【鈴木萬里子】新極美術協会の公募展「第11回極美つくば展」が15日から、つくば市吾妻の県つくば美術館で開かれている。「アジアは一つ 夢、未来を結ぶ」をテーマに、アジア各国の作家による「富士山アート」や、アジアの子供たちの作品も展示されている。
主催の同協会はプロと優れたアマチュア画家で構成される。一般からの出品も多く、今回は油彩画、日本画、水彩画、工芸作品など70人による98作品が展示されている。
同協会は芸術・文化の国際交流にも力を入れている。今回もバングラデシュを始めアジアの作家による「富士山アート」41作品が展示されている。富士山の写真を見て自由な発想で描いた作品で、富士山を背景にライオンやゾウが描かれている作品もあり、色彩や構図など興味深く描かれている。また「アジアは一つの世界」と題し、ミャンマー、ネパール、モンゴルなどと日本の子どもたちの作品61点も展示されている。

出品作品の最高賞「つくば美術館賞」は山田浩子さんのKISSと題したランプシェードの工芸作品が受賞した。深みのある赤色のバラが描かれ、やさしい光が注ぐ。
昨年から創設された「つくば市長賞」は細海哲也さんの、あでやかな色彩で表現した水彩画「湿原の秋」が受賞した。協会の副理事長で選者の一人、串田栄一さんは「将来を見据え頑張れる人を応援したい。良い意味で競い合える人を選んだ」と話してくれた。
筑波大生の横沢佳奈さんは、日本画を専攻していた友人の橋本茉季さんと来場した。「以前個展で見た作家の作品を観に来た。心に響く作品が多い」と話した。橋本さんは「アジアの国々の人が描く富士山は、日本人とはとらえ方が違ってとても面白い」と話していた。
◆会期は20日(日)まで。入場無料。開館時間は午前9時30分~午後5時(最終日は3時まで)。問い合わせは県つくば美術館(電話029・856・3711)。