日曜日, 4月 5, 2026

香取台中の新設見直し 2校を小規模特認校に つくば市

新学校適正配置計画案の方針まとまる つくば市立小中学校や幼稚園などの規模や配置を今後どうするかについて、2024年度から10年間の指針を示す同市学校適正配置計画案の概要が、このほど開かれた市学校審議会(会長・藤井穂高筑波大教授、委員24人)でまとまった。5年前の計画では「新設を検討する」としていた香取台中学校の新設を新たな計画から削除し見直すほか、児童数が少ない谷田部南小学校と今後減少が見込まれる栗原小の2校を、通学区に関係なく市内どこからでも通学できる小規模特認校にするなどの案が示された。 同計画は5年ごとに見直しを実施している。今回の新たな計画案は来年1~2月にパブリックコメントを実施した上で、3月までに決定する。 香取台中は前回2020年3月策定の同計画で、2029~38年度に「高山中学校から学区の分割を検討し香取台地区中学校の新設を検討新設する」としていた。新設場所は、児童数の増加に伴ってつくばエクスプレス(TX)万博記念公園駅近くに23年4月に開校した香取台小北側の隣接地だった。新しい計画案では、香取台中を新設しないことで、通学区にある高山中が29年度に1教室、35年度に12教室不足すると見込まれるが、高山中隣接の県有地1.5ヘクタールを購入し校舎を増築するので対応可能だなどとしている。 一方、TX沿線開発の土地利用計画で中学校用地とされている香取台小北側の隣接地については、市が用地を購入し、一部を香取台小の拡張用地とするとしている。購入する残りの用地は公益施設用地として利用方針を検討中という。 小規模特認校については、谷田部南小は複式学級化が見込まれること、栗原小は中根・金田台地区に新設が予定されている小学校が2026年に開校すると複式学級化が見込まれるとして、いずれも2026年度から、少人数を生かし特色ある教育を実施する小規模特認校とする。県内には水戸市と阿見町に小規模特認校の小学校、牛久市に同義務教育学校がある。 同審議会では、今後教室不足が想定される学校の対応として ▽要小は2029年度に2教室不足すると見込まれることからリース校舎を増設する ▽谷田部小は29年度に1教室、32年度に6教室不足することからリース校舎で対応する ▽島名小は29年度に2教室、32年度に8教室不足することから、通学区を見直し島名小区の一部を香取台小区に変更し、香取台小北側県有地(中学校予定地)を購入して一部に校舎を増築する ▽手代木中は34年度に1教室、35年度に1教室不足するが既存校舎の教室転用で対応する ▽みどりの南中は、28年度に3教室、32年度に8教室不足し、当初校舎の増築が予定されていたが増築を行わず、既存校舎の教室の転用と、併設されているみどりの南小校舎教室の相互利用で対応する ▽吾妻小は、吾妻2丁目の70街区と90街区の公務員宿舎跡地の売却が決定しており、28年度ごろから新築マンションなどへの入居開始、30年度ごろから教室不足が想定され、同小の増築などの対応を検討しているが、開発計画が未定のため新しい計画には教室不足などは盛り込まないーなどとした。 ほかに、新たに市立幼稚園の配置方針の項目を設け「全15園中8園で定員半数以下となっており適正規模とはいえない」などの文言を盛り込む。 一方審議会では委員から、香取台中の新設見直しについて「区画整理事業の土地利用計画と齟齬(そご)が生じる。大きな計画変更になり、近隣住民にはものすごいインパクトになる。丁寧に説明してほしい」、市立幼稚園については「なぜ園児数が少ないかは、3歳児クラスがないから私立に流れている。私立はバスで送迎もする。(幼稚園と保育所を一元化する)幼保一体をまず進めるべき」などの意見が出された。(鈴木宏子)

片っ端から喫茶店① コメダ珈琲ひたち野牛久店《遊民通信》102

【コラム・田口哲郎】 前略 以前、「片っ端から喫茶店」というテレビ大阪の番組があると書きました。「カフェ」というよりも「喫茶店」を紹介する番組です。J:COM茨城でも喫茶店番組を放送してくれると、ご近所散歩がより楽しく豊かになるとも書きました。要望するだけではなく、自分の足でご近所の喫茶店を探してみようと思いました。 街を眺めて、まず目に留まったのはコメダ珈琲です。昭和レトロ風の喫茶店ではないかと言われそうですが、ひたち野うしくは新しい街ですから、昭和レトロなお店はありません。新しい喫茶店があるので、それは後ほど訪れるとして、まずはチェーン店から始めたいと思います。 コメダ珈琲ひたち野うしく店は、土浦稲敷線、通称「ふれあい通り」沿いにあります。隣は、カワチ薬品ひたち野牛久店、タイヨーひたち野牛久店。近くにはドトールやスターバックスがあり、にぎわい地区、そしてカフェ激戦区。朝7時から夜10時半まで営業しています。 コメダ珈琲の目玉サービスといえば、モーニングです。開店から午前11時まではドリンクを頼むと、パン、卵もしくは小倉あん、バターやジャムなどがついてくるというもの。これはかなりお得ですね。朝ごはんにぴったりです。名古屋の喫茶店のサービスが茨城でも楽しめるのは魅力です。 名古屋人も勧めるお店 ひたち野牛久店に入ると、ログハウス調の店内、ゆっくりくつろげるソファやイス、広々としたテーブルがあります。1人でもグループでも利用しやすそうです。実際、朝の時間、新聞を読みながら、くつろいで過ごす人、友達連れで訪れている人でにぎわっていました。 パンとコーヒーの良い香り。カフェっぽくもあり、喫茶店っぽくもある空間は郊外の街になじんでいました。飲みやすいながらコクのあるコーヒー、モーニングのトースト、小倉あん、バターで小倉トーストをやってみましたが、なんとも言えないおいしさのハーモニーに心踊りました。 先日、生まれも育ちも名古屋の中心地の人にオススメの喫茶店を聞いたら、コメダ珈琲と真っ先に答えました。 クオリティの高い味がどのお店でも味わえ、お店も広いところが多く入りやすく、ゆっくりできる。これらの点でコメダ珈琲が断トツに良いということでした。旅行などで名古屋を離れた後、名古屋に帰ったら真っ先にコメダ珈琲に行って落ち着くんだ、とも。 名古屋人お墨付きの喫茶店コメダ珈琲が近くにあるのはよいですね。私もたまに散歩の途中に立ち寄って、くつろいでいます。ごきげんよう。 草々 (散歩好きの文明批評家)

道の駅 市内2カ所に整備も検討 つくば市

筑波山麓と洞峰公園近く つくば市の五十嵐立青市長は9日の定例記者会見で、道の駅を①筑波山麓の池田地区と➁洞峰公園近くの上原・松野木地区の市内2カ所で整備することを検討すると発表した。2カ所いずれも整備するか、1カ所のみとするかは今後さらに検討する。五十嵐市長は「二つの可能性もある」としている。 ①池田地区は、市北部の国道125号バイパス沿い付近、➁上原・松野木地区は、研究学園都市の洞峰公園に近い西大通り沿い付近。面積は3ヘクタール以上とし、いずれも民有地を買収する方針。農地の場合は今後、農地転用などの手続きが必要になる。 市観光推進課によると、五十嵐市長2期目(2020-24)のロードマップ(公約事業の工程表)の一つに「道の駅整備の検討推進」とあることから、23年度に市経済部職員内部で、市内に整備する道の駅にどんな機能が求められるかや必要面積などについて検討した。一方、22年度4月策定の第3次市観光基本計画(22-26年度)に、道の駅整備の記載はないという。 23年度の市内部の検討により、3ヘクタール以上の面積が確保できる場所として①池田地区➁上原・松野木地区のほか、③島名地区④菅間地区の計4カ所が候補地案として選定された。 24年にコンサルタント会社に道の駅検討基礎調査を委託し、4カ所についてそれぞれ、立地、商圏、周辺の類似店舗、売上など需要予測、経済波及効果予測の5点を診断した。診断の結果、①池田地区と➁上原・松野木地区の2カ所が高評価だったことから、11月下旬の庁議で2カ所とも検討を進めていくことを決定したとしている。 ①池田地区は、筑波山には年間200万人を超える観光客が来ることから観光面が期待できるとし、➁上原・松野木地区は、研究学園都市の研究所や大学と連携する新たなコンセプトを検討したいとしている。基礎調査の簡易的診断で2カ所とも黒字化するとの診断が出ているという。 一方、選定されなかった③島名地区は車で20分圏に道の駅常総があり競合する、④菅間地区は周辺に類似店舗が多いなど、いずれも周辺への影響が想定された。 ①池田地区と➁上原・松野木地区の2カ所については来年度、有識者や公募市民などによる検討会等を設置して方向性を検討するなど基本構想を策定する。それぞれの道の駅にどのような機能をもたせるかなどは2025年度以降にさらに検討するとしている。一般的に完成までには早くて5~6年かかるという。 道の駅は、24時間無料で利用できる駐車場とトイレがある「休憩機能」、道路情報や地域の観光情報、緊急医療情報などを提供する「情報発信機能」、文化教養施設や観光レクリエーション施設などの地域振興施設がある「地域連携機能」の3つの機能を併せ持つ施設をいう。五十嵐市長は「(道の駅の登録要件として3つの機能以外に)『その他』があるので、新たな機能をどう打ち出すか検討したい」としている。(鈴木宏子)

「農民とともに歩む」佐久総合病院《邑から日本を見る》173

【コラム・先﨑千尋】11月中旬、長野県佐久市で農業協同組合研究会の現地研究会が行われ、佐久総合病院に行ってきた。同病院は長野県厚生農協連が運営する農協病院で、茨城では水戸市や土浦市などにある協同病院と同じだ。 若月俊一元院長の教え 研究会では、同病院と、ドクターヘリが配置されている佐久医療センター、佐久市有機農業研究協議会の有機栽培農園の視察をした後、夏川周介名誉院長の「病院の歴史と若月俊一元院長の功績」に関する講演があった。 私の同病院との付き合いは、50年以上も前に私が当時在職していた農協で組合員の健康診断を実施しようと考え、当時の若月院長の指導を受けたことがきっかけだった。その後何度も同病院を訪れ、若月さんから農村での医療などについて教えを請うてきた。夜のパーティでは酒の呑み方も教わった。 同病院は現在、3つの病院と1診療所、2老健施設、7訪問介護ステーションなどを擁する一大地域医療ネットワークを構築し、1月の能登半島地震では被災者の救援・治療に当たるなど、長野だけでなく、わが国の医療体制を支える役割を果たす一翼を担う存在となっている。 同病院の今日の基礎を築いた若月さんは、敗戦間近の1945年3月、創立間もない同病院に赴任した。当時は農民や住民の健康状態が悪く、病院に来た時には既に手遅れだった。そこで、自ら出張診療に出向き、「予防は治療に勝る」と考え、予防治療と公衆衛生活動に取り組んだ。 若月さんは宮沢賢治の「農村演劇をやれ」という教えに学び、演劇を通じ、農民に健康の大切さを説いた。1959年には八千穂村(現佐久穂町)で全村健康管理による早期発見と予防に取り組み、病院では不治の病だった脊髄カリエスの治療法を確立し、病院給食の実施、精神科の設置、がん治療器の導入など、農村に最高の医療を提供するという実績を積み上げ、病院の規模も大きくなっていった。 さらに、農村医学会の設立、農薬中毒抑止対策、日本有機農業研究会の立ち上げ、研修センターの設立、高齢者ケアへの取り組みなど、わが国の農村医学をけん引し続けてきた。「農民とともに」という同病院を貫く思想は、今日「若月イズム」と言われている。 異色の医師・色平哲郎さん 今回の佐久行きのもう一つの目的は、同病院でも異色の医師・色平哲郎さんに会うことだった。彼は東大工学部をあと少しで卒業という時に中退し、日立市のキャバレーなどで働いたりしたあと、京都大学医学部に入学し、1990年に研修医として佐久総合病院に入り、今日までそこで診療に当たっている。 八ケ岳山麓にある南相木村診療所で10年、所長として、「土」の人たちの暮らしと命を見守っている。そういえば、名刺には「風の人 土の人」と大きく書かれている。風とは、外部から訪れる人、土とは、その地に根を下ろし、実践していく人のことだ。 色平さんと話をするのは久しぶり。佐久病院のことなどを彼から聞き、私は農業の現状や茨城での農村医療のことなどを話し、話は尽きなかった。同病院には現在230人の医師がいるが、「農村医療のメッカ」「若月イズム」が通底する病院だからこそ、彼のような組織になじまない医師もいるのだと思っている。(元瓜連町長)

故火野正平さんにまつわる旧筑波線藤沢駅の話

【コラム・榎田智司】俳優の火野正平さん(本名二瓶康一)が11月14日、75歳で亡くなった。火野さんはかつて、土浦市藤沢(旧新治村)に住んでいたという話を聞いていたので訪ねてみた。 火野さんは、NHK-BSの番組「にっぽん縦断 こころ旅」を14年間続けた。790回目の2018年11月22日の放送でサイクリングロード「つくば霞ケ浦りんりんロード」の藤沢休憩所(土浦市藤沢)を訪れた際、「ここにいたことがある」と話していた。かつての筑波鉄道筑波線(1987年廃線)の常陸藤沢駅だ。番組で火野さんはつくば市小田から自転車を走らせ、藤沢休憩所でかつて商店を営んでいた宮崎照男さん(77)と出会う。NHKのウエブサイト「にっぽん縦断 こころ旅」のページには「なつかしい出会いがあった」と記されている。 11月下旬、記者が宮崎さんに話を聞いたところ、火野さん自身は藤沢に住んでいたわけではないが、母親と弟が1964年から65年の2年間ぐらい藤沢駅近くに住んでいて、火野さんも買い物に来ていたという。宮崎さんはお婿さんだったため、当時直接会ったわけではなかったが、商店で育った奥さんはよく火野さんのことを見かけたと話す。 火野さんの父親は3歳の時に他界、叔父に育てられた。1964年頃、叔父は仕事の関係で大阪に引っ越したため、長男である火野さんだけが付いて行った。母と弟が引っ越し先を探し、転居した先が当時の新治村藤沢だった。その頃火野さんは大阪豊中に住み、高校生だった。 当時を知る宮崎さんの奥さんによると、高校生だった火野さんは、母親の家にたびたび遊びに来て長期滞在し、近くにあった旧宮崎商店を何度も訪れていたという。その頃火野さんはテレビドラマ「少年探偵団」(1962)の子役として有名だったので、つくば市下大島(当時筑波町)から「二瓶がいるぞ」(当時の芸名は本名)と言って見にきた人もいたと話す。 宮崎さんは「番組で訪れた際は、懐かしく感じた景色だったのではないか。二瓶家が藤沢に住んだのも、当時は筑波線が通っており、比較的便利な駅前に居を構えたのだろう」と話す。 当時の新治村には坂田駅、常陸藤沢駅、田土部駅と3つの駅があった、その中で一番乗降者が多かったのは常陸藤沢駅で、当時は高校に通う学生だけでなく、住民の足として重要なものだった。藤沢駅前の唯一の商店だった旧宮崎酒店は毎日のようにお客さんが訪れた」と宮崎さんはいう。 宮崎さんは「火野さんのテレビに出たことから、いろいろな人に声をかけられた。当時の出会いは打ち合わせではなく本当に偶然のものだった」と振り返った。(NEWSつくばライター)

ゴミ問題ー清掃員から見た景色《ハチドリ暮らし》44

【コラム・山口京子】毎日の暮らし方が抱える問題に気づかされる講座がありました。地球温暖化対策講座「マシンガンズ滝沢と考えるゴミ問題~清掃員から見た景色」(11月15日、取手市環境対策課主催)というタイトルで、講師はお笑い芸人とゴミ清掃員の二足のわらじで注目されているマシンガンズの滝沢秀一氏でした。 講演では、ゴミ清掃員を職業とするきっかけから始まり、現在のゴミに対する考えを披露してくれました。印象的だった言葉がいくつかあります。 「ゴミはウソをつかない」。ゴミは生活の縮図であり、ゴミを出す人のお金の使い方、こだわり、し好品などが見える。人間の欲がゴミに現れる―と。栄養ドリンクや様々飲料缶、段ボールや紙ゴミ、ペットボトル、衣類、食品など。新米の時期になると古米が出され、食べられるジャガイモが大量に捨てられている映像には、会場から驚きの声が上がりました。 「中央最終処分場の寿命はあと23~24年」。最終処分場という言葉を初めて聞きました。自分が出したゴミが最後にどこに置かれるのかなど、考えたことがありません。そのあとはどうなるのかなど考えず、何気なく暮らしている。この暮らし方は持続可能ではないのかも…。 ペットボトルが増え過ぎている 「人間がそのモノをゴミと思った時にゴミとなる」。ゴミは可燃ゴミと不燃ゴミの二つに分かれます。滝沢さんは、ゴミを資源物として活用する3R(リデュース、リユース、リサイクル)に、リスペクトのRを加えます。ゴミ処理に携わる人への敬意を抱くことは、ゴミの出し方を変えていくになるでしょう。 「ペットボトルが増え過ぎている」。日本ではペットボトルが年262億本も生産され、その93%は回収されているものの、7%は行方不明で、0.1%が川に流されているそうです。プラスチック製品の利便性は生活に浸透しています。ペットボトルは、日常生活に当たり前のものになっています。 一方で、プラスチックごみの海洋汚染や、生物への悪影響を懸念する声が広がっています。この12月にプラスチックごみを規制する条約が作成されるはずでしたが、合意に至らなかったと新聞で知りました。今後の動きに注目したいと思います。(消費生活アドバイザー)

同じ毎日《続・平熱日記》171

【コラム・斉藤裕之】相変わらず、4時前にすぐ近くの公園に犬のパクと散歩に出る。暖かい秋が終わって、やっと寒くなった夜空は透き通っていて、これを絵に描くとしたら何色を混ぜたらいいのかと考える。 年賀状をやめた。お祭りにカッパやうなぎの山車を作って繰り出すのもやめた。軽トラの荷台で石窯ピザを焼くのもやめた。駅前にイルミネーションを飾るのもやめた。子供や大人に絵を教えるのもやめた。 コロナのことがあったり、少し年をとったという理由もあるのだけれども、それ以上に目に見えない流れというか、いろんなことをやめるべくしてやめたようにも思えてくる。 つまりは、「汝、いらぬことをせずに絵を描くがよし!」という神のご配慮なのかと受け止めることもできたが、結局、「いらぬことをする」ことが絵を描くモチベーションとなっている私にとって、絵だけを描いているほど退屈な日々はない。 閑話休題。他人の絵はできるだけ見ないようにしている。でも、近所でやっている美術展は散歩がてら毎年見に行く。知り合いの絵描きさんも多く出品している美術展で、大きくて力の入った絵が展示してある。経歴も技量もある、それぞれがそれぞれの思いで描いた絵。 翻って、アトリエのテーブルの上には名刺ほどの大きさの絵がいっぱい並んでいる。我ながら、随分ニッチな絵を描くようになってしまったと思う。8月の始めに斜め向かいのお宅からいただいたイチジクを描いた絵や夏の故郷の海の風景。毎年描いているくずの花に今年も挑んでみた。描きかけの観覧車、今年初めて庭に実ったムベの絵…。 暖かい焙煎室に移しましたよ 気が付くと、特に何というわけでもないのにスマホの画面を見るようになってしまった。そろそろSNSもやめようか。 おや、牛久シャトーが新たに発泡酒を出すので、そのラベルデザインを公募しているというページが出てきた。応募する気はもちろんないが、シャトーの日本遺産登録にはカミさんも関わっていたこともあって、ちょっと気になる。だから紙粘土でシャトーをこさえて描くことにした。 後日、描き終わった牛久シャトーの絵をなじみのカフェの壁に架けに行った。「暖かい焙煎室に移しましたよ」。マスターの言葉に促されて焙煎室をのぞくと、カミさんが大切にしていた背丈ほどのコーヒーの木が艶やかな葉をつけて立っていた。 「ゆく川の流れは絶えずしてしかももとの水のあらず…」なんて思ったりする人はすごいなあ。私なぞは川を見て釣れる魚がいるかどうかぐらいしか興味ないけど。星を見上げながらそんなことを考える。 パクは毎朝同じところを歩いて、同じ所で用を足し、同じように白くて長い尻尾を振っている。最近、同じ毎日がありがたいと思い始めた。(画家)

生活保護行政の適正化求め つくば市職員が再び請願 市議会、特別委を再設置

つくば市で生活保護行政をめぐる不適正な事務処理が相次いでいる問題で、現役の市職員が4日、改選後の市議会12月定例会議に再び生活保護業務の適正化を求める請願を出し、市議会は6日、請願審査特別委員会(小村政文委員長)を再度、設置した。 請願は最初、市議会9月会議(9月3日付)に出され特別委員会が設置された。しかし継続審査となり(9月13日付)、前の市議の任期満了により11月29日に審議未了で廃案となった。 新たに出された請願は①真相究明に向け、百条委員会を含め市議会として主体的な調査と、➁生活保護業務の適正化のため国・県への研修や職員派遣、公益通報に関して外部通報窓口の設置や担当を人事から独立した法務課にするなど、実効性のある再発防止策及び改善策の検討を求めている。 ①真相究明に向けた調査では、今年7月に市が発表した生活保護費の誤支給(7月20日付)について、いまだ国への返還金や市の損害額などが確定していないことを例に、「時効で消滅していく過支給額は今この瞬間も市財政への負担を増やし続けており、猶予はない」などとし、市議会としての調査を要望している。 ➁再発防止策と改善策の検討では「どうしたら生活保護費の計算を過不足なくできるのか、国庫負担金の算出を適正に行うにはどうしたらいいか、そういった一つ一つに対応する具体的で実効性のある再発防止策と改善策が早急に必要」だとし、さらに「公益通報の受理に3カ月以上かかり結果まで1年以上もかかる現行制度のままでいいのか。間違いに気付いた時、どのような形であれば組織としてただすことができるのか、本当の意味で心理的安全性が高い組織になるにはどうしたらいいか、議会でも検討してほしい」などとしている。 6日設置された特別委は保健福祉委員会と総務文教委員会の14人で構成する。小村委員長は「9月からの流れもあるので、ていねいに審査に当たりたい」と話した。 同市の生活保護行政の不適正事務をめぐっては、市監査委員が9月27日付で「市民の市政に対する信頼を大きく損ねた」など異例の意見を付けた監査結果を出した(10月17日付)。一方現在、市福祉部と総務部でそれぞれ内部調査が行われているほか、県が特別監査を実施している。

液体合成燃料まず200ml/時 産総研に一貫製造ベンチプラント完成

産業技術総合研究所(産総研)のエネルギープロセス研究部門(つくば市小野川、望月剛久研究グループ長)は6日、二酸化炭素と水を原料に、液体合成燃料を一貫製造する原型的なプラント装置を開発し、連続運転に成功したと発表した。設計データを測定するためのベンチプラントと呼ばれる施設で、パイロットプラントの前段階となる。同研究部門がカーボンニュートラル燃料技術センター(JPEC、東京都江東区)と共同で産総研つくば西事業所内に約1000平方メートル規模で整備した。2020年度から5年をかけての事業で、連続運転により今回、1時間当たり200ミリリットルの液体合成燃料が製造できた。液体合成燃料はガソリン、軽油、ジェット燃料など内燃機関向けの燃料を代替する。輸送や給油所などで既存のインフラを活用できるため、二酸化炭素を利用して液体合成燃料を製造することはカーボンニュートラルを実現するための有力な技術として注目されている。化石燃料を原料としない水素の製造コストが高く、どう効率化するかが大きな技術的課題となっている。 国内初 今回開発した一貫製造ベンチプラントでは、電気分解と触媒による化学合成とを組み合わせた製造プロセスを採用した。特に電気分解にSOEC(固体酸化物形電解セル)共電解を用いたシステムは国内初の設置例となった。固体酸化物形電解セルにより、二酸化炭素と水蒸気を同時に高温で電気分解させること(共電解)で、一酸化炭素と水素の混合ガスを製造可能な技術。これまで別々に行っていた水電解による水素製造と合成ガス製造を同時に行うことで、高いエネルギー効率が期待できた。さらに触媒を用いたFT(フィッシャー・トロプシュ)合成のプロセスでは、酸触媒を組み合わせて用いることで、炭素数をコントロールしてガソリンや軽油など、液体合成燃料として利用可能な合成粗油を効率的に得られるようにした。このプロセスにより、従来法に比べ投入電力を25%程度軽減できると試算できたことから整備に取り組み、ベンチプラントは9月から稼働開始した。水と二酸化炭素を原料に、電解システムへ1時間当たり最大1500リットルの合成ガスを投入した。FT合成を経ての連続運転で、ガソリンや軽油成分を持った液体合成燃料は200ミリリットルが製造できた。今後に向け、研究グループは「投入電力を多くすればその分多く生産できると思うが、化石燃料を減らし、再生可能エネルギーをどう使っていくかが課題の取り組みなので、どんな生産規模がいいのか、どんな組み合わせがいいのかなど色々データを取っていきたい」としている。(相澤冬樹)

スタッフ向け介護予防体操講習会を開催 つくばの高齢者施設

介護スタッフ向けの介護予防体操講習会が5日、つくば市大砂の特別養護老人ホーム「まごころの杜つくば」(大島弘行施設長)で開かれた。地域住民の健康寿命の延伸を目指し、セキショウグループの社会福祉法人関耀会(筑西市、葉章二理事長)が、介護予防体操の普及に取り組む NPO 日本健康加齢推進機構(水戸市、理事長・大田仁史 県立医療大名誉教授)と共催した。 「知って得するシル・リハ体操~老人ホームで実践と講義~」と題した講習会で、県内の医療機関や介護施設にも参加を呼び掛け、同施設のスタッフのほか、県内各地から介護士や介護福祉士、管理栄養士など20人が参加した。 講師として、シルバーリハビリ体操考案者で同機構理事長の大田医師(89)があたり、実践・座学を含め90分の講習会となった。前半は施設の入所者6人も加わり体操の実技が行われた。後半は介護スタッフ向けの実践的な座学と実技となった。 県内の65歳以上の高齢化率は31%で、全国平均を1.7%上回る。シルバーリハビリ体操は、道具を使用せず、時間や場所に関わらず取り組むことができる介護予防体操で、大田理事長らは県内で、体操を普及する指導士養成に取り組んでおり、約20年間で1万人の指導士が養成されているという。 大田理事長は、どうして体操が必要なのかという理由から分かりやすく説明し、「しがみついても立つことが大事」「出来ることはやれる限りやる」「関節や筋肉のケアが大事」など、具体的でわかりやすい言葉で話した。 ひたちなか市の医療施設「フロイデひたちなかメディカルプラザ」から参加した管理栄養士の實松加奈子さん(42)は「おでこを押すなど、今までなんのためにやっていた体操かわからなかったことが先生の説明でよくわかり、運動機能の理解が深まった。この知識をもとに、今後は地域医療のために役に立てていきたい」と感想を述べた。 太田医師は「この体操は県立医療大学の院長だった時に考案した。高齢化社会が加速する中、さらに普及してもらえればありがたい」と語った。(榎田智司)

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