金曜日, 4月 26, 2024
ホーム検索

土浦一高 -検索結果

If you're not happy with the results, please do another search.

つくば中学受験事情 分析事始め《竹林亭日乗》5

【コラム・片岡英明】5月の「つくば子どもと教育相談センター」総会で県立高校問題を5分ほど話した。すると参加者から中学受験の質問があり、それを契機に話し合いが盛り上がった。そこで今回は中学受験について考える。 中学受験の背景 つくば市は人口増の中、県立高校が削減され、そこにTX沿線開発で小中学生が激増。さらに2020年から県立付属中設置で高校入学枠の削減が追い打ちをかけた。つくば市の小中学生は自分の進路の選択肢が狭くなり、そのために中学受験に目が向いているのか。 中学受験に対する首都圏からの転入増の影響はどうか。東京の全日制高校は186校の都立より245校の私立の方が多く、その割合は4対6。私学の流れが強い。さらに187校ある私立中の133校(71%)が中高一貫。東京の中学受験の文化がつくば市にも流入しているのか。 しかし、生徒や保護者が知りたい中学受験に関して冷静な情報は少なく、素朴な疑問が解消されないまま、塾ベースの宣伝や口コミに流される傾向がある。そのため保護者にも不安がある。 そこで、「つくば市の小中学生の高校進学を考える会」は6月の学習会で、つくばの県立高校不足の周辺の問題としてデータに基づいて中学受験についても考えることにした。 中学進学者の推計 まず、最初のデータでつくば市の中学進学数を捉える。つくば市ホームページのopen data(オープンデータ)で前年の小6と次年度の市立中1年の生徒数の差を調べる。これを県立中学、県内私立中、県外私立中などへの中学進学者数とする。もちろん小学卒業時の転出や中学1年の転入もあるので概数である。 <6年間の中学進学者の推移> ▽2018年:中1=1940人、前年小6=2193人。差は253人(11.5%) ▽2019年:差は285人(12.3%) ▽2020年:差は249人(10.4%) ▽2021年:土浦一高が付属中募集開始。差は304人(12.3%) ▽2022年:水海道一高・下妻一高も付属中募集開始。差は331人(12.8%) ▽2023年:中1=2155人、前年小6=2506人。差は351人(14.0%) <上の数字から言えること> ▽つくば市では中学進学者が人数・割合ともに増加傾向 ▽23年は18年より中学進学者が約100人増 ▽22年の小6は17年より313人多く、中学進学増は小学生増に伴う面も ▽正確に把握するには転出などを含む資料や中学別の分析が必要 中学受験 学びの視点 中学受験は、つくばの生徒増・県立高不足・県立中設置・東京などの影響以外にも、生徒・保護者の希望、通学条件や費用負担、私立中や塾の指導など多くの要素が絡んでおり、単純な評価・批判はなじまない。 今は中学受験の論評よりも現状把握が先決である。子どもの気持ちを大事にしながら、まず情報を集め、丁寧に語り合うことから始めてほしい。 小中学生の学びの要点は何か? それはどこで学びのスイッチが入るかにある。生徒に学びのスイッチが入れば、高校や過去の成績に関係なく大きく伸びていく姿を見てきた。ゆえに中学受験を生徒にとっての学びの視点で考えてほしい。(元高校教師、つくば市の小中学生の高校進学を考える会代表)

つくば中学受験事情 分析事始め《竹林亭日乗》5

【コラム・片岡英明】5月の「つくば子どもと教育相談センター」総会で県立高校問題を5分ほど話した。すると参加者から中学受験の質問があり、それを契機に話し合いが盛り上がった。そこで今回は中学受験について考える。 中学受験の背景 つくば市は人口増の中、県立高校が削減され、そこにTX沿線開発で小中学生が激増。さらに2020年から県立付属中設置で高校入学枠の削減が追い打ちをかけた。つくば市の小中学生は自分の進路の選択肢が狭くなり、そのために中学受験に目が向いているのか。 中学受験に対する首都圏からの転入増の影響はどうか。東京の全日制高校は186校の都立より245校の私立の方が多く、その割合は4対6。私学の流れが強い。さらに187校ある私立中の133校(71%)が中高一貫。東京の中学受験の文化がつくば市にも流入しているのか。 しかし、生徒や保護者が知りたい中学受験に関して冷静な情報は少なく、素朴な疑問が解消されないまま、塾ベースの宣伝や口コミに流される傾向がある。そのため保護者にも不安がある。 そこで、「つくば市の小中学生の高校進学を考える会」は6月の学習会で、つくばの県立高校不足の周辺の問題としてデータに基づいて中学受験についても考えることにした。 中学進学者の推計 まず、最初のデータでつくば市の中学進学数を捉える。つくば市ホームページのopen data(オープンデータ)で前年の小6と次年度の市立中1年の生徒数の差を調べる。これを県立中学、県内私立中、県外私立中などへの中学進学者数とする。もちろん小学卒業時の転出や中学1年の転入もあるので概数である。 <6年間の中学進学者の推移> ▽2018年:中1=1940人、前年小6=2193人。差は253人(11.5%) ▽2019年:差は285人(12.3%) ▽2020年:差は249人(10.4%) ▽2021年:土浦一高が付属中募集開始。差は304人(12.3%) ▽2022年:水海道一高・下妻一高も付属中募集開始。差は331人(12.8%) ▽2023年:中1=2155人、前年小6=2506人。差は351人(14.0%) <上の数字から言えること> ▽つくば市では中学進学者が人数・割合ともに増加傾向 ▽23年は18年より中学進学者が約100人増 ▽22年の小6は17年より313人多く、中学進学増は小学生増に伴う面も ▽正確に把握するには転出などを含む資料や中学別の分析が必要 中学受験 学びの視点 中学受験は、つくばの生徒増・県立高不足・県立中設置・東京などの影響以外にも、生徒・保護者の希望、通学条件や費用負担、私立中や塾の指導など多くの要素が絡んでおり、単純な評価・批判はなじまない。 今は中学受験の論評よりも現状把握が先決である。子どもの気持ちを大事にしながら、まず情報を集め、丁寧に語り合うことから始めてほしい。 小中学生の学びの要点は何か? それはどこで学びのスイッチが入るかにある。生徒に学びのスイッチが入れば、高校や過去の成績に関係なく大きく伸びていく姿を見てきた。ゆえに中学受験を生徒にとっての学びの視点で考えてほしい。(元高校教師、つくば市の小中学生の高校進学を考える会代表)

連休中にNEWSつくばの総会を開催 《吾妻カガミ》157

【コラム・坂本栄】本サイトの会員総会を5月7日に開き、昨年度の運営実績と今年度の計画を報告しました。要点は、①アクセス数(ページビュー)は2017年秋のスタート以来毎年順調に伸びている、②しかし記事の配信本数は当初目標の1日平均3本に達していない―です。そこで、今年度は何とか1日3本台に乗せ、読者の地域情報ニーズに応えていくことを再確認しました。 記者18人、コラムニスト25人 実質初年度の2018年度に比べると、2022年度のアクセス数は4倍、ユーザー数は6倍に増えました。この間の配信数は1日平均2.4~2.7本ですから、地域の行政やイベントなどの記事1本1本、幅広い分野のコラム1本1本へのアクセス数が増えたことになります。 5年半前、本サイト設立の記者会見の際、1日何本ぐらいの記事・コラムをアップするのかと質問され、私は「朝昼晩各1本、1日3本を目標にしたい」と答えました。選挙で言えば公約ですが、まだ2本台で推移している理由は2つあります。1つは、コロナ禍でイベント類が軒並み中止され、取材対象が激減したこと。もう1つは、本サイトは商業ベースでなく非営利(NPO)ベースで運営されていることもあり、記者活動がどうしても自主的になることです。 現在登録されている記者は18人、コラムニストは25人です。今年度は記者1人1人の活動範囲を広げるとともに、引き続き記者を募る方針です。地域のネットメディアに関心がある方は声をかけてください。 地域文化に必要な過去の記録 先月、本サイトの「週間ランキング」(直近1週間のアクセス数ベスト5表示コーナー)を見ていて驚きました。数日~1週前の記事やコラムでなく、「土浦一高副校長で着任インド出身のプラニクさん」(2022年4月19日掲載)がベスト5入りしていたからです。「320人に入学許可 プラニク新校長の土浦一高・付属中」(4月7日掲載)に触発され、1年前の記事へのアクセスが増えたようです。 このように、サーバーに格納されている記事をすぐ引き出せるのはネットメディアの強みです。「記事データベースで過去記事を見る」あるいは「月別アーカイブ」コーナーを使い、過去記事にアクセスしてみてください。 アーカイブと言えば、「若手社会学者 清水亮さんが紐解く 阿見・土浦『軍都』とその時代」(3月22日掲載)で紹介された「『軍都』を生きる 霞ヶ浦の生活史 1919-1968」(岩波書店)を読んで驚きました。この本を書くに当たり、清水さんは本サイトの前身「常陽新聞」の記事を読み込んでいたからです。土浦市立図書館に保存されている常陽の記事を丹念にチェック、「軍都」のイメージを膨らませたようです。 私たちはNPOの事業目的として、「ウェブサイトでの地域ニュース発信」「イベントやプロジェクトの展開」「地域放送局などとの連携」のほか、「『常陽新聞』記事のデータベース化」も掲げています。紙の記事をデジタル化するには相当の資金が必要ですが、常陽と本サイトの連続性を実現するために、そろそろアーカイブ事業も視野に入れたいと思います。 イベントやプロジェクトも展開 「イベントやプロジェクトの展開」と言えば、私たちは昨年度末、つくばセンタービルを設計した著名建築家、磯崎新氏の追悼討論会を実行委員会の中核となって開催しました。その様子は「磯崎新さんの思考をめぐる…追悼シンポジウム」(3月20日掲載)をご覧ください。今年度は土浦市に関係するイベント(講演会?)を検討しており、準備が整いましたら告知します。(NEWSつくば理事長、経済ジャーナリスト)

連休中にNEWSつくばの総会を開催 《吾妻カガミ》157

【コラム・坂本栄】本サイトの会員総会を5月7日に開き、昨年度の運営実績と今年度の計画を報告しました。要点は、①アクセス数(ページビュー)は2017年秋のスタート以来毎年順調に伸びている、②しかし記事の配信本数は当初目標の1日平均3本に達していない―です。そこで、今年度は何とか1日3本台に乗せ、読者の地域情報ニーズに応えていくことを再確認しました。 記者18人、コラムニスト25人 実質初年度の2018年度に比べると、2022年度のアクセス数は4倍、ユーザー数は6倍に増えました。この間の配信数は1日平均2.4~2.7本ですから、地域の行政やイベントなどの記事1本1本、幅広い分野のコラム1本1本へのアクセス数が増えたことになります。 5年半前、本サイト設立の記者会見の際、1日何本ぐらいの記事・コラムをアップするのかと質問され、私は「朝昼晩各1本、1日3本を目標にしたい」と答えました。選挙で言えば公約ですが、まだ2本台で推移している理由は2つあります。1つは、コロナ禍でイベント類が軒並み中止され、取材対象が激減したこと。もう1つは、本サイトは商業ベースでなく非営利(NPO)ベースで運営されていることもあり、記者活動がどうしても自主的になることです。 現在登録されている記者は18人、コラムニストは25人です。今年度は記者1人1人の活動範囲を広げるとともに、引き続き記者を募る方針です。地域のネットメディアに関心がある方は声をかけてください。 地域文化に必要な過去の記録 先月、本サイトの「週間ランキング」(直近1週間のアクセス数ベスト5表示コーナー)を見ていて驚きました。数日~1週前の記事やコラムでなく、「土浦一高副校長で着任インド出身のプラニクさん」(2022年4月19日掲載)がベスト5入りしていたからです。「320人に入学許可 プラニク新校長の土浦一高・付属中」(4月7日掲載)に触発され、1年前の記事へのアクセスが増えたようです。 このように、サーバーに格納されている記事をすぐ引き出せるのはネットメディアの強みです。「記事データベースで過去記事を見る」あるいは「月別アーカイブ」コーナーを使い、過去記事にアクセスしてみてください。 アーカイブと言えば、「若手社会学者 清水亮さんが紐解く 阿見・土浦『軍都』とその時代」(3月22日掲載)で紹介された「『軍都』を生きる 霞ヶ浦の生活史 1919-1968」(岩波書店)を読んで驚きました。この本を書くに当たり、清水さんは本サイトの前身「常陽新聞」の記事を読み込んでいたからです。土浦市立図書館に保存されている常陽の記事を丹念にチェック、「軍都」のイメージを膨らませたようです。 私たちはNPOの事業目的として、「ウェブサイトでの地域ニュース発信」「イベントやプロジェクトの展開」「地域放送局などとの連携」のほか、「『常陽新聞』記事のデータベース化」も掲げています。紙の記事をデジタル化するには相当の資金が必要ですが、常陽と本サイトの連続性を実現するために、そろそろアーカイブ事業も視野に入れたいと思います。 イベントやプロジェクトも展開 「イベントやプロジェクトの展開」と言えば、私たちは昨年度末、つくばセンタービルを設計した著名建築家、磯崎新氏の追悼討論会を実行委員会の中核となって開催しました。その様子は「磯崎新さんの思考をめぐる…追悼シンポジウム」(3月20日掲載)をご覧ください。今年度は土浦市に関係するイベント(講演会?)を検討しており、準備が整いましたら告知します。(NEWSつくば理事長、経済ジャーナリスト)

5人の当選決まる 県議選’22つくば市区

任期満了に伴う県議選は11日投票が行われ、つくば市区(定数5)は同日午後8時20分から即日開票され、午後10時5分、5人の当選が決まった。11日の有権者数は19万2794人。投票率は過去最低の37.72%で、4年前より4.08ポイント低かった。 いずれも市議経験者の公明、無所属、つくば市民ネットの3新人が自民3現職の一角を崩し、共産現職を次点に追いやり当選を果たした。 つくば市区(定数5)選管確定当13460 星田  弘司氏 自民現④当11355 山本  美和氏 公明① 当10400 鈴木  将氏  自民現④ 当 9515 ヘイズ ジョン氏 無所属①当 8797 宇野  信子氏 つくば市民ネット①  7727 山中  たい子氏 共産現  7663 塚本  一也氏...

県議選 あす投開票

任期満了に伴う県議選は11日投開票が行われる。つくば市区(定数5)の9日夜8時までの期日前投票率は10.45%。開票は同日午後8時20分から、同市金田、桜総合体育館で即日開票される。大勢判明は午後10時10分過ぎの見通し。有権者数は4年前より約1万3000人増え、19万5232人(1日現在)。4年前の同市区の投票率は41.80%だった。 つくば市区に立候補しているのは、▽無所属新人で美術大学非常勤講師の佐々木里加氏(55)▽つくば市民ネット新人で元市議の宇野信子氏(57)=立憲推薦=▽無所属新人で前市議のヘイズ・ジョン氏(59)▽自民現職で2期目を目指す塚本一也氏(57)▽公明新人で前市議の山本美和氏(53)▽自民現職で4期目を目指す鈴木将氏(50)▽共産現職で5期目を目指す山中たい子氏(71)▽自民現職で4期目を目指す星田弘司氏(48)の現職4人と新人4人の計8人。女性候補が4人と同市区で初めて半数を占めた。 佐々木氏は、今年7月の参院選県選挙区に出馬し次点で敗れたが、県内で約16万票、つくば市でも1万6000票超を得票した。選挙戦では市内各地を回り、参院選での16万票の想いを県政に、つくばから茨城を元気に、など訴えた。 宇野氏は、市議4人を擁するつくば市民ネットが県議会初議席を目指す候補者。立憲の推薦も得て、4日には西村智奈美党代表代行が応援に駆け付けた。最終日の10日夕方からはつくば駅前で高杉徹元常総市長や木村清隆市議らが応援した。 ヘイズ氏は、市議選で3期連続でトップ当選を果たす。8年前、県議選に初挑戦したが次点で敗れ、今回再挑戦する。選挙戦は、のぼり旗を立てて自転車で走ったり、サンタクロースの格好をしたスタッフと街頭で手を振るなどした。 塚本氏は、TXと常磐線を接続してつくばと水戸を結ぶ構想を提唱、大井川和彦知事が今年度調査費を計上しTX県内延伸構想が動き出したなどの実績を強調する。最終日の10日は地元の大曽根地区や玉取地区で街頭演説した。 山本氏は、県議を4期務めた田村けい子氏の後継。告示日の2日は山口那津男公明党代表が市内4カ所を回り、さらに石井啓一党幹事長、竹谷とし子女性局長、三浦信祐党青年局長ら党幹部らが連日のようにつくば入りし応援した。 鈴木氏は市議会最大会派や五十嵐立青市長らの応援を受け、地元の筑波地区や大穂地区のほか、市全域でミニ集会、企業訪問、街頭演説をこなし、SNSを使った発信にも力を入れた。最終日の10日は筑波や大穂地区で街頭演説した。 山中氏は、告示直前に志位和夫共産党委員長、選挙中は小池晃書記局長、田村智子副委員長らが応援した。県立高校新設などのほか、コロナや物価高、格差と貧困、東海第2原発問題など政策を中心に、連日20カ所程度で街頭演説した。 星田氏は3期連続でトップ当選を重ね、今回は飯岡宏之市議らの応援も得た。3日には自民党の片山さつき参院議員らも応援に駆け付けた。地元、谷田部地区のほか市内全域を回り、最終日の10日は栄、島名、上横場で街頭演説した。 つくば市区の立候補者(定数5ー立候補者8) 佐々木里加(ささき・りか)55 美大講師 無所属 新【略歴】東京都出身、多摩美術大大学院修了。現代美術家。栃木県鹿沼市議1期を歴任。7月の参院選に出馬し次点。現在、女子美術大学非常勤講師。【公約】①高齢者の介護サービスを拡充し高齢者を大事に②教育と出産を無償化し子育て世代への支援拡充③筑波山周辺の魅力を創出し食を誘致など 宇野信子(うの・のぶこ)57 団体事務 つくば市民ネット 新【略歴】高知市出身、広島大学総合科学部卒。広島県立総合精神保健センター職員、つくば市議2期を歴任。現在つくば市民ネット運営委員。竹園【公約】①情報公開と市民参加で県政を見える化②持続可能な社会の実現③子育て・教育・福祉を充実④東海第2原発再稼働是非の県民投票実現など ヘイズ・ジョン(へいず・じょん)59 会社経営 無所属 新【略歴】カナダ出身、リジャイナ大学教育学部卒。1991年来日、英会話教師を経て、現在、外国人研究者をサポートする会社経営。市議4期。二の宮【公約】①公立高校をつくば市に新設する②再生可能エネルギーと蓄電池の活用③海外の企業・自治体と茨城の橋渡しなど 塚本一也(つかもと・かずや)57 会社相談役 自民 現①【略歴】つくば市出身、筑波大学大学院環境科学研究科修了。JR東日本社員を経て、現在、大曽根タクシー相談役、土浦一高PTA会長。大曽根【公約】①農林水産物のブランド化を進める②スクールバスを運行し県立高校の通学可能圏域拡大③新型コロナの支援策充実など 山本美和(やまもと・みわ)53 政党役員 公明 新【略歴】東京都出身、創価大学教育学部卒。同大職員を経て、市議4期。元土浦一高PTA会長、子ども食堂共同代表。松代【公約】①孤独・孤立対策のための居場所づくり②防災道の駅を誘致③子ども食堂をすべての小学校区に設置推進など 鈴木将(すずき・まさし)50 県議 自民 現③【略歴】つくば市出身、米サフォーク大中退。県議・市長秘書を経て、現在、いばらき自民党政務調査会副会長、県バレーボール協会理事、寺具【公約】①通える県立高校の適正配置や2024年募集の定員増②ケアラー・ヤングケアラー支援体制で孤独・孤立を防ぐなど 山中たい子(やまなか・たいこ)71 政党役員 共産 現④【略歴】福島県出身、日大Ⅱ部法学部卒。千葉県商工団体連合会職員、旧桜村議1期、つくば市議4期を歴任。まつぼっくり保育園後援会長。倉掛。【公約】①市内に県立高校新設し少人数学級を推進②東海第2原発再稼働ストップ③県水道料金引き下げなど物価高騰やコロナから暮らしを守るなど 星田弘司(ほしだ・こうじ)48 会社員 自民 現③【略歴】つくば市出身、明治大学大学院ガバナンス研究科修了、市議2期。現在、星田建設社員、県パワーリフティング協会会長【公約】①コロナで影響を受けた観光業や商工業支援②県立高校の定員増など教育環境整備③信号機や横断歩道設置など通学路の安全対策など

県議選告示 つくばは現新8人、土浦は現職3人が届け出

任期満了に伴う県議選は2日告示され、正午時点で、つくば市区(定数5)は現職4人と新人4人の8人が立候補を届け出て3人超の激戦に突入した。土浦市区(同3)は定数と同数の現職3人が立候補を届け出た。土浦はほかに立候補者がない場合、午後5時に当選が確定する。無投票当選は同市で過去に例がない。 つくば市区は女性候補が初めて半数を占めた。立候補を届け出たのは▽無所属新人で美術大学非常勤講師の佐々木里加氏(55)▽つくば市民ネット新人で元市議の宇野信子氏(57)=立憲推薦=▽無所属新人で前市議のヘイズ・ジョン氏(59)▽自民現職で2期目を目指す塚本一也氏(57)▽公明新人で前市議の山本美和氏(53)▽自民現職で4期目を目指す鈴木将氏(50)▽共産現職で5期目を目指す山中たい子氏(71)▽自民現職で4期目を目指す星田弘司氏(48)の8人。同市の1日現在の有権者数は19万5232人。 土浦市区は、▽公明現職で4期目を目指す八島功男氏(66)▽自民現職で2期目を目指す高橋直子氏(38)▽自民現職で6期目を目指す伊沢勝徳氏(52)の3人が立候補を届け出た。1日時点の有権者数は11万8575人。 つくば市区の立候補者(定数5ー立候補者8) 佐々木里加(ささき・りか)55 美大講師 無所属 新【略歴】東京都出身、多摩美術大大学院修了。現代美術家。栃木県鹿沼市議1期を歴任。7月の参院選に出馬し次点。現在、女子美術大学非常勤講師。【公約】①高齢者の介護サービスを拡充し高齢者を大事に②教育と出産を無償化し子育て世代への支援拡充③筑波山周辺の魅力を創出し食を誘致 宇野信子(うの・のぶこ)57 団体事務 つくば市民ネット 新【略歴】高知市出身、広島大学総合科学部卒。広島県立総合精神保健センター職員、つくば市議2期を歴任。現在つくば市民ネット運営委員。竹園【公約】①情報公開と市民参加で県政を見える化②循環型社会の実現③子育て・教育・福祉を充実④東海第2原発再稼働是非の県民投票実現 ヘイズ・ジョン(へいず・じょん)59 会社経営 無所属 新【略歴】カナダ出身、リジャイナ大学教育学部卒。1991年来日、英会話教師を経て、現在、外国人研究者をサポートする会社経営。市議4期。二の宮【公約】①公立高校をつくば市に新設する②再生可能エネルギーと蓄電池の活用③海外の企業・自治体と茨城の橋渡し 塚本一也(つかもと・かずや)57 会社相談役 自民 現①【略歴】つくば市出身、筑波大学大学院環境科学研究科修了。JR東日本社員を経て、現在、大曽根タクシー相談役、土浦一高PTA会長。大曽根【公約】①農林水産物のブランド化を進める②スクールバスを運行し県立高校の通学可能圏域拡大③新型コロナの支援策充実 山本美和(やまもと・みわ)53 政党役員 公明 新【略歴】東京都出身、創価大学教育学部卒。同大職員を経て、市議4期。元土浦一高PTA会長、子ども食堂共同代表。松代【公約】①孤独・孤立対策のための居場所づくり②防災道の駅を誘致③子ども食堂をすべての小学校区に設置推進 鈴木将(すずき・まさし)50 県議 自民 現③【略歴】つくば市出身、米サフォーク大中退。県議・市長秘書を経て、現在、いばらき自民党政務調査会副会長、県バレーボール協会理事、寺具【公約】①TX南北への早期延伸実現など交通整備②高校の早期学級増など学びの保障③ケアラー・ヤングケアラー支援計画策定 山中たい子(やまなか・たいこ)71 政党役員 共産 現④【略歴】福島県出身、日大Ⅱ部法学部卒。千葉県商工団体連合会職員、旧桜村議1期、つくば市議4期を歴任。まつぼっくり保育園後援会長。倉掛。【公約】①市内に県立高校新設し少人数学級を推進②東海第2原発再稼働ストップ③県水道料金引き下げなど物価高騰やコロナから暮らしを守る 星田弘司(ほしだ・こうじ)48 会社員 自民 現③【略歴】つくば市出身、明治大学大学院ガバナンス研究科修了、市議2期。現在、星田建設社員、県パワーリフティング協会会長【公約】①コロナで影響を受けた観光業や商工業支援②県立高校の定員増など教育環境整備③信号機や横断歩道設置など通学路の安全対策 土浦市区の立候補者(定数3-立候補者3) 八島功男(やしま・いさお)66 党役員 公明 現③【略歴】土浦市出身、創価大学法学部卒。元常陽銀行土浦ローンプラザセンター長、筑波支店長など歴任。党県本部幹事長。永国【公約】①つくば霞ケ浦りんりんロードを活用など人にやさしいにぎわいと魅力あるまちづくり②子育て応援トータルプラン策定 高橋直子(たかはし・なおこ)38 歯科医師 自民 現①【略歴】土浦市出身、日本大学医学部卒。つくばリボン歯科医院長を歴任。現在、県歯科医師連盟顧問。右籾【公約】①就学前教育の充実と小学校へのスムーズな接続②幼保施設、小学校でのフッ化物洗口など歯科口腔の健康を守る 伊沢勝徳(いざわ・かつのり)52 県議 自民 現⑤【略歴】土浦市出身、明治大学大学院公共政策学修了。狩野安参院議員秘書、党県連政務調査会長など歴任。現在、県議会議長。真鍋。【公約】①保健・福祉の充実②教育・生涯学習の充実③地場産業の育成・TX土浦延伸

土浦の写真文化を育てる プロ写真家のオダギさん【キーパーソン】

土浦市在住の写真家、オダギ秀さんが中心になって土浦写真家協会を立ち上げてから1年3カ月。先日、その会報「土浦写真家協会だより」第2号、「第17回土浦の写真コンテスト」募集チラシ、「オダギ秀写真展 旅の途中・2022秋」案内はがきが、一緒に送られてきた。そこで、土浦市観光協会主催の写真コンテストで審査員をしているオダギさんに、市の写真展のこと、写真家協会の現況、自分の写真展のことを聞いた。 写真コンテストはA4でもOK 「土浦で感動を撮ろう!!」と呼び掛ける写真コンテストの後援者には、土浦市、市教育委員会、土浦商工会議所、JA水郷つくばなどが名を連ねているが、今回から写真家協会も後援者に加わった。募集期間は24日~11月23日。審査を経て、土浦まちかど蔵「野村」(来年1月29日~3月3日)と小町の館(3月4日~3月31日)で展示される。 第1回からオダギさんは審査員を務めている。ほかのメンバーは、商工会議所副会頭、JA水郷つくば理事、市産業経済部長といった顔ぶれで、写真のプロはオダギさん1人。「コンテストの趣旨を踏まえ、土浦の魅力をPRできるものを選びたい。同時に、写真としての良さもポイントになる」と、審査基準を語る。 17回展の要項で新しくなったのは、家庭用プリンターで印刷できる「A4判(210ミリ✕297ミリ)」での応募も可能になったこと。従来は「ワイド4切(366ミリ✕254ミリ)」といった写真の規格が応募条件になっていた。「まちの写真屋が減り、写真のプリントを頼めるところが少なくなっている。スマホで撮る人にも参加しやすいように、一般的なA4サイズでも受け付けることにした」という。 「10年前を撮った写真展」? 本サイトの記事「土浦写真家協会が発足…」(2021年7月4日掲載)にもあるように、オダギさんは写真家協会の事業として、「市などが主催する写真展の後援」のほか、「街なかで開ける小規模な写真展」や「昔の写真の保存(アーカイブ)」などを計画している。 「写真展はまだ実現していないが、『たった10年前のことを撮った写真展』といった企画を議論している。10年後の写真展に向け、日常の生活風景などを、今、撮っておこうというものだ」「アーカイブの方は範囲が広く、苦労している。災害とか催事の写真は残っているが、ごく日常のものは意外と少ない。学校の制服とか、新聞配達のバイクとか…。50~100年先を考えると、そういった民俗資料的な写真を保存したい」 まだまだ続く「旅の途中」展 個人展「旅の途中・2022秋」は、11月20~27日、つくば市高野台のカフェギャラリー・ロダンで開く。「これまで、石仏の写真は古民家の文庫蔵ギャラリーで、日常を切り取った写真はカフェギャラリーで、展示してきた。ところが、好きだった文庫蔵が使えなくなってしまった。これからは、カフェの方でまとめて展示する」 「ボクの人生=旅の途中で、いろいろなシーンを見てきた。これからも、年1回のペースで『旅の途中』展を開いていきたい」 【おだぎ・しゅう】本名は小田木秀一。土浦一高、早大政経各卒。写真家。技術に裏付けられた写真に定評があり、県内写真界の指導的立場。専門はコマーシャルフォト全般およびエディトリアル。日本写真家協会(JPS)、日本広告写真家協会(APA)各会員。土浦写真家協会会長。1944年、水戸市生まれ。土浦市在住。 【インタビュー・後記】オダギさんは中高の2年先輩。中学の文化祭に出展された墓石群のモノクロ写真は今でも覚えている。放送部では米国の原爆実験を扱った番組を製作。バックに使ったムソルグスキーの「禿(はげ)山の一夜」は効果的だった。写真も音楽も表現のセンスはそのころから。(経済ジャーナリスト・坂本栄)

「詩人市川紀行の世界」が刊行される 《邑から日本を見る》122

【コラム・先﨑千尋】私の同志の1人である美浦村の市川紀行さんが、このほど「現代詩のありか-市川紀行の世界」(水戸・泊船堂)を出版した。帯に「『詩人村長』市川紀行。若き日、ランボオと出会い、以来、詩作を止める事はない。市川は、2021年『詩撰集ANTHOLOGY(アンソロジー)』をまとめた。友人4人は、所収詩を読み、詩論、感想、詩作の背景、活動を著した」とある。 今回の著作の紹介の前に、市川さんの歩みをウイキペディア風に紹介しておく。 市川さんの父は満鉄調査部社員だった。1940年に中国撫順で生まれた。戦後、牛久村(現牛久市)に帰国した。近くに住井すゑさんが住んでいて、書庫に入り浸りし、すゑさんからは「ノリちゃん」と呼ばれていた。 土浦一高から北海道大学農学部に入り、1968年に高校同級の市川昭子さんと結婚、美浦村に住む。美浦村議を経て、83年に42歳で村長に当選した。 在職中に手掛けたことは、全国初の「村の第九」演奏会などいろいろあるが、何といっても、縄文遺跡陸平(おかだいら)貝塚の保存と活用が歴史に残る大業績だ。それができたのは、セゾングループの堤清二会長と詩を通してウマが合ったこともあるようだ。99年に村長を4期で退任した。 退任後、地域劇団「宙(そら)の会」を主宰し、オリジナル創作劇公演を行った。また地方自治研究会「一望塾」を立ち上げ、市町村長や議員の育成を行った。2014年には「東海第二原発の再稼働を止める会」の共同代表になった。3年前に、心臓大動脈と弁膜の手術を受けている。 その礎には「人」があり、「愛」がある 本書は5章から成る。序論といえる市川さんの「現代詩のありか」に続いて、友人4人がそれぞれ市川さんの詩を論じ、市川像を語る。私が知らない世界がパッと現れてくる。 「言葉の旅人 散文詩『美はいつも』に寄す」を書いた波田野頌二郎さんは、北大の仲間。倉吉市役所で図書館などに勤務し、文化運動に関わった。 「詩に現われた言葉はどんな小さな言葉でも、他の言葉と出会うと新しい世界へ繋がる。それが詩の言葉の不思議というもの。言葉は詩の中で旅をする。詩人も言葉とともに旅をする。…読む私たちも」 「言葉の花摘み 『アンソロジー』へ」は山本哲士さん。茨城県近代美術館などに勤務し、現在は地域事業、観光企画などをしている。 「『アンソロジー』は、表現と出会い、思いを広げる楽しさを教えてくれた。その礎には『人』があり、『愛』がある。人としてのやさしさがあった。彼の『アンソロジー』には、彼が出会った様々な世の草花たちが、言葉という形に変わり、摘み籠に入っている」 「言語声調の激流 詩と地域を貫くもの」を書いた島亨さんは出版社・言叢社の社長。惜しむらくは、本書の出版を見ず、今年2月に亡くなった。 「透徹した表現世界の彫塑にこだわった青春期の詩篇が私たちに伝えるのは、おそらく、後年の地域文化へと深まる意思を支えた『言語声調への信』の大きさではなかったか」 「漂泊から定着へ 詩人とまちづくり」を書いた増尾尚子さんは、市川家の隣の家に生まれ、後に美浦村職員として市川さんを支えてきた。 本書はA5判186ページ、税込み1500円。川又書店(水戸市)、マスゼン書店(土浦市)、須沢書店(牛久市)、栄文堂(龍ケ崎市)で購入できるが、直接購入の場合は市川紀行さん(電話0298-85-0446)へ。(元瓜連町長)

「詩人市川紀行の世界」が刊行される 《邑から日本を見る》122

【コラム・先﨑千尋】私の同志の1人である美浦村の市川紀行さんが、このほど「現代詩のありか-市川紀行の世界」(水戸・泊船堂)を出版した。帯に「『詩人村長』市川紀行。若き日、ランボオと出会い、以来、詩作を止める事はない。市川は、2021年『詩撰集ANTHOLOGY(アンソロジー)』をまとめた。友人4人は、所収詩を読み、詩論、感想、詩作の背景、活動を著した」とある。 今回の著作の紹介の前に、市川さんの歩みをウイキペディア風に紹介しておく。 市川さんの父は満鉄調査部社員だった。1940年に中国撫順で生まれた。戦後、牛久村(現牛久市)に帰国した。近くに住井すゑさんが住んでいて、書庫に入り浸りし、すゑさんからは「ノリちゃん」と呼ばれていた。 土浦一高から北海道大学農学部に入り、1968年に高校同級の市川昭子さんと結婚、美浦村に住む。美浦村議を経て、83年に42歳で村長に当選した。 在職中に手掛けたことは、全国初の「村の第九」演奏会などいろいろあるが、何といっても、縄文遺跡陸平(おかだいら)貝塚の保存と活用が歴史に残る大業績だ。それができたのは、セゾングループの堤清二会長と詩を通してウマが合ったこともあるようだ。99年に村長を4期で退任した。 退任後、地域劇団「宙(そら)の会」を主宰し、オリジナル創作劇公演を行った。また地方自治研究会「一望塾」を立ち上げ、市町村長や議員の育成を行った。2014年には「東海第二原発の再稼働を止める会」の共同代表になった。3年前に、心臓大動脈と弁膜の手術を受けている。 その礎には「人」があり、「愛」がある 本書は5章から成る。序論といえる市川さんの「現代詩のありか」に続いて、友人4人がそれぞれ市川さんの詩を論じ、市川像を語る。私が知らない世界がパッと現れてくる。 「言葉の旅人 散文詩『美はいつも』に寄す」を書いた波田野頌二郎さんは、北大の仲間。倉吉市役所で図書館などに勤務し、文化運動に関わった。 「詩に現われた言葉はどんな小さな言葉でも、他の言葉と出会うと新しい世界へ繋がる。それが詩の言葉の不思議というもの。言葉は詩の中で旅をする。詩人も言葉とともに旅をする。…読む私たちも」 「言葉の花摘み 『アンソロジー』へ」は山本哲士さん。茨城県近代美術館などに勤務し、現在は地域事業、観光企画などをしている。 「『アンソロジー』は、表現と出会い、思いを広げる楽しさを教えてくれた。その礎には『人』があり、『愛』がある。人としてのやさしさがあった。彼の『アンソロジー』には、彼が出会った様々な世の草花たちが、言葉という形に変わり、摘み籠に入っている」 「言語声調の激流 詩と地域を貫くもの」を書いた島亨さんは出版社・言叢社の社長。惜しむらくは、本書の出版を見ず、今年2月に亡くなった。 「透徹した表現世界の彫塑にこだわった青春期の詩篇が私たちに伝えるのは、おそらく、後年の地域文化へと深まる意思を支えた『言語声調への信』の大きさではなかったか」 「漂泊から定着へ 詩人とまちづくり」を書いた増尾尚子さんは、市川家の隣の家に生まれ、後に美浦村職員として市川さんを支えてきた。 本書はA5判186ページ、税込み1500円。川又書店(水戸市)、マスゼン書店(土浦市)、須沢書店(牛久市)、栄文堂(龍ケ崎市)で購入できるが、直接購入の場合は市川紀行さん(電話0298-85-0446)へ。(元瓜連町長)

山本美和市議が県議選立候補へ つくば市区

つくば市9月議会最終日の6日、山本美和氏(52)=公明=が市議を辞職した。任期満了に伴い12月2日告示、11日投開票で行われる県議選つくば市区(定数5)に同党公認で立候補する。県議を4期16年務める同党の田村けい子氏の後任候補となる。 山本氏は「教育や福祉など基礎自治体の現場でいろいろなことを進めていくためには、県議会や県の取り組みや支えが大きい。市議の経験を生かして県議会に挑戦していきたい」などと話す。 教員を目指し教育学部で学んだ経験から、教育の大切さを強調し、不登校や発達障害などのほか、教員のなり手不足など教育現場の課題に対し「県という単位で、教育の根本に向き合い、できる限りのことをやっていきたい」と語る。 公約として①いじめ、虐待、ひきこもり、ヤングケアラー、産後うつ、一人暮らし高齢者、外国人などの孤独、孤立対策のための居場所づくり②国際会議等の誘致を図り、つくばの自然観光の魅力度アップ③県立高校対策、教員不足対策、特別支援教育、多様な学びの場など適正な教育環境の整備ーなどを掲げる。 山本氏は東京都練馬区出身、創価大学教育学部卒、同大学職員を経て、市議を4期14年務め、副議長などを歴任した。ほかに県立土浦一高PTA会長を務めた。現在、党県本部女性局次長。 県議選つくば市区をめぐっては、現職5人のうち星田弘司氏=自民=、鈴木将氏=同=、山中たい子氏=共産=、塚本一也氏=自民=の4人が再選を目指しているほか、新人で元つくば市議の宇野信子氏(57)=つくば・市民ネットワーク=が立候補を表明している。ほかに複数の名前が挙がっている。

土浦の旧村部に住む 先端企業会長の権右衛門さん【キーパーソン】

研究機関向けの電子顕微鏡や計測機器では世界有数の日本電子(JEOL)。その会長兼取締役会議長、栗原権右衛門さんの自宅は土浦市の旧村部にある。お盆休みに時間を取ってもらい、同社の製品や土浦・つくば地区との関わりについて聞いた。築170年の古民家(当主は代々権右衛門を名乗る)は栗林などで囲まれ、涼しい風が通る。 JEOLは一般向けの商品を作っている会社ではないので、どんな会社なのかあまり知られていない。しかし、国や民間の研究機関には必須の理科学・計測機器を製造していることもあり、研究者で知らない人はいない。代表的なものは高性能の電子顕微鏡だが、最近は高度な半導体製造装置も手掛け、この分野では世界トップクラス。 ノーベル賞学者にも解析装置を納入 最新の電子顕微鏡としては、タンパク質などの生体試料を凍らせたまま観察できる『クライオ(CRYO)顕微鏡』がある。その機能などは、本サイトの「創薬研究に産学拠点 筑波大 クライオ電子顕微鏡お披露目」(3月16日掲載)に詳しい。筑波大、東京大、大阪大、東北大、九州大などの有力大学のほか、国の主要な研究機関で使われている。気になる価格だが、1セット数億円するという。 「JEOLの看板は電子顕微鏡だが、営業担当の駆け出しのころ、私は有機化学構造を解析する『核磁気共鳴装置(NMR)』を売っていた。ノーベル賞をもらった野依良治先生(2001年化学賞)や大村智先生(2015年生物学賞)にも購入いただいた」「野依先生がある会合で『日本の化学が世界の上位にあるのは、日本には優れたNMRメーカーがあるからだ』と言われたときは、うれしかった。その会社はJEOLを指すからだ」 学園都市・筑波支店の重要度は高い JEOLは国内に9支店、海外に23オフィスを配している。筑波支店(つくば市東新井)の場所は「とんかつとんQつくば本店」の東隣。「私も4年ほど支店長として研究機関営業をやった。営業活動と機器保守のため、今は30人ほどの所帯。取扱高は9支店の真ん中ぐらいだが、レベルの高い研究者とのお付き合いもあり、支店としての重要度は高い」 権右衛門さんが土浦生まれということもあり、JEOLは地域の学校に電子顕微鏡を持ち込み、生徒に使ってもらっている。本サイトの「電子顕微鏡でミクロの世界を体験 土浦一高で科学実験講座」(2021年12月4日掲載)で紹介した理科支援は、土浦一高では3回目。土浦市内の都和小学校や中村小学校でも体験教室を開いた。 ちなみに、理科支援用の『走査電子顕微鏡』でも1000万円ぐらいするというから、小中高が理科教室に常備するのは難しい。 今の稼ぎ頭は高度な半導体製造装置 JOELの製品案内冊子には、計測機器、産業機器、医療機器が記載されているが、今一番の稼ぎ頭は、産業機器の一つ、半導体製造装置。「半導体はシリコンウェハーに回路を焼き付けて作る。そのネガフィルムに当たるものを製造する『電子ビーム描画装置』では世界市場をほぼ独占している。九州・熊本に工場を建設中のTSMC(台湾積体電路製造)、米国のインテル、韓国のサムソンから、矢の催促を受けている」 ロジックIC(論理素子)製造にはこの装置が必要で、経済安全保障の観点からも注目されている。「政府も気になるらしく、関係省庁や与党の関係議員から、いろいろ声が掛かる」という。 【くりはら・ごんえもん】1948年、土浦市小山崎生まれ。土浦一高、明治大商学部各卒。1971年、日本電子(本社・東京都昭島市)入社。筑波支店長などを経て、2008~2019年、社長。2019年~2022年6月、会長兼最高経営責任者。現在は会長兼取締役会議長。自宅は「ペリー来航の前年に焼け、建て直した」という生家。蔵にあった小田家15代・氏治の150回忌(1750年ごろ)文書には権右衛門の名がある。 【インタビュー後記】権右衛門さんが面白いのは、技術出身でなく営業出身であること。現役のころ、自動車、航空機・武器、造船・海洋機器などの産業を担当したが、トップは一様に技術者の出身。ある高名な社長に「もっと勉強してから来い」と怒られたことも。このインタビューは話がわかりやすくて助かった。(経済ジャーナリスト・坂本栄)

「気韻生動」という写真集 《写真だいすき》10

【コラム・オダギ秀】またまた昔の話で恐縮してしまうが、古い写真集の話をする。ボクにとっては貴重な写真集で、見ていると、つい涙してしまうのだ。 「気韻生動(きいんせいどう)」という写真集がある。(この意味は、気品がいきいきと感じられること=広辞苑) 旧土浦中学(現茨城県立土浦第一高校)の、まさに気韻生動なゴシック本館を、昭和30年前後に卒業した奥村好太郎氏と大久保滋氏が6年にわたって撮影し、設計をした駒杵勤治(こまぎね・きんじ)と建築を請けた石井権蔵(いしい・ごんぞう)とにささげた写真集である。小さな自費出版写真集なのでほとんど知られていない。だが、この写真集からあふれる熱い思いには、ボクはいつ見ても、涙するような気持ちになるのだ。 「気韻生動」と名付けられたこの写真集は、昭和63年以来撮影され、平成6年に刊行された。 旧土浦中学校本館は、明治37年、駒杵勤治氏によって設計され、石井権蔵氏によって建築された美しいゴシック様木造建築で、90年にわたり勉学の場となっていて、昭和51年、国の重要文化財に指定された。質実剛健の時代に、この建築の斬新さ、美しさはひときわ魅力的であったろう。 今なおきちんと保存されており、この地には、この校舎で学んだという者が少なくない。だから、奥村、大久保の両氏が、雪の日の1枚、夜の1枚、花の1枚、枯れ葉散る1枚に、光に影に、どれほどの熱意を込めて撮影されたのかと思う。この校舎で学び暮らした筆者(卒業生)も、ここにこそ自分の青春があったという思いに駆られ、つい涙してしまうのだ。 四季の移ろい、桜散る学び舎、樹木のやすらぎ、凛(りん)然とした教室の1枚1枚が、ここで学んだ日々を、鮮明に甦(よみがえ)らせる。 かけがえのない写真 この写真集は、昭和が終わり平成に替わった頃の撮影だから、奥村、大久保の両氏は、ひときわ時の流れを感じながらの制作であったのかも知れない。両氏の眼には、単なる校舎ではなく、自分たちの青春、いや人生の様々な場面そのものが見えていたに違いない。だから、限りない情熱を傾けて撮影されたのだろう。 写真集のなかには、雪景を撮った日の苦労話や、設計者・駒杵勤治には実子がなかったが、81歳の養女・駒杵幸子さんが広島から駆けつけられたことなどが記されている。 建築の技存分に発揮して本望ならん死したる父は 駒杵幸子(同集序から) 写真の評価は、基本的にその技術では決まらない。大切か、佳(よ)い写真か否かは、その写真を見る者、所有する者によって大きく左右されることが多い。他人には面白くも何でもない孫や子の写真が、その親や祖父母にとっては、かけがえのない大切な写真であることが少なくないのと同じだ。 土浦一高を卒業したボクらにとっては、この写真集は、自分の人生を懐かしむにとどまることなく、人生そのものを写した、大切な写真集となっている。 あなたにも、かけがえのない写真があると思う。写真は、時の証しであったり、人生の、いや人生そのものであったり、励ましであったりする。過ぎてしまった人生のシーンを甦らせてくれる人生の証しそのものなのだ。いつまでも、写真は大切にしてほしい。 「気韻生動」という写真集が存在してくれたことに、ボクはたまらなく感謝している。(写真家、日本写真家協会会員、土浦写真家協会会長)

「気韻生動」という写真集 《写真だいすき》10

【コラム・オダギ秀】またまた昔の話で恐縮してしまうが、古い写真集の話をする。ボクにとっては貴重な写真集で、見ていると、つい涙してしまうのだ。 「気韻生動(きいんせいどう)」という写真集がある。(この意味は、気品がいきいきと感じられること=広辞苑) 旧土浦中学(現茨城県立土浦第一高校)の、まさに気韻生動なゴシック本館を、昭和30年前後に卒業した奥村好太郎氏と大久保滋氏が6年にわたって撮影し、設計をした駒杵勤治(こまぎね・きんじ)と建築を請けた石井権蔵(いしい・ごんぞう)とにささげた写真集である。小さな自費出版写真集なのでほとんど知られていない。だが、この写真集からあふれる熱い思いには、ボクはいつ見ても、涙するような気持ちになるのだ。 「気韻生動」と名付けられたこの写真集は、昭和63年以来撮影され、平成6年に刊行された。 旧土浦中学校本館は、明治37年、駒杵勤治氏によって設計され、石井権蔵氏によって建築された美しいゴシック様木造建築で、90年にわたり勉学の場となっていて、昭和51年、国の重要文化財に指定された。質実剛健の時代に、この建築の斬新さ、美しさはひときわ魅力的であったろう。 今なおきちんと保存されており、この地には、この校舎で学んだという者が少なくない。だから、奥村、大久保の両氏が、雪の日の1枚、夜の1枚、花の1枚、枯れ葉散る1枚に、光に影に、どれほどの熱意を込めて撮影されたのかと思う。この校舎で学び暮らした筆者(卒業生)も、ここにこそ自分の青春があったという思いに駆られ、つい涙してしまうのだ。 四季の移ろい、桜散る学び舎、樹木のやすらぎ、凛(りん)然とした教室の1枚1枚が、ここで学んだ日々を、鮮明に甦(よみがえ)らせる。 かけがえのない写真 この写真集は、昭和が終わり平成に替わった頃の撮影だから、奥村、大久保の両氏は、ひときわ時の流れを感じながらの制作であったのかも知れない。両氏の眼には、単なる校舎ではなく、自分たちの青春、いや人生の様々な場面そのものが見えていたに違いない。だから、限りない情熱を傾けて撮影されたのだろう。 写真集のなかには、雪景を撮った日の苦労話や、設計者・駒杵勤治には実子がなかったが、81歳の養女・駒杵幸子さんが広島から駆けつけられたことなどが記されている。 建築の技存分に発揮して本望ならん死したる父は 駒杵幸子(同集序から) 写真の評価は、基本的にその技術では決まらない。大切か、佳(よ)い写真か否かは、その写真を見る者、所有する者によって大きく左右されることが多い。他人には面白くも何でもない孫や子の写真が、その親や祖父母にとっては、かけがえのない大切な写真であることが少なくないのと同じだ。 土浦一高を卒業したボクらにとっては、この写真集は、自分の人生を懐かしむにとどまることなく、人生そのものを写した、大切な写真集となっている。 あなたにも、かけがえのない写真があると思う。写真は、時の証しであったり、人生の、いや人生そのものであったり、励ましであったりする。過ぎてしまった人生のシーンを甦らせてくれる人生の証しそのものなのだ。いつまでも、写真は大切にしてほしい。 「気韻生動」という写真集が存在してくれたことに、ボクはたまらなく感謝している。(写真家、日本写真家協会会員、土浦写真家協会会長)

つくば市長に「NO」を突きつける 元研究者の酒井さん【キーパーソン】

五十嵐つくば市長の施策や行状はおかしいと、水戸地裁に3件の住民訴訟を起こしている酒井泉さん。この市長では研究学園都市がダメになると、今度は市長解任(リコール)の署名活動に踏み切った。「理系の頭脳」で物事を整理して考える酒井さんに、五十嵐市長のどこが問題なのか話してもらった。 市にはもうまとまった土地がない 3つの住民訴訟は、①つくばセンタービル改修は10億円超の大型事業であるのに必要な行政手続きを怠った(2021年8月) ②市長1期目の「22円退職金」は市の財政に624万円の損失を与えた(2022年1月) ③運動公園用地の民間売却は議会の議決を得ておらず違法である(2022年5月)―といった内容。①と③は市の施策の問題、②は市長の行状の問題といえる。 これら住民訴訟は「月1回ぐらい(裁判官と原告・被告弁護士の間で)書面によるやり取りをしている。判決が出るまで通常は2年ぐらいかかる。したがって(五十嵐市長2期目の任期が切れる)2024年秋までには、各裁判の勝ち敗けがわかる」。五十嵐市政2期目の後半は、これら「時限爆弾」が破裂するか、それとも不発に終わるか、目を凝らす必要がありそうだ。 リコール署名活動(7月11日~8月10日)開始前に配られたチラシでは、市長解任の理由を列挙しているが、住民訴訟③の運動公園用地売却に対する「怒り」に多くのスペースが割かれている。これは研究学園都市への「想い」の裏返しか。 「運動公園用地を売ってしまうと、もう、つくば市にはまとまった土地はない。新たなプロジェクトを企画することは不可能になる」「それは学園都市の発展の可能性がなくなることを意味する」「運動公園用地は公共用でなくなり市民が使えなくなる」「何よりも学術系区域が物流基地になり学園都市の品格が失われる」 情報統制、政治宣伝、大衆迎合 酒井さんは、五十嵐市政の施策や市長の行状だけでなく、その手法も問題だという。現市政を念頭に「民主主義を壊すのは、インフォメーション・コントロール(情報統制)、プロパガンダ(政治宣伝)、ポピュリズム(大衆迎合)の3つだ」と述べ、情報統制の例として、元市議が発行した市政チェック紙を名誉毀損で訴えたことを挙げた。そして「これは市政批判に対する計算された弾圧だ」と。 プロパガンダの例については「『広報つくば』や『かわら版』には、市に都合の悪いことは書かず、施策について一方的に宣伝を行い、言い訳と自己正当化を繰り広げている」と指摘。ポピュリズムの例としては「市長選で市民の受けを狙った」退職金辞退(結果は22円)を挙げた。 面白いのは、今夏に五十嵐市長を解任に追い込み、秋口の市長選に持ち込むことで、「市長と市議の同時選挙」を分離したいと主張している点。「つくば市では市長と市議の同時選挙という変則的な市政選挙が続いている。これだと市長と市議の一体化が進み、市長の力が強化される。また、市民には選挙で市政に参加する機会が4年に1度しかない。この際、この欠陥を直したい」。ついでに選挙改革もやりたいようだ。 【さかい・いずみ】土浦一高、東北大工学部各卒。日立電線(現日立金属)研究員、高エネルギー加速器研究機構准教授を経て、2003~13年福井大教授(加速器工学)。工学博士(東北大)。2020年秋の市長選に出馬するも落選。現在「桜中部まちづくり協議会」副会長。1948年桜村(現つくば市)生まれ。実家に在住。 【インタビュー後記】実は運動公園用地が110億円で売却されたことがQ&Aの中心に。私も学園都市の土地バブルに注目していたのでこの議論は有益だった。最低売却価格68.5億円の用地が+40億円で売れたことは土地バブルの証左。インフレはこれから本番だから110億円の土地はもっと値上がりしそう。得するのは外資系倉庫会社、損するのは土地を手放したつくば市?(経済ジャーナリスト・坂本栄)

市民の集いに市長、県議、市議ら集結 「つくばに県立高校を」テーマに意見交換

つくば市に県立高校の新設や既存校の定員増などを求めている市民団体「つくば市の小中学生の高校進学を考える会」(片岡英明代表)の第3回市民のつどいが19日、つくば市内で開かれた。市民のほか、五十嵐立青市長、つくば市区選出の県議5人全員と、市議のほぼ半数が勢ぞろいし、これまでの取り組みを報告したり、意見交換などをした。 人口が急増するつくば市で、県立高校が少ないため、中学卒業者の6人に1人しか市内の県立高校に通えない実情となっていること、県が新たに中学卒業者数の推移を推計し直した結果、2030年のつくばエリア(つくば、つくばみらい、守谷、常総市)の中学校卒業者数が、2022年と比べ800人増加する見込みであることが今年3月の県議会で新たに明らかになったことなどを受けて開催された。 800人増、不足さらに深刻 片岡代表は「県は2019年2月の県立高校改革プランで、つくばエリアの中学卒業者が440人増えると推計し、2026年までに2クラス(80人)増を計画し、つくば工科高校を来年4月から2クラス増とするが、(800人増加するにもかかわらず)2クラス増だけでは、エリア外に進学する中学卒業者がますます増え、県立高校の不足はさらに深刻になる」と指摘した。 さらに、つくば市内に県立高校が少ないないため、隣接市の県立高校に通うことになり、土浦市や牛久市などの中学卒業者にも大きな影響を与えていることを数字を示し明らかにした。 「県の英断を待つ」 県県南地区PTA連絡協議会の樋口弓子さんは「東京から移住してきた時はつくばに高校がないと考えたこともなかった。並木高校が中等教育学校になり、上郷高校が統合されて2校がなくなった。(転居してきた)新しい人たちは、つくば市に希望がないと思ったらすぐに離れる」などと話し、五十嵐市長に「市立高校をつくったらいかがか」と提案した。 五十嵐市長は「県には正しい数字をもとに推計してほしいとお願いしていた。県はつくば市が出した数字に基づいて(800人増えるという新しい推計を)出してくれた」とした上で、市立高校の新設要望について「市内で小中学校を5校建設中。中根金田台でも1校つくる。6校で300億円からの事業となる。市の予算は1000億円、県の予算は市と比較にならない。(県の)英断を待つしかないと思っている」などと話し、市立高校新設は困難だと退けた。一方、市役所に県立高校問題の担当者を置いたことを説明し「総務部のエースを担当にした。皆さんとコミュニケーションをとりながらできるだけ(県に)働き掛けをしていきたい」などとした。 つくば市区選出の星田弘司、田村けい子、鈴木将、山中たい子、塚本一也県議もそれぞれ、これまでの取り組みや意見を話した。「県からはTX沿線に県立高校を新たにつくるという答弁はなく、つくばエリアの中学卒業者は増えるが、周りのエリアは減る、という言い方をしている」(山中県議)など、県の現在の対応を問題視する報告もあった。 参加した市民からは「土浦一高の生徒の5割がつくば市からきており、地元の人が入れなくなっている。周辺部の県議と危機感を共有してほしい」などの意見が出た。 同会は昨年5月に第1回市民のつどいを開催し、昨年のつくば市議会9月議会に、市内に県立高校を早急に設置することなどを求める請願を出した。全会一致で採択され、10月に知事に意見書が出された。今年3月の県議会では2人の県議がつくば市の県立高校不足問題をただした。さらに市に対し、県立高校問題の担当係や部署を設置するよう要望し、実現させた。 片岡代表は「市民の集いで出た意見をもとに、県に新たに要望書を出していきたい」などと話している。(鈴木宏子)

コロナ特需で年商100億円突破 一誠商事の五十嵐さん【キーパーソン】

一昨年来のコロナ禍で東京から茨城に移る人が増え、つくば市の住宅需給は「バブル」状態と知り、県南を中心に不動産業を展開している一誠商事の五十嵐徹社長にその実態を聞いた。予想通り、今6月期決算は売り上げ・利益とも過去最高になり、売上高は初めて100億円(グループ4社合計)を突破するという。コロナは飲食業や観光業にはマイナス要因だったが、TX沿線の不動産業にはプラスに働いたようだ。 改修戸建てを相場以上の5000万円で販売 インタビューでは、好収益の背景にある数字を2つ例示してくれた。不動産ビジネスの柱ともいえる賃貸と売買に関する数字だ。 「コロナ特需」によって、コロナ前は10%だった賃貸アパートやマンションの空室率が、今期(2021年7月~2022年6月)は7%に下がったという。一誠が管理する部屋数は2万4000室あるから、空室率が3%ポイント改善すると、賃貸料が入る部屋が700室強増え、一誠の手数料収入がその分増える。 競売で落とした、地元相場では2千万円台の中古平屋(つくば市内、敷地330平方メートル、ガレージ付き建物150平方メートル)をリフォーム。5000万円で売りに出したところ、東京の会社員が飛び付いた。在宅の仕事が増え、つくば市への移住を考えていたこの人、それでも東京に比べ安い住宅に感激。「ああ安!」と言ったそうだ。 空室が埋まり、相場が強い背景について「TXに乗れば、つくばから東京まで1時間そこそこ。テレワークが進み、通勤時間や距離など住宅選びのこれまでの基準が、コロナで変わった。住まい選びで、プライベートで過ごす時間の優先順位が高くなり、自然環境や教育環境が好感されていることも大きい」と語る。 1億7千万円の駅前マンションも大人気 「バブル」は賃貸室や戸建てだけでない。つくば駅近くの旧西武裏手に建設中の分譲マンションは「即完売だったそうだ。最上階=広さ140平方メートル、バルコニー100平方メートル=は1億7000万円で売れ、それも10本以上の申し込みがあったと聞く」。その隣りに建設中のマンションの第Ⅰ期販売も即完売だったという。 つくば駅周辺の公務員宿舎跡の開発はこれから本格化する。人気マンションの買い手は、自分の居住用だけでなく、貸して家賃を稼ぐ投資用が20~30%。そういった空き室の借り手探しや、売りに出た部屋の買い手探しが増えると、地元物件に強い一誠の売買仲介の仕事も増えそうだ。 TX駅周辺には住宅用の土地がない つくばの住宅「バブル」の背景は、強い買い(需要増)だけでなく、物件の不足(供給減)にもある。「住宅用地もめちゃくちゃ売れており、最近、不動産業者が顔を合わせると、『売り物、何か出た?』が合い言葉になっている」。宅地が極端な供給不足になっているからだ。 TX沿線の土地は県あるいはUR都市整備が開発。それを住宅メーカーなどが払い下げてもらい、宅地用に分譲してきた。ところが、「駅周辺の分譲はほぼ終わり、区画整理区域に宅地がない」。コロナが収まり需要が落ち着いても、宅地不足は簡単に解決されそうにない。公務員宿舎跡の順次放出はあるものの、静かな「バブル」はまだ続きそうだ。 【いがらし・とおる】1975年、土浦市生まれ。県立土浦一高、法政大経済学部各卒。2003年、父が1979年に創業した一誠商事に入社。2011年から代表取締役。現在、(公社)土浦法人会・つくば地区青年部会長。つくば市在住。本社はつくば市竹園、グループ従業員は320人。 【インタビュー後記】営業店は県南10店+水戸1店。1年前、千代田区岩本町に東京支店を開設。都内や千葉に賃貸・売却用のビルを建設中。住宅の賃貸・売買を主とする「まちの不動産店チェーン」から、住宅のほかビル・工場・倉庫も扱う首都圏の「総合不動産会社」に変わりつつある。アグレッシブな2代目社長の話を聞くと、地域の不動産事情がよく分かる。(経済ジャーナリスト・坂本栄)

6/28-7/24 茨城県が生んだ高校野球の名将~木内幸男追悼展

2020年11月に89歳で逝去した木内幸男さんの数々の功績を振り返る。 木内さんは土浦市出身。土浦一高野球部で主将を務め、その後、同校の監督を皮切りに、取手二高、常総学院高を率いた。甲子園では通算40勝、3度の全国制覇を果たした。 追悼展では、甲子園の優勝旗や優勝盾、監督として指揮を執る写真などを展示するほか、教え子である元プロ野球選手の仁志敏久さんや金子誠さんなどゆかりの人が木内さんとの思い出や人柄を語った動画を放映する。等身大パネルと一緒に記念撮影ができるコーナーもある。

パチンコ店⇒フィットネスジム 土浦駅前ビルの高橋さん【キーパーソン】

JR土浦駅の前にある7階建ての商業ビル。1~2階にあったパチンコ店が昨年5月に撤退。両フロアーは空いたままになっていたが、この4月、2階にフィットネスジムが開業した。以前は全館「丸井土浦店」だった駅前ビルのテナントの推移を知ることで、商都・土浦の盛衰を知ろうと、このビル(東郷ビル ぷらっと)のオーナー・高橋信子さん(東郷商事社長)に話を聞いた。 駅前の特性を生かし自らジムを開設 2階にオープンした会員制ジムは、24時間使える「Plat Fit(ぷらっと フィット)24」と、インストラクターによるレッスン(午前10時~午後10時)も受けられる「Plat Pilates(ぷらっと ピラティス)」の2つのコース。200坪(660平方メートル)の広いフロアーには各種マシンが置かれ、映像・音声に合わせて自由に運動できるスタジオと、指導員に教わりながら専用マシンを使って運動するスタジオがある。 最近、この種のジムは増えているが、フランチャイズ(親会社・加盟店方式)のものが多い。高橋さんによると、Platは専門家の知恵を借りながら、自分のアイデアも入れて設計した施設と言う。東郷商事にとっては、従来のフロアー貸しではなく、フロアーを自ら活用する新しい試みになる。 JRを利用する通勤者・通学生には常時利用可能。駅の東口(霞ケ浦側)と西口(市街地側)に林立するマンションの住民には徒歩圏内。駅前ビルの特性を生かしながら、高層住宅街化する土浦駅周辺を強く意識した事業といえる。 「丸井」⇒パチンコ+飲食+カラオケ 東郷ビルに「駅の前の」百貨店・丸井が入っていたのは、1968~2004年の36年間。土浦が茨城県南の中心として繁栄していたころだ。1~7階には、紳士服・婦人服、インテリア・家具、時計・メガネ、その他の店が並び、屋上には遊園地もあった。大家さん・東郷商事にとっては夢のような時代だった。 丸井撤退後、建物を所有する3社(丸井+東郷商事+地元不動産会社)はビルの売却も考えた。しかし、話がまとまらず、東郷商事が全所有権を買い取り、2年後の2006年、いろいろな店が入る複合ビルとして再オープン。その後、店の入れ替わりはあったものの、1~2階にパチンコ店が入り、3~7階を飲食店やカラオケ店などが使うという形が続いた。 1年前のパチンコ店撤退について、「若い人を中心にゲームや賭け事のスマホ化が進み、パチンコ人口が減少。加えて、パチンコ店の大型化・郊外化が進み、テナントがいずれ店を閉めることは覚悟していた」と言う。 この1年間、1~2階をどう埋めるか検討した結果、2階は自社運営のスポーツジムに。1階には複数の店を入れることを考え、コンビニ、ブランド・カフェ、コインランドリーなどの誘致を図ってきたが、まだテナントは決まっていない。マンション住民や通勤者・通学生が利用する、新しい「土浦スタイル」に合う店に使ってほしいようだ。 【たかはし・のぶこ】土浦一高卒。中央大学文学部(心理学専攻)卒後、幹部候補生として海上自衛隊に入隊。幕僚監部広報班や実科学校などに5年。2尉で退官した後、日本生命に15年勤務(フィナンシャルプランナー資格を取得)。2007年、父親が経営する有限会社東郷商事に戻り、取締役。2013年から代表取締役。1956年、土浦駅前生まれ、同市並木在住。 【インタビュー後記】高橋さんがオーナーの会社がなぜ東郷商事なのか? 以前から不思議に思っていたが、今回のインタビューでそれが氷解した。鹿児島出身の祖父が先の大戦が始まった年(1941年)、土浦駅前にあった東郷旅館を買い取り、霞ヶ浦海軍航空隊相手の商売を開始(宿泊客の多くは海軍関係、海軍に食料品を納入する「御用商人」も)。旅館は日露海戦の英雄・東郷平八郎の姓を使った屋号だったらしく、同じ薩摩出身の祖父も気に入ったようだ。1958年、父親が旅館のそばに東郷食堂を開業。そして1967年、「丸井のビル」を他2社と共有する東郷商事を設立。戦前は海軍の街だった土浦―海軍元帥の姓をもらった社名―海軍の階級なら中尉だった高橋さん。このつながりが分かっただけでも有益な時間だった。(経済ジャーナリスト・坂本栄)

行ったり来たり 回ったり 《見上げてごらん!》1

【コラム・小泉裕司】「ドンとなった花火だ きれいだな 空いっぱいに広がった」。童謡「花火」(作詞・井上赳、作曲・下総皖一、1941年発表)の歌い出し。打ち上げ花火の轟(ごう)音をオノマトペで、開いた大輪の豪快さや美しさを最短のフレーズで素直に伝えきっている。 この童謡から80年を経た今日、コロナ禍で花火大会の中止が相次ぐ中、煙火(花火の法律用語)業界は、事業そのものの継続性が危ぶまれる厳しい経営が続いている。 こうした状況を受け、土浦市は1月から2月の週末5日間、煙火業界の支援を目的とした日本花火史上初の花火イベント「土浦の花火 後世に伝える匠の技」を開催。全国18都道県から、煙火業者55社が市内の霞ヶ浦湖岸に集い、工夫を凝らした個性豊かな花火を披露した。 打ち上げ場所は非公開の中、会場に近いスーパーの駐車場で、わが子と見たという女性が後日、手振りを交えてそのときの感動を語ってくれた。中でも、周囲から「うおー」と歓声が上がる花火があったという。「最近の花火はすごい。ぐるぐる回るんですね」 「ははーん、あの花火のことか!」と合点した私は、したり顔で彼女に解説した。 「時差式発光花火のことですね。イルミネーションやスライド、ウエーブと名付ける花火師もいます。Time lag(タイムラグ)やGhost(ゴースト)の英語表記も見かけます。実のところ、花火が動いているわけではなく、あたかも回っているように錯覚しているだけなんです」 これを心理学では「仮現(かげん)運動」と呼び、たとえば夜瞬くネオンサインは、ランプが実際に動いているわけではなく、多くのランプを適当な時間間隔で点灯したり消したりの繰り返しによって、まるで動いているかのような印象を視覚的につくりだしているとのこと。 この現象を応用したのが「時差式発光花火」であり、花火玉に仕込まれた光を放つ「星」の燃焼時間や温度をわずかずつ変えることで生じる「ずれ」を応用して発光させるという。 花火の進化は温故知新 そのルーツとされるのは、昭和42年(1967)に登場した三遠煙火(静岡県)の「マジック牡丹(ぼたん)」。通常の火薬に火が見えなくなる特殊な火薬をまぶすことで一瞬消えて、再び夜空に浮かび上がるという花火で、当時、常識を破る革命的なアイデアであり技術であったとのこと。 半世紀も前に原型があったことが驚きだが、同時に、温故知新の精神と豊富な化学知識を融合させた現代の花火師の緻密(ちみつ)な技から編み出された逸品といえる。 理科系男子にもかかわらず、私は化学式が大の苦手。やはり花火は「見せる側」ではなく「見る側」で間違いなかったようだ。 実は、この花火はカメラマン泣かせ。花火を写真撮影しても音は写らないのと同様、肉眼で見た複雑な光の変化は静止画像では表現しきれないので、ご覧になっていない方は、一度、花火会場でサプライズを体感されてはいかが? 本日はこの辺で「打ち止めー」。「ドン ドーン!」。(花火鑑賞士、元土浦市副市長) <花火の動画2つ> ▽土浦の花火:2022年1月22日 マルゴーのスターマイン4号玉(実行委員会提供) ▽常総きぬ川花火大会:2021年12月12日 マルゴーの10号玉(筆者撮影) 【こいずみ・ひろし】1954年、土浦市生まれ、県立土浦一高卒。工学院大学工学部卒。民間企業を経て土浦市役所に入庁。政策企画課長、市長公室長を歴任。2017年まで副市長1期。在職中、花火審査員係業務に13年従事。現在、日本花火鑑賞士会会員。ラジオやネットTVにも出演。茨城新聞に寄稿(19~22年)。花火セミナー開催や「花火通信」(Facebook)などで花火の魅力を発信中。「花火と土浦」(土浦市、2018年)も一部執筆。同市在住。

Most Popular