県立医療大が科学や絵本のワークショップ
小・中学生を対象に科学の実験をしたり、歴史上の科学者をテーマに絵本づくりをするワークショップが22日から24日までの3日間、つくば市天久保のギャラリーYで開催される。県立医療大学(阿見町)の「アイラボキッズ」がつくば市で初めて開催する。
同大の地域貢献研究費の助成を受けて2020年度から始まった取り組みで、アイラボキッズは同大保健医療学部の鹿野直人准教授(58)が代表を務める。これまで、科学の体験教室や、著名な科学者を紹介する絵本の作成や読み聞かせなどを、大学のある阿見町立君原小学校で行ってきた。
この夏、つくば市で開催するきっかけとなったのは、アイラボキッズの活動を紹介するウェブサイトに届いた「うちの子どもにも参加させたい」という多数の声だったと、絵本制作などを担当する絵本作家の島本真帆子さん(52)は話す。島本さんは今回の会場となるギャラリーYで、昨年9月に個展「子どもたちのための科学と医療のイラスト展」を開催した(21年9月9日付)。その際に「アイラボキッズ」を知った来場者から「夏休みの自由研究に是非」という声を聞いたことが、今回の開催につながった。
3つのテーマが用意
会場では3つのテーマが用意されている。
「ガリレオやダ・ヴィンチの絵本をつくろう」は島本さんが担当する。島本さんが準備した印刷されたイラストと文章をもとに、参加者が切り張りするなどして8ページの絵本を作っていく。
「落体の実験をしよう」は、アイラボキッズのスタッフ立ち合いで、大きさの異なるものが同時に落下する時、スピードの違いはどうなるかなどを観察する。これまでの活動で、最も子どもたちの反応が大きかったテーマの一つだという。ガリレオが「落体の法則」を発見した17世紀当時、世間では「大きさが10倍のものは、小さいものに比べて10倍の速さで落下する」と言われていた。島本さんは「大人でも意外と分からない人がいるかもしれません。実際にどうなるか見てほしい」と話す。参加者は実験の結果を自由研究として1枚の用紙にまとめる。どうまとめればいいか、その方法についてもアドバイスする。
「ほんものの科学者に放射線について聞いてみよう」は、アイラボキッズ代表で放射化学の専門家である鹿野さんが、放射線などについて来場者の質問に直接答える。
鹿野さんはアイラボキッズの活動について「より多くの子どもたちに、楽しみながら医療や科学に関心を持ってもらいたいと活動してきた。茨城は、人口に対する医療スタッフの数が少ない地域なので、医療・科学が子どもたちの進路の選択肢になれば」と話し「ぜひ、多くの方に参加していただきたい」と今回の企画に込める思いを語る。
会場には、島本さんの絵本の原画や実際の絵本も展示し、大人も楽しめるよう工夫する。(柴田大輔)
▽参加費無料。事前予約は不要。
▽「絵本」と「落体実験」は、22日(金)、23日(土)、24日(日)の午前10時から午後6時までの間、いつでも体験できる。最終日は午後5時まで。
▽「放射線」は、鹿野さんが23日(土)、24日(日)の午後1時~3時に会場にいて、質問に答える。
▽来場者はマスクの着用、事前の検温、会場入り口での消毒が必要。会場が混み合った場合は入場を制限することがある。
▽会場のギャラリーYは、つくば市天久保1-8-6、グリーン天久保201(2階)