火曜日, 4月 7, 2026

世界で一つだけの… 《続・平熱日記》114

【コラム・斉藤裕之】連日の酷暑の中、九十九里に向かった。途中でスイカとトウモロコシを買って、カミさんがテレビで見たという海辺の道の駅に着いたのは昼少し前。平日のせいか、のんびりとした雰囲気だ。建物に入ると目に飛び込んできたのは、大きな水槽いっぱいに泳ぐイワシの群れ。 「世界で一つだけの花」という歌がある。「花屋の店先に並んだ、いろんな花を見ていた…」。私はこの歌の歌詞を「いろんな花があるように、あなた方も世界に一つだけの存在なのだから、頑張って、あなたらしい花を咲かせてね」という意味なのだと思っていた。 ところがあるとき、歌詞をじっくりと見ることがあって、私は長い間この歌の意味を勘違いしていたことに気づいた。 例えば「…1人1人違う種を持つ、その花を咲かせるためだけに一生懸命になればいい…」という部分。つまり「いろんな花があるけども、種のときに咲く花は決まっている。だから無駄な努力はやめて、分相応の花を咲かせるのがよい」という、いわば先天的な才能主義・遺伝子万能主義にも受け取れるような歌なのではないかと。 教科書にも載っているという、この歌にケチをつけるつもりはない。ただテレビで耳にしたり、どこかで見かけた何気ない言葉が、喉元に引っかかった小骨のように、いつまでも気になることがあって。「世界で一つだけの…」とか「思い出作り」とか。 落花生の花は黄色くてかわいらしい ヒトという生き物が他の生き物とえらく違っていることは不思議なことだ。自分らしく生きるとか、いやそもそも生きることの意味なんて、他の生き物にとってはどうでもいいことだ。 花だってそうだ。ヒトにどう見られようなんて思って咲いているわけではない。せいぜい虫や鳥に繁殖を手伝ってもらうために色や形を工夫しているのだろうが、ヒトが勝手に美しいだの、すてきだの言っているだけだ。しかしだからといって、生き物を単に遺伝子を運ぶ器として考えるにはあまりにも複雑で精巧で美しくさえある。 「魚屋の水槽に並んだイワシの顔を見ていた…」。それぞれの見分けのつかないイワシの顔を見ていて、こんなことを考えるのも人それぞれとご容赦願いたい。 さてと、それから2階にある食堂で生まれ育った瀬戸内海とは全く違う表情の海を窓越しに見ながら、イワシではなくアジの刺身を食べた。入梅イワシというイワシの旬を示す言葉を聞く暇もなく、観測史上最も早く開けた今年の梅雨。 「ところでこの先はなにかありますか?」っておばちゃんに聞いたら、「なんもねえよ」って言われた。 というわけで、今回は九十九里もあるという浜の横断はあきらめて、ピーナッツ畑を通って帰ることにした。前に落花生の種まきのアルバイトをしたことがある。スクワットをしながら、何時間も種をまき続けるという、これまでで一番きつかった労働。落花生の花は黄色くてかわいらしい。(画家)

つくば市の農協との合併は? JA水郷つくばの池田さん【キーパーソン】

7年前、JA水郷つくばの核となったJA土浦(当時)の組合長へのインタビューを旧常陽新聞の「キーパーソン」に掲載した。その主見出しは「県南3農協(つくばの2JAとJA土浦)、広域合併へ」。ところが、つくば側1JAが協議の途中で抜け、この話はご破算に。その後、JA土浦は、JA茨城かすみ(阿見町、美浦村)、JA龍ケ崎(牛久市、龍ケ崎市、利根町)との合併に舵(かじ)を切り、2019年JA水郷つくばが誕生。それから3年半。合併JAの現状とつくばのJAとの合併再協議の可能性について、池田正組合長に聞いた。 経営の「質」は県内JAで1番 JA(農業協同組合)の経営は、信用(金融)、共済(保険)、購買(農家への肥料や農機などの販売)、販売(地域の消費者への農産品直接販売)の4本柱で成り立っている。JA水郷つくばの昨年度の事業収益は91億円、事業総利益は32億円だった。利益ベースではJA土浦の2倍になったという。 茨城県内には17の農協があるが、JA水郷つくばの経営規模(組合員数や保有資産)は、県北をほぼカバーするJA常陸に次いで2番目。「常陸さんは、うちに比べて担当エリアが広く、職員数も多い。ただ、経営の質で見れば、うちが県内1ではないか」と話す。 当面は事業連携、合併はその先 7年前、JA県中央から「(当時20あった)県内JAを6つに集約せよ」という大号令が出ていたが、現在はどうなっているのか? 経営の質だけでなく規模でも県内1になるために、そろそろ、つくば市のJAとの合併を再考する時期ではないか? 「確かに当時は(合併の)数字目標を設け、強制的に集約しようとする考えがあった。しかし今は、上から押さえつけて合併させることはない」「(当時は)規模を大きくして経営を安定させることが、組合員と地域に貢献すると考えていた。しかし、経営安定は合併だけでない」「今は、近隣農協との事業連携などで経営強化を図っている」 そして、連携の例を3つ挙げてくれた。①JAつくば市が旧桜村に持っている「ライス・センター(もみ殻を取り除き玄米にする施設)」の共同利用(JA水郷つくばからすれば借用)、②JA水郷つくばが運営する「イーアスつくば」内の農産品直売所(JAつくば市とJA谷田部の農家も出品)、③JA新ひたち野(石岡市の一部、小美玉市)とのレンコン改良事業。 でも、「合併から3年半がたち、うちも余裕が出てきた。いろいろな事業連携の先に、将来を展望して、(他のJAから話があれば)合併のタイミングを考えたい」とも言っており、一度ボツになった合併話が再浮上することもありそうだ。 合併JAのネーミングで苦労 合併によって6市町村をカバーすることになった「JA水郷つくば」のネーミングが以前から気になっていた。「つくば」が入っているのは、つくばのJAと合併することを織り込んでいるからでは? 「合併組合名は、霞ケ浦と筑波山から成る『水郷筑波国定公園』を参考にした。ただ水郷というと利根川と霞ケ浦の間の水域を指し、潮来市なども入ってしまう。そこで、位置情報が必要だと、県南ならどこからでも見える筑波(山)を平仮名で使った。『水郷筑波』では重過ぎるからだ」「(つくば市のJAとの)将来の合併を意識した名前ではない」(笑) 【いけだ・ただし】1956年、土浦市大町生まれ。1979年、東京農大卒、JA土浦に入る。JA茨城かすみ、JA龍ケ崎との合併(2019年2月)前の2017年6月、JA土浦組合長に就任。合併協議を主導し、JA水郷つくばの初代組合長に。土浦市下高津在住。 【インタビュー後記】農協合併は安倍政権が進めた農業大改革の一環。農業保護策を改め、農協の経営力を強化して、国際競争力を付けさせる政策だ。最近ではあまり話題にならないが、貿易の枠組みが複雑化している現在、経営強化の必要性は変わらない。「6つに集約」でもいいのではないか。(経済ジャーナリスト・坂本栄) 【参考】旧常陽新聞の佐野治組合長インタビュー(PDF)

経営者の怠慢を糾弾した東京地裁の判決 《邑から日本を見る》116

【コラム・先﨑千尋】専修大学名誉教授の原田博夫さんは24日の「文京町便り」で、原発は再開すべきか、脱・原発を目指すべきかを論じていて、2011年3月に起きた東京電力福島第1原発事故を巡る2つの裁判に触れている。私も前回のコラム(7月11日掲載)で、「最高裁の裁判官は結局国の番人?」を書いた。今回は13日の東京地裁判決について、そのあらましと私見を書く。 13日午後、東京地裁の朝倉佳秀裁判長は、東京電力の勝俣恒久元会長ら4人に13兆3210億円の支払いを命じる判決を出した。「ひとたび発生すれば『国そのものの崩壊』につながりかねないのが原発事故だ。ところが津波の襲来が予想されたにもかかわらず、担当役員は対策を先送りし、会長らもそれを是認した。そろって取締役としての注意義務を怠り、地域と社会に甚大な被害を与えた」 東電の株主は、同電力の福島第1原発事故を巡り、旧経営陣が津波対策を怠ったことで東電に巨額の損害が生じたとして、元会長らに22兆円の損害賠償を求めていた。今度の裁判の争点は2つ。「政府機関が2002年に公表した地震予測『長期評価』に基づき、巨大津波の予見が可能だったか」と「浸水対策などで事故を防げたかどうか」だ。 判決は、長期評価について「科学的信頼性を有する知見」と認めたうえで、旧経営陣の過失の有無を検討した。東電は08年、長期評価に基づき、福島第1原発に最大15.7メートルの津波が到来すると試算しており、「最低限の津波対策を速やかに指示すべき取締役としての注意義務を怠った」と指摘した。浸水対策については、「主要な建屋などで対策を実施していれば重大事故に至ることを避けられた可能性は十分にあった」としている。 長期評価の報告を受けながら津波対策をすぐに指示せず放置したことは不作為であり、対策を先送りしたものだ。政府機関には地震や津波のトップレベルの研究者が多く集められ、段階的な議論を経て取りまとめられた地震の長期評価には信頼性がある、という判断だ。 そして、「02年以降の東電経営陣の対応は、安全確保の意識に基づいて行動するのではなく、いかに現状維持できるかで、そのために有識者の意見のうち都合のいい部分を利用し、悪い部分を無視することに腐心してきた」と断罪している。 東海第2原発の再稼働に反対 私は、東海第2原発の再稼働反対を訴えている「首都圏ネットワーク」の一員として20日、大井川知事に「東海第2原発の廃炉と再稼働への不同意を求める要望書」を提出した。 その際、水戸地裁でも不備が指摘された広域避難計画について、「事情を最もよく知っている立場の橋本前知事が現職のときに、問題点が多すぎて実効性のある計画は作れないと言っていた。東海第2原発を再稼働させないことが最良の避難計画だ」と述べた。 原発は、福島の事故が示しているように、ひとたび事故を起こせば取り返しのつかない被害を生命と環境に与える。原発を運転する会社の役員には、他の会社とは比較にならないほど大きな責任がある。そのことを東京地裁の判決は示している。私はそう考えている。(元瓜連町長)

土浦日大に挑戦権 投打に霞ケ浦を圧倒【高校野球茨城’22】

第104回全国高校野球選手権茨城大会は24日、ノーブルホームスタジアム水戸で準決勝が行われ、県南勢同士の対戦となった第2試合は土浦日大が投打共に霞ケ浦を圧倒、4-0で勝利した。第1試合で境に8-1で7回コールド勝ちした明秀日立との決勝(26日)で、4年ぶり5回目の夏の甲子園出場に挑む。 昨秋・今春の県大会覇者で、センバツにも出場した第1シード、明秀日立への挑戦権を争う形となった両校の対戦。前半のじりじりした展開から、走塁に活路を見いだした土浦日大が中盤にリードすると、勝利パターンの継投に持ち込み霞ケ浦を2安打零封で下した。 日大は5回、無死走者を犠打などで三進させ、太刀川が三遊間を破って先制、6回には一死から出塁の吉次が立て続けに二・三盗を決め、代打佐藤の三塁強襲安打で還った。 霞ケ浦打線は日大先発・河野の的を絞らせない頭脳的な投球に苦しみ、6回から登板の山田には力で押すピッチングに屈した。山田は打っては、8回に霞ケ浦の2番手山田(大)からダメ押しの2ラン。4年ぶりの決勝進出をたぐり寄せた。 霞ケ浦・高橋祐二監督は「完敗だった。バットは振れていたがグラウンドに入って硬さがあった。土浦日大のほうがリラックスしていた。狙い球を絞ったが2安打しか出ず後手後手に回ってしまった。過去4試合はしぶとくやっていたが今日に限っては全く打てず粘れなかった」と悔しがった。日渡騰輝主将は「打てなくて流れをつかめなかった。相手が上手だった」とうなだれた。 決勝はチャレンジャー精神で 土浦日大・小菅勲監督は「先制点が大きい。活気づいてだんだん調子が上がってきた勢いのまま、決勝戦に挑める。チャレンジャー精神で王者とみんな一丸となって戦う」と力強く話した。投打に活躍した山田奏太投手は「秋の大会で負けているので悔しい気持ちを忘れずにチャレンジャーで戦う」と話した。(高橋浩一)

原発は再開すべきか、脱・廃を目指すべきか 《文京町便り》6

【コラム・原田博夫】ここ数カ月で、原発に関して、方向性の異なる判断(いまだ決定には至っていない)が、国内外で続いている。ここでは、「原発再開」と「脱原発」と区分けしておこう。 日本国内における原発に関する裁判も、方向性は異なっている。まずは、最高裁で6月17日に、東日本大震災による福島第1原発事故の避難者の集団訴訟で、国に責任なしとの判決が出た。そもそも東京電力の賠償責任は確定しているが、2審で判断が分かれた国の責任についての審理である。これは、政府の地震調査研究推進本部が2002年7月に示した「長期評価」だけでは国の法的責任は問えない、という判断である。 しかし、この判決には3対1の少数(反対)意見があり、国の社会的・政治的責任にも言及されている。ともあれこれは、条件付きながらも「原発再開」である。 他方「脱原発」は、東電株主代表訴訟で、東電の当時の経営陣5名に対する22兆円の損害賠償責任を問う裁判(東京地裁)では、4名に対して総額13兆円超の損害賠償額を認めた。判決文では、特に「水密化」(電源設備のある敷地・建物・部屋への段階的な防水・浸水対策)が、造船・潜水技術で古くから確立されていたにもかかわらず、かつ、「長期評価」(2002年7月)と、貞観地震(869年)の津波モデルの知見および予見可能性を無視したことなどに瑕疵(かし)を認めている。 EUタクソノミー、気候変動対応オペ ところで、2022年2月下旬のロシアのウクライナへの軍事侵攻以来、資源エネルギー価格が世界的に上昇している。ロシアは、国際的な経済制裁に対抗すべく、ガスの供給・輸出の締め上げを実際に始めている。それに対抗するにはこの際、原子力の利活用が必要ではないか、という議論が浮上している。「原発再開」の復活である。 そもそも欧州議会では2021年春以降、EUタクソノミー(持続可能なグリーンエネルギーに原発とガスを含める)の事務局原案が公表・議論されてきた。 賛否両論が交錯する中、6月14日の合同委員会(環境委員会と経済金融委員会)では賛成62、反対76だったが、7月6日の本会議では賛成328、反対278、棄権33と逆転し、原発とガスをEUタクソノミーに含めることが決まった。ただし、オーストリアやルクセンブルグは提訴を表明している。ともかく、欧州議会の方針は「原発再開」である。 他方、日銀は、「気候変動対応オペ」を2021年6月以降検討していたが、同年12月、金融機関からの応募を受け付け、24日、資金供給を実施した(複数の地銀への2兆円超)。この制度の期限は2030年度末で、金融機関がこの制度を利用するには、情報開示が条件づけられている。 日銀は、躊躇(ちゅうちょ)しながらも踏み切ったこの政策の狙いを「脱炭素に向けた呼び水」効果だとしている。次回オペのオファーは7月20日である。この政策は、EUタクソノミーに原発、ガスが含まれる以上、結果的には、「原発再開」を推進するだろう。 というわけで、脱炭素と脱原発に向けての政策は、両輪・両立か二律背反かのダッチロール気味である。(専修大学名誉教授)

筑波学院大、神田女学園と高大連携協定を締結

筑波学院大学(つくば市吾妻、望月義人学長)は神田女学園中学校高等学校(東京都千代田区・芦澤康宏校長)と22日、高大連携協定を締結した。同日、同大で調印式が催された。 連携協定の具体的な内容として、神田女学園での取り組みである、生徒自らが学ぶテーマを決め、調べながら理解を深める「探究学習」に、同大がアドバイスしたり、リサーチに協力したり、その成果物を評価することなどが検討されている。 ほかに、女学園での進路ガイダンスに同大が参加したり、生徒・保護者にプレゼンテーションしたり、女学園に出張講義をしたり、同大のオープンキャンパスに女学園の生徒がグループ参加したりするほか、教員同士の意見交換や、同大からの教育実習生の受け入れなどが検討されている。 協定は、同大が女学園への関与を通じて、大学の特色や教育・研究内容の周知を図り、互いの隔たりを解消し、両校間での円滑な教育的移行(進学)を目的としている。 グローバル社会に貢献できる女性を この日、同大を訪れた女学園の芦澤康宏校長は「複雑な国際社会・地域社会に生きる市民として、多様な背景を持つ他者の考えや立場を理解し、場面に応じた適切な対話と読解を通して意思疎通と協働を可能にする能力を身につける」など、同大が掲げる3つの教育理念をあげ、「本校が目指す、グローバル社会に貢献できる女性を目指すこととの親和性がひじょうに高く、筑波学院大の力を借り、生徒たちの興味関心をさらに向上させることができるのではないかと考えるに至った」と、協定締結に至った思いを述べた。また「学問、スポーツ、文化など幅広い分野における学生、生徒の進学や、キャリア構築を支援するとともに、教育・研究に関する相互理解の促進に取り組むことを目的とし、今後も両校の発展に少しでも寄与したい」と協定の意義を語った。 筑波学院大の望月義人学長は「高校と大学という区分はあるが、神田女学園の先端的な取り組みを学びながら、本学も高大連携の協定に応えられるよう、変化していきたい」と、今後への意欲を語った。(柴田大輔)

2,3回目も質問や意見途切れず 洞峰公園事業説明会

知事発言に異議も つくば市二の宮にある県営の都市公園、洞峰公園(約20ヘクタール)のパークPFIを利用したリニューアル計画で、2日に引き続き12日と21日、県による2回目と3回目の説明会が同市谷田部の谷田部総合体育館で開催された。両日とも参加者からの質問や意見が途切れず、予定時間を30分延長した。2回目は約30人、3回目は約50人がつくば市内外から参加した。 参加者からは、大井川和彦知事による6日の記者会見での発言に対し、異議を唱える声が12日、21日の説明会で複数の参加者から上がった。大井川知事は2日開かれた第1回目の説明会を念頭に「反対だという方は会場内にはいらっしゃいましたが、明確な理由はあまりなかったのかなというふうに報告を受けております。とにかく、変えてほしくないから変えたくないと言っているというふうにも聞こえます」と発言。会場からは「知事に、市民の声が正確に伝わっているか疑問」だなどの声が出された。 ほかに、施設での飲酒による治安への影響、樹木の伐採による自然環境への懸念のほか、「慣れ親しんだ洞峰公園を変えてほしくない」という意見や、収支計画の不透明さへの不満など、計画に対する否定的な意見が数多く出た。一方で愛犬家からは、ドッグランへの期待など、肯定的な意見も出た。 一方、参加者からたびたび質問に上がった、年間8000万円が必要とされる公園施設全体にかかる大規模修繕費の内訳について、2日の説明会で県担当者は「ウェブサイトに公表できるかも含めて検討する」と述べていたが、21日には回答方法は未定であるとした上で「後日、公開する」と答えるにとどまった。 県、現計画を「より良いものに」 また今回のパークPFI事業に対して「知事はゴーサインを出したのか」との質問に対して県は「もちろん、そういうこと」と回答した。21日の参加者からの「説明会を開いて(参加者の声を聞いた上で)今後どうするのかを決めるのかと思っていた」という声に対しては、「PFI事業は4月1日からスタートしている」とし、「県民、市民の皆さんの声を伺い、現状のPFI事業をより良いものにしていくことで、皆さんのご理解をいただきたいと考えている」と説明した。 最終回となる4回目の説明会は、31日(日)午後2時~4時 洞峰公園体育館(つくば市二の宮 2-20)で開催される。 会場で記入可能なアンケートについては、県のウェブサイト(「洞峰公園パークPFI事業に関する説明会及びアンケート調査の実施について」)を通じて回答できる。(柴田大輔) 「儲ける公園 あり得ない」「市の許可出なかったら 出来ない」 21日の第3回説明会の参加者と県・事業者との主なやりとりは以下の通り。 参加者1 現在の洞峰公園利用者の、目的別人数、人数比率などのデータは、県・長大は持っているのか。例えば、スポーツ目的とか、散歩目的とか。 県 お金を払って利用していただいている方は把握をしているが、散歩や広場で遊んでいる方の数は把握していない。有料施設の来園者数は年間27万人程度。 参加者1 目的別の人数を把握していないにも関わらず、茨城県、長大は「公園の魅力向上」「満足度向上」「にぎわいの創出」「収益」「コストダウン」ということをうたっている。果たしてにぎわいの創出が公園利用者にとってプラスになっているのかもわからない状態でこの言葉を使っているのは、あまりにも非常識ではないか。にぎわいをつくってうれしいのは、県と事業者だけでは。公園利用者は、静かでのんびり、いい空気を吸って、鳥をみて、花を見てということを希望しているのではないか。本来、公園というのは、行政サービスの最たるものであって、コストダウンや収益という言葉はそぐわないものだと思う。繰り返すが、散歩やウォーキング、憩いの場として使っている人にはにぎわいというものは全く不要。この件に関してどう思われるか。 県 貴重なご意見として承り、参考にさせていただきたい。さまざまな意見をいただいているので、そういったものを含めて、いろいろと検討させていただきたい。 参加者1 このPFI事業は、県知事はGOサインを出しちゃっているんですか。洞峰公園でやることは決定になってるんですか。 県 その方向で進めさせていただいているので、こういった説明会をさせていただいているという状況。 参加者1 分かりずらい。県知事はゴーということで、もうハンコは押してるんですか。 県 もちろん、そういうこと。 参加者2 質問が2点。まず1点、インクルーシブ遊具はさまざまな市町村等で導入されていることはよく耳にしているが、その際にトイレの方も拡張していただきたいという思いがある。(利用者の)ご家族の皆さんは、遊具によって公園に入りやすくなる分、排泄が困難だと、せっかくある遊具を有効に活用できない。トイレは障害のある方にとって大変重要なもの。その件については再検討をお願いしたい。もう1点、シンプルになるが、県職員の皆様、事業者の皆様、是非、洞峰公園の利用をお願いしたい。言葉を聞いている限り、皆さんから(実際に洞峰公園を)利用したという声がまったくない。県内で働いている皆さんが積極的に洞峰公園を活用していただいて、利用した感想を、県職員の声というものを聞いてみたい。事業として、都市公園法の下で進めていることもわかるが、公園をプライベートで使ったこともないのに公園のことを語る資格はないと思う。県職員の皆さんが公園をプライベートで活用していただいて、その声を県職員として活用していただくことが、筋だと思う。 県 ありがとうございます。1点目のインクルーシブ遊具に関しては、障害者を支援している団体などからも何度かお話しを伺い、その際にもトイレのお話は伺っていた。トイレについては、既存のものを改修することに今後なる。その際は、その辺りの配慮は考えていかなければいけない。今後検討させていただきたい。それから我々県職員も、この洞峰公園を利用して、肌で感じることは重要だというご指摘、そういったことを感じながら、この計画を進めていき、説明会、アンケート調査等で寄せられた様々な意見を踏まえて、より良い公園にしていきたいと考えている。 参加者3 (洞峰公園を県は)稼げる公園にするというビジョンを持っているということでいいのでしょうか。 県 稼げるというか、今回の計画の大きな柱として、公園内の区域を利用し、収益を上げて公園の管理費に充てるというのがパークPFI制度の大きな特徴。稼ぎながら適切な管理をしていくというのが趣旨だと考えている。 参加者3 収益を上げられるから、適切に管理できるというわけですね。公園というのは自治体の仕事。自治体が提供するサービス。警察や消防署と同じ役割があると思っている。なので、収益を上げなければ運営できない状況にしてしまうのは、自治体の怠慢じゃないかなというのが私の意見。特に、この洞峰公園はつくば市の中心にあり、街づくりの中心を担う公園。他の小さな公園とはまた役割が全然違う。そういった都市計画の中心的な公園を、簡単に民間に渡してしまうということに、私はとても不信感を持ち、残念に思っている。税金を使ってもいいので、ちゃんと運営してほしい。 県 ご意見ありがとうございます。 参加者4 安全管理について伺いたい。不審者対策について、管理人が24時間常駐とのことだが、不審者というのは、通常の出入り口から出入りするとは限らない。壁を乗り越えるなど、それ以外から入ることも考えられる。これをどう防ぐのか。また、客同士のトラブル、飲酒をした際のトラブルはどう対処するのか。それを管理人が抑えられるのか。 県 基本的には、事業所が説明している防犯対策、治安対策でまずは対応する。それ以上のことに関しては、今後、警察などと相談しながら検討していく余地はあると考えている。 参加者4 騒音調査について、酒を飲むと騒ぐ人がいる。宴会、音楽を流すなどでの騒音調査はしたか。 県 騒音のシミュレーションをどういった条件でやったのかについては、土浦にあるグランピング施設で実際の騒音をチェックした。その際に、グループでの利用者など一般的な利用状況を踏まえて騒音状況を測定した。 参加者4 24時間のトレーニングジムは非常に危険だと思う。無人だ。もし利用者が心臓まひを起こしたり、けがなどした場合にどう対応するのか。また深夜の利用者同士のトラブルや犯罪につながるのではないか。 県 24時間のジムが危ないのではということについては、実際に民間でも24時間のジムはある。詳細については、私の方からはなんとも言えないが、今の時点で考えられている安全対策がとられると考えている。 参加者4 パークPFIによる指定管理での収益還元の割合が分からない。あるいは、金額で想定されているか。どれくらいの割合の収益還元を考えているか。 県 収益還元の割合は、改めて確認の上で回答する。 質問者4 グランピングの提案っていうのはそもそも県が提案しているのか。それとも長大の提案か。 県 県が提案したものではなく、公募の段階で事業者から提案があった。 参加者4 茨城県の総合計画が、2022年から25年まで第2次のものが行われている。そのポイントとして「県民の声をすいあげていく」とある。県だけで決めるのではなくて、県民と協力しながら、協力・連携のもとでこの総合計画を進めていると思う。地域づくりの方向というのは、基本的に、その地域住民の自主性を尊重していく、その地域の住民の声を尊重していくということが書かれている。計画の中には「人に優しい魅力ある街づくり、快適で美しい街づくり、レクリエーション、交流空間を創出するための都市公園」とある。まさに洞峰公園がそうだと思うが「都市公園等の整備を通じ、地域の魅力を活かした街づくりを推進する」とある。静かな、緑の木々のある洞峰公園が魅力。それをにぎわいなるもので壊すことが、地域の魅力を活かした街づくりになるのか。是非、再考していただきたい。 県 総合計画で位置付けられている県民の声を聞いてということについては、まさにこういった説明会やアンケート調査が、県民の声を聞くために行っていると認識している。 参加者5 グランピング施設の中で自由に飲酒できるか。 県 それ(飲酒)は可能。 参加者5 ということは、飲酒した人が自由に(グランピング施設の区域外の)園内に出られることも考えられる。外からグランピング施設に入る人は監視できるが、中から酔っ払いが外に出て、例えばジョギングをしている女性や、早朝通学している子どもたちにさまざまな影響が出る。つまり、安心して夜の散歩やジョギングができないような環境が必然的にできるのではないか。グランピングするなら、飲酒した人はグランピング内から外に出させない。それができないなら、グランピングはやめるべき。普通の人が朝から夜まで楽しんでいたものが使えなくなってしまう。それが心配だ。 県 貴重なご意見として承り、ご参考にさせていただきたい。 参加者6 アンケートの集計結果の公表はされるのか。その日程と方法を示してほしい。というのも、第1回終了後の知事の定例記者会見の知事の発言は、説明会でのやりとり全てが知事にきちんと伝えられたとは思えない内容だった。アンケートの集計結果を含めて、知事に伝えられた内容を我々が共有して初めてアンケートの信頼性が保たれると思う。計画そのものに対する反対意見を含めて(アンケートの)選択肢にない、その他の質問などのスペースに書かれた一字一句が知事に伝えられるのかとても心配。つくば市と共有すれば県民に対してアンケートの透明性を保持できると考えているのか。 県 アンケートの取り扱いについて、まずはつくば市と共有するということでアンケート調査を行なっている。結果を公表しないということは全く考えてない。集計の上で、なんらかの形でお示しすることになるかとは思うが、現段階で、どういった形で集計して発表していくかというのは、今後もつくば市と相談しながら検討していくことになる。知事へもその結果というのは当然報告する。 参加者6 グランピングのエアコンの排気について、室外機について調査されたということが以前の説明会でなされたが、排気による気温の上昇については調査されたか。夏場のエアコン排気はヒートアイランド現象の要因の一つ。これまで草地だった野球場にグランピング18棟と共用棟などの人工物が設置されることで、風通しが悪くなるだけでなく、エアコンからの高温の排気が24時間垂れ流されることになる。グランピングの施設はテントタイプ、コテージタイプ共に断熱効果の期待できない造りであり、快適な室温に保つために周囲のランニングコースの気温が上昇することは明らか。これでも従来の利用者が尊重されているといえるのか。 県 グランピング施設のエアコンによる排気については、具体的に何か検証したわけではない。一般論として、根拠があるわけではないが、ある程度のエアコンから出る排気については、許容される範囲ではあると個人的には考えているが、必要に応じて検討する必要があるとは考えている。 参加者6 県からは電力需給のひっ迫により節電するよう再三要求されている。世界的にCO₂削減が叫ばれている中で、地球温暖化を促進するような事業を推進することの整合性についての説明を。 県 温暖化についても同様で、一般的に新しい建物が造られればエアコンは付いてくる。それに対して電力がひっ迫している中でそれを止めるというのは、ちょっと論点が違うのかと、個人的には思っている。 参加者6 これまでの質問で答えをいただけなかったことに対しては、ホームページでお答えいただくと伺っている。もうホームページで回答はされているのか。 県 その回答につきましては、全4回の説明会が終わってから、なるべく早く整理をしてホームページに掲載したいと思っている。 参加者7 洞峰公園は自然の中でぼーっとするのが好きなのでよく行っている。先ほどから聞いていて、春ごろに見た地図と今日拝見した地図で、計画の変更があった。皆が取り入れてほしい計画に内容を修正したようだが、結果、それで非常につまらなくなった。グランピングって自然の中でおいしいものを食べて、お酒を飲んで、アウトドアの気分を楽しんだりするんでしょうけど、いろいろ配慮をして、部屋から出るなとか、酒飲むなとか、柵を立ててそこから出るなとか、そんなふうな計画になってるので、そもそもこの場所に造ることに無理があるのではないか。 県 我々も洞峰公園にとってどういった形がいいのかというのは常に考えながら、事業者も計画の見直しを考えて、3月のオープンハウスでお示ししたものから、今日ご説明したものへと修正を行なっている。そのせいで使い勝手が悪くなるのではないかというようなこともあろうかと思うが、その点もバランスを見ながら検討しており、今日いただいたご意見を参考にさせていただきたい。 参加者7 県と事業所の方が、皆同じような年齢で、男性ばかり。(会場の)住民の方々はいろんな年齢、立場、女性もいる。計画を進める方にも、いろいろな年齢や性差が入ってくれたならば、もうちょっと細かいところが見えるのかなと思う。私たちは有志で自腹でここにきた。私たちは真剣に、今まで慣れ親しんだ洞峰公園のこの現状を変えてほしくないという意志でこれだけの人が集まり、様々な意見が出ている。 参加者8 プール、体育館の大規模修繕に年間8000万円かかっているというご説明だったが、その8000万円をかけてどういったことをするのか説明してほしい。リニューアルしてものすごい施設ができるのか、現状維持のために8000万かかるのか。 県 大規模修繕にかかる費用の根拠としては、プールや体育館に限らず、公園全体の将来的な維持管理、修繕に関わる費用を平均して算出している。例えば、フィールドハウスという建物の改修費用、プールなどの目に見えないところもある。そのほかに修繕しなければならないところも将来出てくるため、そういったところも見込んでいる。で、あくまで修繕費用であって、建て替えなどは考えていない。建て替えが必要となれば、さらに費用が必要になると思う。最低限の維持管理、修繕。施設をなるべく長生きさせるためにも一定の費用がかかるということで、積み上げ試算をした。内訳については、後日お示しする。 参加者8 6000万円の経費を削減するという。また指定管理面積が減るから、指定管理費が2000万円減ると。その分、事業所がそこを維持管理する。残りの4000万円が「にぎわい創出」によるものであるという想定かと思うが、この4000万の内訳を教えてほしい。 県 4000万円の収入増の内訳は、駐車場拡張による単純な収入増、テニスコートの拡張による利用増、また、もろもろの「魅力向上」による今の体育館やプール、テニスを含めたスクールに通われている方の増加を、事業所が想定し、約4000万円の増収というものを見込んでこの収支計画が建てられた。 参加者8 このパークPFIをやろうとやるまいと、(結果として)体育館やプールがなくなることが一番悲しい結末だと思っている。そのリスクをどのようにお考えか。たとえば4000万円の収益が出なかった時にどうなってしまうのか。公金を使ってその分の維持管理費を負担するのか、事業者が負担をするのか、地域住民が利用料という形で負担しなければいけないのか。 県 制度の仕組みとしては、万が一収入が見込めない場合でも、税金を使って、いわゆる指定管理料は10年間の固定の金額というのが決まっているので、そこで追加で税金を使って何かをするということはない。事業者が工夫し、この収入を確保しながら公園の維持管理をするということが前提となっている。 参加者9 地球温暖化について心配している。この事業は地球温暖化に無関心で、SDGsにも逆行している。グランピング施設建設により駐車場建設に伴い樹木が伐採されるが、これに反対する。グランピングやドッグランが野球場跡地に建設予定だが、あそこには木が一本もなく、木陰がない。こんなところでグランピングの稼ぎ時と考えられている夏には、朝から猛烈な暑さが予想される。人間にも犬にも居心地がいい場所ではないのでは。ドームテントには断熱材は使われているのか。ドーム内は炎天下に置かれた車内のようにならないか。管理棟を含めると40台以上のクーラーの設置になるかと思う。省エネを考慮していないものをつくるのは、地球温暖化に即したものであるのか、県、事業者それぞれの意見をいただきたい。 県 回答はまた改めてさせていただきたい。 参加者9 大規模修繕については、まだ計画が立っていないという話だった。どのようにして8000万という数字が出てきたのか。 県 指定管理者の筑波都市整備、東京アスレチッククラブの2社で指定管理をしてきた中での、いわゆる小規模の修繕とは別に、県の方から発注している修繕工事というのがあり、それを積み上げている。それを整理して、改めてそこはお示ししたい。将来の計画もないわけではなく、計画があるものを積み上げて算出している。そこはきちんとお示ししたい。 参加者9 年間8000万円で20年かければ16億。16億の金が、プールや体育館の修繕費に本当に必要なのか。普通なら最初に修繕費がいくらかかるか金額を出して、そこから逆算していくんじゃないか。16億というお金はについてどう考えているのか。 県 (修繕費が)プールと体育館だけではないということを先ほどからご説明している。公園全体の修繕費というのはそれなりにかかってくる。その中でも体育館とプールというのは、高額だというように考えている。 参加者9 しかし「ここにいくらかかる」という具体的なものが一切出てこない。私たちはこの金額をどう信用すればいいのか。 県 出さないと言っているのではない。出させていただく。なぜ後から出させていただくかと言えば、参加者の中には1回目だけ出席されて、その後(別の回に)出席しない方もいる。そういった方に公平に情報を提供するためには、(質疑やアンケート等で)提案していただいたものを、私共でまとめて、説明に来ていただいた方全員に提供するという趣旨で、個別の説明会での説明を避けている。(4回目の)説明会が終了し次第、速やかに公表する。しばらくお待ちいただきたい。 参加者10 洞峰公園はつくば市だけではく日本が誇る公園の一つになっていると思っている。自然の中を散策し、森林浴、セラピーとしてのリフレッシュなどの効果が出ている。そういった中で、利用者にとっての共有地を切り売りするような、儲けるための公園っていうのはありえないと思っている。グランピング、ドッグラン、トレーニングセンター、ビール工房は、(公園外の)至る所にある。なぜそれを公共の土地でやらなければならないのか。さらにPFIで業者が収益を上げる前提だが、それが崩れるということは有りうる。どのくらい還元させるのかといえば、それも答えがない。私は、(県と事業者が)説明会を開いて今後どうするのかを決めるのかと思っていた。でもそうじゃないらしい。もう決まっているんですよね。もう一度立ち止まってほしい。こんな状況で進めるのは無理がある。この説明会の意図を説明してほしい。 県 説明会の意図というのは、何度も説明しているので、出席回数の多い方はご存知かと思いますが、今回の説明会、それからアンケートについては、事業の内容について丁寧に説明し、県民・市民の意見を聞きたいというのが唯一の趣旨だ。 参加者10 私たちの意見をどう反映させるのか。 県 ですので、どう反映させるかを含めて、説明会が一旦終わって意見を取りまとめ、その上で対応について告知をさせていただければと考えている。その方法については、ホームページに載せるのか、改めて説明をするのか、その他の公表という形でやっていくのかは、現在決めているわけではないので、その方法については改めて発表させていただきたいと思っている。 参加者10: パークPFIは決まっているという前提なのか。これは覆ることはないのか。 県 事実、パークPFI事業は4月1日からスタートしている。覆らないのかと言えば、現在進んでいるものについては、もうスタートしているというお答えになる。ただ、こうして県民、市民の皆さんの声を伺い、反映させるべくやっているのは、全てを覆させるのかどうかというのは別にして、より良いものにしていくための検討を、私共の方でもさせていただきたいという趣旨で意見を聞かせていただいているというところ。そういったことでご理解をいただければ。それから、PFI事業が覆らないのかとのことについては、現状のPFI事業をより良いものにしていくことで、皆さんのご理解をいただきたいと、考えている。 参加者10 公園自体は、私たちだけでなく、次の世代が使っていくもの。やっと40年かけて森が育ってきたんですよ。そういった視点で是非考えていただきたい。 県 併せて、私どもで説明してなかったと思うんですが、4月に事業がスタートしているんですが、事業自体が進行しているかというと、今のところストップしている状況。県が説明している中で事業を進めるのはよろしくないだろうということで、今は止めている。 参加者11 南側駐車場の拡張について伺いたい。グランピングには各棟にシャワー・トイレなどがつくと思うが、配管はどこを通すのか。 県 詳細の設計はこれからということで、今は説明できる材料がない。 参加者11 配管の設計もなくて、ここまで(計画を)出すというのはおかしくないか。グランピングの位置まで全部書いているのに、配管をどこに通すかというのがないというのはおかしい。これ、当然(設計を)やってますよね。沼には流さないというのはさっき聞いているが。 長大 今のご質問ですが、変更後の概略設計を、今、手続き作業をしているところだが、我々は設計者ではないから、現時点で回答できる概略図面等の材料を持ち合わせていないため、後日改めてご回答したい。 参加者11 では、配管の行き先はどこか。上・下水道の本管はどこに。 県 既設のつくば市の下水道に接続する。大通りの方に本管が通っていますのでそこに接続する。 参加者11 沼に出さないということは(配管は)駐車場の下か、園路を通すのか。 県 駐車場であったり、園路の下であったり。 参加者11 園路は壊さないという話だった。園路には影響は与えないという契約と聞いていたが。そうすると、駐車場の拡張というのは、みなさんが駐車場のことで困っているからというよりは、自分達の配管を通すためのものだったのでは。 県 園路を壊すということはないが、実際に園路の下を通すかどうかわからないが、仮にそうなった場合、必要な工事の後に現況に復旧するというのは通常これまでの維持管理の中でやっていることで、許容されることと考えている。 参加者11 質問を変える。この駐車場の拡張の際に木を切らないよう努力すると長大さんはおっしゃっていたが、拡張エリアに木は何本あるのか。 県 そこもこれから調査して、なるべく影響がないように設計していく。 参加者11 私、前に数えたんですが、400本あった。長大さんの計画に入る別の場所も合わせると全部で600本。これを全部伐採しないと計画を進められないと思う。これはものすごく影響があると考えている。 県 実際、樹木の調査に入れていないのが現状。これから適地がどこかということも含めて、なるべく影響が少ないようにするいう考え方のもと(計画を)提案させていただいている。 参加者12 洞峰公園を変えてほしくない。グランピングなんて誰も来ない。ビール工房とかつくったり、なんで公園の中で酒を提供したり、こんな施設をつくらなければいけないのか。全然、つくば、茨城らしくない。私がやるなら、にぎわいとしてやるなら、北側駐車場の方に科学の展示物を置いて、茨城は農業県だから農作物が買えるような場所をとりあえず駐車場の方に置いて、道の駅みたいに農作物が買えるようにする。(公園の)中はいじる必要はない。駐車場は広げる必要はない。土日は利用料を倍にするなど値上げすればいい。利用者のほとんどは土日だから。それだけで稼げる。グランピングなんて儲かると思えない。とにかく酒とか、そんなの公園じゃない。やめてください。 県 貴重なご意見ありがとうございます。検討いたします。 参加者13 今回の指定管理事業とパークPFIの中で、声高々にインクルーシブ遊具を語るのをやめてほしい。そういうことは本来、私たちが払っている税金でやらなければいけないことで、パークPFIをやらないとインクルーシブ遊具を入れられないというのはおかしい。福祉、誰も取り残さないなど言葉はいろいろあるが、やっぱり、皆が楽しめるっていう、ハンディキャップっていうのは、メンタルのこともある。そういう人にとってもにぎわいがあるところでよくなるのかと。仕事に疲れた人とかがいう視点だと、癒しとかっていうのがベースにあって、そういうところから公園というものを考えていただきたい。 県 貴重なご意見ありがとうございます。 参加者14:事業者募集の際に、Q&Aというのが県のホームページに出ている。建築基準法第48条のただし書きに基づく許可を受けるための事前相談について、いつ、どのような書類で相談すればいいかという問いに対して「提案書提出前に、配置面積等の概要が確認できる資料で県に事前相談の上、つくば市に確認協議」ってお答えされてるんですよね。で、このことが6月のつくば市議会で問題になった。(洞峰公園は)宿泊施設が本当は建てられない場所。だからグランピング施設を建てるとしたら、つくば市の許可が必要。もしもこの許可が出なかった場合、今回のメーン事業であるグランピングができない。だけど、このグランピングを前提とした事業者を県は選定されて、年間8800万円の指定管理料で足りると、10年間の契約をしたわけだが、もし市が許可を出さなかったら、この事業、成立しない。それを分かって県は契約した。この許可が出るという前提でやっているのか。市とそんな相談してるのか。市はどこかで「できますよ」って言ったんでしょうか。そうでないとしたら、やれるかやれないかも分からない事業を、県は契約したということ。つくば市は許可を出すって言ったんでしょうか。許可が出なかったら誰が責任を取るんですか。 県 まず建築基準法上の手続きとして、48条の特例許可が必要になってくるのですが、その中で、48条の許可を下すのは、つくば市になりますが、つくば市も「建築審査会」という第三者委員会に諮らなければならない。では事業者募集の段階で、正式にそこに諮れるかというと、まだ正式に決まってもいないのに、それはできない。だから(事業者は)県に一声かけて、事前に市の建築指導課に相談をしてくださいということ。当然、つくば市も、建築審査会にかけているわけではないので、できる、できないの判断はできない。それは事実。ただ、こういう手続きを踏めば、可能性はありますよと我々は認識し、事業者も認識し、それに沿って手続きを進めてきた。そこでできるとも、できないとも、市は判断していないが、一般的に建築基準法48条の特例許可を受けるための要件というのはあるので、その要件に照らし合わせれば、この計画は決してダメな計画ではないということが分かる。そこはつくば市から「絶対できない」というような回答は得ていないので。もちろん、絶対できる、できないということはないが、その可能性はあるということで、この(グランピングを含む)計画を(県が)認定したということ。 県 つくば市の判断を待っては事業者の決定はできないため、事前の相談の上、対応しましょうというのが、パークPFI上のやり方でございます。 ※12日開催の2回目説明会については、ハウリング等の録音の不備により、質疑の主なやりとりを掲載しませんでした。

太陽光発電に侵食される里山 《宍塚の里山》91

【コラム・片山秀策】地球温暖化対策として、二酸化炭素(CO₂)を発生する化石エネルギーから、太陽光や風力など再生可能な自然エネルギーに転換しようとする動きがあります。再生可能エネを利用する動きは、1970年代のオイルショックの後から始まっていますが、日本ではなかなか代替が進んでいませんでした。 ところが、2011年の福島第1原発事故の後、再生可能エネ利用を推し進める再エネ特措法による固定価格買い取り制度(FIT)で弾みがつき、あちこちで太陽光発電の建設が進んでいます。問題は、太陽光発電所は大きな面積が必要となるため、耕作放棄地や未利用地が使われるようになっていることです。 未利用の土地といっても、工場や住宅に使われていないだけで、大気中のCO₂を吸収する樹木が生育していて、多様な生物が生息する場所です。 樹木は10年単位で光合成により大気中のCO₂を固定しています。その樹木を大量伐採して、耐用年数が20年程度の太陽光発電所が建設されています。土浦市内にある大規模太陽光発電所を例に挙げると、約26ヘクタールの平地林を伐採して建設されました。もともとそこにあった林が何十年もかけて固定したCO₂は、燃やされたり廃棄されたりします。 再生可能エネの一つ、太陽光発電施設を造るために、大気中のCO₂を固定する森を破壊することは、本末転倒というか、大きな矛盾をはらみます。 1ヘクタール以上の太陽光発電所の設置は都道府県知事の許可、1ヘクタール未満の場合は市町村長の許可がそれぞれ必要ですが、発電量が50キロワット未満の小規模なものは届け出が要らないので、宅地のミニ開発のように、行政も住民も知らないうちに広がっていくことが心配されています。 行政への働きかけや監視を強める 実際、宍塚の里山周辺でも発電規模49.5キロワットという、規制の抜け穴を使った発電所が、地域住民も知らないうちに数ケ所できてしまいました。県や市町村によっては、乱開発を防ぐために、届け出が必要な発電所の規模を10キロワット以上としたり、住民説明会を開かせるといった規制強化の動きが出ていますが、土浦市ではまだそうなっていません。 森や林は、光合成で大気中のCO₂を固定するだけでなく、多様な生物がすむ場所となっています。その環境は、一度破壊されると元に戻すことが困難になります。 多様な自然環境に恵まれ、絶滅危惧生物が数多く生息する、宍塚の里山周辺の雑木林でも、木々を伐採して太陽光発電所の建設が始まっています。今後、里山の環境破壊を伴う乱開発を防ごうと、私たちの会は、行政への働きかけや監視を強めています。(宍塚の自然と歴史の会 会員)

国の落ち度一部認める 9人に3900万円賠償命令 常総水害、水戸地裁で判決

2015年9月の鬼怒川水害で、住民が甚大な浸水被害に遭ったのは国交省の河川管理に落ち度があったためだなどとして、常総市の住民32人が国を相手取って約3億5800万円の損害賠償を求めた国家賠償訴訟の判決が22日、水戸地裁で出された。阿部雅彦裁判長は、国の河川管理の落ち度を一部認め、国に対し、住民9人に約3900万円の損害賠償を支払うよう命じる判決を出した。 争点として①砂丘林による自然堤防が掘削され太陽光発電パネルが設置された場所から水があふれ出た若宮戸地区について、国が砂丘林を河川区域に指定しなかったのは河川管理に落ち度があったのか②堤防が決壊した上三坂地区について、堤防の高さが低かったのに他の地区に優先して改修しなかったのは、国の河川管理に落ち度があったのかなどが争われた。 判決は、若宮戸地区の砂丘林について、国は砂丘があることを根拠に安全性が備わっていると扱っていたのだから、砂丘を河川区域に指定することを怠ったのは国の河川管理に落ち度があったとし、住民側の主張をほぼ認め、若宮戸地区住民の家屋や家財などの被害に対し損害賠償を命じた。 一方、もう一つの争点である上三坂地区の堤防決壊について、判決は、堤防の高さだけでなく堤防幅も含めた評価を行う必要があるなどとし、「国の改修計画が格別不合理であるということはできない」などとして、国の落ち度を認めなかった。 全国に勇気与える判決 住民側の只野靖弁護士は判決について「当初から人災だと言われ続けてきた被害が、一部かもしれないが(損害賠償を)認められたことは、裁判所の優れた判断があったと思うし、原告32人が力を合わせてやってきたからこそと思う。水害訴訟のこれまでの判例の枠組みの中でも、河川管理者による瑕疵(かし)が認められる事例はひじょうにレアなケース。若宮戸(の砂丘林)を河川区域に指定しなかったのはだめだよと真正面から言ってくれたことは意義がある。全国に勇気を与える判決だったのではないか」と話した。一方、上三坂については「(若宮戸からの溢水による被害と、上三坂からの決壊による被害との)割合的な(損害賠償の)認定も十分可能だったのではないか」とした。 大木一俊弁護士は「晴れとは言えないが、土砂降りとも言えない判決だ」とし「(国の落ち度が認められなかった)上三坂は、周辺より堤防が低くて幅が狭くて洪水が起きやすいところで、本来、他の地点よりも早く堤防を改修すべきだったと主張したが、判決は、上三坂よりも安全度の低いところがあったのだから、著しく不合理とは言えないという理屈で河川管理に瑕疵はないという判断だった。(若宮戸と上三坂の)割合的な認定もあり得たがそれは採用しなかった。その点については高裁でも争う余地がある』と話した。 国交省は真摯に受け止めを 原告団共同代表の片倉一美さん(69)は「国の瑕疵を認めたことは歴史的」と評価し、「国の対応があまりにもひどかったから、何とか直せないかと原告が立ち上がった。国は、改修計画があったといえば自分たちは責任を問われることはないと確信しているようだった。国民に目が向いてないところを直したいと思った。毎年のように各地で水害が起きている。歴史的な判決が出たことに対し、国交省は真摯に受け止めて、危険なところから河川改修をやる方向に改めていただきたい」と強調した。さらに「水戸地裁で決着がつくとは思ってない。必ず最高裁まで進むと思っている。私たちは裁判に勝ち抜いて、鬼怒川が(水害訴訟の)判例だというところまでもっていきたい」と語った。 裁判で損害賠償が認められた若宮戸地区に住む高橋敏明さん(68)は「若宮戸については河川区域に指定しなかったことを全面的に認めていただき、主張通りの結果が得られた。若宮戸は上流で、上三坂は下流。若宮戸の水、上三坂の水に限らず、合流して水海道の方に襲い掛かった。上三坂の方も認めてもらいたかった」と悔しさをにじませた。(鈴木宏子)

延長サヨナラで霞ケ浦 つくば秀英下す【高校野球茨城’22】

第104回全国高校野球選手権茨城大会は22日、準々決勝4試合が行われ、ひたちなか市民球場では霞ケ浦がつくば秀英に延長10回サヨナラ勝ちした。下妻一を7回コールドで下した土浦日大と24日の準決勝で対戦する。 霞ケ浦の山田大河、つくば秀英の吉村太稀、両先発の投げ合いでゲームは延長戦へ。両校は春の県大会でも延長戦を戦い、秀英が4-3で霞ケ浦にサヨナラ勝ちをしている。今回は霞ケ浦が後攻、10回1死一塁で、吉村の119球目を木村優人が叩いて左中間ヘ二塁打、一走の新保玖和がサヨナラのホームを踏み、2-1で春の雪辱を果たした。 霞ケ浦は3回、山田、新保のヒットで1死一、三塁とし、木村が中前適時打で先制した。秀英は霞ケ浦の先発山田の前に4回1死三塁の好機で棚井悠斗、野川唯斗が連続三振を喫するなどゼロ行進が続いた。ようやく7回1死後ここまで2打席三振の野川唯斗がレフト芝生席に大会第32号のソロホームランを放って追いつき、延長戦へもつれこんだ。 試合時間2時間11分。山田は113球、吉村は119球を投げ抜いての死闘は霞ケ浦が制した。 サヨナラ打の木村は「思い切って行く気持ちを100%出して打席に入った。会心の当たりで抜けてくれて良かった」、高橋祐二監督は「強豪校相手に胸を借り挑戦した結果、力を発揮出来て良かった」と話した。 つくば秀英・森田健文監督は「もっと上を目指してやってきただけに悔しい。しっかり守って守りきったがバッティングの調子が上げられなかった。あと1本が出なかったが選手は良く頑張った」とコメント。 先発の吉村は「負けて悔しいが2年半やってきた集大成の大会で、全力でぶつかり自分の思っていた以上の力を発揮できた」、野川主将は吉村がいいピッチングをしていたのに打線が援護できなかったのが悔しい。山田投手はインコースが多くストレート、コントロール、球に勢いがあり捉える事が出来なかった」と悔しがった。(高橋浩一)

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