火曜日, 4月 7, 2026

開幕3連敗 アストロプラネッツ つくばで巨人3軍に0-4

プロ野球独立リーグ・ルートインBCリーグの茨城アストロプラネッツは12日、つくば市流星台のさくら運動公園野球場で、今季3戦目として読売ジャイアンツ3軍と対戦し0-4で敗れた。茨城は開幕3連敗。今季より選手兼任で指揮を執る巽慎悟監督は「アグレッシブなチャレンジを続け、勝利の喜びをファンと分かち合える野球をしたい」と巻き返しを誓う。 【ルートインBCリーグ2024準公式戦】4月12日、さくら運動公園野球場茨城アストロプラネッツ-読売ジャイアンツ3軍巨人 010010110 4茨城 000000000 0 茨城の瀧上晶太主将は「投手が試合をつくってくれたのに、打撃陣が点を取れなかった。両者が補い合える展開にならなくては」と試合後に振り返った。開幕戦は打線が火を噴いたが投手が踏ん張れず、2戦目は投打とも良いところなし。そしてこの3戦目は完封負け。チャンスでの一打が出ないまま、小さなほころびから崩れていった。 茨城の先発投手は長尾光。今季埼玉から移籍してきたプロ4年目で、この日は最速149キロの直球を軸に組み立て、1・3・4回を3者凡退に抑えた。出色は4回の4番打者の攻略で、左打者を外角の出し入れで追い込み、最後は外へ逃げるボールで遊ゴロに引っかけさせた。 残念だったのは2回の投球。2者連続の四球と送りバントで1死二・三塁、次打者には右翼への犠牲フライで、ノーヒットのまま1点を奪われた。5回には2連打で1点を失い、この回で予定通りマウンドを降りた。 次の失点は7回、投手は4人目の佐藤友紀。四球と投ゴロで1死二塁の場面、捕逸により走者が三進、これを防ごうとしたが悪送球で生還を許した。佐藤はツーシームやカットボールなど速球系の変化球が多彩だが、その小さく鋭く曲がる球が裏目に出て四球や捕逸を招いた。8回はアンダースローの伊藤龍介が登板、2死一塁から右翼へのヒットを土田佳武が処理を誤り1点を許した。 この試合の茨城のヒットは5本。いずれも得点機となるが、あと一打が出ない。9回には2番・大友宗の左翼への二塁打と、3番・瀧上の中前打で無死二・三塁の絶好機を迎えるが、後続が抑えられ無得点に終わった。 「中継ぎ陣は先頭打者への四球が目立ち、ブルペンでの準備の仕方に課題が残った。打撃陣は甘い球をしっかりと仕留め、得点につなげたい」と巽監督の振り返り。今年度の取り組みとして「一つ目を決めきる」ことを大事にしているという。「打撃なら初球からストライクを見逃さずアグレッシブに振っていく。ほかにも守備や走塁の1歩目など、野球にはたくさんの『一つ目』がある。そこを意識することで集中力を研ぎ澄ませたい」との考えだ。 昨季までの投手兼任コーチから、今季は投手兼任監督として采配を振るう。「プレーイングマネジャーという貴重な機会をもらえ、球団には感謝している。選手に呼び掛けている以上に、自分自身もチャレンジの意識で臨みたい」との姿勢だ。試合前の準備の仕方や心構え、あるいはマウンド上の駆け引きや配球など、選手たちには自らの背中を通じて伝えたいことも山ほどあるという。(池田充雄)

コロナ後 県南がまたベッドタウン化する? 《遊民通信》86

【コラム・田口哲郎】 前略 コロナ禍では国土開発について、首都一極集中からの脱却と地方再生が謳(うた)われました。テレワークの推進や移住の促進で首都圏から地方への人口移動がなされた感じがします。阿見町は人口が5万人を突破しましたね。 でも、コロナ禍が一応の収束をみて、改めて見るとどうでしょうか。テレワークもとりあえずなんとなく減っている感じで、出勤が増えているような気がします。3月のダイヤ改正で、常磐線の品川駅〜土浦駅間は、10両編成の列車から15両編成列車への輸送力増強がなされたそうです。東京に通う人が増えているということなのでしょう。 そうなると、また常磐線の取手駅から土浦駅あたりは東京中心のベッドタウン化してしまうのではないか…。そんな予感が頭をよぎります。 たしかに、コロナ禍という災禍によってテレワークという、ずいぶん前から実用可能だった技術によって、物理的な人間の移動が不要な画期的な便利さが世に知らしめられたのは大いに良いことです。東京の街を歩いていても、以前のような全体的で慢性的な混雑はなく、インバウンドの旅行客で観光スポットは混んではいるものの、日本人の数は減っているようにも見えます。 それでも、首都東京の特権的な地位というのが、またじわじわと復活しているのは確かだと思います。この流れは止められないものなのか、とモヤモヤしていたのですが、東京を中心とする地方と中央の間の移動はいまに始まったことではなく、江戸時代にもあったことを知り、そうか仕方ないか、と思いました。 人の移動は経済効果を生む ご存知の通り、江戸時代には参勤交代があり、外様大名は1年おきに国元と江戸を行き来しました。今のように数時間で東京に着ける時代ではないので、大名行列は道中、いくつもの宿場町に泊まり、そこで多額のお金を落とす。宿場町がある藩はその恩恵にあずかることができます。 人間が移動することは経済を動かすという視点に今さらながら気づかされました。逆に人間が移動しないと、経済圏がブロック化して、金の回りが鈍くなるような気がします。 コロナ禍は新たな可能性を示す結果になりました。でもそれを追求するばかりでは良くない。古来の人間の移動が経済のためにも大切だ。そもそも人間は「動」物なのだから。そんな必要性がまたじわじわと再認識されて、アフター・コロナのテレワークの減少につながっているのかもしれません。 そう考えると、人間の移動も無駄ではないし、茨城県南の街がベッドタウンとしての本領を発揮するのも悪いことではないと思えてきます。ごきげんよう。 草々 (散歩好きの文明批評家)

江戸から続く花壇で鑑賞を 筑波実験植物園で「さくらそう展」

筑波大保有の100種展示 国立科学博物館・筑波実験植物園(つくば市天久保)で13日からコレクション特別公開「さくらそう品種展」が始まる。植物園屋外には江戸時代からの鑑賞方法である「桜草(さくらそう)花壇」が設置され、遺伝資源の保存を目的に筑波大が保有する鉢植えされたサクラソウが100種以上展示される。 白い花をつける「薄蛇の目(うすじゃのめ)」、中心の白から外に向かって赤く色づく「天晴(あっぱれ)」、梅の花のような丸みをもつ「鶯宿梅(おうしゅくばい)」、大ぶりの真っ白な花が印象的な「満月」、現存する最古の品種とされる「南京小桜」など、それぞれ色や形に特徴を持つのが見どころだ。 室町中期ごろから貴族の間で栽培が始まったサクラソウ。品種改良が盛んになったのは江戸中期ごろとされる。江戸を流れる荒川流域に自生地が広がっていたこと、鉢植えで育てられることから「庶民の花」として江戸の人々の間で人気を博していった。 「野生の花を持ち帰り、種を採取してまいてみるとちょっと変わった花が咲くことがある。今まで他の人が持っていない珍しい花を選びとることが繰り返されて今に至る。途中から意図的に交雑させることをしていったと考えられる」と筑波大学つくば機能イノベーション研究センター准教授の吉岡洋輔さんが説明する。「並べて展示することで人の目をひきつけることができ、鑑賞者を喜ばせることができる」のも人気の要因だという。 絶滅の危機 人々に親しまれてきたサクラソウだが、近年は、環境の変化や乱開発により個体数が減り、環境省の準絶滅危惧に指定されている。愛好家らによる自生地の保全活動は全国的に活発になり「保全活動のアイドル的存在」なのだと吉岡さんは言う。 筑波大では園芸品種の遺伝資源の保存を目的に、つくば市民に栽培を委託する「サクラソウ里親制度」を2004年からスタートさせている。大学で保有する品種が、天災などの原因で絶えてしまったときに、里親から株を返還してもらう仕組みだ。同時に、江戸から続く文化を市民に知ってもらいたいという意味も込めている。会場には10年、20年続ける里親の声がパネル化され、屋外にはそれぞれが育てた鉢植えも見ることができる。 「サクラソウは元々日本に野生種がありそこから広がっていったもの。起源が日本にある園芸種は珍しい。四季のある日本の気候に合っているため、基本的な管理ができれば栽培はそこまで難しくはない。形や色など豊富な品種を見ることができるので、是非、自分好みのサクラソウに出会っていただけたら」と吉岡さんが来場を呼びかける。 教育棟ではサクラソウ栽培の歴史を知るパネル展が開かれる。(柴田大輔) ◆コレクション特別公開「さくらそう品種展」は4月13日(土)から21日(日)まで。15日(月)は休園。開場は午前9時から午後4時30分。入園料は一般320円、高校生以下と65歳以上、障害者などは無料。販売もあるが、無くなり次第終了する。

LGBTQとパレスチナ、分断ではなく連帯を 筑波大生が映画試聴会

「LGBTQ(性的少数者)に排他的なパレスチナを擁護することは、LGBTQの権利をないがしろにしている」。SNS上でも広がる「パレスチナへの連帯か、LGBTQの人権か」という二項対立的な論争にあらがおうと、筑波大学の学生有志を中心に、「LGBTQ+の運動を考えよう 映像試聴会」が14日に開催される。試聴会を企画した木原里沙さん(21) 、同大学院の正木僚さん(28)、りょうさん(仮名・23)は「あらゆる人権侵害を許さずに、LGBTQの権利回復を目指すための連帯と抵抗について考えたい」と話す。木原さんと正木さんはLGBTQ当事者だ。 虐殺を覆い隠す「ピンクウォッシュ」 人権侵害の事実を隠す意図で、特に同性愛者に理解があることを強調することを「ピンクウォッシュ」という。同性愛者のシンボルカラーとされる「ピンク」と、「覆い隠す」という動詞「whitewash(ホワイトウォッシュ)」を合わせた造語だ。特にイスラエル政府がLGBTQフレンドリーであると世界にアピールすることで、パレスチナへの占領という負のイメージを覆い隠していると批判する言葉だ。 毎年4月後半に開催される国内最大級のLGBTQ関連イベント「東京レインボープライド」も例年、イスラエル大使館がブースを出展していたため、「ピンクウォッシュだ」と当事者団体などから批判されていた。今年も19日から3日間、開催される予定だが、協賛企業のいくつかが、パレスチナで虐殺を続けるイスラエルに製品・サービスを提供しているとして、現在、世界中で不買運動が呼び掛けられている。 人権問題に優先順位はない 試聴会では、ドキュメンタリー映画『これがピンクウォッシュ!シアトルの闘い』(ディーン・スペード監督、2015年)を上映し、参加者同士で感想を共有する。2012年、イスラエルのLGBTQ活動家の訪問を歓迎するかどうかで、シアトルのLGBTQコミュニティが激しく揺れた様子を描いたものだ。 「過去のLGBT運動にはトランスジェンダーも関わっていたが、同性愛者の権利回復が優先されしまい、トランスジェンダーの権利は取り残されてきた。『LGBTQの権利か、パレスチナの解放か』のように、人権問題に優先順位をつけてしまうと、見落とされてしまう人が出てくる。レインボープライドを目前に、これからの運動のあり方を考えたい」と、正木さんは企画の趣旨を説明する。 木原さんは、大学内でLGBTQ当事者か否かに関わらずレインボープライドに参加予定の人もいるとし、「LGBTQというマイノリティ性を持っていても、他の社会課題に関心を持てるとは限らない。レインボープライドに参加する前に、一緒に映画を観て、パレスチナについて考えられたら」と話す。 りょうさんは「反対意見が出ると、それを押さえつけたくなるが、規模が大きくなるほど、いろんな考えの人が入ってきて当たり前。最初から批判されないことを目指すと、意見の異なる人を排除し、当事者を分断してしまうことにもなりかねない。意見の違いを受け入れながら、変わり続けることが大切」という。 連帯の可能性を模索 正木さんは昨年、イスラエルによるパレスチナへの攻撃が激しくなってから、問題に関心を持つようになり、できるだけ不買運動の対象にされている企業の商品を買わなくなった。「遠く離れたパレスチナを身近に感じることは難しいかもしれないが、社会課題はLGBTQの問題だけを切り離して考えられるものではない。気づかないうちに、自分が虐殺に加担してしまう可能性もあることを参加者と共有できたら」と話す。りょうさんも「私自身も知らないことが多く、危機感を持っている。知ることを放棄せず、仲間と一緒に知識を更新し続ける必要性も、参加者と考えたい」と期待する。 一方「今の私たちが見えていない社会課題もある。世代も関係なく、様々な人に参加してもらい、私たち自身も新しい視点を獲得したい。これからもLGBTQの問題に限らず、立場を超えて、いろんな人と繋がれるイベントを開催する予定」だと正木さんは話し、複合的な社会課題の解決に向けた連帯の可能性を模索する。 その一環として、28日には、同じメンバーが主催し、地域住民を対象に、特定の問題に限定することなく、日常で感じるモヤモヤを参加者同士で共有しあうイベント「灰色のため息だって彩りたい!」を開催する。 ◆「LGBTQ+の運動を考えよう 映像試聴会」は4月14日(日)午後1時から3時、ブックカフェ「本と喫茶 サッフォー」(つくば市天久保)で開催。参加費無料、ただしワンオーダー制。参加申込はこちら。定員20人。定員になり次第、締め切る。 ◆「灰色のため息だって彩りたい!」は4月28日(日) 午後1時から3時、同会場で開催。参加費無料、ただし19歳以上はワンオーダー制。参加申込はこちら。定員20人。

TX沿線県立高問題 知事の答弁に希望《竹林亭日乗》15

【コラム・片岡英明】茨城県の3月議会で星田県議(つくば市区)が「TX沿線開発と今後のまちづくり」について質問。大井川知事から、TX開通後東京圏から多くの子育て世代が移住し、沿線の人口が8万4000人も増え、今後も増加が見込まれる沿線3市(守谷市、つくばみらい市、つくば市)を一体として魅力あるまちづくりを進めたい―といった趣旨の答弁があった。 TX沿線3市の現状、特に教育環境はどうなっているのだろうか? 先につくば市と守谷市の県立高への進学や通学状況を取り上げたが(23年10月10日付、24年1月12日付)、今回はつくばみらい市も含めた3市の県立高について考えたい。 県立高環境、常磐線>TX 2023年度入試時のつくばみらい市の市立中卒業者は442人。県立高への進学者は、伊奈高79、水海道一高48、守谷高36、藤代紫水高23、藤代高22、取手一高21、竹園高15、水海道二高14、牛久栄進高10、つくばサイエンス高9、竜ケ崎一高8、取手二高8―と、分散している。 人口が増えている同市にとって、通学手段や定員を含む県立高問題は市の将来に関わる重要テーマと言える。そこで、TX沿線3市の市内県立高への入学状況を見ると、以下のようになっている。      市立中卒業数 市内県立高入学  割合▽つくば    2183   318    14.6%▽守谷      642    69     10.7%▽つくばみらい  442    79     17.9%▽合計     3267   466    14.3% 3市とも市内入学は1割台にとどまっている。この数字は常磐線沿線の土浦38.4%、牛久24.0%、取手39.4%に比べると大幅に低い。そこで、TX3市を一体とした県立高入学割合を見ると、以下のようになっている。         生徒 3市県立高入学 割合▽つくば    2183   413   18.9%▽守谷      642    164   25.5%▽つくばみらい  442    139   31.4%▽合計     3267   716   21.9% 常磐線沿線3市を一体として計算した割合は、土浦45.2%、牛久54.4%、取手44.6%、3市合計で47.8%。TX沿線3市合計で21.1%だから、常磐線沿線3市の半分以下という圏内入学率である。 沿線の県立高充実=沿線発展 TX沿線、常磐線沿線のいずれに住むかで県立高校進学条件に大きな違いがある。そのため、TX沿線の中学生には高校選択・通学に大きな負荷がかかっている。今後もTX沿線の人口・子ども増が見込まれることから、このまま放っておくと一層悪化する。 県は、県立高校の定員不足がTX沿線発展のボトルネックになっている事実を見てほしい。その上で、TX沿線・つくばエリアの中学生に県平均水準の県立高枠を確保してほしい。県立高の入学枠を広げることが、TX沿線の発展、ひいては県の発展につながると考える。 3月議会での知事の答弁を聞き、知事も多くの地域住民の願いと同じ方向性を持っていることが分かった。ここにTX沿線3市の中学生の希望を認めた。そして、つくばの高校新設問題の外堀は埋まったと感じた。知事答弁の延長線には、TX沿線への県立高新設があると思うからだ。(元高校教師、つくば市の小中学生の高校進学を考える会代表)

フィルムカメラのおはなし《ことばのおはなし》68

【コラム・山口絹記】時折ふるーいフィルムカメラを頂くことがある。「亡くなったお父さんが使ってたんだけど、私は使い方がわからないから」とか「押し入れから出てきたんだけど、撮れるのかしら」といった具合だ。 そうやって受け取ったカメラは、試しにフィルムを入れて撮った写真を見せてあげることにしている。受け取ったカメラもなんとなく廃棄しにくいので、たまっていくのがまことに難儀である。 先日「こういうカメラ欲しいって言ってたよね?」と言ってヨドバシカメラの袋を差し出された。少し遅い誕生日プレゼントと言うことらしい。 ちなみに私が常日頃から欲しいと言っているカメラというのは、いわゆるレンジファインダーカメラだ。しかし、ヨドバシカメラで買える現行のレンジファインダーなんて高級カメラしかない。へたすると100万オーバーである。 妙に軽い袋を開けて出てきたのは、なんとプラスチック製のハーフサイズフィルムカメラと、ISO感度100のリバーサルフィルムだった(わかる方にはわかるすごい組み合わせ)。なるほど、そうきたか。 実のところ、このカメラはレンジファインダーではないのだが(見た目は似ている)、発売された時からずっと欲しいと思っていたカメラなので、素直にとてもうれしいプレゼントだった。 人間とは厄介な生き物 それにしても、この時代に新品のフィルムカメラをプレゼントされることになるとは思わなかった。なにせフィルムがとても高価になってしまった。私がまだ17歳の頃、フィルムカメラを使っていた20年近く前は500円ほどで買えたネガフィルムも、今では2000円くらいになってしまった。当時5本5000円くらいで買っていたリバーサルフィルムも、今では1本4000円近くするものが多い。 ハーフサイズカメラというのは、フィルムを本来の半分(ハーフ)ずつ使うことで、ざっくり2倍の枚数を撮影できるカメラのことだ。フィルム代を節約できるのが利点で、まさに今の時代に再び真価を発揮できるカメラと言っていいだろう。 画質は落ちるが最近ではそういう写りも流行(はや)っているらしい。仕事の機材として高画素のデジタル一眼を使用している私でも、その解像度に疲れてしまうことがあるくらいだから、なんとなくわかる気がする。 片や写真はスマホで十分、という世界があり、さらなる高画素化を進める最新カメラの世界があり、一方できれいに写りすぎないカメラが好まれる世界もあるのだから、人間とはどうにも厄介な生き物である。(言語研究者)

戦争を扱った2冊の本を読んで《ハチドリ暮らし》36

【コラム・山口京子】1日家にいて、新聞もテレビもラジオもインターネットも遮断すると、静かな空間ができます。自分の身の周りの静かさを実感しつつ、それでいて、自分を取り巻く社会がどうなっているのかに注意を向けないと、この暮らしも危うくなるのではと…。 新聞を読むにしても、関心がある記事は最後まで読みますが、そうでなければ見出しだけでスルーしています。そういう姿勢に、最近不安を感じるのです。関心がある記事だけ読んで、そうでない記事は読まないという態度は、いかがなものかと。 関心がなくても読まなくてはいけない記事があるはず…。そもそも自分の抱く関心がどういうものなのか、それはどうやって形成されたのか―自分に向き合って考えなければならないのではと。 消費者問題や家計管理などには関心がありますが、外交、政治、戦争などについては難しくて読み過ごしてしまうのが正直なところです。ですが、テレビや新聞ではウクライナやイスラエルの報道が目につきます。こんなむごいことが今の時代になぜ起こっているのか。 人間関係も国同士の関係も、一方が100%正しくて、他方が100%間違っているということはないでしょう。時事的なニュースだけでは、問題の歴史的背景や構造は分かりません。また、そのニュースの出所がどこなのかも注意が必要でしょう。 「世界から戦争がなくならない本当の理由」 なので、そういうときには図書館に行って関連する書籍を探します。2冊の本が目に留まりました。1冊は「世界から戦争がなくならない本当の理由」(祥伝社、池上彰)。もう1冊は「ガザとは何か パレスチナを知るための緊急講義」(大和書房、岡真理)です。 「世界から戦争が…」は、2015年、戦後70年の教訓を語るものとして出版されています。日本が戦後処理を人任せにしてきた結果を今も引きずっている、戦後日本の歪みが沖縄の基地問題に表れているのではないか、戦後日本の安全保障は米国に振り回されてきた―と。 そして、日本を「2度と戦争のできない国」にするために憲法9条を与えながら、自分たちの都合で「軍隊ではない軍隊」をつくらせ、さらには集団的自衛権の行使も可能にして「戦争のできる国」に戻そうとしている―と。そして米国が関与した戦争のあらましがつづられています。 「ガザとは何か パレスチナを知るための緊急講義」 昨年出版された「ガザとは何か…」では、主流メディアは、連日、ガザについて報じながら、その内容は事態の重大さに見合ったものもなければ、問題の核心を伝えるものではないと指摘しています。現在のメディアの姿勢を端的に説明しているように思いました。 ストックホルム国際平和研究所の2022年版(調査は2021年)によると、世界全体の軍事費は2兆2400億ドル(約300兆円)で、うち米国が約39%の8770億ドルを占めたということです。(消費生活アドバイザー)

裏金問題と自民党政権の調査《ひょうたんの眼》67

【コラム・高橋恵一】自民党安倍派の政治資金パーティーのキャッシュバックによる裏金づくり事件で、39人の国会議員が、自民党から処分を受けました。離党勧告が2人、党員資格停止が2人。対象議員86人のうち、47人が処分無しでした。 この事件は、自民党の派閥が、政治資金獲得のために開催するパーティーの収益の一部を現金で還元し、派閥側の支出記録も、各議員の収入記録も残さず、金の動きを隠す裏金を作ったらしい、というものです。 安倍派では、約20年前から行われていたようで、野党やマスコミが暴いたのでなく、神戸学院大の上脇博之教授の政治資金規正法違反容疑の告発で明らかにされました。 検察とは別に、政治不信に対応すべく、自民党・岸田政権も調査に乗り出したのですが、実態が明らかになりません。誰が主導した事件か? 裏金は何に使われたのか?―が明らかにされていません。 まず、何に使われたのかですが、何に使ったかの説明もせず、使途不明あるいは思い出せないということは、不法な買収とか供応、選挙違反となるような選挙運動の経費に使ったと判断せざるを得ないでしょう。手ぬぐい一本の配布や香典一つで責任を取り、議員辞職した例は数多くあります。 今回の事件は、不正とわかっていた裏金処理の確信犯です。金額の多寡にかかわらず、議員辞職すべきでしょう。 それよりも、誰が主導したかですが、裏金で最大の効果を得たのは、故安倍総理でしょう。安倍一強の体制は、配下の議員数の多さ以外の何物でもないでしょう。裏金の効果は絶大で、また違法性が高いという認識があったから還元を止めようとしたのでしょう。 止めていれば、今回の事件は、告発を受けることも無かったかもしれません。調査すべきは、還元再開後ではなく、20年前からの裏金と選挙・政治への影響です。 賢明な国民に期待 旧統一教会問題も、中途半端な教会と議員の表面的な関係だけの調査で、今後関係を断つという裏付けの無い結末でお茶を濁してしまいました。本来は、安倍政権が教会との癒着の中で、選挙協力をいかに得ていたかを調査すべきでしょう。国政だけでなく地方議会も、「政策協定」により、ジェンダーフリーの否定、家父長制的な政策提言が多くの地方議会で議決されているのです。 岸政権の調査は、まさに政治家が説明責任を果たさせず、いずれも本質に踏み込んでいません。 極言すれば、裏金問題といい、旧統一教会問題といい、本来であれば、議員の資格の無い者の多数で、政権与党が成り立っていたことになります。この間、大企業や外国資本に有利な経済財政運営がなされ、慢性的な低賃金と非正規雇用が続き、格差社会が拡大し、一方で、分不相応な軍事「費」大国がつくられようとしています。 最悪の安倍政治が、終焉どころか、増長しているように見えます。まっとうな政治家と、まっとうなマスメディアと、賢明な国民に期待するだけです。(地歴好きな土浦人)

能登の高校生に元気を 筑波大バドミントン部が練習会 OBが呼び掛け 

筑波大学(つくば市天王台)バドミントン部の部員らが3月30、31日の2日間、能登半島地震で被災した高校生を対象に、石川県金沢市の県立工業高校体育館でバドミントン練習会を開催した。同大バドミントン部OBで、被災地の珠洲市で高校教員として勤務する清水亮輔さん(27)が「被災した子どもたちにバドミントを練習できる機会をつくれないか」と呼び掛けたことがきっかけになった。 清水さんは石川県出身。「震災後、部活動がしたいという生徒がいる中で、体育館が自由に使えないのが現状」という。清水さんによると、能登地区の生徒たちは、現在オンライン授業を活用するなど、学習機会を最低限確保できている一方、部活動に関しては、地震による体育館損壊の影響で、一部のスペースしか利用することができない。バドミントン部の生徒を含め、部活動は週に1回程度。ライフラインである水道はいまだ復旧しておらず、普段通りの生活が取り戻せない状況下で、生徒は自身の進路や大会に向けた練習に向き合っている。 清水さんの呼び掛けをきっかけに、石川県高体連バドミントン専門部、同県バドミントン協会と、筑波大バドミントン部が協働し、開催に至った。清水さんを中心に、能登地区周辺の高校に声を掛け、能登半島の県立輪島高校、七尾高校、飯田高校などのバドミントン部に所属する1〜3年生の生徒が参加した。当日はバスを利用して同校体育館に集まり、両日で延べ150人が練習に励んだ。 筑波大から派遣された部員有志は新入生も含めて12人。部員らで考えた練習メニューをもとに、バドミントンコート6面分ほどの広さの体育館で、男女シングルス、ダブルスなど種目別に分かれて練習を指導した。 清水さんは、同大バドミントン部に対して「ただ単に活動の場所を提供することだけでなく、参加した高校生が今まで以上にバドミントンに熱中できるよう接してもらうことを期待していた」と語り、「学生のおかげで、実際に参加した高校生の生き生きとした表情や、笑顔で楽しむ様子を見ることができた。制限がある中での生活だが、気が紛れたのではないか。石川のために時間を割いてもらってとても感謝している」と話した。 同大部員らの交通費や宿泊費などの開催費用は「がんばろう能登プロジェクト寄付金」と題して同部が寄付を呼び掛けた。約3週間で個人や法人などからおよそ75万円が集まり、練習会では、参加した高校生に対し、メーカーや有志らによるバドミントン練習用具の提供も行われた。 同大体育系助教でバドミントン部顧問の吹田真士総監督は「高校生には、バドミントンに取り組む瞬間だけは、日常を忘れて夢中になってもらえるよう心掛けて接した。この活動が、高校生たちの背中を押す一歩になれば」と話した。 同大大学院1年で部員の服部嶺さん(22)は石川県出身。バドミントンを通して地元に貢献したいという思いで参加した。「参加した生徒から『震災後初めてラケットを握った』『週1回1時間程度の練習しかできない』などと聞き、バドミントンが練習できる環境が整っていない現状を目の当たりにした」と述べ、「大変な時でも必死に1日を生きようとしている高校生の姿を見て、とても勇気づけられた。今後も地元やバドミントン界のためにできることを考えていきたい」と話した。 同大体育専門学群2年で部員の岡村祐輝さん(20)は、小学生の頃から南海トラフ地震に備えた訓練を経験してきたことで、被災地への支援活動に興味を持ち参加した。「金沢で出会えた高校生や、自分たちが活動するための寄付金など、周囲の助けや縁を感じられた2日間だった。自分たちに何ができるかを常に考えながら活動した」と話した。 参加した高校生からは「地震で週に1回しか練習ができていないため、こういった練習はとても良い機会になった」「自分に足りなかった部分がたくさんあったけれど、筑波大学の先輩たちが丁寧にアドバイスしてくれたおかげで、たくさん吸収できた」という声が寄せられた。一方「校舎の体育館が使えないため、自主練習ができない」という声や、「学校で練習ができない」「体育館が使えるか不安」など、地震の被害を受け、練習施設不足に関する悩みも寄せられたという。 吹田総監督は「自分たちに何ができるのかを考えながら、継続して行動し続けることで、周りに良い影響を与えていきたい。将来的には、高校生だけでなく、小中学生を巻き込んだ活動や、石川県以外の被災地とも連携し、支援の幅を広げていければ」と話した。 清水さんも今後について「自分たちにできることには限界があるが、高校生のためにも、競技力の高い筑波大学の学生の力を借りて、練習会をまた実現させたい」と話している。(上田侑子)

裁判所は水俣病患者を救済しないのか《邑から日本を見る》157

【コラム・先﨑千尋】いつものように3月下旬には水俣から甘夏が届く。「他人に毒を盛られた者は他人に毒を盛らない」。50年近く前、海で魚を取れなくなった水俣病の患者たちは、そういう思いで陸に上がって甘夏を作り続けてきた。その甘夏を口に入れる。甘酸っぱい果汁が口の中いっぱいに広がる。何度も通った水俣のミカン畑に思いをはせる。 そんな折、ショッキングなニュースが届いた。先月22日に、熊本地裁は水俣病患者の訴えを退ける判決を下した。この裁判は、2009年施行の水俣病被害者救済特別措置法(特措法)に基づく救済策の対象外となった144人が、国と熊本県、原因企業のチッソに損害賠償を求めていたもの。同様の裁判で、原告全員を救済した昨年9月の大阪地裁判決とは大きく異なる判決となった。 原告側は、チッソ水俣工場から不知火海(しらぬいかい)に排出されたメチル水銀を、魚介類を通じて摂取したことによる水俣病だと主張。大阪地裁は原告側が訴える手足の感覚障害の原因を検討し、「水俣病以外の原因では症状を説明できない」として法律の線引きを一蹴し、原告全員を水俣病患者だと結論づけた。 しかし今回の熊本地裁判決では、疫学調査の結果や地元医師の診断書の信用性を疑問視し、25人のみを水俣病と認めた。そして、不法行為から20年経つと損害賠償請求権が消滅すると定める民法の「除斥期間」の起算点について、水俣病を発症した時期(大阪地裁は水俣病と診断された時点)とした。 このため、熊本地裁は水俣病と認めたものの、全員が発症から20年以上経過しているという民法の規定を適用し、賠償請求は棄却された。 環境省は特措法を遵守せよ 水俣病が公害病として認定されたのは1968年。しかし、いまだに被害の全体像がつかめず、国による救済策の対象外となった人たちは、これまで繰り返し司法に訴えてきた。特措法では居住地や出生年で線引きがあり、救済を受けられないまま取り残された人たちは裁判に訴えざるを得なかった。 そして、不知火海沿岸に住んでいた人の健康調査を速やかに行うと定めた法施行から15年経っても、実施のめどが立っていない。 私は、同じ趣旨の裁判なのにどうして裁判官によって結論が違うのかを考えてみた。判決文を書く基準の民法も特措法も同一だ。特措法の狙いは「あたう限りすべて救済する」だ。それなのに結論は真逆。裁判官の解釈によって結論が違うのだ。原告の1人は、判決後に「予想外の結果だ。頭が真っ白になった」と語っている。一方、環境省の担当者は「勝った」と話していると新聞は伝える。 なるほど、国は「勝った」。しかしその国とは何なんだ。森友事件に巻き込まれて自死した赤木俊夫さんは常に「私の雇用主は日本国民。その国民のために仕事ができる国家公務員に誇りを持っている」と話していたと聞く。裁判官も環境省の役人も、本来、国民のために仕事をするのが務めのはずだ。 水俣病の患者たちは法に触れることはしていない。チッソがまき散らした有機水銀を摂取した魚を食べ、身体がおかしくなった。その人たちをあたう限り救うために特措法ができたはずなのに、健康調査を15年もほったらかしにしている。それを裁判官も環境省の役人も認めず、環境省の役人は罰せられない。おかしいではないか。(元瓜連町長)

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