コロナに翻弄、今も穴埋めしている 土浦日大・小菅監督【高校野球’22展望】
第104回全国高校野球選手権茨城大会が9日開幕した。出場を間近に控えた有力校3校の監督にインタビューした。第1回は土浦日大の小菅勲監督に、他校の分析と今年のチームの特徴、意気込みなどについて聞いた。
つくば秀英 勢い加わっていた
―春の大会は、準決勝でつくば秀英に1点差で敗れました。その振り返りと受け止めからお願いします。小菅 つくば秀英さんは春に霞ケ浦さんに勝って、チームに勢いが出ましたね。素材の良い選手がそろっていますし、シートノックを見ていてもしっかりと守れているので練習をやっているのがよく分かりました。そこに勢いが加わっていた。2回終了の時点で、相手の勢いを見誤っていたなと思いました。「前半が勝負。前半で攻め立てる」と選手たちに浸透仕切れなかったことが大きな敗因ですし、そこは私のミスだと思います。
―つくば秀英投手陣については。小菅 五十嵐大晟投手(2年)、塚越伊織投手(3年)ともに良いボールを放っていました。こちらは初見のボールをしっかりと観察して、捨てるボールと勝負に行くボールの見極めがしっかりと出来てはいましたが、攻撃が遅くなってしまいました。
―秋準決勝で対戦し惜しくも敗れた明秀学園日立は、その後、秋の茨城を制覇し、秋季関東大会で初優勝。センバツでは1勝を挙げ、春の茨城も制覇しました。明秀学園日立をどう見ていますか。小菅 各打者のスケールが大きく、エースの猪俣投手という軸がしっかりとしています。全国で勝てる力が十分ある。明秀日立さんが甲子園に行った2018年のチームに似ている印象があります。茨城県では頭一つ抜けている存在ではないでしょうか。格上に対してはチャレンジャー精神を持って、相手に欠けている部分と、自分たちの良い部分を織り交ぜながら挑戦していきたいです。
主将、指導歴でも稀有な存在
―今年のチームは長打も打てて守れる選手がそろっている印象です。小菅 主将の武田優輝は勝ちたいという気持ちが非常に強くしっかりとチームをよくまとめています。去年はまだ突っ走っている感がありましたが、今年は上手く周りと同調しながら盛り立てて、いいチーム作りをしてくれています。彼は私が言おうと思っていたことを言いますし、2年生に対しても仲間として勝つために必要なんだという扱いをしてくれるので、なかなかこういうキャプテンとは出会えないと思わせる、私の指導歴でも稀有な存在です。
―中心選手としては1年生から出場している吉次悠真選手も挙げられます。2年半の成長をどのようにたどっていますか。小菅 彼は器用ではないタイプで、黙って経験を積ませようという方針でやってきました。まだまだ失敗もありますが、目の覚めるような打球を放ったり、才能を感じさせるようなプレーがたくさん出ます。これまでは細かいことはあまり言わなかったのですが、いよいよ高校野球の集大成に入ってきたので、少しずつ修正点や課題を解消するために話し合うようになってきました。後は、大会で何かをつかんでくれればという段階に入っています。
―中軸を打っている2年生については? 香取蒼太選手と太刀川幸輝選手はともに体が大きくて長打力が持ち味だと思います。小菅 香取は非常に長打力がありますし足も肩もある。試合経験を積みながら一つ一つ覚えていって、一歩一歩花を咲かせながら成長しています。太刀川については、非常に勝負強いです。野球への取り組みの良さが打席にも出ているなと思っています。
―投手陣について。下級生から登板していた山田奏太投手と河野智輝投手、それに長身右腕の小森勇凛投手(2年)、それぞれの特徴を教えてください。小菅 山田は右のオーバースローで真っ直ぐと変化球のコンビネーションが特徴です。速さで押すというよりボールのキレで勝負するタイプです。本人が試行錯誤しながら今でも一歩ずつ成長しています。河野は右のサイドスローで、緩急とコーナーワークを織り交ぜながら丹念に打たせて取るタイプのピッチャーです。彼も本当にまじめでチームのために献身的にプレーしてくれます。小森は潜在能力が高く、球速があってボール自体はエース級です。荒削りではありますが素材としてはピカイチです。順調にいけば大学でエースになったり、その先も考えられる素材です。フィジカルとメンタルとテクニックが合わさったらすごく良いピッチャーになると思いますが、今はゲームを作る能力を磨いている段階です。
―夏は特に期待する選手は。小菅 夏の大会は全員に期待しています。コロナ対策として試合ごとに登録変更が可能になっており、ベンチ外の選手もベンチ入りするかもしれません。この1年間、誰が欠けてもチーム力を落とさないでみんなで補おうというテーマを持って取り組んできました。常に準備しておいてくれと選手には伝えています。(次ページにつづく)
月曜日はオフ
―野球部のグラウンドと寮は土浦市内の学校から離れたかすみがうら市にあります。平日は学校が終わって何時に出発して、何時に練習を開始していますか。小菅 大体午後4時前に学校を出発し、4時30分頃に到着します。練習が始まるのは4時45分くらいからになります。
―曜日によって練習の組み方が違うのでしょうか。小菅 月曜日はオフ。心身のリフレッシュのために完全休養としています。積極的休養か消極的休養かは本人に任せているので、グラウンドで練習している選手もいれば、完全に休養している選手もいます。
―自主練習はどのようにしているのでしょうか。小菅 同級生同士で行うケースや先輩後輩で組んで行うケースがあり選手同士で上手く回しています。後輩に何かを伝えようとしているとか、先輩から技術を取り入れようとしているとか、自主練習で良い化学反応もたまに見られます。
―現在の部員数は?小菅 82人です。
―4年前には自宅から通いの選手が15人程度いると伺いましたが、今はどうでしょう。小菅 現在は自宅から通いの選手はいません。本人の希望で地元の選手でも全員寮で生活をしています。
―寮には最大で何人入れるのでしょうか。小菅 最大で100人以上は入れますが、学年25人程度が適正じゃないかと思います。
―一般受験でも入部はできますか。例えば公立を受けたけど落ちた、でも高校野球をやりたいという選手は受け入れてもらえるのでしょうか。小菅 一般受験でも入部できます。併願受験で結果的に公立に落ちて本校に入部したという選手がレギュラーで活躍することもあります。高校野球をやりたいと言っているのに断る理由がありません。高校野球を3年間全うしてこそ見える景色がある。その景色を見せてあげることは指導者としての一つの使命なのではないかと思います。
土浦市内大会、夏をイメージできる経験に
―先日、作新学院(栃木)と試合を行いました。どうでしたか。小菅 やはり強豪チームと背番号を付けて球場でやるというのは練習試合とは違った様相がありまして、夏の大会をイメージできる経験になりました。良くも悪くも土浦市内大会がきっかけになることがあります。2018年にも横浜高校(神奈川)が招待されて真剣勝負をさせてもらったのですが、夏の大会に優勝できるイメージが持てる試合ができました。今回、作新さんとは点差が開きましたけれど、向かっていく気持ちを持って臆することなくできましたので、そういう意味では良いバロメーターになったと思います。
―最近の練習試合での手応えはいかがですか。小菅 練習試合は結果よりも結果につながるプロセスを大事にしています。負けた試合でも食らいついて最後1点差に迫ったり、何かしらの収穫があります。選手にも、練習試合でミスをした、打てなかったからといって、絶対に自分のこと仲間のことを不信に思ってはいけないよと言っています。練習試合を通して、試合のポイントを明らかにして、こういう気持ちで臨んでいれば結果は後から着いてくるというような、選手の野球に対する取り組みと、夏の大会に向かっていくチーム作りは着々と前進していると思いますね。こういった蓄積を大会で発揮したいと思います。
野球の喜びや感謝を集約できれば
―3年生には最後の大会。どのような軌跡をたどって来たか総括してください小菅 広い意味でコロナに翻弄された3年間でした。こちらが求めているよりも、体力や気持ちがついてきていない部分があり、今でもその穴埋めの作業をしています。それは大会中の最後の最後まで続くかもしれない。逆に言えば何かミラクルが起こる可能性もあります。ようやく野球が出来るんだという喜びや感謝を大会に集約できればいいなと思います。誰かが仲違いしたり、練習に身が入らない時期があったりと、チームの中ではいろいろと紆余曲折ありました。それでもやっぱり最後は仲間で最高の思い出を作ろうねと、今は一致団結している段階に入っています。
―最後に、夏の大会への意気込みを。小菅 今年の3年生はコロナ3年目で、いろいろとつらい思いや、野球をできなかった期間を経験しています。ただただ夏の大会ができるという喜びを感じて大会に臨んで欲しいなと思います。彼らが掲げている目標は甲子園で勝つことです。私も1年間、彼らがそのことが達成できるように頑張ってきたので、後は大会が終わってから夢がかなうかどうか。本当に一戦一戦頑張って戦い抜いて欲しいと思います。(聞き手・伊達康)
基本を繰り返す 《つくば法律日記》22
【コラム・堀越智也】中学1年生の頃から、ボクシングが好きで、当時は日本で放送された試合は全てビデオに撮り、ボクシング雑誌を隅から隅まで読んでいた。当時世界チャンピオンだった、大橋秀行さんが会長を務めるジムの井上尚弥選手の先日の試合も当然見た。1カ月たった今でも余韻が残っている。
どうしてあんなに強いんだろうと考えながら過ごしている。挙げれば数えきれないだろうけど、その中でビジネスマンとして何か吸収できないかと考えた時に思い浮かぶのが、基本を大切にしているところだ。
ガードを高く構え、パンチを打ったら、すぐにガードの位置に戻す。日ごろの練習でも基本を何度も繰り返す。基本となるステップは、子どもの頃から欠かさずに続けているらしい。
そういえば、司法試験も新しい理論や判例の勉強よりも、基本を何度も繰り返した人が合格する。いろいろな本を読むよりも、同じ本をボロボロになるまで繰り返した方が実力がつく。
社会人になって、何か新しいことを勉強する時も、基本となる本を飽きるほど何度も何度も読むと、だんだん初めて触れた時と全然違う感覚になっていき、昔から知っていたことみたいになってくる。
コラム締め切り厳守も基本
基本が大事であることは、子どもの頃から言われ続けているのに、なぜ人は基本を繰り返すことを忘れてしまうのだろう。たぶんそれは、基本は淡泊でつまらない、同じことを繰り返すと飽きてくる、優秀な人を見ると基本以外の派手なところが目立ち、基本が重要と感じなくなる―などなど。
一流のプロの世界でも、基本を大事にしているかどうかで結果が変わると思われるのだから、自分もたくさん基本を怠っているだろうと思い、見直せることがないか、考えてみた。
まず、日々の仕事や勉強で、本を繰り返し読んでいないことがある。人の悪口を言わないかと言えば、多分たまに言っている。元気に明るく挨拶をしているかと言えば、そうでないこともある。ビジネスマンとして反省すべきは、時間を守らないことがあることだ。このコラムの締め切りも、十分反省すべきだ。
ただ、基本を守れていないのは、自分だけではない。暴力がいけないことも、民主主義が守られなければならないことも、子どものころから基本であることとして教わってきた。それでも、人間はそんな大事な基本を忘れてしまう生き物らしい。憎しみは何も生み出さないことも基本だと思うから、「罪を憎んで人を憎まず」―元首相の銃撃事件について頭を整理したい。(弁護士)
土浦一高、東洋大牛久に惜敗 高校野球茨城大会が開幕
96校93チームが出場する第104回全国高校野球選手権茨城大会が9日、開幕した。開会式は実施されず、試合後の校歌斉唱や校旗掲揚も省略されたが、3年ぶりに観客数制限なしで観戦できる大会となった。5球場で一回戦10試合が行われ、J:COMスタジアム土浦の開幕戦に登場した土浦一は東洋大牛久に競り負けた。
県南勢同士の対戦。土浦一は先発、中里洸介が試合を引っ張った。東洋大牛久は、序盤小刻みな継投を見せ、4回から登板の3番手片倉が好投。9回まで1安打で投げ切った。
3回、土浦一の四番、伊藤敦貴は、左翼フェンス直撃の同点二塁打でスラッガーの片りんを見せた。
6回、東洋大牛久は、三塁打から、犠飛で決勝点を奪った。
敗れた土浦一高の柴沼剛己監督は「選手達は1年間練習でやってきたカットプレー、バント処理など勝つためにやってきたことを全て出し切ってくれた。みんな生き生きとプレーして気の抜いたプレーはなかった。采配に答えてくれて選手は本当によくやってくれた」と選手らを称えた。さらに「中里の先発は早くから決めていて試合をしっかりつくれて100%の出来だった。負けたのは僕の力不足、指導不足を感じている」と振り返った。
竹内敦哉主将は「これまでの試合では実力校相手にまとまった試合が出来ずチーム全体でミスが出ていたが、今日は地に足をつけてチャレンジャー精神で明るく楽しくやる事が出来た。エラーは出たが投手継投やファインプレーもあった。1点差で勝ちきれなかったのが悔しい」とコメントした。
中里洸介投手は「制球で、四球があり絶好調ではなかったがストライクを取って行って低めを意識して打ち取る事を考えながら投げた。今日出来る事はやった」と話した。
2回に先制タイムリーを打った石井雅也一塁手は「追い込まれていたのでくらいついて打った。打ったのは高めのスライダー。私立の強豪校相手に全力で試合に挑んで負けたのは悔しいが、やるべき事はやった。力を出し切った」と述べた。
声出し応援聞かれず
午前10時に30度を超す炎天下のゲーム。スタンドにはブラスバンドなど野球部以外の生徒らが陣取ったが、両校とも全校応援とはならず、声を出しての応援も聞かれなかった。地元校の対戦にしては今ひとつの観客の入りで、コロナ禍の影響をうかがわせた。
琵琶湖一周「ビワイチ」を走ってきた 《夢実行人》10
【コラム・秋元昭臣】5月下旬、ビワイチ(琵琶湖一周サイクリング)走って、改めて自然のままの「カスイチ」(霞ケ浦一周サイクリング)に良さを感じました。「ビワイチ」は一般道であり、自動車に追われながら走りますが、「カスイチ」は全走路のほぼ半分が専用道路になっていて、車を気にしないで走れるからです。
また、「ビワイチ」は一般道路との交差点が多く、徐行しないで走る車が結構あり、とても危険を感じました。京都市内では、歩道の中に幅の広い自転車レーンがあり、ビックリしたものです。
車道脇にブルーラインがあるのは「ビワイチ」も「カスイチ」も同じですが、大きな矢羽根印が「ビワイチ」にはありませんでした。交差点では誘導ラインが切れてしまうので、曲がる場合、表示を見落としてしまうと、戻って出直すことに。これは「カスイチ」も同じですが…。
「ビワイチ」では、スマホのガイドは使わず、路面標識だけで走りました。案内地図には到着時間など記入もでき、休憩時に走行作戦を立てました。宿泊は、長浜と京都の2ケ所で、バイク野郎の宿「ライダーハウス」を利用。利用者は若者が多く、1畳1人で雑魚寝。宿泊料が安いのにはビックリ。
琵琶湖いろいろ:霞ヶ浦との比較
▽古代湖(世界に20しかない大昔の湖)で深い。海跡湖の霞ケ浦は浅い。水面は霞ケ浦の3倍の670平方キロ。平均の深さは霞ケ浦と同じ4メートルだが、北湖には最大深さ104メートルのところも。近年はヘドロ堆積が見られるそう。
▽「ビワイチ」の長さは200キロ。「カスイチ」+「つくばりんりんロード」=180キロ。「りんりん」も足せば、いい勝負。
▽透明度は悪くても2~8メートル。昔は霞ケ浦も10メートルぐらいあったが、今は0.6~2.5メートル。COD(水の汚れの指標、小さい方がきれい)は2.4mg/L。これは泳げたころの霞ケ浦の3分の1。琵琶湖にはかなわない。
▽京都・大阪・兵庫の水がめになっており、貯留量は270億立方メートルと、霞ケ浦の30倍。流入河川数は450本(霞ケ浦は56本)。鈴鹿、伊吹、野坂、比良山地からきれいな水が流れ込む。港の数は、大型港4、その他港65。霞ケ浦は150以上あるが、大型港は2つだけ。
▽観光船運航会社は、「大津汽船」をトップに4社。霞ケ浦は「ラクスマリーナ」「常陽観光」の2社。こちらも琵琶湖が上。
▽湖岸には砂浜が多く、水泳場やキャンプ場が多い。湖内の2島=竹生島(神様の島で人は住めない)と沖島へは、定期船が運航されている。(元ラクスマリーナ専務)
つくば市長リコール運動、11日スタート 市民団体 旧総合運動公園用地の売却問う
つくば市大穂、旧総合運動公園用地(高エネ研南側未利用地、46ヘクタール)を一括売却する相手先として、つくば市が、外資系物流不動産会社「グッドマンジャパン」を候補者に選定した(6月21日付)のを受けて、民間売却に反対する市民団体「つくば市長リコール住民投票の会」(酒井泉代表)は8日記者会見し、五十嵐立青つくば市長のリコール(解職)を求める署名活動を11日から開始すると発表した。同市で市長のリコール運動が実施されるのは初めて。
署名を集める期間は8月10日までの1カ月間。同市の有権者数は19万3972人(6月21日現在)で、リコールが成立するには有権者数の3分の1以上の6万4658人以上の署名が必要になる。
リコール運動実施は、酒井代表が市選挙管理委員会(南文男委員長)に届け出た。市選管は6月30日付で告示した。市選管によると、選挙期間中はリコールの署名活動ができないため、参院選終了後の7月11日からの開始となるという。
「2年に一度、市長選と市議選を交互に」など3点
同会によるとリコール運動の目的は、①旧総合運動公園の売却を止めさせて、同用地を市民の公共の福祉と国益を守るために活用する②市長の解職によって、市長と与党議員の一体化が進む4年に一度の市長・市議選同一選挙を改め、2年に一度、民主主義の原則に基づき、市長選と市議選を交互に実施する③市民一人当たり年間8万円という、市民の税負担に見合った仕事をする市役所に改革するーの3点。
酒井代表(73)は「将来の発展のために必要な公共用地(旧総合運動公園用地)を売って、データセンターや物流基地にすることに、とても黙っているわけにはいかない。止める方法はリコールしかない」と話し、同会の大須賀鬨雄さんは「売却は、将来の種もみを食ってしまうことに等しい」、亀山大二郎さんは「つくば市は研究学園都市なのだから、国が研究機関の用地として取得した土地を、市が外国企業に売ることはやってはいけない」と語る。
11日のリコール署名開始を前に、同会は10日、ちらしを新聞折り込みで配布するという。11日からは、実際に署名集めをする受任者が、署名用紙を地区ごとに各戸に配布する。署名は受任者が対面で確認し、さらに封筒に入れて封印して、同会事務所に届ける。酒井さんは、11日以降も受任者を増やしたいとしている。
一方、8月10日の期限までに、署名数が有権者数の3分の1に達しなかった場合は、署名を選管に提出せず、署名用紙が入った封筒の封を切らずに裁断または焼却処分するとしている。
酒井さんは「やれることは全部やったので、後は、市民が問題意識をもってくれるかどうか。市民のほんの少しの勇気でつくば市は大きく変わると思う」と話している。
旧総合運動公園用地をめぐっては、売却候補者のグッドマンジャパンの購入金額が約110億3000万円であること、同市は8月22日までに同社と土地売買契約を締結する予定であることなどが6月21日に発表された。(鈴木宏子)
◆つくば市長リコール住民投票の会のホームページはこちら
サイクリストの宿 《日本一の湖のほとりにある街の話》1
【コラム・若田部哲】このコラムは、日本一の湖・霞ケ浦にまつわる様々なコトやモノを紹介する欄です。「日本一は琵琶湖でしょ」と思ったそこのアナタ。もちろん正解ですが、それは面積の話。一般に「霞ケ浦」と呼ばれているのは霞ケ浦の一部(西浦)で、北浦や外浪逆浦(そとなさかうら)といった水域を合わせると、「周長」日本一は霞ケ浦なのです。
この霞ケ浦周囲と、隣接する筑波山とを巡るサイクリングコースが「つくば霞ケ浦りんりんロード」として、2019年、全国で3カ所しかない「ナショナルサイクルルート」に選定されました。
今回は、このサイクルルートの起点となる駅ビル「プレイアトレ土浦」内に、2020年、オープンした「星野リゾート BEB5(ベブファイブ)土浦」をご紹介。総支配人の大庭祐太さんにお話を伺いました。
合言葉は「ハマる輪泊」
BEB5土浦は、高級リゾート「星のや」をはじめ、様々なブランドを展開する星野リゾート初の、自転車を楽しむホテルです。
合言葉は「ハマる輪泊」。本格的サイクリストから、普段自転車に乗らない人、ビジネスマンまで、幅広い人それぞれが気軽に楽しめるホテルになっています。
気軽さ・手軽さに重点を置いており、フロントで予約のQRコードを読み取らせれば、チェックインは完了。小径車とクロスバイク2タイプの電動自転車を貸し出しているため、手ぶらで来て、気軽にサイクリングが楽しめます。
その一方、本格的なサイクリスト向けの自転車用メンテナンススペース、自転車関連サニタリーなどにも抜かりがありません。 また、館内に自転車を持ち込めるため、盗難の心配は皆無です。
客室は性格が異なる3タイプ。1つ目の「サイクルルーム」は、本格的サイクリスト向きの部屋。部屋内の壁にサイクルスタンドが設置されており、向かい側のガラス張りの浴室から、お湯に浸かりながら愛車を眺めるなんてことも可能です!
2つ目が「ヤグラルーム」。畳敷きの部屋の中央に、上がロフトベッドになっている櫓(やぐら)が組まれ、その下は大きなソファとなっている、皆でワイワイと楽しむのに最適な空間です。
3つめの「ダブルルーム」は、ビジネスにも使用しやすい、シンプルで居心地の良いスペース。いずれのタイプにも、さりげなく自転車的モチーフが散りばめられている演出が心憎いところです。
カジュアルな素材を用いつつも、細部まで計算されたプロポーションや、要所に配された名作什器(じゅうき)により、館内のどこを切り取ってもSNS映えする空間となっているのも、さすが星野リゾート。
居心地の良いスタイリッシュな空間だけでなく、季節を通して様々なアクティビティが用意され、何度も来たくなる、まさに「ハマる輪泊」が用意されています。
地域文化こそ最大の資源
自転車を楽しむホテルだけに、スタッフはみな相当なサイクリストぞろいかと思いきや、必ずしもそうでもないとのこと。逆に、そうしたスタッフの意見から生まれたアクティビティもあるそうです。
例えば、今夏開催の「朝活ブルーベリーサイクリング」では、電動アシスト付き自転車で、ホテルから片道10キロほどのブルーベリー農園に向かい、農薬無使用・有機農法のブルーベリー狩りを楽しみます。その後、収穫した果実をホテルのミキサー付自転車でスムージーにして味わう、というもの。
サイクリストなら、「えっ」と思うかもしれません。ある程度自転車に乗る人間にとって、10キロはほんの散歩程度の距離。ですが、普段自転車になじみのない人にとって、10キロは一つの壁であり、達成感も得られる絶妙な距離設定です。
生粋のサイクリストだけだったら逆に生まれにくいアイデアも、柔軟に取り入れていく。そこには星野リゾートの社風である、アイデアを自由に出し合えるフラットな組織文化があるとのこと。自転車を楽しみつつ、プラスアルファとして「この地域ならではの地域文化を楽しんでいただく」ことを念頭に、常に皆でアイデアを出し合っているのだそうです。
「自転車リゾートはまねできるが、地域文化はまねできない。茨城の豊富な地域文化こそが、このホテルの強みです」と大庭さんは語ります。 農業大国・茨城の様々な地域文化・資源と自転車の組み合わせで、これからどのようにこのホテルが成熟していくのか、とても楽しみです。(土浦市職員)
【わかたべ・てつ】筑波大学大学院修士課程芸術研究科デザイン専攻修了後、建築設計事務所など経て、2009年、土浦市役所入庁。地元出身が多い職場にあって、県外出身として地域への理解を深めるため、霞ケ浦周辺を歩き回り、様々な対象をイラスト化。WEBサイト「日本一の湖のほとりにある街の話」などで地域の魅力を配信。1976年生まれ。
「日本一の湖のほとりにある街の話」の公式ホームページはこちら
歴史ある名門サッカーチームに危機 筑波大蹴球部が支援呼び掛け
グラウンド老朽化し劣化
126年の歴史を持つ日本最古の名門サッカーチーム、筑波大学(つくば市天王台)蹴球部が、危機に立たされている。筑波大学サッカー場が老朽化して劣化が進み、2020年11月に性能テストを実施した結果、グラウンドの衝撃吸収や安定性などさまざまな点で日本サッカー協会が定める基準値を下回り、練習環境としての安全性が低いと判断された。
はがれた箇所が原因でけがをする部員も出ているという。このままでは、来年以降使用が予定されている公式戦でも、ホームグラウンドでの試合が開催できない状況にある。
改善には、前回の改修から11年が経つ人工芝の全面張り替えが必要だ。その費用は最低で8000万円。同大によると、改修費用は大学の資金と寄付を合算してねん出する予定だが、さらに不足する1000万円をクラウドファンディングから募るとしている。資金が不足する背景には、国から大学に交付される運営交付金の減額などもあるという。
目標を上回る寄付が寄せられた場合、改修工事のグレードアップ、スタンドの改修、クラブハウス、トレーニングルームの充実など環境・施設の整備に充てる。
また人が集まる場所に
同大蹴球部の始まりは、1896年に設立された高等師範学校フートボール部にさかのぼる。これまでの歴史の中で、日本サッカー界の歴史をつくる多数の選手を輩出してきた。日本サッカー協会現会長の田嶋幸三さん、1998年にW杯日本代表初ゴールを決めた中山雅史さん、今年3月のオーストラリア戦でW杯出場を決める2ゴールを叩き込んだ日本代表の三笘薫選手などだ。そんな筑波大は2023年につくばに開学し50周年を迎える。
クラウドファンディングのプロジェクト実行責任者である蹴球部の小井土正亮監督(44)は、今回の改修について「コロナが流行する前まで、グラウンドに地域の子どもたちが集まり、試合やフェスティバルを開催していた。開学50周年記念事業として、地域を盛り上げるようなスポーツ事業をサッカー場で計画している。人工芝の張り替えをきっかけに、またここに人が集まるような場所にしていきたい」と思いを語る。
地域に愛されるチームづくり
小井土監督が話す地域とのつながりとして、約40年前から続く地元の子どもたちとの交流がある。現在201人在籍する男子蹴球部員ほぼ全員が、つくば市を中心とした13の小学生サッカーチームにコーチとして配属され、毎週末指導にあたっている。また、筑波大サッカー場に小学生を招待しての「低学年フェスティバル」や「合同練習会」、地域の小中学生を対象にしたゴールキーパー専門の「つくばGKスクール」、女子サッカー部員による、つくば市内の小学生女子を対象にした「なでしこクラス」など多様な交流の場が設けられている。
小井土監督は「私たちの先輩たちが築いた、地域に根ざし愛されるクラブという伝統をこれからも維持したい」と語る。さらに「筑波大蹴球部は日本サッカー界の歴史をつくってきた場所。ここで育った選手が、日本だけでなく世界でサッカーの歴史をつくっていくことになると考えている。そのために学生が良い経験を積むことができるよう手助けしていきたい」という。
今回、蹴球部員の橋本寛人さん(21)と林田息吹さん(20)がクラウドファンディングのリーダーを務める。橋本さんは「来年開学50年を迎える中で、芝生の張り替えが、筑波のホームグラウンドとしての新たな活動のきっかけになれば」とし、「コロナ禍で、グラウンドで選手の活躍を見てもらうことができないことがとても歯がゆかった。今後コロナが落ち着いて、これまで以上の活動をしていきたい。子どもたちを始め、多くの地域の方にホームゲームを見にグラウンドに来ていただきたい」と語る。
林田さんは、先輩部員を間近で支えるトップチームのマネージャーや地域活動を経験し、「社会人になっても、サッカーの価値をより多くの人に伝えるための活動を続けていきたい」と言葉に熱を込める。(柴田大輔)
◆クラウドファンディングは7月29日(金)23時まで。
この空をご先祖さまも見ていた 古今東西の空模様《遊民通信》44
【コラム・田口哲郎】
前略
梅雨が明けて、空模様が変わりましたね。晴れると、遠くに入道雲のようなものが見える、夏の空になりました。
空を見ていてふと思ったのですが、わたしが空を眺めているとき、当然、見たままの空が認識されているわけですが、その空は写真のような空です。でも、たとえばその空を絵のように記憶しようとしたとしたら、おそらく写実的な水彩や油彩の絵、つまり西洋画に描かれている空です。光と影がある、リアルな空が広がるのです。
日本古来の空感覚
でも、日本は西洋画が本格的に入ってきた明治期以前から存続している国であり、日本人は昔からこの日本列島に住んできました。すると、当然ご先祖さまたちもわたしが普段何気なく眺めている空を眺めていたはずです。
現代のわたしたちは、青空に雲があって、穏やかな雰囲気ならば、天使が降りてきそうだなとか、まるでシスティーナ礼拝堂にあるような壁画を思い浮かべるわけですが、ご先祖さまたちはどうだったのでしょうか?
気になって浮世絵の空についてインターネットで検索してみましら、浮世絵のコレクションで有名な太田記念美術館の公式サイトブログに気になる記事を見つけました。
浮世絵の夕空についての記事ですが、「浮世絵には『夕涼み』『夕立』『夕景』『夕照』といった、夕方であることを示す言葉を含んだタイトルの作品がかなりあります。しかしながら、日が沈み、徐々に薄暗くなっていく夕暮れ空の美しさを捉えた作品はそれほど多い訳ではありません」とのこと(2021年8月11日の記事)。
おそらく、空模様を詳細に描いたのはルネサンス以降の西洋画で、日本画の空描写は淡白であったと思われます。空はひとつ、洋の東西でつながっているのに、所違えば空感覚も違うというのはおもしろいです。それほどに、わたしたちは西洋化しているのですね。ごきげんよう。
草々(散歩好きの文明批評家)
自転車とジオパーク拠点整備へ 旧筑波東中に7月着工 つくば市
2018年3月に廃校になったつくば市北条、旧筑波東中学校(約3.7ヘクタール)校舎に、自転車拠点とジオパーク中核拠点を整備する工事が7月に着工する。さらに校庭に、自転車競技の一つ、BMX(バイシクルモトクロス)コースを新設する工事も年度内に着手する。いずれも来年夏か秋ごろのオープンを目指す。
本格的なBMXコースは、ひたちなか市の国営ひたち海浜公園に次いで県内2カ所目、ジオパーク専用の拠点施設は、6市で構成する筑波山地域ジオパークで初となる。
BMXコースは全長350メートル
自転車拠点は、つくば霞ケ浦りんりんロードから約200メートル、峠の坂道を登るヒルクライムで人気の筑波山の不動峠から1.4キロの位置にあることなどから整備する。校舎東側の1、2階約1100平方メートルに、自転車を点検・修理したり、部品を販売するスペースをつくるほか、シャワー室、更衣室などを設置する。
校庭のBMXコースは、でこぼこの小高い山や谷をつくるなどして整備する。コース面積約7500平方メートル、コースの全長は約350メートルで、国際大会が開催できる水準とする。別に初心者向けのコースもつくる。土木工事の予算は約9900万円。
完成後の運営は市の直営とするが、連携事業者として市内に本拠地を置く自転車チーム「弱虫ペダルサイクリングチーム」の知見を借りながら運営するという(21年6月25日付)。
利用料は、埼玉県秩父市の秩父滝沢サイクルパークBMXコース(コース使用料大人1日1650円、2時間1100円など)を参考に今後、決める。利用者目標は、オープン3年後に年間5000人。首都圏からの家族連れが、周辺にも足を運び、筑波山観光に波及することが期待されている。
見て触って、実験・観察も
ジオパーク中核拠点は、校舎西側1、2階の約1200平方メートルに整備する。1階は、来場者が楽しめる4つのスペースを整備する。模型などを触りながら筑波山や霞ケ浦の地形や地質、地域の産物などを体感できる「ジオストーリーラウンジ」、巨石をイメージした大型モニターで映像を見る「ライブスタジオ」、地域の文化財を展示する「文化財展示室」、実験をしたり鉱物の観察などをする「発信・発見ラボ」の4つだ。
運営はつくば市単独の直営とし、入場無料。目標来場者数は2023年度は約半年間で約4000人、24年度は8000人を目指す。
2階は市職員や筑波山地域ジオパーク推進協議会関係者らが利用する事務所や会議室、倉庫などとし、現在、市役所本庁舎にあるジオパーク室が移転する予定。現地ツアーの情報なども提供する。市ジオパーク室の亀澤理映室長は「ここで学んで、現地に出掛けてくれれば」と話す。
ほかに310台分の駐車場を整備する。BMXコースの土木工事費を除いた、校舎の改修工事と駐車場の整備費は、自転車、ジオパーク施設合わせて約2億5000万円。校舎の改修工事は来年3月完成予定で、ジオパーク施設はその後、展示物の製作や搬入などをする。
【6日訂正】第7段落「文化財展示室」の紹介部分で、「ジオパーク関連の出土品を展示する」を「地域の文化財を展示する」に訂正しました。
10億円の交差点 自動車研究所にADAS試験場《土着通信部》52
【コラム・相澤冬樹】かつて谷田部の高速試験場、のちに自研、いまやJARIと呼ぶのか、つくば時代を知るものには長い付き合いとなる日本自動車研究所(坂本秀行理事長)が4日、城里町の城里テストセンターに完成させたADAS試験場の完成披露を行った。
ADASは「Advanced driver-assistance systems」の略で、読み方は「エーダス」が一般的。日本語では「先進運転支援システム」となる。カメラやセンサーで運転環境を認知して、ドライバーの判断を助け、車両制御をアシストする。こうした機能を車両に実装し、事故が起きる確率を減らしたり、運転の負荷を軽減したりする技術開発が業界挙げて盛んになっている。
その研究開発で、JARI-ADASは国内初の専用試験場となる。つくばエクスプレス(TX)建設に合わせ、JARIがつくばに研究所を残し、高速テストコースを城里に移転したのが2005年。以来17年、ようやく訪れる機会を得て、完成記念のメディア向け公開に駆けつけた。
全周5.5キロの高速周回路で知られる城里テストセンターだが、楕円コースの内径部北側にあった悪路試験場を改修してADAS試験場を新設した。総工費10億円をかけ、直進方向500メートル、横断方向300メートルの道路が、扇形走路の北に寄った部分で直行する。全舗装面積は約3万平方メートル、路面は極度に平坦にならした3層舗装を施している。
2014年度建設の第2総合試験路(全長520メートル)では実施の難しい、走路幅の大きい試験路整備を目指した。特に交差点を想定した走行評価を行う。
城里テストセンターの鎌田実所長によれば、2011~20年の交通事故を調べると、四輪車対歩行者の死傷件数は信号交差点の事故が約7割を占める。なかでも四輪車の右折中の割合が高く、対策が望まれるという。今回の試験路ではAEBS(先進緊急ブレーキシステム)などを搭載した車両を走らせ、交差点での横断方向の車両を認識する試験などに使う。
お披露目ではテープカットの後、デモ試験を実施した。ロボットが運転操作する試験車両が右左折する際、自動ブレーキが適切に作動して対向するダミー車や歩行者を模したダミー人形と衝突せずに停止する試験走行を披露した。車両は直進方向で時速80キロ、横断方向で同60キロまで加速できるという。
7月から稼働開始し、すでに複数社から引き合いが来ている。国内の主要自動車メーカーはそれぞれ独自にADAS試験場を設ける構えを見せているが、部品メーカーなどからの受注にも応え、1日8時間年間365日稼働の条件で稼働率80%を目標としている。城里テストセンター自体は夜間利用も拡大しており、年間稼働率は100%を超えているということだ。
