木曜日, 4月 2, 2026
ホーム ブログ ページ 211

濃厚接触の別の教員も感染 つくばの市立学校

1
つくば市役所

つくば市は2日、教員が新型コロナウイルスに感染していることが分かった市立学校(11月30日付)で、この教員の濃厚接触者となった別の教員も新型コロナに感染していることが新たに分かったと発表した。

市教育局学び推進課によると、この学校では濃厚接触者などのPCR検査を終えており、2日までに他に感染者はいないという。

この学校は11月30日と12月1日、消毒のため休校し、2日から再開している。今回新たに感染が判明した教員は濃厚接触者となって以降、勤務を休んでいるため、新たに感染が拡大することはないという。

同課によると、同市内の市立学校では11月以降、7つの小中学校で感染が確認されており、各学校では消毒のため1~4日間休校としている。感染者の濃厚接触者は2週間の自宅待機となるが、児童生徒が濃厚接触者となった場合は、電話やメールなどで連絡を取り合って不安を取り除き、オンライン学習なども活用して学びの保障を行っているとしている。

平山氏に江崎玲於奈賞、核スピン分極を応用 つくば賞はチバニアンの3氏

0
江崎玲於奈賞に決まった平山祥郎氏=茨城県科学技術振興財団提供

【相澤冬樹】ナノサイエンス分野の研究で優れた業績を挙げた国内研究者を顕彰する江崎玲於奈賞の審査会が23日、つくば市内で行われ、第17回受賞者(副賞1000万円)に原子の核スピン応用技術の平山祥郎東北大学大学院教授(65)を選出した。

第31回つくば賞(副賞500万円)には「チバニアン」研究の茨城大学大学院の岡田誠教授(55)、国立極地研究所の菅沼悠介准教授(43)、産総研地質調査総合センターの羽田裕貴研究員(28)の3氏を選んだ。

「江崎先生も気づかなかった着眼点」

同賞は茨城県科学技術振興財団(江崎玲於奈理事長)がノーベル賞受賞の白川英樹、野依良治、小林誠各氏らを審査委員に選出する。今回の発表はオンライン開催となった。

平山教授は、東北大学先端スピントロニクス研究開発センター長。原子の核スピンが分極し、余剰抵抗が生じることは1999年ドイツの研究者により報告されたが、電気特性が弱く注目を集めなかった。これに着目した平山教授は2003年以降、独自の半導体ナノ技術を駆使して核スピンの分極を電子的に制御し、その影響を高感度に抵抗検出する技術を確立した。技術はMRI(核磁気共鳴画像法)のイメージングにも用いられるが、平山教授の研究は核スピンの分極の組み合わせを量子コンピューターなどのエレクトロニクス分野に応用するなどの技術開発で特に業績をあげた。

審査会では「江崎先生をもってしても気づかなかった着眼点であり、その先見の明に賞を与えたい」とした。

地磁気逆転、古海洋変動復元研究が評価

つくば賞に決まった(左から)岡田誠、菅沼悠介、羽田裕貴の各氏

つくば賞受賞の3人は、今年1月のIUGS(国際地質科学連合)理事会で承認され、わが国初の地質時代名称となった「チバニアン」に関する研究が評価された。千葉県市原市の地層「千葉セクション」は中期更新世(7.4万年前~12.9万年前)における地磁気逆転と海洋環境変動を記録することを、極めて高い時間解像度で明らかにした。

第30回つくば奨励賞は、実用化研究部門で物質・材料研究機構の内藤昌信グループリーダー(47)、若手研究者部門で同機構の佐々木泰祐主幹研究員(40)が選ばれた。

同財団によれば、新型コロナウイルス感染防止のため、例年行ってきた各賞の授賞と受賞記念講演会は開催を見合わせる。受賞者への賞の贈呈は個別に行う予定。

筑波大生有志が主催 「つくばリサイタル」今年も

4
去年のコンサートの様子

【山口和紀】筑波大生有志が主催するコンサート「つくばリサイタルシリーズー1日だけの異色の競演」が12日、つくば市竹園、カピオホールで開催される。出演者は福田廉之介さん(ヴァイオリン)、會田瑞樹さん(パーカッション)、高橋優介さん(ピアノ)の3人。同コンサートは「学生に気軽にクラシック音楽を楽しんでほしい」との思いから生まれた企画で、今年で9回目を数える。新型コロナ対策のため客席を半分とし、全席指定での開演となる。

コンサートは同大の学生有志で作るつくばリサイタルシリーズ実行委員会が主催している。企画の創設者である同大の江藤光紀准教授(比較文化学類)は「学生の皆さんにクラシックの楽しさを感じてもらいたい」と語る。

公演では江藤准教授が作曲した作品「さまざまな風―ヴァイオリン、マリンバ(ヴィブラフォン)、ピアノのための」も披露される。ヴァイオリン、打楽器、ピアノという珍しい編成の作品だ。「困難な時であればこそ、人びとに慰めや希望を与え、勇気を奮い起こさせる音楽を書かねばならない」との思いで作曲された。

キャスティングにも意図がある。演奏者の一人、ヴァイオリン奏者の福田さんは1999年生まれの21歳で、数々の国際コンクールでの入賞経験を持つ注目の若手だ。他の演者もそれぞれ20代と30代。若手に出演を依頼したのは「同世代の素晴らしい演奏を聞くことは、学生たちの心にひじょうに響くものがある」という意図があったからだ。

感染対策を入念準備 予断許さない状況も

しかし、新型コロナの影響で、開催できるかどうかすらも分からない状況が続くという。11月下旬からつくば・土浦地域では感染確認者が目に見えて増えており、現在のところ、開催は可能との見通しだが、予断を許さない状況だ。

感染対策はミーティングで入念に話し合い、でき得る限りの準備をしてきた。会場のカピオホールの定員はおよそ380人だが、感染予防の観点から客席をその半分まで減らす。さらに、アルコール除菌の徹底や会場の換気など基本的な感染対策も行う。入場時間を早めて観客の集まる時間を分散させるなどの対策や、チケット販売で電子チケットを発行するなどできる限り接触を減らす。

影響は客層にも及んでいる。年齢層が高い方が普段からクラシックに関心を持つ人が多く、開催のたび固定客として増加傾向だった。しかし今年のチケットの売れ行きは「今年はコロナのせいか高齢のお客様が少ない」。例年とは一変して、一般客ではなく学生が多くなる見込みだ。

コロナ禍のなか、全国的にもコンサートなどの文化事業を行うことは難しくなっている状況だ。しかし、文化は人々の心を豊かにする大切なものだ。委員の一人、岩永彩花さん(2年)は「来場していただいた方に安らいでいただくとともに、地域の文化活動に貢献していきたい」と語った。

主催者の同実行委員会は毎年、企画・開催をする仲間を募集している。国際総合学類や生物学類など様々な分野の学生が集まっているが、「委員会に入るまではクラシックには興味がなかった」という学生も多いという。

◆「第9回つくばリサイタルシリーズ」の開場は12日午後1時15分、開演は2時。入場料は学生無料、一般1,000円(消費税込み)。

《つくば法律日記》13 お酒の法律で変わるマーケット

0
堀越さんの事務所があるつくばセンタービル

【コラム・堀越智也】昔から、お酒に関する法律がマーケットに大きな影響を与えてきました。特に、酒税はそれなりの税収になることもあり、酒税法が度々改正されるのですが、酒税法の改正で、僕らもよく知っているようなマーケットの変化が起きています。

つくば市や茨城県では、クラフトビールのイベントがよく開催されます。新型コロナ禍のため、今年はないのが残念ですが、つくばセンター広場でも、毎年クラフトビールのイベントがあります。

クラフトビールがはやり出したのは、酒税法が改正されて、地ビールが造りやすくなったからです。かつて、酒税法の改正で地ビールが盛んに造られ始め、さらにクラフトビールという名前に変えて、世間に広まりました。

発泡酒も第3のビールも、テレビのCMで聞くようになったのは最近です。1990年代に、サントリーが「ホップス」という発泡酒を販売してから、世間に広まり始めました。

酒税法上、ビール、発泡酒、第3のビールは、ざっくり言うと、麦芽の割合と副原料を使用しているか否かで区別されるのですが、発泡酒は、当時、酒税法上、税金が安かったため、安く販売されたのです。

ところが、後に酒税法が改正され、発泡酒とビールの金額の差が縮まります。すると、第3のビールが日本を席巻。そして先々月10月の改正で、ビールは値下げ、発泡酒は一部値下げ、第3のビールは値上げになります。こうして、マーケットは酒税法に動かされることになり、メーカーも大変です。

つくばのワインが面白い

つくば市に影響しそうな酒の法律というと、通称ワイン法ではないかと思います。正式名は「果実酒等の製法品質表示基準」ですが、日本のワインを定義し、国産ワインの信用を高めることを目的に制定され、2018年10月から施行されています。

つくばで育てたブドウでなければ「つくばワイン」と名乗ることができません。逆に言うと、つくばでワイン用のブドウができれば、「つくばワイン」と名乗ることができ、地元の名産品に加わる可能性があるのです。

幸い、つくばにはいくつかワイナリーができました。地質的にワイン用ブドウに適した場所で栽培されているようで、それもつくばらしいです。追い風は、2017年につくば市がワイン特区に認定されたことです。

酒税法上、ワインを造るには、年間6,000リットルの製造量が条件になりますが、特区に認定されたことで2,000リットルに緩和されました。その結果、小さな施設もワインが造れます。

このワイン特区、いかに市民が利用するかにかかっていますが、つくばの経済にとって、ひとつの強い味方になると思います。(弁護士)

コロナ禍 目標量確保の見通し立たず 特別企画で献血呼び掛け

0
企業や学校などの会場確保が難しくなっている献血バス=土浦市内

【山崎実】新型コロナウイルスの影響による企業献血やイベントなどの中止から、血液在庫の減少が続いている県赤十字血液センター(茨城町桜の郷)は、県独自のキャンペーンとして初のクリスマス特別企画「シールアートでクリスマスツリーを灯そう」を実施し、広く県民に献血への協力を呼び掛ける。

同センターによると、関東甲信越地域では医療機関に血液を安定的に届ける目標血液在庫量を維持できない状況がたびたび発生している。11月13日には在庫量(400ミリリットル献血1万800人分)に対して、約1500人分も下回った。これは県全体の400ミリリットル献血者の半日分の人数に相当するという。

茨城県でも11月17日現在、目標の献血者数が下回り、必要な献血量を確保できない状態にあることから危機意識を強めている。

対応策として、献血バスの増車、受付時間の延長、献血に協力した人へのはがき、メール、LINE等での協力依頼などを行っているほか、独自のキャンペーンとしてアニメ作品「ガールズ&パンツァー」との新たなコラボグッズの配布、クリスマスツリーを模したシールアートを献血者の協力で完成させる「クリスマスツリーを灯すシールアート」などを行う。

献血者の協力でクリスマスツリーを模したシールアートを完成させる催しのイメージ図(県赤十字血液センター提供)

同センターでは「輸血医療に不可欠な血液を確保するため、一層の献血協力を必要としている。在庫量回復の目途が立たず、厳しい局面を迎えているので、一人でも多くの協力をお願いしたい」と呼び掛けている。

献血キャンペーンの問い合わせは同センター(電話029-246-5574)。

特別支援学校の設置基準策定を 7団体が県議会に請願

0
県立つくば特別支援学校=つくば市玉取

【山崎実】全国障害者問題研究会茨城支部(寺門宏倫支部長)、NPO茨城の専攻科を考える会(船橋秀彦理事長)など関係7団体は共同で、県議会に「特別支援学校の設置基準の策定を求める意見書提出に関する請願」を提出した。

県立特別支援学校の幼児、児童、生徒数はこの10年間で694人増加、2019年度は3963人(09年度の約1.2倍)となっており、普通教室の不足数は89教室(知的障害校81教室、肢体不自由校8教室)に及んでいるとしている。

中でもつくば特別支援学校は、09年度の児童、生徒数が356人(知的障害242人、肢体不自由114人)で、学級数は100クラスに達する。そこで同校では教室確保のため、一つの教室をパーテーションで分割して使ったりしている。

一方県は「県立特別支援学校教育環境整備計画」(いばとくプラン)を発表し、今後の具体的な取り組み内容を明らかにしているが、例えば「校舎増築」など対症療法的な対策しか示さず、国も小中学校、高校、大学、専門学校などすべての学校に設置基準(学校設置に必要最低限の基準)を設けているのに、特別支援学校には設置基準がない。

このため北海道根室市議会、同余市町議会議長、静岡県沼津市議会など、地方自治体から設置基準の策定を求める意見書の提出が相次いでいる。

全国的な動きに、文科省も「新しい時代の特別支援教育の在り方に関する有識者会議」を設置。特別支援学校設置基準の策定に前向きな姿勢を見せ始めているという。

請願を提出した関係者は「県議会でも特別支援学校の在り方については議論が交わされており、全国的な動きと相まってぜひとも設置基準の策定を実現させたい。今が最大のチャンスだと思う」と話している。

県立特別支援学校教育環境整備計画(いばとくプラン)の今後の具体的取り組み内容

学校名現状・課題取り組み概要
水戸飯富慢性的な教室不足通学区域の一部を内原へ変更
内原高等部がない校舎を増築、高等部を設置
つくば慢性的な教室不足校舎を増築、学校近隣の用地取得も検討
鹿島2021年度末に仮設校舎契約切れ校舎を増築
その他教室不足への対応が必要となる可能性がある教室の利用見直し、既存教室の改修

➡特別支援学校に関する過去記事はこちら

《雑記録》18 バイデン次期大統領 前途に嵐の予感

0

【コラム・瀧田薫】アメリカ市場で「ダウ平均株価」が初めて3万ドル台に乗った。トランプ大統領による「バイデンが勝利すれば株価は暴落する」とのご託宣は大外れで、自称・ビジネスの天才としては赤っ恥もいいところだ。

しかし、この未曾有(みぞう)の株高はバイデン氏の勝利に直接結びつくものではない。コロナウィルスの恐怖に凍りついた経済を支えるため、アメリカをはじめとする主要国が総額10兆ドル(1000兆円 未曾有の規模 日経・11月25日付)を超える財政支出に動いたこと、それが株高をもたらした最大の要因だろう。

ワクチン開発への期待も多少は後押ししたかもしれないが、ウィルスの跳梁(ちょうりょう)が続く限り、財政拡大や金融緩和政策が続くはずだという期待(人命にかかわる政策には誰も反対できない)の方が大きいだろう。また、コロナ禍が勝ち組企業と負け組企業を鮮明に色分けした結果、「買いと売り」の判断に迷いがなくなったことも株高につながっただろう。

しかし、この株高は一時のにぎわいでしかない。膨張する国家債務、実態経済というアンカーを持たない緩和マネーが暴走し始めたら、そのとんでもないツケが回っていく先は、富裕層ではなく、株を買いたくても買えない大方の国民の方である。

コロナ禍は、勝ち組企業と負け組企業を分けただけではない。キャピタルゲインを積み上げる富裕層とひたすら真面目に働くしかない人々との間に、巨大な「格差と分断」をもたらしつつある。

民主党 上院で過半数失う可能性も

ところで、バイデン次期大統領はその勝利宣言で「分断ではなく、団結させる大統領になることを誓う」と述べたが、トランプ大統領は敗北を認めず、選挙に不正があったとして法廷闘争に打って出た。これに呼応して、トランプ氏の支持者の多くが大統領のツィッター「盗まれた選挙」に同調し、トランプ大統領支持の思いを募らせている。

トランプ大統領は、過去4年間、自分の支持層だけに語り掛け、政敵の言は「フェイク」の一言で片づける政治姿勢を貫いてきた。つまり、アメリカ建国以来の「分断」(人種、所得格差、生活信条、地理、世代、党派)を、むしろあおることで自らの支持層を拡大してきたのである。

確かに、トランプ氏は、エリート政治家に反感を抱く人々に政治参加の道を開いた。しかし、その代わりに、国内の分断をより先鋭なものにしたのも事実だ。今回の選挙でトランプ氏が獲得した7000万票は、トランプ氏が大統領職を退いた後も、いわゆる「岩盤」として残り、何かのきっかけで再浮上する可能性が高い。

ちなみに、バイデン氏の与党・民主党は、来年1月にジョージア州で実施される2組の決戦投票次第で、上院での過半数を失う可能性がある。その場合、バイデン氏の選挙公約の実現が難しくなるばかりか、それ以前に、バイデン氏が選んだ閣僚候補者の就任が上院で否決される可能性がある。バイデン次期大統領はスタートからいばらの道を歩むことになりそうだ。(茨城キリスト教大学名誉教授)

閉鎖の4階窓口を12月1日再開 土浦市役所

0
12月1日から再開する土浦市役所4階窓口。30日は市議会のため一部区域を区切り市民の入室が認められた

土浦市役所本庁舎で新型コロナウイルス感染者のクラスターが発生し、16日から閉鎖していた同4階窓口について、同市は30日、予定通り、4階窓口を12月1日から再開することを決めた。併せて同日、今後クラスターを発生させないための対応策をまとめた。30日の市議会全員協議会に報告した。

市健康増進課によると、同市役所では20日までに、本庁舎などの職員と市議ら計約750人のPCR検査を実施した。25日までに本庁舎職員など21人と、消防職員1人の計22人の感染が分かった。その後、新たな感染者は出ていない。

サーキュレーター購入し換気を徹底

新たな対応策は、なぜクラスターが発生したのかについて、市職員と産業医などで構成する安全衛生委員会が、感染した本庁舎職員21人の感染経路などを検討し、感染拡大防止に向けた対応策をまとめた。

今回、最初に感染した職員本人も所属長も、発熱などの症状があったにもかかわらず新型コロナだと疑わず、職場に出てきてしまったことが感染拡大の原因になったことから、まず職員から発熱や体調不良などの連絡があった場合、所属長は職員に対し、速やかにかかり付け医を受診し結果を報告するよう指示することを定めた。家族に症状がある場合についても勤務を休む期間などを明確化した。

感染拡大防止に向けた職場環境については、本庁舎は閉店した商業施設を改修したため窓が少ない構造になっていること、更衣室やトイレ、休憩室など共有スペースが感染場所になる可能性があることなどから、新たに空気を循環させるサーキュレーターを購入して職場に設置し換気を徹底する。冬場は加湿器と兼用することとする。サーキュレーター購入費用は30日開会の12月議会に提案した。さらに食堂や休憩室などの共用スペースでは、マスクをはずしての会話禁止などを定めている。

公民館も貸館を休止 12月13日まで

一方、県が土浦市などを感染拡大市町と位置づけ、12月13日まで不要不急の外出自粛や飲食店の深夜営業の自粛などを要請しているのを受けて、同市は28日から休館とした老人福祉センターに加えて、新たに公民館、生涯学習館、亀城プラザなどの貸し館業務を12月13日まで休止すると発表した。

つくば市の教員が新型コロナ 市立学校を2日間休校に

1
つくば市役所

つくば市は30日、市立学校教員が28日、新型コロナウイルスに感染していることが分かったとして、30日と12月1日の2日間、教員が勤務する学校を休校にすると発表した。

市教育局学び推進課によると、消毒作業のため休校にする。

29日の県の発表によると、教員は26日に症状があり、検査の結果、感染が分かった。29日時点の症状は中等症。

施設を供用する幼稚園と児童クラブも2日間、臨時休園と休所になる。

ロボッツ、過去最多114得点で福島に大勝

0
第4Q、鎌田の得点でチームがさらに盛り上がる(撮影/高橋浩一)

【池田充雄】男子プロバスケットボールB2リーグの茨城ロボッツは28、29日、水戸市緑町のアダストリアみとアリーナで、福島ファイヤーボンズとのホーム2連戦に臨み、28日は94対77、29日は114対85と連勝。これで今季通算成績を12勝5敗とし、2位の仙台89ersに勝敗数でも勝率でも並んだ。茨城の114点はチーム設立以来の最多得点記録となった。

●2020-21 B2リーグ第17戦(29日、アダストリアみとアリーナ)
茨城 114-85 福島
茨 城 |29|27|27|31|=114
福 島 |27|21|22|15|=85

第4Q残り1分23秒、リバウンドを奪った鶴巻が速攻を鮮やかに決める(撮影/高橋浩一)

「非常に収穫が多い試合だった。全員が得点し勝利に貢献してくれた。特に後半のプレーは、いままでの中でもひときわ良い出来だったと思う」とクレスマン・ヘッドコーチ(HC)は選手たちを讃えた。

茨城は前日に続いて攻撃が好調、序盤からシュートタッチも良く得点を重ね、第2クオーター(Q)残り3分30秒の時点で早くも17点差をつけた。だがその後は気持ちに緩みが出たか、相手に攻め込まれるようになり、自分たちの攻撃にもミスが目立つようになる。みるみる点差を詰められ、第3Q半ばには59-59の同点とされた。

転機となったのは第3Q終盤。残り1分55秒から遥天翼が約1分間でシュート2本とフリースロー5本で9得点を荒稼ぎ。第4Qもこの勢いに乗って、開始直後から茨城が一方的に得点を重ねていった。

クレスマンHCは「前半はオフェンスは非常に良かったが、守備でやや下がる場面が見られ、もうひと踏ん張りが必要だった。後半はスイッチが入って守備もよく集中し、相手の攻撃を止めることができた」と分析する。

しかし遙の見方は少し厳しい。「守備は1人でもさぼるとそこから崩れる。群馬戦のような危機感を全員がまだ継続しきれてなく、間延びした時間帯ができてしまう。誰かエナジーを出せる人が声やプレーで引っ張り、きっかけを作ることが必要なのかなと思う」

この日21得点の眞庭城聖。3Pは6本中4本を決めた(撮影/高橋浩一)

眞庭城聖は「相手のリバウンドやインサイドの強さに苦しみ、点差を離せない場面もあったが、点を取り続けることで勝ちきれたと思う。ボールがうまく回り、相手に的を絞らせない効果的な攻撃ができた。守備面ではインサイド陣がハードなプレッシャーをかけ、簡単にパスを入れさせなかった」と評した。

今シーズン初の全員得点

第4Qでは鎌田真が途中出場、残り2分30秒という短い時間ながら、得意とする3点シュートを2本決めた。これで登録12選手が全員出場、全員得点という今季初の快挙も達成した。またチェハーレス・タプスコットはこの試合で、B2史上初の個人通算1500ディフェンスリバウンドを達成。誰もが活躍できる選手層の厚さを証明した。

鎌田の活躍についてクレスマンHCは「非常に良いプレーをしてくれた。まだ20歳であり置かれている状況は違うが、経験ある選手の中でもまれ、プロとして日々成長していくことが重要だと思う」と喜んだ。

チェハーレス・タプスコットはディフェンスリバウンド12本のほかオフェンスリバウンド3本を奪い、攻撃では8得点を挙げた(撮影/高橋浩一)

《食とエトセトラ》8 大掃除~正月準備 年末の思い出

0

 

【コラム・吉田礼子】いつの間にか冬に足を踏み入れている。今年の紅葉は美しかった。特に真紅の赤に心奪われ癒された。寒いと赤がきれいだと祖母が話していたのを思い出した。今年はコロナに翻弄(ほんろう)された1年だったように思う。来年こそこの閉塞感から脱したいと願うのみである。

子どものころ、12月の行事と言えば大掃除から始まるお正月に向けての準備。少しずつ整えていく日々が思い出される。12月の半ばごろは不思議と晴れの日が続き、大掃除にも適していた。

障子を貼ったり畳を上げて陽に当てる。母のモンペ姿、手拭いの姉さんかぶりが目に浮かぶ。昭和の風物詩だった。きれいになったところでいよいよおせち作り。献立や段取りを考える。

少しずつ買い出しが始まる。25日過ぎたころから黒豆を煮たりする。故郷の宮城県ではあんこ餅を必ず食べる。大きなシャモジであんを練っていた姿が忘れられない。商家の大みそかは、みそか振る舞いと言って、細やかなご馳走で1年の労を労う。31日は忙しくなるので30日にしていた。

お正月は生ものや四足ものは食べないので、年内のご馳走にはお刺身が付く。それにナメタカレイの煮魚。茶碗蒸しもこの日の付き物。おせちやお雑煮の準備をして年越しそばを食べる。

紅白歌合戦を見たり、年賀状を書いたり、おせちの準備をしたり。除夜の鐘を聞くころには、何とか1年の仕事が終わる。

人気の公民館「おせち料理」講座

今年はコロナの影響もあり家で過ごす時間が増え、お料理や家庭菜園など、家族と一緒にする家庭が増えたという。色々なことに気付くきっかけになったという若い方の感想はうれしい。

お正月は家族そろっておせちを食べるお宅が多いということで、売れ行き好調のニュースも流れていた。今年の公民館講座「おせち料理」には定員の4倍の希望者があり、関心の高さを感じている。

節目=季節の区切りに神様にお供えをし、そのお供えを下げていただく御節供(おせちく)が、おせちの始まりと言われている。

年末年始の家庭行事は各地方や各家庭で千差万別。また時代の流れで変わる。その精神性をよく理解したうえで取捨選択していきたい。先ずは先輩の方々から譲り受けたことを、次の世代の方々に語り部として伝えたい。(料理教室主催) 

第9弾 13億のコロナ経済対策など提案 土浦市議会30日開会

1
土浦市役所

土浦市の安藤真理子市長は30日開会の市議会12月定例会に、第9弾となる総額約13億1400万円の新型コロナ緊急経済対策事業が提案する。

現在、感染拡大が深刻化している第3波に対応し今後に備えるため、避難所、緊急診療所、学校、保育所、市役所本庁舎などで使用するマスク、非接触型体温計、感染防護服、消毒液、アクリルパーテーションなどの感染予防対策物品を追加で購入するほか、救急搬送や消防団の活動で使用するサージカルマスクなどの感染防護敷材をさらに購入する(事業費は約6800万円)。

市民生活支援策として、家庭ごみの排出費負担軽減のため、市内全世帯約6万7500世帯に30リットルのごみ袋10枚の無料引換券を配布する。5月に実施したごみ袋無料配布の第2弾となる(約4100万円)。

民間の保育施設に対しては、国の第2次補正による慰労金支給事業の対象外となった未就学児を預かる民間保育施設などに勤務する職員約1000人を対象に、慰労のため3万円分のプレミアム付き商品券を配布する(約2100万円)。

新しい生活様式を踏まえた地域経済活性化に関する事業として、小中学校と、避難所となる神立地区コミュニティーセンターの和式トイレを蓋付きの洋式トイレに改修するほか、小中学校の特別教室にもエアコンを整備する(約11億9900万円)。

在宅を有意義に 電子書籍1100冊購入

ほかに、まちかど蔵「大徳」、きらら館、小町の館の観光施設に、接触機会を減らすキャッシュレス機器を導入する(約46万円)。

在宅の時間を有意義に過ごしてもらおうと、市立図書館では新たにインターネットで貸し出しができる約1100冊分の電子書籍を購入し、外出抑制につなげる(約270万円)。

コロナ禍での災害発生に備え、被災者が情報収集をしやすくするため、福祉避難所と指定避難上など計12カ所の避難場所に公衆無線LAN(wi-fi)の環境整備を行う(約200万円)。

芸術文化活動の支援では、新たな暮らしのスタイル確保に向けて、コロナ禍の芸術文化活動の発表機会を確保するため、クラフトシビックホール土浦(市民会館)のインターネット配信環境を整備する(7万円)。

新しい旅行スタイルの環境整備の一環として、市内のサイクリング環境やまちの見どころを掲載したサイクリング環境PR誌を作成などする(95万円)。

12月議会に提案する一般会計補正予算案は総額17億3700万円。そのうち13億円がコロナ関連になる。

公約のごみ袋値下げを提案

同議会にはほかに、1年前の市長選で安藤市長が公約の一つに掲げた県内一高い指定ごみ袋を値下げする条例改正案を提案する。現在15リットル10枚入りごみ袋150円を100円に、30リットル同300円を200円に、45リットル同500円を300円に値下げする方針だ。ただし値下げ時期は来年10月1日からになる。

報告案件では、市立土浦六中で2017年9月5日実施された体育祭の練習の際、生徒が頸椎(けいつい)を負傷する事故が発生し、10月9日に和解が成立したことが報告される。馬になって並んだ生徒の背中の上を、クラス代表が渡って往復するクラス対抗の「人間橋渡り」という種目の練習時、上を渡った生徒が、行きと帰りに計2回落下した際、下で馬になっていた生徒と接触し、下の生徒が頸椎を負傷した。学校の安全管理が不徹底だったとして、けがをした生徒に市が約750万円の損害賠償を支払うことで和解した。けがをした生徒には後遺症などが残る恐れがあるという。

一般質問中止へ

12月定例会の会期は30日から12月18日まで。同市では新型コロナの感染が拡大していることから今期は一般質問を実施しない予定だという。

《霞月楼コレクション》11 リンドバーグ夫妻 土浦で名残りの一夜「人生最良の日々」

0
霞月楼

【池田充雄】1931(昭和6)年9月12日、リンドバーグ夫妻は、霞ケ浦を発つ前の最後の1日を土浦で過ごした。錦秋の筑波山をケーブルカーで登り、夜の土浦の街でそぞろ歩きも楽しんだ。午後6時30分に霞月楼に戻って入浴後、霞ケ浦海軍航空隊の松永寿雄副長主催による歓送会が松の間で開かれた。

霞月楼での歓送会の様子。中央にチャールズと松永副長、その右にアン。外国客向けに特注した高脚の膳が並ぶ

宴を待つ間、満寿子女将が夫妻に茶を立てており、当時10歳の恒二(後の霞月楼3代目)が迎えに行くと、アン夫人が歩み寄り、頬に優しくキスをしてくれたそうだ。芸者の白粉とは違う、初めて嗅ぐ香水は少年にとって忘れられない思い出になり、集まった記者団に感想を聞かれ「とてもいい匂いがした」と答えたという。

1カ月の長旅の末に霞ケ浦へ

霞月楼で歓送会を前にくつろぐ夫妻

チャールズ・オーガスタス・リンドバーグは1902(明治35)年米国ミシガン州デトロイト生まれ。曲芸飛行士や郵便飛行士などを経て、1927(昭和2)年に愛機スピリット・オブ・セントルイス号でニューヨーク・パリ間を飛び、世界初の大西洋単独無着陸横断飛行に成功した。1929(昭和4)年に駐メキシコ米国大使ドワイト・モローの息女アンと結婚。1931(昭和6)年に北太平洋航路の調査飛行に乗り出し、アン夫人も無線通信士として同行した。

夫妻は7月27日にロッキード社のシリウス高速連絡機でニューヨークを出発。ワシントンDCを経由し、カナダのハドソン湾やノースウエスト地方を抜け、アラスカからベーリング海を横断。カムチャッカ半島を海岸線沿いに南下し、千島列島を伝って8月24日に北海道へ到達した。根室に2日間滞在後、26日午前8時21分に離水し、午後2時6分に霞ケ浦上空へ飛来。航程1万2000キロ、80時間33分の飛行で17地点をたどる長旅だった。

空の大使として多忙極める

シリウス機は午後2時10分霞ケ浦に無事着水。フォーブス駐日米国大使、安保清種海軍大臣、杉山元陸軍次官、小泉又次郎逓信大臣ら日米の政府高官や海軍関係者など約1000人が出迎え、国内外からの取材陣は200人を超えた。

霞ケ浦海軍航空隊水上班の中央滑走台に到着したシリウス機

霞ケ浦海軍航空隊第一士官宿舎食堂で歓迎会の後、来賓と共に自動車約30台を連ねて土浦駅へ向かい、午後4時40分発の常磐線汽車に乗車。6時28分に上野駅を降り、リンカーンのオープンカーで沿道の大観衆の喝采に応えながら、7時15分に築地明石町の聖路加病院トイスラー院長邸へ到着。ここが夫妻の東京での拠点になった。

27日から31日まで多数の歓迎式典や表敬訪問をこなし、9月1日から4日までフォーブス大使の軽井沢別荘で休養。5日は日光を周遊し金谷ホテルで1泊、6日に東京へ戻った。7日以降も各種行事の合間を縫って、チャールズは逓信省航空局で飛行計画の打ち合わせや、霞ケ浦で愛機の点検と試運転など出航準備を進め、アン夫人は博物館の見学や茶道・華道の体験などをして過ごした。

最新技術が搭載された名機

ロッキード・シリウスの開発にはリンドバーグ自身も加わり、彼の要望が細部まで反映された。全長8.38メートル、翼幅13.7メートルの木製モノコック構造で、当時としては珍しい低翼単葉機。P&W社の425馬力空冷9気筒エンジンを搭載し、最大時速282キロ、航続距離1700キロという高性能を誇った。日本の海軍関係者は「わが国は10年以上の遅れがある」とショックを受けたという。

空を行くシリウス機。褐色の翼に紫色の胴体、ジェラルミン製の白いフロートという姿だった

シリウスの整備は水上班第16格納庫で行われ、エンジンや機体の秘密を探る絶好の機会になった。霞ケ浦航空隊の整備員と、同隊内に分社があった中島飛行機の技師らも参加して修理に着手。破損個所の修繕や塗り替えによって見違えるようになり、リンドバーグは日本の整備技術の優秀さに舌を巻いたそうだ。

欧米では1930年代半ばに技術革新が進み、ドイツのメッサーシュミットや英国のスピットファイアなど新鋭機が次々に登場。一方、日本ではその頃もまだ複葉機が全盛で、総金属製の低翼単葉機というと海軍では1936(昭和11)年の九六式艦上戦闘機、陸軍では1937(昭和12)年の九七式戦闘機が最初。その後は陸軍の「隼」や海軍の「零戦」が世界を驚かせることになる。

アン夫人が見た日本の宴席

再び9月12日に話を戻す。霞月楼での歓送会の詳細は不明だが、根室で初めて受けた日本式接待の様子をアン夫人が手記に残しており、土浦でも同様の印象だったかと思われる。

「畳の敷いてある大きな部屋にロの字型に座布団が置かれ、チャールズは光栄な場所にあたる床の間の前に座りました。一人一人に小さなお膳が運ばれ、そこにはいろいろな大きさと形のお皿が載せられ、20枚以上の違ったお皿があったと思いますが、どれも私が見たことのないものでした。その後、華やかに装った芸者たちがお酌をして踊りを舞い、臨席の人たちを楽しませました。不思議なポーズをとる舞踏で、顔は人形のようで表情がなく、足でステップを踏むというよりは、どちらかというと手と長い着物の裾で踊るのです。ゆっくりとした短調の歌に調子を合わせた、とても美しいもので、両手の指は絶対に開きませんので、単純な仕草でも気が散ることはありません。鳥が飛ぶ時のように、敏捷で真っ直ぐな動きです」(アン・モロー・リンドバーグ著「輝く時、失意の時」より抜粋・構成)

夫妻は霞月楼で1泊し、9月13日午後0時21分霞ケ浦を離水、大阪市の木津川飛行場に着水後京都に入り、14日から16日まで京都・奈良を堪能。17日に大阪から福岡市の名島水上飛行場へ移動し、19日朝に福岡から中国南京へ向けて飛び立った。

佳日の思い出はそのままに

霞ケ浦にて愛機を背に記念写真

1970(昭和45)年の大阪万博ではシリウスがアメリカ館に展示され、来日していたリンドバーグが当時10歳の浩宮徳仁親王(今上天皇)を操縦席へ案内した。シリウスは現在、ワシントンDCのスミソニアン国立航空宇宙博物館に、スピリット・オブ・セントルイス号などと一緒に展示されている。

晩年の夫妻はハワイのマウイ島に住み、チャールズは1974(昭和49)年に72歳で死去。アンは2001(平成13)年にバーモント州パサンプシックで94歳の天寿を全うした。

霞月楼では1989(平成元)年の創業100年祭に際し、アンを式典に招待するべくマウイ島に訪ねた。彼女は「当時のことはよく覚えている。私の最も幸せな時期だった。だが式典には行かない。思い出はあのときのまま、自分の心の中に置いておきたい」と話したという。

●取材協力・参考資料
陸上自衛隊武器学校▽陸上自衛隊霞ケ浦駐屯地▽土浦市立博物館▽ジョイス・ミルトン「リンドバーグ」(中村妙子訳、1994年、筑摩書房)▽アン・モロー・リンドバーグ「輝く時、失意の時」(中川経子訳、1997年、三好企画)▽アン・モロー・リンドバーグ「翼よ、北に」(中村妙子訳、2002年、みすず書房)▽「霞月楼百年」(1988年、霞月楼)▽東京朝日新聞、讀賣新聞、いはらき各1931年8月26日~9月19日付▽夕刊フジ1974年8月30日付▽ウィキペディア

シリーズ協賛 土浦ロータリークラブ 土浦中央ロータリークラブ

《令和楽学ラボ》10 リンゴ狩に行こう 茨城は南限産地

0
水戸市木葉下のりんご園

【コラム・川上美智子】リンゴの生産量のランキングをみると、青森、長野、岩手、山形、福島などの市町村が上位を占め、100位以内に茨城の市町村は入っていません。平均気温10度前後の冷涼な気候を好むリンゴにとり、茨城は南限に位置するので、商業ベースに乗りにくいのであろうと思われます。

茨城では、大子町がリンゴの主産地として有名ですが、日立市、水戸市、石岡市、城里町などでもおいしいリンゴが生産され、観光リンゴ園では手軽にリンゴ狩を楽しむことができます。

リンゴの品種改良が世界一の日本では、本当に多くの品種が栽培されていますが、現在の品種の主流は、「ふじ」「つがる」「王林(おうりん)」「ジョナゴールド」です。子どものころに食べた「国光(こっこう)」や「紅玉(こうぎょく)」は、料理に使いたいと思ってもなかなか手に入れることができません。

先日、蜜が多いことで「幻のりんご」として人気上昇中の「高徳(こうとく)」を食する機会がありました。大子ではこのリンゴを木で完熟させ「奥久慈りんご」として販売しています。実は固めですが、リンゴ本来の甘い香りをもち、甘味も強く感じられました。

この甘い蜜の正体は、ソルビトールという糖アルコールです。リンゴは、葉で光合成の作用で作られたでんぷんをソルビトールに転換して、果実に転流(運ぶ)させる性質があります。運ばれたソルビトールは、果実の中でブドウ糖や果糖に変えられ細胞内に蓄積し、甘さを増して行きます。

完熟のころには、ブドウ糖や果糖が飽和状態になり、芯の部分にソルビトールが蜜となって残ります。そのため、葉がたくさんついた木ほど、蜜がよく入ると言われています。

茨城のリンゴは隠れたブランド品

このソルビトールは、リンゴの機能性成分の一つです。ソルビトールのような糖アルコールには吸熱作用があるので、口に入れたときに冷涼感が感じられます。また、ブドウ糖などの糖分に比べ、腸内で吸収されにくいので血糖値を上げにくく、糖尿病予防効果があります。さらに、リンゴの果実や果皮に含まれる水溶性食物繊維のペクチンは、腸内の善玉菌を増やし、血清コレステロールを抑制します。

また、褐変(かっぺん)の要因物質であるカテコールやエピカテキンなどのポリフェノールは、強い抗酸化活性をもち、がん予防や老化防止が期待されます。英ウエールズのことわざ「An apple a day keeps the doctor away(1日1個のリンゴは医者を遠ざける)」に合点です。

大学の研究室で、大子産の完熟ふじと青森産のふじの香りを比較分析したことがありました。

大子産のふじは酢酸ブチル(butyl acetate)や酢酸イソバレル(2-methylbutyl acetate、3-methylbutyl acetate)、酢酸ヘキシル(hexyl acetate)などの甘いリンゴ臭をもつエステル類とフレッシュな青臭もつ(E)-2-hexenyl acetateや青葉アルデヒド((E)-2-hexenal)が数倍含まれていることがわかりました。茨城のリンゴは、実は隠れたブランド品なのです。(茨城キリスト教大学名誉教授)

※高徳:青森で1985年に品種登録されたリンゴ。青森では「こみつ」と命名し販売

《宍塚の里山》71 コロナ禍で野外活動参加者が急増

0
子ども田んぼ 三密状態の「かかし」

【コラム・及川ひろみ】新型コロナ感染がまた広がっている。春ごろから、秋~冬には再拡大が心配と言われていたが、いきなり起こった拡大。私たちの会の活動に参加している会員も濃厚接触者になり、近隣施設でも感染者が出たそうで、コロナ禍が身近に迫っている。今回は、里山で何が起こり、会はどのように対応したのか、まとめてみた。

3~6月、全国の小中高が休校になり、保育施設なども休園した。そのころから、里山にやって来る人が急増。散策、写生、釣りを楽しむ親子が増えた。と言っても程よい程度で、その姿から、日ごろ「ゆっくり」「のびのび」することに飢えている人が多いように感じた。

会の活動は野外が主で、「三密」を心配するようなことは少ない。しかしコロナ禍で、月例テーマ観察会などに参加する親子が急増し、危険な状態になった。そこで、参加希望者は会のホームページから申し込んでもらい、参加人数を制限した。その際、在学校をまんべんなく選び、初参加者を優先した。活動人数は、スタッフを含め40人ほどに抑えている。

収穫祭など大イベントは中止

「大池の魚の観察会」には250人以上の申し込みがあり、自然体験欲求が強いことを感じた。多田多恵子さんを講師に依頼した「実と種観察会」では、「植物のたくさんの秘密を、実物を見ながら学べるなんて、なんて幸せなんだろう」との感想も寄せられた。

今年は特に、「田んぼの学校」(年間を通して田んぼに関する親子の活動)も参加者が増えた。三密にならないように、田植え、稲刈り、かかし作りも複数回ずつ行った。参加する親子に、モノの本質を見て考えてもらう活動の大切さを感じた。

散策路や雑木林の管理などの活動では、誰でもが楽しめる里山になってきたと、うれしそうに語る地元の人にも出会えた。とはいえ、コロナ禍の活動は神経を使う。コロナ注意パネルを掲示し、注意喚起を徹底させた。

今年は、収穫祭などの大きなイベント、企業との協働活動、法政大学グループの活動などは中止。この状態がいつまで続くのか。遠方からやって来た大勢の人との再会はいつのことか。(宍塚の自然と歴史の会 元代表)

土浦・つくばなど8市町 不要不急の外出自粛、深夜営業自粛を要請

0
茨城県庁(イラストは「いばらきアマビエちゃん」)

新型コロナウイルスの感染状況が県南部などで深刻化しているとして、大井川和彦知事は27日、土浦、つくばなど8市町を感染拡大市町とし、8市町の住民に対し12月13日まで不要不急の外出自粛を要請するほか、酒類を提供する飲食店などに夜10時以降の営業自粛を要請すると発表した。

8市町は、土浦、つくば市のほか、つくばみらい、牛久、取手、かすみがうら市、阿見、境町。

特に土浦、つくばみらい市、境町の3市町は、直近1週間の人口1万人当たりの新規感染者数が、土浦市4.27人、つくばみらい市5.88人、境町4.98人と、2.5人を大きく上回り、国の指標で、爆発的な感染拡大が起き医療提供体制が機能不全に陥ることを避けるための対応が必要な「ステージⅣ」に相当する状況だとした。

つくば市など5市町は、同1.5人を超え、国の指標で、感染者数が急増し医療提供体制に支障が出ることを避けるための対応が必要な「ステージⅢ」に相当するとした。5市町の同新規感染者数はつくば市2.30人、かすみがうら市1.98人、阿見町2.09人、牛久市2.48、取手市1.73人。

県全体でも直近1週間の新規感染者は人口1万人当たり1.04人となり、千葉県を上回った。新規感染者数が集中している県南が県全体を押し上げた形だ。11月以降の新規感染者の感染経路は、家庭内などが30%、職場が29%、会食が23%、他県で感染が13%。

病床稼働率は現在52%に上っている。冬場は心疾患などが増える傾向にある中、病床がひっ迫しているとした。一方、県南を中心に、コロナ患者用の病床を現在の316床(重症者用44床)から12月中旬までには416床(重症57床)に増やす。

大井川知事は「茨城県の感染状況は危機的状況に突入している。今行動を変えないと医療体制が大変な状況になってしまう。今行動を変えて未来を守ることが必要」だと強調し、国の指標でステージⅢ以上に相当する市町村で対策を実施するとした。

8市町の住民に対しては、28日から12月13日までの16日間、不要不急の外出自粛を要請する。

さらに8市町の居酒屋、カラオケ店、スナック、バーなど酒類を提供する飲食店と接待を伴う飲食店には、30日から12月13日までの14日間、夜10時から朝5時までの営業自粛を要請する。協力店には県が1店当たり28万円(1日2万円)を支給する。対象は8市町で約1500店になるという。

深刻な状況に至った原因について大井川知事は「土浦でクラスターが発生し、夜の街で感染した後の広がり方が今までに例がないほど大きかった」とし「繁華街での飲食などを通じて感染が拡大している。第1波、第2波のときよりもスピードが速過ぎて数が減らない」などと話した。その上でマスクの着用、換気の徹底など感染防止対策を改めて呼び掛けた。

土浦 水郷イルミ点灯延期、つくばセンター広場 ソトカフェ休止

知事の発表を受けて土浦市は28日から12月13日まで、入浴施設などがある老人福祉センターなど5館(湖畔荘、つわぶき、うらら、ながみね、新治総合福祉センター)を休館にする。さらに28日に予定されていた水郷桜イルミネーションの点灯を12月14日まで延期する。28日、市役所前うらら大屋根広場で開催予定だった「コロナ禍における今後の飲食店等の営業のあり方」にかかわる勉強会も開催を延期する。現時点で開催日時は未定。

つくば市は、つくば駅前のつくばセンター広場にテーブルやいす、ソファーを並べ、屋台を出店する「ソトカフェ」を28日から12月13日まで休止する。つくばセンター広場のリニューアルに関し、BiViつくば2階イベントスペースで開く予定だったオープンハウスも開催期間を変更する。同オープンハウスの開催期間は未定。

市役所のクラスター発生を謝罪 安藤土浦市長

1
会見する安藤真理子土浦市長=27日、同市役所

【鈴木宏子】土浦市、安藤真理子市長の定例会見が27日、同市役所で開かれた。市役所で新型コロナウイルスのクラスターが発生したことに対し改めて謝罪し、「市役所は市民の安全と安心を守るため、感染対策の模範となるべき立場であるにもかかわらず、このような事態を招いてしまい深く反省している」「一部窓口閉鎖など市民に迷惑と心配を掛け、心からお詫びします」などと述べた。

同市役所では本庁舎職員約680人全員がPCR検査を受け、25日までに本庁職員20人と消防本部職員1人の計21人の職員の感染が確認されている。その後27日までの新たな感染者はいない。

会見では、なぜ市役所内で感染が広がったのかについて、一端が明かされた。6日に桜町の飲食店で計6人で会食後、最初に発症した職員は、翌7日から症状が出て、週明けの9~11日の3日間は勤務を休んだ。しかし熱はあったが症状が軽かったことから、12日に出勤してしまったことが感染拡大につながったという。この職員は翌13日に再び休み、14日にPCR検査を受けて15日、感染が分かった。12日の出勤については、課長もコロナかもしれないという疑いを持たず、出勤を承認してしまったという。

6日に一緒に会食をした別の課の職員も、症状があったことから9~11日の3日間休んだ。10日に掛かり付け医を受診したところ、季節性のかぜだと言われたことなどから、12日に出勤した。13日から再び休み、15日、PCR検査を受け、感染が分かった。

市では現在、市職員と産業医などで構成する安全衛生委員会が、感染が拡大した原因などを検証し、職員間の感染拡大防止策や職場の環境整備をなど改めて検討している。かぜの症状であってもコロナの疑いが少しでもあれば、所属長が勤務を承認しないなどの基準をとりまとめて、近く市長に提言する予定だという。

安藤市長は「会食した6人は(感染拡大防止策をとっている)アマビエちゃん登録店でなかった店に行ってしまった。これまで感染者が出ていなかったので緩みがあった。今回のことで市役所皆が危機感を持っている。この危機感をずっと持ち続けることが大事」だと話した。職員の感染が分かった16日、同市は市職員同士の会食自粛を要請していたが、27日からは当面の間、職員同士の会食を禁止するという。

一方、現在、窓口を閉鎖している4階はこれまで以上の感染対策を講じた上で、予定通り12月1日から開庁する方向。

市内は感染爆発懸念状況続く

安藤市長はさらに市内の状況について、市内では桜町1、2丁目、神立中央2丁目の飲食店のほか、障害者福祉施設などでクラスターが発生し、感染爆発が懸念される状況が続いているとした。

桜町1、2丁目の飲食店を対象に県が実施しているPCR集中検査は26日までに1058人が受け付けし、964人が検体を採取、26人が陽性で、938人が陰性だった。

桜町では接待を伴う飲食店で36店で構成する桜町飲食業振興協議会が17日から自主休業し、現在、自主休業している飲食店は50店以上に増えているという。

一方、障害者施設でクラスターが発生したなど市内で感染が急拡大している受けて、県は11月下旬から、高齢者と障害者が利用している同市内の福祉施設65カ所の従事者約1800人を対象に抗原検査を実施している。対象は特別養護老人ホーム20カ所、介護老人保健施設7カ所、有料老人ホーム14カ所、障害者支援施設4カ所、サービス付き高齢者向け住宅20カ所で働くスタッフらが対象。1日600件検査でき、結果も約1日で判明する。

《ひょうたんの眼》32 コロナ感染対策 今の選択肢

0

【コラム・高橋恵一】冬季のインフルエンザ流行と重なると恐れられていた第3波の新型コロナ感染拡大の様相があらわになって来た。欧米や東アジアでの再感染拡大と軌を一にしており、さらに本格的な対策が必要である。しかし驚くべきことに、今日に至っても我が国の検査体制、医療体制の不足が報告され、従事者は極限に達している。

新型コロナ感染の情報を察知したのが1月。一斉休校や緊急事態宣言などを経ながら、5月中旬になると、医学的にも、論理的にも、有効な対策の方向も見いだせず、右往左往しているうちに、運よく落ち着いた。当然、次の感染拡大に向けて、医療体制、感染防止対策の万全を期すことと、感染拡大によって引き起こされた収入減と雇用崩壊の救済策が最重点策であった。

一方、経済対策としてGoToキャンペーンを推進し、観光や飲食業界へのテコ入れ、人々の消費マインドの振興のための補助金の給付、ポイント還元などの実質的値引き支援などが実施されているが、何よりも、コロナ感染の恐怖と不自由を抱えたままで経済活動が回復するとは思えない。

もともと、我が国の経済不振は、コロナショックで始まったわけではない。1990年代のバブル崩壊後、不況が繰り返され、失われた20年を取り返すとしてアベノミクスを推進したが、効果が無く、失われた30年へまい進している。個人消費が回復しないのだ。税の優遇策はなどで大企業の業績を上げれば、トリクルダウンして広く個人所得も増大するなどというのは、妄想だということが明らかになった。むしろ、個人所得の格差は拡大するばかりだ。

医療体制を立て直し国民生活の安定を図れ

多くの分野でIT化デジタル化が進み、業務の効率化が図られたが、その成果は、労働時間の短縮、休暇の拡大など労働環境の改善に向けず、雇用人員の削減につなげてしまった。公務員の世界でも、アウトソーシングの拡大により正規職員を削減した。働き方改革などの掛け声の下で、これらの流れが非正規職員の拡大、不安定な雇用の拡大になり、この点でも低所得層が増えてしまった。

また、高齢化社会の進展により増額が当然なのに、社会保障負担の抑制を図り、医療介護費の増額を抑えた結果、その分野に働く人たちの賃金を低水準にしてしまい、慢性的な人手不足が続いている。

個人消費を改善するには、低所得層の所得、賃金を上げることだ。医療も介護も政府が従事者の給与額をコントロールできる職種であり、年金や生活保護費、雇用保険の拡充なども政府が決定できるのだ。ベーシックインカムも検討する。もともと足りない所得層にカネが回れば、消費にまわる率が高く、経済の好循環が実現するのだ。

コロナ感染の中で、エッセンシャルワーカーの頑張りを称賛したりしても、賃金などの改善が無ければ、長続きしない。長期的な格差社会の是正を目標に置きながら、医療体制を立て直し、国民の生活の安定を図ることが、新型コロナ感染の現状で選択すべき道であろう。(地図好きの土浦人)

【追悼】取手二、常総学院で甲子園V3 名将・木内幸男さん

2
生前の木内幸男さん、小学生のファンに書いたサインは「一球入魂」

【伊達康】高校野球の監督として取手二高で夏1度、常総学院で春1度・夏1度の甲子園優勝を飾った名将・木内幸男さんが24日午後7時ごろ、肺がんのため取手市内の病院で亡くなった。89歳だった。

甲子園では取手二高で春2回、夏4回の出場で8勝5敗(優勝1回)、1984年秋に常総学院に移ってからは春5回、夏11回の出場で32勝14敗(優勝2回・準優勝2回)と歴代7位の通算40勝を挙げた。なお、異なる2校を甲子園優勝に導いた監督は、原貢さん(三池工、東海大相模)、上甲正典さん(宇和島東、済美)、木内さんの3人しかいない。いずれも故人となった。

今でも伝説のように語り継がれるのは1984年に取手二高を率いて県勢初の甲子園優勝に導いた決勝戦だ。当時最強といわれた桑田真澄、清原和博を擁したPL学園に、決勝戦で延長戦の末8対4で勝利。甲子園で躍動するスカイブルーのユニフォームに全国の高校野球ファンが魅了され、勝利監督インタビューのユニークな受け答えと相まって木内幸男の名前は瞬く間に全国区となった。その後、常総学院を全国区の名門校に育て上げた手腕はいわずと知れたところである。

これほどの名将でありながら、初めて甲子園で指揮を執ったのが46歳のときだというから驚きだ。取手二高の監督に就任して20年後にようやくつかんだ甲子園であった。そこから80歳の常総学院第2期木内政権の終了まで34年もの間、甲子園での勝ち星を積み重ねていった。

常総学院はここ3年間、甲子園から遠ざかっていたが、元プロの島田直也新監督のもと先日の関東大会で準優勝、来年春のセンバツ出場を確実とした。木内さんも久しぶりの出場を楽しみにしていただろう。また、25日東京ドームで行われた都市対抗野球では、常総学院時代の1年夏まで木内さんの教えを受けた飯田晴海投手(日本製鉄鹿島)が先発登板した。惜しくも3回で降板となったが、マウンドに歩み寄り交代を告げたのは取手二高V戦士・中島彰一監督であった。さらにプロの世界では仁志敏久が今秋から横浜DeNAベイスターズの2軍監督に就任。金子誠が日本ハム一軍野手総合コーチを務める。木内チルドレンが今もなお指導者や選手として野球界を賑わせている。

最後にご本人から伺ったエピソードを一つ紹介したい。「土浦市営球場(現・J:COMスタジアム土浦)で第1号ホームランを打ったのは俺なんだかんな」と木内さん。もう60年以上前のことで本人の証言以外に証明できるものはないが、きっとそうであって欲しい。

1984年の甲子(きのえね)の年に甲子園で優勝を果たし、奇しくも89歳(やきゅう)で鬼籍に入られた木内さん。高校野球ファンはあなたのことを忘れません。感動と熱狂をありがとうございました。天国で安らかにお眠りください。

《遊民通信》5 これでいいのだ―罪の意識とカタルシス

1

【コラム・田口哲郎】
前略

日本人には罪の意識がないと言われます。しかし一体なぜこんなことが言われるのでしょう? 自分たちが悪いと思っていないから、日本人は過去の過ちを認めず、心のこもった謝罪をしないと言いたいのではありません。罪の意識というときに焦点になるのは、日本人と西洋人との違いについてです。西洋人というのは古い言い方ですが、キリスト教圏の欧米人という意味です。さて、西洋人と比べたときに日本人に罪の意識がない、と言うことができると思います。

罪の意識とはなんでしょうか? キリスト教には原罪という考え方があります。人間は生まれながらにして罪を負っているという思想です。禁断の果実を食べたことで神の怒りを買い、エデンの楽園からアダムとイブが追放されました。以来、人間には死が与えられ、食うために労働しなければならなくなりました。

これは創世神話に過ぎないと言われるかもしれません。でも、アダムとイブの過ちにまでさかのぼらなくても、人間は生きていれば大なり小なり罪を犯します。夏目漱石の『こころ』の「先生」は、労働不要の遊民でしたが、横恋慕(よこれんぼ)と略奪愛のせいで親友Kを自殺させてしまったという罪の意識によって自死に追い込まれます。

罪意識がいかに人間を不安にさせるかが分かります。罪の意識は人間が生きている限りつきまとう、どうしようもない不安なのです。この厄介な不安は現代社会にもまん延し、大勢の人がうつ病に苦しんでいます。

罪の意識とキリスト教

西洋人は原罪と二千年以上も付き合ってきました。キリスト教は、人間の原罪をキリストが代わりに背負ってくれたと考えます。キリストの犠牲のおかげで、人間は神と和解し、原罪から解放される、と。これは贖罪(しょくざい)思想と言われるものです。贖罪思想という強烈な浄化装置を西洋人は持っていることになります。

「これでいいのか?」を「これでいいのだ」にするカタルシスです。ニーチェの言う超人(強く生きる人)になる秘訣です。

人生の始まりから罪を背負っているなんて日本人は考えもしませんでした。西洋人のやり方を無理してまねる必要はありません。しかし、西洋人の方法論を知ることは、コロナ禍を生き抜くヒントになると思います。

アフターコロナの新様式社会では、社会のITC(情報通信技術)化が急激に進展し、個々人が主体的に選択をすることが求められるでしょう。自由である分、不安も増大します。選択が成功することもあれば、失敗することもあります。罪の意識に苛まれるかもしれません。そのときこそ罪を浄化するカタルシスは大いに役立つと思います。

自分は悪くないと開き直れと言っているのではもちろんありません。たとえ自分に都合の悪い状況でも、目をそらさないことです。そして、苦しみや悲しみが自分の罪に対する罰などではないと悟ることが大切です。それでは、ごきげんよう。

草々(散歩好きの文明批評家)