筑波大学(つくば市天王台)で10日午前7時45分ごろ、建物と建物の2階部分をつなぐ連絡通路(渡り廊下)の屋根が崩落した。日曜日だったことから建物内や付近に学生などはおらず、けが人はなかった。
屋根は長さ約17.5m、幅約4.7m、重さ約25t。鉄骨造りで、42年前の1975年に建設された。屋根を建物に固定していた片側の鉄筋が切れていた。原因は調査中だが老朽化によるとみられている。
屋根は3年に1度点検していた。前回2015年10月の点検では異常は確認されなかった。崩落直前も予兆などはなかったという。建設以来、改修工事などは実施されておらず、来年度予算に改修を概算要求していたという。
事故時、近くの警備員室にいた警備員がどーんという大きな音を聞き、駆け付けたところ、屋根が約2m下の2階通路に落下し、光を取り入れるための屋根のガラスが割れ、通路に散乱していた。通路手すりも一部破損し、通路に出入りする片側の建物の扉のガラスも割れた。
同大は通路付近を通行止めにし、近く屋根を撤去する方針。類似箇所が構内にどれくらいあるかについても調査を進めている。
一方、通路両側の建物では現在も授業が行われている。授業で何度も通路を行き来したという社会学類2年の女子学生は「学内でも(今回事故が起こった建物や人文社会学系棟などがある)第1エリアの建物だけ古いのではないか。何か起きる前に危険箇所を点検してほしい」と話していた。
同大広報室は「安全確保をしたので、今後、事故原因を明らかにし、類似箇所を調査したい」としている。(鈴木宏子)