金曜日, 6月 9, 2023
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筑波山梅まつり開幕 4年ぶり通常に

第50回筑波山梅まつり(同実行委員会主催)が18日、筑波山中腹にある筑波山梅林(つくば市沼田)で開幕した。コロナ禍で2020年は会期途中で中断、21年は2週間遅らせて開幕、22年は中止となっており、通常通り開催するのは4年ぶり。 3月19日までの期間中、つくば観光大使の出迎えや、筑波山名物ガマの油売り口上の実演、観光ボランティアによる園内ガイド、梅を使用したメニューの提供などさまざまなイベントが展開される。 現在の開花状況は、1月は気温が低かったが2月から比較的暖かい日が続いたことからほぼ例年並みで、白梅は3分咲き、紅梅は終わりを迎えている。白梅の見頃は2月下旬から3月初旬と見込まれている。 この日、関係者約60人が参加して開園式が催され、つくば観光大使の宮崎絵美さん(39)、井上魅空さん(35)、吉沢綺音さん(22)の3人があでやかな着物姿で来園者を出迎えた。 同実行委員会の神谷大蔵委員長は「4年ぶりに開催できることは大変喜ばしい。筑波山観光振興のため、おもてなしをさらに充実させていきたい」と話し、五十嵐立青つくば市長、五頭泰誠市議会議長、国光あやの衆院議員らは「このイベントが日常を取り戻すさきがけになればよい」などとあいさつした。 今年は50回という節目の開催であるということから、皆で祝い、地酒で乾杯する「乾杯つくば」イベントが催される。3月4日に筑波山水系の酒蔵の地酒を新酒で楽しむ「新酒de筑波山地酒フェス」、同11日につくばワイン・フルーツ特区の認定を受けて醸造されたワインを味わう「つくばワインフェス」を、いずれも梅林内のおもてなし館前広場で開催する。

ロウバイが満開、筑波山梅林

筑波山中腹のつくば市沼田、筑波山梅林で、春の訪れを告げるロウバイが満開になっている。14日は小雨の交じる天候で観光客は少なかったが、訪れた人たちは、黄色く咲き誇るロウバイの写真を撮ったり、香りを嗅いだりしていた。園内では早咲きの紅梅もちらほら咲き始め、わずかだが花びらが開いた白梅を見つけることができる。 筑波山梅林は標高約250メートル付近に位置し、中腹の斜面に広がる4.5ヘクタールの園内には約1000本の白梅や紅梅が植えられている。1970年に開園し、2005年にリニューアルした。筑波石と呼ばれる斑れい岩の巨石が園内のあちこちにあり、筑波山地域ジオパークの見どころの一つともなっている。 ロウバイは園内の標高の低いところに数十本ある。中国原産で黄色い花と甘い香りが特徴。梅の一種ではなくクスノキ目に属する。梅はバラ目なので遠縁になる。 たびたび梅林を訪れるという、近くに住む女性は「ここは見晴らしが良くて、梅を間近で見ることが出来るのが良い」と話していた。 コロナ禍により筑波山梅まつりは、2020年は会期途中で中断、21年は2週間遅らせて開幕、昨年は中止となった。さらに昨年は、梅の収量が少なく(22年6月6日付)、梅まつり中止と収量大幅減のダブルパンチに見舞われた。 つくば観光コンベンション協会観光推進課の本間亮太さんによると、今年は気温が低い時もあったが、紅梅の開花、白梅の開花も例年並みで、紅梅の見頃は2月初旬ごろ、白梅の見頃は3月初旬ごろになるとみられるという。今年の筑波山梅まつりは第50回目となり、2月18日に開幕する。(榎田智司)

「朗読列車」筑波山で発進 観光需要の回復目指し

新型コロナウイルスの水際対策が大幅に緩和され、全国旅行支援がスタートするなど今後の観光需要回復が見込まれる中、筑波観光鉄道(つくば市筑波、三輪武士社長)は運営する筑波山ケーブルカーで、車内にアートフラワーをあしらい、声優・俳優が物語を朗読するイベント列車「ストーリーテラー’s レールウェイ 8分間の朗読ばら列車」を10月中旬から運行する。併せて同社初となる、筑波山周辺に伝わる民話や名所をモチーフにしたオリジナルの期間限定切符を販売する。 12日に開かれたメディア向け内覧会で、同社の三輪社長は企画について「新型コロナ感染拡大の影響で、観光業は苦しい状況にあった。その中で、筑波山、茨城県の魅力を発信すべく企画した」と語った。 開業97年目を迎える筑波山ケーブルカーは、筑波山神社付近の宮脇駅と筑波山頂駅間の全長1630mを、「もみじ号」「わかば号」と名付けられた2種類の車両が結んでいる。今回の企画では、通常「もみじ号」として運行する赤色の車両を朗読列車として使用する。 朗読列車と並ぶ、筑波観光鉄道の三輪武士社長(前列左)、飯野哲雄つくば市副市長(同右)、朗読を担う声優、役者たち(後列) 車内は県花のバラを基調としたアートフラワーが天井を覆う。声優、俳優が実際に乗車し、片道約8分の運行時間、つくば・茨城の民話や、民話をモチーフとしたオリジナル作品など3つの物語の中から、1話ずつ朗読する。声優らには、劇団ひまわり、賢プロダクションなどで活動する現役の若手が起用される。

令和版「かがい」を演出 20日、筑波山神社で百人きもの

筑波山に着物で集うイベント「百人きもの」(筑波山華やぎプロジェクト実行委員会主催)が20日、筑波山神社をメーン会場に催される。4回目となる今年は「KAGAI(かがい)~雅」をテーマに、古代、求愛のため筑波山に男女が集まって歌の掛け合いをしたり踊ったとされる風習「嬥歌(かがい)」の令和版を演出する。13日まで参加申し込みを受け付けている。 オープニングでは、飛鳥時代の歌人、額田王(ぬかたのおおきみ)がよみがえると銘打ち、オリジナルの歌曲「万葉集」を筑波山神社本殿前で披露する。つくば市出身の若手作曲家、門田和峻さんが「万葉集」に曲をつけ、ソプラノ歌手の大森彩加さんが歌う。さらに同市在住の万葉集研究家、布浦万代(ふうら・まよ)さんの講演もある。 嬥歌は歌垣(うたがき)とも言われ、奈良時代に編さんされた常陸国風土記や万葉集に記されている。令和版として催される「かがい」は、男女間の出会いばかりでなく、多様な人間の出会いを演出する。万葉ラブレター、公開プロポーズなど、現代版の求婚イベントも行われる。筑波山神社での挙式料が1組にプレゼントされる公開プロポーズの出場者はWEBで募集中だ。着物のベストドレッサー表彰も行われる。 山麓の神郡(かんごおり)地区には養蚕をまつる蚕影山(こかげさん)神社があり、インドからやってきたお姫様が蚕(かいこ)になるという「金色姫(こんじきひめ)伝説」が伝わっている。今回のイベントではさらに、蚕影山神社宮司が伝説の秘話を語り、絵本作家小林由李さんが金色姫伝説を模したペイントの即興ライブを行う。これを受け「金色姫物語—ダンスによる再創造」と題し、筑波大学と同大学院生7人による創作ダンスが披露される。 同プロジェクトは、旅館、筑波山江戸屋女将の吉岡鞠子さんを代表に5人の女性で2018年にスタートした。今年までに若いメンバーが増え9人の実行委員体制になった。 今年のイベントは、ポストコロナにおける新たな観光スタイルを応援する、いばらき観光キャンペーン推進協議会の新観光プロジェクト応援事業に採択されている。

インターナショナルスクールを誘致 県、旧筑波小跡地に

秀峰筑波義務教育学校(つくば市北条)の開校に伴い2018年に廃校となった9小中学校の1つ、旧筑波小学校(同市国松)にインターナショナルスクールの誘致計画が浮上している。跡地利用についての意見交換会が9月に、2回にわたって同市沼田の働く婦人の家で開かれた。 開設を表明しているのは、東京都江戸川区で「グローバル・インディアン・インターナショナル・スクール(GIIS)」名で3つの学校を運営しているグローバル・スクールス・ファウンデーション(GSF、本部・シンガポール)。誘致しているのは、茨城県庁で国際渉外などを手がける営業戦略部。つくば市の経済部産業振興課を通じ学校跡地を貸借できないか打診してきた。 2回目の意見交換会は26日開催された。GSFの日本法人(株式会社組織)であるグローバル・インディアン・エデュケーション(GIE)から3人の関係者が説明に訪れ、県、つくば市の担当者らと、地域住民らの質問に答えた。約25人が参加した。 県によれば、つくば市周辺では半導体メーカーのTSMCジャパン3DIC研究開発センター(同市小野川)など世界的企業の進出が次々と決まり、外国人子弟の教育環境ニーズの高まりがあるとして支援する構えを見せている。「日本人生徒も数多く学ぶ学校で、地域への移住促進にもつながる」と誘致に動いた。 開設の意向を示したGSFに対し、県は市と調整し今春、校舎の耐震基準などを満たす市内3カ所の適地を紹介。夏までに旧筑波小跡地に絞り、今後の交渉を進めることになった。市は「地域に受け入れらなければ進められる問題ではない。今回の開催は説明会ではなく意見交換会。きっちり意見を聞いて、貸与について検討したい」との構えだ。 2018年に廃校となった旧筑波小

中腹の筑波山観光案内所をリニューアル つくば市

つくば市の五十嵐立青市長は4日の定例記者会見で、筑波山中腹の筑波山観光案内所(同市筑波)をリニューアルし、建て替え工事を7月末から来年3月まで実施すると発表した。オープンは来年4月の予定。 新築される案内所は建築面積274平方メートルで旧案内所の2.2倍の広さになる。施設は2階建て、木造一部鉄筋コンクリート造で、1階は機械室のみ、2階に案内スペースのほか、旧案内所にはなかった公衆トイレ、授乳室、周辺観光事業者などが利用できる会議室を設ける。 案内スペースに新たに、日本語、英語、中国語3カ国語のタッチパネル式モニターを整備し、登山ルート、周辺の宿泊施設、グルメなどの情報を案内する。案内所には今年4月からすでに英語で対応できるスタッフが常駐し広域の観光案内を実施しており、外国人観光案内所としてJNTO(日本政府観光局)のカテゴリーⅡの認定を受けた。建て替えにより、コロナ後の外国人観光客の増加を見据えて、外国人の案内機能をさらに強化するという。 新型コロナ前の2019年度の筑波山観光客数は年間約270万人。市観光推進課によると観光案内所利用者の約6%が外国人だったという。 旧案内所が築35年と老朽化していたことから建て替える。旧施設は今年1月すでに解体した。現在は向かい側の駐車場に仮設の案内所を建て業務をしている。 近くの筑波山梅林の隣接地には、案内機能を備えた2014年度建設の「筑波山おもてなし館」がある。役割分担について同課は、おもてなし館は休憩所や自然の展示機能、筑波山の入り口にある観光案内所は案内機能とするとしている。

人気の筑波山スタンプラリーアプリ 新コース、29日スタート

山のスタンプラリーアプリ「YAMASTA(ヤマスタ)」による「筑波山トリビアスタンプラリー」が29日からスタートする。アプリは月刊誌『山と溪谷』を発行する山と溪谷社(東京都千代田区、川崎深雪社長)が提供する。イベントは、つくばエクスプレス(TX)を運行する首都圏新都市鉄道が協賛、つくば市、つくば観光コンベンション協会などが協力して、10月31日まで行われる。 スタンプラリーは、筑波山の名所や観光スポットを巡りながら、筑波山の山麓から頂上までをぐるっと歩いて楽しめる趣向。TXとコラボするスタンプラリーとしては第7弾となる。好評だった第6弾の「筑波山八景スタンプラリー」を継続開催とし、2つのコース設定で登山客を迎える。 山頂や観光名所などの所定の場所でアプリ内のチェックインボタンを押すと、その場所ごとにデザインされたデジタルスタンプが発行される。スマホのGPS機能を利用し、携帯電波(通話)の通じないオフライン下でもチェックインの利用ができる仕組みだ。 設定された複数のチェックイン場所を回ってスタンプを全部集めると、認定証がもらえ、達成感が味わえる。山と溪谷社は現在、全国で55のスタンプラリーイベントを実施しており、参加ユーザーは16万アカウントを超えているそうだ。 筑波山スタンプラリーは、これまでに参加者数が1万を超える人気イベントになっている。新コースはチェックイン対象に旧筑波山郵便局、筑波山神社、白蛇弁天、弁慶茶屋跡、筑波山(女体山山頂・男体山山頂)など7つの場所を設定。普段何気なく通っている道や場所の、知られざる歴史や秘密を知ることができ、筑波山の魅力を新たな視点から再発見できるということだ。 もう1つの「筑波山八景」は筑波山大鳥居、筑波山神社、つつじヶ丘、女体山駅、筑波山(女体山山頂・男体山山頂)、ガマ石など8カ所を巡る。このいずれかのコースを達成し、獲得したトロフィーまたはスタンプを筑波山観光案内所(つくば市筑波)で提示すると、その場で缶バッジと認定がプレゼントされる。

筑波山の中身が見える! 体験アプリ「ジオ・ビュー」開発中

【相澤冬樹】筑波山にスマホを向けると「地質」が見える—という体験アプリの開発が進んでいる。産業技術総合研究所 地質調査総合センター(つくば市東)が開発中の「ジオ・ビュー」で、15日から公募モニターによる実証実験が行われている。 アプリは、スマートフォンのカメラで取り込んだ風景に、GPSの位置情報を与えることで、地質図や観光スポットなどの情報を重ねて表示する。国内の地質情報を整備する同センターが地質図の活用法を模索する中で、スマホの普及やAR(拡張現実)技術の発達に合わせた「見せ方」をアプリで表現しようとした。 国内ジオパークになっている筑波山地域を対象に試作し、つくば市のSociety(ソサエティー)5.0社会実装トライアル事業に応募、採択された。今年度は特に「With/Afterコロナの生活スタイル」をテーマとしており、同センターは「ひとり(少人数)で楽しめる筑波山観光アイテム」になるとアピールした。 モデルルートで実証実験 21日までの1週間は、同市が募集したジオガイドやモニターによる実証実験が行われている。モデルルートを周遊し、画面構成や操作性などに関わる意見を収集し、アプリのブラッシュアップを図る狙いだ。

【気分爽快 りんりんロード】4 ヒルクライムに熱中 志賀旭さん

【田中めぐみ】筑波学院大3年の志賀旭さん(21)は、昨年4月、兄の大海(ひろみ)さんに誘われたのがきっかけでつくば霞ケ浦りんりんロードを走り始めた。休日の早朝、つくば市内の自宅から出発して土浦駅まで行き、りんりんロードに入って平沢官衙遺跡(つくば市平沢)まで走る。そこから、つくば市と石岡市の境にある標高294メートルの不動峠、筑波山南東の尾根に位置する標高412メートルの風返し峠、つつじが丘駐車場に上るヒルクライムコースが特にお薦めだそうだ。 坂を上りきる達成感 「ヒルクライムはとにかく体力勝負。余った体力を坂にぶつけている。頂上まで上り切った時の達成感が最高」と志賀さん。「ギアを軽くして上る人もいるが、自分は軽くせず、一度も止まらずに強い踏み込みで上っていく。動いている、確かに前進していると感じられるのがヒルクライムの楽しさ」と顔をほころばせる。 不動峠の平均勾配は7%。途中10%を超える急傾斜もある。風返し峠を過ぎると標高は500メートルになる。兄の大海さんと、どちらが早く着くか競い合うこともあるそうだ。 つつじケ丘駐車場から筑波山神社に向かいダウンヒルで下りてきた後、りんりんロード沿いの筑波休憩所近くにある「松屋製麺所」(つくば市沼田)で食べるラーメンは感動の味だそう。「サイクリスト向けに駐輪用の自転車スタンドが置いてあり、席数もメニューも少ないが、安くてめちゃくちゃおいしい」

「再認定」にらみ再始動 筑波山地域ジオパーク認定ガイド

【相澤冬樹】日本ジオパーク委員会(JGC)の「再認定」審査を控える筑波山地域ジオパークで、活動の中核を担う認定ジオガイドの今年度初会合が26日、つくば市役所で開かれた。2月に新陣容に切り替わったものの、新型コロナの影響から事業のスタートが切れずにいた。再始動後は技術研修やモデルコースの内容検討、ガイド組織の立ち上げなど盛りだくさんの事業を抱え、毎月会合を開催する「密」なスケジュールで臨むことになった。 会合には、ウェブ参加を含め約20人の認定ジオガイドが参加し、意見を交換した。同ジオパークは、石岡、笠間、つくば、桜川、土浦、かすみがうらの6市で推進協議会を構成するが、認定ガイドには6市以外からの参加者も含まれる。2月に初の更新があり、ガイドはそれまでの42人から57人に増強された。 ジオガイドは一定の研修を経て認定され、認定期間中(2年)は、同協議会主催のジオツアーに2回以上、フォローアップ・スキルアップ講座に2回以上参加することが継続の要件となっていた。 事務局のつくば市ジオパーク室は今回、この継続要件の撤廃を表明した。新型コロナの影響でジオツアーの開催が難しくなる一方、ガイド自身が推進役となりスキルアップ講座を運営するなど、より積極的な参加を求めたいとして、継続意思の表明を要件とした。新規のガイド募集を行う考えは当面ない。 スキルアップ講座は、リスクマネージメント(危機管理)、インタープリテーション(自然環境などの解説技能)、ユニバーサルデザイン(障害の有無や年齢、性別などにかかわらず、多くの人々が利用しやすいようデザインする考え方)に沿って、それぞれ研修プログラムを作成し、自ら実践する機会と位置付ける。 これらの研修を月1回のジオガイド会合に合わせ開催するともに、筑波山地域ジオパークで大きな課題となっているモデルコースの内容検討も進める。同ジオパークには現状、①筑波山は火山のようで火山じゃない②筑波・鶏足山塊で海洋プレートの動きを探れ!③海から川、そして湖へと姿を変えた霞ケ浦-など7つのジオストーリーを設定しているが、コース時間などを明示する具体的なモデルコース設定には至っていない。

市営駐車場が一斉閉鎖 筑波山中腹

【鈴木宏子】新型コロナウイルスの感染拡大により、知事による休業要請がテーマパークや商業施設などにまで大幅に拡大された22日、つくば市の観光の中心地、筑波山では、中腹の市営駐車場4カ所(計約470台)が一斉に閉鎖された。閉鎖期間は5月6日まで。 市観光推進課によると、緊急事態宣言が出された後も筑波山には県外ナンバーの車が多く来ていたことから、不要不急の外出自粛に協力してもらうため閉鎖に踏み切った。 市に対しては、観光業者関係者などから「筑波山に県外ナンバーの車がたくさん来ていて感染リスクが気になる」などの声が寄せられていたという。18日、同課が市営駐車場を利用する車を調べたところ、半数が首都圏などの県外ナンバーだった。 土産品店も一斉休業 土産品店などが一斉に休業し閑散とした筑波山神社門前通り=22日

筑波山のホテル休館も 「4月に入り状況変わった」 新型コロナ

【鈴木宏子】つくば市観光の中心、筑波山で、4月に入り、観光ホテルが休館する事態が起こっている。新型コロナウイルスの感染拡大による外出自粛の影響が長引き、状況は3月より深刻化している。 筑波山神社の大鳥居をくぐった入り口に位置する「筑波山温泉つくばグランドホテル」は4月8日から5月8日までの1カ月間、休館を決めた。筑波山にはホテルや旅館が計6館あるが、他の施設も宿泊客がいない平日などは休館し、土日などだけ営業している。 「赤字がより少ない」 同グランドホテルを経営するサンスイグループの東郷治久代表は、休館に踏み切った理由を「3月の宿泊客は前年同期比9割減で、1日当たり3人とか5人とか7人とか一桁の日もあった。営業すると露天風呂や庭園風呂、各客室の展望風呂などのお湯を24時間沸かしておかなけばならず維持費がかかる。観光ホテルは予約客がほとんどだが、4月に入っていた予約は3月にキャンセルとなり、4月に入ると5月の予約が消えている状態。休館すると赤字だが、試算をし、休館した方が赤字がより少ないことが分かった」と説明する。従業員には全員の雇用を維持すると伝えてあるという。 5月8日まで1カ月間の休館を告げる筑波山温泉つくばグランドホテル=つくば市筑波

屋根の銅板ごっそり盗まれる 筑波山麓 飯名神社

【相澤冬樹】初巳(はつみ)の「だるま市」で知られるつくば市臼井の飯名神社(八木下健司宮司)が、とんだ夜盗の被害に遭った。先月末、神社の本殿、拝殿、社務所の銅板葺(ふ)きの屋根が何者かによって半分近く剥がされているのが見つかった。神社は氏子総代と連名でつくば署に通報、被害届を出し、実況検分を受けた。 被害の一報は2月29日、氏子総代の同所、鮏川修さん(65)に入った。集落のはずれ、筑波山神社方向に上る林道脇に鎮座する同神社を散歩コースにしている住民が屋根に異常を発見した。参道になっている石段の下から見上げる角度からでは分かりにくい位置の屋根の銅板がごっそり、抜き取られるように無くなっていた。回り込むと、拝殿の大屋根のほぼ半分が野地板をさらす状態になっていた。 同神社は、「すそみ」と呼ばれる筑波山麓の集落道路から300メートルほど山に分け入った木立の中に建つ。手前から社務所、拝殿、本殿の並びだが、いずれも目につきにくい位置の屋根が狙われた。薄板の銅板は馳(はぜ)という連結部で留められるよう並べられているが、次々と抜きとるように盗まれていた。 本殿の屋根からは脇にせり出した銅板葺きの屋根材は全面的に剥がされていたが、上部のトタン葺きの屋根材は触れた形跡だけで手つかずに残っていた。銅は現在、1キロ500円程度で取引されるという。 「まさか ひっぺがしていくとは」 実況検分に立ち合った鮏川さんによれば、境内には軽トラック2台分のタイヤ痕が残っていたそうで、4人程度のグループが深夜境内に忍び入ったとみられる。「普段ひと気のないところで、さい銭荒らしの被害はあったが、まさか屋根をひっぺがしていくとは」、巧妙かつ大胆な手口に「あきれるばかりだ」という。つくば署に届け出たものの、足取りなどの手掛かりは一切得られていない。 早急な修理が必要なため、被害額の算定を進めているが、火災に備えた建物共済で盗難保険に入っており、臼井地区に約200軒ある氏子世帯への新たな負担は回避できそうな見通し。鮏川さんは「監視カメラだけは何としても設置したい」と対策を講じる構えでいる。 飯名神社は、創建時期などは不明だが、神の山、筑波山に古くからある社(やしろ)の一つ。祭神は保食神(うけもちのかみ)、市杵嶋姫命(いちきしまひめ)と伝わり、新年の「だるま市」のほか、木彫細工の壮麗な本殿やその裏手にある巨岩、銭洗い弁天で知られる。屋根は1983年の改修で、それまでの茅葺きから銅板に葺き替えられた。

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音楽朗読劇「ヒロシマ」 7月、土浦公演 市民団体が主催

紙芝居やチンドン屋の練り歩きなどを行っている土浦の市民団体「つちうら駄菓子屋楽校」(石原之壽=のことぶき=代表)が主催し、音楽朗読劇「ヒロシマ」の公演が7月22日、土浦市大和町の県県南生涯学習センターで催される。2021年から毎年、土浦で開催し3回目となる。 「ヒロシマ」は、78年前に広島で被爆した路面電車を擬人化し、当時の記憶を語っていく物語。作中には被爆者たちの様々な証言を、できるだけ表現を変えずに用いているという。俳優で演出家の嶋崎靖さん(67)が平和への思いを込めて制作・演出した。今回の公演では、広島市の劇団で活動する原洋子さんと、俳優の保可南さん、地脇慎也さんが出演し、武蔵野音楽大学大学院の青山絵海さんがマリンバを演奏する。音楽は嶋崎さんが制作を手がけた。 音楽劇「ヒロシマ」の一場面(石原さん提供) チンドン屋の先輩と後輩 主催する「つちうら駄菓子屋楽校」は石原さん(64)が3年前に立ち上げた。飛行船「ツェッペリン伯号物語」や「土浦花火物語」など、土浦を中心に地域の歴史や物語を題材にした紙芝居を制作し上演している。

アストロプラネッツ、巨人との交流戦に敗れる

ラミレスさんの障害児野球教室も プロ野球独立リーグ・ルートインBCリーグの茨城アストロプラネッツは7日、土浦市川口のJ:COMスタジアム土浦で、NPB(日本野球機構)との交流戦として読売ジャイアンツ3軍と対戦し、1-5で敗れた。試合に先立って、横浜DeNAベイスターズ前監督のアレックス・ラミレスさんによる障害児向けの野球教室も開かれ、約20人の子どもたちが直接指導を受けた。 茨城アストロプラネッツ-巨人3軍(6月7日、J:COMスタジアム土浦)巨人 003100001 5茨城 000010000 1 茨城は要所で守備にほころびが出て、要らぬ失点を重ねた。3回表、ショート寺嶋祐太の捕球ミスなどで2死一・三塁とされ、中堅への適時打で1点を先制される。次打者の右前打では、土田佳武が処理に手間取るうちに2者が生還、0-3と引き離される。4回にも2死からエラーがらみで走者を出し、さらに1点を追加された。 先発の二宮衣沙貴は「エラーでランナーを出しても、自分が踏ん張って抑えていれば結果は変わっていた。そこが今日の反省点。自分の能力を高め、三振で切り抜けられる力をつけたい」と悔やむ。

オカルト、エリファス・レヴィ《遊民通信》66

【コラム・田口哲郎】 前略 ずいぶん前からオカルトに興味があります。オカルトといえば、学研の月刊誌「ムー」です。UFOやツチノコ、心霊現象など、科学で解明できない現象について扱っています。オカルトはちょっとゾクゾクしますし、謎が解けそうで解けないところが魅力だと思います。 オカルトについて調べてみると、オカルトの元となった思想があることがわかりました。それはオカルティズムと呼ばれるもので、19世紀フランス最大の魔術師といわれるエリファス・レヴィ(1810-1875)が大成したとされています。オカルトはヨーロッパのキリスト教文化圏で生まれ、発展したものであるのは確実なようです。 少しその背景を説明すると、18世紀末のフランス革命でカトリック教会の一強支配が崩れて、聖職者ではない俗世の作家たちが、キリスト教会が担っていた精神的役割を肩代わりするようになりました。そのとき、いわゆる「宗教」には収まらない「宗教的なもの」が次々に生み出されてゆきました。その「宗教」の枠をはみ出した「宗教的なもの」の中の一つが、オカルティズムです。 オカルティズムの大成者レヴィはなにを隠そう、元カトリック修道士であり、詩人でもありました。そのレヴィがキリスト教会と絶交して、しかし人類を救いたいという一心で、つくりあげたのがオカルティズムなのです。

阿見大空襲、むなしさこみ上げた【元予科練生からのバトン】下 

石岡市 萩原藤之助さん(94) 石岡市在住の萩原藤之助さん(94)は、土浦海軍航空隊甲種第13期飛行予科練習生だった。第14期生だった戸張礼記さん(94)=6日付=に回想録執筆を勧められ、去年2月、予科練の生活をまとめた「雛鷲の残像―そのままの予科練回想録」を自費出版した。「等身大の予科練―戦時下の青春と、戦後」(常陽新聞社)などの参考文献を元に、当時の記憶と照らし合わせてつづり、戸張さんが監修を務めた。萩原さんは長年、戦争の資料を集めており、3カ月ほどで書き上げた。多くの人に読んでほしいと700部制作し、200部を阿見町の予科練平和記念館に寄贈した。 『雛鷲の残像』表紙 萩原さんは中学3年の時、校内に貼りだされた「予科練習生募集」のポスターを見て応募を決めた。1943(昭和18)年のことだった。「戦局が悪化の一途をたどる中、13期は、もっと搭乗員教育を進めて飛行機搭乗員を大量に養成せよということで、入隊者数を大幅に増やした年だった」と、回想録に付した資料を示して説明する。 予科練では精神教育が行われた。「陸海軍軍人に賜はりたる敕諭(軍人勅諭)」に由来する五ケ条を暗唱。集会に遅れたり、訓練にやる気がなかったりすると罰を受けた。「アゴ」はこぶしで練習生のあごを殴る罰で、殴られた時には自分の至らなさを恥じたという。厳しい訓練に耐えていたが、卒業直前に体調不良に陥り、しばらくの間療養した。卒業前日になり、班長から卒業できることを告げられ、土浦海軍航空隊の分隊に所属して訓練を継続することとなった。所属した分隊で、44年9月には滑空訓練を行うようになった。