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2022
茨城発高温ガス炉と原発再稼働 《ひょうたんの眼》53
2022年10月27日
【コラム・高橋恵一】岸田首相は、エネルギー政策として、既存原発の再稼働と新たな原発の導入を打ち出した。原発の再稼働には、自治体の了解のほか、安全確保と避難計画の策定が必要で、再稼働の条件がなかなか整わない。 広島、長崎などの犠牲を受け、反省を込めて、人類の智恵を生かす試みが原子力の平和利用であった。医療や工業技術への成果があり、エネルギー面の活用が原発であり、その実践に踏み出したのが東海村の原発である。平和利用先駆け県の茨城では、既存型の原発とは別に、日本原子力研究開発機構・大洗研究所で、高温ガス炉の開発が進められている。 高温ガス炉は小型の原発で、既存原発の利用可能温度が300度程度であるのに対し、1000度以上の熱を取り出す。溶鉱炉にも利用できそうだと、米国はじめ各国が開発に取り組んだが、高温が達成できず、米国は開発をあきらめた。 日本、ドイツ、ロシアだけが実験を続け、大洗研が900度の熱取り出しに成功したのが2005年だった。900度は製鉄には向かないが、大洗研は水を分解して水素を発生させ、さらに余熱で発電することに成功した。高温ガス炉は1機で30万人都市の電力と燃料としての水素を供給できる。 実用化すれば、ロス割合が高い長距離送電が必要なくなるし、新興国の都市密度の低い地域のエネルギー供給には極めて有効と考えられる。 高温ガス炉は、炉心は黒鉛を構成材に用い、熱の取り出しは安定元素(爆発しない)のヘリウムガスを用いる。燃料の核物質は4重被服のセラミック使用のペレットで、炉心溶融や放射能放出事故の恐れのない、安全な原子炉とされている。 つまり、事故時、住民避難の必要がない原子炉とされている。使用済み核燃料処分の課題は残るが、温暖化ガスを空中にまき散らす化石燃料より、安定地層に保管する方が現実的かも知れない。 原発の再稼働・新設は止めるべき 岸田首相のエネルギー政策では、東海第2原発も再稼働の対象だが、90万人もの避難計画を策定する必要があり、現実味がない。福島の例を見れば、いまだに帰還困難区域があり、避難の概念からはかけ離れているだろう。地震や津波、隕石(いんせき)や航空機の墜落などがあっても、安全が確保できない限り、原発の再稼働あるいは新設は止めるべきだ。 福島の事故については、政治的な事情で曖昧になっているようだが、元々、原子炉の暴走を止めることができる安全装置(自動復水器)を止めてしまったことなど、運転側の基本的なミスだった。緊急ブレーキのない原発などありえない。どのような先端技術も、基本の技術・操作を無視しては成り立たないのだ。(地図好きの土浦人)
乗用車がつくバスに衝突 小学生と高校生ら乗客14人が軽いけが
2022年10月26日
26日午前7時50分ごろ、つくば市島名、県道土浦坂東線で、直進してきた乗用車が対向車線にはみだし、対向してきた同市のコミュニティバス「つくバス」に衝突、バスに乗っていた小学生2人があごの下を切ったり、胸を打つなどして救急車で病院に運ばれたほか、小学生9人、高校生2人、社会人1人の計12人が打撲などによる痛みなど軽いけがを負った。 つくば市総合交通政策課によると、バスは谷田部窓口センター発研究学園駅行き谷田部シャトル上り3便で、現場は片側1車線の直進道路。乗用車が対向車線にはみだしてきたことから、バスは左側によけブレーキをかけたが、乗用車がバスの前方右側に衝突した。 事故時、バスには通学や通勤途中の小学生や高校生、社会人など計40人が乗車していた。 救急車で運ばれた小学生2人は病院で検査を受け帰宅した。打撲などによる痛みが生じた12人のうち11人はそのまま学校に登校したり、出勤したという。 同課はけがを負った小学生と高校生について27日に再度、症状や具合を確かめたいとしている。乗用車とバスの運転手にけがはなかった。 事故を受け市は、運行事業者である関東鉄道に安全運転の徹底を指示したとしている。
つくば市長「まずはアンケートを分析」 県との協議開始は早くて年末 洞峰公園
2022年10月26日
つくば市にある県営の都市公園、洞峰公園(同市二の宮)に県がパークPFI制度を導入し、グランピング施設の整備などを計画している問題で、つくば市の五十嵐立青市長は26日、県のアンケート結果発表を受けて、「まずは(市独自に)アンケート結果をきちんと分析したい」と強調した、県は分析に2カ月かかったが、市は2カ月かけずに分析結果を出すとし、県との協議開始は早くて年末になるとの見通しを示した。 五十嵐市長は「昨日の夕方初めて(知事の)記者会見後にアンケートの生データをいただいた」とし、紙のデータとCD-ROMの電子データがあり、紙のデータはこれから入力した上で分析するとした。その上で「市民の声、利用者の声、県民の声をきちんと把握した上で今後の方針を協議することが県との約束。アンケートをきちんと分析して、本当に利用者や市民、県民が望んでいることが何なのかを把握しないと、私どもは次の段階には行けない」と述べた。 県が25日発表したアンケート結果は、パークPFI事業導入の是非について、8月実施分は記述式だったとして賛否の集計はされなかった。五十嵐市長は「県の発表の仕方についてコメントするつもりはない」とする一方、県が集計しなかった8月の記述式アンケートについても賛否の集計を実施するとした。 五十嵐市長はさらに今後の県との協議について「単純に数の多寡で決めるのではなく、(アンケートの)中身をじっくり見た上で、どういうのが望まれているのか、普段から利用している人のアンケート(8月実施分)と追加アンケート(9月実施分)の重みをどう判断するかということも分析したい」とした。 大井川和彦知事が25日「市の所有にしてもらい、県の公園から市の公園に移していただくということも一つの選択肢」だと述べたことに対しては、「まだ中身に入る段階ではない。市民、利用者がどう望んでいるか、把握した上で協議に入ることが筋」だと繰り返した。 一方、25日の県の発表について、つくば市の市民団体「地域参加型の洞峰公園整備計画を求める会」の木下潔代表は「アンケート結果すべてがオープンになってないことにしっくりきていない。大井川知事が(25日の知事会見で)『反対のための反対』『反対ありきの人たち』などと発言したことはとても残念。反対する人が『変な団体』」という印象を与えている」などとコメントした。
宝篋山を臨む家庭菜園 《菜園の輪》8
2022年10月26日
【コラム・古家晴美】2006年に退職してから16年間、畑で自家用野菜を作ってきたつくば市在住の小島幹男さん(76)。地域の役員を務める飲み友達のグループでは、全員が家庭菜園で野菜を育てている。皆、実家が農家だったが、勤めに出ていた。定年退職後に、自分の食べる分だけでも、と始めた。 そんな仲間から、自然と野菜に関する情報が入ってくる。「これ、食べたことあるかー」と、新たな品種のものを持ってきてくれる。「うまいなー」と言うと、「じゃあ、種を持ってきてやるよ」と、やり取りが交わされる。 このようにして持ち込まれた野菜の中で、幹男さんと奥様の陽子さんのお気に入りは、赤玉ねぎとラッキョウをかけあわせた赤いエシャロットだ。普通のエシャロットが3月に収穫されるのに対し、1月には採れ、実も大きく、シャリシャリしている。3年前にもらった種が、畑でどんどん増えている。 この季節の収穫物は、大根、ネギ、白菜が主だ。大根は4種類作っている。青首大根をタクアンや切り干し大根用に作るほかに、切漬けや煮物用に少し短めの大根。また、赤い大根や中心部分だけピンク色の大根も栽培している。珍しい品種はたくさん作らないが、楽しみの一つだ。白菜やネギも2種類ずつ作っている。 大根のほかに、ブロッコリー、カリフラワー、キャベツ、小松菜、ほうれん草、チンゲン菜、春菊なども。いずれも、種をまいて家の軒下で苗を育ててから植え付けた。 花畑の前で足を止め、立ち話 このほか、ネモフィラ、キンセンカ、パンジー、ビオラ、デイジー、菊などの花類も、種から育て畑の入り口に植えている。仏壇にはキンセンカや菊は供えるが、他の花は畑に植えておく。散歩する人が、筑波山に連なる宝篋山(ほうきょうさん)を眺めながら、この花畑の前で足を止め、立ち話をしていく。そのひと時を楽しめるように、花を植えているのだという。 これだけ様々な野菜を作っていて、最もおいしいと思ったのは何ですか、という問いかけに、陽子さんから即座に答えが返ってきた。「やつがしらですね」。胃の調子を崩したときに、軟らかくてクリーミーなこの里芋(さといも)を、煮たり味噌汁に入れたりして食べ続けた。もう少ししたら、本格的に収穫時期に入る。 また、畑には、小豆(あずき)をはじめ、大豆(だいず)、黒豆、花豆(はなまめ)など様々な豆類の葉が、青々と茂っていた。実がなり、自宅まで運ぶところまでは幹男さんの仕事だが、そのあと、鞘(さや)から実を出して選別するのは、陽子さんの仕事とのこと。 これだけの広さの畑から採れた豆が、どれだけの量になるかと思うと、気が遠くなる。陽子さんがんばってください。陰ながら応援したくなった。(筑波学院大学教授)
知事「市が所有も一つの選択肢」 つくばの洞峰公園 ビール工房取り止め
2022年10月25日
県が再修正案 駐車場拡張は樹木伐採行わず つくば市にある県営の都市公園、洞峰公園(同市二の宮)に県がパークPFI制度を導入し、グランピング施設の整備などを計画している問題で、県は25日、アンケート結果を発表し、再アンケートを実施した結果、パークPFI事業への賛成が反対を上回ったとした。今後の対応方針として、①新都市記念館のクラフトビール工房の新設を取り止める②南側駐車場は拡張規模を縮小し樹木伐採を行わないーなどの新たな修正案を示した。 その上で、つくば市とすぐにでも事前協議を開始するとし、そもそもの公園管理の在り方も含め協議する方針を明らかにした。具体的な協議内容について大井川和彦知事は同日の知事会見で「反対の人たちの意見にもある程度配慮をしながら、どういうところで落としどころがあるのか、今後、議論をしていきたい」とし、さらに「市の所有にしてもらい、県の公園から市の公園に移していただくということも一つの選択肢」だと述べた。 アンケートは、7~8月に実施した記述式は1113人の回答があったが、回答者の9割がつくば市民だったなど、県民全体の税金で維持管理している県の公園としては十分ではないとして、9月に県全域の1000人を対象に選択式の再アンケートを実施した。 再アンケートの結果は、パークPFI事業の実施について、県全体で賛成が50.3%、反対が12.8%と賛成が半数以上を占め、つくば市民だけの集計でも賛成39.3%、反対27.4%と賛成が反対を上回ったなどとした。 その上で、4回の説明会や7~8月の記述式アンケート結果を踏まえ、飲酒に伴う治安悪化の懸念に対応し、園内での飲酒行動を抑制するため、ビール工房を取り止めるとした。一方グランピング施設とバーベキューガーデン(アウトドアレストラン)での飲酒については、指定エリアのみとすることを徹底し、改善されない場合は、アルコールの販売時間の短縮や販売数の縮小を検討するとした。 樹木伐採に伴う環境破壊の懸念が出ている南側駐車場の拡張については、拡張規模を縮小し、樹木の伐採は行わないとし、その他の区域についても樹木伐採を最小限に抑えるよう検討するなどとした。 大井川知事は再アンケートの実施について「つくば市民の一部から懸念の声が出ていることは十分承知している」とした上で、「一部の、反対という結論ありきの人たちの声だけを聞くのではなく、幅広く県民の声を聞くという形で調査をした」とし、今後の対応については「心配している方の懸念に一つ一つ丁寧に対応する中で、基本は変えないということだと考えている」とした。 その上で「つくば市内にある公園なのでつくば市が管理すべきだという話もあり、そういう声にも対応する方策をつくば市に提案したい」とし、市が所有し県の公園から市の公園に移すことにも言及した。
故郷に錦を飾れずとも… 《続・平熱日記》120
2022年10月25日
【コラム・斉藤裕之】9月の終わり。朝6時過ぎに家を出た私は、東京駅の新幹線改札の前で立ちすくんでいた。駅員のマイクロフォンは「静岡で大雨のために午前中は全て運休」と連呼している。「ひかり」も見えず、「のぞみ」も絶たれた。どうする? 窓口で手続きをする大行列を見て決めた。踵(きびす)を返して常磐線で帰宅を選択。手には妻の骨壺(つぼ)の入った大きな手提げ袋があった。 次の日の同時刻。新幹線は穏やかな陽光の中、東京駅を出発。昼過ぎには海に一番近いと言われる新幹線の駅、徳山駅(山口県)に着いた。軽トラで迎えに来た弟と、そのまま粭(すくも)島へ。今回の目的は妻をお墓に納めること。それからもう一つは、コロナ禍で延期になったままの「ホーランエー食堂」での作品の展示だ。 出迎えてくれたのはタコ店主さん。早速、作品を並べてみる。軽トラの荷台には、弟があらかじめ採寸しておいた2間ほどの垂木(たるき)など。それを店内の柱の間に渡して小さな作品を引っ掛ける。それから、窓際や入口のちょっとしたスペースにも並べてみる。2階にも作品を置きたかったのだけれども、光の具合で断念。窓から見える鼓ヶ浦(つづみがうら)の風景に座を譲ることにした。 日ごろは鉄工所で働きながら、生まれ育ったこの島で週2日そばを打つタコ店主さん。古い民家を買い取って、自らの手でこの食堂を再生してきた。その心意気と人柄が店の細部に宿っている。その雰囲気を邪魔することなく作品を置く。適当に箱詰めして送った海や島の絵。それから花や鳥など。美術館やギャラリーではなく食堂に置かれた絵。 故郷を出て40数年。錦を飾ることはできなかったが、小さな絵を飾ることができた。結局、案内のはがきも作らずじまいで始まった「平熱日記展 in 粭島」だったのだが、搬入の様子をSNSにアップすると、早速地元のフォロワーの方がシェアしてくれた。高校を卒業してから同窓会などにも全く出たこともないので、誰に知らせるわけでもない私にとってはありがたいことだ。 苔むした美しい墓 粭島には幼いころから父に連れられて訪れた思い出がある。島の少し手前の海岸では毎年春の大潮の日にアサリを掘った。また磯ではアイナメがよく釣れた。気付かないほどの短い橋でつながっている島に渡ると、左手に岩場があった。そこにできた潮だまりに潜って、イソギンチャクやウニ、小魚と飽きることなく遊んだ。 その磯も今ではテトラポットの護岸になっている。島を後にする車窓から見える海辺は、茶色く生き物の気配がしない。この辺りの海岸も、「磯焼け」という現象から免れていないようだ。 次の日。妻の遺骨を弟の家の近くの墓に納めた。ちょうどそのとき、曇り空からほんの一瞬日が差したのを覚えている。脇には清水が流れカワラナデシコが自生する、苔(こけ)むした美しい墓。茨城からは相当離れた場所になってしまったが、「そこにあるのはただの骨」という義妹の言葉で、少し踏ん切りがついた。 帰りの新幹線に乗ったときは土砂降りだったが、東に進むにつれ、青空になって富士山がよく見えた。(画家)
「詩人市川紀行の世界」が刊行される 《邑から日本を見る》122
2022年10月24日
【コラム・先﨑千尋】私の同志の1人である美浦村の市川紀行さんが、このほど「現代詩のありか-市川紀行の世界」(水戸・泊船堂)を出版した。帯に「『詩人村長』市川紀行。若き日、ランボオと出会い、以来、詩作を止める事はない。市川は、2021年『詩撰集ANTHOLOGY(アンソロジー)』をまとめた。友人4人は、所収詩を読み、詩論、感想、詩作の背景、活動を著した」とある。 今回の著作の紹介の前に、市川さんの歩みをウイキペディア風に紹介しておく。 市川さんの父は満鉄調査部社員だった。1940年に中国撫順で生まれた。戦後、牛久村(現牛久市)に帰国した。近くに住井すゑさんが住んでいて、書庫に入り浸りし、すゑさんからは「ノリちゃん」と呼ばれていた。 土浦一高から北海道大学農学部に入り、1968年に高校同級の市川昭子さんと結婚、美浦村に住む。美浦村議を経て、83年に42歳で村長に当選した。 在職中に手掛けたことは、全国初の「村の第九」演奏会などいろいろあるが、何といっても、縄文遺跡陸平(おかだいら)貝塚の保存と活用が歴史に残る大業績だ。それができたのは、セゾングループの堤清二会長と詩を通してウマが合ったこともあるようだ。99年に村長を4期で退任した。 退任後、地域劇団「宙(そら)の会」を主宰し、オリジナル創作劇公演を行った。また地方自治研究会「一望塾」を立ち上げ、市町村長や議員の育成を行った。2014年には「東海第二原発の再稼働を止める会」の共同代表になった。3年前に、心臓大動脈と弁膜の手術を受けている。 その礎には「人」があり、「愛」がある 本書は5章から成る。序論といえる市川さんの「現代詩のありか」に続いて、友人4人がそれぞれ市川さんの詩を論じ、市川像を語る。私が知らない世界がパッと現れてくる。 「言葉の旅人 散文詩『美はいつも』に寄す」を書いた波田野頌二郎さんは、北大の仲間。倉吉市役所で図書館などに勤務し、文化運動に関わった。 「詩に現われた言葉はどんな小さな言葉でも、他の言葉と出会うと新しい世界へ繋がる。それが詩の言葉の不思議というもの。言葉は詩の中で旅をする。詩人も言葉とともに旅をする。…読む私たちも」 「言葉の花摘み 『アンソロジー』へ」は山本哲士さん。茨城県近代美術館などに勤務し、現在は地域事業、観光企画などをしている。 「『アンソロジー』は、表現と出会い、思いを広げる楽しさを教えてくれた。その礎には『人』があり、『愛』がある。人としてのやさしさがあった。彼の『アンソロジー』には、彼が出会った様々な世の草花たちが、言葉という形に変わり、摘み籠に入っている」 「言語声調の激流 詩と地域を貫くもの」を書いた島亨さんは出版社・言叢社の社長。惜しむらくは、本書の出版を見ず、今年2月に亡くなった。 「透徹した表現世界の彫塑にこだわった青春期の詩篇が私たちに伝えるのは、おそらく、後年の地域文化へと深まる意思を支えた『言語声調への信』の大きさではなかったか」 「漂泊から定着へ 詩人とまちづくり」を書いた増尾尚子さんは、市川家の隣の家に生まれ、後に美浦村職員として市川さんを支えてきた。 本書はA5判186ページ、税込み1500円。川又書店(水戸市)、マスゼン書店(土浦市)、須沢書店(牛久市)、栄文堂(龍ケ崎市)で購入できるが、直接購入の場合は市川紀行さん(電話0298-85-0446)へ。(元瓜連町長)
「長所出し切った」選手ら今季振り返る 茨城アストロプラネッツ
2022年10月23日
ファンと大運動会 プロ野球独立リーグ参入4年目の今季、初の地区優勝を果たした茨城アストロプラネッツが22日、1年間の応援に感謝の気持ちを込めてファンと触れ合う感謝祭「大運動会」を笠間市の旧東中学校グラウンドで開催し、選手らが今シーズンを振り返った。 霞ケ浦高校出身で、先発の柱として活躍した市毛孝宗投手(27)はNEWSつくばの取材に対し「中盤はけがをし、休まないで調子を落としたが、頑張った結果優勝できて良かった」と今季を語った。この日の大運動会については「中学時代に徒競走で1位になり足も速かった。楽しかった。運動会は懐かしい」などと話した。 今年、筑波大学から入団し、ホームラン8本32打点の活躍で優勝に大きく貢献した野中大輝選手(23)は「独立リーグに挑戦して1年で勝負すると決めていた。学生野球と違い毎日のように試合があるので体調管理、心のケアをしっかりしながらホームランでアピールできたし自信になった。自分の長所を出し切った」と今季を振り返った。大運動会は「今までより距離が近くファンと楽しめて感謝を伝えられるのは楽しい。学生時代の運動会での思い出は、足はあまり速くなかったので応援団長をしていた」と学生時代を語った。野中選手は今季で引退する。 トークショーでは、20日のドラフト会議で横浜DeNAベイスターズから育成4位で指名された渡辺明貴選手(22)が「指名されてほっとした。今は1日でも早く(選手登録される)支配下に上がれるようにトレーニングをしていきたい。支配下目指して頑張るので応援してほしい」と目標を語った。 大運動会の開会式で松坂賢監督は「楽しい思い出をつくってシーズンを締めくくりたい」と宣言し、玉入れ、障害物競走、最後は選手対抗リレー対決で会場に詰めかけた約200人のファンを大いに楽しませ盛り上げた。 チームを運営する茨城県民球団(本社ひたちなか市)は、土浦市などと、相互に連携してスポーツ振興に協力するというフレンドリータウン協定を結んでいる。(高橋浩一)
森林環境譲与税をご存じですか?《文京町便り》9
2022年10月23日
【コラム・原田博夫】今回は、森林環境譲与税を取り上げてみたい。そもそもどれだけの人が、2019年度から森林環境譲与税が施行されていることをご存じだろうか。 譲与税は、国(政府)から地方公共団体(都道府県と市町村)に、使途を細かく指定せずに譲与される。一般国民としては、追加的な税負担は生じないので、大半の国民が知らないのも無理はない。とはいえ、この譲与税の財源はどこにあるのか。 実は、東日本大震災(2011年3月)の後、全国で実施する防災施策対応分として、14年6月から10年間(23年度まで)、個人住民税均等割を年額1,000円(都道府県と市町村で各500円)引き上げていた。それが終了した段階で(24年度から)、この増税分を森林環境税(国税だが、市町村が賦課徴収)に切り替え、それ以降はこれを森林環境譲与税の財源にする、という仕組みが19年3月に成立、施行された。 追加的な税負担ナシでの見事なすり替えだが、この制度の目的には「パリ協定の枠組みの下におけるわが国の温室効果ガス排出削減目標の達成や災害防止を図るため、森林整備等に必要な地方財源を安定的に確保する観点から」、という大義が付与されている。 この譲与税額は全国で2019年度(初年度)200億円だが、20・21年度は各400億円、22・23年度は各500億円、24年度以降は600億円(平年度ベースの森林環境税)が見込まれている。都道府県と市町村への譲与は、それぞれの私有林人工林面積(林野率で補正):5割、林業就業者:2割、人口:3割で案分される。 市町村と都道府県への配分は、2019年度は(当初は市町村の支援を行う都道府県の役割が大きいと想定されるので)8:2だが、経年的に市町村分を引き上げ、25年度からは9:1になる。 使途が決まらず基金へ繰り入れ 譲与実績(2021年度決算)を総額順位で列挙すると(都道府県分と市町村分の合計を都道府県単位で集計)、1位北海道、2位東京都、3位高知県、…33位茨城県、…、45位富山県、46位沖縄県、47位香川県、である。譲与税の配分基準に人口要素が組み込まれているため、大都市部への配分が大きくなる、という問題点が指摘されている。 もう一つの問題点は、使途が決まらず基金への繰り入れの大きいことである。茨城県の2019~21年度の譲与総額は2億3965万円で、21年度末の基金残高は1億527万円なので、44%が基金に繰り入れられている。同期間で、つくば市の譲与総額は5921万1000円で、基金残高は5450万9000円。土浦市の譲与総額は3270万9000円で、基金残高は2358万9000円である。 県以上に、基金への繰り入れが大きい。つまり使途が定まっていない、ということである。これは、全国的な傾向でもある。 つまり、これらの課題は、財政ニーズがまだ顕在化していない段階で、この制度の設計・運用が開始されたことにある。同時に、時代を先取りし、国民を誘導する制度設計の難しさ・悩ましさも示している。(専修大学名誉教授)
新たな公共交通「グリスロ」 土浦協同病院周辺で23日から実験運行
2022年10月22日
高齢化が進む地区内を走るなど、新たな公共交通として注目される小型低速電動車「グリーンスローモビリティー(グリスロ)」の運行が23日から、土浦市おおつ野、土浦協同病院周辺で始まる。先端技術を活用して公共交通の利用を促進しようと「つちうらMaaS推進協議会」(会長・松上英一郎関東鉄道社長)が12月17日までの約2カ月間、3路線で運行する。2020年度に同協議会が実施した実証実験に次ぐ第2弾の実験の一つとなる。 今年度の実証実験は来年3月31日まで半年間実施する。後半の12月24日から来年3月31日までは、おおつ野地区周辺で28人乗りの小型バスを運行する。ほかに、土浦協同病院の待合スペースに電子看板(デジタルサイネージ)を設置し、同病院に乗り入れるグリスロや小型バス、路線バスの到着時刻などを表示する。さらに来年3月末までの期間中、スマートフォンアプリで土浦市内の公共交通や商店、観光施設をキャッシュレスでお得に利用できるサービスを実施する。 協同病院は、JR土浦駅や神立駅を行き来するバスが乗り入れる交通結節点であることから、グリスロや小型バスで地域住民に同病院に来てもらい、乗り換えて出掛けてもらおうという試みだ。 最高時速19キロ 同協議会は関東鉄道と土浦市など13団体で構成する。今年度の実証実験は計約1500万円で取り組む。運行するグリスロは最高時速19キロで公道を走る。乗客の定員は6人。車両は軽自動車よりも一回り大きい、長さ3.6メートル、幅1.6メートルで、1回約9時間の充電で約50キロ走行する。 車内は木製のベンチが向かい合わせに設置され、中央にテーブルが設けられている。乗客席には窓ガラスがない。風を感じながら周りの景色をのんびり楽しむことができるため、観光客の移動手段として利用されている地域もある。雨の日は窓にシートをかける。テーブルをたためば車いすも乗車できる。 県内では笠間、取手、石岡市、境町などですでにグリスロの実証実験が実施されている。 土浦の路線は、協同病院を起点に、平日は、道幅が狭く路線バスが乗り入れできない、沖宿町地区まで往復計約4.5キロを午前8時30分から午後4時まで1日8便運行する。土日祝日は子供たちに新しい公共交通を体験してもらおうと、新興住宅地のおおつ野地区を循環する往復計約5.5キロと、霞ケ浦環境科学センターまでを往復する計約3.3キロの2路線を午前8時30分から午後3時50分まで1日8便運行する。停留所の一部には、電柱にバス停の標識や時刻表を貼った電柱停留所を県内で初めて導入する。 一方、12月24日から運行する小型バスは、協同病院を起点に、午前8時から午後5時45分まで、県立土浦湖北高校、上大津公民館など15.3キロを1日8便運行する。グリスロも小型バスも運賃は無料。代わりに乗客にアンケートに協力してもらい、実際にバス路線として運行できるか、需要動向を探る。 「交通弱者などへ持続可能なネットワーク確保」 運行開始に先立って22日、土浦協同病院で開幕式典が催され、協議会の松上会長は「期間中、市内、県外からいろいろな人が訪れることを期待している。交通事業者として安全運転に努めてまいりたい」などとあいさつした。協議会副会長の安藤真理子土浦市長は「人口減少や交通弱者など持続可能な交通ネットワークを確保することが課題となっており、土浦市の課題解決につながると大いに期待している。たくさんの方に乗っていただいて、この地区に必要だという実証実験になってほしい」などと話した。 式典には、同副会長の中川喜久治土浦商工会議所会頭、小坂博市議会議長のほか、青山大人衆院議員、協同病院を運営する酒井義法JA県厚生連代表理事理事長、河内敏行土浦協同病院院長、古賀重徳国交省関東運輸局茨城運輸支局長ら約50人が参加した。式典後、グリスロの試乗会が催され、病院敷地内を試乗した安藤市長は「変わった車に乗るのは、わくわく楽しい気分になる。スピードもゆっくりで、車内での会話もはずむ」と感想を話した。
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