月曜日, 4月 6, 2026

創薬研究に産学連携拠点 筑波大 クライオ電子顕微鏡お披露目

筑波大学生存ダイナミクス研究センター(TARAセンター、つくば市天王台、林純一センター長)は16日、クライオ電子顕微鏡施設のオープニングセレモニーを開いた。競争激化する創薬研究で必須となっている構造解析に不可欠な装置で、セレモニーには研究者ばかりでなく産学官の関係者が集まり、研究の加速、利用の拡大への期待を語った。つくばにおける2号機、3号機となる2台がお披露目された。 クライオ電顕は、液体窒素温度条件下(クライオ)でタンパク質などの生体分子に対して電子線を照射し、試料の観察を行うための装置。タンパク質の立体構造を高分解能で決定する手法として、目覚ましい技術革新を遂げている。2017年その開発に貢献した研究者3人にノーベル化学賞が授与された。以来、日本でも関心が広がり、つくばでは2018年4月に高エネルギー加速器研究機構(KEK)物質構造科学研究所に最初の1台が導入された。 タンパク質の構造解析に威力 TARAセンターには、電子を200キロボルトと300キロボルトにそれぞれ加速する2台の装置が導入され、このほど稼働を開始した。国の2020年第3次補正で総額32億円、全国3拠点に6台のクライオ電顕を措置したうちの2台。新型コロナウイルスや創薬研究のための構造解析に向けた基盤構築を早期に実現するのを目的に、日本医療研究開発機構(AMED)が導入先を選んだ。 導入を指揮した岩崎憲治教授らによれば、クライオ電顕は試料を凍結したまま観察することができるため、タンパク質などの壊れやすい生体高分子、特に分子量の大きなタンパク質複合体の観察に適しているという。創薬研究では治療の標的物質に薬が「くっつくか」の見極めが極めて重要で、特に結晶化というプロセスを介さずにタンパク質の立体的な構造解析が可能なクライオ電顕の可能性は大きい。 装置や撮影技術の高度化の一方、測定試料の事前調製に精緻(せいち)な作業と膨大な労力が必要なのが課題だ。タンパク質の構造決定で自動化が実現すれば、下処理などにかかる回数や時間の大幅な改善が期待できる。遠隔化が可能になればパンデミックのような状況でも研究が継続できると見られている。 本格運用は7月から 今回導入の2台はともに日本電子(本社・昭島市)製。セレモニーであいさつした同社、栗原権右衛門会長は「世界でクライオ電顕を手掛けるメーカーは2社しかない。出遅れていた米国社にようやく追いつき、自動化、リモート化で盛り返してきた。わが社がYOKOGUSHI(ヨコグシ)と呼んでいる産学連携のいっそうの推進を図りたい」とした。 KEKの千田俊哉構造生物学研究センター長は「KEKでも今回、実験棟を新設、クライオ電顕を移設した。筑波大、物質・材料研究機構と組んで立ち上げたTCEF(クライオ電顕フィート)チームで、利用の一体的な体制整備を進めたい」とした。つくば地区に研究所を構える製薬メーカーからは「勘や経験に頼っていた探索にビッグデータやAI(人工知能)を活用する時代。クライオ電顕の共同利用に期待は大きい」との声も聞かれた。 岩崎教授は目標として稼働の50%を企業支援に当てたいとする一方、「大学は教育機関なので、学生やインターン、電子光学を志す専門家の研修にも役立たせていきたい」とした。筑波大では6月ごろまではトライアル期間として、7月以降課金しての本格運用を目指している。(相澤冬樹)

21日で解除を要請 茨城県 まん延防止重点措置

21日で期限を迎える茨城県に対するまん延防止等重点措置の適用について、大井川和彦知事は15日、21日までで解除するよう国に要請したと発表した。 県内の新規感染者数は高止まりが続いている一方、高齢者の3回目のワクチン接種が進み、病床稼働数は2月下旬から減少し低い水準を維持していること、社会経済活動に与える影響を総合的に判断したとしている。 今後の対策の在り方については、飲食店を中心とした経済活動の制限は効果が薄れてきており、ワクチン接種対象でない未就学児や、接種が開始されたばかりの児童に、対策が移ってきているのではないかとの見方を示した。 保育所や小学校で幅広い検査再開 現在の県の感染状況については、新規感染者数が前週と比べ1.02倍と高止まりし、自宅療養者数も若干増加傾向にあるとした。 要因として、特に小学生や未就学児など20歳未満の感染が増えているとし、それが家庭内で親の世代まで広がり、全体として感染者数が減らない状況にあるとした。 対策として、検査能力が足りず一時中断していた濃厚接触者以外の幅広い検査を16日から保育所や小学校などで再開し、検査を徹底して症状がないケースも早期に発見するとした。 さらに職場などのワクチン接種を促進するため、4月中旬までに職員全員の3回目の接種が完了するよう、企業や大学などに接種の促進を要請する。 「いば旅あんしん割」を再開 重点措置の適用が21日までで解除になった場合、飲食店への営業時間短縮要請を解除する。 観光事業者を支援するため、県内に宿泊の際、割引が受けられる「いば旅あんしん割事業」を再開し、16日から予約を再開する。ただし期間は今月31日まで。4月以降の利用は国の補助金の延長が決まり次第、改めて発表する。今回「あんしん割」を利用できる条件は、3回目のワクチンを接種済または検査で陰性の県民。 年度末、年度始めは人の移動がひじょうに増える時期であることから県はさらに、歓送迎会などの会食は少人数、短時間とする、花見は2メートル以上の距離を確保し、会話の際はマスクを正しく着用するーなどを呼び掛けている。

トナリエキュート1階の「魚丼屋」《ご飯は世界を救う》45

【コラム・川浪せつ子】TXつくば駅を上がったところの商業施設「トナリエキュート」。1階にあるパン屋さんのカフェにはよく寄りました。ところがそのお店が2月中旬で閉店。コロナ禍でお客さんが減ったためなのでしょうか。悲しい出来事でした。1階のフードコートに入ったことはありませんでした。 2月19日午後、つくば市主催の「ショートムービーコンペディション」(2月26日付)がつくばエキスポセンターのプラネタリウムで開かれました。私はその選考委員。その前に食事をしようと、フードコートに立ち寄りました。私はちらし寿司が好きなのですが、外食ではあまりお目にかかれません。でも、ありました。「魚丼屋」さんが。 注文したのは「漬けばらチラシ・アボカド丼」。お値段はとってもお手頃。大好きなちらし寿司に、これまた大好きなアボカド! かわいいお魚の小さな入れ物にお醤油。何とも言えない幸福感。お味もグー。 コロナで映像業界も美術業界もピンチ 今回のコンペはグレードが高く、プロの方が多く出展してくださったようです。審査委員長の中山義洋監督さんが「コロナでは、飲食業界より映像業界の方が大変です。失業率ほぼ70パーセント」とスピーチ。これには驚きました。そのため仕事が減ってしまい、プロの方がこのコンペに出展して下さったのかなと。 コロナで仕事が激減したのは映像業界だけではありません。美術業界もピンチです。画家さんたちの出展するギャラリーも、閉鎖する所が増えています。絵が売れない。そして有名な先生が教えるカルチャー教室も人が減っています。 暗い話で終わりたくないな。 広島に原爆が落ちた翌年、がれきの中に若木が伸びてきたそうです。植物は強いですね。あの日、広島にいた実父がそう話してくれました。希望は捨てないでください。(イラストレーター)

5年越しのリベンジへ 国際ナノカーレース参戦のつくばNIMSチーム

直径8ミリの金(きん)の表面をレース場に、全長2ナノメートル(10億分の2メートル)の分子マシン「ナノカー」が走るー。24日から、フランス・トゥールーズで開催の国際ナノカーレースに参戦する物質・材料研究機構(NIMS、つくば市並木)のチームが15日会見し、リタイアした第1回大会の雪辱を期し、意気込みを語った。 国際ナノカーレースⅡは、開催国のフランスをはじめ世界6カ国から計8チームが参加。24日から25日にかけ、24時間の制限時間内にどれだけ走れたか距離数で勝敗を争う。物材機構からは国際ナノアーキテクトニクス研究拠点(MANA)副拠点長の中山知信さん(60)をチームディレクターとするNIMS-MANAチームが連続参戦する。2017年に開かれた第1回は、制御用コンピューターの不調からリタイアしており、チームメンバーも分子マシンの設計思想も一新し、レースに臨むことになった。 前回は、参加6チームがフランスに集まり、1台の走査型トンネル顕微鏡(STM)内に設置された金のコース上で競走した。100ナノメートルの先着で競ったが早々に決着してしまい、今回は24時間の走行距離を争う方式に変更された。各チームのドライバーはフランス国立科学研究センターに集結するが、現地のコンピューター端末からそれぞれの所属先にあるSTMを遠隔操作するスタイルで行う。 陣容も設計思想も一新 チームのトップドライバーは先端材料解析研究拠点ナノプローブグループでグループリーダーを務める川井茂樹さん(45)。電子顕微鏡操作に長けている。分子マシンは超高真空、極低温環境下に置かれ、STMの探針から発せられる電気的な刺激によって前進させる。 ナノカーは100-1000程度の原子で構成し、前後の区別が必要というレギュレーションが設けられている。最先端の分子合成技術を駆使してマシンを設計・合成し、さらに操縦のために新たな科学的手法を開発する必要がある。分子を車輪のように設計し、回転させて前進を図ったりする。 「Slider-Spider(スライダー・スパイダー)」と名付けられたNIMS-MANAチームのマシンは、前回から設計思想を一新。金表面を滑るように移動する「超潤滑現象」に目をつけるという新機軸を採用した。平べったいものがクモのように移動するという。設計に当たったのはコンストラクターリーダーとしてチームに加わったMANA光機能分子材料グループリーダーのヒル・ジョナサンさん(53)。環状構造を持つ有機化合物ポルフィリン(porphyrin)を中心に置いて炭素やフッ素を有機合成し、まったく新しい物質を作り出した。 分子式にするとC64H34CuF6N4。原子の個数は109個、全長約2.5ナノメートル。「ナノカーと金表面の間の相互作用(摩擦)をいかに減らすかがポイントになった」。溶剤中で分子の組み合わせを変え、7回のステップで0.5%ほどが採取できるという。この材料をSTM内に入れ、温度設定を変えながら8回目の反応でレースマシンに仕立てあげるということだ。 ドライバーの川井さんは「STMは日本にあり、フランスの端末からの遠隔操作となると、わずかながら時間差が生じ、ヨーロッパのチームに比べるとハンデがある」としつつ、秘策を練って渡仏する。 日本に残る中山チームディレクターは「分子の動きを理解・統制する研究を加速させる科学的な挑戦。大会は知見の共有、交流というところに意義がある。NIMS-MANAの存在感を示したい」という。(相澤冬樹) ◆大会の模様はオフィシャルYouTubeでライブ配信(英語/フランス語)の予定。日本語解説付きのライブ中継は24日午後6時45分から、ニコニコ生放送で随時、公式配信される。NIMS-MANAチームの公式サイトはこちら。

「遺贈」で提携 筑波銀行と日赤茨城

筑波銀行(本店 ・土浦市、生田雅彦頭取)が15日、日本赤十字社茨城県支部(水戸市、日赤茨城)と「遺贈寄付に係る業務提携協定」を締結し、締結調印式を、同日、筑波銀行つくば本部ビルで行った。「遺贈」とは、遺言により遺言者の財産を特定の個人や団体に無償で譲ること。今後、双方の連携を通じて、遺贈寄付の希望者へのサポート体制を充実させる構えだ。日赤茨城は、災害救護をはじめとする活動資金確保の多様化を期待する。 社会貢献意識高まる 会見で、筑波銀行取締役の長島明伸営業本部長は、協定締結の背景について、高齢化社会の中で多様化する顧客のニーズや、社会貢献意欲の向上をあげ、顧客の要望に応えるためのサービス手段の一つとして、今回の協定締結に至ったとした。 日赤茨城の服部隆全事務局長は、高まる社会貢献意識の背景として「阪神淡路大震災や東日本大震災を通じて、助け合いの気持ちが強くなった。また間近で支援する人々の姿を見る機会が増えた」ことをあげる。さらに遺贈寄付については、昨年、同社に31件の相談が寄せられたとし、「年々増加傾向にある。高齢化社会で、子どもが少ない家庭や単身世帯の増加など、社会構造の変化がある」と指摘した。 寄付の市場規模拡大 2021年11月、認定NPO法人「日本ファンドレイジング協会」が、国内の寄付市場調査をもとに「寄付白書2021」発表した。それによると、2020年の個人寄付の総額は、名目GDPの0.23%に相当する、1兆2126億円であり、2016年の調査から1.5倍以上増えたとしている。また、NPO法人「国境なき医師団日本」の2018年の調査によると、「遺贈」の認知度は70代で85.5%におよび、「遺贈してもよい」と考えるのは全体の49.8%と、半数にのぼっている。また同調査では、「遺贈の魅力」の上位に、「遺産の託し先を自分で決められる」「遺贈先によって相続税の控除が受けられる」ことがあがっている。 要望かなえる 協定締結により、今後、両者は連携を密にしながら、遺贈希望者に対して双方を紹介し合い情報提供するなどし、遺贈希望者の要望をかなえていくとした。筑波銀行では、遺言書作成や保管、必要時の提携信託会社との仲介など、顧客に寄り添ったサービスを充実させていくとした。(柴田大輔)

「気軽に豪華なキャンプ」を記者が体験 19日、土浦にオープン

グランピングヒルズ「アウテラス茨城」 「気軽に豪華なキャンプを楽しむ」をコンセプトに、全棟独立型で完全プライベート空間を実現したグランピングヒルズ「アウテラス茨城」(にしがき、本社・京都府)が19日、土浦市東城寺にオープンする。関東平野を見渡す山の斜面に、白いドーム型テントと、コテージが点在する。都心から車で1時間、土浦、つくば市街地から10キロほどの場所にある。周囲には、県内外から多くの観光客が訪れる筑波山や、パラグライダー、ハンググライダーなどスカイスポーツが楽しめる朝日峠がある。 家族で気軽に ペット同伴も オープンに先立ち、メディア向けに施設が公開され、記者も宿泊体験をした。 以前からキャンプには関心があったが、テントをはじめとする装備をそろえたり、設置したりといった手間を負担に感じていた。それがここでは着替え一式あればよく、バック一つで気軽に行くことができる。 記者が泊まったのはドーム型テント。幅約8メートルの窓からは、周囲の山と関東平野を見渡せ、床はカーペット敷きで、そのまま寝転ぶこともできる。各部屋にある専用浴室で、いつでも汗を流すことができるのもありがたい。たき火セットもレンタルでき、夜は各棟でさらにキャンプ気分を満喫できる。 遮音性にすぐれたコテージもあり、小さな子どもがいる人も安心して泊まることができる。犬同伴で宿泊ができる「コクーンテント」は、犬が走り回れる屋外スペースや、犬用アメニティも準備されている。「ペットと泊まれる場所が少ないという飼い主たちの思いに応える取り組み」と、アウテラス茨城の広報、森下めぐみさんは話す。 豊富な地元食材を堪能 バーベキューは、食材の準備、火起こしや加減の調節、後片付けなど、手間がかかる。ここでは、各部屋のダイニングキッチンにはバーベキューコンロが設置され、届けられた食材を焼くだけでよい。 食材は常陸牛、ローズポークのスペアリブ、土浦産レンコン、貝類など、豪華な茨城の味を堪能できる。アヒージョやラタトィユなど、手のこんだ料理もスキレット(鉄製のフライパン)ごとコンロに入れるだけ。後片づけも任せられるので、家族や友人とゆったり過ごすことができる。ビールやハイボール、つまみなどをそろえた無料のフリードリンクバーもある。野菜をたくさん食べたい人は、共有スペースに用意された茨城産の野菜(無料)を部屋に持ち帰り、焼くこともできる。 素泊まりプランで、好みの食材を持ち込むなど、予算や場面に応じて自由な楽しみ方も可能だ。森下さんは「女子会などでも気軽に使ってほしい」と言う。このほか、ピザづくりやヨガ、貸し切りサウナなども体験できる。幅広い年齢層が楽しむことができる。 ポテンシャル高い地域 新型コロナ対策に関し、森下さんはこう話す。「当施設は全棟独立型で、他のお客様との接触も少なく24時間換気を行っているので、比較的安心してご利用いただけるのではないかと思います。希望によっては、チェックイン、チェックアウトをそれぞれのお部屋で行うこともできますし、食材も冷蔵庫に入れておくなどして、接触を減らすことも可能です」。こうした機能的な背景から「コロナ禍でもグランピングの需要は伸びている」という。 全国グランピング協会によると、新型コロナ感染拡大により影響を受ける中小企業への支援策として2021年3月から始まった事業再構築補助金制度には、200件以上のグランピング事業が採択されており、コロナ禍、グランピング施設の増加が予想されているという。 「この地域は首都圏からのアクセスが良く、気軽にアウトドアを楽しむ機会をつくりたい」とし、森下さんは地域の魅力をこう話す。「霞ケ浦も筑波山も近く、豊かな自然と、山と海の食材が豊富な茨城は、ポテンシャルの高い地域。そして何より人がやさしい。そこに助けられている。皆さんに支えてもらい、私たちも茨城に貢献できたらと思っています」。(柴田大輔) ◆客室は全15棟、それぞれに冷暖房が完備され、シャワー・バスルーム、トイレ、個別食事スペースがついている。料金は、1泊2食付きグランピングBBQプランが2万3430円から(消費税込み)、素泊まりが1万2980円から(同)。予約や詳細は、公式サイトにて。また、その他の問い合わせは、電話050-3198-5845にて受け付けている。

コロナ対策避難所を検証 つくば 水素燃料バスで電源供給も

つくば市の指定避難所となっている旧筑波東中学校体育館(同市北条)で14日、新型コロナウイルス対策を施した避難所レイアウトの検証が実施された。併せて、災害時の停電を想定した水素燃料電池バスによる電源供給の実証実験も実施された。 つくば市と筑波大、茨城県が共同で実施した。避難所感染症対策の検証は、筑波大医学医療系感染症内科学の鈴木広道教授がアドバイスなどした。水素燃料電池バスによる電源供給は内閣府の戦略的イノベーション創出プログラムの一環で実施された。避難所の新たな電源供給の在り方として今後、同大システム情報系の鈴木健嗣教授らが国に提案などしていくという。 ブルーシート敷き区切る 感染症対策をした避難所のレイアウトとして、体育館1階の床に、単身用、2人家族用、3人家族用と大きさが違うブルーシートを敷いて並べ、それぞれ2メートルまたは1メートルの間隔を空けて区切り、家族ごとにまとまって過ごせるようにする。 感染の疑いがある人が避難してきた場合は、入り口に近い、換気のよい体育館2階に間仕切りテントを設置し、非感染者とは別の場所で、家族ごとに過ごせるようにする。 感染症が専門の鈴木広道教授によると、避難所の感染症対策は、感染の疑いがある避難者と非感染者の動線を分ける、避難所内で感染者が移動する距離を短くする、空気の流れをつくるため2方向の窓を開けて換気する、トイレが1カ所しかない場合、感染者と非感染者で使用時間を区切り、感染者が使用した後は避難所の職員が消毒するーなどがポイントになるという。 ただし感染症対策をした場合、200人が避難できる体育館であっても、収容人数は3分の1ほどの60~70人になってしまう。市は、避難所への避難だけでなく、自家用車による車中避難や被災の恐れのない親戚や友人宅への避難、宿泊施設への避難などさまざまな避難を呼び掛けたいとしている。 一方、感染者専用の避難所を別に設ける予定で、指定避難所に一時滞在した後、自家用車で専用の避難所に移動してもらうことになるとしている。 14日は、避難所に来た後、具合が悪くなった患者役の職員を、非感染者用の1階のスペースから、2階の間仕切りテントに誘導する訓練なども実施され、避難所の職員が対応の方法を確認などした。 専用アプリで残りの電気量把握 停電を想定した避難所への電源供給は、今年1月に開発された小回りのきく水素燃料電池マイクロバスが出動した。同体育館に新たに非常用電源盤を設置して、マイクロバスから電気を供給した。 同体育館の場合、点灯する天井の照明の数などを3分の1ほどに減らせば30時間ほど電源を供給し続けることができるという。専用アプリで、供給可能な残りの電源供給量も把握できることから、残りの電気を確認しながら、避難所でお湯をわかしたり、避難者の携帯電話を充電したりできるという。 人工知能などを研究する鈴木健嗣教授は「バスだけでなく、水素燃料電池の乗用車からも電源供給できるので、住民、市民の力を借りて避難所で電源供給をやっていけるようなことも発信したい」と話している。(鈴木宏子)

原子力施設攻撃は人類への犯罪行為だ 《邑から日本を見る》107

【コラム・先﨑千尋】プーチンのとどまるところを知らないウクライナへの侵略。強大な核戦力を背景にし、2月末には核兵器運用部隊を戦闘警戒態勢に置くよう命令した。さらに停止中のチェルノブイリ原発を占拠し、今月4日にはウクライナ南部のザポロジエ原発を武力で制圧した。同原発は6号機まであり、欧州で最大。ウクライナ総電力の2割を供給している。同国のクレバ外相は「爆発すればチェルノブイリ事故の10倍の被害になる」と警告している。 運転中の商用原子力発電所への軍隊による攻撃は史上初めて。国際法やジュネーブ条約・議定書に明確に違反する行為だ。運転員はロシア軍に銃口を突き付けられながら運転を続けている模様だが、心身ともに疲労して、正常な運転操作やトラブルへの対応ができなくなる可能性が高い。また、運転を素人が強制的に止めれば、最悪の場合、東京電力福島第1原発事故の時のように原子炉が炉心溶融後に原子炉建屋が爆発・崩壊することもあり得る。変電所や送電網が破壊されれば原発の運転も不安定になり、不測の事態が起きることも想定される。 最新の情報では、チェルノブイリ原発では外部からの電源が切断され、非常用電源で動かしているようだが、放射能漏れなどが懸念される。ザポロジエ原発で外部電源が遮断されたら、ロシアも含めてヨーロッパ全体に被害が及ぶ。ロシアは、訓練を受けた原子炉操作員を制圧した発電所に配置し、ウクライナの操作員から引き継ぐことを考えているのだろうか。誰でもわかるように、素人は手を出せない。 原発は何よりも「おっかない」代物 プーチンの狙いは何か。原発の制圧で、電力という市民生活の要を押さえ、ウクライナのゼレンスキー政権に圧力をかけ、核戦力に言及し、欧米に圧力をかけるねらいのようだ。毎日、ウクライナの人たちが殺害され、街が破壊され、他の国に避難する映像をテレビで見せつけられているが、プーチンはよその国に「中立化、非武装化、政権交代」を要求し、住宅や病院、学校までも破壊している。聞く耳を持たない彼の暴虐をどうすれば止められるのか。胸が痛むばかりだ。 IAEA(国際原子力委員会)のラファエル・マリアーノ・グロッシ事務局長は、2020年に原子力の安全と防護の7つの柱を表明した。それは、原子炉、核燃料プールなどの施設の物理的な安全性が維持されなければならない、運営スタッフは安全及びセキュリティの義務を果たし、不当な圧力から解放された意思決定を行う能力を有するなど、基本中の基本なのだが、それがプーチンにいとも簡単に破られてしまった。「人が作ったルールは人によって破られる」ということだ。 わが国の原発はどうか。当然だが、今回のような戦争を想定した防御策は講じていない。自然災害も含めて有事の際、原発は巨大なリスクになると肝に銘じる必要があることをウクライナ情勢は教えている。本県には日本原電東海第2発電所があり、会社は再稼働を目指しているが、すぐ近くに住んでいる私にとっては、原発は何よりも「おっかない」代物である。(元瓜連町長)

ホーム最終戦で白星 サンガイア 

若手の力かみ合う バレーボールVリーグ2部(V2)男子のつくばユナイテッドサンガイア(SunGAIA、本拠地つくば市)は12日、今季最後のホームゲームを桜総合体育館(同市流星台)で開催。千葉ゼルバ(ZELVA、千葉市)と初対戦し、セットカウント3-1で勝利した。つくばの現在の成績は10勝12敗で8位。次節は19日、アウェーの和歌山県で警視庁フォートファイターズと対戦する。 2021-22 Vリーグ2部男子(3月12日、つくば市立桜総合体育館)つくば 3-1 千葉22-2525-2025-2125-18 今季3部から昇格した千葉は、高さと選手層の厚さを強みとするチーム。初顔合わせの難しさもあってか、つくばは立ち上がりにややもたつき、序盤から千葉に3点のリードを許す展開。今季初先発となった新人セッターの堀夏央哉は、味方に幅広くトスを散らすものの、相手のブロックやレシーブを振り切ることができず、チームのアドバンテージを生かしきれない。結局、最初の点差が響いたまま、第1セットを落としてしまう。 だが第2セット、つくばは明らかにリズムが良くなった。右の鎌田敏弥や左の満生大輝らアタッカー陣が、自らの高さや滞空時間の長さを生かし、豪快なスパイクを気持ちよく打ち込む。堀自身も相手の意表を突いてフェイントを決めるなど、終始先手を取ったままセットを奪い返す。 第3セットもつくばがリードする展開だが、終盤、千葉は4連続得点で追い上げ、21-20と1点差まで詰め寄ってくる。だが曹海倫のブロックで相手の流れを断つと、最後は一気に押し切ってセットを連取。第4セットは序盤の競り合いから中盤以降は徐々に点差を伸ばし、結局3セット連取で逆転勝利を収めた。 五十嵐元監督は「立ち上がりは小さなずれや反応の遅れなどがあり、ちょっとずつかみ合わなかった。選手たちが同じ絵を描きながら迷いなくプレーできるよう、考えを整理して伝え、2セット目からはよく対応してくれた。順位を考えると落とせない試合なので、勝ててほっとしている」と、胸をなでおろす。 今季初めての1試合フル出場で、攻撃の中心を担いつつ守備でもよくチームを救った満生は「スタートからチームを引っ張るつもりで臨み、自分の役目を果たすことができた。第1セットは相手の流れを断ち切れなかったが、第2セット以降は堀がしっかりと修正をかけてくれた」と振り返った。 セッターの堀は自らのプレーについて「相手の守備とこちらの攻撃が、悪い意味でかみ合ってしまった。ブロックを翻弄(ほんろう)しつつ、攻撃を決められるトスを上げることが目標。残り試合も出場機会を得て、全部勝てるようできる限りのプレーをしたい」とコメント。 「残り3試合、上位との対戦も残っている。苦しい試合が予想されるが、このリーグは力が均衡しているので、うまく調整できれば勝機はあると思う。練習を重ねて完成度を高めていきたい」と、五十嵐監督は締めくくった。(池田充雄)

コロナ禍も「共に成長し合えた」 つくば国際ペット専門学校で卒業式

つくば国際ペット専門学校(つくば市沼田、高橋仁校長)の2021年度卒業式が12日、つくば国際会議場(同市竹園)大ホールで催され、ドッグトリマー、ドッグトレーナー、動物看護福祉、ペットケア総合の4つのコースで学んだ141人が卒業した。 新型コロナウイルスの感染拡大が始まった2020年度に入学し、コロナ禍が収まらない中、卒業の日を迎えた。 高橋学長は「入学式が中止、緊急事態宣言の中、休講、自宅待機で始まり、皆さんが顔を合わせたのが6月。制約を強いられた学校生活だった」と振り返り、「2年間、先が見通せない日々の中で、自分だけでなく家族や友人を思いやりながら研さんを積んだ。卒業してからも夢に向かって歩んでください」と式辞を述べた。 東郷治久理事長は「入学当初から新型コロナの拡大により想定外の不自由を余儀なくされたが、現場で培った様々なスキルは今後の力になり自信につながっていく。今やペットは家族同然。飼い主の心に寄り添い、今まで学んだことを今後に生かしてください」とはなむけの言葉を贈った。 卒業生を代表してペットケア総合コースの秋葉若奈さんが「見えないウイルスの恐怖と隣り合わせだったが、1日1日を有意義に過ごすことができた。新型コロナの影響で思い描いていた学生生活とは少し異なることもあったが、日々を全力で楽しみ、皆と共に成長し合えた」と感謝の答辞を述べた。 式典では高橋学長から一人ひとりに卒業証書が手渡されたほか、資格試験合格者に、全日本愛犬技術者指導協会の松島美夫代表理事からトリマー1級、ペットケアマネージャー1級などのライセンスが授与された。 同校は全国トップクラスのペット専門学校。4月からはペット専門学校として全国初の通信制学科「通信制ペット学科」がスタートする。

Most Read