木曜日, 4月 25, 2024
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《ひょうたんの眼》26 10万円給付は手付金

【コラム・高橋恵一】政府は、新型コロナウイルスの感染拡大に伴う対策として、やっと国民1人当たり10万円を支給することにした。経済対策というより、生活不安を和らげる意味合いの方が強いであろう。感染拡大と外出「自粛」によって、国民は極度の多重不安にさらされている。 中国での新型コロナウイルス感染症の発生と、それに続く武漢封鎖が1月中旬。さらに、感染拡大が中国周辺だけでなく、ヨーロッパにまで一気に広がったことには、驚いた。 日本で最初に感染者が出てから3カ月。報道によると、感染拡大を受けて、台湾や韓国は、検査の徹底により、どうやら危機は乗り越えた。欧州では、イギリスが賃金の80%保証、スイスの現金給付などにより、徹底した外出規制と国民の生活不安緩和を手早く措置しているように見える。ドイツは、隣国の患者まで引き受けるほどに万全な医療体制を組んだようだ。早々と。 新型コロナの感染拡大は、地震や津波、大空襲などによる都市の壊滅的な破壊と同じような状態になろうとしているのだ。日本は、世界の動きを横目に見ながら愚図愚図(ぐずぐず)としていて、現時点での具体的な対策は、各戸2枚の布マスク配布着手と、補償もはっきりしないままの外出自粛要請だけなのだ。 先ず、さっさと10万円を支給する。国民に一口水を飲んで貰って、落ち着きを促し、広範な休業補償、生活保障をすることを宣言して、新型コロナの感染拡大を抑え込むべきだ。 連休中に各人の口座に振り込め 10万円は、国が国民の命と生活を守り抜く決意の手付金みたいなものだ。だから、スピードが肝心だ。東日本大震災の津波被害を受けた北茨城市では、被害世帯の当座をしのぐために、市が保証して銀行を巻き込み10万円の緊急無利子融資を実施した。危機管理の好例である。 選挙の投票券のように、予算成立の時には、給付金申請の用紙が届いていてよい。実務は市町村だろうから、市役所は連休前半を稼働してもらって、連休を後ろ倒しにしてもらう。金融機関も、だ。どうせ、連休後も外出自粛は続けざるを得ないだろうが、連休中には、各人の口座に振り込まれていて欲しい。 10万円一律支給で13兆円くらい必要になる。今後の追加対策で、真水で100兆円を超えるかもしれない。財源は、国債発行になり、その面から慎重意見がある。しかし、日本は下手な経済財政運営で、すでに1100兆円、GDPの2年分に相当する国債を抱え込んでいるのだから、2カ月分増えるだけである。 経済政策として、「ベーシックインカム」を確保するという個人消費創出先行の考え方があり、すでに取り組んでいる国もある。供給側を優遇して内部留保と格差が拡大する、現代資本主義の見直しが模索されているこのタイミングに、今回の経済対策は、将来の経済政策のヒントになるかもしれない。(元茨城県生活環境部長)

市営駐車場が一斉閉鎖 筑波山中腹

【鈴木宏子】新型コロナウイルスの感染拡大により、知事による休業要請がテーマパークや商業施設などにまで大幅に拡大された22日、つくば市の観光の中心地、筑波山では、中腹の市営駐車場4カ所(計約470台)が一斉に閉鎖された。閉鎖期間は5月6日まで。 市観光推進課によると、緊急事態宣言が出された後も筑波山には県外ナンバーの車が多く来ていたことから、不要不急の外出自粛に協力してもらうため閉鎖に踏み切った。 市に対しては、観光業者関係者などから「筑波山に県外ナンバーの車がたくさん来ていて感染リスクが気になる」などの声が寄せられていたという。18日、同課が市営駐車場を利用する車を調べたところ、半数が首都圏などの県外ナンバーだった。 土産品店も一斉休業 駐車場の閉鎖と同時に、筑波山神社門前通りの土産品店や飲食店などは22日、一斉に休業し、閑散とした。 市は前日の21日付けで、筑波山中腹のホテルや旅館、土産品店、飲食店などの観光業者約40数件すべてに、新型コロナウイルス感染防止に向けさらなる配慮を求める通知を出した。市営駐車場の閉鎖と市の通知を受けて、土産品店などが一斉休業した形だ。 筑波山ケーブルカー宮脇駅近くで土産品店を経営する女性は「3月までは、山は(3密ではないので)大丈夫だろうと来る人がいたが、4月に入って緊急事態宣言が出された後はそれもなくなり、人出は10分の1になった。この先どうなるか不安」だと話していた。 筑波山の麓にある犬のテーマパーク「つくばわんわんランド」も、県と市の休業要請を受けて22日から5月6日まで休業となった。 筑波山つつじケ丘駐車場は22日時点で利用できるが、県道路公社によると、今後閉鎖するかどうか検討しているという。

《県南の食生活》12 ミーコ(水路)の恵み

【コラム・古家晴美】新緑が鮮やかな季節となってまいりましたが、新型コロナウィルスの影響で、おうちにこもって仕事や勉強をされている方もいらっしゃると思います。例年、ゴールデンウィーク前後になると、田植えをされている光景が見受けられますが、今回は田んぼや周辺の水路から頂戴(ちょうだい)してきた恵みについてです。 昭和30年ごろまでは、子供たちは夜になるとかがり火を持ち、まだ苗が植えられていない田んぼへやって来て、棒の先に針をつけた道具でドジョウを捕まえるドジョウブチをしていました。この時期はフナやコイの産卵期(ノッコミ)で、大人たちは産卵のために霞ケ浦から水路に上って来たノボリブナの魚群を玉網(たまあみ)で獲りますが、子供たちは川をせき止めて水を汲み出して魚を獲るカワボシ(カッポシ)を行っていました。 また、平成の初めごろまでは、5月に入ると、霞ケ浦の手前の堀に3~4メートルのシド(袋網)を張ったり、突きヤスを持って毎晩のように魚獲りに出かけたと言います。網にかかったドジョウが多過ぎて、酸欠で死んでしまうこともあったほど獲れたそうです。谷田部からわざわざやって来て、カーバイトランプを頭に照らしてドジョウを獲る人もいて、堤防はとにかくにぎやかでした。 いつもは島津(現阿見町)から自転車で売りに来る魚を買っていた方も、この時期には獲れ過ぎたドジョウを自宅で身を開かないままみそ汁に入れて食べ、残りを舟子(現美浦村)の魚屋さんに売りに行きました。 ドジョウ、コイ、フナ、ライギョ、ナマズ 湖岸に面していない農村部でも、田植え後に稲の丈が伸びてきたころ、大雨が降り水路から霞ケ浦へ大量の水が注ぎ込むようなときや、逆に霞ケ浦が増水して川の水がさかのぼってくるようなときには、途中に網やわなを仕掛けておくと、ドジョウのほかに、コイやフナ、ライギョ、ナマズなど様々な魚がたくさん獲れました。 フナはこってりとした味で、特にマブナの方はヒラブナ(ヘラブナ)よりも美味しかったとのこと。コイやフナはウロコと内臓を自分で取って、煮たり焼き浸しに、ライギョは切ってから火であぶり、皮をスルッとむいてから煮ると、背骨以外に小骨がなく、とても美味しかったと言います。 釣り好きの人にとって、この時期の夜の漁は、食糧確保と言う面ばかりでなく、獲ること自体が大きな楽しみだったそうです。疲れていても夜な夜な出掛けてしまうので、シーズン明けの6~7月になると、不摂生がたたり体調を崩すこともあったとか。 外に出て人に会いたいとウズウズしている方も多いと思いますが、このコロナウィルス騒動が1日でも早く終息しますように。(筑波学院大学教授)

《県南の食生活》12 ミーコ(水路)の恵み

【コラム・古家晴美】新緑が鮮やかな季節となってまいりましたが、新型コロナウィルスの影響で、おうちにこもって仕事や勉強をされている方もいらっしゃると思います。例年、ゴールデンウィーク前後になると、田植えをされている光景が見受けられますが、今回は田んぼや周辺の水路から頂戴(ちょうだい)してきた恵みについてです。 昭和30年ごろまでは、子供たちは夜になるとかがり火を持ち、まだ苗が植えられていない田んぼへやって来て、棒の先に針をつけた道具でドジョウを捕まえるドジョウブチをしていました。この時期はフナやコイの産卵期(ノッコミ)で、大人たちは産卵のために霞ケ浦から水路に上って来たノボリブナの魚群を玉網(たまあみ)で獲りますが、子供たちは川をせき止めて水を汲み出して魚を獲るカワボシ(カッポシ)を行っていました。 また、平成の初めごろまでは、5月に入ると、霞ケ浦の手前の堀に3~4メートルのシド(袋網)を張ったり、突きヤスを持って毎晩のように魚獲りに出かけたと言います。網にかかったドジョウが多過ぎて、酸欠で死んでしまうこともあったほど獲れたそうです。谷田部からわざわざやって来て、カーバイトランプを頭に照らしてドジョウを獲る人もいて、堤防はとにかくにぎやかでした。 いつもは島津(現阿見町)から自転車で売りに来る魚を買っていた方も、この時期には獲れ過ぎたドジョウを自宅で身を開かないままみそ汁に入れて食べ、残りを舟子(現美浦村)の魚屋さんに売りに行きました。 ドジョウ、コイ、フナ、ライギョ、ナマズ 湖岸に面していない農村部でも、田植え後に稲の丈が伸びてきたころ、大雨が降り水路から霞ケ浦へ大量の水が注ぎ込むようなときや、逆に霞ケ浦が増水して川の水がさかのぼってくるようなときには、途中に網やわなを仕掛けておくと、ドジョウのほかに、コイやフナ、ライギョ、ナマズなど様々な魚がたくさん獲れました。 フナはこってりとした味で、特にマブナの方はヒラブナ(ヘラブナ)よりも美味しかったとのこと。コイやフナはウロコと内臓を自分で取って、煮たり焼き浸しに、ライギョは切ってから火であぶり、皮をスルッとむいてから煮ると、背骨以外に小骨がなく、とても美味しかったと言います。 釣り好きの人にとって、この時期の夜の漁は、食糧確保と言う面ばかりでなく、獲ること自体が大きな楽しみだったそうです。疲れていても夜な夜な出掛けてしまうので、シーズン明けの6~7月になると、不摂生がたたり体調を崩すこともあったとか。 外に出て人に会いたいとウズウズしている方も多いと思いますが、このコロナウィルス騒動が1日でも早く終息しますように。(筑波学院大学教授)

「親にプレッシャー」 つくば市の保育園利用自粛通知に不安の声

【鈴木宏子】新型コロナウイルスの感染拡大を防ぐため、つくば市は17日、保育園などを利用する保護者に対しさらなる利用自粛を求める通知を出した。「今後、利用率が下がらない場合や、市内で感染が拡大する場合は施設を休園する可能性もある」「(休園となっても)保護者が医療従事者等の場合は子どもを預かる」などと書かれていたことから、保護者から「医療従事者でないと子どもを預けることができないのか」など不安が声が出ている。 医療従事者だけ? 同市研究学園、ラ・フェリーチェ保育園では、保護者から「私は医療従事者ではないが、医療機器をつくる会社で働いている。それでも仕事を休まないといけないのか」などの声が高橋晃雄園長に寄せられたという。 不安の声を受けて高橋園長は20日、厚労省の見解を元に、自身の考えをまとめた文書を保護者に手渡した。「親にプレッシャーを与える施策を私は支持しない」「それぞれの家庭にはそれぞれの事情があり、事情の重要性はその家庭が判断すべき」だとする内容だ。 緊急事態宣言後、保育園の受け入れ対応が市町村によって異なったことから、厚労省は7日、医療従事者や、社会の機能を維持するために就業を継続することが必要な人、ひとり親家庭などで仕事を休むことが困難な人などの子どもは、保育園で受け入れるよう通知している。 高橋園長は「医療従事者だけでなく、医療機器をつくる人も、スーパーで働く人も、配送する人も、社会の機能を維持するために働いている。さらに、それぞれの家庭にはそれぞれの事情がある」とし、「確かに保育園は過密で感染リスクは家庭より高い。市が焦るのは分かるが、プレッシャーを与えるのはいかがなものか」と話す。 厚労省と同じ 一方、市は、4月6日付けで保育所の保護者に利用自粛を要請。しかし利用率がなかなか低下せず過密な状況が解消しないことなどから、さらなる利用自粛を求める通知を17日に出した。 「医療従事者しか預かってもらえないのか」という保護者の不安に対して、市幼児保育課は「『医療従事者等』と書いており、『等』の中に社会機能を維持するために働いている保護者などが含まれる」とし、厚労省の見解とつくば市の見解が異なるということではないとしている。 市は通知の中でさらに、保育園の直近の利用状況として、4月第2週(6~10日)の平均利用率が70.4%だったところ、16日に54.2%、17日に52.3%と、先週と比較して自粛効果が現われているとした。しかしこの数字は公立保育所だけの数字。同課は誤解を与えてしまったとしている。

《法律かけこみ寺》17 善悪の此岸

【コラム・浦本弘海】前回はクーリング・オフという制度の紹介をいたしました。ところで、新型コロナウイルス感染症の拡大をチャンスとばかり、詐欺や詐欺的商法が活発化しています。そこで今回も消費者として知っておきたい法律を紹介します。 最近、身に覚えのない使い捨てマスクが送りつけられる事案が発生しています。一方的に商品を送りつけ、送られた人が商品の購入をしない旨の通知をしないと購入だと決めつけて代金を請求する悪質な商法、これを「送りつけ商法」と言います。 身に覚えのない使い捨てマスクも、送りつけ商法と考えたほうがよさそうです(知り合いからのサプライズという可能性もありますが…)。 そこで、送りつけ商法の対処法を。 1.お金は払わない(代金引換の場合も)。事業者に連絡する必要も返送する必要もない。 2.マスクが送付されたら14日間は使用せずに保管する。14日以内にマスクを使うと商品を購入したとみなされるので注意! 3.送付から14日間を経過したときはマスクを自由に処分でき、事業者からの返還請求に応ずる必要はない(14日以内に引き取りにきた場合は返還のこと)。 世に詐欺人の種は尽きまじ 消費者庁の対応方法の資料には、最初に「とにかく、ひとまず落ち着きましょう。」とあります。これはあらゆる詐欺や詐欺的商法への最高の処方箋です。逆に落ち着かせないのが向こうの手口なので、少しでも不審に思ったら、まずご家族などに相談なさってください。 ちなみに上記対処法の法律上の根拠は、特定商取引に関する法律59条1項です(法律のコラムなので条文も載せたいところですが、かなり長いので省略します)。 石川五右衛門の辞世の歌に「石川や/浜の真砂は/尽きるとも/世に盗人(ぬすびと)の/種は尽きまじ」というのが伝わっていますが、世に詐欺人(さぎびと)の種も尽きないようです。 新型コロナウイルス感染症関連の消費者トラブルについて、国民生活センターのサイトにいろいろな実例が掲載されています。消費者庁のサイトでも注意喚起がされています。どうかご注意を! なお、電話勧誘などでたしかに商品を買ったが後悔している!といった場合、前回紹介したクーリング・オフ制度が使える可能性がありますので、国民生活センターなどにご相談ください。(弁護士)

《法律かけこみ寺》17 善悪の此岸

【コラム・浦本弘海】前回はクーリング・オフという制度の紹介をいたしました。ところで、新型コロナウイルス感染症の拡大をチャンスとばかり、詐欺や詐欺的商法が活発化しています。そこで今回も消費者として知っておきたい法律を紹介します。 最近、身に覚えのない使い捨てマスクが送りつけられる事案が発生しています。一方的に商品を送りつけ、送られた人が商品の購入をしない旨の通知をしないと購入だと決めつけて代金を請求する悪質な商法、これを「送りつけ商法」と言います。 身に覚えのない使い捨てマスクも、送りつけ商法と考えたほうがよさそうです(知り合いからのサプライズという可能性もありますが…)。 そこで、送りつけ商法の対処法を。 1.お金は払わない(代金引換の場合も)。事業者に連絡する必要も返送する必要もない。 2.マスクが送付されたら14日間は使用せずに保管する。14日以内にマスクを使うと商品を購入したとみなされるので注意! 3.送付から14日間を経過したときはマスクを自由に処分でき、事業者からの返還請求に応ずる必要はない(14日以内に引き取りにきた場合は返還のこと)。 世に詐欺人の種は尽きまじ 消費者庁の対応方法の資料には、最初に「とにかく、ひとまず落ち着きましょう。」とあります。これはあらゆる詐欺や詐欺的商法への最高の処方箋です。逆に落ち着かせないのが向こうの手口なので、少しでも不審に思ったら、まずご家族などに相談なさってください。 ちなみに上記対処法の法律上の根拠は、特定商取引に関する法律59条1項です(法律のコラムなので条文も載せたいところですが、かなり長いので省略します)。 石川五右衛門の辞世の歌に「石川や/浜の真砂は/尽きるとも/世に盗人(ぬすびと)の/種は尽きまじ」というのが伝わっていますが、世に詐欺人(さぎびと)の種も尽きないようです。 新型コロナウイルス感染症関連の消費者トラブルについて、国民生活センターのサイトにいろいろな実例が掲載されています。消費者庁のサイトでも注意喚起がされています。どうかご注意を! なお、電話勧誘などでたしかに商品を買ったが後悔している!といった場合、前回紹介したクーリング・オフ制度が使える可能性がありますので、国民生活センターなどにご相談ください。(弁護士)

テイクアウト飲食店に一律10万円 つくば市が1億6000万の緊急経済対策

【鈴木宏子】新型コロナウイルスの感染拡大で影響を受けているつくば市の事業者に、同市は20日、総額1億6400万円の緊急経済対策を実施すると発表した。食事のテイクアウト(持ち帰り)を実施している飲食店に一律10万円を給付するなど4つの対策に取り組む。 同日、市議会全員協議会を開き、五十嵐立青市長が説明した。5月1日に臨時議会を開き、補正予算案を提案する。可決されれば5月1日から受け付けを開始する。 緊急経済対策はほかに、クラウドファンディングで民間資金を集め、芸術文化事業やタクシーなどの旅客運送、飲食店などのチケットを事前購入してもらい経済的被害の大きい事業者に前払いする▽従業員が新型コロナウイルスに感染して売り上げが減少した事業者に100万円、個人事業主に50万円を給付する▽売り上げが減少しているホテルや旅館に最大300万円を給付するーなど。財源は財政調整基金を活用するという。 飲食店500店を想定 一律10万円のテイクアウト協力金は、外出自粛要請で外食する客が減る中、密閉空間、密集場所、密接場面の3密を防ぐテイクアウトやデリバリー(出前)の取り組みをしている市内の飲食店を支援する。店内で飲食を提供しているか、提供を止めているかにかかわらず給付する。 テイクアウト実施店に対してはさらに、市が5月中にホームページを作って各店のテイクアウトメニューや価格などを掲載し宣伝する。テイクアウト店を一堂に掲載したちらしなども制作し7月1日付けの市広報紙と一緒に各世帯に配布する。飲食店の店頭に置くのぼり旗やステッカーなども市が制作する。 市内にある飲食店のほぼ半数に当たる計500店を給付対象として想定しているという。事業費は5400万円。 市が2割上乗せ クラウドファンディングによるチケットの前払いは、新型コロナウイルスの感染拡大で大きな影響を受けている文化芸術、旅客運送、飲食店など5分野程度を想定している。コンサートや公演、タクシー乗車、飲食など各事業者にメニューを提案してもらい、応援したいという市内外の市民などから広く資金を募る。 詳しい内容は、市と事業者団体などによる実行委員会を5月早々に設立して決める。チケットを前払いで購入してもらう際、市がチケット料金の2割を上乗せする形で補助し、事業者と利用者双方にお得感がある仕組みを作って前払い購入を促進する。市が負担する上乗せ分として1分野当たり約880万円、5分野で約4400万円を計上する。 隠させないで支援 従業員などが新型コロナウイルスに感染した場合の最大100万円の給付は、事業休止による売り上げ減少や再開に向けた設備の消毒費用などを支援する。感染を隠しながら営業したり、働き続けるのを防ぐことも目的の一つ。 売り上げが50%以上減った中小企業に上限200万円、個人事業主に上限100万円を給付する国の持続化給付金を受給した事業者が対象で、同給付金に市が上乗せする形となる。事業費は1500万円で、中小企業10件、個人10件を想定している。 宿泊者に7000円補助は取り止め ホテルや旅館など宿泊事業者への支援は、売り上げの減少分と客室の規模に応じて最大80万円から300万円の給付となる。 一方、市は3月議会で、市内のホテルや旅館の宿泊者に1人最高7000円(宿泊費5000円割引、食事券2000円交付)を補助することを決めていた(3月13日付)。新型コロナウイルスが収束すれば取り組むとしていたが、現時点で収束の見通しが立たず事業を開始できる状況にないことから、宿泊者に最高7000円を補助する事業は取り止める。3月議会で計上した9000万円の予算は組み替えて、宿泊事業者に最大300万円を直接給付する事業に充てる。事業費は約5100万円。 宿泊費の割引と併せて交付するとしていた1人2000円の食事券についても、収束の見通しが立たず事業を開始できる状況にないことから、こちらも予算を組み替えて、食事券利用対象の申請を受けた飲食店に一律6万円を給付する。食事券2000円の交付事業には、すでに市内の約240店の飲食店から参加の申し込みがあるという。 3月議会で決めた宿泊者への割引などは、国が旅行商品の2分の1をクーポンなどで付与する消費喚起事業(GoToキャンペーン)を感染収束後に実施することを発表したため、国の事業に代えてもらう。宿泊者に配布するとしていた食事券についてのみ、感染の収束を見極めて、宿泊者を対象に先着約1万人に2000円の食事券を配布する事業を実施する予定という。

《吾妻カガミ》80 「大型コロナ病床をつくばに」の是非

【コラム・坂本栄】新型コロナウイルスとの戦いの激化にともない、緊急事態の対象地域を広げるなど、国や自治体の対コロナ戦の陣形も整ってきました。2週間前のコラム(4月6日掲載)では、政府の取り組みを「初期対応は緊張感に欠け、…戦時の形にはなっておりません」と記し、つくば市については「ナイーブな施策が見られました」と指摘しましたが、やっと本気になってきたようです。 それでも、外出自粛(人の移動を抑える)や店舗閉鎖(群れる場を減らす)といった作戦の基本に対する国民・市民の不平不満を気にしているのか、オペレーションにはチグハグなところがあります。医療崩壊を恐れ、国と激論した東京都に比べると、国にもつくば市にもまだ甘さが見られます。 対コロナ作戦で各主体にばらつきがある中、実戦的な策が飛び込んで来ました。競艇の収益で公益活動をしている日本財団が、つくば市内に保有する1万7300坪の研究所跡地に、軽症コロナ患者(戦傷者)の病床施設(野戦病院)を建て、戦傷者を収容するという緊急支援策です。 その詳細は「『市の理解得ながら進める』 日本財団 つくばに軽症者病床9000床整備」(4月5日掲載)をご覧ください。大型テントなどから成る施設の建設費、そこに詰める医者や看護師の人件費などは、すべて財団が負担するそうです。 同財団は、首都圏でコロナ患者が増えると想定、設備が整っている病院は重症者用とし、軽症者はつくばなどの施設に移すことで、東京の医療崩壊を回避したいと考えています。7月末までに稼働させたいと言っており、東京の医療崩壊(事実上の首都崩壊)を阻止するための、現実的な取り組みといえます。 「戦時」にコンセンサス型? この支援に対し、つくば市はできれば断わりたいとのスタンスです。詳細については「つくば市長、受け入れに難色 日本財団9000床整備計画」(4月6日掲載)をご覧ください。 その理由を整理すると、①事前に何の相談もなかった②7月末の完成では遅すぎる③県と市で同様の施設(36床!)を用意する④市民の同意を得るのは難しい―ということでしょうか。①と②と③は断る理屈付けであって、市長が「(住民に理解してもらう)プロセス構築が極めて困難」と言っているように、本音は④にあるようです。 軽症者用とはいえ、コロナ感染源になるリスクを抱える迷惑施設―と、市民に受け止められるのを恐れたのでしょう。コンセンサス型の行政を進める市長にとっては、当然の判断かも知れません。 しかし、東京の医療崩壊は日本経済の破綻につながります。日本財団の支援は首都陥落を阻止する決定打ではありませんが、国の緊急事態宣言を受け、都が策定した対コロナ作戦を補完するものであることは間違いありません。非常時(戦時)のいま、首長に必要な素質はリーダーシップ型であり、通常時(平時)のコンセンサス型ではありません。 つくば市は、その成り立ちからしても、国との関係で特殊な位置にある自治体です。「つくばファースト」ではなく、「日本ファースト」が求められています。(経済ジャーナリスト、戦史研究者)

《吾妻カガミ》80 「大型コロナ病床をつくばに」の是非

【コラム・坂本栄】新型コロナウイルスとの戦いの激化にともない、緊急事態の対象地域を広げるなど、国や自治体の対コロナ戦の陣形も整ってきました。2週間前のコラム(4月6日掲載)では、政府の取り組みを「初期対応は緊張感に欠け、…戦時の形にはなっておりません」と記し、つくば市については「ナイーブな施策が見られました」と指摘しましたが、やっと本気になってきたようです。 それでも、外出自粛(人の移動を抑える)や店舗閉鎖(群れる場を減らす)といった作戦の基本に対する国民・市民の不平不満を気にしているのか、オペレーションにはチグハグなところがあります。医療崩壊を恐れ、国と激論した東京都に比べると、国にもつくば市にもまだ甘さが見られます。 対コロナ作戦で各主体にばらつきがある中、実戦的な策が飛び込んで来ました。競艇の収益で公益活動をしている日本財団が、つくば市内に保有する1万7300坪の研究所跡地に、軽症コロナ患者(戦傷者)の病床施設(野戦病院)を建て、戦傷者を収容するという緊急支援策です。 その詳細は「『市の理解得ながら進める』 日本財団 つくばに軽症者病床9000床整備」(4月5日掲載)をご覧ください。大型テントなどから成る施設の建設費、そこに詰める医者や看護師の人件費などは、すべて財団が負担するそうです。 同財団は、首都圏でコロナ患者が増えると想定、設備が整っている病院は重症者用とし、軽症者はつくばなどの施設に移すことで、東京の医療崩壊を回避したいと考えています。7月末までに稼働させたいと言っており、東京の医療崩壊(事実上の首都崩壊)を阻止するための、現実的な取り組みといえます。 「戦時」にコンセンサス型? この支援に対し、つくば市はできれば断わりたいとのスタンスです。詳細については「つくば市長、受け入れに難色 日本財団9000床整備計画」(4月6日掲載)をご覧ください。 その理由を整理すると、①事前に何の相談もなかった②7月末の完成では遅すぎる③県と市で同様の施設(36床!)を用意する④市民の同意を得るのは難しい―ということでしょうか。①と②と③は断る理屈付けであって、市長が「(住民に理解してもらう)プロセス構築が極めて困難」と言っているように、本音は④にあるようです。 軽症者用とはいえ、コロナ感染源になるリスクを抱える迷惑施設―と、市民に受け止められるのを恐れたのでしょう。コンセンサス型の行政を進める市長にとっては、当然の判断かも知れません。 しかし、東京の医療崩壊は日本経済の破綻につながります。日本財団の支援は首都陥落を阻止する決定打ではありませんが、国の緊急事態宣言を受け、都が策定した対コロナ作戦を補完するものであることは間違いありません。非常時(戦時)のいま、首長に必要な素質はリーダーシップ型であり、通常時(平時)のコンセンサス型ではありません。 つくば市は、その成り立ちからしても、国との関係で特殊な位置にある自治体です。「つくばファースト」ではなく、「日本ファースト」が求められています。(経済ジャーナリスト、戦史研究者)

県南最大級の農産物直売所 19日グランドオープン JA水郷つくば

【鈴木宏子】JA水郷つくば本店(土浦市小岩田西)1階に19日、農産物直売所「サンフレッシュ土浦店」(宮本正幸店長)がグランドオープンする。店舗面積約520平方メートル、県南地域最大規模となるJAの農産物直売所で、近隣住民に向けたプレオープンを18日に予定している。 新型コロナウイルス感染拡大防止のため緊急事態宣言が発令されていることなどから、新聞折り込みちらしなど大々的な広告宣伝は実施しなかった。今回は特売なども実施せず、静かなオープンとなる。新型コロナウイルスが収束したら改めて特売を実施したいとしている。 7市町村の生産者160人が直売 直売所は土浦、龍ケ崎、牛久、かすみがうら、美浦、阿見、利根7市町村の生産者約160人が新鮮なとれたて野菜を直売する。日本一の生産量を誇る土浦のレンコン、味が濃く甘みと酸味のバランスがよい龍ケ崎のファーストトマト、一般のダイコンに比べみずみずしく生食向けの牛久ブランド河童大根、美浦のマッシュルームなど特産品のほか、50~60種類の農産物をより安く販売する。 漬け物、こんにゃく、赤飯、ピーナッツ加工品、草もち、レンコンケーキなど地元農家手作りの加工品のほか、れんこんめん、れんこんサブレーなどが並ぶ。災害時に水なしでそのまま食べられる地元産コシヒカリの備蓄ライスなどJA水郷つくばオリジナルの加工品や、茨城みやげに好適な県内各JAのオリジナル加工品も取りそろえている。 店内にそば、バウムクーヘン、パンの各店舗も併設し、イートインスペースもある。 3JA合併し本店1階に 2019年2月1日にJA土浦、JA竜ケ崎、JA茨城かすみの3JAが合併して誕生したJA水郷つくばの目玉となる直売所だ。 JA水郷つくば本店は13日、土浦市田中から直売所のある同市小岩田西に移転したばかり。本店1階が直売所となり、旧JA土浦の直売所1号店、サンフレッシュ土浦店が同市粕毛から同市小岩田西に移転する形となる。宮本店長は「元気に笑顔でお迎えしたい」と話している。 ◆同店は土浦市小岩田西1-1-11(旧ケーズデンキ土浦店)。プレオープンは18日(土)午前9時30分、グランドオープンは19日(日)午前9時30分。営業時間は午前9時30分~午後6時。定休日は毎月第1水曜。問い合わせは電話029-821-4826(同店)

立ち向かう「小さな共同体」 ある消防団副分団長の話 つくば

【池田充雄】つくば市大角豆で治療院「つくば草の根はりきゅう院」を営む小池栄治さん(47)。地域とのかかわりを大切にし、人と人がつながる活動をさまざまに展開する。「互いの専門性を生かして与え合えるような関係性が理想。それぞれの活動がリンクし、地域社会のいろんな輪の一つになれば」と話している。 小池さんはつくば市消防団桜支団第9分団で副分団長を務める。最近は新型コロナウイルスの感染拡大防止に向け、市消防本部からの要請に基づき、土・日曜日に消防車で地区を回り、車載マイクで外出自粛を呼び掛けている。 消防団への参加は4年前。「自分たちの地域は自分たちで守りたい」という先輩たちの思いに、地域に暮らす一人として共感し、引き継いでいきたいと考えた。また消防団は防災組織であると同時に、地区の若者組のような意義もあると感じていた。例えば同地区では夏祭りの際に、消防団が子どもみこしのサポートなどもしている。 「団に入ることで、地域の同世代の人たちと親しくなることができた。自治会は60~70代の人が中心だが、消防団はそれとは別の、20~40代が横につながる場になり得る。地域組織の一つとして有効に生かせればと思う」 消防団以外の活動もある。「茶にすっぺ」と「まめいち」。前者は、在宅介護をしている家族のための交流の場。心身の疲れをいやしてもらい、医療や介護に関する相談にも乗る。後者は小さなコミュニティーマーケット。単なる商品のやり取りではなく、身近にあるものにひと手間かけることで、お金では買えない心の豊かさが得られる。 はりきゅうなどの東洋医学も同様の考え方で、薬や機器に頼りがちな現代医療とは別の観点から、健康の回復や維持増進を図ろうというもの。いずれの場面でも人と人が深くつながりながら、幅広い心の交流や、さまざまな立場からの相互理解を目指している。 「孤立しては生きていけない」 新型コロナのまん延するなか、「まめいち」のような人が密集する場をつくることは、それ自体が感染のリスクになる。別の何らかの形で、日々の暮らしを楽しむ空気感を発信できないかと、小池さんは模索している。 「世界的に人やものの移動に制限がかかる状況で、社会関係のあり方が問われている。どうあっても人間は孤立して生きていけない。顔や名前が分かり信頼し合える関係性が、暮らしの安心を支える最小単位ではないか。それがかつては村であり、今は会社や学校、友人など自ら選ぶ関係性の存在意義が高まっている」 感染症の拡大に伴い、出どころの不確かなものや情報が飛び交う中、身近な家族関係や地域関係のありようがさらに見直されようとしている。

《電動車いすから見た風景》5 コロナに負けず、今の生活を続けたい

【コロナ・川端舞】新型コロナウイルスの感染拡大は、皆さんの生活にも大きな影響を与えていると思います。私も定期的な通院や買い物以外はほとんど外出しなくなりました。 私のように介助者にサポートしてもらいながら1人暮らしをしている障害者の部屋には、自分が外出しなくても、毎日介助者は代わる代わる家に来るので、一般的な1人暮らしの部屋よりも必然的に人の出入りが多くなります。 こまめに部屋を換気したり、ドアノブなどを除菌ティッシュで拭いたり、できる限りの感染予防はしているのですが、私たち障害者が生活するためには、食事介助やトイレ介助など、どうしても介助者に近距離で接してもらう場面が多くなり、介助する側も介助される側も不安になることもあると思います。 私が一番心配しているのは、自分が感染することよりも、自分が感染した後、介助者にうつしてしまうことです。介助者の中には、私の介助以外に、他の障害者の介助にも入っている人もいて、私から介助者にうつすことで、その介助者が他の人のところにも行けなくなったり、最悪、他の障害者にもうつしてしまう可能性もあります。 そのような不安は、障害者よりも介助者の方が強く感じているのかもしれません。障害者の中にはもともと呼吸器が弱い人もいて、そのような人のところに行っている介助者は強い責任を感じているかもしれません。 介助者にも拍手を送りたい そのような中でも、毎日介助に来てくれることをありがたく感じています。もちろん、介助者を派遣している事業所側も、コロナウイルスが身近になるたびに、対策を考えてくれています。多くの人のおかげで、私の生活が成り立っていることを感じます。 そんなに不安に思うくらいなら、家族に介助してもらえばいいと思う人もいるかもしれません。私の両親は群馬の実家にいます。実家に帰ることも一つの選択肢だと思います。 しかし、大学入学とともに、つくばで1人暮らしを始めて10年。その間、年末年始に実家に帰った時にしか、両親は私の介助をやっていません。10年の間に、両親の体力も私の障害の状態も変化しました。いつコロナウイルスが収束するかわからない今、私の介助を両親だけに任せるのは不安です。 そして何より、今まで私はつくばで人間関係をつくり、自分らしい生活を築いてきました。世間全体が混乱し、不安なニュースしか流れない今、できるだけ住み慣れた場所でいつも通りの生活をしたいと思うのは、自然なことではないでしょうか。 最近、医療従事者に拍手をおくる運動が世界で広がっていますが、今、不安を感じながらも、1人暮らしの障害者の生活を支え続けている介助者にも、私は拍手を送りたいと思います。今を一緒に乗り越えていきましょう。(つくば自立生活センターほにゃらメンバー)

《電動車いすから見た風景》5 コロナに負けず、今の生活を続けたい

【コロナ・川端舞】新型コロナウイルスの感染拡大は、皆さんの生活にも大きな影響を与えていると思います。私も定期的な通院や買い物以外はほとんど外出しなくなりました。 私のように介助者にサポートしてもらいながら1人暮らしをしている障害者の部屋には、自分が外出しなくても、毎日介助者は代わる代わる家に来るので、一般的な1人暮らしの部屋よりも必然的に人の出入りが多くなります。 こまめに部屋を換気したり、ドアノブなどを除菌ティッシュで拭いたり、できる限りの感染予防はしているのですが、私たち障害者が生活するためには、食事介助やトイレ介助など、どうしても介助者に近距離で接してもらう場面が多くなり、介助する側も介助される側も不安になることもあると思います。 私が一番心配しているのは、自分が感染することよりも、自分が感染した後、介助者にうつしてしまうことです。介助者の中には、私の介助以外に、他の障害者の介助にも入っている人もいて、私から介助者にうつすことで、その介助者が他の人のところにも行けなくなったり、最悪、他の障害者にもうつしてしまう可能性もあります。 そのような不安は、障害者よりも介助者の方が強く感じているのかもしれません。障害者の中にはもともと呼吸器が弱い人もいて、そのような人のところに行っている介助者は強い責任を感じているかもしれません。 介助者にも拍手を送りたい そのような中でも、毎日介助に来てくれることをありがたく感じています。もちろん、介助者を派遣している事業所側も、コロナウイルスが身近になるたびに、対策を考えてくれています。多くの人のおかげで、私の生活が成り立っていることを感じます。 そんなに不安に思うくらいなら、家族に介助してもらえばいいと思う人もいるかもしれません。私の両親は群馬の実家にいます。実家に帰ることも一つの選択肢だと思います。 しかし、大学入学とともに、つくばで1人暮らしを始めて10年。その間、年末年始に実家に帰った時にしか、両親は私の介助をやっていません。10年の間に、両親の体力も私の障害の状態も変化しました。いつコロナウイルスが収束するかわからない今、私の介助を両親だけに任せるのは不安です。 そして何より、今まで私はつくばで人間関係をつくり、自分らしい生活を築いてきました。世間全体が混乱し、不安なニュースしか流れない今、できるだけ住み慣れた場所でいつも通りの生活をしたいと思うのは、自然なことではないでしょうか。 最近、医療従事者に拍手をおくる運動が世界で広がっていますが、今、不安を感じながらも、1人暮らしの障害者の生活を支え続けている介助者にも、私は拍手を送りたいと思います。今を一緒に乗り越えていきましょう。(つくば自立生活センターほにゃらメンバー)

カップ1.5杯分「朝の元気」注ぐ 土浦駅ビルでコーヒーを無料提供

【伊藤悦子】土浦駅を利用する通勤客に、毎朝無料でコーヒーを提供しているお店がある。駅ビル「プレイアトレ土浦」(土浦市有明町)3階、ステーションロビーのカフェ「SLOW JET COFFEE Cookie(スロージェットコーヒークッキー)」によるふるまいだ。 マイボトルの持参者に 朝7時から9時まで、駅に直結する店の前に店員が立ち、マイボトルを持参した人にカップ1.5杯分のコーヒーを注いでくれる。5月6日まで行う予定。ステーションロビーの “雲の上はいつも晴れ”活動の企画だ。「雨が降っても雪が降っても、雲の上は青空が広がっている。どんな状況でも、心が晴れて安らぐ日が訪れる」との格言から採られた活動だ。 企画を考えたのは、ステーションロビーを運営するSUUM&Co.(スームアンドコー)(東京都台東区)の代表取締役、坂本修武さん(38)。 「新型コロナウイルス感染拡大の影響で自粛などが続くなか、お店で働く人も利用する人も不安でやり場のない思いを抱えている。それでも仕事に行かなくてはいけない人がいる」と坂本さん。そうした人たちに向けて、「食」を提供する場、そして「駅」という機能を生かし自分たちにできることはないかと考えたのが、通勤者たちへのコーヒー提供だという。 外出自粛の話が出てきた3月の半ばには企画を考え、特に告知はせず2日からスタートした。「何度か前を通って、今日はマイボトルを持ってきた」「職場の人に聞いた」など、徐々に利用者は増えていき、14日は約50人程度の利用者があった。 坂本さんは「朝、家を出る時に嫌だなと思っても、コーヒーをもらおうとボトルをバッグに入れる準備をするだけで、ちょっとした楽しみの1つになるのでは」と言い、利用者には「行ってらっしゃい」と声をかける。明るい気持ちになれたのか、「ありがとう、頑張ってください」と応じてもらえるのがうれしいそうだ。 14日の朝、仕事で荒川沖駅から来た男性(27)は「コーヒーをもらうのは今日で2回目。こういった活動は珍しい。新型コロナウイルスのことでいろいろ頑張っている人に対してやってくれている。コーヒーもおいしいし、いい試みだと思う」と笑顔で話した。 食事のデリバリーや料理教室も ステーションロビーの“雲の上はいつも晴れ“活動では、洋食や中華メニューを家庭に届ける食事のデリバリーも始めた。デリバリーは、必要なものがあればコンビニエンスストアに寄って買い物もしてきてくれるオプション付き。今後はインスタグラムのライブ機能を利用した料理教室も予定しているという。 問い合わせはプレイアトレ土浦内ステーションロビー(電話029-825-7716)

オンライン授業始まり中高生に笑顔 土浦日大中等教育学校

【田中めぐみ】新型コロナウイルスの感染拡大に伴う臨時休校が続く中、子どもたちの学習機会を確保したいと土浦日大中等教育学校(同市小松ヶ丘町、西山勝治校長)で13日、オンライン授業の配信が始まった。 「先生に会えてうれしい」 授業はオンラインビデオ会議アプリZoom(ズーム)を用い、月曜日から金曜日、1日に3時間ずつ行われる。生徒たちは自宅のコンピューターやタブレット、スマートフォンなどを使用して授業に参加。使用する教材は学校のホームページにアップロードし、生徒がそれぞれダウンロードできるようにした。 初日の月曜日はほぼ全員の生徒が授業に出席してディスプレイ越しに元気な顔を見せた。新入生の中学1年生の男の子は、1時間目の授業で今年度の目標やノートの取り方の説明を聞き、うなずきながらメモを取ったり教師からの問いかけに答えたりした。授業の終わりには「やっと先生に会えた。会えてうれしい」と笑顔で画面から手を振った。 オンライン始業式で校歌斉唱 同校では、朝のホームルーム活動も学級担任が配信して行う。また、主要教科の授業だけではなく体育や技術・家庭、音楽、道徳などの授業も配信している。 教務主任の藤田晃久教諭は「一方通行ではなく、教師から生徒、生徒から教師と双方向の授業になるようにしている。8日に行われた始業式では全校生徒およそ700人がオンラインで校歌を斉唱した。14日からは教員も在宅勤務で自宅からの授業配信が可能となった。新しい試みだと思う」と話す。 国語科の佐藤登貴恵講師は「Zoomでの授業はまだおぼつかないが、今回のような非常時でも教育活動が続けられるのがありがたい。生徒たちもオンラインだと平時の授業より発言しやすいように感じることもある。ただ、デジタルデバイド(【メモ】参照)によって、生徒が受け取る情報量に差があるのではという点が気になる。今後技術で解決していけたら」と意欲を語った。 今後の課題も 「楽しい」「テンションがあがる」など好感を伝える生徒がいる一方、職員室には教材をうまくダウンロードできないなどと訴える電話も多く入ってくる。Zoomの通信履歴をたどると音声が途切れたり、画面が固まってしまう例が報告されるなど課題もあった。 教員はそれぞれの状況に耳を傾け、できる限り個別に対応している。よくある問題について集約し、教員同士で情報共有しながら改善を重ねていくという。 【メモ】デジタルデバイド インターネットなどの情報通信技術(ICT)を利用できる環境にある者(地域)とそうでない者との間にもたらされる格差のこと。ここでは通信環境や機器の性能などによって生じる個人間の情報格差を指す。

《くずかごの唄》59 スペイン風邪で日本人48万が死亡

【コラム・奧井登美子】「きょうはお祖父さまの命日。お花を忘れないであげて下さい」。2月10日、兄の奥井勝二から必ず電話がかかってくる。 兄は千葉大学医学部の外科教授であった。成田日赤病院の院長をしていたこともある。ものすごく忙しい人なのに、祖父の死は頭から離れないようだ。彼がまっすぐ医学の道に進んだのも、母親から何回も聞かされた、祖父のスペイン風邪による死がきっかけだったのかも知れない。 祖父の平沢有一郎は、茨城県初の薬剤師国家試験合格者。北里柴三郎は福沢諭吉の援助で、「土筆ヶ岡(つくしがおか)養生園」という日本初の結核療養所を芝の白金三光町につくるが、祖父は北里柴三郎を尊敬し、明治28年(1895)までそこに勤務している。 奥井家に婿に来て、薬局をつくった。娘の教育も国際的で、外国人と交際し、英会話を習得させ、外国に留学させる夢を持っていたという。しかし、1918年、流行のウイルス性疾患のスペイン風邪により、53歳で亡くなってしまった。 母は留学をあきらめ、薬剤師免許を取得して薬局を継ぎ、幼い妹たちを育てた。有一郎の死は、奥井家にとっても存亡の危機であったらしい。 世界の死者は2000万~4000万 当時、ウイルス性疾患の怖さは、世間では不明。医者にも、一般の人にも、よく解らない。まさに、深刻な医療崩壊であったという。医療崩壊に翻弄(ほんろう)された日本人の残酷さを、私も、母から痛いほど聞かされた。 森岡恭彦(もりおか・やすひこ)先生からいただいた本「医学の近代史 苦闘の道のりをたどる」(NHKブックス)を読むと、1918年のスペイン風邪で、日本人の死者は推計48万2000人、世界の死者は2000万~4000万人とある。 今のように、疾患別死者の統計がキチンとされてなかった時代とはいえ、48万人という数字はあまりに大きい。 昔と違って、今は、世界の医療情報がすぐにネットやテレビで公開される。知恵を絞って、新型コロナウイルスを鎮静させることができるか。人類とウイルスの永遠の戦いは、当分終わりそうもない。(随筆家、薬剤師)

《くずかごの唄》59 スペイン風邪で日本人48万が死亡

【コラム・奧井登美子】「きょうはお祖父さまの命日。お花を忘れないであげて下さい」。2月10日、兄の奥井勝二から必ず電話がかかってくる。 兄は千葉大学医学部の外科教授であった。成田日赤病院の院長をしていたこともある。ものすごく忙しい人なのに、祖父の死は頭から離れないようだ。彼がまっすぐ医学の道に進んだのも、母親から何回も聞かされた、祖父のスペイン風邪による死がきっかけだったのかも知れない。 祖父の平沢有一郎は、茨城県初の薬剤師国家試験合格者。北里柴三郎は福沢諭吉の援助で、「土筆ヶ岡(つくしがおか)養生園」という日本初の結核療養所を芝の白金三光町につくるが、祖父は北里柴三郎を尊敬し、明治28年(1895)までそこに勤務している。 奥井家に婿に来て、薬局をつくった。娘の教育も国際的で、外国人と交際し、英会話を習得させ、外国に留学させる夢を持っていたという。しかし、1918年、流行のウイルス性疾患のスペイン風邪により、53歳で亡くなってしまった。 母は留学をあきらめ、薬剤師免許を取得して薬局を継ぎ、幼い妹たちを育てた。有一郎の死は、奥井家にとっても存亡の危機であったらしい。 世界の死者は2000万~4000万 当時、ウイルス性疾患の怖さは、世間では不明。医者にも、一般の人にも、よく解らない。まさに、深刻な医療崩壊であったという。医療崩壊に翻弄(ほんろう)された日本人の残酷さを、私も、母から痛いほど聞かされた。 森岡恭彦(もりおか・やすひこ)先生からいただいた本「医学の近代史 苦闘の道のりをたどる」(NHKブックス)を読むと、1918年のスペイン風邪で、日本人の死者は推計48万2000人、世界の死者は2000万~4000万人とある。 今のように、疾患別死者の統計がキチンとされてなかった時代とはいえ、48万人という数字はあまりに大きい。 昔と違って、今は、世界の医療情報がすぐにネットやテレビで公開される。知恵を絞って、新型コロナウイルスを鎮静させることができるか。人類とウイルスの永遠の戦いは、当分終わりそうもない。(随筆家、薬剤師)

生活福祉資金の貸付申込急増 「仕事なくなった」 つくば、土浦市社協

【崎山勝功】新型コロナウイルス感染拡大の影響で生活に困った世帯を対象に、生活費などを無利子で貸し付ける生活福祉資金貸付制度の申し込みがつくば、土浦両市でも急増している。 休業などで収入が減った世帯に20万円以内の少額費用を貸し付ける「緊急小口資金」と、失業した人などに月額20万円以内の生活費用を貸し付ける「総合支援資金」の2種類がある。3月25日から全国の社会福祉協議会(社協)で受け付けが始まった。 つくば市社協によると、3月25日のスタートから4月10日までに両資金併せて計207件の相談(電話含む)があった。「勤務先から休んでくださいと言われ仕事がなくなった」などの相談で、多い日は1日30件以上の相談があるという。昨年4月の緊急小口資金の利用は0件だったから皆増だ。 10日時点でつくば市社協が申請を受理し、実際に貸し付け手続きをする県社協に書類を送ったのが48件。県社協から1~2週間で振り込まれる予定だ。申請書類が不備などで保留となっているのが101件という。 一方、土浦市社協は取材に「相談件数などは集計できていない。(申し込み相談)電話が殺到している」と答えた。 同制度はこれまで低所得世帯などに限定して実施していたが、新型コロナウイルスの感染拡大による影響を受けて厚労省が対象者を拡大した。これまで利用条件が厳しかったが、ある社協職員は「申し込み基準を簡素化したことが、今回の急増につながった」と見る。 ◆緊急小口資金の利用方法 利用できるのは、新型コロナウイルス感染症の影響で収入が減少した世帯など。所得制限は設けていない。 貸付金額の上限は原則10万円だが、上限20万円まで借りられる。無利子。保証人は不要。貸付日から1年以内は返済を据え置き、据置期間が過ぎてから2年以内に分割で返済する。 申し込みは、各市町村の社会福祉協議会。収入減少が確認できる資料(給与支給明細書、自営業などは売上高を記載した書類など)が必要。 利用は1世帯あたり1回のみ。県社協で貸付審査を実施し、申込受付から約1週間程度で審査結果が出る。 ◆総合支援資金の利用方法 利用対象者は、新型コロナウイルス感染症の影響で失業などした世帯で、所得制限は設けず「店を閉めて会社務めを希望する自営業者」なども含まれる。 貸付上限額は2人以上世帯が月20万円、単身世帯が月15万円で、必要最小限の金額となる。貸付期間は原則3カ月以内。ただし、失業給付金などの支給が開始されたら、貸付は終了する。 利子は無利子で保証人は不要。据置期間・延滞利子は緊急小口資金と同じだが、償還期限は据置期間経過後10年以内と長い。 ただし、事前に自立相談支援事業等による支援を受ける必要があるため、併せて住所地の自立相談支援機関(つくば市在住者は市社会福祉課、土浦市在住者は土浦市暮らし自立サポートセンター)に相談する必要がある。 必要書類は、失業したことが確認できる資料(離職票など)▼世帯の収支状況表▼求職申込み・雇用施策利用状況確認票▼自立相談支援事業等により作成される計画書など。 つくば・土浦両市社協で申し込みを受け付け、県社協で貸付審査を実施し、約2週間程度で審査結果がでる。審査の結果では貸付できない場合もある。 ◆全国で問い合わせが急増しているのに伴い、厚労省は11日から「個人向け緊急小口資金・総合支援資金相談コールセンター」専用フリーダイヤルを開設している。電話0120-46-1999。受付時間は午前9時~午後9時、土日祝日含む。 ◆県社会福祉協議会生活支援部 029-244-4559◆つくば市社会福祉協議会 029-879-5500◆土浦市社会福祉協議会 029-822-7610

感染予防対策徹底し開園決断 つくば牡丹園

ボタン、シャクヤクの花が見ごろを迎える国内最大級のボタン庭園「つくば牡丹園」(つくば市若栗、関浩一園長)が11日開園した。新型コロナウイルスの感染拡大を受け、予防対策を徹底することで今季の開園を決断した。会期は5月24日まで。 屋外施設だが、県の外出自粛要請を受け、開園するかどうか慎重に検討してきた。マイカーで来園でき、他の来園客と接近せず園内を見て回れること、消毒液の設置やスタッフのマスク着用・検温などを徹底しながら営業することにした。屋内施設のカフェは、テーブルといすの数を昨年の6割ほど減らし、2メートル以上の間隔を空けた。 今年は園内のイベントも自粛する。7日に緊急事態宣言が発せられたことから、首都圏への広告も自重、「テレビ局からの取材もストップしている」という。 昨年はピーク時に2000人が訪れた。今年、列をつくるほどの来園者があったら入場制限なども検討する。 同園は6万平方メートルを超す敷地にボタン、シャクヤク合わせ約800種、6万株を栽培する。除草剤や殺虫剤を使わない、無農薬・酵素農法の造園管理で知られ、150歳のボタン「島の司」、新品種のシャクヤク「令和」などを栽培する。 無農薬栽培のため、オフシーズンは草取りや手入れに追わてきた。6月から9月は毎日草取り、10~11月は庭園を一部リニューアルし、株を植え付け、肥料を施す。近年の温暖化で冬場も休むことなく草取りを続け、花が開く4~5月の44日間だけ年1回開園する。関園長(59)は「365日のうち321日は苦労の日々。簡単に閉園にできなかった」という。 ボタンは4月20~25日ごろ、シャクヤクは5月10日から15日ごろ見ごろを迎えるとみられる。まだ開花したばかりだが、オープンした11日は90人ほどの来園者があった。「毎年楽しみにしている地元住民も多い。外出自粛でストレスをため込んでいる中、自然と触れ合うことでリフレッシュやストレス発散などの場になれば」と関園長は話す。 地元ファン向けに「朝の時間帯は花の美しさが格別。週末などに少し早めに入園できる機会も設けている」とアピールしている。 入園料は大人1000円(税込み)、中学生以下無料。開園時間は午前9時から午後5時まで。→つくば牡丹園のウェブサイトはこちら

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