月曜日, 4月 6, 2026

実験的な試みの自作本 つくばで「Book Worms」展

イラストレーターやデザイナーなど9人の作家が制作したアートブックや絵画、グッズなどを展示する「Book Worms(ブックワームス)」展が22日、つくば市天久保の「ギャラリーY」で始まった。14回目の開催で、今回は「本の虫」をイメージした作品を展示している。会期は30日まで。本やグッズはサンプルを触って見ることができ、購入可能な作品もある。 筑波大学で洋画や版画を学んでいた田中千夏さんが、在学中の99年に展覧会を企画したのが始まりで、2年に1度開催している。前回まではカフェ「サイトウコーヒー」(牛久市南)に併設する「タカシサイトウギャラリー」で展示していたが、ギャラリーの閉館にともない、今回からつくば開催となった。田中さんは「ものとして持っていたくなるようなアナログの本を作っている。Book Wormsは小さいころに読んだ本の匂いやページをめくる感覚を大切に、作家が作りたい本を実験的に作ってみる場」と語る。 出品したアーティストの一人ヨシイアコさんは、表紙の時計の針が動かせるようになっている絵本やカード、絵画「今、何時?」を出品した。「別の人が別の所でみんなと同じ時間を過ごしているということをテーマにした。この展覧会に出品するみなさんの作品が好きで、毎回参加を楽しみにしている」と話す。 筑波大学の卒業生丹野香織さんは、紙蝶番(ちょうつがい)という方法で綴った小さな屏風のような本を蛇腹にし、虫の形に見立てた作品「Small man(スモールマン)」4点を展示した。「日本画が専門で豆本など小さいものが好き。装丁にも興味があり、20年ほど前からBook Wormsに参加している」と話す。本に書かれている物語も自分で考えたものだという。 代表の田中さんは新作の自作本「それがどうした?」と「雲の上の猫」の2冊と、銅版画で作った原画など10点を展示した。「紙媒体で、紙を束にして作る本が好き。絵を描いて本にするのがライフワークになっている。手触りや匂いなど、人間には本来味わいたい感覚があり、そういうものに触れる場を求めている人がいる。大量生産、大量消費の時代に抗いたいと思っていて、あるものを大切にし、丁寧に生きていきたいというのが根底にある。量産でない自作の本の魅力を実際に見に来てほしい」と来場を呼びかけた。 一昨年の開催には100人ほどが来場したという。23日には製本の体験ができるワークショップが開催される。定員は6人、予約でほぼいっぱいだという。(田中めぐみ) ◆「BookWorms14」展 30日まで。午前11時~午後7時(最終日は午後6時まで)入場無料。

6278筆の署名添え県に見直し要望 つくば洞峰公園周辺の保護者たち

県営の都市公園、洞峰公園(つくば市二の宮)の周辺に暮らす「公園と子どもを守る親の会 茨城」(共同代表・多田理恵さん、奥田洋一さん)が21日、県庁を訪れ、知事あてに6278筆の署名を添えた要望書を提出した。小・中学生や未就学児童の保護者らがまとめ役となり、パークPFIを利用した県のリニューアル計画に見直しを求めた。 同会は、7月に開催された県の説明会で、飲酒など、子どもへの懸念が払拭できないなど、共通する心配事を抱えた6人の保護者による。署名は9月初めから10月20日にかけてオンライン署名サイトやSNS、個人の呼びかけなどで集められ、半数がつくば市、3割がつくば市以外の県民、2割が県外から寄せられた。 要望書は、県都市整備課に提出。①飲酒が公園を利用する子どもたちの安全、安心を妨げるとして、リニューアル計画に含まれるグランピングやBBQ施設、クラフトビール工房の建設中止②インクルーシブ遊具など障害のある人のための施設設置をパークPFI事業と切り離し速やかに実施すること③公園内の希少動植物の保護と生物多様性を維持する事業案への変更-が盛り込まれた。 これらを踏まえ、公園周辺の子育て世代などの住民や教育関係者の意見を取り入れるよう要望し、受領後14日以内の回答を県に求めた。 共同代表の奥田洋一さん(43)は「文教地区の代表的な公園である洞峰公園に似つかわしくない飲酒により、風紀が乱れることを危惧している。安心できる、安全な公園であってほしい」と希望を述べた。 多田理恵さん(44)は「子どもたちや保護者が不安に思っていることを、知事にきちんと伝えてほしい」と訴えた。「アルコールそのものへの反対ではなく、『お酒が飲める公園』と認識されること」が心配だと話す。 「ビール工房での製造・販売、グランピング場などでも昼から毎日お酒が飲める。これを県が率先してやるとなれば、お酒を楽しむために公園に来る人が増えるかもしれない。さらに、外から持ち込んでの宴会や飲酒運転も心配。周辺は通学路にもなっている、住宅地の中の子どもたちが日々利用する公園で行われる。問題が起きてからでは取り返しがつかない」という。 県の追加アンケート、近く結果公開 これらの考えに対し、県は「県民の意見を踏まえて事業を練り直している。つくば市と協議の上で検討し、反映したい」と答えた。 9月に県が実施した、リニューアル計画に対する県民への追加アンケート調査については「現在、集計中」であるとし、時期については未定としつつ「結果はつくば市と共有し、近い時期にオンライン等での公開を検討する」とした。 アンケート調査は今回が2回目で、第1回の調査では、7月2日から8月31日までに集まった約1100件の回答者のうち、9割がつくば市居住者、7割が40代以上だったことを、県は「回答に偏りがある」とし、広く県民を対象に無作為抽出による再アンケートを実施していた。(柴田大輔)

変わりゆく里山の生態系 《宍塚の里山》94

【コラム・福井正人】最近の宍塚大池では、数年に一度、雨が少なく異常な渇水が起きた次の年に、アメリカザリガニが大繁殖し、水面を覆っていたハスやヒシがなくなってしまう現象が起きています。数年で回復してくるのですが、再び大渇水が起こると、また次の年には、アメリカザリガニが大繁殖するというパターンを繰り返しています。 雑木林のほうでは、カシノナガキクイムシ(カシナガ)が媒介する菌によって、コナラなどの樹木が枯死してしまう問題(ナラ枯れ)が起きています。里山の生態系は、人々の生活様式と密接に結びついています。里山の樹木は建物の資材や燃料として、落ち葉はたい肥として、ため池の水は農業用水として利用されてきました。人々はこれらの資源が枯渇しないように気を付けながら管理してきました。 このような人々の働きかけが、里山のなかに様々なタイプの環境を生み出し、里山の多様な生態系を育んでいました。 ところが、戦後のエネルギー転換、機械化などにより、人々の生活は大きく変わりました。もちろん、それ自体は人々を重労働から解放することになったので良いことなのですが、里山の資源は利用されなくなってしまいました。ため池の水を引かなくても、河川や井戸からポンプでくみ上げて、田んぼに水を入れられるようになりました。 また、電気やガスの普及により薪(まき)は使われなくなり、建材としての樹木も外国からの輸入木材に代わっていきました。農業用水としての価値が低くなったため池では、池の水を抜いてヘドロを抜くなどの管理が行われなくなりました。 そのような状態で異常な渇水が起こると、毎年管理しているときには起こらなかった急激な環境変化が生じ、水の中の生き物のバランスが崩れ、アメリカザリガニの大繁殖のようなことが起こります。雑木林で起こっているナラ枯れも、被害を受けるのは主に老木で、薪炭林の利用がなくなり、老木になるまで伐採されず放置されたことが、被害の急拡大につながっていると思われます。 自然に向き合い、その変化を記録 宍塚の自然と歴史の会では、里山の貴重な生き物を次世代に残すための活動をしています。宍塚大池の外来種を駆除して在来種を保護したり、かつて大池に繁茂していた水草をバットで保存・育成し、環境が整ったときに大池に戻せるようにしていたり、最近では、急速に被害が広がっているナラ枯れの調査を行ったりもしています。 ただ、人々の生活様式の変化にともない、里山への働きかけがなくなってしまった以上、生き物だけが以前の種類のまま残ってほしいと思うのは、人間のエゴではないかと思うときもあります。ナラ枯れによってコナラの老木が枯れていくのも、人間が伐採しないから代わりに生き物が対処してくれているだけなのかもしれません。 一番がっかりするのは、保全の成果が上がらないことにイライラした人間同士が、小さな意見の相違で対立してしまうことです。 正直、私にはどうするのが一番なのか正解が見つかりません。でも、こうして答えが出なくとも、里山の自然に向き合って考えることが大事なのではないでしょうか。また、変わりゆく生態系を記録していくことが大事なのではないでしょうか。みなさんも一緒に考えてみませんか。(宍塚の自然と歴史の会 副理事長)

就農体験学修プログラムの現場、土浦に 茨城大学農学部とJA茨城

収穫と修学の秋に-、茨城大学農学部(阿見町)の学生が土浦市の農業現場で働き始めた。21日には同市藤沢のサツマイモ畑で、3人の大学生がイモの葉を刈り取り、マルチシートを取り除く作業などに取り組んだ。 農学部とJAグループ茨城(水戸市)が新たにスタートさせた就農体験学修プログラムによる。今回は、保育園やツアー客のイモ掘り体験に向け準備作業中の圃(ほ)場に、農学部3年の下島航さん(21)、渡辺夏実さん(21)、川口夢奈さん(21)の3人が訪れ、汗を流した。 農学部とJA茨城の接点は双方、コロナ禍からの立ち直りを模索する中で生まれた。農業現場では新型コロナの感染拡大から、海外からの研修生に頼れなくなり農作業の人手不足が深刻化した。農業現場で働きたい人と農家とを結ぶマッチングアプリの導入が考えられ、昨年度からアグリトリオ(愛知県豊橋市)開発のマッチングツール「農 How(ノウハウ)」の普及を図ってきた。全国のJAでは初めての導入となる。 茨城大学では、学部3年次の第3クオーター(9月下旬~11月)を「iOP(インターンシップ・オフキャンパス・プログラム)」の期間と定め、原則的に必修科目を開講せず、海外研修やインターンシップといった主体的な学修活動を促進してきた。農学部では付属農場(国際フィールド農学センター)での農学実習などを通じて学生たちへ農業体験の機会を提供しているが、農業の実態を深く理解し、必要な技術を身に付ける上でも、大学外における農業体験を促進したいと考えてきた。しかし特に今年の3年生は、コロナ禍で入学時から対面による活動が大きく制限されてきたそう。 農学部の地元にあるJA水郷つくば(本店・土浦市)が間に入る形で、同市北部の農家7世帯8人が作る次世代農業プロジェクトワーキンググループ「ヨリアイ農場」(栗原広治代表)が就農体験を受け入れることになった。学生は、今月から4軒の農家で、サツマイモの掘り取り、ナシ圃場の整備作業、グラジオラスの出荷、ショウガの収穫作業などを手伝う。 マッチングツールには作業内容や勤務時間が記され、アルバイト料も明示される。学生には修学と就業の一挙両得となる機会だが、農学部3年、下島さんは「アルバイトは阿見町の飲食店でもしている。農業の現場で働ける意義がより大きかった。授業では1時間程度の作業しかないが、4-5時間働いてみると農作業への見方が変わる」という。3人とも非農家の出身で、卒業後農業への就業を特に考えているわけではない。 学生を受け入れた土浦市藤沢の飯塚利之さん(51)は「思い詰めて働きに来られるようでも困る。マイペースでやってもらっても、農家には手の回らない仕事がたくさんあるので大いに助かる」と語る。 JA茨城では「今はアプリの実装を図っている段階、県内の農家や一般に就業を促していくのは次のステップと考えている」(県域営農支援センター農業経営支援室・金澤泰俊さん)そうだ。(相澤冬樹)

演奏家以外にも作り手つながる 30日につくば音楽祭

つくば市や周辺地域を拠点に活動する音楽家をはじめ、もの作り作家、農家などが集まるイベント「つくば音楽祭」が30日、同市吾妻の中央公園芝生広場で開かれる。主催団体「夢創」代表の山崎誠治さん(67)は、「つくばにはこんなに多彩な人がいるということを可視化したかった。人と人がつながる場所にできれば」とイベントに寄せる思いを語る。 イベントには、ジャズやゴスペル、マリンバ、民族音楽、ちんどん屋さんなど、多様な16組の音楽家が演奏し、ハンドメード作家、無農薬野菜農家、クラフトビールやピザを販売する飲食店などがブースを構える。 イベントを企画した山崎さんは、つくば市平塚で家屋のリフォームや家具製作の「にれ工房」を営む傍ら、研究学園での屋外イベント「トワイライト音楽祭」や小さな子を持つ母親のためのコンサート「ママコン」など、音楽を通して人が集まり楽しめる場づくりをしてきた。活動を通じて出会ったのが、地域に暮らす多様な人たちだった。 音楽祭のトリを務めるつくば市在住のマリンバ奏者、倉田沙紀さん(35)もママコンでの演奏が今回参加のきっかけになった。国内の音大を卒業後、ドイツや米国でもマリンバを学び、その後も海外の音楽祭に多数参加するなど国際的に活躍しながら、自宅で教室を開き、学校などで子ども向けのコンサートも積極的に開催している。当日は、荒井由実の「ひこうき雲」、ブラジルの名曲「イパネマの娘」や「マシュ・ケ・ナーダ」などを演奏する予定。 山崎さんは、「つくば市などこの地域には、倉田さんのような音楽家や作家など、もの作りに打ち込む沢山の方が暮らしている」とし、「地域を拠点に活動する、より広いジャンルの作家を地域の方々に知ってもらい、参加者同士だけでなく、来場者ともつながる場をつくりたい」と考えていたと話す。そんな思いを形にした「つくば音楽祭」は、今回が初めての開催となる。 「コロナ禍では、みんな活動を自粛してきた。ようやくイベントを開催できるようになった。参加するみなさんには、今後の活動再開とともに、新たな一歩の場づくりにしてほしい」とし、「みんなと一緒に夢を作りましょう」と、来場を呼びかける。(柴田大輔) ◆つくば音楽祭 30日(日)午前11時~午後4時、つくば中央公園芝生広場。入場無料。詳細は主催者facebookページへ。

旧統一教会関連団体主催のイベント 土浦市教委が後援

解散命令請求も視野に、政府が実態調査に乗り出す方針を明らかにした旧統一教会(現・世界平和統一家庭連合)の問題で、教団の関連団体・世界平和女性連合(WFWP)主催により7月、土浦市内で開催された「第19回女子留学生日本語弁論茨城県大会」が、同市教育委員会の後援を受けていたことが、水戸市の土田記代美市議(共産党)らの指摘で明らかになった。霊感商法や信者からの高額献金、政治家との関わりが問題視される旧統一教会との接点を独自に調査する自治体が相次ぐ中で、疑問の声があがっている。 世界平和女性連合は、旧統一教会の関連団体で、同教団の韓鶴子(ハン・ハクチャ)総裁が1992年に創設したとされている。同連合の公式サイトによると、女子留学生を対象とした弁論大会は1997年から始まり、毎年、全国から約200人が参加。公開されている資料によると、その地区予選である茨城県大会は、今年で19回を迎え、教団施設がある水戸と土浦で主に開催されてきた。今年は7月23日、土浦市内の県県南生涯学習センターで開催された。 「旧統一教会関連団体と承知していた」 弁論大会を後援した土浦市はNEWSつくばの取材に対して、「後援の申請は、今回が初めてだった」とした上で、「同団体が旧統一教会の関連団体であることは、(申請時に)承知していた」との認識を示し、「世界平和女性連合から後援申請があったのが4月12日。より慎重を期するため、昨年、同イベントが開催された水戸市に開催状況を確認し、内容に問題がないと判断し、4月23日に後援を承認した」と経緯を説明した。 後援を承認する基準については、「宗教・政治団体等に関わらず、団体種類で可否の判断をすることはない」とした上で、「事業内容、目的で一つ一つ判断している」と判断基準を示し、「(勧誘など)宗教・政治活動に直接関わる活動は承認しない」と説明した。今回のケースについては、「外国人留学生の弁論大会であることや、前年の水戸市での開催状況を踏まえて適切と判断した」と語った。 会場を提供した県南生涯学習センターは、土浦市と同様、「世界平和女性連合が旧統一教会の関連団体であることは、手続きの段階で承知していた」とした上で、「団体の種類に関わらず、企画の内容を検討し、貸し出しの判断をした」と市と同様の見解を示した。 関連知らず、教団との接点生じる懸念 水戸市議会定例会代表質問に立った共産党・土田記代美市議が9月12日、世界平和女性連合が主催する日本語弁論大会が水戸市や土浦市の公共施設で開催されていたこと、今年は土浦市教育委員会が後援していたことを指摘。それを受けた水戸市が実態調査に乗り出した結果、過去10年間で、同連合などの旧統一教会関連団体に対して、水戸市は公共施設を98回、貸し出していたことが分かった。 その中には、国際交流団体として市の条例に基づき施設を利用していた関連団体が71回、計36万6000円、施設使用料の免除を受けていたことも判明。条例は、「特定の宗教を支持し、または特定の教派、宗派もしくは教団を支援するおそれがあるとき」の施設使用を不許可としているものの、市は、旧統一教会との関係を知らずに判断したとしている。 水戸市の高橋靖市長は、関連団体の使用料免除について「遺憾」であると表明した。 一連の問題を調査する水戸市の土田市議は弁論大会について、「関連団体は、明らかに教団と同じ組織。それを伏せているところに問題がある」とし、「何も知らない留学生、彼らを応援したい人たち、イベントに関心のある市民や学生が会場に行ったとして、それがきっかけとなって(教団との)接点が生まれる恐れがある」と語った。 今後「国会、世論の動きで判断」 土浦市は、今後同様の申請が関連団体からあった場合について、「同じ事業内容で、今年(後援を)出して、来年はダメというと問題がある」としたものの、「国会や世論等の動きを踏まえて、非常に慎重に判断しなければいけないと感じている」と語った。後援の取り消しはあり得るかとの質問に対しては、「(主催団体による)今回の事業報告書とともに、会場に実施状況を確認し、申請の通りの弁論大会だったと確認できた。現段階での取り消しは考えていない」とした。県南生涯学習センターは今後の対応について、「団体自身が反社会的だと立証された場合は、使用制限もありうる。慎重に判断したい」と述べるに留まった。(柴田大輔)

文部科学大臣へ送った手紙 《電動車いすから見た景色》35

【コラム・川端舞】9月9日、国連が日本政府に分離教育の中止を勧告したのを受けて、永岡桂子文部科学大臣が13日の記者会見で、「障害のある子供と障害のない子供が可能な限り共に過ごす条件整備と、一人ひとりの教育的ニーズに応じた学びの場の整備を両輪として取り組む」などとし、「多様な学びの場における特別支援教育の中止は考えていない」と発言した。 これに対し、どうしても永岡大臣に直接お伝えしたいことがあり、お手紙をお送りした。その手紙を要約したものを、2回に分けて紹介する。 「共に過ごす」と「多様な学びの場」は両立しない 私は障害がありながら、小学校から高校まで普通学校の普通学級に通った。小中学校の頃、私はずっと普通学級で過ごしていたが、同じ学校には特別支援学級があり、知的障害のある同級生は学校にいるほとんどの時間を他の同級生とは違う教室で過ごしていた。その様子を見て、当時の私は「自分は勉強ができるから、支援学級にいるあの子たちとは違うのだ」と自分にも障害があるくせに、知的障害のある同級生を見下していた。 学校行事の時は、支援学級の生徒も他の同級生と一緒に参加していたが、いつもほとんど同じ教室にいない同級生を「仲間」だと思えるはずがない。支援学級の生徒とどう話したらいいのかさえ、私を含めた普通学級の生徒は分からず、お客様扱いするしかなかった。 私も支援学級の生徒とほとんど接点はなかったと思っていた。しかし、大人になってから小学校の卒業アルバムを見返すと、修学旅行でその同級生と一緒に班行動をしている写真を見つけ、「同じクラスで、修学旅行の班も一緒だったのか」と驚くとともに、その同級生と話した記憶が一切ない自分にショックを受けた。 障害のある子どもとない子どもが共に過ごすための条件整備と、特別支援学校、特別支援学級などの「多様な学びの場」は両立しない。もし、小中学校時代、支援学級がなく、知的障害のある生徒も、本人が「静かな部屋で休憩したり、自分のペースで勉強したい」と思った時以外は、普通学級で過ごすのが当たり前の環境だったら、他の同級生も彼らを仲間として受け入れることができただろう。 国連も、特定の機能障害に対応するために設計された別の環境で、障害のない生徒から切り離されて行われる教育は「分離」だとして、「インクルージョン」(※編集部注)とは明確に区別している。日本の特別支援学校や特別支援学級は明らかに「分離教育」であり、現在の分離教育を前提とした特別支援教育は見直すべきである。(障害当事者) 【※編集部注】インクルージョン(inclusion)一般的な日本語訳では「包括、包含」。対語は「エクスクルージョン(exclusion)」で「排除、隔離」といった意味になる。教育分野では「インクルーシブ教育」という言葉で使われ、特に、障害のある子どもたちが通常学級で健常児と共に学ぶ状態をいう。国連の公式文書によると、インクルーシブ教育には、すべての生徒に最適な学習環境を提供するために、通常学級の教育内容や組織体制を変更する過程が含まれる。

土浦で3年ぶり つくばは初開催 月末土・日にハロウィン仮装行列

31日のハロウィンを前に、子供たちが仮装して街なかを歩くハロウィンイベントが29、30の両日、それぞれ土浦、つくばで予定されている。新型コロナの行動制限がなくなった今年は、土浦駅周辺でNPOが3年ぶりに仮装行列を開催、つくば市研究学園駅周辺では住民団体が初めて開催する。 100人+の子どもたちが街なかのお店訪問【土浦】 NPO法人まちづくり活性化土浦(土浦市中央、横山恭教理事長)主催の「土浦ハロウィン2022」は29日に開かれる。仮装行列とスタンプラリーの実施は3年ぶりで、9月中旬の市報で告知すると、すぐに定員100人に達した。問い合わせや参加希望の連絡が多く、急きょ10人プラスし、市内の中学以下の子どもたち約110人が参加を予定する。現在はキャンセル待ちとなっている。 参加する子どもたちは当日、アルカス広場(同市大和町)で受付確認後、川口町バス停前広場(旧滝の前広場)まで仮装行進をする。その後は、各自好きな店舗を回る「まちなかスタンプラリー」を行う。手製の缶バッチを付け、ハロウィンの絵が描かれた袋を持って、保護者らと一緒に店を訪ねる。店ではお菓子をもらい、スタンプを押してもらう。お菓子と一緒に、その店独自の割引券などが入っており、保護者らが再び買い物に来る仕組みになっている。 土浦ハロウィンに協賛する店舗や施設は、国道125号沿いや本町通り、中城通り、モール505内など50カ所。お菓子はそれぞれの店が自費で用意。店主やスタッフが仮装している店もあるという。協賛店のひとつ、木村屋パン店(同市中央)では毎年お菓子とは別に、あんぱんを子どもたちに渡しており、今年も約200個のあんぱんを焼く予定だそうだ。 2015年に始まった「土浦ハロウィン」は、新型コロナ感染拡大の影響で2020年、21年とも仮装行列などイベントは中止した。20年は本町通りと桜橋通りにハロウィンの飾り付けを行ったのみだった。コロナ前の2019年は、参加者が子ども大人合わせて300人(子どもは約150人)を超え、スタンプラリー協賛店も54店舗あった。コロナ禍で閉店した店などもあるため今年は50店舗に減少している。 今年定員を100人にしたのもコロナ感染対策のため。実施に際し、参加者らはこまめなアルコール消毒を行い、マスク着用を着用する。事務局長の小林まゆみさんは「子どもたちはもちろん、付き添いの保護者の仮装も毎年本格的。その姿を見るだけで涙が出るほどうれしくなる。ハロウィン後も市内のお店で気軽に買い物してもらえたら」と語った。(伊藤悦子) ◆土浦ハロウィン2022 29日(土)午後1時30分~午後4時30分(荒天の場合、翌30日に延期)仮装行列とスタンプラリー終了後、アルカス広場に集合し、仮装の表彰式と閉会式を行う。参加者は事前登録済。電話:029-826-1771(まちづくり活性化土浦) 研究学園駅周辺ではごみ拾いをしながら【つくば】 つくば市では、TX研究学園駅周辺の住民グループ有志でつくる「けんがくまちづくり実行委員会」(島田由美子代表)が30日、「けんがくハロウィン2022」を開催する。仮装した子どもたちがごみ拾いをしながら、駅周辺のお店を回ってお菓子をもらったり、オレンジ色のごみ袋に色紙を貼って「ハロウィンかぼちゃ」の顔を描いたり、仮装コンテストなどを催す。 同駅前の英会話教室、不動産会社、ホテル、商業施設イーアスつくば内の花屋など約20店の協力を得て、子供たちにお菓子を配る。子供たちにはハロウィンかぼちゃと同じ色のオレンジ色のごみ袋をもってごみを拾ってもらいながら、各5店舗ほどを回ってもらう。 同駅周辺で毎月1回、100人ほどの参加でごみ拾いをしている住民グループ「研究学園グリーンネックレス タウンの会」(島田代表)の活動がきっかけ。昨年10月31日のハロウィン当日、ごみ拾いイベントの際、駅周辺6店の協力を得て、参加した子供たちに店頭で菓子の詰め合わせなどをプレゼントした。 今年4月、地域に植樹された「千本桜」を楽しむ「第1回研究学園さくらまつり」(3月30日付)を開催した同実行委員会が、昨年のハロウィンイベントが好評だったことを受け、今年初めて開催する。春のさくらまつりと併せて、秋のハロウィンイベントを地域の祭りとして定着させたい考えだ。 研究学園地区は2005年のTX開業後、新しくできた街で、現在2万人以上が暮らす。代表の島田さん(61)は「コロナがあってイベントの機会が無くなっていたので、前から地域に住んでいる人と新しく引っ越してきた人たちが一緒に楽しめる地域のお祭りにしたい。子供を中心に多世代が集まり、交流しつつイベントを楽しんでいただければ」と参加を呼び掛ける。「地域にあって普段は行かないお店に行く機会にもなるのでは」とも話す。 ◆けんがくハロウィン2022 30日(日)午後3時、同市研究学園5丁目の学園の杜公園に集合。5時ごろまで。仮装歓迎。予約不要。対象は中学生以下の先着250人。詳しくは同実行委員会のメール(kengaku.machizukuri@gmail.com)、または電話090-1738-3699(島田さん)へ。

筑波大学そばの「こおひいはうすらんぷ」 《ご飯は世界を救う》52

【コラム・川浪せつ子】1978年の創業から、今年で44年になるお店「こおひいはうすらんぷ」さん(つくば市天久保)は、広大な敷地が広がる筑波大学の横にあります。以前から知ってはいましたが、なかなか行けなかったカフェです。 実はバブル経済のころ、らんぷさんから2分くらいの所にある不動産屋さんから、毎週のように、建築物の完成予想図を描く仕事をもらっていました。ですが、男の子3人を保育所に預けながらの子育て中の私は、喫茶店などで外食をする時間もありませんでした。横目で見て通り過ぎていました。 ほかの社からの仕事の依頼も多く、あまりの忙しさで、当時の子育ての思い出は記憶から吹っ飛んでいます。またバブル時代が過ぎたころには。実母のがんがわかり、都内の実家まで通わなくてはならなくなりました。 「おいしい」は、人を幸せにする やっと最近、「あぁ~、あのカフェに行きたい」と。そのらんぷさんは、店内のインテリアとスィーツも想像以上でした。 あまりにうれしくて、うれしくて、すぐにまた訪問して、今度はランチ。何気ないミックスサンドなのですが、とてもおいしい。こんなに長いことやっていてくださって、ありがとうございます。 30数年間の、いろんなシンドかったことが、消えていくようなお味。「おいしい」は、人を幸せにするのね。(イラストレーター)

自殺に関し差別的内容を公開共有 つくば市総合教育研究所の公式ツイッター

SNSで知り合ったとされる自殺ほう助に関する事件が相次ぐ中、小中学校教員の研修やICT(情報通信技術)教育の推進などを実施している、つくば市総合教育研究所(同市大形)の公式ツイッター「つくば市ICTスタッフ」が18日午前9時ごろ、自殺に関する差別的内容が記されたツイートを、リツイ―ト(フォロワーに公開し共有する)していたことが分かった。リツイートは、同日午後1時ごろ削除された。 同公式ツイッターは18日正午時点で407人のフォロワーがいる。リツイートが共有された約4時間の間に、さらに2人がリツイ―トし、1人が「いいね」ボタンを押した。どのくらい拡散されたかは不明。 同研究所によると、18日午前9時ごろ、スマートフォンで同公式ツイッターを確認していた職員が、うっかりリツイートボタンを触ってしまったという。 職員はその後、仕事の対応に追われ、消すのが遅れてしまったとしている。 自殺に関する差別的内容が書かれたツイートは、同公式ツイッターがフォローしていた。このツイートの発信者は、不登校に関しても差別的発言をしていた。 同研究所は「職員が誤ってリツイートし、気付づいて削除した。(差別的な)ツイートの内容に賛同してリツイートしたわけでは決してない。大変申し訳ありませんでした」とし、なぜフォローしていたかも調べたいとしている。(鈴木宏子)

Most Read