水曜日, 12月 31, 2025
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撮影時用の腕章作成へ 土浦写真家協会が初の対面総会

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案として示された撮影時に巻く腕章

土浦写真家協会(TPS、オダギ秀会長)の対面式の年次総会が20日、土浦生涯学習館で開かれた。TPSは2021年8月に立ち上げられたが、昨年は書面総会になっており、会場を使った総会は初めて。オダギ会長は、過去1年半強の活動を踏まえ、設立時に設置された「フォトアーカイブ委員会」に加え、「事業委員会」「写真展示委員会」「デジタル委員会」を新設することを提案、了承された。

古写真の収集・保存で市との協働

オダギ会長は、事業委活動の一つとしてTPS腕章の作成を提案。「写真を撮っていると、撮られるのが嫌だという人もいるし、盗撮と疑われるようなことも出てくる。自分たちは土浦写真家協会のメンバーであるということを知ってもらい、撮影がスムーズにできるように、報道関係者が使っている腕章を付けたらどうか」と説明した。異議はなく、これからデザインを詰める。

土浦写真家協会のオダギ秀会長

フォトアーカイブ(昔の土浦の様子などを撮った写真の保存)委の活動については、委員長の鈴木平光さんから報告があった。鈴木さんは「明治20年から昭和40年までの写真は土浦市政50周年記念誌に載っているが、その後、市は古い写真を組織的に収集していない。集めるにしても整理するにしても、何かのきっかけが必要で、TPSの計画を(市教育委員会の)市立博物館の学芸員に話したところ、できれば一緒にやりたいということだった」と報告した。

TPSは当初、古い写真の収集・整理・保存を独自に行う構想を描いていた。市教委との話し合い次第では、博物館とTPSとの協働によって保存が進む能性も出てきた。

独自の写真展開催も検討

また、事業委員長の村瀬充さんからは、検討中の案件として①メンバーなどによる合同撮影会②既存展とは別のTPS主催の写真展③メンバーの腕を磨く研修会④各種イベントへの参加―などが提案され、今後、検討することになった。

土浦市観光協会が主催し、JA水郷つくば、土浦市、土浦商工会議所などが後援する写真展「土浦の写真コンテスト」の17回展(今年1月29日~3月31日)に、TPSは初めて後援者として名を連ねた。このような半ば公的な写真展とは別に、オダギ会長は「今から写真を撮りだめ、『10年前の記憶』といったユニークな企画展を、街の喫茶店で開けたら面白い」と補足した。

TPSは「土浦市を中心とする写真文化の振興発展を願う活動(事業)を行うことにより、土浦市および周辺地域の文化育成と土浦市民および多くの人々の意義ある生涯実現に寄与する」ことを目的に設立された。会費は個人会員が年2500円、企業など賛助会員が年5000円から。現在、両会員を募っている。(岩田大志)

【問い合わせ先】土浦市永国東22-5 土浦写真家協会 tsuchiuraps@gmail.com

あす投開票 土浦市議選

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土浦市議選はあすが投票日=市役所前

統一地方選後半戦、任期満了に伴う土浦市議選は23日、投開票される。定数24に対して8人超の32人が立候補した。期日前投票は22日午後8時まで、市内5カ所で行われる。20日時点で1万2694人が投票を終えている。

立候補者の内訳は、現職15人、新人15人、元職2人。党派別は公明党4人、共産党2人、社民党と参政党がそれぞれ1人、無所属が24人。

投票は23日午前7時から午後6時まで市内51カ所で行われ、午後7時から同市大岩田の霞ケ浦文化体育会館で即日開票、同9時ごろまでに大勢が判明する見通し。4月15日現在の有権者数は、前回(2019年)市議選時よりも2262人多い11万8430人(女5万9438人、男5万8992人)。前回市議選の投票率は43.43%だった。(柴田大輔)

市議選立候補者の32人の略歴はこちら

老人医療の先駆者、牧野富太郎先生 《くずかごの唄》126

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イラストは筆者

【コラム・奥井登美子】90歳の牧野富太郎先生。お会いしてみて、お見かけは60歳くらいに見えたが、話が植物独特の形のことに触れてしまったら、トタンに20歳の青年のようになってしまう。

「カタクリの花。見ていてもあきない、独特の、いい形ですね…」
「葉もいいですよ、紫色がかった緑色。しかし、あの色は、標本に作るのが難しい。あの色はですね…」
興奮すると、話はどんどん植物標本の作り方に飛んで行ってしまう。よほど標本の製作に関心があるらしい。

植物標本作りは全くの根気仕事である。古雑誌・古本をたくさん集めてきて、標本にしたい植物の形を整えて挟む。それを積み上げて、上から重石(おもし)をのせ、植物の水分を抜く。毎日1回、形を整えながら、古紙を取り替える。

植物の種類によって違うが、4~5日、紙を取り替えて、きれいに乾いてきたら、最後に白い和紙や障子紙に挟んで、色の変化、葉の形、種のこぼれ具合などを、丁寧に確かめる。根気と、検体への愛情のいる作業なのである。

生涯に作った植物標本は40万点

先生の家の畳が腐って、根太(ねだ)が折れてしまったのも、標本作りの重石と古本を家の中に置き過ぎたせいだという。

先生が生涯に作った植物標本は、40万点もあったと言われている。東大は牧野先生の植物標本が欲しくて、職員に採用したという噂(うわさ)も流れていた。

<参考>前回コラムも牧野富太郎先生を取り上げました。

情報・コミュニケーション条例を要望  つくば市の福祉団体、障害種を超え連携

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五十嵐市長に要望書を手渡す市聾者協会の末森明夫会長

つくば市内の11の福祉団体が21日、連名で「(通称)つくば市障害者情報アクセシビリティ・コミュニケーション施策推進条例の制定施行」に関する要望書を、五十嵐立青市長に手渡した。国が昨年施行した障害者情報アクセシビリティコミュニケーション施策推進法に基づき、情報の取得・利用や意思疎通に困難を伴う障害者への自治体レベルでの支援施策を求める。

五十嵐市長は「今の情報社会の中で、前提となる情報を受け取れないのは、あらゆる問題の出発点。どのような技術があれば、どんな障害があってもコミュニケーションが可能なのかを、当事者の方と相談しながら、実効性のある条例をつくっていきたい」と述べた。

土浦は今月、手話普及の条例施行

要望書によると、聴覚障害者の中でも、日常生活で手話を言語として使用するのが聾(ろう)者だ。聾者の場合、周囲とコミュニケーションをとるには手話通訳が欠かせない。つくば市は、市在住の聴覚障害者に手話通訳者を派遣しているが、個人の趣味や政治活動のためには派遣されない。

また、高齢になった聾者が老人ホームなどに入所する時、他の入所者や職員は手話が分からないため、会話ができず、孤立するという問題もあるという。

全日本ろうあ連盟(東京都新宿区)の調べによると、手話を言語として認める手話言語条例は全国に広がっていて、茨城県と県内3市が制定している(4月18日現在)。土浦市では、昨年3月、同市聴覚障害者協会が市議会に手話言語条例の制定を求める請願を提出。今月、「市手話言語の普及の促進に関する条例」が施行された。

一方、今回つくば市に提出された要望書では、日常生活で手話を使用する聾者に特化した「手話言語条例」ではなく、手話を使わない聴覚障害者や、印刷物を読むことが困難な視覚障害者、失語症などにより発話が難しい障害者なども支援の対象にする「情報・コミュニケーション条例」の制定を求める。県内で同様の条例を制定しているのは水戸市と笠間市の2市。

団体間で学習、検討重ねる

要望書は市聾者協会が中心に作成したが、知的障害や肢体不自由、高次脳機能障害など、多様な障害種の17団体で構成される市福祉団体等連絡協議会の中でも、条例に関する学習会を重ね、要望書の内容を検討した。

市聾者協会の末森明夫会長(60)は「手話言語条例では、聾者や聴覚障害者だけの支援にとどまってしまう。情報・コミュニケーション条例を制定し、手話も、障害者が情報取得や意思疎通のために使用する手段の1つとして位置づけた方が、多様な障害を持つ人たちと協力し、コミュニケーションの問題を解決していけるだろう」と話す。

連名で要望書を提出した、知的障害者などに高校卒業後の学びの場を提供する「茨城の専攻科を考える会」理事長の船橋秀彦さん(67)は「知的障害者もコミュニケーションが苦手なため、生活しづらさを感じることが多い。様々な当事者の声を反映した条例になってほしい」と話した。

要望書では、障害者や障害児の保護者を委員にした条例策定委員会を設置し、当事者や家族の意見を十分に反映させるように求めている。「当事者が何に困っていて、どんな支援を必要としているのか、策定委員会で検討した上で、障害者の情報取得や意思疎通に関する具体的な支援内容や市の責任を明示した内容になってほしい」と末森さんは期待する。

愛宕山の「天狗伝説」 《写真だいすき》19

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仙境異聞:暗黒の闇の寂寥感のなかに朝日が射してくると、光がどんなにうれしいものかを知った。撮影筆者

【コラム・オダギ秀】天狗(てんぐ)への憧れがあったので、撮影に励んだことがあった。岩間の町(現笠間市)近くに愛宕山(あたごやま)という小さな山があり、天狗が棲(す)んでいたと言い伝えられている。

自分たちが住む世界とは異なる世界への憧れは、多かれ少なかれ、誰しもが持っている感情かも知れない。まして、それが摩訶不思議な異界ともなれば、一層の興味が津々となる。「仙境異聞(せんきょういぶん)」という古文書があった。それは、まさにその知的好奇心と、野次馬的心情と、本能的畏敬とを表現した、江戸時代爛熟(らんじゅく)期の文書である。

十五歳の寅吉という少年が、文政三年秋、突然江戸の町の知識階級の前に現れて、天狗とともに過ごしたと語った。彼が、その日々を語り始めると、神秘性を重視していた国学者平田篤胤(ひらた・あつたね)は、その少年寅吉に会い、彼が天狗とともに見聞きしたという世界や天狗から学んだことを聞き書きし、「仙境異聞」としてまとめた。

だが、この際、「仙境異聞」が、何を伝えようとしたかは重要ではない。ボクは、平田篤胤が、少年寅吉の語ることに心動かされ、異界の存在を信じたことに憧れた。ボクも、異界を見たいと思ったのだ。

幽界にいるような恐怖が増した

天狗の世界は、笠間の東、岩間の愛宕山にあった。愛宕山には、十三の天狗が棲み、修行していたと伝えられている。愛宕山頂には、「仙境異聞」に書かれているように、今も十三天狗の小さな石の祠(ほこら)があり、天狗の行場と言われる岩場がある。

ボクは、天狗の残滓(ざんし)を求めてカメラを担ぎ、深夜、愛宕山に登った。夜の闇の方が、天狗が棲む山に相応(ふさわ)しい撮影ができると、単純に思ったからだ。愛宕山は、標高300メートルほどの小高い山に過ぎないが、それでも古木生い茂る森林の中に立つと、暗黒に包まれる寂寥(せきりょう)感は、予想以上のものがあった。微(かす)かな葉擦(はず)れにも、木の実が落ちる音にも、幽界にいるような恐怖が増した。

だが、やがて空が明らみ鳥たちが目覚めると、自分が闇夜を恐れたことさえも愛(いと)おしくなり、この天狗や動植物の棲む世界こそが現実の世界であり、四季の移ろいを忘れ、おののきを知らず、微睡(まどろ)みよりもテクノロジーをモノの価値の尺度とする自分の住んでいる世界は、なんと実感のない、非現実的な異界であろうかと思えてきた。

時の流れがうねるような季節感

以来、ボクは、幾度となく愛宕山に登った。冷たい雨の日もあった。途方に暮れるような霧の朝もあった。だが、様々な表情を見せる仙境は、やがて、ボクにとっては、妙に懐かしい、心和む世界となった。現世を乾ききった世界などと単純な括(くく)りをするつもりはない。だが、愛宕の山中に立つと、潮の満ち干にも似た空気感や、時の流れがうねるような季節感に、これこそが実体のある世界であると感じないわけにはいかなかった。

なぜ、闇を恐れないのですか
なぜ、雨に笑わないのですか
なぜ、霧に惑わないのですか
なぜ、明ける空を見上げないのですか
なぜ、見上げる自分が悲しくはないのですか
なぜ、眼に見えぬものを信じられるのですか
なぜ、触れられないものを信じられるのですか
なぜ、鳥が啼(な)くのに歌わないのですか
なぜ、寒さを肌で感じないのですか
なぜ、緑の臭いに咽(む)せないのですか
なぜ、言葉で語るのですか
なぜ、いまそこに、命が輝いていることを知らないのですか
(写真家、日本写真家協会会員、土浦写真家協会会長)

地元で話す 子ども時代の経験 《電動車いすから見た景色》41

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小学校時代の運動会 同級生に交じって、歩行器で行進しているのが筆者

【コラム・川端舞】来月、故郷の群馬で、とあるプレゼンテーション大会に登壇し、子ども時代のことを話す。多くの障害児が特別支援学校に通うなか、重度身体障害のある私は小学校から高校まで、障害のない同級生と同じ学校に通った。しかし、特に中学時代は、介助員からトイレ介助を拒否されるなど、つらいことが多かった。

私は中学時代の介助員や、介助員からの虐待に気づかなかった担任教員だけが悪いとは決して思っていない。

どんな障害があっても、健常児と同じ学校に通う権利があると国連は認めている。障害児を含めた全ての子どもが過ごしやすいように、環境を整えるのは学校全体の責任だ。それなのに、障害児には介助員さえ付けておけば、必要な支援はすべて介助員に任せておけばいいと思われていたことが、当時の介助員を孤立させ、虐待に追い込んだ。

学校全体に流れていた「重度障害児はこの学校にいるべきではない」という空気が、虐待に気づかないほど、担任教員の目を曇らせたのだろう。「どんな障害があっても、普通学校に通うのは権利で、それを保障するのは学校の責任だ」と教育全体が思わない限り、おそらく同じ悲劇は繰り返される。

自分のような経験は誰にもさせまいと今までも様々な場所で自分の経験を話してきた。

障害児が同じ教室にいるのは当たり前

しかし、子ども時代の自分を直接知る人も多い群馬で、自分の経験を話すことはないと思っていた。地元の普通学校で育った障害者が、受けてきた教育を否定しているとなれば、「だったら、特別支援学校に行けばよかったのに」と思われ、普通学校から障害児を一層追い出そうとするかもしれない。それが怖かった。

そんな私が子ども時代の経験を故郷で話すことになったのは、高校時代の友人が「川端に群馬で話してほしい」と言ってくれたからだ。私は彼に自分の過去を話した。その話をすると、多くの人は「そんなにつらいのに、なぜ普通学校に行ったのか」と私に問う。だが、友人は「なぜ大人が子どもを守らないのか」と反応した。

どうやら、高校3年間、障害のある私が同じ教室にいるのが日常だった彼にとっては、私が普通学校に通ったのは当たり前のようだ。障害児だった私を「普通の子ども」と捉え、その子が学校で傷つけられたことを、自分のことのように怒ってくれる。常に例外として扱われた私にとって、友人の反応は泣きたくなるほど心地よい。

友人が近くで聞いてくれるなら、群馬でも話せるかもしれない。どんな障害があっても普通学校に通うのが当たり前の社会になることを祈りながら、話してこよう。(障害当事者)

公募開始、今秋に売却先決定 つくばの日本自動車研未利用地

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売却予定区画(赤枠)を示す地図=JARI提供(出典はOpen Street Map)

日本自動車研究所(JARI、つくば市苅間、鎌田実所長)は4月上旬から、TX研究学園駅南側に保有する未利用地16ヘクタールの売却手続きを開始した。13~14日には、購入を希望する企業による現地(つくば市学園南2丁目)見学会が開かれた。

売却は取得希望企業に活用計画を提出させる公募型プロポーザル(提案)方式で実施される。8月に提案書類を締め切ったあと、売却先を10月に決め、11月に売買契約を結び、12月に用地を引き渡す。最低売却価格は92億4000万円。

日本自動車工業会の関連組織JARIのつくば研究所には、高速テストコースが設けられていた。ところが敷地内をTXが横切ることになり、同コースは2005年に城里町に移された。売却される未利用地はJARI全敷地(80ヘクタール)の一部。研究学園駅南側の駅前公園とエキスポ大通りの間に位置し、敷地を縦断する市道5-1711号線の東側。

不動産業者は「商業店舗が多い駅北側に比べると安いものの、坪(3.3平方メートル)50~60万円はする。土地だけでも240~290億円になるだろうから、大きな開発事業になる」と取得企業がどこになるか注目している。

「まちづくり」との整合性を審査

JARIによると、土地売却に際しては▽茨城県やつくば市が目指す研究学園駅周辺地域のまちづくり方針などを踏まえた開発計画か▽環境配慮、産業発展、人材育成などを意識した事業計画か▽事業が安定的に運営可能な推進体制か▽提案内容に向け妥当性のある収支計画・資金計画か―などを審査し、売却先を決める。

このために、一色良太JARI専務理事と外部有識者で構成する選定委員会を設置した。メンバーは大澤義明(筑波大学教授)、外山茂樹(つくば不動産研究所長)、豊崎孝浩(豊崎公認会計士事務所長)、星野学(つくば総合法律事務所代表弁護士)の各氏だ。

未利用地の地目は宅地で、都市計画上の用途は準工業地域。用地取得に意欲的な開発会社(デベロッパー)によると、建築条件は建蔽(けんぺい)率60%、容積率200%。この条件だと、戸建て住宅は無理だが、中層マンション、オフィスビル、商業店舗、ホテル、軽工業工場、物流倉庫などは建てられるという。(岩田大志)

世界のつくばで子守唄の旅 《映画探偵団》63

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イラストは筆者

【コラム・冠木新市】『木枯し紋次郎』は、マカロニウェスタンに刺激を受けた作家、笹沢左保が1971年に股旅(またたび)小説として発表。翌1972年、アメリカのニューシネマ調の股旅時代劇を構想中だった映画監督、市川崑によって映像化され、フジレビで放映が始まった。 

峠道を三度笠(さんどがさ)姿の旅人が、画面奥から黙々とこちらに向かって歩いてくる。フォ一ク調の主題歌「だれかが風の中で」が流れ、旅暮らしの日々が短く挿入されるタイトルバック。それまでの股旅時代劇を一変する演出に、多くの視聴者がくぎ付けになった。

つくばセンタービルは間もなく40周年を迎える。ラテン語で新星を意味するノバホ一ルと、水の広場との関係が新生児(赤ちゃん)を象徴していると考え、『世界のつくばで子守唄/海のシルクロード・ツアー 2023』というコンサートを企画した。

①インド②スリランカ③バングラディシュ④ミャンマー⑤タイ⑥マレーシア⑦シンガポール⑧ベトナム⑨中国⑩香港⑪台湾⑫日本(沖縄)⑬筑波(つくば筑波山麓)には、インドの金色姫が継母の迫害にあい、うつろ舟に乗り筑波に流れついて、養蚕を伝えた伝説が残されている。

金色姫の航海ルート、海のシルクロード地域の子守唄を現地の言葉で歌ったら、世界とつくばを結ぶのにふさわしい企画かと思えた。

外国人と一般市民との交流の場がない

140カ国、約1万人の外国人がつくばで暮らしている。多角的に活動している実行委員が集まれば、歌い手はすぐ見つかるだろうと思ったが、それが間違いだと気付かされた。世界のつくばだから、外国人と交流しているグループがあると思ったが、これもはずれだった。

結局、歌い手探しの旅が始まる。ツテをたどって実行委員と1人ずつ当たるしか方法はなかつた。

つくばの森にあるインターナショナルスクールの先生。下妻市の外国人支援組織の代表。日本に帰化したタイ人が経営するお店。筑波大学出身者を中心にしたスリランカ人が集うお正月まつり。野口雨情の歌を愛する中国人のカフェマスターなどなど。

そうした人たちとの出会いを重ねるうちに、つくば市には外国人と一般市民との交流の場がほとんどないことを知った。つくばに住んで30年。私はもっと交流があるものだと勝手に思いこんでいた。実行委員の1人は、外国人の「いっぱい知っているから紹介してあげるよ」との言葉から、何度もカレーを食べに行ったが、結果にはつながらなかった。

外国人に会いに出かけるときには、『木枯し紋次郎』の主題歌が思い起こされた。「どこかで だれかが きっと 待って いて くれる」「きっと おまえは 風の中で 待って いる」

初めは、紋次郎になった気分でいたが、今では、つくばに暮らす外国人が、金色姫であり、紋次郎だと思えるようになった。私は歌い手よりも、金色姫と紋次郎を探していたのかもしれない。歌い手はあと一地域残すのみとなった。サイコドン ハ トコヤンサノセ。(脚本家)

閉店してしまった「珈琲俱楽部なかやま」 《ご飯は世界を救う》55

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左から2012年11月13日、2018年2月4日、2013年9月12日のスケッチ

【コラム・川浪せつ子】今回は3月に閉店してしまった「珈琲俱楽部なかやま」さんです。なくなったお店の絵を掲載するのは初めてです。絵を見て行きたくなられた方、すみません。いつ開店したのか正確にはわかりませんが、たぶん40数年前。まず土浦に新店舗を構え、その後そのお店を閉め、35年前、先日閉店した本店(つくば市古来)を開いたようです。

私が初めて「なかやま」さんに行ったのは、本店ではなく、友朋堂書店の斜め前にあったお店(つくば市吾妻)でした。このときの感動は忘れません。あまりにもオシャレだったからです。そのときは保育所に子供を預けた後の時間。若い私にとってコーヒー500円はとても高く、その後は一回も行けませんでした。

その後、西武百貨店(クレオ)の斜め前に、新しいお店が出来ました。そのときも、まだ子育てに手間とお金がかかるころ。お茶するのなら、隣のハンバーガーショップでよいと思っていました。ある日、年上の絵のお友だちが「ここに入りましょ」と誘ってくださったとき、私のちょっと渋った様子を見て、「私がごちそうするから!」

そして、優雅で素晴らしい空間を初めて体験して、いつかきっと私も自分のお金でここにランチに来ようと思いました。

私とお店のストーリーが同時進行

時が過ぎ、私は「なかやま」さんでランチし、スィーツを食べ、たくさんの絵を描かせていただきました。店内のギャラリーコーナーで、展示会も数回開催させていただきました。ですが、西武がなくなった後、ここも閉店されました。古来の本店だけになってからは、我が家から少し距離があるため、あまりお伺いできなくなり、閉店を知ったときはショックでした。

初めコーヒーの値段に躊躇(ちゅうちょ)したことが、今思えばおばかさんだったなぁ、と。コーヒーの値段は、フラワーコーディネート、いろいろな調度品、そんな空間を大切に慈しみ、心が満たされる空間を演出するお値段だったのだ、と。

書きたいことはたくさんあり、全部はお話しできません。私自身のストーリーはお店と同時進行していました。あの時間が私の生きてきた道とリンクしていたと、「なかやま」さんの閉店で思い出されます。感謝です。お店を守ってきた方、まだ行き先が決まっていないとか。どうかステキな道を見つけられますように。

「なかやま」さんで修業された方が、今は自分のお店を持たれています。志は永遠に。古民家カフェ「ポステン」(つくば市北条)と炭火焙煎珈琲「ぬまもと」(牛久市さくら台)です。(イラストレーター)

2023年3月21日のスケッチ

中州に重機を渡して 土浦・桜川で河道掘削工事

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狭い中州にバックホウが乗り込んで作業している=土浦市下高津地先の桜川

土浦市を流れる一級河川、桜川で、県が河道掘削(かどうくっさく)工事を行っている。川の真ん中の中州に重機が乗り込み、堆積した土砂を取り除いているもので、幅数メートル、延長450メートルの中州は7月半ばまでに川から姿を消すことになる。

工事が行われているのは、土浦の花火競技大会会場から100メートルほど下流の同市下高津地先の桜川。県土浦土木事務所によれば、同市内の桜川で中州を取り除く工事は前例がないという。

県による国補広域河川改修事業は、同市蓮河原町から佐野子地先にかけての桜川延長4.5キロで行われている。2022ー23年度は下高津から上高津にかけての2つの工区に分け事業化された。第1工区が下高津の中州の河道掘削。工期は7月までで、取り除く土量は1万6000立方メートルと計画されている。

21年度に桜川の河口から国道6号に架かる桜川橋までの測量調査を実施し、流下能力が不足している下高津の中州とその周辺の堆積土砂の掘削を行うことになった。現状の流下水量は毎秒850立方メートル程度で、これを1000立方メートルに拡大する。

中州に重機が入ってきたのは3月下旬で、ちょうど桜川堤のソメイヨシノが満開となった時期。中州で稼働するバックホウなどの重機をどうやって渡河させたのか花見客の目を引いた。

土木事務所によれば、左岸(立田町側)の河川敷に設けた現場事務所から、割栗石を使用して仮設道路を造成し中州につなげた。当初計画は、大型土のうを積んだ仮設道路としていたが、施工業者の提案により、施工性と安全性の観点から割栗石を採用したという。

中州に重機を渡すため割栗石で仮設された道路

掘削した土砂の搬出先については、圏央道工事を進めている常総国道事務所(土浦市)と協議中。割栗石は工事完了後、撤去する。2工区合わせての事業費は約2億7000万円。

桜川について、県は今後も土砂の堆積状況を把握するとともに流下を阻害する高水敷の雑木伐採などを行い、洪水時の治水安全度の確保に努めていくとしている。(相澤冬樹)

TX土浦駅延伸 次の焦点は工事費分担 《吾妻カガミ》155

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土浦駅東口のコンテナヤード TXがここに入ってくる?

【コラム・坂本栄】茨城県の第三者委員会がTX延伸先をJR土浦駅に絞り込みました。識者の提言通りTXがJRと土浦駅で交われば、両ラインの使い勝手はよくなります。提言を超要約すると、「土浦駅につなぐのが一番安上がりで開通後の採算性も一番よい」ということですが、「実現可能性が優先され地域開発の夢が見えない」(土浦の経済人)といった声も聞こえます。

実現性に重きを置いた絞り込み

3月末公表された知事への提言書と補足書「TX県内延伸調査の結果」は県のホームページにアップされています。検討視点やデータが載っており、とても勉強になります。その概要は本サイトの記事「TX…は土浦方面…知事に提言」(3月31日掲載)をご覧ください。

延伸先を4候補(土浦、茨城空港、水戸、筑波山)から絞り込む作業で、第三者委は▽延伸実現の可能性▽県ビジョンとの調和▽将来を見据えたまちづくり▽公共交通の利用促進―を念頭に置いたそうですが、どうやら「延伸実現の可能性」が重視されたようです。

補足書にある事業費概算は、土浦=1400億円(直線距離8.4キロ)、茨城空港=2400億円(同28.5キロ)、水戸=4800億円(同45.5キロ)、筑波山=1400億円(同13.5キロ)―となっています。これらに予想運行収支(土浦=年3億円の赤字、茨城空港=年50億円の赤字、水戸=年58億円の赤字、筑波山=年22億円の赤字)を重ねると、延伸先は土浦駅方向しかなかったでしょう。

土浦の経済人が「夢が見えない」と嘆いているのは、JRとの共存や実現性が優先された結果、鉄道敷設が周辺開発を促すというTX沿線(茨城県内では守谷市、つくばみらい市、つくば市)の「成功体験」があまり期待できない、ということです。

全工事費地元負担というプラン

第三者委の絞り込みは、147「TX…延伸…シナリオ」(2022年12月19日掲載)でも指摘したように、県が進める「延伸工事費を県外自治体にも負担してもらう」作戦の準備作業です。国土交通省の関係審議会で土浦駅延伸を東京駅延伸とセットで決めてもらい、東京都、埼玉県、千葉県はもちろん、できれば国にも工事費を分担すると約束してもらわないと、県内延伸は難しいと考えているからです。

事情通によると、現TXが計画されたときの竹内藤男知事(故人)は、TXをつくば市まで引っ張ってくるため(当初計画は千葉県止まり)、延伸する場合は地元で工事費用を負担する旨の文書を1都2県に差し出したそうです。3知事がこの念書を大井川知事の前でヒラヒラさせるような流れになると、県の費用分散作戦(プランA)は行き詰まります。

その場合、現在価格1400億円の工事費を茨城県と通過2市(土浦市内とつくば市内はほぼ同距離)が負担し、年3億円の区間収支赤字を土浦市が補てんすれば(費用地元負担=プランB)、第三者委の提言は即実現します。例えば工事費は、県50%、土浦25%、つくば25%といった割合に。

第三者委提言は、1都2県にはチャーミングさに欠けるように思います。JRとの交差で終わっているからです。プランBでなくプランAで行くには、県は提言を踏まえた計画策定で、第1期=つくば駅~土浦駅、第2期=土浦駅~茨城空港、第3期=茨城空港~水戸駅―と範囲を広げるなど、1都2県が振り向くような計画にする必要があるでしょう。(経済ジャーナリスト)

女子フルは松村幸栄が大会新で初V かすみがうらマラソン

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フルマラソンの男女優勝者、ベンジャミン(左)と松村両選手(撮影・高橋浩一)

第33回かすみがうらマラソン兼国際ブラインドマラソン2023(土浦市など主催)は16日、土浦市川口の川口運動公園J:COMフィールド土浦を発着点に開催された。フルマラソン、10マイル(約16キロ)、5キロの各部門と同時開催のウオーキングを合わせ1万4056人がエントリーし、春の日差しの中で健脚を競った。

女子フルマラソンは、松村幸栄(34=コモディイイダ)が2時間39分17秒の大会新記録で初優勝した。ゴール後、「優勝は久しぶり。記録を塗り替えたことに自信を持ち、夏や冬に挑みたい」と第一声。かすみがうらは初参加で、コースを走るのも初めて。「前半はアップダウンが多いので、行きたい気持ちを我慢して足を貯めて、湖面が見えた25キロ過ぎから気持ちを切り替えた」。20メートルほどの差でトップを走っていたのは、大会3連覇中の藤沢舞(48=札幌エクセルAC)。30キロ過ぎで追い越すと、さらにエンジンをかけた。

フルマラソン女子、松村幸栄のフィニッシュ

スタート時は厚い雲に覆われていた空も、20キロくらいから日差しが出て気温も上昇。「コースには日陰がないので、給水ポイントごとに体に水をかけてしのぎ、優勝者特典のシドニーマラソン派遣を目の前にぶら下げて、気持ちを振るい立たせた」という。今年はここまで月1回のペースでフルマラソンに参加。「常にベストを出せるよう、自分の弱い部分と向き合いながら、苦しいところでもう一度踏ん張れる走りをしていきたい」と挑戦を続けている。

男子は独走でベンジャミン

男子フルマラソンは、ケニア出身のガンドゥ・ベンジャミン(31=栃木県陸上競技協会)が2時間14分56秒で優勝。大会記録(2時間14分20秒)まで36秒差。2キロ付近でトップグループを抜け出し、独走状態に入った。「かすみがうらは初めて。沿道の人たちがすごくいい応援をしてくれて盛り上がった」

フルマラソン男子、ガンドゥ・ベンジャミンのフィニッシュ

日本大学出身、4年時の箱根駅伝では2区の区間賞に輝いた。会社員や地域おこし協力隊員などを経て、今は壬生町役場スポーツ振興課で子どもたちの指導に携わる。昨年の第7回水戸黄門漫遊マラソンでは2時間18分2秒の大会新記録で優勝した。今季の目標としては、来年の東京マラソンで2時間8分を出したいという。

準優勝は牛久市在住の柴田拓真(28歳=小森コーポレーション)。「練習の一環として参加し、予定通りのレースができた」と、目標タイムを上回る2時間19分50秒を達成。コースの後半は練習でもよく走っていて馴染みがあったそうだ。北海道出身で、平成国際大学の2・3年時に箱根駅伝出場。来年のニューイヤー駅伝では好成績を出してチームに貢献したいと話す。(池田充雄)

フルマラソンのスタート=土浦市川口

その他各部門の優勝者は次の通り。
▽10マイル男子 赤津勇進(21=駒澤大学)48分07秒▽10マイル女子 梅木優子(21=拓殖大学)58分02秒▽5キロ男子 相馬一生(28=新潟県FREERUN)15分41秒▽5キロ女子 松本恭子(52=千葉県)18分04秒▽フルマラソン男子ブラインド 堀越信司(34=大阪府NTT西日本)2時間26分21秒▽フルマラソン女子ブラインド 道下美里(46=福岡県三井住友海上)3時間09分00秒

8人超の32人届け出 23日投開票の土浦市議選

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32人が届け出、舌戦がスタートした土浦市議会議員選挙

任期満了に伴う土浦市議選(定数24)が16日告示され、定数より8人多い32人が立候補を届け出た。投票は23日午前7時から午後6時まで市内51カ所で行われ、午後7時から同市大岩田の霞ケ浦文化体育会館で即日開票、同9時ごろまでに大勢が判明する見通し。4月15日現在の有権者数は11万8430人(女5万9438人、男5万8992人)。前回(2019年)市議選の投票率は43.43%だった。

届け出たのは現職15人、新人15人、元職2人。党派別は公明党4人、共産党2人、社民党と参政党がそれぞれ1人、無所属が24人。性別は女性6人、男性26人。

期日前投票は17日から22日まで▽市役所本庁舎2階▽荒川沖西部地区学習等供用施設南支所隣▽神立地区コミュニティセンター2階▽新治地区公民館2階(以上、投票時間は午前8時30分~午後8時)▽イオンモール土浦専門店街2Fイオン前(午前10時~午後8時)の5カ所で実施される。(柴田大輔)

▷土浦市議選立候補者一覧 届け出順(氏名・敬称略、年齢、職業、政党・政治団体、現職・新人・元職の別・過去の当選回数)

篠塚 昌毅(しのつか・まさき)67 会社役員 無現④ 荒川沖西
【略歴】日本大学卒。学園ビルメンテ取締役。元市議会議長。

たじま ゆき(たじま・ゆき)38 元会社員 無新 上高津
【略歴】国際航空専門学校卒。マリーナ産業、神立病院などに勤務。

滝田 賢治(たきた・けんじ)46 農業 無新 沢辺
【略歴】常総学院高卒。会社役員。商工団体役員。

塚原 圭二(つかはら・けいじ)61 会社員 無現② 荒川沖西
【略歴】東洋大学卒。須沢商事。日本テキサスインスツルメンツなどに勤務。

平岡 房子(ひらおか・ふさこ)70 元教員 社民新 菅谷町
【略歴】茨城大学卒。元茨城県公立小中学校教員。

大木 俊郎(おおき・としろう)60 会社経営 参新 若松町
【略歴】専修大学卒。エシカルコンサルティング代表取締役。牛久市倫理法人会長。

下村 寿郎(しもむら・じゅろう)67 農業 無現② 乙戸
【略歴】日大東北高卒。協和営造、細谷建設などに勤務。

寺内 充(てらうち・みつる)70 会社役員 無現⑥ 中央
【略歴】日本大学卒。常陽土地建物代表取締役。市議会政新会会長。元市議会副議長。

吉田 直起(よしだ・なおき)41 会社役員 無新 常名
【略歴】流通経済大学卒。NPO法人ジョインアス専務理事。元参議院議員公設第一秘書。

勝田 達也(かつた・たつや)59 会社役員 無現② 神立町
【略歴】明治学院大卒。勝田商事代表取締役。

吉田 千鶴子(よしだ・ちずこ)70 市議 公現⑤ 中村南
【略歴】土浦三高卒。党土浦支部長。元市議会副議長。

根本 法子(ねもと・のりこ)58 政党役員 公新 中高津
【略歴】つくば国際大高卒。党土浦副支部長。

四栗 治(よつぐり・おさむ)55 会社員 無新 千束町
【略歴】城西大学卒。NECソリューションイノベータ。

今野 貴子(こんの・あつこ)65 市議 無現② 小松
【略歴】北海道釧路江南高卒。総務市民委員会委員長。元・衆議院議員秘書。

島岡 宏明(しまおか・ひろあき)64 会社社長 無現② 烏山
【略歴】立教大学卒。島岡商事代表。元関彰商事。

矢口 勝雄(やぐち・かつお)59 会社員 無現① 下高津
【略歴】千葉工大卒。マミーやぐち社員。副地区長。

坂本 繁雄(さかもと・しげお)74 団体役員 無新 真鍋
【略歴】法政大学卒。NPOいきいきネットワーク理事長。

古沢 善幸(ふるさわ・よしゆき)76 政党役員 共元⑤ 中
【略歴】宇都宮大学卒。内田油圧機器工業、イワサキなどに勤務。

福田 勝夫(ふくだ・かつお)79 政党役員 共新 神立東
【略歴】石岡一高卒。党土浦市委員会委員長。シネ・フォーラムつちうら代表。

平石 勝司(ひらいし・かつじ)52 市議 公現③ 神立町
【略歴】創価大学卒。元市議会副議長。

奥谷 崇(おくや・たかし)52 市議 無現① 右籾
【略歴】東京経済大学卒。元カスミグループ労働組合連合会事務局長。

菅井 歩美(すがい・あゆみ)38 保育園園長 無新 右籾
【略歴】東京成徳大学卒。リトルフォレストキッズハウスうみの森園長。

山下 久徳(やました・ひさのり)60 自営業 無新 荒川沖東
【略歴】日本大学卒。ネクストマネジメントコンサルティング代表。

鈴木 一彦(すずき・かずひこ)59 市議 無現④ 藤沢
【略歴】日本大学卒。土浦市サッカー協会名誉会長。土浦市新治青色申告会会長。

海老原 一郎(えびはら・いちろう)69 会社役員 無現⑤ 真鍋
【略歴】青山学院大学卒。海老原興産取締役。元市議会議長。

竹内 裕(たけうち・ひろし)73 無元⑦ 下高津
【略歴】日本大学卒。衆議院議員公設秘書などを経て市議。

三上 英則(みかみ・ひでのり)56 無新 湖北
【略歴】拓殖大学卒。元・カメイ、ツムラなどに勤務。

田中 義法(たなか・よしのり)53 会社役員 無新 永国
【略歴】土浦日大高卒。田中冷設工業代表取締役。

目黒 英一(めぐろ・えいいち)53 市議 公現① 北荒川沖町
【略歴】国際武道大学部卒。公明党土浦支部副支部長。文教厚生委員会副委員長。

小坂 博(こさか・ひろし)66 会社社長 無現④ 桜町
【略歴】大東文化大学卒。小坂タクシー社長。市議会議長。

栁澤 健二(やなぎさわ・けんじ)36 会社員 無新 右籾
【略歴】東京農大大学院卒。明興塗装会社員。

小野 勉(おの・つとむ)61 家庭教師 無新 小岩田東
【略歴】明治大学卒。家庭教師。元・演劇プロダクション所属俳優。

湖のほとりを紡ぐ花火の話 《見上げてごらん!》13

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湖畔の花火=「土浦の花火」~後世に伝える匠の技~2022年2月(土浦全国花火競技大会実行委員会提供)

【コラム・小泉裕司】今年、茨城県内に新たな花火大会が1つ誕生する。小美玉市は、霞ケ浦高浜入りに面した「大井戸湖岸公園」周辺をメーン会場とし、10月7日(土)、約5000発を打ち上げるための費用1300万円を予算化した。

同公園付近は、すでに3月18日、小美玉市商工会青年部がサプライズ花火を打ち上げた実績がある。同市商工観光課によると、毎夏恒例の「ふるさとふれあいまつり」でフィナーレ花火を打ち上げてきたが、コロナ禍の3年の中止を経て、「おみたま花火大会(仮称)」として、新たな魅力創出を図るという。

ということで、今回は、花火シーズンを前に、霞ケ浦のほとりの花火大会を「つくば霞ケ浦りんりんロード」の霞ケ浦1周コース沿いに、北浦を加え、土浦市から時計回りにアラウンドする。

土浦市は、1925年に湖畔で開催した第1回土浦全国花火競技大会が最古となるが、その後、会場を桜川河畔に移し、湖畔では小規模な打ち上げが不定期に行われている。

かすみがうら市は、7月下旬の「あゆみ祭り」(歩崎公園)のエンディング花火。行方市は、8月上旬に「サンセットフェスタ IN 天王崎~なめがたの湖上花火~」(天王崎公園)。鉾田市は、8月中旬に「鉾田花火大会」(鉾田川下流)を2年に一度、北浦の北端で開催。

北浦の南端では、「鹿嶋市花火大会」(北浦湖上)が昨年11月下旬、3年ぶりの開催となった。潮来市では、8月中旬の「水郷潮来花火大会」(水郷北斎公園)。稲敷市は8月下旬、「いなしき夏まつり花火大会」を、古渡(ふっと)の入り江に注ぐ小野川沿いで開催している。

花火と自転車のコラボはいかが?

過去の実績を参考に紹介してきたが、本稿のきっかけは「久しぶりの土浦は、『花火の街』から『自転車のまち』に変貌しつつある」という東京在住の写真家のつぶやきを知ったから。初見、少々張り合い抜けしたが、プラス思考に転じ、WIN-WIN(ウインウイン)を構築できないものか瞑想(めいそう)したところ、春の妄想に至った。

土浦の花火を紹介する「花火館」を湖畔に建つ「りんりんポート土浦」に併設・整備して、花火と自転車のコラボはどうだろう。

「花火館」には、先に紹介した各花火大会のコーナーを設けながら、年に一度、リレー形式で「霞ケ浦湖畔一斉打ち上げ」を行う。その際は、土浦港での花火大会の恒例化が前提だが、石岡市、阿見町や美浦村のフルエントリーになれば、なおさらにうれしい。

この「花火館」整備については、昨年3月、土浦商工会議所が土浦市長に提言した「花火のまち土浦の発展に向けて」(2022年3月25日掲載)の柱の1つ。12月の土浦市議会定例会においても、一般質問で「花火ミュージアム」の新設が要望された。

さかのぼること27年前の1996年9月の定例市議会で、当時市議会議員であった安藤市長が「花火博物館の新設」として執行部に提案した経緯がある。

とはいえ、今どきの厳しい財政状況を思えば、公益施設とは言いがたい施設整備など、時代錯誤も甚だしいとしかられそうだ。ましてや前職、いわゆるハコモノ行政からの脱却など行財政改革に携わった身としては大いに心苦しい限りではあるが、エイプリルフール月にあやかって、春の妄想をお許し願いたい。

脱稿後、先の提言書を読み返し、最終ページ最終項の提案にあぜんとした。「りんりんロードの利用実績を踏まえ、霞ケ浦周辺の自治体と連携した湖上での打ち上げや、広域花火大会の可能性を研究されたい」とある。

入稿直前で改稿きかず。妄想でも瞑想でもなく、すべてがコピペの迷走となってしまった、あんぽんたんな提案をご容赦願いたい。本日は、この辺で「打ち止めー」。「ドン ドーン!」。(花火鑑賞士、元土浦市副市長)

<参考>創立75周年記念提言「花火のまち土浦」の発展に向けて:土浦商工会議所(2022年3月)

7人超の31人が立候補へ 土浦市議選 あす告示

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土浦市議選のポスター掲示板

任期満了に伴う土浦市議選(定数24)が統一地方選後半の16日告示される。4~6日に実施された事前審査には31人が出席した。定数を7人オーバーする31人が立候補するとみられる。

現職が9人引退するとみられ、新治村と合併した2006年以降の市議選としては最多となる。有権者数は3月1日現在、11万8415人(女性5万9385人、男性5万9030人)で、4年前の前回より約2200人増えている。2019年に行われた前回市議選の投票率は43・43%だった。

31人は、現職15人、新人14人、元職2人。党派別は公明党4人、共産党2人、社民党と参政党がそれぞれ1人、無所属が23人。性別は女性6人、男性25人。4年前の市議選は定数24に対し7人超の31人が立候補した。

投票は23日午前7時から午後6時まで市内51カ所で行われる。公職選挙法上の原則である午後8時より2時間早く締め切られる。

期日前投票は17日から22日まで▽市役所本庁舎2階(投票時間は午前8時30分から午後8時まで)▽荒川沖西部地区学習等供用施設南支所隣(同)▽神立地区コミュニティセンター2階(同)▽新治地区公民館2階(同)▽イオンモール土浦専門店街2Fイオン前(午前10時から午後8時まで)の5カ所で実施される。(柴田大輔)

◆事前審査出席者31人は以下の通り(敬称略、五十音順/氏名、年齢、政党、現職・新人・元職、住所の町名)。

海老原一郎 69 無所属 現 真 鍋
大木 俊郎 60 参 政 新 若松町
奥谷  崇 52 無所属 現 右 籾
勝田 達也 59 無所属 現 神立町
小坂  博 66 無所属 現 生田町
今野 貴子 65 無所属 現 小 松
坂本 繁雄 74 無所属 新 真 鍋
篠塚 昌毅 67 無所属 現 荒川沖西
島岡 宏明 64 無所属 現 烏 山
下村 壽郎 67 無所属 現 乙 戸
菅井 歩美 38 無所属 新 右 籾
鈴木 一彦 59 無所属 現 藤 沢
滝田 賢治 46 無所属 新 沢 辺
竹内  裕 72 無所蔵 元 下高津
たじまゆき 38 無所属 新 上高津
田中 義法 53 無所属 新 永 国
塚原 圭二 61 無所属 現 中村南
寺内  充 70 無所属 現 中 央
根本 法子 57 公 明 新 中高津
平石 勝司 52 公 明 現 神立町
平岡 房子 70 社 民 新 菅谷町
福田 勝夫 79 共 産 新 神立東
古沢 喜幸 76 共 産 元  中
三上 英則 56 無所属 新 湖 北
目黒 英一 53 公 明 現 北荒川沖町
矢口 勝雄 59 無所属 現 下高津
柳澤 健二 36 無所属 新 右 籾
山下 久徳 60 無所属 新 荒川沖東
吉田千鶴子 70 公 明 現 中村南
吉田 直起 41 無所属 新 常 名
四栗  治 55 無所属 新 千束町

怒らないから言ってごらん《続・気軽にSOS》131

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【コラム・浅井和幸】怒らないから言ってごらん。そう言われて、怒られないなら正直に言っちゃおう、とはなりませんよね。というのも、怒らないからと言っている時点で、すでに怒る準備が出来ていて、正直に言おうが、黙っていようが、うそをつこうが、怒られることが確定しているからです。

かなり前のことですが、発達障害の方たちのために活動をしている発達障害のKさんに、子どものころの話を聞いたことがあります。同年代のKさんの、その時の話がとても面白くて印象に残っています。といっても、大人になって振り返っているから面白いのであって、その当時はとても恐怖を感じた経験だったでしょう。

小学校のころ、学校に持っていく教科書をよく忘れていたKさん。いつも先生に怒られていました。あるとき先生から「忘れ物をしない方法を一緒に考えよう。怒らないから、何でもいいから言ってごらん」と言われました。Kさんは、それなら正直に言おうと、「自分は忘れ物をしないのは無理なので、教科書などを家に持ち帰らずに、学校に置いておけばよいと思います」と言ったら、とても怒られたとのことでした。

四半世紀以上前の話です。今なら、家と学校に教科書を置いておくのは一般的にあることですが、当時としては先進的過ぎたのでしょう。怒らないと言った先生は、真面目に答えたKさんの案をふざけていると思って怒ったのです。

正直に答えたら怒られるから正直に生きてはいけない。うそをつくなり、ニコニコして「わからないから教えてください」とか、うつむいて「ごめんなさい」と言った方がよいということを学んだそうです。

問題解決にはペース配分が大切

上の話はわかりやすい例ですが、多くの方が、日常会話の中で悩んでいるとき、あまりよい状況でないときは、そのような状況を招いた自分が悪いと、周りから責められる経験を重ねます。そうすると、悪い状況のときに質問されるのを恐れるようになります。

悩み相談で、その方と関係性をつくる前に、私が現状を知ろうと質問をすると、回答に躊躇(ちゅうちょ)される方が多いのはこのような理由によります。質問を矢継ぎ早にしてしまうと、恐怖感を与えてしまいます。現状を知りたいと聞いているのに、相談に来られた方が「私が悪いというのですか」と怒り出すこともあります。 悩んで苦しんでいるのに、さらに責められている、悪者にされていると感じてしまうからです。問題解決を先延ばしにすると悪循環になる可能性はありますが、逆に急ぎ過ぎると前に進まなくなることがあり、ペース配分がとても大切なのです。(精神保健福祉士)

大江健三郎がのこしたこころ《遊民通信》62

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【コラム・田口哲郎】

前略

先日、ノーベル賞作家の大江健三郎さんの訃報が飛び込んできました。88歳の大往生とはいえ、驚きましたし、悲しいですね。

大江さんがノーベル賞文学賞を受賞されたのは1994年で、当時、私は高校生でした。日本はバブル景気がはじけて、失われた10年に突入し始めたころです。高校生の私は呑気(のんき)で、世情に疎いタイプでしたので、それから世界や日本の社会が劇的に変わってゆくなんて、夢にも思っていませんでした。

先日、大江さんを追悼する番組がNHKで再放送されました。ノーベル賞受賞の記念講演とそのときのスウェーデンへの旅に密着したドキュメンタリーでした。

大江さんは受賞直前に小説の執筆を止めると公言していました。周りは再び書くよう勧めますが、大江さんは小説よりももっと直接的に人びとの魂に救いをもたらすような、小説ではない何かを生み出したいとおっしゃっていました。

多様性、ケアの思想を先取り

スウェーデンには長男の光さんを同伴されていました。光さんは障がいを持ちながら、クラシック音楽の作曲をして、そのCDは20万枚売れたそうです。私もよく聴いていました。

今になると、大江文学の中心的な主題である、障がいを持つ息子との交流は、ケアの思想を先取りしていたのだなと思います。いのちある者はみな互いに尊重し合い、弱きを助ける考え方です。大江文学は弱者により添います。インタビューで大江さんは、「ダイバーシティ」という言葉をつかって、多様な価値観を受け入れ、尊重できる社会をめざすべきだとおっしゃっていました。

現在、さまざまなところでダイバーシティが言われ、多様な社会の実現のための努力がおこなわれています。それを大江さんは30年近く前に先取りしていたのですね。

現実と虚構が一体の世界を創作

さて、ノーベル賞受賞理由は「詩趣に富む表現力を持ち、現実と虚構が一体となった世界を創作して、読者の心に揺さぶりをかけるように現代人の苦境を浮き彫りにしている」です。大江文学は文体のすばらしさ、その文体がつくる世界観の奥深さ、それを写実的ではなく幻想的に描き出したことです。

しかし、大江作品の魅力は、現代人が持つ苦しみにより添う姿勢だと思います。たとえば、社会はダイバーシティを推進するために、積極的に前進することを強調します。大江さんはその活動の根本にある原因、人間の悲しみを癒やすこころを静かに、そして丁寧に書き残したのだと思います。

大江さんという偉大な賢人が残してくれた言葉をじっくり味わいたいですね。ごきげんよう。

草々

(散歩好きの文明批評家)

不登校、親が悩み語り合う場を つくば 竹園で交流の場

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来場者にフランクフルトを手渡す「オヤジの会」のメンバーら

つくば市竹園地区を中心に活動する「みちくさ~竹園学園“教室や学校に行きづらい子ども”の親の会」が、学校生活に不安を抱える親の悩み相談に乗っている。結成されて1年。父親たちも悩みを分かち合う「オヤジの会」を立ち上げ、交流の輪を広げようと活動している。

薄桃色の花が満開を迎えた庭に炭火焼きの煙が立ち上る。川村正二さん(45)が小銭と引き換えに手渡したフランクフルトに、子どもたちは大きく口を開けてかぶりついた。

フランクフルトの出店を企画した「オヤジの会」の川村正二さん

1日、同地区に住む川村さんと妻の真理子さん(38)が自宅近くで営むフリースクール「テラ子屋つくば」の1周年イベント。川村さんはこの日、「オヤジの会」のメンバーの父親とともに、フランクフルトをふるまった。

川村さん夫妻は昨年4月、「テラ子屋」を立ち上げた。市内の別のフリースクールと掛け持ちで小3~小6の子ども約10人が通っている。設立のきっかけは2年前の夏から次男(8)が不登校になったことだった。

ブラジリアン柔術の道場を営む川村さん自身は不登校を経験しておらず、最初は戸惑った。真理子さんは中学1年から不登校。高校を中退して大検を経て大学を卒業し、社会に出た。経験者だけに、不登校には理解があるつもりだった。

しかし、わが子が小1で不登校になると、すんなり受け入れられない。こんな小さいのに、勉強しなくていいのだろうか。将来どうなってしまうのかー。

学校での勉強が難しいなら、体験を通じて成長を促そう。一緒に料理をしたり、買い物に連れて行ったり。でも、興味が湧かないとそっぽを向かれる。「空回りする日々が続いた」と振り返る。

ドッジボールや鬼ごっこ、カードゲーム…「テラ子屋」で異学年の子どもと笑い合い、時にはケンカして共に時間を過ごす。次男は以前、聞き取れないぐらいの小声でしか話せなかったが、最近は人前でも大きな声で会話できるようになり、少しずつ成長を実感している。

夫とともに会場を訪れた中村規乃さん(47)の高校1年の息子も中1から不登校だった。最初のころは、相談相手が見つからずに苦しんだ。その経験から、仲間と「親の会」を立ち上げ、毎月1回、おしゃべり会を開催している。公式LINEの登録者は60~70人。20~30人と対面で相談に乗る。竹園地区だけでなく、市内全域から相談に訪れる。

不登校への考えが、夫婦で一致しないケースもある。中村さんも、将来を不安視する夫に違和感を抱いた。子どもへの寄り添いを大切にしたいのに、夫は未来を見据えた早い変化を期待する。考えの溝が埋まらず、平行線が続いた時期があった。

自分には母親同士で不登校の悩みを共有する場がある。でも、夫にはない。

「男同士で話せる場をつくってみたら?」

真理子さんや、近所に住む石田佳織さんと語らって、夫たちに「オヤジの会」の旗揚げを促した。初対面で打ち解けるのは難しかろうと、昨夏、集まって手作りピザを焼いたのが初会合。以後も5、6人の父親が集い、バーベキューや飲み会を催して語り合う。

学校に通わずに、どうやって子どもの成長を促し、進路を決めるのか。子どもと同様、父親も即答できない問いを抱えている。

参加者は皆40代。昔の漫画やテレビ番組といった「あるあるネタ」やつくばの街の変貌ぶりをさかなに、グラスを傾ける。

にぎやかな歓談も、話題が子どもの近況に及ぶと、少し、しんみりする。

ぽつりぽつりと、だれかの口から出た悩みや葛藤。「それ、分かります」。すぐに誰かが言葉を拾い、皆でうなずく。それぞれの家族が背負ってきた紆余曲折はなんとなく分かる。だから、子どもの進路が決まったら、よその子でも我が子のように祝える。

中村さんは「不登校に限らず、学校や子どもとの向き合い方に不安を感じる親は多いと思う。まずは連絡してほしい」と参加を呼び掛けている。(鹿野幹男)

◆「親の会」には、http://lin.ee/254RL1tのQRコードからアクセスできる。

母の遺族年金の手続きを済ませました 《ハチドリ暮らし》24

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長ネギの植え付けと、手前にほうれん草が生えてきました

【コラム・山口京子】父が1月に亡くなり、今月、母の遺族年金の手続きを済ませました。母は厚生年金に加入したことがないので、老齢基礎年金しかありません。父は厚生年金に30年以上加入していました。そのため、父の厚生年金(報酬比例部分)の4分の3を遺族厚生年金として母が受け取れます。

また、経過的寡婦加算というものがあり、これは妻本人の生年月日で支給額が段階的に決められています。昭和8年(1933年)生まれでは年額で約42万円となり、この経過的寡婦加算と遺族厚生年金を合わせた額と自身の老齢基礎年金が、これからの生活を支えてくれます。

ちなみに、経過的寡婦加算は昭和31年(1956年)4月2日以降生まれの妻には支給されないため、自分としては他人事でしたが、母の遺族年金は予想していた額より多く支給されることになりました。

元々、日本の年金制度は雇用される夫と専業主婦の妻を想定した制度設計で、遺族年金は妻にあつい仕組みですが、2014年、遺族基礎年金は「子のある妻」から「子のある配偶者」とされ、夫も対象になりました。今後、遺族年金の男女の偏りが是正されていくのでしょう。

一方、働く女性の半数以上は非正規で働いており、年収が低く老後に受け取れる年金額も少ないので、雇用環境の改善が不可欠ですし、賃金の引き上げは喫緊の課題です。女性のみでなく、男性にも非正規雇用が広がっています。正規と非正規の壁をなくし、収入に応じた保険料を納付する仕組みを作り、高齢期の生活保障の安心を構築してほしいと願います。

おだやかに無理をしないで暮らす

年金制度も、これから改正が続きます。そうしたことにアンテナをはり、家計にどういう影響がでるのかに注意したいと改めて感じました。

高齢期の家計管理にあたって、公的年金制度の仕組みを知ることが大事です。そしてわが家では、どういった年金がいつから、いくらくらい支給されるのかを事前に見積もることです。夫婦で暮らす期間の年金の額と、「おひとりさま」になった際に年金がどうなるのかを調べておきたいものです。家族の形は多様化していますので、自分のケースではどうなるのかを確認しましょう。

そのときにならないと分からないこともありますが、事前に算段することで、慌てなくて済むこともあります。働き続けることを想定し、定年以降の就労に向けて、50代から計画し行動に移す人が増えていると聞きます。自分も65歳となり、少し働くことと社会的な活動に参加すること、母の世話とのバランスをとれたらいいな、と。おだやかに無理をしないで暮らしていきたいと思うこのごろです。(消費生活アドバイザー)

反戦や平和テーマに つくばで「茨城現展」開幕

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さまざまなジャンルの作品が一堂に展示されている茨城現展=11日、県つくば美術館

個性を尊重し自由な表現活動を行う美術団体「現代美術家協会茨城支部」(佐野幸子支部長)の第39回茨城現展が11日、つくば市吾妻、県つくば美術館で開幕した。支部会員ら36人の絵画、立体造形、工芸、写真作品など約150点が一堂に展示されている。ウクライナで戦争が長期化する中、反戦や平和をテーマにした作品が目立った。

佐野支部長は、ウクライナ国旗の青と黄色が人々の涙雨のように焦土に降る「遥か、ウクライナ」を出品した。戦争がいつ終わるとも知れないウクライナの人々の悲しみを表現したという。ほかにウクライナの避難民を連想する福田徹さんの「霧の中の人々」、ウクライナの国花ヒマワリの写真を合成した佐々木誠さんの写真作品「ウクライナ」などが展示されている。

会場入り口の廊下には、平和をテーマにした会員による合同作品も紹介されており、佐野支部長は「戦禍をこうむった当時者はいかばかりかと思う。皆さんと共に全世界の平和を願いたい」と話す。

佐野幸子支部長の「遥か、ウクライナ」

会場にはつくば、土浦、牛久など県内の40代から80代の支部会員による油絵、アクリル画、リトグラフ、パッチワーク、写真、彫刻、陶芸などが展示されている。

つくば市の佐々木量代さんは、Tシャツとこいのぼりが風に揺れる作品「5月の空に」など3点を出品した。「固定観念なく個性を尊重する団体なので、自分の表現の可能性にチャレンジできる」と話す。

ほかに、各地の仏像の顔を描いた絵画や、アルバムの写真を集めた「昭和に思いを寄せて(Nさんのアルバムより)」、競走馬の蹄鉄(ていてつ)などを素材にした馬の頭の造形作品などが展示されている。

来場したつくば市の飯島裕子さんは「一般に美術団体の作品展は似た感じの作品が多いが、現展はそれぞれ個性があり、いろいろなジャンルがあるので面白いし楽しい。表現の自由を感じる」と話していた。

◆第39回茨城現展は16日(日)まで、つくば市吾妻2-8、県つくば美術館で開催。開館時間は午前9時30分~午後5時(最終日は午後3時)まで。入場無料。