火曜日, 4月 7, 2026

2×3は5でもいい 《写真だいすき》7

【コラム・オダギ秀】ボクの人生は、ずっと、2掛ける3は6、を正解としてきた。ところが、そんなことにこだわってはならないのか、と思わせられることが起こった。これまでの人生を否定されたような、衝撃が走った。 ある日、写真の先生のボクは写真教室で、得々と生徒の作品の講評をしていた。「ここは入れないで、カットした方がいがっぺえ」と、いうようにだ。で、最後に「でも、カメラが傾いているから、カメラが曲がらず、真っすぐだったら、もっとよかったねえ」と付け加えたのだ。 すると、あるベテラン生徒が手を挙げて言った。「でも先生、許容量ってあるんじゃないですか」 はあっ! ボクは狼狽(うろた)えた。そうかあ、許容量の範囲なら、2×3は、5でも7でもいいのかあ。正しい答えにだいたい近ければ、当たりにしたほうがいいのかあ、と思った。 そんなに厳しく正解を求めなくとも、だいたい合っていればよし、とする優しさが、必要なのかも知れない。ボクは、何十年もスバリ正解を求めてきた。何をやってきたんだろう。 そういえば、数年前には円周率は計算がしやすい3にしようと、文科省も優しさを見せていた。ボクは、円周率3.14も、正解ではなくて、3.1415926535897932384626433832795……だって、まだダメなんだと思ってきた。ファジーな価値観を持つ人もいるんだ、と人生がひっくり返る思いで知った。 レンズ遠近感、色彩遠近感、空気遠近感 最近は、注目され販売量が増えて儲かることこそ価値があるとされているから、写真でもテレビなどのCMなどでも、色彩がケバく、目立って眼を引くものがとても多い。自然な色彩を美しく見せるのではなく、派手な眼を引く色彩に仕上げる。 だから、植物の色なども、人工的な、あり得ないほどドギツイ色になっていて、それをいつも見ていると、そんな色が正しい色と思うようになる。それを、当然のように「きれい」と言う、思う、信じる。色の差だとか、違いとか、色の持つ感情や心など、まったく関係なしになる。 たとえば遠近感というものには、様々な種類があるが、とくに写真が表現する遠近感で重要視されるのは、レンズの焦点距離による遠近感、色彩感からくる色彩遠近感、空気感がもたらす空気遠近感なのだが、レンズの焦点距離による遠近感のみしか意識していない人が多い。 だから、写真の奥行とか厚みとか深さの表現など気にもならない、というより、考えようともしない。だいたいこんなもんでいいだろうとか、これでもういいと納得する。(ありゃ、これはちょっと難しい話になっちゃったかな) 許容量ってのは、いいかげんにしていいってことなのだろうか。厳しい時代になったもんだ。(写真家、土浦写真協会会長) <今日の写真> 水平線を水平に撮るというのは、基本中の基本。つまり、カメラを傾けないで撮影するということ。どんな大工さんも、家を建てるのに傾かないように建てることと同じ。この写真は、水平線を傾けずに撮っている。表現意図によっては、わざと傾けることもある。傾けると、不安感などを表現できる。傾いたビル、不安だろ?

「常陸小田氏の土浦市展示に事実誤認あり」に応える 市立博物館

【寄稿】先般、本サイトに「常陸小田氏の土浦市展示に事実誤認あり」と題するコラム(4月20日掲載)が寄せられました。ここでは主に、1.八田知家の「筑後改姓」は誤り、2.知家と小田氏の評価に違和感がある、というご意見をいただきました。今回は、この場をお借りして、寄せられたご意見に応えてみたいと思います。 1.「八田知家の『筑後改姓』は誤り」について 筆者・高橋恵一氏の趣旨は、八田知家に始まる一族は「筑後」に「改姓」したという『土浦市史』の説は誤りであり、展覧会はこれを踏襲している、というものでした。 しかし、本展覧会では、『土浦市史』の記述を受け継いではいません。私たちも「改姓」したとする『土浦市史』の記述は誤った認識であると考えています。 まず、知家の氏(うじ)は藤原、姓(かばね)は朝臣(あそん)です。これらはいずれも変えていません。本展覧会では、「筑後」を「苗字」ではなく、「名乗り」として紹介をしています。この「筑後」の「名乗り」は、『吾妻鏡』にも登場しますが、極楽寺に寄進された鐘(現土浦市等覚寺所蔵・国指定重要文化財)の「筑後入道尊念」という銘や、茂木文書に「故筑後入道」という記載にも表れます。特に、極楽寺の鐘銘は、知家自身が寄進者ですので、知家が自ら「筑後」を名乗っていたことが分かります。 この名乗りについて、確認しておくべき前提が二つあります。すなわち、①鎌倉時代の「名乗り」は今日における「苗字」とは異なり、一つではないこと、②武士の名乗り=地名とは限らないことです。 まず、①について。鎌倉時代においては、拠点とする場所(「名字の地」)を冠して名乗りとしたり、就いた役職や官位によって名乗りを改めることは頻繁に行われていました。卑近な例でいえば、大河ドラマ「鎌倉殿の13人」の主人公北条義時を挙げることができます。「北条」を名乗る一門に生まれた義時ですが、江間(現静岡県伊豆の国市)に領地を得ると、「北条」と合わせて「江間」を名乗ります。このように、当時の「名乗り」は時期によって変わるものなのです。 次に②について。たしかに、鎌倉時代の武士は多くが本領とする場所の地名を名乗りに用いていました。しかし、領地とともに大切なのが、官位、すなわち身分の序列でした。これを重んじた場合、名乗りは土地のみならず、官位に連なる役職も含まれます。伊賀守を名乗りとした伊賀氏(のちの飯野氏)や、紀伊守の位を得て豊島氏から改めた紀伊氏などの例があります。常陸国(現茨城県)を例にしてみても、府中(現石岡市)を治めた大掾氏(だいじょうし)は官位に基づく名乗りです。また、国府の役人であった税所氏(さいしょし)の名乗りは、その役職に由来しています。このように、一族の名乗りは、必ずしも土地のみに縛られるものではありませんでした。 問題の「筑後」もまた、官位に由来する名乗りです。当時は官位や土地に由来する名乗りが数多くありました。この時期は名乗りにとって黎明期といえる時代なのです。 当館といたしましては、これまでの研究成果を参照しつつ、今一度史料を読み直した上で、今回の展覧会に至りました。現時点においては、遺された歴史資料に基づいて、当館は知家以降、4代小田時知の登場にいたるまで、一族の名乗りは「筑後」であったという見解を採りました。もちろん、今後新たな中世史料が発見された際には、「筑後」の「名乗り」を見直すことはあるかもしれません。 2.知家と小田氏の評価について 高橋氏は、知家や小田氏をマイナー脚色するものであるとして、本展覧会を評価されました。しかし、本展覧会は、約600年にわたる時間軸の中で、知家から始まる15代の当主、さらにはその子孫の系譜をたどったものです。これほどの長きにわたり、滅びることなく土浦・つくば地域を支配し続けることは容易ではありません。さらに展覧会では、関東の名門武家として認識されていくさまも紹介をしています。本展覧会のタイトルに「名門」の二文字を記した意図は、ここにあります。 また、15代氏治についても、これまでのような「戦に負け続ける武将」というイメージを払拭し、名門武家として生き残りを図った当主という面を評価しています。本展覧会で紹介したのは、難しい時代の変化の中で、一族の栄枯盛衰はありつつも、その系譜を絶やすことなく続けてきた一族の歴史、そして常陸国を離れたのちも、旧家臣との交流を有していた姿です。 未だ謎は多く残されていますが、本展覧会では希少かつ貴重な歴史資料を基にして、一族の歴史を描くことを試みました。展覧会の会期は残りわずかとなりましたが、八田知家に始まる名門武家小田氏につきまして、今後も様々なご意見をいただきながら、これからも検証を深めてまいります。(土浦市立博物館)

もふもふ セントバーナード子犬5匹 つくばわんわんランドに

日本最大級の犬のテーマパーク「つくばわんわんランド」(つくば市沼田、東郷治久社長)にこのほど、超大型犬セントバーナードの子犬5匹がやってきた。ゴールデンウイーク中の30日から5月7日までの6日間、期間限定で、触れ合いイベントを開催する。 同園の酒井真希人さんは「子犬の時期はあっという間に過ぎてすぐに大きくなってしまうので、今のかわいい姿を多くの人にご覧いただき、癒されてください」と話している。 生後2カ月の雌3匹と雄2匹で、栃木県生まれ。現在の体重は約11キロ、体長約60センチで、成長すると体重80キロほどになる。 普段は子犬展示館近くの屋内で生活している。隣接する屋外の芝生スペースに出ると、すぐに来園者の人だかりができる。26日、友人3人で来園したつくば市内の女性は「もう、かわいいだけ」「癒される」「抱っこされてパンダみたい」と話し、スマートフォンで写真や動画の撮影をしていた。 将来は園内にセントバーナード専用犬舎と放飼場を新設し、成犬10~15頭と触れ合える場所をつくる予定だという。 昨年、同園では、4歳のセントバーナードももたろうが死んだ。アイドル犬でもあったことから花を供えに来たファンもいた。スタッフも大きなショックを受け、その時からセントバーナードのふれあい施設をつくることが目標になったという。 同園は約90種500匹の犬や猫と触れ合える施設で筑波山の麓にある、コロナ禍の2020年のゴールデンウイークは緊急事態宣言により休園、翌21年は東京都などで緊急事態宣言が発令され来園者が落ち込んだ。外出自粛などの規制がないゴールデンウイークを迎えるのは3年ぶり。 https://www.youtube.com/watch?v=WInkOu7Qcog 動画はつくばわんわんランド提供 ◆セントバーナードの子犬と触れ合うことができる日時は、4月30日(土)、5月1日(日)、3日(火・祝)、4日(水・祝)、5日(木・祝)、7日(土)。時間はいずれも午後0時15分からと2時45分からの1日2回、各30分間、場所は園内のダックン広場。触る際は手を消毒することが必要。子犬の体調などにより内容が変更または中止になることもある。 ◆GW特別イベントとしてほかに、つくば国際ペット専門学校現役講師陣によるしつけ方教室、お手入れ教室、ドッグスポーツアジリティー実演のほか、小型犬こいのぼりレースショー、大型犬バトルボール、わんわんレースショーなどが催される。開園時間は午前10時~午後5時。入園料は中学生以上1500円、小学生以下700円など。問い合わせは電話029-866-1001(同園)。

ハーブがいっぱい インド出身親子の畑 《菜園の輪》3

【コラム・古家晴美】TXつくば駅から車で10分ほどのところにある、貸し農園を利用しているインド出身の30代女性サナさんとサミラちゃん(5歳)親子にお話をうかがった。来日して長いサナさんは、流ちょうな日本語で、3年前から借りている20坪(66平方メートル、年間使用料1万円)の畑について説明する。 家事育児に忙しいサナさんは、普段は週1~3回、この菜園に来て野菜の手入れをするが、天気がよくなかったり、子どもが春休みだったりで、今回は2週間ぶりだった。 今、畑には何もありませんよと、あらかじめ言われていたが、実際目の当たりにすると、畑は各種のハーブで青々と彩られていた。サフラン、ミント、パクチー、ローズマリー、ディルなど、近くのホームセンターで購入したものだ。ドラムスティック(ワサビノキ、未熟な種ざやをカレーなどに入れる)をホームセンターで見つけたときには、故郷が懐かしくて思わず買ってしまった。 このほか、いつもたくさん採れるホウレンソウ、インドでは使わないが健康に良いので選んだケールやキュウリ、インゲン、トマト、ゴーヤなども作っている。ジャガイモは今年初めて挑戦する。また、秋から冬にかけて、里芋や大根、ネギも作っていた。イチゴ、ラズベリーやグーズベリー(西洋スグリ)、ブルーベリーなどはサミラちゃんのお気に入りだ。 トマト、キュウリ、インゲンなどの夏野菜やケールは、自宅のベランダのビニールハウスで、種をまいてポット苗を作る。バジルのように、すぐに使いたいもの以外はある程度の大きさになってから、こちらの菜園に持って来て植え付ける。 菜園で地域の人たちと交流 無論、インド料理も食べるが、家族がパスタ好きなので、ペペロンチーノに新鮮なバジル、ローズマリーポテトにハーブを使うこともある。サミラちゃんは日本の甘いカレーや肉ジャガが好物だと言う。 昨夏、キュウリとゴーヤが大量に採れた際には、深い穴を掘って土と混ぜて埋め、堆肥を作った。 コロナ禍でどこへも行けなかったので、ここで過ごす時間はとても楽しく貴重だった。時々、姿を見せるキジを眺め、夏にはトンボ、秋にはバッタを捕まえて過ごした。 同じ菜園の利用者である年配の方たちからは、季節ごとに作業や作物について助言をもらい、畑でおしゃべりし、リラックスした気分になる。また、種や収穫物を相互にやり取りすることもあると言う。 異国で、ストレスも少なからずあるであろう生活に、菜園での暮らしが潤いを与え、家族や地域の方々との交流が心のバランスをもたらしているのではなかろうか。(筑波学院大学教授)

高速バス「つくば~羽田空港線」1年8カ月ぶり再開 29日から関東鉄道

関東鉄道(本社・土浦市、松上英一郎社長)は29日から、高速バス「つくばセンター~羽田空港線」の運行を再開する。成田空港と土浦・つくばを結ぶ路線は、成田空港交通(本社・成田市、田口健社長)が27日から5月31日までの期間限定で運行再開する。 つくばセンターと羽田空港ターミナルを結ぶ羽田空港線は関東鉄道と京浜急行バス(本社・横浜市、野村正人社長)により1日8往復が運行されていたが、新型コロナ感染拡大の影響から20年9月1日以降全便が運休となった。関鉄は今回、「まん延防止等重点措置」の解除により輸送需要の回復が見込めると判断し、1日4往復での再開に踏み切った。京急バスは再開を見送っている。 つくばセンターからは午前6時、9時、午後1時10分、3時50分発の4便、羽田空港(第3ターミナル)からは午前9時20分、午後0時15分、5時05分、7時05分発の4便。2時間前後で発着点を結ぶ。料金は大人片道1900円(消費税含む)。 同社によれば、羽田空港便はコロナ禍以前から国内線乗り継ぎの行楽客が利用の大半を占め、ビジネス客を上回った。運行休止が続いている国際線に比べ国内線は回復基調にあり、ゴールデンウイークの需要を見越してバス運行を決めた。 座席の消毒をこまめに行い、乗客に手指の消毒を求めるなど、感染症対策を徹底する。 石油価格の高騰で、料金据え置きのままでの運行再開には厳しいものがあるが、採算面を含め「しばらく様子を見たい」(関鉄自動車部)としている。 成田空港線は土浦・つくば発が1日2便、成田空港発が同1便の運行。 大人片道2300円(同)、予約制となる。 茨城空港(小美玉市)への高速バスは水戸駅便があるが、つくば方面、東京方面とも20年4月から運行を停止している。こちらは国際線、特に中国からの就航再開が見込めないため「再開の見通しが立たない」(同)ということだ。(相澤冬樹)

あれから30年 《続・平熱日記》108

【コラム・斉藤裕之】うわさではパリの美術学校はとてもオープンな雰囲気で、もぐりの学生なども結構いて活気があると聞いていた。ところが、学校が始まっても学生の姿をほとんど見かけない。閑散としている。いったいどういうことだ。 ところで、私のフランス語があまりにもひどかったのだろう。留学生担当のマダムは3カ月間の語学研修を私に勧めた。早朝のクラスだったと思う。アナ先生は若くて明るいパリジェンヌ。自己紹介をする段になって、私は少し驚いた。 あまり耳慣れない名前の、それも決して語学を習おうとするには若くない生徒たち。ポーランドでパン屋だったとか、ソ連の原子力施設の研究員だったとか。15人ほどの生徒のうち半数は、東側からの移民だとわかった。私が留学したのは、ちょうどベルリンの壁が崩壊し、ソ連が解体された直後だった。 だから始めはよく分からなかったが、物見遊山の私と違って、自国を出た彼らは死活問題としてこの学校に言葉を習いに来ていたのだ。しかし陸続きの国々にとって、否応なく入ってくる移民は決して歓迎されるものではない。元々アフリカなどの旧植民地からの移民大国であるフランス政府は、彼らに厳しい政策をとった。 当時の担当相の名前にちなんで、確かパスクワ法といったか。美術学校も例外ではなく、部外者に対して厳しい締め付けが行われたのだ。その余波を受けて、留学生は希望する先生のアトリエに入ることに難渋した。私はそんな学校に見切りをつけて、毎日美術館やギャラリー、街中散策を楽しむことにした。 おごれるものも久しからず盛者必衰の… 話は現在。友人が企画するグループ展に、今年も小さな作品を出すことにした。テーマは「花」。野の花や食用になる実のなる木の花は描くことがあるが、わざわざ花屋で買った花を描くことはない。ただこの数年、近所の公園にあるヒメシャラの木から落ちた花を拾って帰って描いている。 理由は特にないが、しいて言えば別名「夏椿」というだけあって、花がそのままポトリと落ちるので持ち帰って描くのに便利だ。 それから厳密には違う種類だそうだが、「祇園精舎(ぎおんしょうじゃ)の鐘の声…」の「沙羅双樹(さらそうじゅ)」というのが面白いと思って描いている。古文の時間はよく居眠りをしていたから偉そうには言えないが、要は「枝から落ちた様がいとおかし」というところか。落ちた花をよく思わない人もいるかもしれないが、昨年同様、その花の絵を出そうと思う。 フランスから帰って来て何年経つか? 勘定するのは簡単だ。カミさんは臨月に近い体で誓約書を書いて飛行機に乗って帰国した。だから、次女の年齢が帰国してからの年数だ。つまり30年近く経っているわけだ。 沙羅の花の絵を郵送する箱に入れる。当時KGBにいたという彼も同じ30年を過ごしたはずだ。ねえ、ウラジミール君。「おごれるものも久しからず盛者必衰の…」。(画家)

ポケモンGOで新たな協力者を つくば献血ルーム

コロナ禍、ひっ迫長期化懸念 つくば駅前の県赤十字血液センターつくば献血ルーム(同市吾妻)が先月23日から、スマートフォンゲームアプリ「ポケモンGO」のゲームアイテムを入手するための「ポケストップ」として登場している。ゲームを通して、新たに献血協力者を確保していくのが狙いだ。現在つくばを含む関東甲信越の献血ルーム45会場がポケストップとして登場している。 コロナ禍、県内では、学校や職場に献血バスが出張する献血会場のキャンセルが増えている。特に平日の献血バスによる献血協力者数が減少し、輸血用血液の在庫がひっ迫している。今年1月時点の県内献血会場キャンセル数は28会場に及び、献血協力達成率は計画の95%と100%を下回った。献血バスでの協力者減が長期化する可能性もあり、厳しい状況が続くという懸念もある。 その中で、つくば献血ルームの400ミリリットル献血協力者は、平日で約60人、休日は90人から100人の申し込みがある。平日の目標数は65人、休日は約95人で、全体を通し目標数を達成している。 2021年度の献血協力者の年代は、50代が最も多く23.9%、40代22.6%、20代12.4%、30代11.4%と続く。さらに同ルームの特徴として、2回目以降の協力者、つまりリピート率が高いという特徴があるという。 同ルーム管理係長の塙宗一郎さんは「更なる献血協力者の拡大に向けて、広報活動に力を入れていきたい」とする。コロナ禍で学校での献血が中止となった影響により、10代、20代が割合減となっている現状に対しては「献血を知ってもらい、興味を持ってもらうきっかけづくりを大切にしていきたい」と話す。ポケストップは、きっかけづくりの一つでもある。 献血に協力した市内に住む榎戸勇人さん(27)は、看護学生の頃から、献血協力を始めた。輸血が足りない現状を目の当たりにし、献血に参加するようになったという。献血を経験したことがない人に向けては、「直接、自身の血液を必要としている患者さんに提供でき、この取り組みが人助けにつながっていることを伝えたい」と話した。(ドットジェイピー茨城エリアつくば支部インターン生、筑波大学2年 上田侑子) ◆献血予約は、電話での事前予約が必要。問い合わせは同ルーム(0120-298-102)

桜と日本人 《邑から日本を見る》110

【コラム・先﨑千尋】 ねがはくは花のもとにて春死なん その如月のもちづきのころ(西行法師) 世の中にたえて桜のなかりせば 春の心はのどけからまし(在原業平) 私は、桜の花が咲くとこの2首が頭に浮かぶ。これだけではなく、桜を詠み込んだ歌は無数にある。桜に関する本を見ると、平安時代の頃から日本人は桜に浮かれていたようだ。「桜の樹の下には屍体が埋まってゐる!」という梶井基次郎の小説の一文も刺激的な表現だ。 桜は不思議な花だ。1週間前には枯れ木同然の木のつぼみが急にふくらみ、魔法使いの手にかかったように、木全体が無数の花びらでぱっと覆われてしまう。咲いたと思ったら、10日もたたずに散ってしまう。  桜の咲く春は、寒い冬から暖かい新たな季節の幕開け。出逢い、別れ、入学、進級、就職、退職など、人の一生で忘れがたい出来事のある季節だ。うす紅色の淡い美しさ、柔らかく小さな花弁、散り際の見事さ。桜は、美しさに感動する繊細な日本人の感性にぴったり合う。 このことが桜と日本人の素晴らしい関係をはぐくんできた。桜は私たちのこころの中にも花を咲かせてくれる。桜に狂う人がいて、桜信仰が生まれるゆえんであろう。 花見は大勢でにぎやかに 桜の語源にはいろいろ説があるようだ。民俗学では、「サ」はサオトメ(早乙女)、サツキ(五月)、サナエ(早苗)といったように、すべて稲霊を表す、とされている。「クラ」はイワクラ(磐座)、タカミクラ(高御座)のように神霊が依り鎮まる座の意味があるという。 わが国では、桜の花の咲くのを見て稲の種もみをまき、桜の咲き具合を見て、その年の豊凶を占うなど、農作業の目安としてきた。私も、田んぼの周りにあるヤマザクラを見ながら田植えの準備をするが、とても気持ちがいい。 平安時代に貴族の楽しみ、遊びとして始まった花見は、江戸時代には庶民の楽しみとなった。落語「長屋の花見」ではないが、花見は大勢でにぎやかになるものなのだ。八代将軍徳川吉宗が飛鳥山、品川、隅田川などに桜を植えたのは、健全な娯楽の場をつくるためだったという。 日本桜名所百選 静峰公園 桜前線が海を渡って北海道に上陸したというニュースが流れた。5月下旬には根室近辺に達する。私の近くの静峰公園は日本桜名所百選に選ばれており、ネットで検索した「お花見桜名所ランキング」では茨城県で第1位。現在、カンザン、ショウゲツ、フゲンゾウなど2000本の八重桜が満開になっている。 先週の日曜日、17日に、静峰公園の水上ステージで3年ぶりにイベントが開かれた。地元出身のエレキ琵琶、尺八の奏者が登場し、おはやし、太鼓、吹奏楽などがにぎやかに演奏され、最後はよさこいソーランの饗宴。夜は25日まで八重桜がライトアップされる。 30年前には、2キロ離れた国道118号から車が数珠つなぎ。桜を見ないで帰った人も多かったが、今はそれほどでもない。この日、私は公園内を一回りし、イベントを楽しみ、桜の木の下で農協女性部の手づくり弁当を広げる。近くでは、いくつかのグループがわいわい楽しんでいる。桜を愛で、つかの間のいのちの洗濯をした。(元瓜連町長)

ウイルス対策ソフト騒動 その後 《文京町便り》3

【コラム・原田博夫】今回はコラム2「恥ずかしながら 私のウイルス体験記」(3月27日掲載)の後日談です。3月23日に家電量販店Kで紹介され、その場で導入したウイルス対策ソフトはカスペルスキーです。前回は特定の企業名を出さないとの配慮で、安全対策ソフトKと表記しましたが、今回は明記します。 米国連邦通信委員会(FCC)は「2019年安全で信頼できる通信ネットワーク法」に基づき、2021年3月に初めて、国家安全保障と米国人の安全に容認できない脅威をもたらし得る対象機器・サービス業者として、中国の華為技術(ファーウェイ)、中興通訊(ZTE)、ハイテラ、ハイクビジョン、ダーファの5社を公表していました。 そこへ、2022年3月25日に、業者のリストを更新したと発表。追加されたのは、ロシアのウイルス対策ソフト大手カスペルスキー、中国電信(チャイナテレコム)米州<アメリカス>、中国移動(チャイナモバイル)インターナショナルUSAの3社。これにより、同リスト掲載企業は中国企業7社、ロシア企業1社の計8社となったわけです。 FCCは、今回の追加指定はいずれも、他の連邦政府機関による関連の決定に基づくとしています。カスペルスキーに関しては、国土安全保障省が2017年9月に連邦政府機関に対し、情報システムから同社製品を排除するよう命じたことを挙げています。 中国電信米州<アメリカス>や中国移動インターナショナルUSAに関しては、司法省などから成る省庁横断の委員会(大統領令13913号で2020年4月設立)がリスクをもたらすと判断したことが理由のようです。 「カスペルスキー」への日米の差 米国内でカスペルスキー製品への規制は、2017年末に米トランプ政権が、政府機関全体での使用を全面的に禁止する大統領令を出しています。それに対してカスペルスキーは、米政府を相手に「自社が不正を行ったとする公の証拠」はないと、訴訟を起こしています。 カスペルスキーは自社からの反論に対してこれまで、米政府から特段正当な公の証拠が出されていないことから、今回の決定が「地政学的情勢への対応」だと反論しています(2022年3月26日)。 同様のサイバーリスクに対する警告は、ドイツ連邦政府情報セキュリティ庁(BSI)からも2022年3月15日に出ています。日本では、カスペルスキーはすでに公的機関・民間企業や個人(そのうちの1人は私ですが)で使用されていますが、2017年にパートナー契約を締結していたNTTグループは、そのサービスの切り替えを検討しているとの報道もあります(4月8日)。 それにしても日本では官民ともに、この種の問題に対するアクションではどうしても追随型に終始しているようです。他に先駆けた形跡は、ほとんどありません。それはそれで慎重さの表れなのですが、主体性が欠落しているとも見えます。これは私自身の反省の弁でもあります。(専修大学名誉教授)

先月「ナラ枯れ」調査を行いました 《宍塚の里山》88

【コラム・佐々木哲美】3月10日の午前、ナラ枯れの調査を行いました。当会から4名が参加し、昨年同様、森林総合研究所の升屋勇人主任研究員に指導を仰ぎながら、宍塚里山を一周しました。昨年は立木11本と切株2本に対応しましたが、その後、5本の立木の伐採も終えました。伐採だけでなく、樹木防護、トラップ設置、定期点検などにも取り組んできました。 今回は、新たに約20本程度のナラ枯れを確認しました。ざっと回っての数ですから、詳細に調査したら、かなりの本数になると予想されます。そのような状況下で、何を目的に、誰が、どこまでやるのか―など今後の取組方針を決めなければなりません。 昨年は、①予防:被害区域の拡大を食い止める、②駆除:増加したカシノナガキクイムシの数を減らす、③森の若返り:被害を受けやすい高齢・大径木材の積極的な利用と更新管理―の3つの視点で取り組みました。 里山のナラ枯れ被害を食い止めるといっても、我々の力だけでは無理な話です。根本的な理由は、雑木林が利用されなくなって大木化し、樹勢が落ちた樹木にカシノナガキクイムなどの害虫が入り込むことにあるからです。ある意味、自然の摂理と言えますが、見ているだけにはいかないと思い、取り組んできました。 対応への労力やゴールが見えない 昨年1年間実施し、対応への労力やゴールが見えない大変さも分かっています。金銭的にも労力的にも限界がある当会が、何を目的にどのように進めばよいのか? 3月の運営会議で以下の方針を決めました。 ①人命に危険性がある場合を第一に対処:定期的な点検や倒木の恐れのある樹木の伐採など、②調査および予防・駆除対策は対象範囲を決めて実施:対象を鎌倉街道沿いのキャンエコの森周辺とし希望者があれば拡大、③ナラ枯れ対策に取り組む研究者に協力:調査・実験を希望する研究者に協力し情報を共有―です。 余談ですが、指導者の升屋さんの説明では、カシナガキクイムシの数を減らす方法は諸説あるそうですが、カシノナガキクイムシ50匹でミズナラ1本、200匹でコナラ1本を救うことになるそうです。こんなところに子供たちでも気軽に取り組めるヒントがあるのかもしれません。(宍塚の自然と歴史の会副理事長)

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