【崎山勝功】霞ケ浦湖畔の環境を保全するために、大手スーパーのカスミ(本社つくば市西大橋)は10日、霞ヶ浦市民協会(土浦市中央)と共催で「霞ケ浦湖岸ゴミ拾い」を行い、同社の従業員ら104人が参加して、土浦市滝田の蓮河原漁港から桜川河口周辺にかけて放置ごみの回収に当たった。同社は2017年11月に初めて湖岸清掃に取り組んで以来、今回で3回目。
従業員たちは、ごみ袋を片手にヨシなどが生い茂る湖岸に向かい、散乱した空き缶やペットボトル、農業用ビニールなどのごみを回収した。中には不法投棄されたブラウン管テレビや自転車などの粗大ごみが捨てられており、従業員たちは協力しあって回収した。自転車の回収に当たった同社グランプルシェ(LALAガーデンつくば内店舗)の倉持雪夫さん(53)は「びっくりした」。同じく自転車の回収に当たった同社千代田店の中村真希さん(31)は「自転車が捨てられているとは思わなかった」と、それぞれ話した。
「泳げる霞ケ浦」を目指し、市民の立場から幅広い活動を行っている霞ヶ浦市民協会の滝下利男理事(71)は、「水際が一番ごみがたまる。特に植物があるところにはごみが波で打ち寄せられる」として、湖岸に自生するヨシがフィルターの役割を果たしている状況を説明した。その上で滝下理事は「(霞ケ浦に)流入する河川からごみが運ばれてくる。台風や増水のときがひどい」と明かした。
ごみ拾いには同社の石井俊樹社長も自ら参加し、従業員たちと一緒にごみを拾った。石井社長は「(捨てられたごみは)ビニールやペットボトル、プラスチックストロー含め、日常の生活用品が多い。我々スーパーが販売しているものが消費者を通じてごみになる。我々が啓蒙活動としてごみを減らす活動をしないといけない」と話した。
同社では、レジ袋削減運動や食品用発泡スチロールトレーのリサイクル活動などに精力的に取り組んでいる。ごみ拾い運動の運営に当たった、同社環境社会貢献部の小島雅弘・社会貢献担当は「今回は河口側まで範囲を広げてやったので、その分多かった。これからも続けていく」と語った。