武蔵美卒業生の作品103点 つくばで茨城支部展開幕
武蔵野美術大学の卒業生らが絵画や手芸などを展示する「武蔵野美術大学校友会茨城支部展」が21日、県つくば美術館(同市吾妻)で開幕した。25人と1グループの103作品が展示されている。今年で19回目となる。
「驟雨(しゅうう)」と題した100号の花の油彩画など7点の絵画を描いた冨澤和男さんは、同大通信教育課程の修了生。職場の美術サークルで水彩画などを描いていたが50歳を機に勉強したいと思い入学。仕事をしながら通信教育と週末や夏休みなどのスクーリングで勉強し、6年かけて2013年に卒業した。「油絵をやろうと思っても基礎が分からなかったので勉強して描けるようになりたかった。スクーリングでいろいろな人とのつながりができ、おもしろい」と話す。
同大校友会事務局長の坂本真理子さんは水彩画「アルガンの少女」など5点を描いた。「アルガンの少女」は2007年と19年にモロッコに旅行し、旅先で出会った少女をモチーフにした。「緯度が違うと色が違って見える。(モロッコは)ロバが荷車を引いていたり20世紀の世界のまま生活している空間。少女たちは宗教上の理由から撮影されるのを嫌い、そっぽを向いている」と話す。
ほかに、NEWSつくばコラムニストの川浪せつ子さんがつくば市周辺の風景を切り取った水彩画「I LOVE つくば」など6作品が、元コラムニストの沼尻正芳さんによる油彩画「仁王像」など7作品がそれぞれ展示されている。
市内から訪れた女性は「図書館によく来るので、興味のある展示があれば見に来ている。武蔵野美大校友会の展示は初めて来たが、淡い感じの色合いの作品があり、かわいいなと思って見ていた」と話した。(田中めぐみ)
◆「武蔵野美術大学校友会茨城支部展」は26日まで。開館時間は午前9時30分~午後5時(最終日は午後3時まで)。入場無料。
外資系物流会社に110億円で一括売却へ つくば市 旧総合運動公園用地
つくば市が民間に一括売却する手続きを進めている旧総合運動公園用地(同市大穂、46ヘクタール)について、市は21日、候補者選定委員会を18日に開催した結果、売却候補者を外資系物流不動産会社「グッドマンジャパン」(東京都千代田区、グレゴリー・グッドマン社長)に決定したと発表した。
市の発表によると、データセンター、物流施設、防災拠点施設、アメニティ施設などを建設する計画という。
売却金額は約110億3000万円。市が最低売却価格としていた約68億5000万円(利子を含む購入金額)と比べ約42億円高い金額となる。
市が売却先事業者から賃りる予定の防災備蓄倉庫(2400~2600平方メートル)は、無料で20年間借りる契約を結ぶ。市が示していた条件は年間賃料4000万円以内だった。
グッドマンジャパンはオーストラリアの総合不動産会社グッドマングループの物流施設開発・管理会社で、近隣では常総市の圏央道インターチェンジ周辺、千葉県印西市などで大型物流拠点を開発している。
市公有地利活用推進課によると、一括売却の公募には、同社のほか、NTTグローバルデータセンター、つくばDC合同会社、フジタの計4社が参加した。
18日、選定委員会で順位を付け、7人の委員の評価点合計が最も高い601点(700点満点)を付けたグッドマンジャパンが選定された。次点は562点だった。
グッドマンとは8月22日までに諸条件を整理した上で、土地売買契約を締結する予定。
今後について同課は、非公開としている候補者選定委員会の会議概要や選定委員の氏名を今後1カ月以内に公表するほか、グッドマンの詳細な事業計画については8月下旬ごろまでに公表するとしている。
購入代金は契約締結日から30日以内にすべて支払うことが必要で、代金支払い終了と同時に所有権が売却先に移転する。平行して市は都市計画の変更手続きを行う。
「何を考えているのかと感じる」
同用地は2014年、市開発公社がUR都市機構から約66億円で購入した。15年、住民投票の結果を受けて市原健一前市長が総合運動公園計画を白紙撤回した。
今回、売却候補が決まったことについて、15年に住民投票を実現させた市民団体「総合運動公園建設の是非を住民投票で問うつくば市民の会」共同代表の一人で、元研究者の山本千秋さん(81)は「物流基地にすると聞きびっくりしている。あの土地は元々、農家の人たちが研究機関の用地として提供した。つくば市が研究学園都市と名がついている以上は、今(土地を使いたいという)研究機関の需要がないとしても、将来にわたりどうしたらいいのかという視点をもってほしかった。つくば市は何を考えているのか、と感じる」と話している。
市民グループは市長リコールを準備
一方、民間事業者への転売に反対する市民グループ「つくばのまちづくりを考える会」(酒井泉代表)は、市長リコール(解職請求)運動を実施するとするチラシを20日、新聞に折り込み、準備を進めている。
同会は旧総合運動公園用地を、研究施設用地や、自然の森、陸上競技場など市民のための公共用地として利用すべきだなどと主張し、7月11日から8月10日まで市長リコールを請求する署名を集めるとしている。リコール請求は有権者の3分の1以上の署名が必要になる。(鈴木宏子)
【追加 21日午後3時50分】市民の反応(小見出し「何を考えているのかと感じる」の部分)を追加しました。
鎌倉街道とひまわり迷路《土着通信部》51
【コラム・相澤冬樹】某局の大河ドラマにあやかり、「鎌倉街道の13km」のタイトルで原稿を書いてもらえないか、研究者にお願いした。土浦市の上高津貝塚ふるさと歴史の広場の学芸員、比毛君男さんはかねて、「中世のみち 鎌倉街道」の企画展を担当し、市内の旧街道を熟知している。ちょうど土浦市内通過分が13km程度だろうとあたりをつけて持ち掛けたら、ほぼ的中の距離感だった。
比毛さんによれば、「茨城県内では、利根町、牛久市から阿見町・土浦市・かすみがうら市にかけて、つくば市の西部、桜川市の一部、ひたちなか市などに鎌倉街道と呼ばれる古道が伝えられて」いるそう。
土浦市内には鎌倉街道の伝承路があり、一部が「旧鎌倉街道」として市史跡に指定されている。そのルートは、市の南部では阿見町荒川本郷・荒川沖東・大房・中村西根・永国・天川・上高津周辺から桜川を渡ったと想定されているということだ。
で、頂戴したのが別掲の地図(本コラム用に再作成している)。ちょうど自分の仕事場近くだったので、少し歩いてみることにした。
花室川べりまで行って「源兵衛橋」を探しあてた。車で通れないこともなさそうだが、橋のたもとにたどり着くのが大変だろう。路肩や河岸は雑草に覆われている。橋の北には永国台の住宅団地が広がる。この造成の際、発掘調査で部分的に古道の一部が調査されたのだという。
上高津の高台には土地改良区の水路が通っていて、桜川からポンプアップされた水がつくば市など近隣の水田に供給されている。鎌倉街道はこの水路沿いに通り、上高津丘陵を下った先で史跡の高井城跡脇に出て、6号国道に交差する。イオンモール土浦は目と鼻の先だ。
ここまでのルートはつくば市下広岡と接するあたりを通る。永国台より古い住宅団地、桜ニュータウンを除けば、開発の手はほとんど入っておらず、いかにも市境らしい放置された姿をさらす。耕作放棄地やソーラーパネル群、里山を侵食する竹林などなど。
そうした街道すじを歩くと、今度は迷路に入り込んだ。「ひまわり迷路」が開設を告げている。1年前はたしか梅雨明けに合わせてオープンしていたから、今年はひと月ほど早い。
すでに人の背丈以上に伸びたヒマワリが大輪の花を着けている。運営する中根農園直売所(中根剛代表)に聞くと、今年は約30アールの農地に10万本以上のヒマワリを植えたそうだ。1年前は大した入場料も取っていなかったが、今季は料金箱を設置し、大人200円、中学生100円(小学生以下無料)を求めている。駐車場なども整備した。
中根さんによれば「ヒマワリ以外にもトウモロコシやコスモスを植えて、11月ごろまで下広岡一帯でさまざまな迷路が楽しめる」ようにした。元来が休耕地対策として始めたものだが、農地として再開墾して作物を栽培する手間と時間はなかなかに大変。特にこれからは「除草」に半端ない労力がかかるという。
鎌倉街道も深い草いきれの中に埋まろうとしている。21日は夏至、今年の夏も暑くなりそうだ。(ブロガー)
◆比毛君男さん執筆の「鎌倉街道の13km」は総合科学研究機構(土浦市)の「CROSS T&T」誌71号に掲載される。発行予定は7月1日ごろ。
運動公園用地売却に見る つくば市の不思議 《吾妻カガミ》135
【コラム・坂本栄】つくば市の運動公園用地売却手続きが進んでいます(6月22日ごろ売却先公表→8月22日までに売買契約締結)。これまでの流れを見ていると、手順の「正しさ」をタテにして売却に走る市の振る舞いと、研究学園都市の将来を見据えて阻止しようとする市民の動きが際立ち、市民サイドの問題意識の高さに感心します。
処分する土地は市のものではない?
つくば市が運動公園用地売却に固執する背景(現市長の公約非実現の後始末)、売却手順の異常さ(市民の反対の声を無視、議会の承認手続きも省略)については、このコラムで何度か取り上げました。最近のものでは、129「…『逃げ』の…市長」(3月21日掲載)、130「…蚊帳の外…議会」(4月4日掲載)をご覧ください。
不思議なのは、66億円で購入した運動公園用地が市の大事な財産であるのにもかかわらず、帳簿上は市のものではなく、市のペーパーカンパニー「つくば市土地開発公社」の所有だから、その売却については議会に諮らなくてよい―という手続き論をタテに、議会の議決を回避したことです。
確かに、前市長がUR都市機構から用地を買ったとき、名義上の取得者は土地開発公社でした。しかし、銀行から借りた代金の返済については、議会から「市が債務を保証する」旨の議決をもらっています。返済する元利についても、その額を計上した予算の承認を議会からもらっています。議会の承認を何度も得て、公社の財産目録に載せたわけです。
それを、処分するときは議会の承認は要らないというのは、理解に苦しむ理屈です。仮に行政手続き上は議会をパスできたとしても(私はそうは思いませんが)、議会の承認を取った方が、売却手順の「正しさ」を市民に納得してもらえるのではないでしょうか?
市は「土地転がし屋」になったの?
こういった市の行状は放置できないと、5月20日、市民有志が水戸地裁に住民訴訟を起こしました。議会を軽視した売却の違法性だけでなく、他の視点からも売却は違法あるいは問題があると訴えています。訴状は「売却差止等請求住民訴訟」をクリックすると読めます。
ポイントは、①売却は地方自治法と市条例に反する、②前の持ち主URが用地を収用したときの趣旨に反する、③その土地をURに売却した旧地権者との約束にも反する、④市が売却先を選ぶプロポーザル(事業提案)方式は談合の温床になる、⑤売却後その会社から防災区域を賃借するのは市財政のプラスにならない、⑥売却用地の使途変更手続きが済んでいない、⑦売却は持続可能都市宣言に逆行する―の7つ。
②と③を簡単に言うと、問題の土地を地主さんがURに売ったとき地主さんは「公的に利用される」と思っていたはず、URも市に売るときは運動公園用(公的な施設)と思っていたはず、そこを民間に転売するのは問題だ―ということです。市はいつから「土地転がし屋」になってしまったのでしょうか?(経済ジャーナリスト)
<参考> 住民訴訟による購入リスク:市は、運動公園用地の取得候補企業に対し、売却の違法性について住民訴訟が起きており、市が敗訴するリスク(建物を壊し更地にして返還してもらう?)を承知しておくよう伝えているそうです。地裁の判決は1~2年先でしょうから、8月に売却手続きが完了しても「一件落着」にはなりそうにありません。
市民の集いに市長、県議、市議ら集結 「つくばに県立高校を」テーマに意見交換
つくば市に県立高校の新設や既存校の定員増などを求めている市民団体「つくば市の小中学生の高校進学を考える会」(片岡英明代表)の第3回市民のつどいが19日、つくば市内で開かれた。市民のほか、五十嵐立青市長、つくば市区選出の県議5人全員と、市議のほぼ半数が勢ぞろいし、これまでの取り組みを報告したり、意見交換などをした。
人口が急増するつくば市で、県立高校が少ないため、中学卒業者の6人に1人しか市内の県立高校に通えない実情となっていること、県が新たに中学卒業者数の推移を推計し直した結果、2030年のつくばエリア(つくば、つくばみらい、守谷、常総市)の中学校卒業者数が、2022年と比べ800人増加する見込みであることが今年3月の県議会で新たに明らかになったことなどを受けて開催された。
800人増、不足さらに深刻
片岡代表は「県は2019年2月の県立高校改革プランで、つくばエリアの中学卒業者が440人増えると推計し、2026年までに2クラス(80人)増を計画し、つくば工科高校を来年4月から2クラス増とするが、(800人増加するにもかかわらず)2クラス増だけでは、エリア外に進学する中学卒業者がますます増え、県立高校の不足はさらに深刻になる」と指摘した。
さらに、つくば市内に県立高校が少ないないため、隣接市の県立高校に通うことになり、土浦市や牛久市などの中学卒業者にも大きな影響を与えていることを数字を示し明らかにした。
「県の英断を待つ」
県県南地区PTA連絡協議会の樋口弓子さんは「東京から移住してきた時はつくばに高校がないと考えたこともなかった。並木高校が中等教育学校になり、上郷高校が統合されて2校がなくなった。(転居してきた)新しい人たちは、つくば市に希望がないと思ったらすぐに離れる」などと話し、五十嵐市長に「市立高校をつくったらいかがか」と提案した。
五十嵐市長は「県には正しい数字をもとに推計してほしいとお願いしていた。県はつくば市が出した数字に基づいて(800人増えるという新しい推計を)出してくれた」とした上で、市立高校の新設要望について「市内で小中学校を5校建設中。中根金田台でも1校つくる。6校で300億円からの事業となる。市の予算は1000億円、県の予算は市と比較にならない。(県の)英断を待つしかないと思っている」などと話し、市立高校新設は困難だと退けた。一方、市役所に県立高校問題の担当者を置いたことを説明し「総務部のエースを担当にした。皆さんとコミュニケーションをとりながらできるだけ(県に)働き掛けをしていきたい」などとした。
つくば市区選出の星田弘司、田村けい子、鈴木将、山中たい子、塚本一也県議もそれぞれ、これまでの取り組みや意見を話した。「県からはTX沿線に県立高校を新たにつくるという答弁はなく、つくばエリアの中学卒業者は増えるが、周りのエリアは減る、という言い方をしている」(山中県議)など、県の現在の対応を問題視する報告もあった。
参加した市民からは「土浦一高の生徒の5割がつくば市からきており、地元の人が入れなくなっている。周辺部の県議と危機感を共有してほしい」などの意見が出た。
同会は昨年5月に第1回市民のつどいを開催し、昨年のつくば市議会9月議会に、市内に県立高校を早急に設置することなどを求める請願を出した。全会一致で採択され、10月に知事に意見書が出された。今年3月の県議会では2人の県議がつくば市の県立高校不足問題をただした。さらに市に対し、県立高校問題の担当係や部署を設置するよう要望し、実現させた。
片岡代表は「市民の集いで出た意見をもとに、県に新たに要望書を出していきたい」などと話している。(鈴木宏子)
あれから11年 東北未来芸術花火2022《見上げてごらん!》3
【コラム・小泉裕司】時折フラッシュバックする日帰り旅がある。東日本大震災から2カ月が過ぎた2011年5月の連休明け、地元の復旧作業の合間を縫って、甚大な津波被害を受けた宮城県亘理町荒浜地区を訪れた。
復旧間もない東北新幹線で仙台駅を経由し常磐線を南下、到着したJR亘理駅から歩くこと約1時間。途中目に映る「がれき」の山と被災者宅で活動するボランティアの勇姿は今でも鮮明に思い出される。未体験の現実を目の当たりにして呆然(あぜん)とするだけの自分に無力感を覚え、帰宅した後もしばらくの間は安易に訪れたことへの後悔の念にさいなまれる日々が続いた。
持参したカメラは、物見遊山と見られるのではないかと気がとがめ、一度もバッグから取り出すことはなかった。写真を撮影すればするほど記憶が曖昧になる「写真撮影減殺効果」という心理学の研究成果があるらしい。写真を撮ることが目的となってしまい、実際に体験したことが記憶に残らないというのだ。
逆に言えば、亘理町を訪問した11年前の記憶が今も鮮明なのは、一度もカメラのシャッターボタンを押さなかったことで、「減殺効果」が生じなかったからと言えるのかもしれない。
「茅ケ崎サザン芸術花火」
震災の月命日にあたる6月11日、犠牲者の鎮魂と新型コロナの早期収束を願い、「東北未来芸術花火2022」が亘理町鳥の海公園で開催され、1万人を超える観客が訪れた。この「芸術花火」は全国30カ所以上でツアー型花火大会として開催されており、花火と音楽のコラボによるストーリー性を重視した、1時間ノンストップで展開する花火イベントである。
2009年に国営ひたち海浜公園(ひたちなか市)で開催した「大草原の花火と音楽」から始まったもので、特に2018年の「茅ケ崎サザン芸術花火」(神奈川県茅ケ崎市)では、日本最高峰のバンド「サザンオールスターズ」の名曲と野村花火工業(水戸市)やマルゴー(山梨県)をはじめとする日本花火の「オールスターズ」がコラボし、茅ケ崎海岸に夜空のエンターテインメントショーを見事に演出した。
花火玉の燃えかす「ガラ」拾い
閑話休題、亘理町の花火に話題を戻そう。会場に到着後、震災犠牲者を慰霊する「鎮魂の碑」の前で手を合わせてから観覧席に着いた。当夜は、無風により滞留した煙の合間からしか見えない花火に観客からは落胆の声が聞かれたが、それでも私は頭上を見上げ続けた。雲の上の犠牲者の皆さんには美しい大輪の花火が届いていることを信じながら。
翌日は早起きして、花火会場で行われた「世界一楽しいゴミ拾い」に相棒と2人で参加した。「芸術花火」ではセットとなっている恒例のゴミ拾いイベントだ。時間経過とともに雨量が増す中、マスクや衣服がぬれるのもかまわず黙々と花火玉の燃えかす、いわゆる「ガラ」を拾い集めるボランティア参加者に感動さえ覚えると同時に、短絡的だが「東北人らしさ」を垣間見たような気がした。
花火打ち上げ後、花火師は花火筒の撤去と同時に大きなガラや黒玉(不発玉)を集めるのが通例だが、夜間、小さなガラまで拾い集め切ることはできないため、どこの花火大会でも欠かすことのできない仕上げ作業である。
亘理町との「ご縁」に導かれた今回の花火旅は、荒浜漁港の海鮮丼とカニ汁、アンコウの肝あえで清掃作業の空腹感を満たし、ゴミ拾いイベントの抽選会で当選した豪華なご褒美「牛タンの詰め合わせ」とともに会場を後にした。本日はこの辺で「打ち止めー」。「ドン ドーン!」。(花火鑑賞士、元土浦市副市長)
人に優しくすることはよいこと?《続・気軽にSOS》111
【コラム・浅井和幸】「人に優しくすることはよいことですよね?」。このような質問を受けることがあります。軽いおしゃべりならば、「そうなんじゃないかな」ぐらいで、軽く流してしまえばよいのですが…。
しかし、深刻な感じ、少し重い感じで聞かれる、真面目に相談されるのであれば、軽く流すわけにもいきません。物事の良し悪しあしは、その場の流れやその場のルール、何を目的にするかで、全く違ってきます。
例えば、相手の荷物を持ってあげる=優しい行為という前提で考えてみましょう。相手が自分で運びたいと思っている流れで、強引にその「優しい行為」をする。人のものに触ってはいけない場所で、人の荷物を持つ。自分の体を鍛えるために荷物を持っている。このような場面で、その行為は嫌がらせになりかねません。
「優しい行為」と思っていることを、そう決めつけるのは、とても怖いことです。それは「トンカツはおいしい」「そばは体に良い」と決めつけるようなものです。油物が苦手な人、そばアレルギーの人からすれば、おいしいとか体に良いとは言えません。
少々の傷やミスはプラスに働く
過度な優しさは、リハビリや人の成長を妨げる要因になります。相手をかわいそうな人だと決めつけ、身の回りのことを全てお世話してしまうと、相手の能力を奪うことにもなりかねません。
厳しい行為が避けられ、たたかれやすい昨今ではあります。しかし、「厳しすぎ」が「よくない」と同じぐらい、「優しすぎ」もよくないことです。完璧な同一の答えは無いものなので、程度問題での調整が必要です。
個々の心や体が鍛えられ、双方の人間関係が育まれる―には、少々の傷やミスはプラスに働きます。厳しくすれば根性が鍛えられるという決め付けと、優しく接すれば人は分かりあえるという決め付けは、同じぐらいの危険性をはらんでいます。
何か言ったり行動したりしたあとに、実際どのような状況になったか、しっかり確認して、次の言動に生かすことが大切です。それでも、相手や世界に優しい目を向け続ける心身の強さを持てることを願い続けているわけですが。(精神保健福祉士)
洞峰公園工事予定地に絶滅恐れの希少種 つくばの市民団体、県に保全要望
つくば市二の宮にある県営の都市公園、洞峰公園(約20ヘクタール)のリニューアル問題で、市民団体「地域参加型の洞峰公園整備計画を求める会」(木下潔代表)は17日までに、県などに対し、希少な動植物を保全するよう求める要望書を提出した。県は民間事業者に委託して、洞峰公園整備運営事業としてリニューアルする計画を立てているが、同会は、公園内の工事予定地などで絶滅の恐れがある希少種が確認されたなどとしている。
同会は、公園管理者と地域の利用者が話し合う「協議会」を設置するよう、県などに要望しており=5月13日付=、今回、新たな要望書の提出となった。
木下代表(61)によると、13日、元ミュージアムパーク茨城県自然博物館主席学芸員の小幡和男さんと現地調査したところ、公園南側の駐車場拡張予定地の樹林地内で、県が準絶滅危惧種に指定しているラン科の多年草、キンランとギンランが確認された。
ほかに公園全体では、日本野鳥の会茨城県や、同会メンバーの観察などにより、絶滅危惧種や準絶滅危惧種に指定されている希少な野鳥が、トモエガモ、カイツブリ、ハチクマ、オオタカ、オシドリなど13種類、植物がキンラン、ギンランを含め4種類確認されているとしている。
県の希少野生動植物保護指針によると、希少野生動植物の生息の可能性がある場合、開発事業者は、調査を実施する必要があると定められている。さらに開発による影響を把握し、保護方針を決めて保護対策を実施し、対策の効果を検証しなければならないとされている。
これに対し県都市整備課は「要望書を受け取ったばかりなので、コメントできない」としている。今回、公園のリニューアルを実施するに当たり、動植物の調査はこれまで実施されていない。
一番最初に行う工事
洞峰公園のリニューアルは、県からパークPFI(公園設置管理制度)事業者の委託を受けた「洞峰わくわく創造グループ」(代表法人・長大)が、公園南側の野球場などにグランピング施設やドッグラン、バーベキュー(BBQ)ガーデンなどをつくる計画。併せて南側の樹林を伐採し、駐車場を127台分拡張する計画となっている。
木下代表によると、駐車場拡張のため伐採される樹木は300本ほどで、洞峰公園が開園した1980年より前からあるアカマツ、ヤマザクラ、コナラ、シラカシ、ケヤキなど。樹齢100年を超える樹木もあるという。
駐車場の拡張工事は、一番最初に行う工事とされ、グランピング施設やBBQガーデンなどを整備する工事車両の動線となる。完成後は、グランピング施設やドッグラン、BBQガーデン、多目的フィールドなどの利用者が目的施設まで車でアクセスしやすくなり、利用者の利便性が飛躍的に向上するとされる。
一方、地元の五十嵐立青つくば市長は「駐車場の改善以外は、市として大きな課題がある」(5月13日の定例会見)とし、グランピング施設とBBQガーデンは「臭いやアルコールなど懸念がある」=4月14日付=とする一方、駐車場の拡張は渋滞解消につながるとして受け入れる方針をこれまで示している。これに対し木下代表は「つくば市にはこれから、自然を保全してほしいという要望書を出すことを予定している」と話す。
以前からあった環境残す
木下代表は「洞峰公園は(埋め立てて公園をつくる1980年以前から)洞峰沼周辺にもともとあった樹木を生かしてつくられた。さらに緑の帯であるペデストリアンデッキで筑波研究学園都市のほかの公園と結ばれ、小さな動物が行き来できるように設計された。絶滅危惧種を含めて生物多様性を保全する公園整備をしてほしい」としている。
「日本野鳥の会茨城県」副会長の内田初江さんは、1982年から2000年まで毎月1回、洞峰公園で探鳥会を開催したところ、希少種を含め101種類の野鳥が観察されているという。「洞峰公園のような都市公園で100種類を超える野鳥が見られること自体、多様な環境があるすばらしい公園である証拠」だとし、「公園をつくる際、学園都市ができる前から洞峰沼周辺にあった環境を残したことが、今も100種類を超える野鳥が生息したり、営巣したり、エサを取ったりできる環境を生んでいるのではないか」と話している。
協議会設置「すぐにお答えできない」
一方、都市公園法に位置付けられている公園管理者と地域の関係者が話し合う場である協議会設置の要望について同会は、14日、さらに1925人分の署名を県に提出し、署名数は計4034人分になった。一方、県からは6月1日付で「協議会設置の可否は、多くの関係者と調整が必要であり、すぐにお答えできる状況にない」などとする回答があったという。
協議会設置の要望書は、パークPFIの代表事業者である長大とつくば市にも提出した。長大などで構成する洞峰パークマネジメントからは9日付で「現在、県と進め方を協議している段階で個別の回答は控える」「今後、県主催の県民向け説明会を開催する方向で県で調整しており、事業者としての改善策や考え方についても示したい」、つくば市からは14日付で「協議会の設置は重要であるので文書で県に要望する」などの回答がきているという。
木下代表は、協議会設置を要望する署名活動を続けるほか、いつまで経っても説明会を開いてくれないので、7月9日午後1時から二の宮交流センターで「洞峰ワークショップ」を開きたいなどとしている。(鈴木宏子)
【延期】「ウクライナの平和」中村逸郎教授の講演 7月9日に筑波学院大学
ロシアのウクライナ侵攻以来、テレビにひっぱりだこの中村逸郎教授が7月9日、所属の筑波学院大学(つくば市吾妻3)で講演する。「大学で学ぶ」ということ~ウクライナから考える平和づくり-がテーマ。高校生対象の内容ながら、一般からの申し込みも受け付ける。
講演会は、今回のウクライナ侵攻についてが分かりやすく解説するとともに、今、 最も知りたい「ウクライナの平和」を通して、大学での「学びの意義」を考えてみるという。
中村教授は現代ロシア政治が専門、モスクワ国立大学、ソ連邦科学アカデミー「国家と法研究所」に留学経験があり、22年3月まで筑波大学人文社会系教授を務めた。5月に岸田首相はじめ閣僚、国会議員、メディア関係者、研究者など日本人63人にロシアへの入国を無期限で禁止する、ロシア政府による日本への報復措置が発表されたが、この中に名があがった。
講演会は7月9日午後2時から筑波学院大学大教室で開催。参加は無料だが、申し込みは6日まで、先着200人を定員としている。
問い合わせは電話029-858-4815。申し込みフォームの特設ページはこちら。
妨害予告受け延期
【5日追加】同大は5日、講演会について妨害予告連絡を受けたため、会場の安全確保上の理由から開催を延期すると発表した。開催日時は未定。
人生 最後まで自分らしく 《くずかごの唄》110
【コラム・奥井登美子】『死を迎える心構え』 加藤尚武(京都大学名誉教授・哲学)著。弟のタケちゃんの書いた本なので、亭主と2人でなめるようにして何回も読んだ。
第11章「人生の終わりの日々」の一節。「…未来がなくても未来があるふりをする。ほんとうはたったひとりでこの道を歩いていくのだ。自分で自分に語りかける毎日。思い出という襤褸(ぼろ)をつないで物語をつくって、その物語の世界に垣根を作って、思い出の中を一人で歩いている時が楽しい…」
生まれる時は自分で選べないが、70年、80年、歴史の中を歩いてきて、死ぬ時くらいは最後まで自分らしく死にたいと思う。
昔は、老衰で、すべての内臓の能力に限界がくると、その人の個性を残しながら、その人らしい最後を迎えられたものなのに、今の医療制度は、なぜかそれを許してくれない。
ケアマネ選び、どうすればいいの?
「最後まで自分らしく死にたいなあ、なんでも、救急車呼んでしまうと、病院に連れていかれて、そのまま入院して意識がないのに、何日も、何カ月も機械につながれてしまう、救急車なんか呼ぶなという人もいる。そういう時はどうすればいいんだろう」
「介護認定をしてもらって、こちらの人生の最後のお願いが分かってくれそうな医者を見つけて、訪問医になってくれるか、どうか、探すしかないと思うわ。この前、図書館で借りてきた『在宅死』の本の著者は、大学病院にいても訪問医を体験している人の書いたものが多かった」
「どうやって、気の合いそうな、しかも訪問してくれる医者をさがせばいいんだろう? 困ったなあ」
「訪問医とは気が合ったけれども、ケアマネージャーと気が合わなくてひどい目に合ったという人もいた。ケアマネージャー選び、一体どうすればいいの?」
亭主と2人、タケちゃんの本を読みながら、こんな話をしていた。老人が最後まで自分らしく生きようとすると、今の制度の中では、難しい課題が山のように押し寄せる。人と人のつながりの中で、根気よく解決していくしかないのだろうか。(随筆家、薬剤師)
