つくば市千現、物質・材料研究機構(NIMS)千現地区の研究本館 標準実験棟6階の実験室で今年1月13日午後10時6分ごろ出火し、実験室約44平方メートルが焼けた火災で、同機構は31日、出火原因を、冷蔵庫内で薬品が引火し爆発したと推測されると発表した。
ただし出火元の損傷が激しく出火原因は特定されていないとし、薬品が引火し爆発した原因について①冷蔵庫内に保管されていた引火点が低い薬品が気化し、冷蔵庫の電気スパークの火花が引火、爆発した②冷蔵庫内に保管されていた水と反応する金属から湿気により水素ガスが発生し、電気スパークの火花により引火、爆発した③冷蔵庫内に保管されていた水と反応する物質が湿気や水と反応し発熱して発火、爆発したの3つのいずれかが考えられるとした。
火災があった実験室では、超伝導材料や磁性材料の創製に関する作業が行われていた。最終退出者が実験室を出て約3時間30分後に出火した。火災によるけが人や環境影響はなかったとし、実験室の実験機器や設備は使用不能となったとしている。
同機構は再発防止策として、実験室にある一般の冷蔵庫を防爆対応冷蔵庫に置き換えていくと共に、薬品管理のガイドラインを改訂し、化学物質の取り扱いや保管方法について、安全データシート(SDS)に基づき適切な管理の徹底を図るとしている。さらに従来から実施している教育研修に加え、今回の火災事故を踏まえた教育研修を改めて実施するとしている。