木曜日, 5月 8, 2025
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入院患者2人がはしかに二次感染 筑波メディカルセンター

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筑波メディカルセンター病院

【鈴木宏子】筑波メディカルセンター病院(つくば市天久保、軸屋智昭院長)と県疾病対策課は21日、入院したつくば市在住の外国籍の男児(幼児)がはしかと分かり、同室だったつくばみらい市の男児(幼児)と土浦市の10代女性が二次感染したと発表した。

同センターによると、つくば市の男児は1月末に母国から帰国後、発熱し、1月31日と2月4日につくば市内の別の診療所を受診した。それぞれインフルエンザ、肺炎と診断を受け、4日に同センターに入院した。その後、発疹が出てはしかと分かり、10日に個室に隔離となった。

同センターが4日から10日に院内で男児に接触した可能性がある患者や面会者、職員など計340人を調査した結果、21日、2人が新たに感染していることが分かった。接触者には緊急ワクチンなどの接種や健康調査を実施しているという。

つくば市の男児は現在回復した。二次感染が分かった2人はいずれも自宅療養しており、快方に向かっているという。

県疾病対策課の発表によると、県内でのはしか患者は今年に入って5人目。2012年以降、最多となっている。

はしかは潜伏期間が約10~12日間、最大21日間。県は、はしかは有効な治療方法がなく、予防する唯一の手段はワクチン接種だとして、予防接種を呼び掛けている。

土浦一、水戸一など10校が中高一貫に 県が県立高校改革プラン

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2021年4月から併設型中高一貫校となる県立土浦一高=土浦市真鍋

【鈴木宏子】県立土浦一高や水戸一高など10校が2022年度までに新たに中高一貫校になることが分かった。県教育委員会が県立高校改革プラン・実施プランを発表し明らかにした。土浦一高は21年4月から併設型の中高一貫校になる。2学級(定員80人)を中高一貫のクラスとし、現在8学級(320人)の学級数は段階的に減らしていく。将来的に、中高一貫の2学級を含め1学年6学級(240人)となる。

どのような特色がある一貫校にしていくかや、教育方針、授業カリキュラムなどは、3月にも各校に準備委員会を立ち上げ、地元の教育委員会も加えて、これから検討していくという。

一貫校の成果受け

改革プランでは、生徒の通学状況を踏まえ、県内を12エリアに分けて、10校を中高一貫校に改編することを決めた。10校はいずれも各エリアの進学校だ。つくば市の並木中等教育学校など、すでに中高一貫校になっている4校を含め、県内の一貫校は計14校になる。県内どの地域からでも受験できる。

人口減少や高校を取り巻く環境の変化などを受けて、昨年12月、県高校審議会(委員長・鬼沢邦夫常陽銀行特別顧問)が中高一貫校の新設を求める答申を出した。答申を受けて県が新たなプランを策定し取り組む。

県内にある中高一貫校4校の成果を検証した結果、進学率が上がるなどの成果を上げていることがある。一貫校では、探究活動や国際教育、科学教育などに重点を置いた教育を展開し、豊かな人間性と起業家精神を兼ね備えた、地域のリーダーや世界へ飛び立つ人材を育成するという。

流出食い止めたい

並木中等教育学校は現在、競争率が4倍ほどと高い。土浦一高など有数の進学校が新たに中高一貫校になることで、競争のさらなる激化を心配する声がある。これに対し県教育庁は、各エリアに中高一貫校ができることで競争が平準化されるのではないかとする。現在すでに県内から千葉県や東京都などの中学や高校に入学する生徒もいることから、県内の教育環境を充実させることで、県外への流出を食い止めたい考えだ。

少子化や人口減少などを踏まえて、県は2003年度から県立高校の再編に取り組んできた。今回の取り組みは第3次の再編となる。

新たに中高一貫校になる県立高校10校
実施年度 対象高校 改編内容(1学年の学級数)
2020年度 太田一 併設型(5学級のうち1学級が中高一貫)
鉾田一 併設型(6学級のうち1学級が中高一貫)
鹿島
竜ケ崎一
下館一
2021年度 水戸一 併設型(6学級のうち2学級が中高一貫)
土浦一
勝田 中等教育学校(3学級)、高校は募集停止
2022年度 水海道一 併設型(6学級のうち1学級が中高一貫)
下妻一
学級は普通科・単位制

【猫の日】㊦ 猫小物1000点が飾られたカフェ 頑張る女性たち癒す

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猫の小物がいっぱいのカウンター=つくば市北中島

【橋立多美】猫好きな女性たちを癒してくれるカフェレストランがある。大の猫好きのオーナー飯田鈴子さん(51)が2000年10月、つくば市北中島にオープンした「カフェ ド しっぽな」だ。高い天窓から光が差し込む店内に1000点近い猫の小物が置かれ、かわいいポーズの猫たちを眺めながらくつろぐ来店客で終日にぎわう。

店名のしっぽなは、1960年代から人気を集めた赤塚不二夫の少女漫画『ひみつのアッコちゃん』に登場した、白い雌猫シッポナにちなんで飯田さんが付けた。「今の若い人はアッコちゃんを知らないでしょうね」と飯田さんは笑う。

開店時、猫をモチーフにした笠間や益子焼きのコーヒーカップやスプーンなどの食器や小物約400点を飯田さんが収集して店に並べた。その後は常連客が「旅行先で見つけて連れ帰った」など、徐々に増えて現在は1000点近くになった。

黒塗りの柱と梁が落ち着いた雰囲気を醸す店内=同

1人で月に2~3回は利用するという同市牧園在住の32歳の女性は「猫のキャラクター・ダヤンが好きで、ダヤンの焼き物が置かれたカウンター席が私の定位置」と話す。

一段高くなっているカウンター席を除き、店内はフラットな板張りの床で黒塗りの柱と梁(はり)がサーモンピンクの壁と対比して重厚感を醸し出す。今では標準的なバリアフリーをいち早く取り入れ、トイレは車いすに対応できる広々とした設計で玄関から駐車場までの通路には段差がない。

同店の料理は手間をかけた家庭的な料理でボリュームたっぷり。バラエティに富んだ手作りスイーツが人気で、自家焙煎のコーヒーは来店客で混んでいてもハンドドリップで一杯ずついれている。飯田さんは「お客様の9割が女性。家庭も仕事も頑張る女性たちが、肩の力を抜いて和める空間と時間を提供していきたい。たくさんの猫たちも応援しています」と話した。

◆カフェ ド しっぽなは、つくば市北中島424-6。営業時間は午前11時~午後9時(月曜は午後6時まで)。火曜、月末水曜定休。問い合わせは電話029-836-6596。

猫のイラストが描かれたしっぽなの外観=同

【猫の日】㊤ 看板猫のいる花屋さん ペットロスに寄り添うミュー

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花に溶け込んだ看板猫のミュー=つくば市高野台

【橋立多美】2月22日は「ニャン・ニャンニャン」の語呂に合わせた「猫の日」。つくば市高野台に看板猫のいる花屋さんがあると聞いて、訪ねてみた。

そこは静かな住宅街の一角にある「花*mjuk(ミューク)」。木の風合いが心地よい北欧のスウェーデン住宅で、店名のミュークはスウェーデン語で「柔らかい」の意。看板猫は黒目がちの大きな目が愛らしいキジトラの雌4歳で名前は「ミュー」。

3年前の春、同店の店主・加藤敦子さんが花を納品している市内の菜食レストランの敷地内に捨てられていたミューに出合ったのが始まり。加藤さんは無農薬農法に取り組んでいる夫との2人暮らし。夫婦そろって猫を飼ったことがなく迷ったが、ためらわず加藤さんの車に乗り込む姿に縁を感じて花店を兼ねた自宅に引き取った。今では「猫ってこんなにかわいいの」と2人で文字通り猫かわいがりするようになったという。

暮らしに、生花と観葉植物が同居する同店。靴を脱ぐ玄関に鉢花やドライフラワーなどが置かれ、広々としたリビングには切り花が並べられて低めのローテーブルがしつらえてある。客はゆったりした空間で花選びができる。その中を自由に歩き回るのがミューで、常連客にプレゼントされた襟巻きは副店長のユニフォームだ。

おとなしく甘え上手なミュー=同

来客に分け隔てなくつぶらな瞳を向けてすり寄ったりする接客上手で、爪を出したりかみついたことはない。ミュー目当てに来店したり、ローテーブルを囲んで猫好き同士の交流が生まれることは珍しくないそうだ。愛犬を亡くしてペットロスから抜け出せない人が来店すると、ミューはそっと脇に寄り添う。加藤さんは「きっとミューには分かるのだと思う」と話す。

同店の切り花は日持ちが良いと定評がある。それは、加藤さんが街の生花店に勤めていた時に身に付けた切り花の特性をアドバイスしているからだ。加藤さん自ら花き市場で仕入れて水揚げなどもしていることから、リーズナブルな価格もうれしい。客の好みに応じたアレンジメントや、配達と全国発送にも対応している。

猫好きがハッピーになれる原画展開催

「ニャン・ニャンニャン」の日にちなみ、猫好きの人がハッピーになれる絵本の原画展を同店で開催する。茨城生まれのイラストレーター、小林由季さんの絵本『木の実とふねのものがたり』の原画10点を展示。22日は午後1時~5時。23日は午前10時~午後5時。両日とも作者が来店する予定だ。

◆花*mjuk(ミューク)
つくば市高野台3-10-28。営業時間は水・金曜が午後1時~6時。木曜が午前10時30分~午後6時、土曜は午前10時~午後6時。日曜は午前8時30分~完売次第閉店。月・火曜定休。駐車場完備。茶色の建物でグリーンの玄関ドアが目印。問い合わせは電話090-8680-8636(加藤さん)。

リビングの一角を占める切花と観葉植物=同

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「矢口新聞」中心に異業種交流 土浦で始まる

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展示やワークショップを行う矢口祥子さん(右)ら=土浦市中央1丁目、公園ビルのがばんクリエイティブルーム

土浦市中央1丁目のギャラリー「がばんクリエイティブルーム」で18日、市内在住のイラストレーター、矢口祥子さん(46)と仲間たちによる異業種交流催事が始まった。3月3日まで。

手書きの矢口新聞=土浦市中央2丁目の喫茶店「城藤茶店」

矢口さんは「かえるかわる子」名義で、土浦市中心街のパン屋や飲食店などを取材した「矢口新聞」を発行している。生家が商店だったため、まちの活性化に役立ちたいとの思いが募り、2015年から手書きで、商店の見どころ情報やイベントに出席した感想を書き、カラフルなイラストでまとめている。SNSの時代に逆行するかのようなアナログの手書き新聞に、「手書きは温かさがある」「記事の内容への思いが強く感じる」と評判を集めている。

その現在を伝える個展「矢口新聞展」を9日から、同市中央2丁目の喫茶店、城藤茶店で開き、15年から18年の作品15点を展示している。開催案内を年賀状に書いたところ、熱い思いに賛同した仲間が合流して、第2会場のギャラリー「がばんクリエイティブルーム」での同時展開となった。

22日と24日、3月2日、3日の4日間、矢口さんのワークショップ「コラージュでつくるありがとうカード」を中心に、石岡市の喫茶店「リムト」の焼き菓子販売や、同店代表の横瀬伶子さんの椅子ヨガ体験会、土浦市の農家、小宮威彌さんによる「椿庵飴」の販売が行われる。「ありがとうカード」は、スマホもパソコンも持たない矢口さんが、友人や親しい人に感謝を伝える手作りカードとオリジナル封筒だ。

◆22日と24日はワークショップとヨガの組み合わせで会費1000円(定員4人)、3月2日、3日は個別開催でそれぞれ700円と500円となる。事前予約は城藤茶店(電話029-895-0283)まで。

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稀勢の里、郷土のファンに感謝 牛久

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来場者たちに感謝の気持ちを述べる荒磯親方(元横綱・稀勢の里)=牛久市のエスカード牛久

【崎山勝功】大相撲を引退した荒磯親方=元横綱・稀勢の里=(32)は18日、出身地の牛久市牛久町、エスカード牛久で開かれた「稀勢の里関郷土後援会 感謝のつどい」(同後援会主催)に引退後初めて出席し、後援会員ら約420人のファンに感謝の意を伝えた。

荒磯親方はスーツ姿で登壇し「力士人生の17年間、郷土後援会ができて約15年間、大変お世話になりました。苦しいとき、つらいときもたくさん応援していただき、国技館にもたくさん足を運んでいただき本当に力になりました」と振り返った。その上で「苦しかったことやうれしかったことを後輩に伝えていけたら。次世代の力士のために尽力します」と、今後は後進の指導に力を入れることを改めて表明した。

商店主ら3000枚のメッセージ手渡す

集いでは、牛久・龍ケ崎両市民らが感謝の言葉を記した名刺大のメッセージカード約3000枚が荒磯親方に手渡された。和菓子店「手作処かっぱ本舗」(牛久市田宮町)の村松慎次さん(50)が企画した。「稀綱祭(きずなまつり)」と題して、両市の商店主有志らが2月1日から約2週間、各店の店頭などでメッセージを集めた。

村松さんは「横綱がいてこそ龍ケ崎・牛久がクローズアップされた」と話し、参加した喫茶店「サイトウコーヒー」(同市南)の斉藤孝司さん(45)は「お客さんが『ぜひ書かせてください』と書いてくれた。うれしかった」と振り返った。サツマイモ菓子専門店「芋千」(同市南)の冨岡大晃(ひろあき)さん(38)は「店先でいろいろな方に書いてもらったけど、小さいお子さまからおじいちゃんまで、皆(稀勢の里が)大好きだったんだな、絆を感じた」と述べた。

市民の感謝の言葉が書かれたメッセージカードについて話す「稀綱祭(きずなまつり)」の牛久・龍ケ崎両市の商店主有志=同

荒磯親方は龍ケ崎市立松葉小学校出身。2年生のとき担任だった、牛久市立牛久第二小の鶴巻幸子校長(60)は、牛久二小の児童345人のメッセージカードを手渡した。鶴巻校長は「元気が良かったから、何か大物になると思った」と当時を振り返り「けがをしない強い力士を育てるとの言葉通り、先輩や親方への恩返しも込めて頑張ってくれると思う」と語った。

児童からのメッセージカードを手渡す、牛久市立牛久第二小学校の鶴巻幸子校長=同

集いでは大勢の地元ファンのサインや写真撮影にも応じた。サインをもらった女性は「『ありがとうございます』と言うのが精一杯だった。これからも変わらず応援していきたい」と話した。

同後援会応援団長の石渡昇さん(67)は「けがに負けない力士を育てていただきたい。(日本相撲協会の)理事、理事長になって、100年先の大相撲の発展を願っている」と新たな期待を寄せた。その上で新しい相撲部屋の場所について「牛久、龍ケ崎、つくばなど考えてもらえれば」と希望を話した。

郷土後援会のオレンジ色の法被(はっぴ)にサインを書く荒磯親方=同

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【ウェルネスパーク問題】新たな指定管理者決まる 前回1位と3位が組みリベンジ

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つくばウェルネスパーク入り口=つくば市山木

【鈴木宏子】つくば市のスポーツ施設「つくばウェルネスパーク」(同市山木)を4月から管理・運営する指定管理者が12月議会で否決され、市が公募をやり直した問題で、五十嵐立青市長は18日開会した市議会3月定例会に、新たに選定し直した事業者を提案し、賛成多数で可決された。

前回1位だったが、地元を優先すべきだとして議会で否決された都内のスポーツ施設管理運営会社「シンコースポーツ」が、つくば市内のNPOと組んで事業グループ「ライフテックつくば」(つくば市東光台、代表・NPOつくばアクアライフ研究所)をつくり、新たな指定管理者に選ばれた。

アクアライフは、前回3位だった「つくばアクアファーム」の構成団体で、水泳による健康づくりに取り組む野村武男・筑波大名誉教授が代表を務める。シンコーとは、愛知県岡崎市でPFI事業を一緒にやってきたという。

再公募は2社が応募

再公募は、12月議会で否決されたのを受けて、応募資格を地元のみに限定して実施した。ライフテックつくばのほか、現在の指定管理者で前回2位だったT.P.Hウェルネス推進グループ(つくば市篠崎、代表・塚越産業)の2事業者から応募があった。

2月12日に同候補者選定検討会議(座長・毛塚幹人副市長)の委員10人で審査の結果、9対1でライフテックが1位になった。総合得点はライフテックが725点、T.P.Hは559点だった。同会議議事録によるとライフテックは、市内雇用を促進し、維持管理についても芝の管理や機器の保守点検修繕などは地元企業に仕事を発注すると強調した。

一方、年平均の指定管理料は、市の上限額7576万円に対しライフテックが7480万円、T.P.Hは7226万円だった。前回はシンコーが7196万円だったのと比べ、ライフテックは年283万円増、T.P.Hは267万円減となった。

18日の議会では、前回も反対討論した五頭泰誠氏(自民つくばクラブ・新しい風)が「前回の議会で、箱に包んで包装されたのを一回返したが、今日、箱の中身は同じで包装は違う。表面だけ変えたという印象」と反対討論した。一方、賛成討論した宇野信子氏(つくば・市民ネット)は「12月議会で否決され、募集要項が変わり、中味も変わった」などと強調し、採決の結果、小差で可決となった。

ウェルネスパークは、開業当初から現在まで10年間、T.P.Hウェルネス推進グループが指定管理者だった。交代するのは初めて。指定期間は4月から5年間。

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しゃべってOK 写真見ながら魅力語る「しゃべっぺ土浦写真展」

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写真480点が並ぶ会場で「しゃべっぺ土浦市民の会」のメンバー=土浦市大和町の市民ギャラリー

【谷島英里子】土浦市内で撮影された写真を見ながら郷土の魅力や思い出を語り合う「しゃべっぺ土浦写真展」が16日、同市大和町の市民ギャラリー(アルカス土浦1階)で始まった。四季折々の自然風景や祭礼などを切り取った約480点を展示している。

主催は市教育委員会と映像ディレクターや元大学教員、学生、市民などでつくる「しゃべっぺ土浦」市民の会。市民ギャラリー開館前の2016~17年度に「人と街をアートでつなぐ」をテーマに市が開いたワークショップを経て企画された。

地域の魅力を再発見することを目的に開催。ギャラリーは通常静かに鑑賞する空間だが、写真を見た人同士で懐かしさや面白さを語り合う楽しさも認めることにした。土浦市内で撮影した珍しいもの、美しいもの、思い出の場所などを中心にホームページやインスタグラムなどから募集した。

展示は撮影地を中学校区ごとに分け、写真1点をA3判で掲示している。霞ケ浦総合公園の風車、祭礼、花火、石仏、霞ケ浦を背景に写したハス田やハクチョウなど土浦ならではの写真。付近の住人にしか知らないであろう天川ショッピングセンターや銅像、鳥居なども並んだ。撮影者のコメントの下に、来場者が見た感想を書けるようにした。

ハスの花托を写した写真。黒電話の受話器のデザインぽい=同

ほかに、ハスの花托(かたく)を写した写真に「懐かしい黒電話の受話器のデザインを発見!もしもし?今からしゃべっぺ!」といったユニークなコメントもあり、来場者の目を引いていた。同市民の会の上杉伸夫さん(79)は「おしゃべりのネタを集めたので、ぜひ見に来てほしい」と呼び掛けている。

会期は3月10日まで(月曜休館)。午前10時から午後6時。入場無料。写真の撮影可能。問い合わせは市民ギャラリー(電話029-846-2950)まで。

一夜限りの酒類解禁 19日に常総市豊田城でお月見の会

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豊田城超観月会のポスターの一部(写真は合成)

【斉藤茂】博物館や城郭などを会場にイベントを開く「ユニークベニュー」の手法を借りて、19日夜、常総市でお月見の会が催される。豊田城超観月会(かんげつえ)は、「市内で一番高い建物から見る、平成最後のスーパームーン!」と銘打って、一夜限りの酒類解禁の宴(うたげ)となる。

歴史的建造物、文化施設、公的空間などの地域特性を演出できる特別な場所(ユニークベニュー)を会場に、会議・レセプションなどのイベントを開催する取り組みは、新たな交流人口拡大につながる期待がある。政府観光局(JNTO)の肝いりもあり、全国的にさかんになっている。

常総市主催の今回は、「豊田城」の別名のある市地域交流センター(同市新石下)が、初めて夜間営業に踏み切っての開催。2月の満月は20日だが、19日が旧暦の十五夜に当たり、夕方5時ごろに月の出がある。普段の満月より14~15パーセント大きく見えることから、「平成最後のスーパームーンを見て楽しもう」という趣向になった。

月の出る午後4時50分から、ピークを迎える深夜0時54分まで開催する。市内名産品販売の常総名産会による出店はじめ、市内の飲食店が集結、酒類の販売も行う。シンガーソングライター、慈光(じこう)のミニライブなどが予定されている。雨天・曇天を問わず催行するということだ。

▼問い合わせ 常総市生涯学習課(電話0297-30-8880)
参照Facebookは:https://www.facebook.com/joso.city/photos/gm.2211054082248340/1797683927002470

「つちうら横丁」オープン 桜町3丁目 店持ちたい人がチャンレジ

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つちうら横丁外観

【鈴木宏子】自分の店を持ちたい人がチャレンジできる、飲食店などの複合施設「つちうら横丁」が15日、土浦市桜町3丁目にオープンした。同市中心市街地活性化基本計画の認定を受けた民間主導の事業で、にぎわいづくりが期待されている。

中川清市長(左から4人目)らとテープカットする塚崎雅之社長(同5人目)

鉄骨造り2階建て、延床面積約490平方メートルの施設に、1区画当たり4坪(約13平方メートル)から9坪(約30平方メートル)の店が計18区画集まる。各店の座席は10~15席程度。1階と2階にそれぞれテーブルやいすが並べられた広い共有スペースがあり、各店で購入したメニューを食べることもできる。

家賃は月額約4万5000円~11万円。200~300万円くらいの自己資金があれば開業でき、一人で切り盛りできる広さだという。入居店は、3年程度を目安に横丁で店を運営して自信を付け信用を得てもらい、その後、中心市街地の空き店舗などに新たに開業して、にぎわいを創出してもらうのが狙いだ。

元土浦青年会議所で活動し、全国各地のまちおこし事業を見て歩いた塚崎雅之さんが構想を温めてきた。塚崎さんが社長を務めるイープラス空間設計(東京都千代田区)が施設を建設した。今後、土浦青年会議所のメンバーらで事業組合をつくり横丁を運営していくという。

15日時点で、居酒屋、バー、ラーメン店、ケーキ店など計8店が開店した。3月中に、焼き鳥店、焼き肉店、ベトナム料理店など6店がさらにオープンする予定という。

塚崎社長は「全国150カ所ほどを回り、各地の特色ある横丁を見てきた。2、3年前から土浦に横丁をつくりたいという思いを抱くようになった」と述べ「誰もが、店を持ちたいという夢を持ったとき、地域の力や行政が応援し、さらに『つちうら横丁』が起爆剤となって、中心市街地に店がどんどん増えていけば」と思いを話した。

15日には開所式が催され、中川清市長、海老原一郎市議会議長、中川喜久治土浦商工会議所会頭らがテープカットした。中川清市長は「中心市街地のにぎわいづくりをされている方の創業意欲の喚起につながり、地域に親しまれる横丁になってほしい」と語った。

写真左上から右下へ ダイニングキッチン「雅」、バースデーギフト&ケーキ「土浦スイーツ」、麺屋「のらくま」、おでんや「こばん」

◆「つちうら横丁」は土浦市桜町3丁目3-15。

15日までにオープンした8店は
▽ダイニングキッチン「雅(みやび)」
▽バースデーギフト&ケーキ「土浦スイーツ」
▽麺屋「のらくま」
▽おでんや「こばん」
▽和み処「なにぬねの」
▽カラオケBAR「千代」
▽ほぐし屋「かみやの手」
▽インテリアショップ「e-Room」

写真左上から右下へ 和み処「なにぬねの」、カラオケBAR「千代」、インテリアショップ「e-Room」、ほぐし屋「かみやの手」

「福来梅」に願を掛け 16日から筑波山梅まつり

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観梅客を出迎えるつくば観光大使(写真提供=つくば観光コンベンション協会)

【相澤冬樹】第46回筑波山梅まつりが16日、つくば市沼田の筑波山梅林で幕を開ける。つくば市とつくば観光コンベンション協会による同まつり実行委員会(委員長・五十嵐立青市長)主催で、会期は3月21日まで。16日は午前11時からの開園祭・開園式はじめ、「福来(ふくれ)梅の木」祈願祭などオープニングイベントが催される。

梅林は筑波山の男体山西側、標高約250メートル付近の斜面地に広がる。涸(か)れ沢沿いの約4.5ヘクタールに筑波石とよばれる班れい岩の巨石が散在し、縫うように約1000本の白梅・紅梅が植えられている。早咲きの紅梅は馥郁(ふくいく)たる花をつけ、例年並みの開花状況。下旬には白梅も咲きそろってくる。斜面地の最上部にある茅ふき屋根のあずまやからは、晴れた日には富士山まで見渡せるといい、人気の展望スポットになっている。

紅く色づき梅まつり開幕を待つ筑波山梅林(つくば市沼田)

昨年はまつり期間中に約17万人を集めた。今シーズンは16日のオープニングイベントをはじめ、期間中の土・日曜日にはつくば観光大使のお出迎えがあり、ガマの油売り口上の実演、観光ボランティアによるガイドなどが予定されている。

今回は特に、筑波山名物の「福来みかん」にちなむイベントが各種用意された。園内1000本の梅から1本を「福来梅の木」として選び、筑波山神社の祈祷により縁結びパワースポットとして期間限定で開設する。来場者が梅の木に縁結び絵馬(300円)を結って願掛けたり、開運招福のお札「福来の枝」(500円)の授与が土日限定で行われる。

筑波山周辺の各店でも、福来みかんを使ったソフトクリームやおでん、ベーコンバーガーなどオリジナルメニューを用意して観光客を迎える。3月3日には筑波山水系の酒蔵5店が参加しての特別企画「観梅!乾杯!梅宴!新酒de筑波山地酒フェス」、昨年の好評を受けて2回目の開催で、イープラスでチケットの前売り販売を開始している。

▼問い合わせ つくば観光コンベンション協会 電話029-869-8333

市職員2人を懲戒免職と停職1カ月 つくば市

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つくば市役所

【鈴木宏子】つくば市は14日、市職員2人を同日付けで、懲戒免職と停職1カ月の処分にしたと発表した。懲戒免職は、今年1月11日、無免許運転で現行犯逮捕された同市水道工務課水道監視センター主任主査の男性職員(48)。停職は1月21日、来館した男子児童の尻を蹴り上げた児童館長の男性職員(56)。

2年間、無免許運転

市水道総務課によると、主任主査は2016年8月20日未明、土浦市内の飲食店で酒を飲んで自家用車を運転し、酒気帯び運転で検挙された。その後17年2月、2年間の運転免許取り消し処分を受けた。

しかし上司に報告せず、無免許のまま、業務や通勤で公用車や自家用車を約2年間にわたって運転した。市内の配水施設を点検したり水質検査をするのが業務だったため、公用車の無免許運転は計43回に及んだという。今年1月11日夕方、同市下岩崎で、帰宅途中に巡回中の警察官に逮捕され無免許運転が発覚した。

同課の調査に対し主任主査は、免許取り消し直後に同居していた母親が寝たきりになり、通院や介護などで運転を始めたと話しているという。

児童の尻蹴り上げる

一方、市人事課によると、停職処分を受けた児童館長は1月21日午後、児童館玄関近くで、男子児童を注意する際、児童の尻を後ろから蹴り上げ、頭を拳でたたいたという。市民から市に通報があり発覚した。

館長は17年4月に同館に就任。以来、計10回にわたって、来館した児童の尻を蹴り上げたり、拳で頭をたたくなど不適切な行為があったという。市内の児童館では昨年12月27日、別の児童館長が口答えをした男子児童の頬を平手打ちしたとして停職1カ月の懲戒処分を受けたばかりだった。

五十嵐立青市長は「職員の服務規則確保についてはこれまで再三注意喚起したにもかかわらず、不祥事を起こしたことは極めて遺憾で市民に深くお詫びします。今後再びこのような不祥事を起こさぬよう、全職員で常に緊張感を持って職務に専念し、市民の信頼を回復できるよう取り組みます」などとするコメントを発表した。

自転車損害賠償保険加入促す 県が条例一部改正へ つくばの死亡事故など受け

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春めいてくると自転車で出かける機会が増えてくる(資料写真)

【山崎実】4月1日から施行予定の県交通安全条例の一部改正案について、県生活文化課は18日まで、パブリックコメント(意見募集)を実施している。

自転車の死亡事故が例年、交通死亡事故全体の1割強を占め、全国平均より高い傾向にあること、昨年6月、つくば市の歩道で大学生が乗った自転車が歩行者をはねて死亡させる事故が発生したことなど、特に利用者の安全確保対策に主眼を置き、改定する。

具体的には、自転車の安全な利用を図るため、「県民及び事業者」「自転車を利用する者」「自転車を販売する者」「県」の、それぞれの責務について規定を追加する。

中でも、自転車利用者、販売者、県は、自転車損害賠償保険等への加入を積極的に促進すべきことを盛り込んでいる。しかし、同保険は任意保険のため実態把握が困難。加えて条例改正案には何らの警告や罰則規定はない。

改正案では、県民や事業者が交通安全に対する関心を高めるため、毎月1日を「交通安全の日」とすることを定めている。

自転車活用推進法の施行(2017年5月)、自転車活用推進計画の閣議決定(18年6月)を受け、自転車利用者の増加に伴う交通事故が懸念される中で、条例改正が一定の歯止めになり得るのかどうかは、なお不透明な状況だ。

◆パブリックコメントに関する資料の閲覧場所は、県庁12階県民生活環境部生活文化課安全なまちづくり推進室や土浦合同庁舎など。提出は郵送かファクス、電子メールで同推進室まで。seibun6@pref.ibaraki.lg.jp

【ひと】飲酒量低減外来を開設 筑波大学 吉本尚准教授

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筑波大学医学医療系地域総合診療医学の吉本尚准教授

【田中めぐみ】筑波大学との連携で1月半ば、北茨城市民病院付属家庭医療センター(同市中郷町)内に飲酒の悩みを抱えている人を対象にした「飲酒量低減外来」が開設された。精神科以外での飲酒専門外来の開設は全国で初めて。毎週木曜日午前中に同大医学医療系の吉本尚准教授ら総合診療医が診察する。反響は大きく、開設して約3週間、予約はほぼいっぱいの状況だという。

北茨城市は筑波大と地域医療で連携しており、同大は総合診療、家庭医療の専門医教育の一環として、同センターで研修や実習を行っている。同外来は飲酒量が多い人や軽度のアルコール依存症の人などが対象。飲酒習慣について質問票で調査した上で、カウンセリングをするほか、場合によっては薬物治療も行い、一人ひとりに合った飲酒量を考えていく。診療で治験を集め、今後つくば・土浦市内、ひいては全国にも取り組みを広めていければとの考えだ。

吉本准教授によると、国内にはアルコール依存症が100万人いるとされているが、医療機関を受診している人は4~5万人。アルコール依存症の診療は従来、精神科や心療内科の領域であるため、受診をためらってしまうことが原因の一つとみられる。「アルコールの問題で悩んでいる人は想像以上に多い。悩んでいる人がもっと気軽に受診できるよう、新しい取り組みにチャレンジできないかと考え、飲酒量低減外来を開設した」と話す。

厚生労働省が「節度ある適度な飲酒」としている量は、ビールなら男性で500ミリリットル、女性や高齢者はその半分。吉本准教授らが関東の31大学の学生533人を対象に調査したところ、飲み放題のサービスがある店では、飲み放題でない店よりも飲酒量が2倍近く増える傾向があるという。また関東の大学生2177人を調査したところ、男性では2時間で1缶500ミリリットルのビールを2本半、女性では2本飲むと、けがのリスクが25.6倍になったという。海外では飲み放題の規制をしている国もある。

アルコール・うつ・自殺は関連が深く、「死のトライアングル」と呼ばれている。吉本准教授は「最近は芸能界やスポーツ業界などでも、お酒に関係する事件の報道がされて話題になっており、お酒との付き合い方は難しいと感じる」そうだ。「『自分は飲み過ぎではないか』『飲む量を減らしたい』など、飲酒のことで気になること、困りごとがあればなんでも気軽に相談してほしい。本人だけでなく、家族の相談でもかまわない。体、心の害が出ないようにお酒とうまく付き合える支援をしていきたい」と話している。

[吉本尚(よしもと・ひさし)]北海道出身、筑波大卒、医学博士。2014年に母校に戻り、18年から医学医療系地域総合診療医学准教授、総合診療に関わる医師の在り方を提案している。

◆北茨城市民病院付属家庭医療センターは予約制で1日3人まで。電話0293-43-1131

◆飲酒に関する相談は同センターのほか、筑波大学付属病院総合診療グループ。電話029-853-3189

障害者雇用優良企業 県が認証マーク制度設け募集

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障害者雇用優良企業の認証マーク

【山崎実】障害者雇用に対する事業主の理解と協力を求めるため、県労働政策課は「障害者雇用優良企業」認定マーク制度を設け、2月から優良企業の募集を開始した。昨年4月、障害者雇用率制度の改定により、民間企業の場合で、法定雇用率が2.0%(従業員50人に1人)から2.2%(45.5人に1人)に引き上げられるなどしたが、その後の推移から一層の意識啓発活動が必要と判断されている。

茨城県の民間企業の障害者雇用率は、2017年実績で1.97と法定率(2.0%)をクリアしていないが、その後、国、県など行政機関の水増し問題が発覚、民間企業からも批判を受けたことで、障害者雇用行政は暗礁に乗り上げていた。再雇用などで急場をしのいでいるが、信頼回復までとは言い難く、県は今回の認証マーク制度の普及促進に期待を寄せている。

認証マークは公募方式で行われ、全国から194作品の応募があった。障害者雇用制度検討委員会の審査を経て、菅野薫さん(67)=山形県在住=の作品が選ばれた。作品のコンセプトは、茨城県の頭文字「i」をモチーフに、障害者雇用を行っている事業所などの温かい心をハートで表し、文字のデザインは優しさを感じさせる丸ゴシック体にして茨城を平仮名で表記。シンボルカラーは、県章と同じ青色で統一している。

同課は、障害者が働きやすく、障害者雇用に積極的に取り組んでいると認定した企業に、障害者マークと認定証を交付。企業は、自社パンフレットや名刺などに認証マークを印刷して、企業PRに活用することができる。

交付認定証の有効期間は3年間で、県ホームページなどで優良企業を公表、PRし、取り組み事例集を作成。他の事業主への普及啓発活動に役立てていく。

なお昨年4月からの民間企業以外の法定雇用率は、国・地方公共団体等が2.3%から2.5%、都道府県等の教育委員会が2.2%から2.4%に引き上げられたほか、民間企業は2021年4月までにはさらに現行の2.2%から0.1ポイント引き上げられ2.3%になる予定。

認証マーク、障害者雇用優良企業などに関する問い合わせは県労働政策課(電話029-301-3645)。

認知症は予防できる! 筑波大の内田准教授が早期発見の検査法開発 普及へ

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軽度認知障害(MCI)とアルツハイマー病の発症

【田中めぐみ】認知症は予防できるという。筑波大学医学医療系の内田和彦准教授らのグループが、簡単な血液検査によって軽度認知障害(MCI)のリスクが判定できることを発見した。この検査法は内田准教授が社長を務める同大発ベンチャーMCBI(つくば市吾妻)で実用化、全国の医療機関で検査が可能になった。

検査は7㏄の採血のみで、2~3週間で結果が出る。判別精度は90%。健康保険適用外の自費診療で料金は2万円ほど。内田准教授は認知症の予防につなげる新しい検査法として普及させたい考えだ。

軽度認知障害は、もの忘れが目立つなど認知機能の低下はあるものの、日常生活には支障が出ていない状態で、認知症の前段階を指す。軽度認知障害の約40%が4年後に認知症を発症するといわれており、要注意の段階だ。しかし定期的に血液検査を行い、早い段階で発見できれば、生活習慣の改善で回復が可能だという。

3種類のタンパク質濃度を検査

アルツハイマー型認知症は、アミロイドβ(ベータ)タンパク質という物質が脳内に蓄積し、正常な神経細胞に障害を与えることで発症すると考えられている。アミロイドβは誰の脳にも存在するが、蓄積しないよう排出する機能が備わっている。

認知症を発症する人は排出機能が低下しており、徐々にアミロイドβが脳内に蓄積される。排出には3種類のタンパク質が必要だが、軽度認知障害の人は、この除去に働く3種類の血中量が健常者に比べて低く、排出機能低下につながっていると考えられている。血液検査ではアミロイドβを排出に関わる3種類のたんぱく質の血中量を測ることで。軽度認知障害のリスクを判定するという。(上図参照)

内田和彦准教授(筑波大学医学医療系)

予防や治療について、内田准教授に話を聞いた。

治療は生活習慣病と同じ

―どういった場合に検査をすればよいでしょうか。

内田 日常生活に支障がなくても、物忘れが多い、言葉が出てきにくいなど、本人やご家族が少しでも気になったら専門医に受診するとよいでしょう。全国1300件以上の医療機関で検査が受けられます。早期発見すれば予防効果も高いです。

―検査で軽度認知障害のリスクがあると分かったらどうしたらよいでしょうか。

内田 リスクがあると分かっても怖がる必要はありません。予防ができるので回復のチャンスです。軽度認知障害の治療は生活習慣病の治療と同じです。中年期では生活習慣の改善が大切で、特に運動は効果があります。食事は高タンパクで良質の脂質を取ること。また、良質な睡眠を充分に取ることも大事です。高血圧や糖尿病の人はきちんと治療をし、コントロールします。適正体重を維持することも必要です。

65歳以上の高齢期はしっかり食べて栄養を取り、仕事を辞めても社会との接点をなくさないことが大切。筋トレやウォーキングなどの有酸素運動も重要です。エレベーターを使わずに階段を使って移動するのもいいでしょう。

―軽度認知障害の治療はどのようなものでしょう。

内田 治療というと薬と思われがちですが、治療は薬だけではありません。食事療法、運動療法、芸術療法、すべてが治療です。物を見て絵を描く、粘土で造形する、歌を歌う、脳トレ、ダンスなども効果があります。また、緑茶を飲む習慣がある人も認知症を発症しにくいという報告もあります。

―今後の研究の展望は。

内田 より多くの症例を用いて臨床研究していきます。また、運動と抹茶を飲むことの継続がどのような効果をもたらすのか、血液検査と合わせて研究していく予定です。筑波大学では軽度認知障害と診断された人たちを対象に「認知力アップデイケア」というプログラムを設けています。またMCBIでは「頭のかんたん健康チェック」というイベントも開催しており、抹茶を飲んで認知症予防する臨床研究のご案内をしています。興味のある方はぜひ参加していただきたいと思います。

◆認知症予防セミナー「頭のかんたん健康チェック~抹茶で認知症予防しませんか?~」は2月、取手・守谷地区で開催。▽19日午前10時~12時=取手市福祉交流センター▽22日午前10~12時=サンシャイン・ヴィラ守谷倶楽夢。参加は無料。楽しく簡単に誰でもできる認知症予防チェックと講演のほか個別相談会も行われる。問い合わせは電話029-899-4431(MCBI)https://mcbi.co.jp/

◆筑波大学附属病院 認知力アップデイケアのホームページはhttp://www.tsukuba-psychiatry.com/dc/

つくばで2㌢の積雪 あす10日の入試2時間繰り下げ 筑波学院大

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街路樹や生垣に雪が積もった筑波学院大学。雪の影響であす10日の入試が2時間繰り下げとなる=9日午後0時30分ごろ、つくば市吾妻

【鈴木宏子】低気圧と寒気の影響で9日朝から県内に雪が降り、つくば市で2㌢の積雪を観測した。同市吾妻の筑波学院大学はあす10日に予定している入試の開始時間を2時間繰り下げるなど雪の影響が出ている。

9日のつくば市の最高気温は1.3度、土浦市は1.0度と最も寒い時期を下回った。水戸地方気象台は午後4時時点で、大雪の恐れはなくなったが、9日夜遅くにかけて雪の降るところがあるとして路面凍結などに注意を呼び掛けている。

入試の開始時間を遅らせる筑波学院大学では、一般入試A日程(国語受験者)と特待生選考試験の受付時間を10日午前11時から、試験を正午からとする。同A日程(国語以外)は受付が午後0時30分から、試験は1時30分からとなる。

筑波山では9日、積雪や路面凍結の恐れがあるとして、筑波山神社や梅林周辺の市営第1、第3、第4駐車場が閉鎖された。筑波山神社ではあす10日と11日に年越祭(豆まき)が催される。筑波山観光案内所によると、9日夜に雪の降る予報があり、3カ所の駐車所はいずれも出入口が急な坂道で路面凍結の恐れがあることから、9日午後5時時点で、いつ閉鎖を解除できるか分からないという。

一方、県内の列車の運行状況は、つくばエクスプレス、常磐線いずれも9日午後5時時点で平常通り運行している。

➡昨年の積雪の記事はこちら

家庭ごみ10%削減 有料化後の土浦市 「期待ほどでない」

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有料化後の家庭ごみの排出状況が報告された土浦市廃棄物減量推進審議会=8日、同市役所

【鈴木宏子】家庭ごみの処理を昨年10月から有料化し、指定ごみ袋が県内で最も高くなった土浦市で8日、有料化後の排出状況が報告された。家庭ごみの量は全体で、前年に比べ10%減ったことが同日開かれた市廃棄物減量推進審議会(会長・佐藤誠吾筑波大名誉教授)で明らかにされた。

佐藤会長は「(導入後3カ月で)10%減量は期待していたほどではない」と語り「全国では数年経つと(ごみの量が)元に戻るというリバウンドの問題が出ている。2、3年経って戻ってしまうのは避けなければならない」などと話した。

市環境衛生課によると、有料化によって可燃ごみの量は、昨年10月から12月までの3カ月間で前年同期より18%減り、不燃ごみは32%減った。全国では有料化後、可燃ごみの量が約2割減っている。

有料化直前の昨年9月は、家庭から出るごみの総量が前年より1.2倍に増えていたことも分かった。

一方、市は、リサイクルされる資源物の収集を無料にした。その結果、古布の量は有料化後に60%増え、容器包装プラスチックは44%増、ペットボトルは18%増えたなど、資源物は昨年10~12月の3カ月間で14%増えた。

食品ロスも減る傾向に

同市の生ごみを堆肥化している日立セメントと、北海道大学、市の3者が共同でごみの組成調査を行ったところ、有料化前は可燃ごみの中に、生ごみ、容器包装プラスチック、雑紙などリサイクル可能なごみが約60%含まれていたが、有料化後は約45%に大きく減少したことも分かった。さらに有料化後は、手を付けられないまま捨てられる食品ロスが減る傾向にあるという。

有料化後に排出量が44%増えた容器包装プラスチックは、正しく分別されている割合が83%から63%に落ち込んだことも分かった。容器包装以外のプラスチック製品やペットボトルなどの混入が増えているという。市は、分別の意識が高まり新たに分別に取り組む市民が増えたためと見て、ごみの出し方を分かりやすく図解した冊子などを改めて作成し、近く全戸配布するとしている。

有料化に対して市民から市に寄せられた問い合わせや意見などは、有料化実施前後の昨年9月と10月は電話がひっきりなしにかかってきたが、11月以降は落ち着いたという。

集積所でのごみの出し方は、指定ごみ袋が新しくなった10月1週目は16%が新しいごみ袋を使用しておらず、2週目と3週目も約1割が使用してなかった。自宅に余っている旧指定袋の使い方をめぐって一部、混乱もあったという。

「分別するとごみ少なくなること実感」

審議会の委員からは「(周囲では)当初、ごみ袋代が高いという意見が多かったが、きちんと分別すれば有料の可燃ごみと不燃ごみの量が意外に少なくなり納得した人が多い」「一時、ごみ袋代が高いという苦情を聞いたが、45㍑(10枚入り500円)の袋ではなく、15㍑(同150円)でも30㍑(同300円)でも間に合うことが分かり、分別するとごみが本当に少なくなることを実感した」など有料化を評価する意見が相次いだ。

容器包装プラスチックの分別精度が下がった問題については、地区や年代によって差があるのではないかという意見が出て、今後、市がさらに丁寧に説明をするよう求めた。

同市の2017年度のごみ処理費は約22億円。有料化により家庭ごみの排出量は減少するが、ごみ処理費がどう変化するかについて市は、現時点で分からないとしている。

➡土浦市家庭ごみ有料化の関連記事はこちら

【人が想い 街を育てる】2 美味しいカレーを土浦に足運ぶきっかけにしたい レストラン中台 中台義浩シェフ

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「レストラン中台」オーナーシェフの中台義浩さん

【戸田さつき】土浦に移住を提案するイベント「意外と近い!?つちうら―土浦市移住フェア」が10日、東京都千代田区有楽町の東京交通会館で開催される。土浦カレーフェスティバルで6年連続優勝を果たし殿堂入りしたことで知られる「レストラン中台」(同市桜町)が同イベントに出店し、土浦ブランドの飯村牛を使った「幻の飯村牛ビーフシチューカレー」と、カレーに合わせて作った「土浦レンコン福神漬」を販売し土浦をPRする。オーナーシェフの中台義浩さんに、カレーと土浦への思いを聞いた。

―レトルトカレーを独自に開発し移住フェアで販売すると聞きます。こだわりポイントは何ですか。

お店の味を皆様の自宅で再現することです。80年引き継いできたデミグラスソースのコクの深さをレトルトで表現するのは大変難しく、試作を何度も何度も繰り返しました。土浦の銘柄牛である飯村牛は「幻の飯村牛」と言われるくらい流通量が少ない。店で出しているようにゴロっとした塊を入れるために調達するのも苦労しました。

―なぜレトルトを作ったのですか。

レトルト化は土浦カレーフェスティバルで優勝して以来の夢でした。都内での修行を終えて妻と一緒に帰郷した時、自分たちが若いころの土浦と変わっていて、寂しくなりました。同フェスでは、他の地域からも土浦に足を運んでもらえるきっかけになればという一心で美味しいカレー作りに取り組みました。専門的な知識を知りたくてカレー大学に通ったこともあります。 その結果、同フェスで6冠をいただけるようになりました。

そのタイミングで、開店80周年が近づいてきて。全国に味を届けて、さらに土浦への関心を高められたらと思いました。奄美大島出身の妻の家族にもやっと食べてもらえてうれしかったですね。ああ、これがレトルトだからできることなんだなって。

―個人店が レトルトを作るのは珍しいと聞きます。

通常は個人店でレトルトカレーを作るのはハードルが高いものです。そんな時に知人からクラウドファンディング(資金調達)について教えてもらいました。販路の拡大や告知にもなるだろうと思い、挑戦しました。ちょうどこのころ、高安関が大関になるかどうかという時期で、高安関が来店した店としてテレビに取材をしていただきました。おかげさまで視聴した方がご来店くださいました。クラウドファンディングの告知活動は十分にできませんでしたが、ふたを開けてみたら、あっという間に目標額の300%を達成。お客様や友人、家族、関係業者の皆さんに支えられているのを改めて実感しました。

「幻の飯村牛ビーフシチューカレー」のレトルトパックと「土浦レンコン福神漬」

―今後の展開をどう考えてますか。

―今回、カレーに合わせてレンコンを使った福神漬けを発売します。今後もセットで販売できるものを作っていきたいなと思っています。新作も予定しています。

―移住フェアの来場者に伝えたいことは何ですか。

私が生まれ育った土浦は、高校も多く、子供を育てやすいと思います。妻は休みのたびに上京してしまうほど交通の便がいいです。全国的に有名な土浦花火競技大会も土浦市民にとってはDNAに組み込まれているかのように愛着があります。愛すべきものがたくさんある土地だからこそ、移住にふさわしいのではないでしょうか? 当日はレンコンの無料配布や特産品がある抽選会もあり、楽しいイベントです。皆様のご来場をお待ちしております。

◆ 土浦市移住フェア会場では、カレーのほかに「つちうらブランド」として認定された「つちうらネル」(ニコニコ珈琲)、「わかさぎのコンフィ」「わかさぎのエスカベッシュ」(いずれも小松屋食品)も出店・販売される。 日時は10日(日)正午~午後3時、場所は東京都千代田有楽町、JR有楽町駅前、東京交通会館1階ピロティ。詳細は同市ホームページ

◆レストラン中台は電話029-822-1068

➡「人が想い 街を育てる」第1回はこちら

DV被害者の証明書を加害者の住所に誤送付 つくば市

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つくば市役所

【鈴木宏子】つくば市は7日、夫から暴力を受け市内に引っ越してきたDV被害女性の資格証明書を昨年4月、誤って加害者の夫が住む住所に送付してしまったと発表した。女性は身の安全を図るため直後の5月に転居し、引っ越し費用約27万円を市が女性に損害賠償した。

市障害福祉課によると、女性は、夫に転居先を知られないよう住民登録を変更しないまま、つくば市に引っ越してきた。資格証明書には、女性が利用している医療機関名と薬局名、封筒にはつくば市の市名が書かれていた。女性のつくば市内の住所は記されておらず、夫からの問い合わせなどはなかったという。

昨年5月1日、女性から問い合わせがあり、誤送付が判明した。市は女性に謝罪したという。

窓口で受け付けた市職員が、送付先の住所をつくば市内に変更する旨の情報を同課のシステムに入力しなければならなかったが、入力を怠り、事情を知らない別の職員が、女性の住民登録地である前の住所に送ってしまったという。

五十嵐立青市長は「起こしてはならない重大な過失で、被害者に多大な迷惑をお掛けしたことを心よりお詫びします。今回の事態を重大に受け止め、再発防止策として庁内の情報共有システムとチェック体制を強化しました。今後は二度とこのような事態を起こさないよう努めます」とするコメントを発表した。