【鈴木宏子】新型コロナウイルスへの対応で臨時休校となる子供たちの自主学習を支援しようと、つくば市は、同市で臨時休校が始まる6日から、児童・生徒の自由研究を研究者がインターネットでサポートする「つくばこどもクエスチョンオンライン」を実施する。
市内には約150の研究機関があり約2万人の研究者が働いていることから、臨時休校と春休みの6日から31日までの期間中、つくばの研究者が子供たちの自由研究をサポートする。
インターネットサイト「つくばSTEAM(スチーム)コンパス」のこどもクエスチョンオンライン上で研究者と対話しながら、子供たちが「なんでだろう」と考えたり「これをつくりたい」と思ったりなど、空想して問いや仮説を立て、探究するプロセスをサポートする。
同サイトから、研究者たちが作成した科学の面白さを分かりやすく伝える動画を、動画サイトYouTubeで見てもらう。「見えないものを見る」「原子は何からできている?」「アサガオの花色変化実験」などさまざまなテーマで最先端の科学が分かりやすく紹介されている。
メールで質問、研究者から回答
子供たちには動画を見て研究テーマを考え、自由研究の研究計画を立ててもらうという試み。同サイトから研究テーマシートをダウンロードして、研究を通して何を実現したいか、どうしてその研究をしたいと思ったのか、最初にやる研究は何か、研究をどの順番でどうやって進めるか、研究を進めるために読む本、研究のために行きたい場所などを書き込み、研究計画書をつくる。
さらに、自由研究を進める中で研究者に聞いみたいと思ったことを、同サイトの質問フォームに書いてメールしてもらう。質問に対しては研究者本人がメールで回答する予定だ。
ほかに子供たちから寄せられた質問を、研究者がリアルタイムで回答したり解説するオンライン相談会を計3回、YouTubeで配信する。質問への回答やオンライン相談会には現時点でつくばの研究者約20人と司書らが協力予定で、協力者はもっと増える見込みだという。
作成した研究計画書はメールや郵送でつくば市役所に送ってもらう。研究結果に対してではなく、研究の道筋をどのように作ったかを審査し、優れた研究計画書に「つくば研究者賞」を授与する。
研究者への質問や研究計画書の応募はつくば市内の小中学生でないとできないが、同サイトから科学の面白さを伝える動画を見たり、研究テーマシートをダウンロードして書き込むなどはだれでもできる。
同市では今年2月、子供たちが研究者のサポートを受けながら研究プランを作る科学教育体験イベント「つくばこどもクエスチョン2020」を市役所で開催した。同イベントでの体験を生かし、臨時休校中に子供たちの自由研究をオンラインで支援する。