金曜日, 7月 1, 2022
ホーム つくば グランプリは審査員長絶賛のコメディー作品 つくばショートムービーコンペ

グランプリは審査員長絶賛のコメディー作品 つくばショートムービーコンペ

【池田充雄】つくばからの文化発信と次世代の才能発掘を目指す短編映画祭「つくばショートムービーコンペティション2020」(つくば市、筑波学院大など主催)の審査結果が3日に発表された。応募総数165作品の中から「ストレスフルスイング」(監督/制作・山村もみ夫。)がグランプリに輝き、賞金10万円を獲得した。

グランプリ作の「ストレスフルスイング」は、ストレス解消のためバッティングセンターに来た男のストレスがどんどんたまっていく話。山村監督は「キャスト、スタッフ全員の力で取った賞だと思います。今後も見てくれた方の娯楽になれるような作品を作っていけたらと思います」とコメントした。同作品はつくば市の姉妹都市であるフランス・グルノーブルで開催の「第43回グルノーブル屋外短編映画祭」に出品され、渡航費が補助される。

つくば市長特別賞作品「おもいでの町」の1シーン

つくば市長特別賞を受賞したのは「おもいでの町」(監督・日原進太郎、制作・おだのこ)。旧小田小学校で開かれたワークショップ「こども映像教室~小田のまちを撮ってみよう!」から生まれた。同作品は市施設の大型ビジョンで定期上映される。当初は賞金5万円が予定されていたが、制作者の4人が小学生のため映画鑑賞券に変更された。副賞はつくば市名産品。

筑波学院大学長賞は「適度なふたり」(監督/制作・柴田有麿)。遠距離で暮らしていた新婚夫婦の初めての共同生活を通じて、夫婦になるとはどういうことかを描いた。アニメーション作品が対象のウィットスタジオアニメーション賞は「PIANOMAN」(監督・児玉徹郎、制作・ECHOES)。ショートショート部門賞は「惣菜」(監督/制作・野村穂貴)。高校生対象のワコムスチューデント賞は「蝉の声、風のてざわり」(監督/制作・﨑村宙央)。

佳作は、▽「Share the Warmth」(監督・村田朋泰)▽「LIFE」(監督・設楽馴)▽「Stability Place」(監督・福井優太)▽「裸の男」(監督・井上喜介)▽「つくばランタンアート」(監督・長浜貴男)の5作品(制作者名は省略)。市民審査員賞は今回、上映会の中止により該当なしとなった。

同コンペは10分以内の短編映像作品が対象で、映像ジャンルは自由。つくば市で撮影したカットを含む「つくば部門」、自由なテーマでオリジナリティある作品を作る「自由部門」、3分以内の作品を対象とする「ショートショート部門」からなる。一次審査を経て、2月29日に上映会と表彰式を含む最終審査会を開く予定だったが、新型コロナウイルス感染症予防対策のため中止され、審査会のみ非公開で実施された。

審査員は映画「奇跡のリンゴ」「殿、利息でござる!」などで知られるつくば市小田出身の中村義洋監督、アニメ「進撃の巨人」などで知られつくば市内に制作拠点を持つウィットスタジオ、五十嵐立青つくば市長、望月義人筑波学院大学長、つくば観光大使が務めた。

至福の時間を過ごせた

中村義洋審査員長の話 どの作品も愛にあふれ、そこに「創る意味」を見出すことができ、至福の時間を過ごさせていただいた。グランプリの「ストレスフルスイング」は脚本良し、芝居良し、編集(テンポ)良し、大いに笑わされ、第1回から個人的にこだわってきた「映画が好き! 楽しませるのが好き!」という選出基準を存分に感じさせてくれた。「惣菜」と「蝉の声、風のてざわり」は、これが高校生の作品かと驚かされた。

日原進太郎監督の話 子どもたちと一緒に制作した作品が、ワークショップ内の上映会に留まらず、賞を頂けたことが大変うれしい。子どもたちが作文に書いた思い出も、切り取った風景も、彼らの私的なものに過ぎません。しかし、人々の些細な思い出が詰まった町だからこそ、守り、残して行かなければならない。その想いを踏まえ「おもいでの町」を制作しました。このテーマはどの町にだってある普遍的なもの。小田を越えて、ぜひ多くの人に見てもらいたい。

陽性確認者数(公表日ベース)の推移

つくば市

土浦市

スポンサー

注目の記事

最近のコメント

最新記事

日本はプーチンのロシアになるのか 《ひょうたんの眼》50

【コラム・高橋恵一】プーチンのロシアの理不尽なウクライナ侵攻を見て、日本の危機と防衛力の強化が叫ばれている。よくメディアに登場する「専門家」は、防衛省関係者・自衛隊幹部OB、あるいは旧大日本帝国の残影が残る関係者が大半だ。 「専門家」の解決策は、ロシアを押し返して、妥協できるところで停戦するシナリオだろうが、それまでにどれだけのウクライナ人が死ななければならないのだろう。ロシアの兵士は何万人死ぬのだろうか。世界の穀倉地帯の混乱で飢餓に陥る人々は16億人を超すとも予測されている。 プーチン大統領は、核兵器使用もいとわないという、無茶ぶりだ。NATO欧州加盟国は、防衛費をGDPの2%に増額するという。長期戦略として効果的かどうかも疑わしいが、少なくとも今のウクライナには間に合わない。 現在の日本の防衛予算は世界第8位。取りざたされているGDPの2%になれば、米国、中国に次いで、世界3番目の軍事費大国になる。 プーチンの侵略行為が、先の大戦のナチスドイツや大日本帝国軍の行動によく似ていることを考えれば、日本の防衛力強化は軍国日本の復活ともとられ、世界や日本国民が受け入れるとは思えない。世界は、そう見るのだ。 当然、中国もロシアも北朝鮮も、対抗して防衛力を強化する。それどころか、日本を警戒する意味で、韓国、台湾、フィリピンなどとの緊張も高めてしまうかもしれない。米国も、軍事産業部門以外からは、歓迎されないのではないか。

安売りカメラ店 《写真だいすき》9

【コラム・オダギ秀】また昔の話で、ゴメン。でも、店への愛を込めて書きたいのだ。とても若いころ、写真家仲間が頼りにしていた安売りカメラ店のことだ。 新宿の裏通りのその店は、間口が2、3間ほどだったろうか、住宅のような、お店とは思えないようなところだった。ガラスの引き戸を開けて入るとカウンターがあり、商品は並んでいない、カメラや写真の材料を売る店だった。近所にかつて浄水場があったので、その名前が付けてあった。 カウンターで「トライ、長巻き、2缶」のように言うと、無口な細っこいアンチャンが奥の棚から品物を持って来てくれた。貧しいカメラマンたちには、ありがたい安売り店だった。品物は並んでいないから、何というどんな商品か、価格はいくらならいいのか、わかる者だけが出入りする店だった。プロ機材ならまず手に入ったし、価格に不満なこともなかった。安かったのだ。 1年ぐらいしてからか、天井に穴を開け、2階の倉庫から品物をひもで吊り下げるようになって、品ぞろえとスピードが少し増し、店員も2人から5人くらいに増えたと思う。 昔、写真は、フィルムという感光シートか、それを細く巻いたロールで撮影していた。フィルムはパトローネという小さな金属ケースに巻き込まれていて、パトローネには36枚撮影分のフィルム入り、というのが普通だった。 プロやそのタマゴたちはパトローネ入りではなく、ずっと長くてコスパのいい100フィート入りの缶を買い、適当な長さにフィルムを切って、使用済みのパトローネに詰め、フィルム代を安くあげるようにしていた。

つくばの坂路で実証実験 森林総研に電動四足歩行ロボット

森林総合研究所(つくば市松の里、浅野透所長)は28日、ソフトバンク(本社・東京都港区、宮川潤一社長)と取り組む「電動四足歩行ロボット」による実験を公開した。スマート林業の実現と脱炭素社会をめざし、新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)からの委託を受け、21年度からロボットの歩行実験を行っていたもので、6月から研究所内の施設で実証実験を開始した。 取り組むのは「NEDO先導研究プログラム/農山村の森林整備に対応した脱炭素型電動ロボットの研究開発」。傾斜角度が30度までの斜面の上り下りが全自動で出来るアメリカ製の四足歩行ロボットを採用して、森林環境において、高精度な自動歩行がどこまで可能になるか、通信の改善をどのように実現するか、など実地に検証する。 造林作業向けに開発 従事者の高齢化や担い手不足から、わが国の木材自給率は40%程度に留まり、国産材の供給力の強化が林業の課題になっている。近年は特に木材を伐採した後、新たに苗木を植えての「再造林」が進まないことが悩みになっているそう。 抜根や下刈りなどに人手を要するうえ、傾斜地での作業となるため労働負荷が大きい。この「造林」作業にマッチした走行性能を有するモビリティーの開発を目指している。具体的には、シカの食害対策のため設置する防鹿柵の点検、苗木の運搬、森林資源の調査・計測などの作業を想定している。 21年度は森林総研と連携協定を結ぶ北海道下川町で、造林地や急傾斜地、積雪などの環境下で電動四足歩行ロボットの歩行能力について調査・検討を行った。一定の条件下であれば斜面や障害物などがあっても安定した歩行ができることが分かった。

500号の大作も 県つくば美術館で「茨城の美術セレクション」展

茨城県で活躍中の作家たちの作品を展覧する「茨城の美術セレクション」展が28日、県つくば美術館(つくば市吾妻)で始まった。県の美術界を代表する27人の作家による日本画6点、洋画16点、彫刻5点を展示する。 今年1月に県近代美術館(水戸市)で開かれた「第12回現代茨城作家美術展」に出品した100人の中から27人、27点の作品を選抜して展示する。19日までの県陶芸美術館(笠間市)に続く移動展覧会で、来年3月1日から12日には県天心記念五浦美術館(北茨城市)開催と、それぞれ異なる作品の展示となる。 昨年の開催では約1400人が来場した。作家自身が来場者に技法や制作への思いを話す「ギャラリートーク」が毎回好評だが、今回は来場者との対面スタイルでは実施せず、会期終了後にYouTubeでトークの動画を配信予定だという。 会派やジャンルの垣根を越えた大作が一堂に会する。展示された作品の中には、500号の大きさの絵画2つで構成された筑波大学名誉教授、玉川信一さんの作品「愚者の階梯(かいてい)」や筑波大教授、仏山輝美さんが自らの顔や手をモチーフとして描いた作品「月光」など、生と死を感じさせるような作品が並ぶ。 県美術展覧会事務局(水戸市千波町)の学芸員、天羽かおるさんは「生と死のテーマは作家が生きていく中で突き当たる必然。現役の作家が今まさに感じていることを表現している。コロナ禍以後は、作品にじっくり対面し丁寧に見られている方が多くなった。肌感覚だが、以前より特に男性で、お一人で来場される方が増えているように感じる」と話す。 市内から訪れた男性は「図書館に寄ったついでに見に来た。近代的な感じの作品が多く、おもしろい展覧会」と話した。(田中めぐみ)