TX県内延伸先は土浦方面 第三者委が知事に提言
接続は土浦駅が優位
つくばエクスプレス(TX)県内延伸先の絞り込みについて検討してきた県TX県内延伸第三者委員会(委員長・岡本直久筑波大社会工学域教授)は31日、第4回委員会を開き、効果と費用のバランスなどから延伸先を土浦方面とする提言をまとめ、同日、岡本委員長が大井川和彦知事に提言書を手渡した。
併せてTXつくば駅からJR常磐線に接続する駅について、土浦駅か神立駅かを検討し、需要予測や採算性などから、土浦駅に接続する方が優位性が認められるとした。
コスト最小も事業費1400億円
第三者委は昨年12月から計4回の会合を開き、新たな人の流れの創出、県全体の発展可能性、実現可能性など5つの判断基準を元に、土浦、茨城空港、水戸、筑波山の4つの方面から1方面への絞り込みを検討してきた。
まず筑波山方面は、つくばと水戸の交流拡大やJR常磐線の事故や災害時などの代理機能に寄与するとは言えず効果は限定的だとして退けた。水戸方面は影響が極めて大きいが、常磐線経由であってもつくばと水戸の交流拡大に一定の効果が得られるとし、土浦方面で接続されれば茨城空港方面や水戸方面への延伸に期待される効果が一定程度得られるとした。茨城空港方面は各自治体からの要望も多く将来性は考慮すべきだが、期待される将来の姿と現況とのギャップが大きく実現可能性があるとは言い切れないとした。
その上で土浦方面について、常磐線への接続が直線距離で8.4キロと最短でコストも最小となり、特急も停車するなどから、土浦方面以外での接続は現実的ではないとした。
第三者委はさらに接続駅についても土浦駅か神立駅かを検討し、土浦駅は神立駅に比べて駅前の市街地が発達し難工事が想定され、概算事業費は土浦駅よりも神立駅の方が低い一方、採算性や費用対効果は土浦駅の方が高いとし、土浦駅に接続する方が実現可能性は高いとした。
県は同日、土浦方面の概算事業費や需要予測を明らかにし、事業費は約1400億円、つくば駅-土浦駅間の1日当たりの乗車人数は約8600人で、建設コストを除き年間3億円の赤字が出ると予測されるとした。鉄道事業の採算性を評価する指標の一つで、1以上が望ましいとされる費用便益比は0.6にとどまり、1を上回るためには11万人規模の沿線開発が必要だとする見通しが示された。
1400億円の算出根拠としたルートについては、つくば駅から土浦駅方面に向けて、台地部は地下、その後地上に出て桜川をまたぎ南側から土浦駅に入るルートで算出したという。
東京延伸などとパッケージで働き掛けを
第三者委員会の提言はさらに、実現に向けた課題についても踏み込んだ。土浦方面に延伸しても費用便益比は1.0を下回り、事業採算性も赤字が見込まれるとして、従来通りの沿線開発にとどまらず、さらなる需要増加と費用削減の方策を検討する必要があるとした。国の交通政策審議会の答申にも位置付けられているTX東京延伸や都心部・臨海地下鉄構想などの動向に留意し、一体的なパッケージとして国などに働き掛けていく必要があるとした。
提言を受け取った大井川和彦知事は「延伸実現による県内経済の発展、社会的な利便性の向上などさまざまなメリットはつくばの発展をみても実証されている。提言をしっかり受け止めて、課題についても、提言を踏まえた形で一歩一歩克服していきたい。方面を最終決定した上で国に対してもアプローチしていきたい」と話した。
第三者委の岡本委員長は「費用対効果の数字(費用便益比)が基準に達しておらず、実現に向けてはさらなる公共交通志向の生活スタイルが浸透していく必要がある」とし、将来、茨城空港方面や水戸方面についても改めて議論すべきだとした。
提言を受けて安藤真理子土浦市長は「TXの土浦延伸は長年にわたる私たちの悲願。正式決定はまだ先だが、私たちの熱い思いが実を結んだもので大変喜ばしい。土浦延伸は今やっとスタートラインに立ったところ。今後も茨城県を始め、各関係機関との十分な協力・連携を図ってまいりたい」などとするコメントを発表した。
6月目途に決定
県は今後、提言についてパブリックコメントを実施し、県民の意見を聞いた上で、6月を目途に方面を決定する。県はさらに2023年度、当初予算に2600万円を計上し、延伸ルートや事業の枠組みなどを検討する。土浦市は、沿線を中心に土地開発が活発化すると見込まれるなどから、330万円を計上し、効果を最大限に発揮させるため様々な波及効果を検討、調査する。(鈴木宏子)
【TX県内延伸をめぐるこれまでの動き】▽2017年8月 知事選で橋本昌前知事と大井川和彦現知事が共に公約に県内延伸を掲げる▽2017年12月 初当選した大井川知事が「新しい茨城づくり政策ビジョン」に「TXの県内延伸に向け検討を進める」と明記▽2018年5月 TXをつくば駅から茨城空港(小美玉市)まで延伸しようと、つくば、土浦、かすみがうら、石岡、小美玉、鉾田、行方7市の市議会議長がTX茨城空港延伸議会期成同盟会を設立▽2018年11月 県総合計画「新しい茨城への挑戦」に2050年頃の将来像として、TX延伸ルートの一つに〝茨城空港ルートを描く▽2022年2月 県が22年度当初予算にTX県内延伸の調査費を初めて盛り込み、22年度内に①筑波山方面②水戸方面③茨城空港方面④土浦駅方面-の4方面案の中から1本に絞り込む方針を掲げる▽2022年12月 県がTX県内延伸第三者委員会を設置
冷蔵庫内で薬品が引火か 物材機構が火災原因発表
つくば市千現、物質・材料研究機構(NIMS)千現地区の研究本館 標準実験棟6階の実験室で今年1月13日午後10時6分ごろ出火し、実験室約44平方メートルが焼けた火災で、同機構は31日、出火原因を、冷蔵庫内で薬品が引火し爆発したと推測されると発表した。
ただし出火元の損傷が激しく出火原因は特定されていないとし、薬品が引火し爆発した原因について①冷蔵庫内に保管されていた引火点が低い薬品が気化し、冷蔵庫の電気スパークの火花が引火、爆発した②冷蔵庫内に保管されていた水と反応する金属から湿気により水素ガスが発生し、電気スパークの火花により引火、爆発した③冷蔵庫内に保管されていた水と反応する物質が湿気や水と反応し発熱して発火、爆発したの3つのいずれかが考えられるとした。
火災があった実験室では、超伝導材料や磁性材料の創製に関する作業が行われていた。最終退出者が実験室を出て約3時間30分後に出火した。火災によるけが人や環境影響はなかったとし、実験室の実験機器や設備は使用不能となったとしている。
同機構は再発防止策として、実験室にある一般の冷蔵庫を防爆対応冷蔵庫に置き換えていくと共に、薬品管理のガイドラインを改訂し、化学物質の取り扱いや保管方法について、安全データシート(SDS)に基づき適切な管理の徹底を図るとしている。さらに従来から実施している教育研修に加え、今回の火災事故を踏まえた教育研修を改めて実施するとしている。
問題解決は後回しに 《続・気軽にSOS》130
【コラム・浅井和幸】相談を受けていて、問題解決をしてはいけない時期があると感じる今日このごろです。相談に来られた悩める人が解決できると思う手法が、必ずしも解決にならないと感じることがあります。また短期的な解決が、中長期的な事態の悪化につながることもあります。
例えば、人間関係のトラブルで、嫌な相手に仕返しをすれば気持ちが収まり楽になる。例えば、ひきこもっている自分の人生がつらいのは親が自分を生んだせいだから、親に暴力をふるい賠償金を支払わせる。例えば、今の住まいが過ごしにくいところがあるから、とにかく急いで別の場所に引っ越す。
支援の中ではニーズをとらえることが大切だという言葉が飛び交います。ですが、仕返しをしたり、安易に住まいを変えたりすることが、さらなるトラブルや住みにくさを招くことがあります。強迫性障害を持つ方が、鍵が閉まっていることを確認すればするほど苦しくなっていく、アルコール依存症の人が、アルコールを飲めば飲むほどつらくなっていく―ことに似ています。
現状がつらいとき、人は隣の芝生が青く見えます。なので、今と違うところに行けば幸せになれる、少なくとも今よりも楽になれると考えるのです。
確かに、今の生きづらさは減ることは多いのですが、次の場所でさらに別の苦しさが待っている可能性もあります。さらには、今と同じ種類の生きづらさが、さらに上乗せされてしまうこともあります。静かな環境に引っ越したと思ったら、道路工事が始まってうるさいというように。
生活に好循環を起こす支援
物事は様々な要素がそろったときに起こります。一つの要因を取り除いても、総合的な物事が必ずしも自分の都合のよいように変化するとは限らないのです。支援者も、本人が言っているのだから、その言っていることだけ手伝って、その後は支援者には関係ないから言うとおりにしてしまえ、というのはあまりにもお粗末です。強い言葉でいえば、消極的な人権侵害ともいえるかもしれません。
マーケティング用語を使えば、それは「ニーズ」なのか「ウォンツ」なのかと言えるかもしれません。この用語はインターネットで調べてもらえると良いかなと思います。
支援者は被支援者に寄り添う必要はあります。しかし、辛さに直面している被支援者と全く同じ感覚になってしまうと、今だけ乗り切ればいいという安直な支援になってしまいます。
あまりにも辛いときは、休養も必要でしょう。緊急避難も必要です。しかし、長期的に見て生活が好循環を起こすにはどのような支援が必要なのかを考え、被支援者に伴奏できることが大切です。短期的な考えだけで問題解決をしてはいけないのです。(精神保健福祉士)
障害者スポーツ普及へ モンゴル人選手ら 茨城のホストタウン訪れ調査と交流
土浦の専門職大学教授が企画
日本とモンゴルで障害者スポーツの普及を進めようと、モンゴルの政府関係者や研究者、パラリンピック選手らが22日から土浦に滞在し、2020東京オリンピック・パラリンピックでモンゴルのホストタウンだった行方市や桜川市などを訪れ、ホストタウンだった地域がレガシー(遺産)として国際交流をどのように推進しているかなどを調査した。
モンゴルの障害者スポーツの研究をしているアール医療専門職大学(土浦市湖北)の橋爪和夫教授(67)が企画し、科学研究費助成事業の助成を受けて今回の調査と、交流が実現した。
来日したのはモンゴル政府体育・スポーツ機関の委員チヨンドルジ・バザスレンさん、パラリンピック射撃選手のガンバ―タル・ザンドラ―さんら4人。モンゴル人留学生で筑波技術大学大学院2年生のエルデネサンブ・デルゲルバヤルさんが同行し通訳を務めた。
4人は22日から土浦市に滞在し、行方市の鈴木周也市長、桜川市の大塚秀喜市長などを表敬訪問。アール医療専門職大学、筑波大学、筑波技術大学の研究室も訪れて交流した。30日には土浦市内で2国間の国際会議を開いた。31日に帰国する。
30日の国際会議はモンゴルと日本の障害者スポーツの取り組み事例や、障害者を取り巻く現状、東京オリンピック・パラリンピックのレガシーなどが議題になった。オンライン会議アプリを使ってモンゴルの国立大学の学生や研究者、政府関係者らにもライブ配信を行った。
国際会議で講演したのはモンゴルのパラリンピック選手ら4人と、筑波技術大学の香田泰子教授、日本モンゴル協会理事で茨城県ライフル射撃協会前理事の多田尚克さん、東京五輪組織委員会(昨年解散)元副事務総長の布村幸彦さん、行方市の鈴木市長ら。
鈴木行方市長は、同市が2020年の東京オリンピック・パラリンピックでモンゴルのホストタウンであったことや、同市の地域おこし協力隊と地域プロジェクトマネージャーにモンゴル人を登用していることを話し、「パラリンピックの選手も今後、招へいしたいと思っている。現状では施設や設備が足りないので、障害者だけでなく高齢者や災害避難者も使えるよう公共施設を整備していく」と語った。
今回来日したモンゴル国立医科大 生物医学学部講師のフルガル・ツレンワンダンさんは「日本とモンゴルがこれからの支援のアイデアを考えるために非常に意義深い会だった」と感想を話した。
企画した橋爪教授は、モンゴルは日本よりも障害者への支援が遅れているが、日本も充分ではないと話し、「東京オリンピック・パラリンピックのホストタウンはコロナ禍で十分に交流ができなかった。施設の整備と人との交流がオリンピックのレガシーの両輪だと思う」とし、オリンピックのレガシーとして今後も交流を深め、両国が障害者支援をより充実させることに期待を寄せた。(田中めぐみ)
音楽家たちに発表の場を つくばのカフェで演奏会
カフェやレストランなどを使って音楽家が発表する場をつくりたいと、つくば市内で飲食店を経営する飯泉智弥さん(49)が音頭をとり、同市竹園の商業施設、ヨークベニマルタウン内のエヌズ カフェ(N's Café)で20日、家族連れや関係者を招いたミニコンサートが開かれた。
飯泉さんは2017年に、小学1年生から大学生までの「筑波ジュニアオーケストラ」の立ち上げに尽力した(2017年10月27日)。21年にはつくば駅前の商業施設トナリエつくばスクエア・クレオに地元の音楽愛好家たちのためストリートピアノ「つくぴあ」を設置した。
その後、ストリートピアノの利用者たちの間から、定期的な音楽会をやってみようという声が上がったという。
飯泉さんは、どんな形で開催できるか、まずは試しにやってみようと、自らがオーナーとなっているカフェをプレ・イベントの開催会場とした。
店内のどの場所で演奏するか探りながら、当日はカフェの中央にステージを作った。来店客は、テーブルに座って食事をしながら音楽を聞く形になった。
演奏したのは昨年結成されたばかりの地元音楽家による「トリオ・キュイキュイ(Trio CUICUI)」で、オーボエ奏者の川澄萌野さん、クラリネットの中根瞳さん、ファゴットの田部井梓穂さんの3人。川澄さんが進行役を務め、クラシックとしては短い曲のモーツァルト「5つのディヴェルティメント第4番より第5楽章」など5曲を演奏し、初心者にも分かる形で楽器などを紹介した。演奏後、投げ銭箱が各テーブルを回った。
飯泉さんは「つくばにはたくさんの音楽家がいる。彼らはつながりがなく発表の場がないと聞く。街づくりと音楽家を支援するという意味からも、今回のプロジェクトを推進していきたい。まだ始めたばかりで、いろんな音楽ジャンルにも挑戦していきたい」と話す。
演奏者に会場を提供していくという立場で進めていくとし「こちらから出演料を払う予定はないが、店舗を貸し切りにして、店舗の会計とは別にチケットを販売する等、自由にしたい。カンパという形式もあるが今は検討中。その他、方法は模索中だが、定期的に、例えば金曜日の夜という形で実施していき、音楽によってさらに交流が深まることを期待している」と語った。
今回演奏したトリオ・キュイキュイの3人は「メンバーを集めて結成したのは昨年だったが、さまざまな事情で集まれず、今月11日に初めて練習を開始し、20日が初めての本番となった。クラシックから演歌まで、幅広くなんでもやってみたい。コロナ禍で生演奏を聴く機会、演奏する機会が共に減っていて寂しかったが、これからいろいろやっていきたい。生の響きは違うので生演奏をもっと聴いてほしい。つくばの方々に気軽に聴きに出掛けられるような、身近な存在でありたい」と話した。(榎田智司)
3回目の桜《短いおはなし》13
【ノベル・伊東葎花】
早春の公園。青空に映える満開の桜。
私は公園のベンチに座って、砂遊びをする息子を見ていた。
「見事に咲きましたなあ」
隣に座る老人が話しかけてきた。
老人は、息子を見ながら言った。
「あの子は、あと何十回も桜を見るんでしょうな」
「ええ、まだ5歳ですから」
「あなたも若い。たくさん桜を見ることができるな」
老人は、ふっと息を吐いた。
「しかし私はダメだ。きっと今年が最後だ」
「そんなことありません。とてもお元気そうですよ」
「そうかね。じゃあ、賭けようか」
老人の目がきらりと光った。
「私があと何回桜を見られるか、賭けるんだよ」
「賭けませんよ。そんな不謹慎な」
「あなたが勝ったら、私の財産をやろう」
「ふざけないでください」
老人は、笑いながら息子に話しかけた。
「ぼうや、好きな数字は何だね?」
息子は、うーんと考えながら「3」と答えた。
「3回か。私が桜を見られるのは、あと3回というわけだね」
「何を勝手に! 賭けなんかしませんよ」
私は、さらうように息子を抱いて公園を後にした。
*
3年が過ぎた。
あれから3回目の春、3回目の桜だ。
もちろん、ずっとあの老人のことを考えて暮らしたわけではない。
ただ春になって桜が咲くと、どうしても思い出してしまう。
買い物の帰り道、公園の前に救急車が止まっていた。
ベンチで桜を見ていた老人が、急に倒れたのだという。
嫌な予感がした。
公園で老人が亡くなったという話は、近所中で広まった。
老人は「3回目の桜です」と、会う人ごとに話していたという。
あの老人だ。間違いない。
恐ろしくて震えた。まるで息子が予言者みたいだ。
子供が気まぐれで言った数字で、運命が変わるわけがない。
それでも何だか落ち着かなくて、公園に行って、満開の桜に手を合わせた。
どうか成仏して下さいと。
見上げた桜の枝に、白い封筒がぶら下がっていた。
『3年前に、賭けをした方へ』と書かれている。私への手紙だ。
手に取って、恐る恐る中を見た。
老人の、娘からの手紙だった。
『3年前、父と賭けをした方へ』
父は、何かを賭けるのが好きな人でした。だからといって、おかしな賭けを持ちかけられて、さぞ困惑したことと思います。
だけどあの日、父はうれしそうに言ったのです。
「あと3回桜が見られるよ。あと3年、生きられるんだ」と。
父はあの日、余命半年の宣告を受けたばかりだったのです。
3回も桜を見られたのは、あなた達のおかげです。
賭けはあなたの勝ちです。どうか父の財産を受け取ってください。
財産なんて…と思いながら見ると、封筒に1枚の宝くじが入っていた。
ああ、そういうことか。
5億円か、それともただの紙切れか。賭けが好きな老人らしい。
私は、老人の最期の賭けにのることにした。(作家)
数センチの隆起や沈下を面で可視化 「地殻変動の地図」公開
国土地理院 人工衛星データを解析
国土地理院(つくば市北郷)は28日、日本全国の大地の動きを可視化する「地殻変動の地図」を公開した。宇宙航空研究開発機構(JAXA)が運用する陸域観測技術衛星2号「だいち2号」の観測データ8年分を用いて作成された変動分布図で、地形のわずかな隆起や沈下を彩色によって分かりやすくとらえられるようにした。
公開された全国地殻変動分布図は「地理院地図/GSI Maps」により一般にも簡単にアクセスし閲覧できる。
地殻変動分布は「だいち2号」の合成開口レーダー、SAR(Synthetic Aperture Radar)技術によって得られた。人工衛星から地表に向けて電波を照射し、戻ってきた電波を受信し、往復にかかる時間により地表までの距離を面的に観測するセンサーの一種。人工衛星では、地球を周回しながら同一地点に異なる方向から電波を2回、照射し観測することで、大きな開口を持ったアンテナと同様な解像度を得る。
微小な地形の変化を正確に読み取るには、統計的処理のために大量のデータが求められた。2014年8月から8年以上の観測データを得て、時系列解析を行った。国土地理院宇宙測地課、佐藤雄大課長によれば、衛星からの撮影は約1500回に及び、画像枚数にして6400枚のデータを得たという。
地形の隆起は衛星に近づく動き、地盤沈下は衛星から遠ざかる動きとしてとらえられる。この8年間の平均をとり、年1センチから3センチ以上の範囲の変動を可視化した。地図に落とすと隆起や膨張は赤色に、沈下や収縮は青色に、それぞれ表示される。
電子基準点に比べ、分解能が大幅に向上した。地殻変動を面的にとらえられるため、火山噴火の予兆である山体膨張の観測などに役立つ。発電用のソーラーパネルを設置するために山の斜面を削った地形まで読み取れるという。
「だいち2号」は2014年の打ち上げから現在まで、全国の地殻変動や隆起などの地表面の動きを継続的に繰り返し観測してきた。後継機としてH3ロケットによる「だいち4号」の打ち上げが予定されており、観測頻度が「2号」の約5倍となることから、より短期間で精度の高い結果が得られると期待されている。(相澤冬樹)
◆地理院地図上に干渉SAR時系列解析により得られた変位速度が表示されるのは、こちらの画面。
仕様書不備で落札決定取り消し つくば市
つくば市が3日に開札を実施した同市佐地区と上菅間地区2カ所にある生活排水路浄化施設の維持管理業務の一般競争入札で、同市は28日、業務委託の仕様書の中で、汚泥の処分方法を「産業廃棄物として処分する」など明記すべきところを明記していなかったとして、落札者の決定を取り消し、入札を不調にしたと発表した。
市環境保全課によると業務委託の内容は、2カ所の浄化施設を今年4月から来年3月までの1年間、維持管理点検し、汚泥を清掃し処理するなどの業務で、2月10日に一般競争入札が告示された。予定価格は約276万円で、3者が入札に参加。今月3日に開札が行われ、落札業者が決定していたが、28日までに仕様書の記載内容に不備が確認されたとして、落札者の決定を取り消す。
今後の対応について同課は、入札業者に事情を説明すると共に、4月以降の業務について、数カ月間は随意契約とし、その間に入札の準備を進めて、改めて入札を実施するとしている。
再発防止策として、仕様書を作成する際は複数名により記載内容の確認を徹底し、適正な仕様書を作成することで再発防止に努めますとしている。
職員数55人増え2060人に つくば市人事異動’23
つくば市は17日、4月1日付人事異動と組織改編を発表した。異動総数は全体の17.5%の238人、3月末の定年退職者は54人、再任用を除く普通退職者は36人、新規採用は88人、再任用職員は148人で、職員総数は前年度より55人増えて2060人になる。市人事課によると人口増に伴う市役所業務の拡大により新規採用を増やしているためとしている。
女性管理職の割合は消防本部を除き、前年度より0.6%増えて25.9%。国や県との人事交流は、引き続き文科省出身者を政策イノベーション部長に配置し、国や県に6人の実務研修生を派遣する。
地区相談センター廃止し交流センターに拡充
組織改編は、市民部で、地域交流支援と地区相談業務を一体的に行うため地区相談課と文化芸術課地域交流支援係を統合し地域支援課を新設。旧町村ごとに地区相談業務を担当していた計6カ所の地区相談センターを3月末で廃止し、17カ所ある地域交流センター内に地区相談機能を置き拡充する、さらに市民活動課の名称を市民協働課とするほか、現在改修工事中のつくばセンタービル内に(仮称)市民センター開設に向けて市民協働課に市民センター準備室を新設する。ほかに、みどりの学校プールの建設と陸上競技場の設計が本格化することから、スポーツ施設整備室をスポーツ施設課に変更する。
市長公室は企画立案や総合調整のため事業推進相談監を置く。総務部は契約検査課に適正な工事の検査体制を確保するため工事検査室を新設する。政策イノベーション部はスーパーサイエンスシティの実現に向けた取り組みを一体的に進めるため科学技術振興課とスマートシティ戦略課を統合し科学技術戦略課とする。
保健部は、新型コロナの感染症法上の位置づけが5月8日から5類に移行する予定であることから、感染症対策室と新型コロナウイルスワクチン接種対策室を統合し新型コロナウイルス対策室とする。議会事務局は名称を議会局に改めるなど。
◆4月1日付人事異動は以下の通り。カッコ内は現職。敬称略。
【部長級】▽市長公室長(財務部次長)斎藤健一▽総務部長(こども部長)塚本浩行▽財務部長(政策イノベーション部次長)大越勝之▽福祉部長(福祉部次長)根本祥代▽保健部長(総務部次長)杉山晃▽こども部長(福祉部長)安曽貞夫▽経済部長(市長公室長)片野博司▽生活環境部長(生活環境部次長)伊藤智治▽上下水道局長(上下水道局次長)中泉繁美▽消防長(消防本部消防次長)青木 孝徳
【次長級】▽市長公室事業推進相談監・広報戦略課参事(市長公室広報戦略課参事)酒井謙介▽総務部次長(総務部契約検査課長)山田正美▽政策イノベーション部次長(市民部次長)稲葉清隆▽財務部次長(会計管理者)飯島正志▽市民部次長・市民窓口課長(市民部市民窓口課長)中川 伸一▽市民部次長・統括地域支援監(市民部地区担当監・地区相談課長)大木茂樹▽福祉部次長(福祉部社会福祉課長・非課税世帯等給付金室長)相澤幸男▽経済部観光推進監(都市計画部市街地振興監)貝塚厚▽生活環境部次長(上下水道局水道工務課長)植木亨▽上下水道局次長(上下水道局下水道工務課長)渡辺高則▽会計管理者(会計事務局長)会田文則▽教育局次長(建設部次長)坂田博之▽選挙管理委員会事務局長・総務部主任参事(都市計画部総合交通政策課長)伊藤和浩▽農業委員会事務局長(都市計画部公有地利活用推進課長)鳴海秀秋▽消防本部消防次長(消防本部主任参事・中央消防署長)小島幸司▽消防本部消防次長(南消防署長)松岡幹夫▽消防本部主任参事・中央消防署長(消防本部消防総務課長)廣瀬好▽消防本部主任参事・北消防署長(北消防署長)太田義春▽消防本部主任参事・南消防署長(消防本部消防救助課長)鈴木浩
【課長級】▽総務部契約検査課長(総務部契約検査課長補佐)石田健一▽総務部契約検査課工事検査室長(建設部公共施設整備課長)鈴木彰嘉▽政策イノベーション部科学技術戦略課スマートシティ戦略監(政策イノベーション部スマートシティ戦略課長)中山秀之▽政策イノベーション部科学技術戦略課長(政策イノベーション部科学技術振興課長)前島吉亮▽財務部公共施設マネジメント推進室長(建設部営繕住宅課長)田中聖史▽市民部市民協働課長(保健部健康増進課感染症対策室長)美濃本玲子▽市民部市民センター準備室長・吾妻交流センター所長(市民部市民活動課長)荒澤浩俊▽市民部谷田部窓口センター所長(教育局健康教育課長補佐)株木文男▽市民部茎崎窓口センター所長(市民部谷田部交流センター所長・市民ホールやたべ館長)中山努▽市民部スポーツ振興課長(都市計画部都市計画課長)大久保正巳▽市民部スポーツ施設課長(市民部スポーツ振興課スポーツ施設整備室長)武笠健一▽市民部地域支援課長(教育局教育施設課長補佐)大口勝也▽市民部筑波交流センター地域支援監・所長・市民ホールつくばね館長(市民部副地区担当監・筑波地区担当・筑波相談センター駐在)御田寺義郎▽市民部大穂交流センター地域支援監・所長(市民部副地区担当監・桜地区担当・桜相談センター駐在)佐藤宏明▽市民部吉沼交流センター地域支援監・所長・吉沼出張所長(市民部副地区担当監・大穂地区担当・大穂相談センター駐在)木澤伸治▽市民部豊里交流センター地域支援監・所長・市民ホールとよさと館長(市民部副地区担当監・筑波地区担当・筑波相談センター駐在)安田正幸▽市民部豊里交流センター地域支援監・市民ホールとよさと事務取扱(都市計画部開発指導課長)川又通生▽市民部谷田部交流センター地域支援監・所長・市民ホールやたべ館長(市民部副地区担当監・茎崎地区担当・茎崎相談センター駐在)間中和美▽市民部桜交流センター地域支援監・所長・栄出張所長(市民部副地区担当監・豊里地区担当・豊里相談センター駐在)小神野真▽市民部茎崎交流センター地域支援監・所長・市民ホールくきざき館長(市民部副地区担当監・茎崎地区担当・茎崎相談センター駐在)木村宏▽福祉部社会福祉課長(福祉部社会福祉課長補佐・企画監)宇津野功▽福祉部地域包括支援課長(福祉部高齢福祉課長補佐)相澤幸子▽保健部健康増進課新型コロナウイルス対策室長(保健部健康増進課新型コロナウイルスワクチン接種対策室長)松浦智恵子▽保健部健康増進施設いきいきプラザ館長(福祉部地域包括支援課長)会田延男▽経済部土地改良課長(経済部土地改良課長補佐)森田幸一▽都市計画部都市計画課長(都市計画部公有地利活用推進課長補佐)中山正人▽都市計画部公有地利活用推進課長(市民部スポーツ推進課長)岡野渡▽都市計画部建築指導課長(都市計画課長補佐・企画監)中島隆志▽都市計画部開発指導課長(都市計画部開発指導課長補佐)川原智彦▽都市計画部総合交通政策課長(都市計画部総合交通政策課長補佐)細谷智英▽建設部道路計画課長(建設部道路計画課長補佐)大塚勝之▽建設部道路管理課長(建設部道路計画課長)入江一成▽建設部公共施設整備課長(建設部公共施設整備課長補佐)糸賀健二▽建設部公共施設整備課施設建築指導監(都市計画部建築指導課長)中泉弘行▽建設部住宅政策課長(財務部管財課公共施設マネジメント推進室長)吉田和行▽生活環境部つくばメモリアルホール斎場長(生活環境部環境保全課長補佐)冨田徹▽上下水道局上下水道業務課長(上下水道局上下水道業務課長補佐・係長)岡野正基▽上下水道局水道工務課長(上下水道局水道工務課長補佐)酒井一成▽上下水道局下水道工務課長(上下水道局下水道工務課長補佐)冨田英二▽会計事務局長(経済部土地改良課長)小川英男▽教育局教育総務課長(教育局教育総務課長補佐・企画監)山岡めぐみ▽教育局筑波学校給食センター所長(選挙管理委員会事務局副局長)渡辺寛明▽教育局茎崎学校給食センター所長(上下水道局水道工務課長補佐)直江正和▽選挙管理委員会事務局副局長(教育局教育総務課長)笹本昌伸▽オンブズマン事務局長(建設部道路管理課長)石塚一弘▽消防本部消防総務課長(消防本部消防総務課長補佐・企画監)品川豊▽消防本部消防救助課長(消防本部消防救助課長補佐)北沢直弘▽消防本部消防指令課長(消防本部消防救助課長補佐・特殊災害対策係長)久保田正美▽中央消防署参事・副署長(北消防署参事・筑波分署長)青木節
【退職】3月31日付▽総務部長 篠塚英司▽財務部長 中島弘志▽保健部長 小室伸一▽経済部長 野澤政章▽生活環境部長 谷内俊昭▽上下水道局長 坂入善晴▽消防長 木村勝平▽市民部地区担当監・茎崎相談センター所長 西村誠▽市民部地区担当監・豊里相談センター所長 野原浩司▽市民部地区担当監・桜相談センター所長 嶋崎道徳▽市民部地区担当監・筑波相談センター所長 吉原衛▽教育局次長 飯泉法男▽教育局学校教育審議監 根本智▽選挙管理委員会事務局長 窪庭隆▽農業委員会事務局長 吉原利夫▽防本部消防次長 五月女謙次▽消防本部主任参事・消防指令課長 山田和美▽市民部副地区担当監・谷田部地区担当 色川英雄▽市民部副地区担当監・大穂地区担当 栗山正行▽市民部谷田部窓口センター所長 垣内伸之▽市民部茎崎窓口センター所長 宮本孝雄▽上下水道局上下水道業務課長 本山雅之▽教育局筑波学校給食センター所長 杉山一彦▽教育局茎崎学校給食センター所長 石塚英樹▽中央消防署参事・副署長 細田義美
個展「平熱日記in千曲」 《続・平熱日記》130
【コラム・斉藤裕之】日雇い先生の良さの一つは長い休みがあること。かといって特に計画があるわけでもないのだが、この春休みは、またパクを連れて山口に帰ろうと考えている。そこで気になるのが、このコラムの原稿のこと。気兼ねなく休みを満喫するために、前倒しで原稿を書いておくことにした。
さて、何のことについて書こうかと考えたが、これが出るころには桜の便りも聞かれて、私事としては信州千曲市での個展が半月後に迫っている。特に焦るわけでもなく、平熱で準備を進められているといいのだが、既に今の時点で、DM(個展案内のはがき)の原稿が出来上がってきた。この度お世話になるギャラリーのオーナーさんによるDMのテキストが、何とも私好みだったので抜粋してみたいと思う。
「牛久に音楽ライブを見に行って、併設のギャラリーの個展で一目惚(ほ)れしたのが斉藤裕之さんとの絵との出会い。優れた俳句のような絵っていうのかなあ。誰にでもありそうな親しみやすい日常に、すばやくさりげなくスポットをあててくれて、ハンパない画力が無駄なものを排して、小さなサイズに、十分な想像の余地のある世界というか、宇宙をつくってくれている。ふっと笑えるように、かろやかで楽しい。そして美しい。本展では長野や千曲市の風景も描いて…」
現代美術に関係したお仕事もされていた、オーナーの上沢かおりさん。故郷の千曲市に帰られて、一念発起。時間と手間をかけて、ご自宅を素敵なアートスペースに改装された。アートに対する深い造詣と美学をお持ちの上沢さん。美術に限らず、音楽やその他の表現の場として、また地域の交流の場としての役割も考えていらっしゃる。もちろん故郷への思いは特別なものだろう。
4月15日~5月1日、art cocoon みらい
そのオープン企画に抜てきされたことは、何とも光栄である。作家にとって、自分の作品を認めてもらうということは、この上ない喜びなのである。なにせ、日々ちまちまと描いてきた小さな絵だから。そんな私の絵を見つけてくれて、なおかつ、美術界特有の表現を一切排した上沢さん自身の、どストレートな言葉で作品について語っていただいたことに、平熱も上がり気味だ。
だから、ギャラリートークというものにあまり乗り気ではない私も、上沢さんとの掛け合いということを聞いて、二つ返事で引き受けることにした。
さて、当地は日本一の「あんずの里」として知られ、4月の上旬には雪をかぶった山々を背景に満開の花が咲き誇り、まさに桃源郷のごとき景色を楽しめるとのこと。ちょうどそのころ、こけら落としとして富田久留里さんの作品がギャラリーの壁を飾る。第2弾として私の個展「平熱日記in千曲」が4月15日から5月1日まで、千曲市の「art cocoon みらい」で開かれる。お忙しい方はネットでアクセスを! これも今の文化の在り方。(画家)
