土曜日, 4月 26, 2025
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【土浦つくばエリア深堀り高校野球展望’18】6 異なるタイプの投手そろう秀英 エースで4番、下級生が鍵握る土浦三

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ホームランの大橋亮を笑顔で迎える青木亮磨(つくば秀英)

打線は2人が核 つくば秀英

【伊達康】つくば秀英は秋季県大会の初戦で水城に敗退。春季県大会では初戦の那珂湊には7対3で勝利したが、明秀学園日立には2番手格の上野雄大を打てず4安打に抑えられ、先発の阿部田壮(3年)が2回に大量7失点を喫して0対7の7回コールドで完敗。県トップクラスのチームとの力の差を表すゲームとなった。2季連続の県大会出場と春の県大会1勝により、この夏はDシードとして迎える。初戦は13日に磯原郷英と下館一の勝者と笠間市民球場で行われる。

打線は3番の大橋亮(3年)と不動の4番・青木亮磨(3年)が核となる。大橋は身長162㎝と小柄ながら秋の水海道二戦でライトにホームランを放つなどパンチ力がある。青木は分厚く重量感あふれる体でパワーをみなぎらせる。ストレートに強いプルヒッターだ。明秀学園日立・上野からも強い打球のレフト前ヒットを放った。

投手陣は高橋由伸(2年)が右サイドから最速128㎞のストレートを投じ、スライダーとフォークのキレ味も鋭い。左サイドの阿部田壮は癖のある投球フォームから緩いストレートとスクリューボールで打者のミスショットを誘う。右腕の吉田青矢(2年)は最速140㎞の快速球を投じる力投型だ。ボールが高めに浮いて甘く入り痛打されるケースに気をつけたい。春はベンチ入りしていなかったが昨年は1年生ながら夏の大会デビュー登板を果たしており経験は豊富だ。

シード校倒す可能性高い 土浦三

土浦三は2季連続で竜ケ崎一に地区代表決定戦で敗れて県大会出場を逃しノーシードとなった。初戦は9日にJ:COMスタジアム土浦で水戸農と対戦する。ノーシードではあるがエースで4番の濱崎鉄平(2年)を中心としたチーム力は高く、土浦三がシード校を倒す可能性が極めて高い。

エース右腕の濱崎は2年生ながら180㎝83㎏の恵まれた体格から最速138㎞の力強いストレートを投じる。股関節の硬さからか余力を残した立ち投げのようなフォームで、まだ下半身の力を指先に伝え切れていない分、今後の伸びしろを感じさせる楽しみな投手だ。

打撃陣は3番の松浦直哉(2年)と4番の濱崎を中心として上位打線に好打者が並ぶ。松浦は春の藤代紫水戦で2安打2打点の活躍。初球から強振してくる特徴がある。

濱崎は1年夏から打者として抜てきされた逸材だ。外野の間を抜く速い打球で長打を量産して打撃センスの高さを示す。チャンスに強いが選球眼もよく、自分のバットで決めにかからないつなぎの意識も感じられる。

1番の池田渉生と2番の額賀竜輔は俊足で小技が利く。序盤にこの2人がスコアリングポジションに進んで濱崎が返す得点パターンに持ち込み、試合を優位に進めたい。(終わり)

エースで4番の濱崎鉄平(土浦三)

 

官民一体で誘客へ 協議会発足 つくば霞ケ浦りんりんロード

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サイクルジャージを着て協議会設立をアピールする大井川和彦知事(中央)ら=土浦市滝田、アジュール土浦

【鈴木宏子】これまで行政主導で進められていた自転車道「つくば霞ケ浦りんりんロード」の情報発信や環境整備を、これからは官民一体で進め誘客を図ろうと、6日、「つくば霞ケ浦りんりんロード利活用推進協議会」(会長・大井川和彦知事)が発足した。

県と沿線14市町村のほか、県内の民間企業、大学、商業や観光、農業団体など計111企業・団体などが同日、霞ケ浦湖岸にある土浦市滝田の結婚式場アジュール土浦で設立総会を開いた。副会長には土浦市の中川清市長、常陽銀行の笹島律夫頭取、JR水戸支社の雨宮慎吾支社長、県サイクリング協会の青山俊士専務理事の4人が就いた。

2016年11月、霞ケ浦湖岸を走る「霞ケ浦自転車道」と筑波山西側の旧筑波鉄道跡を走る「つくばりんりんロード」がつながり、全長180㎞の自転車道が全線開通して1年半が経ち、来訪する自転車愛好者が増えていること、今年3月、サイクリングを楽しむ拠点施設「りんりんスクエア土浦」が土浦駅ビルにオープンし、民間の気運が盛り上がってきたことなどから設立に至った。

これまで環境整備を進めてきた「水郷筑波サイクリング環境整備事業推進検討会」(県と沿線14市町村で構成)と、広域レンタサイクル事業に取り組んできた「水郷筑波広域レンタサイクル事業実行委員会」(県と周辺7市で構成)の2団体を統合し、新たに民間企業や民間団体が加わる。

今後は、つくば霞ケ浦りんりんロードを核に、霞ケ浦や筑波山地域のPRや誘客活動、サイクリング環境整備や広域レンタサイクル事業などに取り組む。

具体的には今年度事業として、統一ロゴデザインの制作とのぼり旗の作成、自転車愛好者向け土産品の開発、沿道の花植えなどのほか、コースを走破した人への認定証発行、スタンプラリーや写真コンテストの開催などを実施する。広域レンタサイクルは電動アシスト自転車を4台増やす。

会長の大井川知事はこの日、会場近くの霞ケ浦湖岸を自転車で走って総会に出席し、サイクリング推進への思いの強さをアピールし「官民一体となって取り組みを推進したい」などと強調した。

【土浦つくばエリア深堀り高校野球展望’18】5 継投でしのぐ湖北 小技絡め得点する土浦一

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精神的支柱の大﨑凌輔(土浦湖北)

今年も鍛え上げられた守備 土浦湖北

【伊達康】土浦湖北は秋季県大会1回戦で科技学園日立に敗戦。春季県大会は準決勝まで進んだ水戸商に2対3と惜敗してDシードとなった。シード権を獲得したものの、常磐大高や東風、下妻二、水戸癸陵など、今大会で最も有力校がひしめく激戦必至の第2シード明秀学園日立ゾーンに入った。初戦は13日午前10時から、ひたちなか市民球場で日立商と科技学園日立の勝者と対戦する。

春季大会で主戦登板した左腕の坪井優翔(2年)は最速120㎞と速度はないが、コントロール良く低めに集めて打たせて取るタイプだ。春の江戸崎総合戦では5回2/3を無失点に、茨城キリスト戦では6回を投げて被安打7で2失点に抑えた。しかし直前になって調子を落としているのが気になるところだ。

背番号1の右腕・川下颯真(3年)は最速125㎞のストレートとスライダーで組み立てる。夏は川下が主戦登板することになりそうだが、そのほかに左腕の富田昂紀(3年)や右腕の野口亮太(3年)、郡司翔琉(3年)などのマウンド経験者が控えており、目先を変えながら多数の投手の継投でしのぐことができるのが強みだ。

3番ショートで主将の大﨑凌輔(3年)がチームの精神的支柱だ。打線は5番の吉野哲平(3年)がけん引する。吉野は茨城キリスト戦で3安打2打点と躍動した。右打ちながらライト方向に力強く打ち返せる長打力が魅力だ。下位打線を打つ小野佳祐(3年)は打力を買われて1年夏にスタメンに抜てきされた実力派。好不調の波が激しいので下位打線に据えられているが、182㎝84㎏の恵まれた体格でツボにはまると一発がある怖い打者だ。

土浦湖北は今年も守備がよく鍛え上げられている。打たせて取るタイプの投手陣が低めにしっかりと集めて守りからリズムを作り、ロースコアの接戦に持ち込めば上位進出の可能性は十分にある。

投手は2枚看板誇る 土浦一

土浦一は秋季地区予選代表決定戦で取手一に1対2で敗退、春季地区予選代表決定戦はつくば国際・福島に4安打に抑えられて1対3で敗退した。県大会出場ができなかったためノーシードで夏の大会を迎える。

初戦は9日午前10時からJ:COMスタジアム土浦で神栖と対戦。これに勝てば2回戦でいきなり山場を迎える。待ち受けるのはBシードの日立一だ。難敵である上に会場が日立一の地元・日立市民球場であるため日立一ファンで埋め尽くされることは間違いない。まずはホームで行われる神栖戦に全力で勝利し、アウェイの戦いに備えることが肝要だ。

打線は小柄な選手が並ぶが小技を絡めて得点に結びつける。下級生のときから出場経験豊富で確実な打撃が持ち味の3番・矢追駿介主将(3年)はセンター方向中心に弾き返す。4番の阿由葉光(3年)は170㎝81㎏でチーム一の長打力がある。5番の佐野翔(2年)は春のつくば国際戦で高めのストレートを強振してセンターに特大のホームランを放った。

投手は左腕の大松崎智也(3年)と右の本格派・古宮学樹(2年)の2枚看板を誇る。大松崎は最速130㎞の球威でぐいぐい押していく。気持ちの強さを全面に出す熱い投球スタイルだ。古宮は曲がりの大きな緩いカーブを武器とする。角度を生かしたストレートと組み合わせて凡打を打たせる。

4番ファーストの阿由葉光(土浦一)

 

つくばで小中学生将棋大会 8月11日 参加者募集

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昨年の「つくば小中学生将棋大会」の様子(筑波大学将棋部提供)

【大志万容子】筑波大学将棋部が主催する「つくば小中学生将棋大会」が8月11日、つくば市吾妻のつくばイノベーションセンター大会議室で開かれる。現在、参加者を募集している。

同大会は年1回開かれており、今年で4回目。放課後の小学1~3年生を対象にボードゲームで交流を図る市内のサークル「つくばボードゲーム愛好会」で、子どもたちに将棋を教えている同将棋部の学生らが企画した。

「つくばには小中学生向けの将棋教室がない。子どもたちに将棋に触れ合う場を作りたいというのが狙い」と同部長の小山寛人さん(21)。藤井聡太七段の活躍もあり、最近は将棋のやり方や技を教えてほしいという子どもたちの熱意も高まっているという。

小山さんは「今年は参加枠を24人から32人に増やした。皆さんの応募をお待ちしています。一緒に将棋を楽しみましょう」と参加を呼びかける。

◆将棋大会は小学4年~中学3年までが対象、形式はスイス式トーナメント。事前申し込みが必要(定員32人、先着順、市内外不問)。参加費は1000円(当日集金)。当日は午後0時30分に受け付け、同1時から対局開始。同大会HPのフォーム(https://tsukubashogi.github.io/Tsukusho2018/about.html)から申し込む。問い合わせは、同将棋部(メールtkb.shogi@gmail.com)、HPは(https://tsukubashogi.github.io/Tsukusho2018/index.html)。

小学生議員が一般質問 土浦市子ども模擬議会

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子ども模擬議会で市執行部に質問する子ども議員=土浦市議会議場

【谷島英里子】土浦市内の小学生が市議会議員にふんして、疑問や意見を発表する「子ども模擬議会」が5日、同市議会議場で開催された。市内17の小学校の代表が議長や議員役、記者役などを務め、定例会の一般質問と同じ形式で中川清市長や井坂隆教育長らに質問した。

子ども議員から「集中豪雨や災害時の対策」「小中一貫教育の良いところ」「給食の栄養」など幅広い質問が出された。2019年秋に開催される、いきいき茨城ゆめ国体に向けた市の協力についての質問に中川市長は「おもてなしとして、選手や監督、観客を迎えるための花の育成や各競技場に飾るのぼり旗の作成を小中学生にお願いしたい」となど答弁していた。

神立小6年、鈴木心音さん(11)は「議場に上がった時はとても緊張したけれど、しっかり話せて良い経験になった」と話していた。記者役の同小6年、宮本朔良さん(11)は「答弁している言葉を全て書きとるのは難しいと感じた」と語った。

子ども模擬議会は、行政と議会の役割を理解し、市に関心を持ってもらおうと1991年から実施している。

市執行部の答弁を真剣な表情で聞く子ども議員=同

 

「土浦音頭」響かせたい 七夕に7カ所で街頭公演 桜川芸者学校

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七夕の街頭公演に向け練習する桜川芸者学校の出演者ら

【鈴木宏子】土浦の名所や風物を歌った昭和初期の新民謡「土浦音頭」を街中に響かせたいと、七夕の7日、同市の中心市街地7カ所で「粋な七夕まつり」が催される。土浦の歴史や文化を掘り起こしまちおこしをする演劇公演「桜川芸者学校」の出演者らが、当時、土浦で一番人気だった芸者、君香の物語を展開しながら、街頭7カ所で土浦音頭を舞い踊る。

正午ごろ土浦駅前をスタート、中心市街地を下り、土浦音頭に歌われた土浦城(亀城公園)に向かう。7カ所は▽土浦市役所うらら大屋根広場(正午ごろ)▽アルカス土浦1階入り口(午後0時30分ごろ)▽古書店「つちうら古書倶楽部」店内(1時ごろ)▽モール505野外ステージ(1時30分ごろ)▽土浦名店街(2時ごろ)▽古民家カフェ「城藤茶店」店内(3時30分ごろ)▽亀城プラザ前(4時ごろ)と市立博物館前(4時30分ごろ)。

つくば市の脚本家、冠木新市さん(66)が代表を務めるまちおこし団体「スマイルアップ推進委員会」が主催する。冠木さんらは2016年、土浦音頭を掘り起こし、亀城公園前の古民家カフェ、城藤茶店(同市中央)で土浦音頭をテーマにした演劇公演を開催し、新たな踊りで復活させた。

今年5月、土浦音頭がCD「日本の名城を唄う」(日本コロムビア発売、税込2500円)に収録され発売された(https://newstsukuba.jp/?p=6423)のをきっかけに、もともとあった中心市街地7カ所で公演する構想を実現させる。

土浦音頭は昭和初期に、土浦芸者組合の関係者らが、下妻市出身の詩人、横瀬夜雨に作詞を依頼して制作した。当時の名妓、君香がSPレコードに歌を吹き込み、東京の三越や松坂屋ホールなどで踊ったとされる。君香はその後突然、芸者を引退し、土浦でワカサギを売り歩いたり、東京に闇物資を運ぶ担ぎ屋となって働き、1943年結核で死去した。7カ所の街頭公演では、君香の人生の断片が少しずつ明かされるという。

冠木さんは「これをきっかけに、駅前だけでなく土浦の中心市街地に人の流れができれば」と話す。

◆7日(土)の街頭公演はいずれも観覧無料。雨天決行。詳しくは電話090-5579-5726(冠木さん)。

【土浦つくばエリア深堀り高校野球展望’18】4 ナンバーワン左腕を擁するつくば国際

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県ナンバーワン左腕の福島脩馬

【伊達康】つくば国際は昨秋の地区大会代表決定戦で夏の4強バッテリーが残る藤代に勝利し、一躍注目の存在となった。しかし秋季県大会では初戦で水城に5対8であえなく敗戦。快進撃とはいかなかった。春季県大会では1回戦で県西の雄・下妻二を5対1で退けると、2回戦は霞ケ浦に2本のホームランを浴びるなど、じりじりと得点を重ねられ1対6で敗退した。

秋と春の県大会出場と春の県大会1勝でシードポイントを獲得したことで、この夏をDシードとして迎える。初戦は13日に県営球場(水戸市)で、岩瀬真壁筑波と結城一の勝者との対戦だ。

躍進の原動力となっているのは、下級生の時から主戦級として起用されていた左腕の福島脩馬(3年)だ。福島は173㎝85㎏の重量感のある体から繰り出す最速142㎞のストレートとキレ味鋭いスライダーを武器とする。力の抜きどころを使い分ける投球スタイルが特徴だ。下位打線には緩いストレートで簡単に追い込み、ピンチで高速スライダーを多投する上手さを持ち合わせており、公式戦のほとんどを一人で投げ切っている。現時点で県内ナンバーワン左腕と評して間違いない。

また、打っては4番を任され、確実性は正直言ってないが、右足を高く上げて踏み込み、豪快なスイングでスタンドを沸かせる。秋の藤代戦では福島が完投し、福島が勝ち越しソロホームランを放って勝利した。福島が投打で存在感を発揮すれば、夏はジャイアントキリング(番狂わせ)も現実味を帯びてくる。

そのほかに、2番の佐藤彰眞(3年)は春の下妻二戦でスリーランホームランを放っており甘く入れば一発の怖さがある。

つくば国際の春の戦いぶりからは走塁面と守備面でミスが多い印象が拭えなかった。守備のミスをなくし、取りこぼしのない攻撃ができるように進化してくれたなら夏は上位進出の期待が持てる。

つくば国際の元気印・佐藤彰眞

ライトオン 本店ビルを売却 店舗は営業継続 つくば駅前

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売却されるライトオン本店ビル=つくば市吾妻、TXつくば駅前

【鈴木宏子】カジュアルウエア専門店「ライトオン」が、つくば駅前のつくば本店ビル(同市吾妻)を売却する。2階店舗は売却先から賃貸し引き続き営業するという。

売却先は不動産業を営む国内法人だが、先方の意向により公表しないという。売却価格は35億円。引き渡し予定日は今月31日。6月29日の取締役会で本社ビルの売買を決議し、同日付けで売買契約を締結した。同社は売却に伴う譲渡益3億7000万円を8月期決算で固定資産売却益に計上する。

売却理由は、原宿に事務所を新設し、今年4月、商品部など営業系部署を原宿本部に移転したのに伴い、本店ビル土地・建物の有効活用を図るためという。

本店ビルは7階建て、土地面積は約4600㎡、建物の延床面積は1万2750㎡。もともと1階が駐車場、2~3階が店舗、4~7階が本部だったが、5月に改装し、現在は店舗は2階のみ、3階が本部となっている。

つくば本店の南波龍司店長(32)は「つくば本店は、本店のみの限定商品をそろえている。今後も引き続き営業していくので、心配せず安心してご来店ください」と話している。

ライトオンは1980年に東京都杉並区高円寺でジーンズなどの小売業として始まり、つくば科学万博が開かれた85年につくば市に第1号店を出店した。同市での成功が同社発展の足がかりとなったことなどから88年につくば市に本部事務所を設置。現在のつくば本店ビルは2006年に完成した。

つくば駅周辺では西武筑波店やイオンつくば駅前店の撤退によるクレオの閉鎖、つくばセンタービル1階レストラン街からの飲食店全店の撤退などが相次いでいる。

同市竹園の40代主婦は「駅前がどんどん寂れていくので残念。ライトオンは地元企業だし、建物もおしゃれで冬のイルミネーションもきれいだった。つくば駅の利用者数は多いのにどうして商業施設が無くなっていくのか」などと話し、市内の福祉施設施設長、森健太郎さん(36)は「寂しい。つくば駅周辺は駐車場が有料なので、そこでしか買えない商品でないと市民は別の大型商業施設の方に行ってしまうのかなと思う」などと話していた。

【土浦つくばエリア深堀り高校野球展望’18】3 エースが球威増した土浦日大 2年連続出場なるか

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6月の招待試合で横浜高を相手に5回無失点に抑えたエースの富田卓

【伊達康】昨夏の覇者・土浦日大は昨秋2回戦で明秀学園日立に0対16の5回コールドで大敗を喫した。投手陣は4イニングで16本の安打とことごとく打ち込まれ、自慢の打線がエース細川拓也の前に散発3安打となす術なく、力の差を残酷なまでに見せつけられた。

「0対16」—。土浦日大はこの屈辱の大敗を示すスコアを練習場のスコアボードに常に掲げて冬練習に取り組んだ。その結果、春は準々決勝に進出。霞ケ浦に5対3で惜しくも敗れたが、一時は中盤に同点とし粘りを見せる底力を見せた。この夏はBシードとして2回戦から登場。13日にJ:COMスタジアム土浦で水海道一と牛久の勝者を迎え撃つ。

秋の時点でテコ入れの必要を感じたのが投手陣だった。しかし、一冬越して順調に成長しているように思う。春の準々決勝・霞ケ浦戦で登板を回避したエース右腕の富田卓(3年)は、6月3日に行われた横浜高との招待試合で最速138㎞を記録。立ち上がりこそ四球を連発したが失点はなく、馬力のある投球で5回を3安打無失点に抑えた。1年春から緩いボールをひょうひょうと投げている印象だった富田だが、冬を越えてチェンジアップとストレートのコンビネーションがズバズバ決まるパワー型投手に見事にシフトチェンジできた。もともと打力に力がある分、エース富田の成長によって土浦日大は優勝争いに絡む戦力を有したといえよう。

2番手格の荒井勇人(2年)は左サイドからクロスファイアーで攻め込む癖のある投球をする。荒井は秋の明秀学園日立戦で先発を任されたが、一死しか取れず3失点でマウンドを富田に譲った。しかし、春には好投を続けて霞ケ浦や横浜高に対して好投を見せている。

打線は下級生の頃から主軸を担ってきた鈴木健太(3年)と井上莞嗣(3年)が鍵を握る。

鈴木健太はスイングスピードがずば抜けて速く広角に打ち分けることができる強打者だ。また俊足で内野安打も多い。強打で俊足の外野手として活躍した5つ歳上の兄・諒氏を彷彿させるキャプテンシーも見逃せない。

井上は高校通算ホームラン20本の長距離砲だ。春の準々決勝・霞ケ浦戦では3点ビハインドの6回に同点スリーランを放ち存在感を示した。秋の明秀学園日立戦ではライトで手痛いエラーを記録。今春からはサードに固定され、猛練習でそつのない身のこなしができるようになった。3番手としてマウンドに上がることもあり、角度を生かした最速135㎞のストレートとチェンジアップで打者を打者を打ち取る。ただ、コントロールには若干の不安が残る。

主将で一発のある鈴木健太

【土浦つくばエリア深堀り高校野球展望’18】2 本格派2年右腕が復帰 春4強の霞ケ浦

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故障から復帰した鈴木寛人。来年のドラフト候補だ

【伊達康】霞ケ浦は昨秋県準優勝で関東大会1勝、今春は県準決勝で常総学院に敗れ第3シードとなった。12日に行われる2回戦から、奇しくも場所はJ:COMスタジアム土浦でライバル常総学院の試合終了後に鬼怒商と玉造工の勝者と初戦を迎える。

霞ケ浦の屋台骨を支えるのは、1年春からスタメン出場を果たしチームを牽引し続けるセカンドの小儀純也(3年)とキャッチャーの鈴木和樹(3年)だ。

小儀はセカンドの名手として県トップの実力を持つ。ゴロへの入り方が秀逸で型にはまらない独特の捕球ポイントを持っている。大学生レベルの守備は必見だ。さらに打っては身長170㎝に満たない小柄ながらミート力が抜群で高打率をマークしている。特筆すべきは試合中盤に発揮する勝負強さだ。秋の準決勝・日立一戦では0対1でリードされた6回裏・二死一塁から同点に追いつくタイムリーツーベースを、春の水城戦では1対1で迎えた5回裏・二死二、三塁から、勝ち越し2点タイムリースリーベースを放つなど、もつれる場面で頼りになる活躍を見せている。

鈴木和樹は下級生ながら根本薫(オリックス)や遠藤敦志(広島)などプロ入りを果たした先輩投手の女房役を務め実戦経験が豊富。卓越したキャッチングとインサイドワークに優れた好捕手だ。巧みなワンバウンド処理でフォークやチェンジアップなどの縦系変化球を決め球とする霞ケ浦投手陣の力を存分に引き出し、主将としてもチームを牽引する。

また、横田祥平(3年)を打撃陣のキーマンとして挙げたい。昨秋は背番号2桁で下位打線を打っていたが要所で見事な活躍を見せ、今春は背番号5を獲得して打線の中軸を担うようになった。春の準々決勝・土浦日大戦では6回に貴重な勝ち越しタイムリーを放ち勝利に貢献した。

投手陣は右腕の福浦太陽(2年)と春季大会以降に怪我から復帰した鈴木寛人(2年)、さらに海野京士郎(3年)など、いずれも右腕で最速140㎞を超える力のある投手がそろう。

福浦は春季大会で背番号1を付けて4強入りの原動力となった。最速139㎞のストレートとフォークで打者を手玉に取る。

昨秋の関東大会で鮮烈な公式戦デビュー登板を果たした鈴木寛人は長身で手足が長く高卒即プロ向きの潜在能力の高い好投手だ。怪我の影響で春は登板を回避したが、6月17日に行われた明豊(大分)との強化試合では先発を任され最速141㎞を記録。まだスタミナ面で不安を残すもののエース級投手の復活は夏に向けて弾みとなる。来年のドラフト候補としても注目の逸材だ。

反対に海野はずんぐりな筋肉質の体型だ。投手陣の中で唯一の3年生として捕手の鈴木和樹との相性もよく器用にストライクを出し入れできる。最速142㎞の剛球投手でありながら打撃力も高いので、打力を生かした野手起用もある。

そのほかに技巧派左腕の中田勇輝(2年)も控えている。

投打でチームを牽引する小儀純也

【土浦つくばエリア深堀り高校野球展望’18】1 強力打線で3年ぶり甲子園目指す 常総学院

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県大会4本塁打の二瓶那弥

【伊達康】7日に第100回全国高校野球選手権茨城大会が開幕する。土浦・つくばエリアは有力校が多数ひしめく。注目校8校を6回にわたって紹介する。

春の県王者・常総学院は12日の2回戦から登場。J:COMスタジアム土浦で佐竹と海洋の勝者を迎え撃つ。史上最強ともいわれる強力打線を武器に第1シードとして3年ぶりの甲子園出場を目指す。

昨秋県準決勝で明秀学園日立に1点差で敗れた悔しさをバネに、冬場のトレーニングで徹底的に打撃を強化して多くの選手の打撃が開眼。レギュラーメンバーの全員が高校通算2桁ホームランを記録している。6月の練習試合では仙台育英や聖光学院など全国レベルの強豪校に競り勝ち好調を維持していたが、6月30日の作新学院戦では5安打完封負けと自慢の打線が振るわず不安を残す結果となった。

打線は力のある選手が並ぶ。上位を打つ主将の二瓶那弥(3年)は春季県大会で4本のホームランを記録した強打者だ。明秀学園日立との決勝では途中出場したエース細川拓也(3年)からダメ押しのホームランを放ち、春の県内チームで唯一、細川から得点を奪った。

同じく上位打者の水野勢十郎(3年)は関東大会で関東学園大附と東海大相模からホームランを放ち15打数9安打と4強入りに大きく貢献した。

3番の斉藤勇人(2年)、4番の藤川寿真(3年)、5番の菊田拡和(2年)の中軸はいずれも180㎝80㎏を超える迫力ある体格の打者が並ぶ。

斉藤は準決勝の日大三戦で特大ホームランを放つなど2戦連発のアーチをかけて躍動した。藤川は変化球への対応力が高い好打者。チャンスに強く追い込まれてからのしぶとい打撃が持ち味だ。菊田はとてつもない飛距離を誇る長距離打者だ。県準々決勝の取手一戦と関東大会準決勝の日大三戦でバックスクリーン弾を放った。その後の練習試合でもホームランを量産している。その他に調子に応じてスタメン起用される大久保龍成(3年)や、代打の切り札・野澤翔(3年)も恵まれた体格から逆方向にホームランを打てる力を持っている。

投手陣はスライダーが武器の谷田部健太(3年)と、剛球とチェンジアップのコンビネーションでねじ伏せる岡田幹太(2年)のいずれも最速140㎞を超える右腕2枚看板を軸に春の大会を勝ち上がった。春の勝ち頭・谷田部は完投するスタミナが十分に備わっており、大会を通じてエースの風格が漂う頼れる存在となった。ただ、最近の練習試合では調子を落としており、谷田部の復調が常総学院優勝の絶対条件だ。下級生の岡田は関東大会準決勝・日大三戦で救援登板も打ち込まれて敗退した経験を糧にさらなる成長が期待される。さらに春はベンチ入りをしていなかったが、最速142㎞を誇る塙雄裕(2年)や試合をつくる能力が高い菊地竜雅(1年)といった下級生投手が練習試合で台頭しており、夏の戦力としてベンチ入りが濃厚だ。

エースの谷田部健太

つくばFCレディース、今季初の2連勝 男子は惜敗

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【つくばFCレディース―新潟医療福祉大学女子サッカー部】前半9分に先制点を決めた菊地さやかを囲むつくばFCレディースの選手たち(青のユニフォーム)=つくば市山木のセキショウチャレンジスタジアム

【崎山勝功】サッカーチーム、つくばFCの本拠地、つくば市山木のセキショウチャレンジスタジアムで6月30日、女子と男子のアベックホームゲームが開かれた。なでしこチャレンジリーグのつくばFCレディースは1―0で今季初の2連勝を挙げた。男子サッカー関東リーグ1部のジョイフル本田つくばFCは惜敗した。

女子 FW菊地が先制

つくばFCレディースは新潟医療福祉大学女子サッカー部(新潟県)と対戦した。試合は前半9分、つくばFCのFW菊地さやかが先制点を決めた。新潟は巻き返しを図るものの、GK中橋まりなの堅守で失点を許さなかった。後半は双方とも相手陣営を攻めるも得点に結びつかず、こう着状態が続いた。つくばFCは守備を固めて失点を許さず後半を乗り切った。

2連勝の立役者となった菊地は「今季初のホームでの2連勝。(次戦の)アウェイでも連勝したい」と話した。無失点に抑えた中橋は「2試合連続で無失点で終われたのは初めて。チーム全員で守ることができた。残り2試合を無失点で、相手から点を取って勝ちたい」と意気込みを見せた。

同FCの今季の通算成績は現時点で3勝8負2分けと最下位の6位。リーグ戦残り2試合で浮上できるかが焦点だ。主将のDF大木汐は「まだ(リーグ戦後の)中位リーグに行ける可能性があるので、残り2試合も勝てるようにしたい」と語った。

男子 前半シュート4本放つ

【ジョイフル本田つくばFC―ブリオベッカ浦安】前半、相手ゴールを攻めるつくばFCの齊藤拓哉㊧=同

男子のジョイフル本田つくばFCはリーグ第8節の試合で、ブリオベッカ浦安(千葉県)に0―1で惜敗した。通算成績は4勝2敗1分の3位。

つくばFCは前半、4本のシュートを放ち浦安陣営を攻めるも、相手GKに阻まれて得点を得られず、0―0で折り返した。後半もこう着状態が続いたが、後半23分に浦安に先制された。その後も試合の流れを変えることができないまま試合終了を迎えた。

試合後、小松祐己監督は「相手は一人一人がうまいので、ある程度ボールを持たれる展開は予想していた。後半は失点したが、選手が最後まで勝ちに行ったので次につなげていけると思う」と語った。次節は7月8日午後5時から同スタジアムで、流通経済大学FC(龍ケ崎市)との「茨城ダービー」が行われる。

「んだボーイ」に決定 いばらき応援マスコット

ジョイフル本田つくばFC―ブリオベッカ浦安戦のハーフタイムで、マスコットの名称「んだボーイ」を発表する、デザイナーのふるやまなつみさん(右端)と、つくばFCスタッフら=同

つくばFC(つくば市稲岡)と地域住民らがつくり出した、いばらき応援マスコット「いばらきを愛するワンダフルボーイ」の名前が6 月30日、「んだボーイ」に決定した。同FCらが「プルプルたまごプロジェクト」で誕生させ、6月30日のホームゲームで発表した。今後は県内企業のPRなどに登場する予定で、同FCは「いろんな企業に使ってもらえたら」と話している。

名前は6月3日から24日まで公募し、約110通の中から、東京都のタシロミノリさんの作品に決まった。タシロさんは「茨城県の『んだ』という方言がかわいいと思った」と理由をコメントしている。同FC広報部の藤井志保選手=つくばFCレディース所属=は「つくばとかサッカーとかではなく、茨城の皆さんに愛される名前として『んだボーイ』に決めた」と説明する。

車いすバスケ体験会 つくばで7月15日

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車いすバスケットボール体験会のようす(つくば市提供)

【谷島英里子】つくば市は2019年の茨城国体と全国障害者スポーツ大会に向け、来月15日、障害者スポーツの魅力を広く知ってもらうイベント「パラスポーツ体験会」を同市金田の桜総合体育館で開催する。市は参加者を募集している。

体験会はつくばが開催地になる「車いすバスケットボール」がメーンで、シッティングスポーツ協会副理事長で、女子車椅子バスケットボール元日本代表監督の橘香織さんらが講師を務める予定だ。定員は50人で対象は小学生以上。受講料は100円で当日支払う。

このほかに、自由に参加できる種目もあり、ハンドアーチェリーや卓球バレー、ボッチャ、ブラインドサッカーのシュート体験が楽しめる。服装はTシャツやジャージなどの動きやすい格好で、室内用運動靴、タオル、飲み物を持参する。

国体推進課の吉井祐二さんは「障害の有無に関わらず気軽に参加していただいて興味を持っていただければ」と話している。
問い合わせは同課(電話029・883・1111)まで。

※メモ
【車いすバスケットボール】ルールやコート、リングの高さ、ボールなど一部を除いては一般のバスケットボールと変わらない。ダブルドリブルがないこと、障害の程度によって1~4.5点の持ち点があり、選手5人の合計を14点以内にしなくてはならないことが特徴。

車いすバスケットボール体験会のようす(同)

 

 

【訃報】大豊商事会長、三谷章氏が死去

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三谷章氏 2014年12月、つくば市花室の大豊商事会長室で撮影

大豊商事(本社つくば市)の三谷章(みたに・あきら)会長が28日午後1時、リハビリ施設で死去した。死因は前立腺がん、81歳だった。

三谷氏は豊里町(現つくば市)に生まれ、若いときから不動産ビジネスに従事。1972年に創立した大豊商事の社長を長く務めた。80年代~90年代前半、日本中がバブル経済に沸いたときには業績を延ばし、茨城県南の不動産王と言われた。

2014年9月から翌年1月にかけ、常陽新聞(2017年4月休刊)のインタビュー企画「レジェンドが語るバブルの断章」(6回連載)に応じ、バブル時代の思い出を縦横に語った。インタビューを担当した経済ジャーナリスト・坂本栄氏は「当時の雰囲気、バブルの実態、銀行の動きがよく分かり、大変愉快だった」と語った。

葬儀は7月1日午前10時半から、つくば市玉取1766の「つくばメモリアルホール」で行われる。喪主は娘婿の利光(としみつ)さん。

水墨画のような光の重なりと奥行き 小倉康男さん写真展「和紙に写し込む」

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自作がラベルに使われたワインボトルを手にする小倉さん=つくば市豊里の杜・ギャラリー夢工房
シャガの新芽をとらえた「一筆」

【池田充雄】つくば市豊里の杜のギャラリー夢工房で小倉康男さんの写真展「和紙に写し込む」が開かれている。展示作品は20点。モノクロが中心で、うち16点は和紙にプリントした。

ピントの浅いレンズを使い、ボケを生かして撮るのが小倉さんのスタイル。3年ほど前に和紙に出会い、表現にいっそうの広がりが出た。「やわらかさが違う。普通の焼き方では出ないものが出て面白い」と小倉さん。

作品の一つ「一筆」は、10センチほどに伸びたシャガの新芽をクローズアップでとらえたもの。何本も立ち上がった細い葉の、そのほとんどを白く光の中に溶かし込み、1本だけを際立たせた。タイトル通り、一筆でスッと掃いたような仕上がりは、抽象デザインのようでもある。

2点ある「いわがらみ」は、まったく対照的。1点は、葉の中央では葉脈までも繊細に解像し、外側へ行くに従ってやわらかくボケが広がっている。もう1点は、にじませた濃墨を思わせる深いぼかし。ピントはもはやどこにも合っておらず、深い霧の向こうに置かれたようなたたずまいがある。

小倉さんの職業は表装師。仕事を通じて横山大観の真筆などにも接した。そこから水墨画の、墨の濃淡だけで光の具合や空間の奥行きまでも描くさまに魅せられ、写真に取り入れてみようと思い、それが今の作風の始まりになった。

仕事のため決まった休みが取れず、自然と身の回りの風物へ目が向くようになった。特に、奥さんが育てた庭の山野草は大切な被写体だ。「鉢を少しでも動かすとバレてしまう」とスリルもある。このスタイルを貫いたおかげで、病を得てからも撮り続けられている。

身に付けた技術を生かし、額装にも一工夫。マット(作品を縁取る台紙)には、和紙を手でもんで細かいしわや折り目を付け、スプレーで着色。塗料の乗り方やしわの具合により、一つひとつに異なる表情が見られる。75歳、筑西市在住。

◆会期は7月3日(火)まで、午前10時30分~午後5時30分(最終日は3時まで)、つくば市豊里の杜2-2-5ギャラリー夢工房(電話090・4676・9623)。入場無料

中央の繊細さとボケが対照的な「いわがらみ」

市民11人が「つくば市財政白書」作成

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「つくば市の財政白書」を発行した野本高志代表㊧と古久保みどりさん

【鈴木宏子】つくば市民11人がこのほど、市の財政事情を約1年半かけて調査・分析し、財政白書にまとめ上げた。「市民がつくったつくば市の財政白書」(A4判カラー、114㌻、700円)で、市民団体「つくば市民による財政白書づくりの会」(野本高志代表)が発行した。

市民が支払っている一人当たりの税金や、市が使っている福祉、教育、公共事業、職員の人件費など43項目について102のグラフを使って分かりやすくまとめている。2005年度から15年度まで11年間の変化のほか、15年度の財政を、近隣の土浦や守谷市、つくば市と面積や人口が近い甲府市、つくば市と同じ特例市39市の平均などと比較しているのが特徴だ。

つくばエクスプレス(TX)沿線開発により人口が急増しているつくば市の財政規模は、住民一人当たりに換算すると34万2000円で、全国814市区平均より9万5000円少ないこと、市の収入は、市民税や固定資産税など市が自由に使える地方税の割合が55%と、他市と比較して財政の自由度が高いことなど、市の財政は「今のところ比較的しっかりしている」(野本代表)ことなどが浮かび上がった。

一方、市の支出全体に占める職員などの人件費の割合が、他市と比べ高いことなども分かった。白書は、つくば市は面積が広く、安全を守る消防署の職員数を減らせないなど行政サービスを行き届かせるための人件費が多くなる事情もあると分析している。

総合運動公園問題きっかけ

2015年、総合運動公園の賛否を問う住民投票が行われたことが白書作成のきっかけ。市の財政はどうなっているのか、自分たちの税金がどう使われているのかに興味をもった市民らが、翌16年、市民による財政白書づくりで知られる多摩住民自治研究所の大和田一紘さんを招いて勉強会を開催した。さらに17年1月から毎月2~3回、計20回勉強会を開いて白書をまとめた。

野本代表は「現在、市の財政は他市に比べて有利な状況だが将来もそうだということではない。どういうつくば市であるべきか、何を優先すべきか、市民が議論する際の基礎にしてもらえれば」と話している。

◆発行を記念して同会は30日(土)午前10時から、つくば市吾妻、つくばイノベーションプラザで出版記念の集い「市民が財政白書をつくりました!」を開催する。参加費無料。問い合わせは電話029・859・0264(同会)

6校のブロック塀が不適合 つくば市 撤去しフェンスに

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プール周囲ブロック塀=つくば市篠崎、大穂中学校

【鈴木宏子】大阪北部地震で小学校プールのブロック塀が倒壊し女子児童が死亡した事故を受けて、市が市内の幼稚園、小中学校などのブロック塀を点検したところ、6校が建築基準法に違反し不適合であることが分かった。27日、市教育局が調査結果を発表した。

プール周囲のブロック塀が不適合なのは、沼崎小、今鹿島小、大穂中、豊里中、谷田部中の5校、前野小はグラウンドの球技練習用あて壁が不適合だった。いずれも建築基準法で定められている最大高さ2.2mを超えている。このうち今鹿島小と大穂中のブロック塀は通学路や歩道に面しているという。

高さ3.9mのブロック塀が長さ約30mにわたって設置されている大穂中は「東日本大震災で校舎や体育館の一部が損傷したがプールのブロック塀は何ともなかった。今回の点検で不適合ということなので、撤去されるまで、生徒が塀に近づかないよう安全に留意したい」とする。プールを使用するか否かは各学校ごとの判断で、同中は安全に配慮しながらプールの授業を行うという。

市教育局は今後、早急に6校のブロック塀を撤去しフェンスに代える予定という。フェンスには必要に応じて目隠しなどをするという。

門脇厚司教育長は「今回の点検に基づき、早急に改修を進め安全確保に努めて参ります」とのコメントを発表した。

土浦は4校が不適合

一方土浦市は、点検の結果、4校のブロック塀が不適合であることが分かった。高さ2.2mを超えるブロック塀は無かったが、いずれも校門の門柱につながる袖壁に、直角に突き出して補強する控え壁が設置されてなかった。

4校は、下高津小、大岩田小、荒川沖小、土浦四中。ほかに廃校になった宍塚小の門柱の袖壁も不適合だった。一方、いずれも、ひびや傾き、ぐらつきなどはないという。同市教育委員会は今後、速やかに撤去しネットフェンスを設置すること等を検討するとしている。

※メモ
【ブロック塀の建築基準法規定】規定は最大高さ2.2m、ブロックの厚さは2mを超える場合15㎝以上、高さ1.2mを超える場合は長さ3.4mを超えるごとに控え壁を設置する-などの規定があり、不適合なブロック塀は違法建築物となる。

《シルバー団地の挑戦》4 自治会と学校の新たな共助㊦ ウサギの餌やり

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飼育舎でウサギに餌をやる野球部のメンバーたち。右が森山志郎部長=つくば市小茎

【橋立多美】高齢化が課題のつくば市の森の里団地は市立茎崎第三小学校と隣り合っている。同小で飼育されているウサギの日曜日の餌やりを、同団地自治会スポーツ部の部員たちが受け持っている。学校は地元住民の貢献に報いたいと、空き教室を地域で活用してもらう準備を進めている。

同校はプール脇の飼育舎でウサギ3匹を飼っている。週末の餌やりを教職員が交代でやってきたが、休日を授業の調べものや準備に充てる教職員にとって負担になっていた。

今春着任した鮏川誠校長は、学校運営に協力的な自治会長の倉本茂樹さん(75)に相談を持ちかけた。自治会は2代前の校長時代から、花壇やプランターの花植えや水やりをしてきた。

相談を受けた倉本さんは、日曜にバットの快音を響かせて同校校庭で練習をしている、自治会文化部所属のソフトボール部と軟式野球部の部長に打診した。両部とも「責任もってお世話します」と快く引き受けてくれた。

両部が1カ月交代で餌やりをし、市体育協会主催の大会出場と重なった場合はもう一方の部が担当するなど、協力し合って小さな命を守っている。練習できない雨の日は担当月の部員が順番で餌やりをし、晴れた日は花壇とプランターの水やりも忘れずに行っている。

6月の餌やり担当は軟式野球部だった。与えるのは市販のウサギ用餌だが、5、6年生による美化飼育委員会が全校生徒に呼びかけて集めたニンジンやキャベツが餌箱に添えられていることもある。部長の森山志郎さん(70)は「世話していると、かわいいよなぁ」と相好を崩す。

団地住民と同校との連携について倉本会長は、「学齢期の子どもがいる若年層が一斉に入居した翌年(1980年)春に第三小が開校した。住民には、自分の子どもを育ててくれた学校という共通の思いがある。私の意識の中では森の里団地立茎三小という気持ちがある」と語る。

一方、県内のさまざまな公立学校を赴任してきた鮏川校長は「団地住民の学校への関心の高さと代償を求めない姿勢に驚いた」と感慨深げに話した。学校も地域のために貢献できることをしようと、準備が進められているのが空き教室を開放し、住民が気軽に語らったり学習できる場の提供だ。校長は「世代間交流が生まれ、児童たちが思いやりの心を育むことにつながる」と話している。(終わり)

野球部と交替で餌やりをしているソフトボール部の部員たち

 

世界最大の花開花 筑波実験植物園

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上から見たショクダイオオコンニャク=つくば市天久保、筑波実験植物園熱帯雨林温室

【鈴木宏子】世界最大の花、ショクダイオオコンニャクが26日、つくば市天久保、国立科学博物館筑波実験植物園で開花した。同園での開花は4度目。同じ株が4度も花を咲かせたのは国内初という。

高さは2m40㎝で国内の栽培記録としては3番目。開いた花の大きさは1m6㎝。動物の死骸に似た悪臭を放ち、虫を呼び寄せて受粉する。

インドネシア、スマトラ島の限られた場所にしか生えないサトイモ科の植物で、絶滅危惧種。2006年に小石川植物園(東京都文京区)から株を譲り受け、熱帯雨林温室で栽培を始めた。

12年に初めて開花。以後、2年ごとに花を咲かせている。これまで7年に一度しか咲かないと言われてきたが、同園によって覆され、1年おきに咲くことが立証された。同園の多様性解析・保全グループの遊川知久グループ長は「植物園スタッフの日頃の努力が実った」と話す。

今年は5月14日にこれまでで最も重い76㎏のコンニャクイモを定植した。同27日、地表に花芽が出て、6月26日午後0時50分に咲き始めた。花は3日目に閉じてしまうという。

開花を多くの人に見てもらおうと、同園は27~29日の3日間、朝夕の開館時間を延長し、午前8時30分から午後6時30分(入園は午後6時まで)まで開館する。開花までの成長の様子を見どころについては同園ホームページ(http://www.tbg.kahaku.go.jp/news/konnyaku/)で公開している。

◆入園料は一般310円。問い合わせは電話029・851・5159(同園)

開花したショクダイオオコンニャク。右は多様性解析・保全グループの遊川知久グループ長=同

《シルバー団地の挑戦》3 自治会と学校の新たな共助㊤ 登下校の見守り

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かわせみパトロール隊に見守られて登校する児童たち=つくば市森の里

【橋立多美】つくば市南部の森の里団地(約1300戸)は高齢化が顕著だが、体力と気力、そして現役を引退したことで時間のあるシルバーたちが、安心して子育てできる環境を守り、学校を支援する活動を続けている。その活動ぶりを上下2回で紹介する。

団地に隣接する、市立茎崎第三小学校に通学する119人の児童を見守る森の里防災・防犯自警団「かわせみパトロール隊」。不審者情報に注意を払いながら、子どもたちを危険から遠ざけている。

「おはよう」「行ってらっしゃい」。午前7時半すぎ、同校正門に近いバス通りの横断歩道や住宅の角で、緑色の帽子とベスト姿の十数人が、登校する児童に笑顔で声をかける。同小2年の女児の母親は「いつも子どもたちを見守ってくれる心強い存在。ありがたい」と話す。

同自警団は、地域ぐるみの活動で団地内の安全力を高めようと2010年12月に発足した。団員はシルバー世代の男女66人。全員に「防犯パトロール」の文字が入ったベストが貸与、帽子は配布され、パトロールには必ず着用する。倉本茂樹団長(75)は「団地の中をパトロールの服装をした人がいつも歩いていることが、犯罪の抑止力になる」。

活動は定時パトロール(午前8時、午後2時30分、午後5時)と犬の散歩などを兼ねた任意時刻のパトロールに分かれる。同小児童の登下校の見守りに重点が置かれ、午前8時のパトロール前に登校する児童を見守り、低学年の下校時間に当たる午後2時半からのパトロールは、往来が少ない通学路に目を光らせる。

登校時の見守りを担当する副団長の藤田広次さん(71)は「子どもたちと顔見知りになって元気をもらう。眼鏡を忘れたら『おじさん、きょう眼鏡は?』って。見守りは社会への恩返しで、雨風が強い日でも通学路に立つよ」。山田秀子さんは「森の里は安心して子育てできると言われたい」。

愛犬の散歩を兼ねて日に3回パトロールする工藤哲也さん(72)は「住民と顔なじみになったから見慣れない人はすぐ分かる。空き家や雑草が生い茂る区画には注意を払うようにしている」と話す。

110番の家 3分の1に

倉本団長の気がかりは、子どもが不審者に遭遇した際に助けを求める「110番の家」だ。かつて団地内には個人商店など善意の家が20カ所あったが、閉店や転居などで6カ所になった。児童委員などの職を離れた家に今も看板が掲げられており「早急に整理したい」と話す。また18日朝、大阪府北部を襲った地震で見守りの80歳の男性が亡くなったことに「身につまされる。団員の安全も大切な事」と気を引き締める。

県内で見守り活動が強化されたのは、2005年に栃木県今市市(現日光市)で下校途中の小1女児が殺害された事件だった。つくば市の自警団は4月1日現在、中央警察署管内に104団体、北警察署管内には11団体ある。ただメンバーの高齢化が課題となっており、主力メンバーを失って継続が危ぶまれている自警団もあるという。

三小の正門を通る児童たち。出迎えるのは鮏川誠校長