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2023
「無償移譲」か「パークPFI」か つくば市民の選択問う洞峰公園説明会
2023年7月29日
茨城県営の都市公園、洞峰公園(つくば市二の宮)の無償譲渡をつくば市が県から受けることに対する市民説明会が28日、同公園内の筑波新都市記念館で行われた。説明会は、22日に3度開かれたのに続き4度目。会場には40人あまりの市民が訪れ、五十嵐立青市長や県担当者との質疑が交わされた。 参加者からは、グランピング施設建設を伴う従来のパークPFIによる公園管理案か、洞峰公園の無償譲渡のどちらかを受け入れるという、「二者択一」をつくば市民が迫られている現状と、譲渡後にかかる1億5000万円の維持管理費を念頭に「もう少し議論をするべきでは」との疑問が投げかけられた。 五十嵐市長はこれに対し、「様々な話を知事ともしてきた。その中で県は、パークPFIをやるか、無償譲渡をつくば市が受け入れるか、ということになった。事実として二者択一しかなかった」とし、県都市整備課は「我々はパークPFIが最良と判断した。無償譲渡がもうひとつの選択肢。二者択一と考えている」と他の選択肢は考えていないことを改めて強調した。 移管前に県、12カ所の修繕を検討 無償譲渡後の公園管理方法について、市長は「管理の仕方は決定していない」とした上で、「指定管理(者制度)でなく、しばらくは直接業務委託のような形をとる」とし、「その間に(市民や有識者による)協議会でどのような形がいいかよく話し合う。指定管理がいいのか、別の形がいいのか、パークPFIがいいのか、(公園の)一定の方向性を示した上で公募に入っていきたい」との認識を示した。また、これまでにも議題にあげられていた駐車場の拡張については、「満車になるのは週末一定の時間だけ。平日は空きがある」とし、「今の段階で拡張する計画はない」と説明した。 譲渡の際には、今年5月に実施した、公園内の新都市記念館、フィールドハウス、体育館、プールに関する状況調査において「早急な修繕が必要」と判断された外壁や煙突など12カ所について、市への移管前に、県が修繕を検討していることが伝えられた。 その他、参加者からは、「(洞峰公園は)つくばの都市としての公共デザインとして非常に重要。50年の間に成熟したこのデザインを守っていただきたい」などの要望や、「校外学習で現在の洞峰公園の環境を子どもたちに体験させるだけでなく、つくば市の歴史も伝えていくことで、自分の街への愛着をより抱くことができるのでは」「(公園内の)落ち葉を堆肥にしたり、剪定で切り落とした枝を薪にしたりし売ることで管理費の節約につながるのでは」などの意見が挙げられた。 市による説明会はこの日が最終日となる。今後のスケジュールは、8月にアンケート調査を実施し、その結果次第で国、県との必要な協議や、市民や有識者らによる協議会設置の準備に入る予定。9月議会では、県から無償譲渡を受ける条例改正案、予算案を市議会に提出、10月に市に移管になるとした。8月に市が実施するアンケートの設問や方法などはまだ決めてないとした。(柴田大輔) ➡22日の第一回説明会の質疑の概要はこちら
黒い心 《短いおはなし》17
2023年7月29日
【ノベル・伊東葎花】5歳の夏、弟が生まれた。僕は一週間、伯母の家に預けられた。伯母は古い一軒家に、ひとりで住んでいた。慣れない家で眠れずにいたら、天井に黒いシミが現れた。シミはどんどん大きくなり、やがて液体になって僕の額にポトリと落ちた。悲鳴を上げたら伯母が飛んできて、背中を優しくなでてくれた。黒いシミが、じわじわと体の中に入る気がした。 母と弟が退院して、僕は家に帰った。「卓ちゃんは、お兄ちゃんになったのよ」母はその日から弟の世話ばかりで、僕は甘えることができなくなった。ある日僕は、心の中で念じてみた。「弟なんか消えてしまえ」すると翌日、弟は高熱にうなされて、生死の境をさまよった。僕は怖くなり、命を取りとめた弟に何度も謝った。 小学生になり、僕は自分の力を確信した。いじめっ子に「消えてしまえ」と念じたら、翌日交通事故で入院した。嫌な先生に「消えてしまえ」と念じたら、翌日不祥事を起こして学校をやめた。宿題が終わらなくて「学校なんか燃えてしまえ」と念じたら、ボヤ騒ぎが起きて3日間休校になった。僕は自分の心が怖くなって、念じることを一切やめた。 12歳になった夏、母が原因不明の病気で入院した。僕は弟と一緒に、再び伯母の家に預けられた。伯母は僕にだけ、異常なほど優しかった。弟が寝た後、伯母が僕の顔をのぞき込んで言った。「ねえ卓ちゃん、伯母さんの子供にならない?」伯母は、嫁いですぐに夫を亡くして子供がいない。寂しいのは分かる。だけど僕は、すぐに首を横に振った。 「伯母さん、僕はこの家が怖い。だからこの家の子にはならないよ」僕は、あのシミを見た夜のことや、その後に起きた不思議な力の話を打ち明けた。「なんだ。卓ちゃんもそうなの。実は伯母さんにも、その力があるのよ」伯母は、嫁いで間もないころ、僕と同じ経験をしたそうだ。「でも、卓ちゃんの念はちょっと弱いね。優しい子だから、本当に消すことは出来ないのね。伯母さんの念は強いよ。意地悪な姑(しゅうと)と小姑、ふがいないダンナ、みんな消しちゃった」伯母はさらりと言った。笑みさえ浮かべている。 「伯母さん、まさかお母さんに何かした?」「ふふ、卓ちゃんが欲しいって言ったら断られちゃったから、ちょっと嫌がらせ。ねえ卓ちゃん、私がもっと強く念じたら、あんたのお母さん、どうなるかな」「やめて」「ねえ卓ちゃん、伯母さんの子になって」伯母が手首をぎゅっとつかんだ。やめて、痛いよ、やめて。 伯母の手が急に離れたと思ったら、胸を押さえて苦しみだした。「えっ、伯母さん?」伯母の呼吸が止まった。僕は念じていない。僕じゃない。 後ろの襖がすうっと開いた。弟が立っていた。「ぼく、この伯母ちゃんキライ」弟の額には、黒いシミがべったりと付いていた。(作家)
「君が代」と「さざれ石」 《ひょうたんの眼》59
2023年7月28日
【コラム・高橋恵一】大阪府吹田市で小中学校の児童生徒が校歌と国歌「君が代」の歌詞を暗記しているかどうかという調査をしていたと報道された。市議会議員の要求で数年調査していたようだ。暗記しているかどうかということは、学校で歌詞を教えているということだが、歌詞の意味をどのように教えているのだろうか? 私が小学3年生のとき、君が代の意味を先生に質問したら、「『君が代』は、以前は『天皇陛下の治める世の中、天皇の国』の意味だったが、今は、君と僕、私とあなたの世の中という意味にしている。千代に八千代にというのは、とても長い期間という意味。『さざれ石』は小さな石の意味で、とても小さな石が、だんだん大きくなって岩に、さらに立派な巌(いわ)になってコケに覆われるまで、私たちの国が永遠に栄えることを願う歌だ」と説明してくれた。 1999年の国旗・国歌法の制定に際し、君が代は、大日本帝国憲法下、天皇=国家への絶対忠節を強制し、戦意発揚につなげた経緯から、国民主権の日本にはふさわしくないという意見が沸き上がったが、政府は、君が代の歌詞は、元々、新古今和歌集にあり、長寿を願う歌で、国民になじんでおり、変える必要がないとして、国歌に制定した。 ところが、「さざれ石」については、小さな石が、成長して大きな岩になるはずがないとの指摘があり、政府は、これを気にしたようだ。 当時、文部科学省が、庁舎建て替えに際して、別のビルに仮住まいをしていたのだが、その玄関ロビーに、砂利の混ざったコンクリートの固まりのような、高さ1メートル弱のモニュメントらしきものが置かれていて、「さざれ石」と表示されていた。その石は、石灰質角礫岩(せっかいしつかくれきがん)といって、液状化した石灰質が、接触する小石や砂などの接着剤となって固まった礫岩だ。 礫岩=さざれ石とする文科省の強弁 さざれ石は礫岩の構成員だが、凝結した時点で「さざれ石」ではなくなる存在だ。1963年頃、岐阜県の愛石家が、地元の伊吹山麓の河岸に散在する礫岩を「君が代のさざれ石」と発表して、広まったらしい。出雲大社、鹿島神宮、建長寺などにも、礫岩がおかれていて、「さざれ石」として案内されている。 しかし、新古今和歌集の詠み手は、伊吹山麓の石灰質角礫岩を知るはずもなく、平安時代の歌詠みとして、アミニズム的な感性から、小石(さざれ石)が古刹(こさつ)の苔(こけ)石や屏風(びょうぶ)岩のように成長するとしたもので、現代にもつながる、日本人的な豊かな感性の国風文学の表現であり、人々に受け入れられているのであろう。 礫岩を「さざれ石」だとする文科省の強弁は、忠君・愛国の軍国日本を絶対とし、国威発揚の道具として、「君が代」を強制した暗い過去に戻したい勢力への忖度(そんたく)であろうか? どう取り繕っても、さざれ石は、さざれ石。極小の小石だ。文科省が、先頭に立って国語をねじ曲げている。 学校も神社仏閣も所管は文部科学省。先の戦争では、学校も神社仏閣も、戦争遂行の先手とされていたことを忘れてはいけない。(地図好きの土浦人)
介護のDX化で福祉拠点づくり推進 つくばに70床の特養
2023年7月27日
セキショウグループの社会福祉法人関耀会(筑西市、葉章二理事長)は26日、つくば市大砂に完成させた特別養護老人ホーム「まごころの杜つくば」(大島弘行施設長)の開所式を行った。医療機関、施工業者、行政などの関係者を集めた。 筑波山神社、岡野真介権禰宜(ごんねぎ)が祝詞(のりと)を上げ、参加者の玉串奉奠(ほうてん)などの神事の後、関彰商事、関正樹社長が施主挨拶を行った。国光綾乃衆議院議員、山口裕之県福祉部長、市原健一いちはら病院理事長の3人が来賓として挨拶した。医療、福祉、介護の労働力不足が深刻化する中で、効果的なDX(デジタルトランスフォーメーション)を進めていく、施設への期待は大きいという内容だった。 同ホームはつくば市北部の敷地面積9449平方メートルに、2階建て延床面積3945平方メートルで建設。開設は29日の予定。 施設は「持続可能な未来の地域福祉拠点」をコンセプトに、ユニット型70床、ショートステイ10床が配置され、入所者が安心して暮らすことができる空間をめざし作られた。「ユニット型」の居室は共用スペースであるリビングを囲うような形となっているため、入所者と施設スタッフが交流しやすい作りとなっている。 運営面では、居室センサー、離床や体動、心拍を完全に把握するベッドセンサー等の導入、スマートデバイスの活用やデータ連携を図り、経験や勘ではなく、データに基づいた「介護のDX化」を推進する。また、ケアプランに基づいた介護を推し進める上で、スケジュール管理に「AxistX」(アクシストエックス)という利用者と職員の業務予定をまとめて扱えるシステムを使い、質の高いケア・業務の効率化を図り、その結果全職員の業務の可視化が実現するという。さらに、太陽光発電の設置、送迎車としても利用する電気自動車の導入など環境に配慮した持続可能な施設運営を目指す。 葉章二理事長は「高齢化社会がさらに進む中、人材不足が叫ばれている。環境対策や最新テクノロジーを駆使した設備を利用することで効率の良い施設運営をし、未来の地域福祉拠点を作り上げていきたい。地域の医療や福祉にまごころをこめ貢献することで地域の人々の幸福につながれば良い」と展望を語った。(榎田智司)
高速の爽快感、新幹線 《遊民通信》69
2023年7月27日
【コラム・田口哲郎】前略 先日、新幹線で博多まで行ってきました。東京駅を出発して5時間で着きました。博多は航空機で行くのが主流のようですが、鉄道好きとしては、新幹線以外に選択肢はありませんでした。東京駅を山手線で通るたびに、東海道新幹線を見かけては、旅情に思いを馳(は)せていたものです。 東海道新幹線といえば、幼い頃に新大阪から上京するときによく乗せてもらいました。私世代にとって新幹線といえば、丸いボンネットの0系です。いまはN700系。ずいぶん進化しましたが、カラーは白にブルーと新幹線は新幹線です。 さて、今回は内田百閒先生のように、用事もなく特急電車に乗って大阪に行ってきた、ということではありませんでした。用事がしっかりあったので、先生のように優雅に鉄道だけを楽しむ旅ではなかったのです。 しかし、5時間も超高速鉄道に乗っていますと、先生のエッセイを読むだけでは感じられないことに気づいたりしました。百閒先生は当時の特急「はと」が電気機関車に牽(けん)引されていて、時速70キロ以上出ているのではないか、とその速さに言及されています。いま時速70キロというと、常磐線の営業最高速度が時速130キロ超なのを考えると、速くはないのですが、戦後すぐには最先端であったでしょう。 このまえ乗った新幹線の最高速度は時速285キロです。百閒先生のときの4倍ほどになります。新幹線の車両は実によくできていて、揺れも騒音もないのですが、280キロの速さは体感できます。車窓の景色の流れが速い。目を閉じてもその速さを実感できます。日本国に通された鉄の道をすごいスピードで走り抜けるのは爽快でした。 なにか、日ごろの疲れが吹きとぶような、おはらいのような感覚がありました。百閒先生も用もないのにわざわざ電車に乗るために大阪に行っていたのは、このスピードの爽快感を味わうためではないのか、と思いました。国土を猛烈に走り抜けるという、現代では当たり前の体験。しかし、これは人類が日々更新している、新しい体験でもあります。 車内チャイムにみる時代の流れ そういえば、新幹線の車内チャイムはTOKIOのBe Ambitiousが7月20日、20年来の勤めを終えて、最後だったそうですが、最後に聞けてよかったです。 20年前にAMBITIOUS JAPANをキャッチコピーに新幹線が走り抜けていた東京を思い出します。バブル崩壊後、IT革命勃発、グローバリゼーションの波の到来と、日本が新しい激動の時代に向かって立ち向かおうとしていた時代です。野心的であれ。 新しいチャイムは、UAさんの「会いにゆこう」だそうです。新幹線が日本の野望を担う大動脈から、個人と個人を結ぶ赤い糸に自己認識を変えたのでしょうか。時代の変化を感じずにはいられません。新幹線よ、永遠に。ごきげんよう。 草々(散歩好きの文明批評家)
甲子園切符は土浦日大 9回一気の逆転劇【高校野球茨城’23】
2023年7月26日
第105回全国高校野球選手権茨城大会は26日、ノーブルホームスタジアム水戸で決勝を行い、土浦日大が霞ケ浦を5対3で破り、5年ぶり5度目の夏の甲子園出場を決めた。霞ケ浦の最速150キロ右腕・木村優人は9回に力尽き、甲子園出場は夢と消えた。 土浦日大は3点を追う9回に7安打を集中、一気に5点を奪って逆転した。この回先頭の代打伊藤智一が右前打、飯田将生が右前二塁打で上位打線へ勢いをつなぐと、中本佳吾の中前打で2点を返す。押せ押せとなり、太刀川幸輝の左前打などで2死一・二塁とし、香取蒼太、松田陽斗、鈴木大和の3連打で3点を追加、一気に逆転を果たした。 逆転打の松田は「前の打席からまっすぐをとらえていて、変化球で来るだろうと予想。打った球は覚えていないが、振り遅れず、詰まったと思ったが気持ちで持っていった。きれいなヒットでなくても次へつなぐことが大事」と話した。 先に好機をは生かしたのは霞ケ浦だった。3回裏に土浦日大の先発、藤本士生から3点を奪った。羽成恭之介の中前打や山崎隼人の内野安打などで1死一・三塁から、木村の遊ゴロが敵失を誘い2者生還。羽成朔太郎が左前打でつなぎ、大崎謙の右前適時打で1点を追加した。 ところがその後は打線が沈黙。特に6回以降は藤本の切れのある投球に三者凡退が続いた。一方木村は8回までを被安打7、奪三振5で無失点に抑えていたが、9回に力尽きた。霞ケ浦には魔の9回、両校は2017年の決勝でも顔を合わせ、9回表の逆転劇で甲子園を逃した悪夢がよみがえった。 勝利投手の藤本は「失点しても弱気にならず、相手がいやがる攻めの投球ができた。コンディションは良いとはいえないが、抑えるところは抑え、打たせるところは打たせて、メリハリの効いたプレーができた」と振り返った。 土浦日大の小菅勲監督は「木村投手には8回まで完璧に抑えられたが、9回には気持ちを切り替え、特に伊藤智、飯田のつなぎが大きかった。(取手二時代の恩師の)木内幸男監督は『野球は何が起こるか分からない』と常々言っておられたが、そういう気持ちで最後まであきらめないことが得点につながった」と選手を讃えた。 霞ケ浦の高橋祐二監督は「木村が7本も連打を浴びるのは経験がない。どうしてこういうことが起こるのか」と、まるで負けに不思議の負けがあったかと言わんばかりの表情。「木村のボールは前2戦より走っていて、相手を押し込めていたが、勝ちを急ぐ気持ちがあせりを生んでしまったか。相手の執念に負けた」とかぶとを脱いだ。
人口増加率全国1位に つくば市
2023年7月26日
総務省が26日公表した住民基本台帳に基づく人口動態及び世帯数調査によると、つくば市の2023年1月1日現在(2022年1月1日から12月31日まで1年間)の人口増加率は2.30%となり、市区部で全国1位となった。つくば市が1位になるのはデータが比較可能な1995年以降初めて。 2位は千葉県印西市の2.16%、3位は流山市の1.90%、4位は東京都豊島区の1.89%、5位は台東区の1.85%で、つくばエクスプレス(TX)沿線のつくば市、流山市、台東区の3市区が全国ベスト5のうちの3つを占めた。 つくば市統計・データ利活用推進室によると、同市の人口増加率は2016年以降、1.5%前後の増加と堅調に推移してきた。特に沿線の区画整理事業が完了し宅地分譲が本格化しているここ数年は増加率が全国トップ10に入っており、2020年(2019年1-12月)の人口増加率は1.64%で全国9位、21年(20年1-12月)は1.75%で4位、22年(21年1-12月)は1.96%で2位となり年々順位が上がっていた。 人口増の主な要因について同市は、子育て世帯がTX駅近辺に転入を続けていることのほか、特に新型コロナの影響で控えられていた国外からの外国人の転入が、2022年中に再び活性化したことによる一時的な影響も大きいと分析している。 五十嵐立青市長は「転入超過数が2年連続、一般市で全国最多となったことに加え、人口増加率も全国1位となったことは、つくば市が選ばれるまちとなっていることが数字で示されており意義がある」とし「ランキングに一喜一憂することなく、持続可能で包摂的な都市を市民と共につくる努力を続けていく」とのコメントを発表した。 同市の人口は、合併してつくば市が誕生した1987年は11万人だったが、TXが開通した2005年は19万人になり、08年には20万人を超過、22年6月に25万人を突破した。今年7月1日現在の人口は25万5152人となっている。
たくましい農家の女性《菜園の輪》13
2023年7月26日
【コラム・古家晴美】今回は、つくば市北部の農村に住む沢辺賢子(たかこ)さん(78)にお話をうかがった。50年前に玉里村(現小美玉市)の農家から嫁いで来た。当時、舅(しゅうと)と姑(しゅうとめ)は、主に稲作と養蚕を営む農家で、自分たち息子夫婦はその手伝いをしながら、養豚やシイタケ栽培に取り組んでいた。 そして、その後約30年間は、バラを中心に栽培してきた。しかし、温室の燃料費高騰などもあり、バラ園は今年2月に閉園し、後継者である息子さんはブドウを栽培している。 専業農家の現役主婦の活躍ぶりには、頭が下がる。賢子さんがバラ園で働いていた2月までの生活は多忙を極めた。バラの作業にいつも追われ、近所の人とも長話もできず、家事と仕事の合間の時間に自家用畑の面倒を見ていた。 出荷前日の月・水・土の1日のスケジュールを振り返ると、朝6時に起床し、夫婦の朝食の準備、8時から花切り開始。12時に昼食の準備、13時半くらいからずっと花を束ねている。週末以外の18時には、家族の夕食の準備を始めなければならない。 大人ばかり7人の大家族の食事では、1日8合の米を食べきる。それに伴う大量のおかず作りも一仕事だ。朝からずっと花の作業と家事に付きっ切りとなり、息つく暇もない。 そして、日・火・木の花の出荷が終わる午前10時からお昼頃を、賢子さんは自家用畑の作業時間に当てていた。この地域では、自家用野菜を作る畑を「〇〇の畑」と地名で呼ぶ以外に、「ソトヤラ」(外谷和原)とも言うとのこと。 賢子さんは、5畝(せ=500平方メートル)の畑を1人で面倒を見ている。舅の手伝いをしながら、畑仕事を覚えた。姑は養蚕にかかりきりになっていたので、舅が自家用野菜を栽培していたのだ。賢子さんが本格的に作り始めたのは、舅が他界してからのことだ。 干し柿、こんにゃく、たくあんも 今の季節は、ナス、キュウリ、トマト、ピーマン、インゲン豆、ジャガイモ、白瓜、玉ねぎ、トウモロコシなどが食べ頃だ。また、仏壇に供えるための百日草、ダリア、グラジオラス、ホオズキも大輪を咲かせ、実をつけている。 畑の中央の小梅と南高梅、柿の木の根元には、こんにゃくが青々とした葉を茂らせている。去年は梅干を10キロ漬けた。今年は干し柿とこんにゃくを作る予定だ。冬になれば、大根35キロをたくあん漬けにする。大根の運搬を除けば、すべて1人でこなす作業だ。 賢子さんにしても、他界されたお姑さんにしても、農家の女性は、まさしく「縁の下の力持ち」だ。たくましい。(筑波学院大学教授)
障害者が遠隔操作するロボット接客 つくば市 就労可能性探る実証実験
2023年7月25日
つくば市で今月から、障害者が遠隔地で操作する分身ロボットによる接客などの実証実験が始まった。コーヒーファクトリー「スタートアップカフェ」(同市吾妻)では飲食物の配膳や来店者との会話を、市立中央図書館(同所)では絵本の読み聞かせを、全国各地の障害者や筑波大学に在籍する障害のある学生がロボットを通して行う。同市は昨年度、筑波大学の実証調査に協力する形で、同様の調査を約3週間実施したが、今回は5カ月間にわたり、障害のある市民などの就労可能性を検証する。 ロボットはオリィ研究所(東京・日本橋)の開発による「OriHime(オリヒメ)」。遠隔操作によって人の「分身」として働く。今回の実証実験では、体調などの面から週に数時間しか就労できない障害者数人が1台の分身ロボットを交代で操作する。 障害者雇用促進法は、事業主に障害者を一定数以上雇用する義務を課しているが、その対象は週20時間以上働ける障害者となっており、より短時間しか働けない重度障害者は雇用実績に換算されない。市科学技術戦略課の大垣博文課長補佐は、「ロボット1台の稼働時間を労働者1名の労働時間に読み替えることで、短時間労働の障害者も雇用率に算定できないか検証したい」と話す。 様々な人と会話しながら働く 20日から始まった実験で、筑波大学社会・国際学群1年のきなこさん(18)は24日、カフェで初めて働いた。 体長23センチほどの分身ロボットが乗るワゴンに、店員が「テーブル2番にレモンアイスコーヒーをお願いします」と商品を置くと、「わかりました」とロボットからきなこさんの声が聞こえてきた。自宅にいるきなこさんが遠隔操作でワゴンを動かし、テーブル席まで運んでいるのだ。 ワゴンが近づくと、客が商品と、必要に応じて紙ナプキンなどを受け取る。きなこさんが「シロップが下に溜まりやすいので、かき混ぜてお飲みください」と声をかけ、ロボットはカウンターに戻った。 普段、きなこさんは車椅子で生活する。以前から、様々な人と会話しながら働く接客業に興味があり、アルバイトを探していたが、車椅子での通勤や立ち仕事が不安で、実際に働いたことはないという。リモートでの接客なら、自分に合った働き方ができると思い、今回参加した。「将来は、いろんな人とお話しできる仕事に就きたい。今回の実証実験が、私自身の経験になると同時に、移動に困難があっても、このような形で働けることを多くの人に知ってもらうきっかけになるといい」 きなこさんからコーヒーを受け取った男性客は「最初は戸惑ったが、スムーズにコーヒーを受け取れた。障害のある人も働ける場がもっと広がればいい」と話した。 今回の実証実験に参加する筑波大生は、きなこさんのほか、運動障害や発達障害のある学生5人。 働く経験で高まる「自己効力感」 障害のある大学生が実証実験に参加する意義について、筑波大学人間系の大村美保助教は、「多くの大学生は飲食店などの接客業でアルバイトすることで、様々な年代や職種の人と関わり、社会を知る機会になる。しかし、運動障害のある学生が同様のアルバイトをするのは難しい。今回、このような形で働くことは、社会との接点になるだけでなく、他の大学生と同じ経験をすることで自信にもなるだろう」と話す。 昨年度の実証実験では、分身ロボットによる短時間アルバイトを通して、障害のある学生の「自己効力感」や職業に対する関心が高まったという。大村助教は「今回、より長い期間、働く経験をすることは、その後、学生たちがキャリア形成をしていく上で役立つだろう」と期待する。(川端舞) ●コーヒーファクトリーでは、11月24日(金)までの期間、11時30分から13時30分は全国各地の障害者が、15時30分から16時30分は筑波大の障害学生が接客等をする。11月27日(月)から12月20日(水)は、11時30分から13時30分で、全国各地の障害者のみが行う。いずれも土日祝日と、8月14日(月)から18日(金)は除く。 ●市中央図書館では、9月7日(木)まで毎週木曜日、10時30分から15分間、以前、保育士をしていたが障害のために働けなくなった人たちがOriHimeを通じ、絵本の読み聞かせをする。
66人に還付通知を誤発送 市県民税983万円分を二重計上 つくば市
2023年7月25日
スマートフォンやパソコンを使って納税できる「地方税共通収納システム」を利用して7月につくば市に納付があった66人分の市県民税について、同市は24日、納め過ぎた市県民税を返還するので請求してほしいという内容の過誤納金還付通知書を、66人に誤って発送してしまったと発表した。誤発送した還付金額は計983万800円になる。 市納税課によると、今月10日に市に納税情報の通知があった66人分について、市職員がシステム操作を誤り、二重に納付した状態となった。職員が作業の途中で別の電話対応や窓口対応を行い、ミスが発生したと見られるという。 還付通知書は14日と18日、66人に発送した。その後20日、課内でチェックをしたところミスが分かり、同課は66人に対し、経緯を記載したお詫びの文書を送付した。一方、24日までに7人から電話で「2回払った覚えはない」などの問い合わせがあり、7人に対し経緯を説明の上、謝罪した。実際に還付金の支払いはないという。 再発防止策として同課は、複数の職員で確認を行うなどチェック体制を強化するほか、納税情報の二重計上ができないよう、地方税共有納税システムに連動する市の収納システムの改修を実施するとしている。
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