学び、40代で独立。現在は県内を中心に篆刻教室の講師を務めるほか、教育習字普及連盟(東京都)検定委員長を担う。

個展は石に文字を彫る篆刻の世界を知ってもらおうと開いた。季節を表す二十四節気をほぼ5日ごとに示した七十二候を題材に、一つの候ずつ解説を付けて展示している。2010年ごろから制作を続けてきたという。

霞がたなびき始めるという意味で、初春の2月23~27日ごろに当たる「霞始靆(かすみはじめてたなびく)」や、冬ごもりの虫が出てくるという意味で3月5~9日ごろに相当する「蟄虫啓戸(すごもりむしとをひらく)」などの短文が並び、赤色が際立ち、迫力が感じられる。

前期展と後期展(9月26日~30日)に36点ずつを展示する。入場無料。開館時間は午前10時~午後6時(最終日は4時まで)。問い合わせは宮部さん(電話029・822・8312)まで。

七十二候の篆刻作品=同

駅前図書館脇にマンション 3割高く市有地売却 土浦

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分譲マンションが建設されることが決まった土浦市立図書館脇の市有地。奥の建物は市立図書館の立体駐車場

【鈴木宏子】土浦駅西口に近い、市立図書館北側の市有地(同市大和町)約0.23haが、予定価格より3割高い2億1000万円で売却され、分譲マンションが建設されることが決まった。同市が25日発表した。駅西口の中心市街地にマンションが建設されるのはほぼ10年ぶりになるという。

公募の結果、いずれもマンション建設を計画する2社が応募し、不動産事業を展開する日立製作所グループの日立ライフ(本社日立市)が落札した。不動産鑑定価格である予定価格は約1億6000万円だった。9階建て(89戸)マンションが建設される計画で、来年9月着工、2021年1月完成予定という。

もともと図書館を核にした駅前再開発事業(市施行)用地の一部で、2006年の都市計画決定時点では14階建てマンションを建設する計画だった。しかし開発事業者が見つからず、11年、事業計画を縮小し、マンション建設を除外した。同年3月に起こった東日本大震災でいったん事業を休止。14年に施設規模縮小の都市計画変更をし、昨年11月末、市立図書館を核にした再開発ビル「アルカス土浦」がオープンした。

計画から除外した北側の市有地0.23haについては昨年5月から市場調査を実施し、土地活用策を検討。不動産会社など計9社からマンションや商業店舗などの開発ニーズがあったのを受けて、公募を実施した。

予定価格より3割高い売却となったことについて市都市計画課は「駅から直結という場所にあり、隣に図書館がオープンしたことで希少性のある土地になり、マンション需要が見込めると判断したのではないか」と話している。

乳がん トップレベルの検診伝えたい 29日 つくばピンクリボンフェス

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昨年のウォークイベントの様子(つくばピンクリボンの会提供)

【富永みくに】茨城県の乳がん検診システムは世界でもトップレベルだ。しかし検診率は約40%と全国平均と比べ高くない。このままでは優れた検診システムが「宝の持ちぐされ」になってしまう―。乳がん検診の大切さを訴えようと、「つくばピンクリボンフェスティバル2018」が29日、つくば市竹園、つくば国際会議場大ホールで開かれ、乳がん検診と治療の最新動向を紹介する。同フェスティバルを主催するNPOつくばピンクリボンの植野映理事長に話を聞いた。「乳がん検診や治療について一般の人たちにも分かりやすく伝えたい」と話す。

実行委員長を務める植野理事長

―植野先生はつくば国際ブレストクリニック院長で、同フェスティバルの実行委員長です。まず、つくばピンクリボンの会の活動について教えてください。

ピンクリボン活動は、1991年にアメリカのエヴリン・H・ローダーが提唱し、世界規模で行われている乳がん撲滅のための活動です。つくばピンクリボンの会は、検診によって乳がんによる死亡を減らすことを目的に2004年に立ち上げました。他県のピンクリボン活動は一般市民を中心とした活動が主流ですが、つくばの場合は一般市民、患者、医療従事者が連携しているのが特長です。県やつくば市のバックアップもあります。名称に「つくば」とありますが、活動はつくば市や茨城県内に限定したものではありません。

私は1983年、33歳の時に筑波大学の講師として招かれてつくば(当時は桜村)に来ましたが、県民の患者の乳がんの大きさが平均3.1cmもあることにショックを受けました。当時、日本には乳がんの検診制度が無く、全国的にも発見が遅れ気味ではありましたが、茨城は中でもひどい状況でした。その時の衝撃が今の活動の根底にあると思います。

現在、茨城県の乳がん検診受診率は39.1%(厚労省『国民生活基礎調査』2016年、40~60歳)に向上していますが、それでも全国平均(同36.9%)と比べて決して高いとは言えません。われわれの活動としては50%超えを目指しています。

―「最新の乳がん検診と治療」が今年のフェスティバルのテーマですが、最新の検診と治療はどのようなものになっているのですか。

県民の多くは、なぜか茨城の乳がん検診のシステムが他県と比べて劣っていると思い込んでいます。実際には世界でトップクラスと言っても過言ではありません。マンモグラフィと超音波検査を組み合わせた検診システムは国際的にも誇れる内容です。さらに検診のための診断装置、診断する医師や技師の技量も充実しています。

厚労省が実施した「ジェイ・スタート」(J-START=マンモグラフィのみの検診と超音波検査を併用した検診の結果を比較する大規模臨床試験)では、茨城の乳がん検診システムが採用されました。同試験の結果、マンモグラフィのみの検診では30%(2012年の調査時)の見落としがあることが分かっています。つまり、茨城県民はより見落としが少ない、レベルの高い検査が受けられるということです。つくば市内に限らず、県内のどの医療機関で受診しても同じシステムの検診が受けられます。

乳がんの補助療法では、「化学療法」「分子標的治療」「内分泌治療」が発展しました。がんの症状と種類により、外科的治療に加えてこれらを組み合わせて行います。早期に発見されれば抗がん剤は使用しなくても良い。かつては乳房温存手術と放射線照射を組み合わせた治療が行われていましたが、今は乳房の再建手術が保険の適用になっていることから、乳房を温存せずに切除するケースも増えています。基本的には切除していない胸の形に合わせることが多いです。

―昨年、元アナウンサーの小林真央さんが乳がんで亡くなりました。最近は元SKE48のメンバーの矢方美紀さんが左乳房を全摘出したことも話題になりました。

こういったニュースが流れると「20代や30代の若い世代に乳がんが多い」と誤解する人もあるかもしれませんが、20代でかかるのはむしろまれなケースです。乳がんにかかりやすいのは40代~60代。40代以上の女性は、検診を受けることを推奨します。

昨年の講演会の様子(同)

―今年のフェスティバルに向けた思いを教えてください。

これまでフェスティバルでは、ウォークやサイクリングなどの啓発イベントで乳がん検診の重要性を訴えてきましたが、それだけでは正しい乳がんの知識が伝えられませんでした。そこで今回は、一般の人に乳がんについて新しい正しい知識を伝える講演会をメーンに開催することにしました。

フェスティバルでは乳がんについて、一般の人や患者さんが特に知りたいという声の多かった情報をピックアップし、そのテーマに応じて専門医が解説します。講演やつくばピンクリボンのホームページなどを通じて、乳がん検診の重要性を理解してくれればと思います。

◆同フェスティバルは29日(日)午前10時~午後2時20分まで。参加費無料、事前申し込み不要。「乳がん最前線―乳がんと乳がん検診の新しい正しい知識を」をテーマに、専門医や筑波大学の教授らが検診と治療の最新動向について解説する。演題は▽「なぜ、乳がんが増えているの?」(杏雲堂病院医師・池田達彦氏)▽「どうやって受ける?乳がん検診」(つくば国際ブレストクリニック診療放射線技師・津田香緒里氏)▽「転移・再発の治療(薬)」(筑波大学准教授・坂東裕子氏)▽「上手なセカンドオピニオンの使い方」(東京医科大学茨城医療センター医師・海瀬博史氏)など9項目。

スタジアムを満員に つくばFCレディース 29日ホーム開幕戦

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【つくばFCレディース―筑波大学女子サッカー部】雨の中開かれたプレシーズンマッチで、筑波大の選手と競り合うつくばFCレディース選手(青のユニフォーム)=3月21日、つくば市山木のセキショウチャレンジスタジアム
朝早く通勤・通学客らに優待券とPRチラシを配布する、つくばFCレディースの藤井志保選手(中央)=24日つくば駅前

【崎山勝功】女子サッカー3部のチャレンジリーグで戦う「つくばFCレディース」のホーム開幕戦が、29日午後1時、本拠地のセキショウチャレンジスタジアム(つくば市山木)で行われ、ノルディーア北海道(北海道)と対戦する。ホームゲームをサポーターで埋めようと選手らが24日、つくばエクスプレス(TX)つくば駅入口周辺で優待券を配布した。

選手2人と職員ら計9人が午前7時から約1時間、通勤・通学客らに優待券を手渡し来場を呼び掛けた。優待券は、ホームゲーム入場料(当日1000円)を定価から300円割り引く。

参加したつくばFCレディースDFの藤井志保選手は「社会人の人たちが結構、優待券を受け取ってくれた。反応は良かったと思う」と手応えを感じていた。

同チームの今季の成績は1勝1敗で現在4位。FWの亀井祐美選手は、3月21日のプレシーズンマッチでの取材に対し「より多くの勝利を残して(上位リーグの)昇格争いに行ければいいと思う。今年はより上の順位でいきたい」と意気込みを語っていた。

応援マスコット決定

サッカーチーム、つくばFCは、茨城を応援する活動の一環として、地域の人々がアイデアを出し合ってキャラクターをつくる「プルプルたまごプロジェクト」を展開している。3候補による投票の結果、「茨城を愛するワンダフルボーイ」がマスコットキャラクターに決定した。今後、キャラクターの正式名称を募集する予定という。

「いばらき応援マスコット」案を手にする(左から)つくばFCの藤井志保選手、デザイナー古山菜摘さん、同FCの菅原明香選手。中央がマスコットキャラクターに選ばれた「茨城を愛するワンダフルボーイ」(つくばFC提供)

筑波山に魅入られ 元校長 沼尻正芳さんが個展 つくば

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「霊峰筑波」の連作に見入る来場者ら=つくば市竹園の筑波銀行つくば本部ビル2階ギャラリー

【鈴木萬里子】教員を退職後、本格的に筑波山を描き始めたつくばみらい市在住の画家、沼尻正芳さんによる個展「霊峰筑波・人・自然を描く」が24日から筑波銀行つくば本部ビル(つくば市竹園)2階ギャラリーで開かれている。

沼尻さんは武蔵野美術大学卒業後、千葉県松戸市の中学校を始め茨城県南の小・中学校で美術担当教諭を長く務め、つくばみらい市立伊奈東中学校長を最後に退職した。その間卒業生の似顔絵を描き、累計1050枚を卒業生に贈った。現在、美術団体「新極美術協会」常任理事を務める。

今回の個展では縦97㎝、横145㎝の霊峰筑波の大作を含め、四季折々に表情を変化させる雄姿が多数展示され、筑波山への憧憬(しょうけい)が見る側にも伝わってくる。

描き始めたころは遠くから筑波山を描き、最近は間近で雄大さを感じながら描くなど、試行錯誤しながら取り組んできたという。アクリル絵の具で描いた筑波山を何度も加筆修正して、油彩で描き直した作品も多く、沼尻さんは「最初は四苦八苦していたが、今は筑波山が教えてくれるようになった」と話す。

昨年の第23回極美展で東京都知事賞を得た、不動院を描いた「塔に雪降る」など見応えのある作品も多い。沼尻さんの優しい視線が感じられる幼子やペットを描いた作品などもある。

熱心に見ていたつくばみらい市の30代女性2人は「筑波山の自然豊かなところを切り取って描いていて感動する」「身近な自然を題材に描いているので親近感が湧く」などと話していた。

◆会期は30日(月)まで。入場無料。開館時間は午前10時~午後4時30分(最終日は午後3時まで)。問い合わせは℡090・7277・2328(沼尻さん)

多くの来場者でにぎわう会場=同

京成百貨店がサテライト店 つくば駅前キュートに25日開店

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25日オープンした京成百貨店つくばショップ=つくば市吾妻、つくばクレオスクエアキュート2階

【鈴木宏子】県内唯一の百貨店、京成百貨店(本社水戸市)が、つくば駅前の商業施設つくばクレオスクエアキュート(つくば市吾妻)2階に初のサテライト店、同つくばショップを出店し、25日オープンした。

売り場面積約165㎡で、有名ブランドの和洋菓子、ハンカチや手袋、スカーフなどの雑貨、ダイヤなどの宝飾品を販売している。県産品コーナーなどもある。今後、利用客の要望に応じて品ぞろえを替えていくほか、お中元シーズンの6月1日からはギフトセンターを設置する。企業や個人宅に出向いて注文を取ったり品物を届ける外商担当者も配置される。

2017年2月末の西武筑波店閉店後、京成百貨店に「百貨店が無くなって困っている」「ギフト品を買うところがない」「西武跡に出店してほしい」などの声が県南地域から多く寄せられた。要望を受け、昨年夏や冬などに、つくば国際会議場やキュートなどで計4回、期間限定でファッションセールを開催したり、ギフトセンターを設置してニーズを探り、出店に至ったという。

買い物に訪れた近くに住む主婦、磯倫子さん(53)は「西武が閉店して、近くに贈答品を買えるところがなくて困っていた」と語り、坂東市から来た会社経営、60代女性は「仕事先に贈るちょっとした贈答品が買えるので助かる」などと話していた。

同店の金澤康信店長は「お客様のご要望に応じて変化させていき、京成百貨店の魅力を紹介していきたい」と意気込みを話した。

励ましの言葉を歌に つくばの大枝未和さん 難病知った5月5日、ライブ出演

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自身が作詞したCD「希望の花咲く場所」を手にする大枝未和さん=つくば市内

【崎山勝功】難病を患うつくば市の16歳の少女が、共に難病に苦しむ友人から送られた励ましの言葉で歌を作った。難病と告知され人生が変わった日が3年前の5月5日。今年は、この日に開かれるコンサートに出演し、自身が作詞した歌を歌う。

再生不良性貧血=メモ=を患う大枝未和さん(16)で、5月5日、同市大856の芝畑で催されるチャリティーコンサート「ミュージックピクニックin芝畑 泳げ鯉のぼり!!」に出演する。

未和さんは、肺に流れる血液量が減少する心臓病の肺動脈弁閉鎖症をもって生まれたが、成功率10%ともいわれる手術が成功し、元気に小学校生活を送った。

しかし13歳を迎えた5月5日、再生不良性貧血と告げられた。一度は骨髄移植しなければ助からないと言われ、未和さんや家族にとって「5月5日は避けて通りたい日」になったという。

その後、難病患者や家族の交流会「難病カフェ アミーゴ」(つくば、水戸などで活動)の仲間と出会ったことから、未和さん自身が変わっていった。

元々歌うことが好きだった未和さんは、難病で苦しむ仲間たちから多くの言葉をもらい、寄せられたメッセージを基に「難病でも前を向いていこう。共に頑張っていこう」という歌詞を作った。

約2カ月掛けて作詞し、昨年7月ごろ完成。作曲をシンガーソングライターの佐倉孝司さんに依頼し、デモテープの収録にこぎつけ、同年12月23日、CD「希望の花咲く場所」が完成した。「『アミーゴ』の人たちの言葉を全部歌詞に入れて、自分の思いも入れたかった。歌詞の字数が1曲目と2曲目で合わず、合わせるのに苦労した」と振り返る。

「いつもはカラオケ店で歌ったりする」というが、「ライブは今回が初めて」という未和さん。現在も治療のため筑波大附属病院に通院しているが「今のところ体調はいい。一生懸命、歌の練習をしてライブを成功させ、盛り上げたい」と意気込みを見せる。

母親の豊美さん(36)は「今年に入ってから輸血の頻度が4週間に1回に減った」と、未和さんの体調がよくなりつつある傾向が見られると話す。去年までは一進一退の病状で、救急車を何度も呼んだり、輸血の頻度も2週間に1回と、ICU(集中治療室)を行ったり来たりだったという。

未和さんの出演は5月5日正午から。コンサートでは未和さんのCDなどが販売され、収益金は難病支援の基金としてつくば市に寄付される。

※メモ
【再生不良性貧血】骨髄の造血能力が低下し赤血球や白血球、血小板などすべての血球が減少する血液の病気。一度出血すると止まらなくなり、輸血が頻繁に必要となる。唯一の有効な治療法は骨髄移植といわれる。

大枝未和さんに寄せられた「難病カフェ アミーゴ」の仲間たちからのメッセージ

個展「ツチウラカノジョ」で鮮烈デビュー 写真家目指す関萌野さん

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写真展の展示風景㊨。左は関萌野さん=土浦市中央、まちかど蔵大徳

【池田充雄】土浦市中央の観光案内施設「まちかど蔵大徳」2階ギャラリーで22日まで、写真展「ツチウラカノジョ」を開いた関萌野(せき・のの)さん。土浦市内の魅力的な場所や景色を背景にした、女性のポートレート作品約40点を集めた。初の個展を終えたばかりの彼女に話を聞いた。

とっておきの場所

同展のための撮影は1年掛かりで進められた。友人たちをモデルとして市内各地に足を運び、100点ほどの作品に仕上げ、今回はそのうちの一部を発表した。会場には、蔵造りの雰囲気の中に撮影で使った服や、ドライフラワーなどの装飾もさりげなく置かれ、作品以外の空間デザインも意識したという。

冬木立の中にたたずむ女性の写真(1)は、手野町の霞ケ浦湖岸で撮影した。「冬っぽいスモーキーな感じで撮りたいと思って、以前からよく夕日を見に行っていたこの場所を選んだ」と関さん。まず場所ありきのことも。あるいはイメージが先にあり、それに合った場所を選ぶことも多いという。

モール505も好きな場所(2)の一つ。彼女の年代にはレトロな雰囲気に映るそうだ。ここを使って撮影された北野武の映画「龍三と七人の子分たち」は大好きな作品で、そこから喚起されたイメージもあるという。

夏を迎えて色を深めた青田が広がる写真(3)は、藤沢のりんりんロードが舞台。「田園風景の中に道がまっすぐ延びている。個人的には土浦の自然が好き。こういう景色は東京では絶対に撮れない」。

若者目線で土浦再発見

初の個展を開いた感想については「若い人に、土浦にもこういう所があるんだと思ってもらえたら。東京の友達もたくさん来てくれて、土浦を見直したと言ってくれた。若者目線で撮っているので、年配の方には気に入ってもらえないかなと思ったが、予想外にほめていただいたのでうれしい」

撮影にあたって意識したのは、女性のやわらかい表情と、土浦の風景をマッチさせること。関さんが服や小物も選び、メークも写真の雰囲気に合わせて施した。

「この子はこういう服を着たら似合うなとか、イメージが膨らんでからモデルをお願いしたことが多い。普段はしないような格好だけど、こういうのも映えるよねと。その人の新しい一面を撮りたい」

早稲田大学法学部を卒業後、本格的に写真家を目指し、都内の日本写真芸術専門学校に入り直したばかり。ファッション写真を撮りたいと、服などのコーディネートも含めたポートレートを一つのテーマとして追い求めている。「ツチウラカノジョ2」もいつかやりたいと語る。土浦市在住、22歳。

元気いっぱい165点 中城天満宮で書道展 土浦

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中城天満宮境内に展示されている土浦市長賞受賞作品=土浦市中央1丁目

【谷島英里子】土浦市中央、中城天満宮の第87回奉納選書会(中城天満宮奉賛会主催)に入賞した小学生らの作品165点が、同境内や隣接のまちかど蔵大徳、中城通り商店街に展示されている。

同天満宮は学問の神として親しまれている菅原道真がまつられ、毎年4月25日の例祭に合わせて書道展が開かれている。5月6日まで。

今年は市内の小学生などから計1545点の応募があった。上位入賞作品の表彰式が21日、土浦市中央1丁目の料亭、霞月楼で行われ、市長賞や土浦商工会議所会頭賞、市議会議長賞、市教育長賞に選ばれた小学生15人一人ひとりに表彰状と記念品が手渡された。

市長賞に選ばれた下高津小1年、坂部詩音さん(7)は、半紙いっぱいに力強く今年の干支(えと)「いぬ」と書いた。坂部さんは「元気な気持ちを表した。賞をとれてうれしいので今後も書道を頑張りたい」と話していた。

審査員で書家の平田洋香さんは「素晴らしい作品ばかりだった。墨がいっぱい入り、筆の運びがおおらかな書を入賞作品に選んだ」と講評した。

土浦市長賞の表彰状を受け取る坂部詩音さん㊨=21日、土浦市中央1丁目の霞月楼

上位入賞者は以下の15人(敬称略)。
●土浦市長賞=下高津小1年 坂部詩音▽都和小4年 大関このは▽土浦小6年 牧野朱莉
●土浦商工会議所会頭賞=荒川沖小2年 西ざわいつき▽上大津東小3年 大嶋乃々華▽都和南小4年 寺坂芽依
●土浦市議会議長賞=都和南小1年 てらさかゆめ▽土浦小5年 大久保あかり▽上大津東小6年 飯田亜侑梨
●土浦市教育長賞=土浦小1年 石いみ空▽真鍋小2年 いな川ひびき▽土浦二小3年 大場心和▽東小4年 吉原百花▽荒川沖小5年 西沢佑亮▽土浦2小6年 瀬島美咲

科学の街にヒーロー登場 新素材を子どもたちに解説 つくば

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子どもたちに新素材を分かりやすく解説するナノ戦隊スマポレンジャー=22日、つくば市千現、物質・材料研究機構

【富永みくに】科学の街つくばにまたヒーローが登場した。「ナノ戦隊スマポレンジャー」で、科学技術週間に合わせた物質・材料研究機構(同市千現)の一般公開イベントで22日、新素材を子どもたちに分かりやすく解説した。

同機構国際ナノアーキテクトニクス研究拠点の荏原充宏研究員(43)が考案した。温度や光などさまざまな外部環境に応じて性質を変化させる新素材「スマートポリマー」の性質を解説する。未来の医療材料として、貼って治すがん治療や、電気や水などがない被災地や発展途上国などでの携帯型透析システムへの活用が期待されているという。

戦隊ショーでは、筑波大と東京理科大の学生ボランティアが戦隊ヒーローにふんして登場。スマートポリマーの性質を「免疫回避」「形状記憶」「生分解性」などの必殺技にたとえて分かりやすく説明した。

荏原研究員は、考案した理由を「科学ヒーローが人を救うというイメージは、日本人になじみやすい。当初はスマポレンジャーの漫画を配って広報活動をしていたが、回を重ねるごとにグレードアップして今の形になった。研究の傍ら、茨城空港をはじめとして年間5回ほどショーを行っている。2016年にはつくば市の教育マイスターにも認定された。ショーを見た子どもたちの中から、科学者が誕生する日が来るのが楽しみ」と笑顔で話した。

「科学技術週間」に合わせた一般公開イベントは22日まで、つくば市内の研究機関、大学など28カ所で催され、県内外から大勢の人が訪れた。

大好きな鉱物に興奮

鉱物の展示を興味深く見つめる来館者ら=22日、つくば市東、産業技術総合研究所地質標本館

産業技術総合研究所地質標本館(同市東)では、春の特別展「関東平野と筑波山」(7月1日まで)を開催。霞ケ浦や北浦の成り立ち、鬼怒川で繰り返し生じた洪水による地層の変化、筑波台地の地質と地形、同研究所構内で実施した深さ715.5mのボーリング(掘削)調査結果などについて詳しく解説している。

「鉱物が大好き」という東京在住の小学生の男の子(10)は、愛読している鉱物図鑑を持参し、つくば市に住む友人の祖父(78)らと来館。一番好きな鉱物というテルル石の実物を見て「図鑑に載っているものとまったく同じものが展示されていてうれしかった。とても美しい」と、興奮気味に話していた。

JAつくば市と谷田部 来年2月1日合併へ

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合併推進協議会で会長に選出されあいさつするJAつくば市の岡本秀男組合長。左端はJAつくば市谷田部の横田伊佐夫組合長=22日、つくば市小野崎、ホテルグランド東雲

【鈴木宏子】来年2月1日の合併を目指して、JAつくば市(岡本秀男組合長)とJAつくば市谷田部(横田伊佐夫組合長)は22日、つくば市内JA合併推進協議会を設立した。国の農協改革で来年5月までに一定の自己改革の成果が求められていることなどを背景に、合併により組織や経営基盤の強化を図る。

合併後の組合員数は1万4522人(今年1月末時点)と県内4位、貯金高は1175億1900万円(同)と県内5位の規模になる。市内に二つあった農協が一つになることから、合併後はつくばブランドを全面的に押し出したいとしている。

合併協議会会長はJAつくば市の岡本組合長、副会長は谷田部の横田組合長が務め、事務局はJAつくば市の本店がある同市東岡に置く。合併方式は、谷田部をつくば市に統合する形になるという。

今後は、6月末までに合併事業計画書を決定し、7月に集落座談会を開催、8月に両JAでそれぞれ臨時総代会を開催して合併を決議する方針だ。

同日、両JAの理事や役職員のほか、JAグループ茨城の佐野治会長など約100人が参加して、同市小野崎のホテルグランド東雲で合併協議会の設立総会が開かれた。

つくば市の岡本組合長は「人口減少や高齢化、民間との競争の激化などの課題がある中、多様化する組合員のニーズに応えるため、専門性の高い職員を育成し経営基盤を盤石にして強化を図りたい」などと話し、谷田部の横田組合長は「農業・農村の危機、組織・事業・経営の危機、協同組合の危機などと言われるが、危機を何としても突破したい。9カ月間、何が何でも合併に向けて進みたい」などと決意を述べた。

JAつくば市(桜、豊里、大穂、筑波、茎崎地区)は組合員1万665人、貯金高651億9000万円(17年1月末時点)。JAつくば市谷田部(谷田部地区)は組合員3631人、貯金高502億3600万円(同)。

両JAは2013年から、JA土浦と3JAで合併研究会を発足させ合併に向けて研究を続けてきた。しかし合意に至らず白紙となり今年2月、研究会を解散。3月からJAつくば市と谷田部の2JAで合併の検討が始まり、急きょ合併協議会の設立に至った。

一方JA土浦(土浦、かすみがうら市、池田正組合長)は、同じ来年2月1日の合併を目指し、JA茨城かすみ(阿見町、美浦村)、JA竜ケ崎(龍ケ崎、牛久市、利根町)の3JAによる合併協議会を設立している。

JAつくば市とJAつくば市谷田部の理事や役職員ら約100人が参加して開かれたつくば市内JA合併推進協議会=同

「自分の夢諦めないで」 あしなが募金つくばでスタート

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街頭で募金活動をするあしなが奨学生の塚田理香さん(中央)=21日、つくば市吾妻のライトオン本社前

【崎山勝功】病気、災害、自殺などで保護者を亡くした遺児らの進学支援を訴える「第96回あしなが学生募金」が21日から県内3カ所で始まった。このうち県南地域ではつくば市吾妻のライトオン本社前であしなが奨学生やボランティアらによる街頭募金活動が行われた。

例年、県南はつくば、取手の2カ所で実施されるが、今回はボランティア不足のため取手での活動を断念した。つくばでは、県立藤代紫水高校(取手市)の高校生やアステラス製薬労働組合の組合員らがボランティアで募金を訴えた。

活動に参加したあしなが奨学生で東洋大学2年の塚本理香さん(19)=鹿嶋市出身=は「人通りが少ないと感じたけど、時間が経つにつれチラシをもらってくれる人も増えた」と手応えを感じていた。藤代紫水高3年の風間涼さんは「結構、皆優しくて、話し掛けてくれた」と話した。

28日も同所で活動が行われる。塚本さんは「進学をしたいと思っても親に迷惑を掛けないようにと自分の夢を諦める子がいる。その子どもたちのために募金活動を頑張りたい」と話した。

アルバイト漬け「グルグル回ってる感じ」

塚本さんは5歳のとき父親を亡くし、看護師の母親と兄2人の4人家族。福祉と保育を学びたいと東洋大学に進学した。

今年度から新たに導入された給付型奨学金3万円と無利子貸与型奨学金4万円の計7万円を受給し、学費に充てているという。一方で生活費のため、週6日、居酒屋でアルバイトをしている。授業のある平日は午後5時から同11時まで、土日は午前11時から午後11時までの12時間勤務だ。アルバイト収入は10万円前後だが「春と秋には教科書代が掛かり厳しい」と話す。

大学で保育の勉強をする塚本さんは、時間に余裕があるなら子育てを支援するボランティア活動をしたいというが、アルバイト漬け同然の現在の生活は「アパートと学校とバイト先をグルグル回っている感じ」だという。

あしなが学生募金事務局によると、生活状況を調査した一人暮らしの奨学生の7割以上が実家からの仕送り無しで生活しているという。

商業施設やランニングパークなど 民間13事業者がアイデア つくば市総合運動公園用地

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つくば市大穂の総合運動公園用地

【鈴木宏子】返還を断念したつくば市総合運動公園用地約46ha(同市大穂)の利活用アイデアについて、同市は、2、3月に実施した民間事業者の意向調査結果を18日発表した。県内外の13事業者から、複合型商業施設、メガソーラー、ランニングパークなどの提案があった。

ただし市による造成工事やインフラ整備を求めていたり、利用したい面積も全体から1haまでさまざまだったり、土地利用の用途変更が必要など課題があり、市は引き続き検討を続けるとしている。調査結果は今後、住民説明会を開いて説明する。土地処分のスケジュールについては決まっていないという。

用地全体を利用するアイデアとして、金融業者、建設業者、デベロッパー、スポーツクラブから、農場を併設したメガソーラー、ジム・スパなどがある高機能ランニングパーク、ガーデニングに特化し健康増進施設や商業施設などがある戸建て賃貸住宅街、サッカーグラウンドを中心に道の駅や自然体験・宿泊エリアがあるスポーツツーリズム推進拠点の整備などの提案があった。一部を利用するアイデアとしては小売業者、農業法人などから複合型商業施設、植物工場などの提案があった。

総合運動公園をめぐっては、2014年、市開発公社がUR都市機構から約66億円で購入、15年、住民投票の結果を受けて市原健一前市長が計画を白紙撤回した。16年に初当選した五十嵐立青市長はURへの返還交渉を公約に掲げ、17年、著名弁護士による検証委員会を設置、「不正の事実は認められなかったが、民意の把握や説明に不十分な点があった」などの報告書がまとめられた。同年7月、五十嵐市長はURへの返還を断念し、利活用の可能性を調査するため今年2、3月に民間の意向調査を実施した。調査にあたっては公共施設用地としての利用可能性も継続して検討するとしていたが、現時点で具体的計画はないという。

筑波山麓オールロケ 「ここにいる」21日上映会 つくば

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映画のワンシーン(篠原さん提供)

【大志万容子】筑波山麓を舞台に、同地域でオールロケを行った短編映画「ここにいる」の上映会が21日、つくば市の大穂交流センター視聴覚室で開かれる。入場無料。

映画は、牧場を営む父親と反発する中学生の親子の物語。筑波おろしが吹きすさぶ中、懸命に働く少年の一日の出来事を通して、子どもの頃に誰もが感じる、切なく、ちょっと不思議な世界が描かれる。

俳優の草薙仁さんが監督を務めた。一昨年7月、つくば市小田の古民家で映像教室を開いたことをきっかけに、筑波山麓の風景に心を引かれ、同地域を舞台にした映画の脚本を書いたという。暮らしの実在感がほしいと、登場する子どもたち6人はすべて、市内在住の中学生らをオーディションで選び、昨年2月、羊牧場「ももじろう牧場」や小田地区の店舗などでロケを行った。

筑波山麓で現代アートの野外展覧会を毎年開催している市民グループ「つくばアートセンター」(篠原光子代表)が撮影に協力し、今回、上映会を主催する。篠原代表(55)は「登場人物の思いを『そういうことあったよね』と自分に重ねてもらえれば。そして自然豊かなつくばの生活が素敵なものだと気づいてもらえれば」と話している。

◆映画は37分。午後3時から。定員70人。予約はメールで受け付ける。hearth.art981@gmail.com。

映画の出演者たち。前列左から2番目が草薙監督。市内の中学生らも出演した(同)

つくばに茨城スタジオ開設 アニメ「進撃の巨人」制作会社 人材発掘へ

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つくば市長を表敬訪問した(左から)浅野恭司取締役、和田丈嗣社長、中武哲也取締役=19日、同市役所

【鈴木宏子】「進撃の巨人」で知られるアニメ制作会社ウィットスタジオ(東京都武蔵野市、和田丈嗣社長)が13日、つくば市吾妻、市産業振興センターに「WIT(ウィット)茨城スタジオ」を開設した。本社と連携し子供向けアニメやCM短編アニメの作画を行いながら、アニメーターなどの人材育成を目指すという。

19日、大井川和彦知事、五十嵐立青つくば市長をそれぞれ表敬訪問した和田社長(39)は、県内在住の大学生や専門学校生が就業体験するインターンシップを受け入れ、来年4月に約10人の新卒者を採用、3年後までにさらに約10人を採用して20人態勢にしたいとしている。

アニメ制作会社が東京に一極集中し人材不足が言われる中、生活しやすく、仕事に集中しやすい環境が整っている地方で、新たな人材を発掘し育成していこうと試み。同社の地方進出は初めて。

「進撃の巨人」でプロデューサーを務めた同社の中武哲也取締役(38)が鹿嶋市出身、総作画監督を務めた浅野恭司取締役(42)が古河市出身で、これまで古河やつくば市でイベントを開いてきたことなどからスタジオ開設に至ったという。

茨城スタジオは産業振興センター2階の約100㎡。いずれも20代の筑波大出身アニメーター、田中正晃さんと、守谷市出身で制作進行担当の山田健太さんの2人が昨年5月から開設準備を進めてきた。

今後は2人が中心になって茨城スタジオを運営していくという。今年は「劇場版ポケットモンスター」や、子供向けアニメシリーズの作画などをする予定。さらにショッピングセンター、イーアスつくば内の映画館MOVIXつくばなどでイベントを開催し、茨城の特産品などにアニメのイラストを付けたオリジナルグッズなどを制作、販売したいとしている。

和田社長は「筑波大や取手の東京芸大などとも連携して新しい形がつくれれば」と話している。

ウィットスタジオは大ヒットアニメの「進撃の巨人」のほか、「甲鉄城のカバネリ」「魔法使いの嫁」など注目作品を手掛けるアニメ企画制作会社として知られる。

WIT茨城スタジオが開設されたつくば市産業振興センター=同市吾妻2丁目

次は「ご近所寄り道商店街」 つくばの女性3人 大角豆で6月開催

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14、15日開催され、さまざまなジャンルの本が並べられた古書市=つくば市大角豆

【橋立多美】街をワクワクさせたいと、つくば市大角豆(ささぎ)のカフェ・ギャラリー「メモリーズ」で古本市を開催した女性3人組「ワンダーホー」が、今度は、ご近所寄り道商店街「どんぐりコロコロ」の準備を進めている。

6月2日と3日の2日間、同市大角豆地区で、農園やレストラン、鍼灸院などを営む有志と開催する。歩いて回れる範囲にある6店の店内の一角で、野菜、手作り商品、飲み物などを販売したり、来場者と共に楽しむイベント。スタンプラリーも実施される。昨年に続く第2回目で、昨年は延べ450人が来場した。

3人は、つくば市大角豆でジュエリーショップ・メモリーズを営む傍ら彫金教室を主宰する鳥山玲子さんと、同教室を介して知り合った丹野雅子さんと齋藤多賀子さんの3人。2016年秋「素敵!」と思うことを実現させようと意気投合した。

各自3万円を出し合って運営資金とし、鳥山さんが広報と渉外、丹野さんが会計、齋藤さんが企画調整を担当。背伸びをしない範囲で自分も周りも楽しくなる企画を練り、「楽しいことをしたい人、この指とまれ」と市民主体で活動の輪を広げている。

6月の寄り道商店街にアクセサリーを出品する鳥山さんは「昨年と同じ店主が顔を揃え、打ち合わせを重ねるごとにご近所同士の親密さが増している。今回はさらに魅力的で個性的な商店街を目指しています」と意気込みを語る。

3人は今月14~15日の2日間、市民が家に眠っている本を持ち寄り、店主として販売する古本市「ブック・フェス」をメモリーズギャラリーで開催した。400冊に及ぶ古本が並べられた会場には延べ150人が訪れ、合計3万6000円を売り上げたそうだ。「家庭で眠っている本を街に循環させて読み手をつなごう」という企画で、本を仲介に入場者同士が会話を弾ませる姿が見られたばかり。

◆大角豆エリアで開催されるご近所寄り道商店街「どんぐりコロコロ」は、6月2日(土)と3日(日)午前11時~午後4時を予定。問い合わせは鳥山さん(電話029-852-8286)まで。

 

ヨガ・瞑想を知って つくばの歯科医ら企画 女性初ヒマラヤ大聖者講演会

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チラシを手に参加を呼びかける舟久保さん

【大志万容子】ヨガや瞑想への理解を深めてもらおうと、つくば市の歯科医、舟久保せいこさんらが5月12日、ヨガ・瞑想指導者、ヨグマタ相川圭子さんの講演会を開く。舟久保さんは「悩みを抱える人から科学者まで多くの人に参加してほしい」と呼び掛ける。

舟久保さんは、20数年前から「患者さんにリラックスして治療を受けてもらいたい」と、ゆっくりとした呼吸で心を穏やかにするヨガを学ぶようになった。深く知るうちに、ヨガのポーズや瞑想を通じて「自分とは何か」を問いかける精神性の奥深さに魅了された。

2年前に相川さんと出会い、瞑想の指導を受けた。インドで「ヨグマタ(ヨガの母)」と尊敬を集める相川さんは、ヒマラヤ山中での修業を経て、女性初の「シッダーマスター(ヒマラヤ大聖者)」の称号を得、国連でも世界平和のスピーチをしたヨガ・瞑想の第一人者だ。

「瞑想するようになって、本当の自分の思いに気づき、心が安定するようになった。患者さんの思いも感じ取れるようになり、適切な言葉をかけられるようになった」と舟久保さん。相川さんの講演を通じて、多くの人に関心を持ってもらおうと、有志と実行委員会を立ち上げた。

「今この瞬間の心の動きに意識を向ける『マインドフルネス』という瞑想法でストレスが低減されたなど、最近、科学的にも瞑想の効果が実証されるようになった。多くの人に来てもらいたい」と呼び掛ける。

講演会の収益の一部は、つくば市と土浦市に寄付する。

◆講演会は5月12日(土)午前10時からつくば市竹園のつくば国際会議場大ホールで。参加費は一般3000円、小中学生500円、大学生1000円。チケット販売はイープラス(PC/携帯)http://eplus.jp(直接購入)ファミリーマート。問い合わせは実行委員会070・3133・9181