日曜日, 12月 28, 2025
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【どう考える?免許返納】11 急発進抑制装置 県交通安全協会が補助を開始

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新車は軽自動車も標準装備されている安全運転支援システムについて説明するホンダカーズ茨城南つくば花室店の広瀬裕一さん。正面のエンブレムの部分にレーダーが搭載されている

【鈴木宏子】高齢ドライバーによる交通事故が社会問題となり、東京都がブレーキとアクセルの踏み間違いによる急加速(急発進)抑制装置の9割補助を発表したことをきっかけに、踏み間違い事故を防ぐ後付けの装置が注目され始めた。

茨城県内でも9月1日から、県交通安全協会が後付けの急発進抑制装置の取り付け補助を開始した。県内在住の70歳以上の高齢者を対象に、取り付け費用の一部(同協会会員は1万円、非会員も2000円)を補助する。各警察署にある地区協会の窓口に、免許証や車検証、領収書などのコピーを添付して申請すれば、窓口で補助を受けることができる。同協会によるとスタートからほぼ半月の18日時点で、県全体で23人がこの制度を活用して装置を取り付けた。

踏み間違い 高齢になるにつれ増加

ブレーキとアクセルの踏み間違い事故は、高齢になるにつれて起こる割合が高くなり、さらに駐車場などで発生しやすいのが特徴だ。交通事故総合分析センターの交通事故分析レポート(2018年2月発行)によると、駐車場内では周囲の歩行者や他の車の動きに注意しながらハンドル操作やアクセルとブレーキの操作をする回数が増えるため、慌てたりパニックになってミスをしてしまうという。さらに体の柔軟性が低下している高齢者は、車をバックさせる際に上半身を後方にひねると、足先の位置がずれ、踏み間違いにつながってしまうのだという。

急発進抑制装置は、停止しているときや低速で走行しているときに、アクセルを強く踏み込んだ際の信号を検知し電気的にエンジン出力を制御する製品などがあり、3万円程度で取り付けできる装置もある。国交省は警報が鳴っても踏み続けると機能が解除されるとして装置の性能を理解するよう呼び掛けている。

「取り付け頼まれたことはない」

ただし現時点でつくば市周辺ではまだ普及していないようだ。同市上郷の自動車整備工場「柴原モータース」の柴原正妃さんによると「これまでお客さんとの会話の中で、高齢者の事故やブレーキとアクセルの踏み間違いなどが話題に上ることはあっても、後付け装置の取り付けを実際に頼まれたことはない」と話す。

同市若栗の自動車整備・塗装「CARドック進」も「装置についてお客様から質問されたことはなく取り付け経験もない」とする。「シニア運転手は、今乗っている車で終わりにするという人が大半で、近場での買い物と通院しか乗らないからか、保険は無駄を省いて安く設定したり、走行距離も総じて短くなっているためではないか」と推測している。

新車はシステムを標準装備

一方、新車の安全運転支援システムはここ数年、格段に進化している。自動車メーカーの販売店「ホンダカーズ茨城南」つくば花室店の広瀬裕一さんによると、現在発売されている新車は、軽自動車も含め安全運転支援システムが標準装置されている。ブレーキとアクセルの踏み間違いによる急発進を抑制する装置はもちろん、カメラとレーダーを車の前と後ろに搭載し、人や車の動き、物や建物、道路の状況などを監視する。人や車に衝突する恐れがあると自動でブレーキをかけたり、歩行者が前にいるのを発見するとハンドルを切って衝突を避けるなど10の安全機能を備える。安全運転支援システムのフル装備費用は10~15万円くらい。広瀬さんは「システムの能力には限界があり過信しないでほしい」と強調するが、3年くらい前から徐々に機能が向上してきたと話す。

自動車整備工場の柴原正妃さんは「メーカーのシステムは急発進抑制装置のほかにカメラとレーダーも付いている。メーカーの車は周りに人や車がいて物があることを想定しているのに対し、急発進抑制装置はペダルの踏み間違いを想定しているだけ。標準装備でカメラやレーダ―が付いた車と、後付けで装置を取り付けるのと、どっちが安心かとお客さんに問われれば、メーカーの標準装備の車の方が安心と答える」とし、「お客さんから依頼されれば取り付けるが、いろいろ情報を集めて、間違いないものを取り付けたい」と話す。

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【茨城国体】土浦出身 澤山あおいがジュニア日本新 つくばでパワーリフティング

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スクワットで首位スタートを切った澤山

【池田充雄】第74回国民体育大会「いきいき茨城ゆめ国体」公開競技の一つ、パワーリフティング大会が21日、つくば市のつくばカピオで開幕した。初日は成年女子軽量級・重量級、成年男子59キロ級・66キロ級の計4階級が実施された。県勢は女子軽量級で土浦出身の澤山あおいがジュニア日本新記録で準優勝、男子は59キロ級で取手市出身の消防士、蛯原孝晴が優勝した。

女子軽量級では澤山あおい(パワーハウスつくば)が準優勝、しかもベンチプレス77.5キロとトータルスコア347.5キロはいずれもジュニア日本新記録というおまけ付き。「茨城の団体優勝に貢献したい思いと、自分の記録を目指す気持ちで臨んだ」と話す澤山は、土浦市出身の21歳。常総学院高のときパワーリフティングを始め、今は大学生活のかたわらジムに通う。トータルの日本新を狙った最後のデッドリフトは「上げなきゃという気持ちと、皆さんの応援のおかげで」重かったバーベルもだんだん上がっていき、最後に思わず笑顔になれた。

女子重量級の堀越百恵(常総学院高3年)は4位。結果に対し「3位以内が目標だったので悔しい。自分に勝てなかった」と涙。デッドリフトの3回目では、2回目より17.5キロ増の145キロにチャレンジ。成功していれば表彰台の可能性も残っていた。「初めて挑戦する重さだったが自信はあった。ここで上げないと県代表として、応援してくれる皆さんに恩返しできない」と、強い気持ちを持って臨んだ。同高パワーリフティング部の前田俊佑顧問は「受験勉強もしながらここまで頑張ってくれた。悔いはあると思うが、十分いい勝負ができた」とねぎらった。

取手市出身の消防士、蛯原孝晴が優勝

デッドリフトで優勝を決め、雄叫びを上げる蛯原

男子59キロ級優勝の蛯原孝晴(MNW)は、デッドリフトの3回目で勝負に出た。競っていた相手が220キロを上げたのを見て、直前で222.5キロに変更。トータルで同じ重量なら、体重の軽い蛯原の方が勝ちとなる。「優勝がかかっているので必死で上げた。地元の大会であることが力になった」と、見事に成功させた。取手市出身の消防士。土浦日大高と帝京大学で柔道に打ち込み、古傷があったひじを今年手術。予選のときは回復の途中で、記録も低調だった。「出場しなかったら記録も何もない。とりあえず順位のことは考えず、調子を見ながら淡々とできたことがよかったのでは」と、望外の勝利を喜んだ。

男子66キロ級準優勝の飛田渉(エニタイムフィットネス水戸赤塚店パワーリフティング部)は、自らを「先行逃げ切り型」と評する。その言葉通り、スクワットとベンチプレスで2位を12.5キロ引き離してトップに立つ。しかしデッドリフトが思いのほか伸びず、チャレンジに出た相手に最後に上回られた。常陸大宮市出身で職業は蛯原と同じ消防士。以前から筋トレは体づくりのためにしていたが、2年前に消防学校の講師で来てくれた蛯原の勧めでパワーリフティングを始めた。「マイナーな競技だが、自分も少しでも魅力を伝えられたらいい」と話す。

23日までの3日間。22日は成年男子74キロ級・83キロ級・93キロ級が行われる。

下位を大きく引き離した飛田のベンチプレス

※県勢記録
【成年女子軽量級】2位=澤山あおい(347.5キロ)▽14位=藤崎晴美(235.0キロ、水戸市パワーリフティング協会)

【成年女子重量級】4位=堀越百恵(310.0キロ)

【成年男子59キロ級】1位=蛯原孝晴(537.5キロ)

【成年男子66キロ級】2位=飛田渉(615.0キロ)▽12位=西川明男(527.5キロ、個人参加)▽15位=飯村貴弘(515.0キロ、パワーハウスつくば)

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【どう考える?免許返納】10 運転手不足に拍車がかかる つくばの移送サービス

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買い物を希望する高齢者をマイカーに乗せるボランティア会員=つくば市茎崎地区

【橋立多美】公共交通を利用できない移動困難者のために外出支援をしている、つくば市の移送サービスの高齢ドライバーが送迎活動を休止したいと申し出ている。近頃の「高齢者は免許返納すべき」という風潮の影響と見られる。高齢化時代のサービスとして期待され、需要が伸びているだけに関係者に不安が広がる。

同市を中心に、正月三が日を除くほぼ毎日、外出が難しい高齢者や障害者を有償ボランティアがマイカーで送迎するNPO法人「友の会たすけあい」(同市下岩崎)。茎崎町時代に発足、活動は22年になる。国土交通省が認めた福祉有償運送で、市の依頼を受けている。

「たすけあい」は、登録した利用会員からの電話を茎崎高齢者交流センター内の事務局で受け、その居住地や行き先に応じ協力会員(運転ボランティア)を決める。利用は通院や買い物、墓参りなどさまざまで、費用はタクシーの半額程度と格安。昨年1年間で延べ3380人を移送した。

免許返納の広がりを受け、ボランティア会員17人のうち、75歳を過ぎた3人が送迎活動を止めて電話の受付を希望するようになった。無事故で利用会員からの苦情はないが、「利用者が高齢ドライバーの自分の運転を不安に思うのではないか」の思いがこうした状況を生んでいるそうだ。

運転は75歳までのルール

ボランティア会員は定年退職後に活動を始めた人たちだ。佐藤文信理事長は「ボランティア会員の運転は75歳までというルールはあるが、定年後も働き続ける人が増えて運転者が足りず、地域に詳しいベテラン3人に頼らざるを得ない状況が続いてきた」と話す。

申し出を受け入れ、3人の活動は近距離のルートだけに絞り乗車回数も減らしている。これからはボランティア会員を75歳以下にしたい考えだが、佐藤さんは利用会員からの予約を断るケースが出てくるかも知れないとした上で、「今年度の移送は延べ3500人を見込んでいるが乗り切れるかどうか…」と思案する。

移動困難者を支えるボランティアの前に立ちはだかる年齢の壁。その一方で、地区内では高齢化が進行して車を手放す人が増えるなど利用増加が予想される。132人の利用会員中、最近利用会員になった4人は要支援になって免許を返納し、マイカーを処分したためだという。

運転手不足は全国の福祉移送サービス事業者共通の課題だ。取手市のNPO法人「活きる」はボランティア不足で需要に応えきれず、昨年は利用会員の新規登録を中断した。今年は困っている障害者や高齢者を捨て置けないがすべてを受け入れられないと、新規登録を制限する一方、運転ボランティアの活動年齢を75歳から80歳に引き上げた。

佐藤さんは「長く働きたい人が増えてボランティアのなり手がいない今、高齢者に免許返納を迫る風潮が重なった」と現状を憂う。

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起業に向けて助走を始める つくばスタートアップパーク

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参加者がこぞってカメラを構えるなかで五十嵐市長らがテープカット=つくばスタートアップパーク

【相澤冬樹】つくば発の産業創出の拠点にしようと、つくば市が整備してきた「つくばスタートアップパーク」(略称:スタパ)がこのほど完成し、20日、市民ら約100人が出席して記念の式典が開かれた。10月1日の正式供用開始を前に、30日まではプレオープン期間として、施設が無料開放される。

科学技術関連の研究・教育の集積を基盤に、新しいビジネスで市場の開拓を目指す起業家などが活動できる場所を提供しようとする施設。つくばエクスプレス(TX)つくば駅付近のつくば市産業振興センター(同市吾妻)の1階部分を再整備してきた。

オープニングイベントは参加資格を設けず、一般市民にも広く呼びかけて行われた。産学官の研究者や企業人、学生らが参加した。式典で五十嵐立青市長は「つくばの研究集積を生かした産業の創出は20年以上も前から言われてきたが、市民の実感できる成果に乏しかった。研究者や新たなビジネスを志す経営者らが交流し、実践していく場所にしたい」と力強く語った。

施設には利用料を支払って使う共用の仕事場(コワーキングスペース)があり、一時的な作業(ドロップイン)やオフィス(定期利用)に用いられる。専用Wi-Fiなども設置され、大小4つのミーティングルームを利用できる。起業を志す、特に若い人たちの発想での活用が期待される。

利用料金(税込み)は、平日のみとなるドロップインで1時間当たり300円(1日最大1500円)、365日24時間対応の定期利用で1カ月当たり1万8000円。いずれも9月のプレオープン期間中は無料で体験できる。10月1日以降は初回の利用の際に、事前に利用申請が必要となる。同市によれば、20日までに正式の申し込みはないが照会は複数件寄せられているという。

出入口付近には誰でも気軽に出入りが可能な交流スペースが設けられ、スペース内ではコーヒーファクトリー(本店・つくば市)がカフェを運営する。

詳しくはつくば市経済部スタートアップ推進室(029-883-1111)まで。

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【どう考える?免許返納】9 うつや閉じこもりの可能性大 運転やめた高齢者

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室生さんが主宰している高齢者サロン「ゆうゆう」。立っているのが室生さん=つくば市研究学園

【橋立多美】高齢ドライバーが引き起こす悲惨な事故による運転免許返納の動きのなかで、語られていない側面がある。それは「免許返納に伴う高齢者の健康リスク」だ。東京医大霞ケ浦病院内科医長を経てつくば市倉掛に開院し、在宅医療を担ったことで高齢者の心身の変化に詳しい室生勝さん(NEWSつくばコラムリスト)がいう。

マイカーで移動できる楽しさを甘受した現在の高齢者にとって、自家用車は通勤、買い物、通院、レジャーなどの日常生活に欠かせないツール(道具、手段)だった。

75歳以上の後期高齢者になって身体機能が衰えてきても、運転に不都合を感じないまま乗ってきた。しかし身体機能、特に危険を察知したときの手足の動きは鈍くなっており、さらに驚きと精神的動揺から運転を誤り暴走したり道路から逸脱してしまう。

また、軽度の認知症では信号や交通標識(右折禁止、一方通行など)の見落としが事故につながる。そして道路脇の建造物の破損のみならず通行人にも危害を与えることになる。ところが、多くの高齢者は自分はそのような事故を起こさないと自信とまでもいかないが強い気持ちを持っている。

子どもたちから運転免許証の返上を迫られ、家長としてのプライドが傷つき、生きがいを失った高齢者もいる。高齢者のみの世帯の人は車がない生活を考えただけで生きていく気力が無くなってしまうのではないか。

配偶者や家族、ペットとの死別、故郷との訣別(知らない土地へ移り住んだ場合)などの喪失体験はうつ状態になりやすい。高齢者にとって運転免許証の返納は大きな喪失体験となる。

うつ状態にならなくても車を運転できなくなれば外出は少なくなり、閉じこもり状態になりやすく、地域から孤立してしまう。うつ状態や閉じこもりは運動不足や食欲不振の引き金となり、下肢筋力は低下し転倒しやすくなり、転倒すれば骨折して寝たきりになることもある。

交流に誘うのは早いほど望ましい

軽度認知機能障害の人が返納を契機に認知症に進む場合もある。区会・自治会や互助活動、見守り活動に関わる人たちは運転免許証を返納した、あるいは自家用車を運転しなくなった高齢者に気づいたら、買い物や高齢者が集うサロンに誘うなど交流することが望ましい。早ければ早いほど、閉じこもりやうつ状態から脱することができる。

市は今夏、市内を舞台に、AIを活用して新たな移動手段を目指すとして国土交通省のモデル事業に選ばれた。その技術を生かし、免許返納後も高齢者の活動が維持できる交通システムの整備も急ぐべきだ。

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お手柄! 湧水を嗅ぎ当てる 筑波山の水脈を守る会の四国犬

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自噴している泉に手を入れるとひんやり冷たい=つくば市臼井、六所集落裏手の山林

【相澤冬樹】ここ掘れとばかり、愛犬がかき出した地面から水が湧き出した。やがて水が澄んでくると、地中から自噴しているのが分かる。愛犬の名をとって「リリーの泉(仮)」と名付けたのは、「筑波山の水脈を守る会」(つくば市臼井)で事務局を務める茅根紀子さん。同会の活動を1月から始め、4月に作業に入った土地から、6月に来たばかりの四国犬が掘り当てた、最初のお手柄だった。

同会は、筑波山の「水脈」をたずねて、滞ってしまった水の流れを復活させようという取り組みを始めた団体=4月6日付け=で、筑波山南麓の六所集落にある宮山を主に活動している。専門家の指導を受けながら、ワークショップ形式で山に入り下草を刈ったり、沢の河道をふさぐ枝葉を取り除くなどの活動を行っている。

東京生まれの茅根さんは中世ヨーロッパ美術の研究家。2014年、長女の出産を機にドイツ人の夫と地縁も血縁もないつくばにやってきた。筑波山の文化や環境を気に入っての移住だったが、一歩山に入ると森は荒廃し、土壌は硬く、山津波などの災害リスクが高まっているのが分かった。危機感をもつ六所集落の有志らと同会を立ち上げた。

お手柄の四国犬、リリー

水脈整備の作業を始めてから、四国犬の子犬を飼うようになった。6月に来たときは生後3カ月、娘がリリーと名付けた。「お手もお座りもしない、いたずら好き」(茅根さん)のメス犬だった。

ところが8月末、散歩で4月のワークショップで手を入れた場所に向かうと、リリーは突然駆け出し、杉木立の根元を嗅ぎ出した。直後、勢いをつけて掘り出し、小さな穴を鋭角的に掘りはじめたという。

穴を広げてみると、これが湧水だと分かった。付近は沢筋で、河道が途切れたところでも斜面を掘ると伏流水が姿を現す場所だが、ここは水底から砂粒を巻き上げるように自噴しているのが見て取れた。手を入れると冷たく、伏流水の水温とは異なる。六所集落には「ヒヤミズ」と呼ばれる湧き水があるが、今日ほとんど涸れかかっており、作業に入って初めて見つけた湧水ポイントだった。

お手柄のリリーは同会のマスコット的存在になった。茅根さんによれば「四国犬は日本犬のなかでも最もオオカミに近い犬種。嗅覚と聴覚に優れているとは聞いていたが、ここまでとは思わなかった」そうだ。専門家の意見を聞いて泉の保全を考えていく。

今月は28日が活動日

同会の9月の活動は、28日午前9時、六所皇大神宮霊跡地境内集合で行う。昼食後、随時解散。自然土木が専門の今西友起さんを講師に招く。参加は汚れていい服装(黒系統は避ける)で、水筒はじめノコ鎌や移植ゴテ持参で。昼食代として一人300円(未就学児100円)のカンパを求めている。詳細は同会ブログ

つくば駅正面で鏡開き いばらき地酒バー24日オープン

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24日オープン予定の「いばらき地酒バーつくば」=TXつくば駅改札正面

【山崎実】10月1日の「日本酒の日」を前に、茨城県は24日、つくばエクスプレス(TX)つくば駅の改札正面に「いばらき地酒バーつくば」をオープンさせる。7月31日に水戸駅に開店したのに次いで県内2店目。

関東では最も多い42の酒蔵がある茨城は、全国でも有数の酒どころ。県産日本酒の魅力を消費者や観光客などに味わってもらい、消費拡大の機会を創出するのが狙い。

営業日と開店時間は、年中無休で午後4時~9時30分。県内42の酒蔵のうち20数カ所の酒蔵の地酒40数種類が常時味わえる。取り扱いメニューは、茨城の名酒3種類の飲み比べセット(純米酒が800円、純米吟醸種が900円)、県産品を中心としたつまみ(200円前後)、超特選ショットなど。飲み比べセット注文の先着200人に、笠間焼のおちょこがプレゼントされる。

24日のオープニングセレモニーには大井川和彦知事や五十嵐立青つくば市長、県酒造組合の関係者らが出席し、午後5時から鏡開きをする。その後、振る舞い酒を用意し、通勤客や一般消費者に茨城の地酒の旨さをPRする。

「日本酒の日」の10月1日には水戸市三の丸の水戸京成ホテルで「全国一斉日本酒で乾杯2019」が催される。県と県内で乾杯条例(→※メモ)施行自治体の参加、協力の下、乾杯セレモニーが催される。セレモニーには大井川知事も参加予定。

いばらき地酒バーつくばに関する問い合わせは県産業振興室(電話ん029-301-3585)。

※メモ「乾杯条例」
地酒の普及と地域振興を目的に、地酒で乾杯することを奨励する条例。2013年に京都市が初めて施行して以来、全国で条例制定の動きが盛んになった。県内では、2013年12月の笠間市を皮きりに、水戸、石岡、結城、常陸太田、日立、潮来、筑西、常陸大宮、大洗の10市町で制定、施行されている。

【どう考える?免許返納】8 公共交通「利用者減ったが公平性高まった」

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つくバスの停留所=研究学園駅前

【鈴木宏子】公共交通の充実を求める声は多い。2年に1度実施しているつくば市の市民意向調査では、市の現状やまちづくりへの取り組みについて、公共交通に対する不満の割合が最も高く、2017年の調査では「不満」または「どちらかといえば不満」と答えた割合は54.9%を占めた。公共交通はどうあるべきなのか。

同市では今年4月から、公共交通政策の大幅な改編が実施された。同市は2011年度にコミュニティーバス「つくバス」の運行を、きめ細かく集落を回る循環型から、駅と地域の拠点を結ぶ直行型に変更してシャトル便を導入し、利用者数を増やしてきた。

8年ぶりとなる今回の大改編の柱は、▽バス停の間隔を従来の平均約1.3㌔間隔から1㌔間隔程度に短くして停留所の数を111カ所から223カ所に2倍に増やした▽これまでバス路線がなかった市西部にバスを運行するなど路線を7路線から9路線に増やし、走行総延長距離も149キロから205キロと1.4倍に増やした(ただし運行便数は334便から15%減り283便)▽高齢化率が高い茎崎地区と筑波地区では、3年間の実証実験として、路線バスの運賃補てんとワゴン車を使った支線型バスの運行をスタートさせた―などだ=1月18日付

改編により、同市の公共交通にかける予算は、つくバスとデマンド型タクシー「つくタク」を含め、これまでの約3億8700万円(2018年度当初)から約5億6600万円(19年度当初)と約1.5倍に増えた。

利用者5%減少

改編後、利用実績はどう変わったのか=6月23日付。8月19日開かれた市議会道路・公共交通体系及びTX沿線整備調査特別委員会(木村修寿委員長)に、4~6月の3カ月間の実績が報告された。バス停が近く、きめ細かくなり、利便性が高まったはずのつくバスの利用者は、前年同期と比べ5%減少したことが分かった。

つくバスは、11年度の改編時は年間61万9000人の利用者だったが、循環型から直行型に変更するなどして、17年度は年間103万8000万人と利用者を1.6倍に増やしてきた。今回の改編はスタートしてまだ3カ月で分析などはこれからだが、人口も高齢者数も増加している同市にあって、利用者が5%減った。

最も利用者が減ったのがみどりの駅から谷田部地区を回って茎崎地区を走る「自由ケ丘シャトル」で25%減、次いで、つくば駅から金田、テクノパーク桜を通り小田、北条地区を走る「小田シャトル」が23%減と利用者を2割以上も減らした。ルートが変わらず前年度と比較可能な5路線のうち利用者が増えたのはつくば駅から松代、谷田部、茎崎を結ぶ「南部シャトル」だけだった。

利用者数の減少に対し、市は同特別委に「延べ利用者は減少したもののバス停圏域カバー人口が増加したことから、つくバスを利用できる機会が広まり、バスの公共性、公平性は一層高まった」という見解を示した。

外出が難しい高齢者や障害者をボランティアが送迎するNPO法人「友の会たすけあい」(つくば市下岩崎)の理事長、佐藤文信さんは「高齢者の多くが『運転本数を減らしてもいいから、家に近い場所に停留所がほしい』と言っている。巡回型の運行を望む住民もいる」と話す。

自治会挙げて利用呼び掛け

一方、周辺地区で始まった茎崎地区の路線バス運賃補てん事業の3カ月間の利用者実績は、1日平均217人と想定の1.4倍と上々の滑り出しとなった。これに対し、筑波地区の支線型バスの利用者は1日平均15.6人と振るわず、明暗を分けている。

市内で最も高齢化率が高い茎崎地区では、自治会を挙げて路線バス運賃補てん事業の利用を呼び掛けている。その一つ、森の里自治会長の倉本茂樹さん(77)は「森の里は年を追うごとに高齢化が進んでいるのでバスが頼りになる。住民の免許返納後の生活の足を確保、維持していかなければならない。そのためにも実証実験でいい結果が出るよう、多くの住民に路線バスを利用してほしい」と、利用する側の意識を強調する。

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生と死を見つめる現代美術家たち 23日までつくば市民ギャラリー

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フォトMAX美術展で佐々木元彦さん㊧と岩崎雅美さん=つくば市民ギャラリー

【田中めぐみ】主に県内在住の写真愛好家や美術家たちによる作品を集めた「フォトMAX美術展」が18日、つくば市吾妻の市民ギャラリーで始まった。2015年から毎年開催されており、今年で5回目となる。31人が写真や絵画などで死生観や人生観を表現した現代アート作品43点を展示している。

主催者の佐々木元彦さん(アース808ギャラリー代表、牛久市)は、「命を救う手(心臓外科S執刀医)」と題した作品を出展。今年3月に心臓の手術を受けた際に自ら撮影、加工して作品にしたという。外科医の手や、病床からの視点、胸の手術痕がモチーフになっている。手術で自身の生死を見つめたという佐々木さんは、「芸術家はいつも向こう側、つまり死を見ている。芸術はいつも自分の中にあり、アートとは自分自身。手術はなかなか無いことなのでぜひ撮影したいと考え、病院に頼んで許可をもらった」と話す。

水戸市在住の岩崎雅美さんは「俺ハ死ンデイル」と題する作品を出展。文字と写真を組み合わせた垂れ幕形の作品だ。岩崎さんは1999年の東海村臨界事故の衝撃や、2003年に父を亡くした体験から「死」をテーマにした作品を作り始め、表現の模索を続けているそう。「写真の枠を打ち破るような作品を作りたいと思っている。このような作品を受け入れてくれる展覧会はフォトMAX美術展以外にない。展示された作品には遊び心があり、作っている側が心から楽しんでいるのが見る人に伝わるのでは」と話す。

市内から訪れた72歳の男性は「自分も写真が趣味で、毎年欠かさず見に来ている。作家さんたちそれぞれが独自の考えを持って作品を作っているのが面白く、毎回開催を楽しみにしている」と話した。

◆ フォトMAX美術展Vol.5「過去~現在~未来の自伝」 会期は23日(月)まで。開館は午前9時半~午後5時(最終日は3時まで)。会場はつくば市市民ギャラリー(つくば市吾妻2-7-5)エキスポセンター入り口中央公園レストハウス内入場無料。展示作品の販売も行っており、売上金は国際NGO「国境なき医師団」に寄付される。問い合わせ:佐々木元彦さん(080-1210-1695)

ナショナルサイクルルート候補に選定 つくば霞ケ浦りんりんロード

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つくば霞ケ浦りんりんロード

【山崎実】サイクルツーリズム(自転車観光)王国を目指す茨城県の代表的な「つくば霞ケ浦りんりんロード」(全長約180キロ)が、国土交通省のナショナルサイクルルートの第1次指定候補ルートに選定された。

同ルートは、日本を代表し、世界に誇れるサイクルルート制度の創設に合わせて指定される。候補ルートはほかに琵琶湖を一周する「ビワイチ」(滋賀県、約190キロ)、瀬戸内海を渡る「しまなみ海道サイクリングロード」(広島県・愛媛県、約70キロ)の2カ所。

自転車活用推進法の施行以来、2018年6月には推進計画が閣議決定され、サイクルツーリズムによる観光立国の実現が位置付けられた。併せて「ナショナルサイクルルート」の創設を明記した。大井川和彦知事は今年6月、国交省に「つくば霞ケ浦りんりんロード」を選定するよう要望してきた経緯がある。

ナショナルサイクルルートに指定されると、同省は統一ロゴを作成するほか、専用ポータルサイトを活用し、ルート全体の情報発信などを行う。つくば霞ケ浦りんりんロードでは県などが、インバウンド(訪日客)対応のサポートライダー養成講座などを開いているほか、広域レンタサイクルの利用料金割引を実施するなど=9月13日付=、利用者の利便性向上(環境整備)対策に力を注いでいる。

それだけに指定候補ルートの一つに挙げられたことは、サイクルツーリズム茨城の実施に弾みが着くものと期待され、大井川知事は「大変ありがたいことであり、引き続き本指定に向けハード、ソフト両面からの取り組みを推進。国内外からの観光誘客につなげていきたい」とコメントした。

今後、第3者委員会による審査を経て、10月にも本指定が行われる。

【どう考える?免許返納】7 高齢者の暴走事故翌日、県内の返納率2.3倍に

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自主返納者が協賛事業者からサービスを受けられる県作成の協賛店一覧㊧と、高齢者に自主返納を呼びかけるつくば市のチラシ

【橋立多美】全国で高齢ドライバーによる交通事故が後を絶たない。今月2日には、つくば市桜のスーパーに市内に住む73歳の女性が運転する軽自動車が突っ込んで女性店員が軽傷を負った。アクセルとブレーキを踏み間違えた可能性があるという。高齢者の運転操作ミスや暴走事故などの報道をきっかけに、県内では高齢者の自主返納者数が増加している。

県警運転免許センターによると、75歳以上の高齢ドライバーの自主返納者は年齢別統計を取り始めた2015年の3871人(全体4105人)から増加の一途をたどり、昨年には7627人(同7842人)と8000人に迫った。

今年4月19日、東京・東池袋で87歳の男性が運転する乗用車が暴走して母子2人が死亡、10人が重軽傷を負った翌日、県内の返納者は80人に上った。1日当たりの返納者数は平均35人程度で、その2.3倍に当たる人が返納した。事故の影響を受けたと同センターは見ている。

ただし全国的に見ると県内の返納は多いとはいえない。警察庁の18年度運転免許統計によると、県内の75歳以上の免許返納率は3.7%で高知の3.8%に次いで2番目に低い。返納率の高さの上位を占めるのは東京(8.0%)と大阪(7.3%)で、公共交通網の発達の違いが返納率に反比例していることが見て取れる。

つくば市「特典増やし2倍のペース」に

電車やバスなどの公共交通機関が乏しい地域の高齢者にとって、買い物や通院などの移動手段を失うことが免許返納の壁になっている。その対策が公共交通を利用する際の優遇制度だ。

県は、自主返納した高齢者が協賛店から商品の割引などさまざまな特典サービスを受けることができる「高齢運転者運転免許自主返納サポート事業」を2018年3月から開始した。

つくば市は09年から65歳以上の自主返納者にコミュニティバス「つくバス」や乗り合いタクシー「つくタク」などの乗車券の助成を、土浦市は15年から「のりあいタクシー土浦」の年会費助成を行っているが、両市とも返納後1回限りの「特典」で、継続的な支援態勢は手薄なのが実情だ。

一方、1回限りとはいえつくば市は今年4月から返納者への特典を4種類に増やした。従来のつくバスとつくタクの乗車券に加え、新たに路線バス「関東鉄道」の乗車券と交通系ICカード「PASMO」を加え、4つの中から選べるようにした。その結果、昨年1年間の自主返納者は255人だったのに対し、今年は8月末までで194人と昨年の2倍のペースで増えた。市防犯交通安全課は「特典の選択肢を増やしたことで自主返納率が高まった」としている。

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つくば産ワインの初仕込み 北条に醸造所がお目見え

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筑波山に開けた眺望のもと、ブドウ園ではワインの仕込みに向け収穫の最盛期=つくば市北条

【相澤冬樹】筑波山麓、つくば市北条でワイン用ブドウを栽培してきたカドヤカンパニー(本社・小美玉市、岡崎正光社長)が自社生産の体制を整え、今秋収穫のブドウでの仕込み作業を本格化させた。17日、現地のつくばワイナリーで岡崎洋司専務と北村工マネージャーが取材に応じた。

新設のワイナリーは、ワイン醸造所と売店からなる施設。加工場には摘み取ったブドウから軸や枝を取り払う除梗(じょこう)破砕機、実を絞るプレス機が並び、発酵・熟成のためのタンクが14基設置された。年間15トンのブドウを処理できる設備という。同社のブドウ園では9月に入り収穫が始まり、これまでに約10トンの処理を終えた。10月初頭まで収穫が続く。

プレス機の下部に絞り出されたブドウ果汁をのぞく岡崎専務(左写真)、ワイナリー併設の売店=同

栽培技術から醸造全般を担当する北村マネージャーによれば、15号台風の被害は最小限にとどまり、ブドウは収穫量も糖度も上々の出来だということだ。早ければ2月にも白ワインから出荷できる見通しで、750ミリリットル換算で1万5000本程度の製造を見込んでいる。

同社は一帯に約18ヘクタールの土地を取得、2012年にシャルドネやメルローなど、白と赤のワインになるブドウの栽培を開始した。これまでに約2ヘクタールに約8000本を植え、収穫は14年から始まったが、醸造は山梨県内のワイナリーに委託してきた。このため、「つくば産ワイン」の打ち出しが難しく、ブランドを「ツインピークス」(双峰)と銘打って、つくば市内で同社が経営する和菓子店で販売するなどしてきた。

「ツインピークス」は今秋からワイナリー併設の売店でも取り扱いを始めており、早速購買に訪れた同市在住、富田順子さんは「茨城はお肉もお魚もおいしいところだけど、それにぴったり合うワインが見つかった感じ」と高評価。岡崎専務によれば、現在仕込み中のワインもブランド名は引き継ぐことになりそう。周囲の広い土地を活用して、「体験型のワインのテーマパーク」化を目論んでおり、ハーブ園の整備やブドウ園付き住宅の分譲などの将来構想もあるという。

同市ではここ数年、筑波山麓周辺でワインづくりを意図したブドウ栽培が複数の事業者により始まっている。しかし、果実酒は年間6000リットル以上を継続して生産できないと税法上、醸造免許が下りなかった。このため市は、ハードルを同2000リットルに下げる「ワイン・フルーツ酒特区」の認定を取得するなど、新たな地場産業の創出にてこ入れを図ってきた。カドヤカンパニーのワイナリーは、年間6000リットルを大幅に超えるため、特区制度を利用することなく、「つくば産ワイン」として来春デビューすることになる。

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【どう考える?免許返納】6 ツイッターで意見交換㊦

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ツイッターで「免許返納」についてアンケートをとった

【戸田さつき】免許返納をテーマに、特集を組んできたNEWSつくばは、ツイッターでアンケートを実施した。

2回目のアンケートのタイトルは、免許返納後の交通手段。返納後はバス、電車など公共交通機関を使用するが39%、タクシーが23%、家族のサポートが23%、その他15%となった。3回目のアンケートでは、2回目を踏まえ、公共交通機関への満足度を取り上げた。

アンケートの回答を「満足」「不満足」「廃線している」「わからない」の4択としたうち、「満足」と答えたのは12%にとどまる。

つまり、前回のまとめにあった「免許返納しやすい街づくり」として、このエリアは不十分であるということが浮き彫りになった。

これまでの記事で紹介した、バスや電車を利用しているNEWSつくばの橋立記者やM Nathalie / えむなたさんは、バスがあるエリアに転居している。

ツイッターで寄せられた意見をここに紹介する。免許返納率の向上のために、公共交通網を使用したくなる施策が必要なのではという意見だ。本人の希望により、ツイッターアカウントを匿名とする。

・「バスを使う方が得だ」と思わせるようなインセンティブの効いた施策を考えた方がいいのではないかと思う。 例えば、駐車場が無料でバスが有料だったら、どっちを使うと思いますか?とか。 「バスの本数が少ないからバスを使わない」というのは体のいい言い訳な気がする。※意見には個人差があります。(本文まま)

・イーアスで聞いてごらんよ。「交通手段は何で来ましたか?」って。圧倒的に車でしょう。

・そもそも、バスセンターの目の前にある百貨店が潰れ、ショッピングモール内の店舗が次々と撤退している。 百貨店だった部分を市が買収しようとしたら「立体駐車場の区画が狭いから使わない」という声があがり、市は「立体駐車場は改良工事をします!」とアピール。 なんだろう、このコレジャナイ感。 買い物にしても、公共施設にしても、公共交通機関を使う視点が欠けている。ないわけではないが、亜流扱い。 事実、警察署はまもなく車でしか行けないような場所に移転される。 免許返納するために車で行くなんてシュールだ。(※警察署はバス路線がある場所にあると、のちに訂正)

ショッピングモールとの連携により免許返納率の向上も見込めそうという意見もある。 また、なぜこのエリアがマイカー依存になってしまったのか、その背景に迫ったほうがいいので は? と言及するのはNAKAJIさん。

背景が異なれば、ニーズも異なってくる。とはいえ、いずれにも施策は必要だ。市民が自ら公共交通機関を利用したくなる環境作りは必須と考えられる。前回紹介したTakashi IRINATSUさんが提言した「市民の明日が見えるまち」にするには、市民自らが声を高らかに挙げ、街を変えていく意識が必要になのだろう。

次回からは、免許返納を取り巻く現状の課題をテーマに第2部へ突入する。

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【茨城国体】水球女子3位 山形に競り勝ち有終飾る

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決勝ゴールに喜ぶ齊藤㊧と栗原ら=土浦二高プール

【池田充雄】第74回国民体育大会「いきいき茨城ゆめ国体」の水球競技は、最終日の16日、土浦市の県立土浦二高プールで各種目の3位決定戦と決勝が行われた。女子の茨城県チームは山形県に14-13と競り勝ち、銅メダルを獲得。優勝を逃した悔しさを残しながらも、笑顔で大会を終えた。同決勝は、東京都が石川県を12―11で下し優勝した。

▽得点者=風間3、栗原1、坂上3、佐々木2、野呂3、齊藤2(以上、茨城)、曲山1、高橋4、鈴木3、羽角3、後藤2(以上、山形)

茨城は前日の敗戦から気持ちを切り替え、山形に先制は許すものの落ち着いたゲームの入りで、野呂美咲季の3連続ゴールなどで第1ピリオドを5-3とリードした。第2・第3ピリオドはほぼ互角で、点を取られては取り返す展開が続く。だがその中で、山形・高橋綾佳の存在感が徐々に強まっていった。

高橋は日本代表も長く務める経験豊富なセンターフォワード。ボールを受けると振り向きざまの強力なシュートや、意表をついたバックシュートなどでゴールを脅かす。かといって高橋を意識しすぎると外が空いてしまう。茨城は坂上千明、栗原舞が中心になって対抗するが連携の乱れもあり、第4ピリオドに一気に点差を詰められ、残り1分で同点に持ち込まれる。

だがこの日の茨城は崩れなかった。残り16秒でGK渡部歩美が高橋のシュートを止めると一気にカウンター。右サイドで坂上と野呂がつなぎ、左サイドの齊藤葵のシュートで試合を決めた。「いいパスが来た。2回フェイクを入れてGKを引き付けてくれたので、絶対決めないとと思った。最後の最後にチームに貢献できてうれしい」と齊藤。

第4ピリオド終了直前、齊藤のシュートが試合を決めた

齊藤に行かせて正解

木村文明監督は「追い付かれはしたがリードは許してなく、心配はしていなかった」という。ピリオド間には選手たちも「時間を使い、ターンオーバーをなくそう」と、昨日の反省から気を引き締めていた。最後のプレーではタイムアウトを取って仕切り直すという手もあったが、「齊藤が抜けていたのでそのまま行かせた。選手も残り時間を分かっていて、しっかりGKを振ってくれた。止めないで正解だった」と木村監督。

チームは当初、山形を決勝の相手と想定していた。「優勝候補の山形を倒せたのだから金メダルでもおかしくないのに、銅という悔しさの方が正直大きい。地元に金をという思いが強かったので、皆さんに申し訳ない気持ち。少しでも喜んでいただけたらうれしい」と齊藤。

水球女子が正式種目になって初の大会でひとまずの成果を出したが、茨城の水球界にとってはむしろここからがスタート。「選手の一人の中田萌は来季、茨城で高校教員になる予定。彼女らが次世代を育て、小中からの縦の層をしっかり作ることで発展につなげたい」と木村監督は将来像を語った。

戦い終えて喜びの表情を見せる水球女子チーム

10月にノバホールで定期演奏会 ソリスト2人を迎え筑波大学管弦楽団

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第86回定期演奏会に向けて練習に励む筑波大学管弦楽団

【北村祐子】筑波大学管弦楽団の第86回定期演奏会が10月19日、つくば市吾妻のノバホールで開かれる。楽団は1974年に創立し、ノバホールで毎年春と秋に開催する定期演奏会、冬のプロムナードコンサートをメーンに活動している。ほかにも、アンサンブルコンサートや大学・大学院の式典での演奏、依頼演奏などを行っていて、現在の団員数は約100人。各パートやセクションで、定期的にトレーナーの指導を受けていることも楽団の特徴のひとつだ。

演奏会の曲目は、ロッシーニ/歌劇『どろぼうかささぎ』序曲、ブラームス/バイオリンとチェロのための二重協奏曲イ短調、ドボルザーク/交響曲第8番ト長調。メーン曲となるドボルザークの交響曲第8番は、同楽団の定期演奏会で過去に最も演奏されているという名曲。チェコののどかな田園を思わせるメロディーが印象的だ。一方で、ブラームスのバイオリンとチェロのための二重協奏曲を楽団が演奏するのは今回が初めてとなる。ソリストには、バイオリニストで楽団OBでもある三浦章宏氏、チェリストの渡邉辰紀氏を迎える。2人のソリストとオーケストラとの掛け合いは聞きのがせない。

来場を呼びかける団長の北浦光祐さん

普段は週3回の練習を基本に活動しているが、9月上旬には志賀高原(長野)で4泊5日の合宿も行った。レッスンや合奏で得たことをもとに、残り約1カ月で演奏にさらに磨きをかける。団長の北浦光祐さん(20)は、「5月半ばから準備、練習してきた。筑波大学管弦楽団ならではのエネルギッシュな演奏を届けられるようにがんばります」と話した。(ライターはドットジェイピー・インターン)

◆筑波大学管弦楽団演奏会 10月19日(土)午後1時15分開場、14時開演。チケット料金は全席自由で1000円(税込み)。当日券は午後1時から販売開始。購入場所はノバホール事務局クレフ楽器、チケットぴあPコード160025などで。ホームページhttps://www.tsukuba-orch.org/

【どう考える?免許返納】5 ツイッターで意見交換㊤

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ツイッターによるアンケートで「免許返納」について意見募集した

【戸田さつき】令和初の「敬老の日」を前に12日から、NEWSつくばは「免許返納」をテーマに特集を始めた。 読者の意見を直接聞こうと8月、ツイッターでアンケートを3回実施し意見を募った。 1回目は「免許返納に賛成か反対か」、2回目は「代用する交通手段」、最後に2回目の結果を踏まえ「公共交通機関に対して」聞いた。

「免許返納に賛成か反対か」は70%が賛成。反対が4%、どちらでもないが26パーセント。反対が4%しかないのは、事故報道の影響か、それともツイッターのアンケートに答えた人の属性の特徴なのか。NEWSつくばのツイッターのフォロワーは、読者分析から79%が男性だが、年齢層は不詳である。最近では、シニア層にもスマートフォンが普及され始め、SNSは若者の特権とは言いきれないが、シニアの子ども世代の意見が反映されているのかもしれない。今回は、免許返納に賛成するM Nathalie / えむなたさん、Takashi IRINATSUさんから寄せられた意見を紹介する。

 

M Nathalie / えむなたさんは、運転免許は所有しているものの、普段はバスや電車を利用し、休日の買い物は知人や家族と共にしている。自らの生活を「ペーパー生活」と話す。自転車に乗っていた高校生と事故があり、加害者になってしまった経験から、「不便であっても、徒歩なら加害者にはならない。そのストレスがなくなった」と話す。さらに、ペーパー生活の利点としては、元運転者と歩行者の両方の視点が持てるのがいい」と話す。運転していたからこその危険予測や交通ルールの知識は、徒歩生活にも生かせる。「その一方、免許を持ってない子の自転車暴走が怖い」と提言する。

Takashi IRINATSUさんは、今年5月につくば市在住の母親が免許を返納した。「家族が居ない方でも行政に支えられて安心して免許返納後も最期まで暮らせる街」という声は、家族をサポートしている世代の目線なのだろう。交通網の充実化は、免許返納しやすいまちづくりには欠かせない。「『世界のあしたが見える街』より『市民のあしたが見える街を』」というつくば市が掲げるスローガンになぞらえた言葉が印象的だ。

「車は一人一台」というマイカー生活を送っている人が多いつくば・土浦エリア。免許返納率の向上には課題が多い。次回は、マイカーの代理になる移動手段について、ツイッターに寄せられた意見を紹介する。

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【茨城国体】水球女子 石川に不覚、決勝逃す

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第3ピリオド、チームは向かい風の状況にも苦しめられる=土浦二高プール

【池田充雄】第74回国民体育大会「いきいき茨城ゆめ国体」の水球競技は3日目の15日、土浦市の県立土浦二高プールで少年男子の準々決勝と準決勝、女子の準決勝が行われた。女子の茨城県チームは石川県と対戦、前半リードするも後半追い上げられ、8-9の1点差で逆転負けを喫した。大会最終日の16日は3位決定戦で山形県と戦う。

▽得点者=徳用1、吉里3、山本4、木村1(以上、石川)、栗原2、野呂3、行天和1、齊藤2(以上、茨城)

試合は、前日とは打って変わってロースコアの展開となった。序盤からシュートは打てるものの、枠に弾かれることが多く、なかなかゴールが生まれない。1-1で第1ピリオドを終え、第2ピリオドには栗原舞の右サイド深くからの2ゴールと、野呂美咲季のペナルティーゴールを含む2得点で優位に立ち、第3ピリオドには最大4点のリードを作るが、その後の展開がよくなかった。

「4点差のままなら大丈夫だったが、わざわざ難しい攻撃をして、残り2分で2失点してしまった。ドライブからの速いパスを失敗し、ターンオーバーからカウンターでつながれてしまった」と、木村文明監督は沈痛な表情。第4ピリオドに入っても悪い流れは続く。石川に先に2得点を許し、ついに同点。茨城は野呂のゴールで一度は勝ち越すが、さらに2点を奪われ逆転を許す。野呂は試合終了間際にもシュートを放つが、この不屈の精神も実らず、敗退が決まった。

第1ピリオド、シュートを放つ野呂

「最後のシュートを自分が決めていれば流れが変わると思ったが、決められなかった。今日はうまくいかない部分が多く、いつもはしないミスや連携の悪さなどが出て、最後まで修正できなかった」と野呂。「後半追い付かれそうになってあわてた感じもあった。基本的に我慢が必要なゲームだった」と池田茉里主将。後半は風下のサイドに立ち、相手がループ気味に放ったシュートが風で伸びて入るという不運もあった。また、この試合はファウルの多さが目立ち、相手とのコンタクトプレーを避けるため、シュートを打ち急いだ部分もあったかもしれない。

3位決定戦に向けて、野呂は「明日(16日)は切り替えて、最初から最後までしっかりと自分たちの水球を貫きたい」と、池田は「どのチームが来ても今日と同じくらい拮抗した試合になる。冷静にしかし気持ちは熱く、1点1点しっかりと取ってメダルを手にしたい」と、それぞれ精一杯の気持ちで前を向く。

【どう考える?免許返納】4 もう年だからにノー 運転は死活問題

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青色回転灯を装備した「青パト」の前に並んだ井上文治さん(左)、稲川誠一さん(中央)、中村房好さん=つくば市下岩崎

【橋立多美】「高齢者は運転免許を返納すべき」の風潮はおかしいと話す人がいる。自家用車に頼らざるを得ない地域の高齢者は、返納したら生活が成り立たなくなると訴える人もいる。切実な声や地域の状況に耳を傾けた。

高齢者をひとくくりにした自主返納の動きに「待った」をかけるのは、つくば市南部に位置する住宅団地あしび野に住む稲川誠一さん(75)。茎崎地区民生委員の傍ら「通学路の安全を守る会」の代表で、市立茎崎第二小学校に通学する児童たちの登下校を見守っている。

「運転能力は年齢差ではなく個人差だと思う。そこに目を向けず、もう年だから返納したほうがいいという動きや、75歳以上の高齢者を対象にした認知機能検査で片づけようとするのは納得がいかない。実際の運転技能で判断してもらいたい」

同会の会員で富士見台在住の中村房好さん(67)は「認知機能検査の効果はどうなのか。認知症になった高齢者が免許を返納したことを忘れて無免許で運転したり、車で徘徊(はいかい)する例もあると聞く」と疑問をぶつけた。

自転車切り替えにもリスク

井上文治さん(70)も富士見台在住の会員。井上さんは「牛久沼に突き出た稲敷台地に広がる富士見台やあしび野には、これまでバスが走っていなかった。市の新規路線バス実証実験で4月から1日8便が牛久駅まで運行しているが、実証実験が終わる3年後は分からない」と不安げ。「この辺りでは体を壊さなければ80歳を過ぎても運転するのは珍しくない。自主返納は公共交通が充実している都市部の場合で、代わりとなる生活の足のない地域の高齢者は車がなかったらどうやって生きていけばいいのか」と話した。

交通事故を心配する息子や娘に「買い物は一緒に行くから」と返納を促されるケースが多くなったと稲川さんは言う。しかし返納後は若い世代だけで出かけて高齢者は取り残される。それを予測するのか、かたくなに免許を手放さない人がいるとも。

稲川さんの気がかりは移動手段を自転車に切り替えた人だ。バランスを崩しやすく、側溝に落ちてけがをした人が少なからずいる。同地区細見の70歳の男性は「家族は本人のために免許返納と言うが、替わりの自転車はフラフラして車の運転より危ない。転倒して下手すりゃ骨折して寝たきりになる」。

◇ ◇ ◇

県内の交通事故死者数は2018年 122人で、前年から21人減じた。うち65歳以上の高齢者が65人(前年80人)で、死者全体の過半数を占める。内訳は歩行者が最も多く44%の29人(横断が19人、その他が10人)、前年は36人(横断中27人)だった。次いで四輪車運転18人(前年19人)、自転車11人(同13人)、四輪車同乗4人(同8人)、二輪車運転3人(同3人)の順で推移した(県警「いばらきの交通事故」2017年版・18年版)。

歩いての道路横断や、気軽に乗れる自転車にも事故の危険やリスクは潜んでいる。県警はドライバーに高齢者の自転車利用者を見かけたら、思わぬ動きに対応できる速度で走行するよう呼び掛けている。

つくば中央警察署交通課によれば、市内で65歳以上の高齢者による自転車事故は一昨年10件、昨年は14件、今年は7月末までで6件。死亡事故はゼロで件数は増えていないが、免許返納に合わせて増加する懸念はあるという。

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【茨城国体】水球女子、予選全勝で準決勝へ

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第1試合第1ピリオド、栗原舞(県競技力向上対策本部)のミドルシュートが決まる=土浦二高プール

【池田充雄】第74回国民体育大会「いきいき茨城ゆめ国体」の水球競技は2日目の14日、土浦市の県立土浦二高プールで女子の予選リーグが行われた。茨城県チームは第1試合で鳥取県に31-1、第2試合で鹿児島県に15-5で勝ち、通算成績2勝で予選Bリーグを勝ち抜けた。15日の準決勝でAリーグ首位の石川県と決勝進出を懸けて戦う。

▽得点者=中田1、風間4、栗原5、坂上3、佐々木1、野呂4、池田2、行天朋3、行天和2、齊藤6(以上、茨城)、森田1(鳥取)

茨城は第1試合、高校生主体の鳥取を相手に31-1と圧勝。GK以外の登録選手全員が得点を記録し、最高の立ち上がりとなった。「安易にファールせず、相手にとって攻めづらい状況を作り、パスミスを誘うディフェンスができた」と木村文明監督。攻撃に転じたときも、パスカットのタイミングで選手が一斉にゴール前へ迫るスピードと泳力、遠い距離でもボールを水に落とさず選手の手から手へスピーディーに渡るパス回しなど、優勝候補の実力を存分に発揮。「最初は緊張したが、水に入ったら全員がいつも通り生き生きとプレーできた。ノーマークを作り、きっちりと決めて高得点につながった」と主将の池田茉里(ジョイフルアスレティッククラブ)。

茨城の守護神、GKの渡部歩美(県競技力向上対策本部)
▽得点者=風間5、栗原1、坂上2、野呂2、齊藤5(以上、茨城)、有馬優4、松永1(以上、鹿児島)

第2試合の相手の鹿児島は、日本代表のポイントゲッター有馬優美がいる難敵。個々の選手もパワーやテクニックに優れ、ここを乗り切ることが予選突破のカギになると見られた。茨城は立ち上がりからタイトなマンツーマンディフェンスを敷き、相手の前線の動きを封じて、失点を最小限に抑える。試合を通して失ったのはわずか5点だが、そのうち4点は有馬によるもの。今回のチームではセンターバックとして自陣ゴール前に構えていたが、機を見て切り込んできては得点を重ねられた。主に攻め込んだときに有馬と対面した齊藤葵(筑波大院)は「何でもできる印象。体が大きくパワーがあるので、つかまれないよう間合いを取り、先に動くことを意識した」と感想を話す。

齊藤は第1試合で6点、第2試合でも5点を奪い、この日の最多得点者。基本的に左サイドのトップ下を務める。「右利きの左サイドなので得点を狙いやすい。シュートは得意ではないがGKをしっかり見て、相手が飛ばない方のコースへ打つことを心掛けている」という。翌日の試合に向けては「優勝のために大事な一戦。チームとしてプレスのディフェンスで失点しないことを意識し、自分は1対1の仕掛けや得点で貢献したい。チームの勝利が第一なので勝つために最適なプレーを自分で選んでいきたい」と意気込んだ。

第2試合第4ピリオド、齊藤(手前)が有馬の守備をかいくぐってシュートを放つ

なぜ秋の開催なのか 「土浦の花火」を博物館が解説する

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これが10号玉の打上筒。右奥に展示されているのが総理大臣盃=土浦市立博物館

【相澤冬樹】「秋の夜空を彩る花火――土浦全国花火競技大会の歴史」展が14日、土浦市立博物館(同市中央、糸賀茂男館長)で始まった。88回目となる同大会の開催を10月26日に控えて、「土浦の花火」は、なぜ夏ではなく秋に行われるのか、歴史的にたどる企画意図で構成された。会期は11月10日まで。

テーマ展となる今回は1階の展示室を中心にした開催。一発勝負で夜空に大輪の花を咲かす10号玉(尺玉)とその断面を示す模造品、業者提供の打上筒などを並べた。第2回大会のプログラムはじめ、古いパンフレットやポスターなども展示された。

花火大会の第1回は1925(大正14)年、9月5、6日に、霞ケ浦湖畔を会場に行われている。市内の神龍寺住職、秋元梅峯師が組織した大日本仏教護国団の主催で、22年、阿見村(現在の阿見町)に開設された霞ケ浦海軍航空隊の殉職者の慰霊などを目的にしていた。当時、秋元師がお手本にしたのは、17年から9月に笠間市で開かれていた笠間稲荷神社全国煙火競技会で、同大会との競合を避けるため第2回大会以降、開催時期を10月にずらしたということだ。

以来、秋の収穫を終えた時期の恒例行事となり、夏場に全国の花火大会を回った花火師が一堂に会し、技術を競う競技大会として定着したのである。土浦の花火は10月最初の土曜日開催が通例となったが、今回は「いきいき茨城ゆめ国体」の会期と重なるため、10月26日開催に調整された。歴史的にみると、戦後最も遅い日程となる。同館は大会当日を無料開館日に設定した(11月3日も)。

会期中、10月5日と14日に秋元梅峯師の足跡を神龍寺に訪ねる「歴史散歩」、10月26日にミュージアムシアター「土浦の二つの花火」、11月3日に県立土浦二高茶道部による呈茶「花火によせた茶会」などのイベントも開催される。

◆テーマ展「秋の夜空を彩る花火――土浦全国花火競技大会の歴史」▽会期:9月14日(土)から11月10日(日)まで(毎週月曜日休館=国民の祝日の場合は翌火曜日が休館)▽開館時間:午前9時~午後4時30分▽入館料:(一般)105円、小中高生50円▽問い合わせ:同博物館(電話029-824-2928)

◆第88回土浦全国花火競技大会 詳細は土浦市役所商工観光課内の実行委員会事務局(電話029-826-1111)まで。公式ホームページはこちら