《映画探偵団》40 つくばセンタービルを展望する
【コラム・冠木新市】「今日、真に躍動している中心的存在は科学と政治である。アートと建築は端の方に追いやられ、あたかも余分なもののように感じられる」(世界的建築家・アレッサンドロ・メンディーニ)
世界的な建築写真家・二川幸夫が「つくばセンタービル」にほれ込み、完成から10年後に全40ページの写真集『GA69』(1993年刊)を出版した。18~19ページに見開きで、ノバホール側から見たセンター広場とホテルの全貌が写しだされている。そして、ページ真ん中の奥の方にポツンと小さな「展望塔」が見える。
中心市街地の松見公園に立つ高さ44.4メートルの展望塔は、菊竹清訓の設計で1976年6月1日に開設された。外観から地元では「栓抜き」と呼ばれていたが、展望塔という素っ気ない名称になり、40数年前のつくばの雰囲気をよく伝えている。
この塔に登ると、筑波山とつくばセンター地区が一望できる。不思議なのは、センター地区のセンタービルに視線が向いてしまうことだ。展望塔が出来てから7年後、1983年6月10日に完成した高さ44.85メートルのセンタービル。この2つは一直線でつながっている。同じ時期の6月に完成、ほぼ同じ高さ、素っ気ない名称から、設計者・磯崎新は展望塔をリスペクトして、センタービルを構成したことが理解できる。
『GA69』には、メンディーニが文を寄せている。「何世紀もの歴史が凝縮した未來主義的エジプトスタイルが、たった一つの広場の回りに集められて、建築史の百科事典的シンボルになっている。それは俯瞰(ふかん)的な広い視野の中で作り上げた『信念』のユートピアと言うべきもので、そのユートピアは、現代の不安定さと混沌から類型的、様式的、制度的に保証する限りなく権威ある流れに反するものである」。
市川崑監督『おはん』の2人で1人
私がつくば市に越してきたのは1993年。写真集刊行と同じ年である。センタービルと展望塔の間に、デパートの映画館、新刊書店、レンタルビデオ店、図書館、美術館、喫茶店、古民家、市民ギャラリー、プラネタリウムなどが集まっていて感激しきりだった。
なかでも、展望塔近くに何軒も連なる古本屋街には何度となく通ったものだ。この2つの建築を結ぶ空間は、歴史と未來の物語が輝くアートゾーンだと思った。いや今でも思っている。
センタービルが出来た翌年、『おはん』(市川崑監督)という映画が公開された。古道具屋の幸吉(石坂浩二)が、ほとんど自己主張しない女房おはん(吉永小百合)と嫌いになったのでもないのに別れ、上昇志向で気の強い芸者おかよ(大原麗子)と一緒になる。しかし、ふとした拍子におはんと寄りが戻り、ラストではおかよと暮らすことになる。一人の男性が二人の女性の間を行ったり来たりする話である。
どちらの女性を好むかは人によるが、市川監督は二人合わせて一人の女性として描いた。地味ながら渋い作品に仕上がっていた。センタービルと展望塔の間を歩くと2つの建築物が一体であると感じられ、この作品がよみがえってくる。
今、センタービル広場の一角が破壊されようとしている。ホテル側にエスカレーターを設置するために、階段を造り替えてしまうからだ。そのため、展望塔に向いた壁が取り壊される。だが、その壁には人間の目の形をしたデザインが施されてあるのだ。広場中心にある噴水を見るこの目の形が無惨にも壊されてしまう。
ほかにも、「広場窓ガラス全部の取り替えが決まっているよ」とある人が教えてくれた。初耳だった。オープンハウスの説明会では聞かなかったからだ。つくば市は予算が余り、使いみちに困っているのだろうか。無駄遣いをして文化財を改造するのはよした方がよい。
あと2年でセンタービルは40周年を迎えるが、『GA69』を携えてつくばを訪れる建築愛好家がいたら、あまりの改造ぶりを見て涙を浮かべるに違いない。展望塔は、つくば市役所と市議と科学と政治を優先する市民の行為をジッと見ている。サイコドン ハ トコヤンサノセ。(脚本家)
新学群「総合学域」で一般入試 筑波大 1年かけ所属学類選ぶ
【山口和紀】筑波大学は2021年度から一般入試に「総合選抜」を導入し、新たな学群となる「総合学域群」を設置する。これまで筑波大の入試は出願時に学類・専門学群を決める方式のみだったが、新設の総合選抜では前期日程の募集人員のうち3割を「文系」「理系Ⅰ」「理系Ⅱ」「理系Ⅲ」という大きな区分で選抜する。
総合選抜の今年度の志願倍率は「文系」で2.3倍(定員128人)、「理系Ⅰ」で2.8倍(定員154人)、「理系Ⅱ」で4.0倍(定員41人)、「理系Ⅲ」で2.7倍(定員90人)に最終確定した。大学全体では、募集人員1469に対し志願者5707人で、前年と同じく倍率は3.9倍となった。
総合学域群に所属する学生は1年次の末に2年次以降の所属学類を決定するが、進路選択の幅は極めて広い。いずれの入試区分からでも体育専門学群を除くすべての学類・学群に進むことが可能になっている。移行先は、学生の志望順位と学類・専門学群側が設定する受入順位の組み合わせで決定される。特に専門性の高い医学類、芸術専門学群なども全ての区分から学生を受け入れる。国が進める「大学入試の一体的な改革に呼応」する新たな教育と入試システムの構築を目指す筑波大独自の改革だ。
筑波大は2019年度から「深い専門性と幅広い知識の両方をともに学ぶこと」を理念とする新たなリベラルアーツ教育「総合智教育」を実施し、「専門導入科目」の導入などが行われた。総合学域の新設は、この「総合智教育」を特に具体化させようとするもので「文系・理系にとらわれずじっくり学んだ後に自らの専門に進む」ことができるように設計されている。
「アカデミックサポートセンター」を設置
総合学域群長の山中弘特命教授は「自分とは違う問題意識や将来の夢をもつ仲間と一緒に、1年間の学びの中で将来の方向性を考えながら、自分の関心と適性に合った学類を絞ることができる」と受験生にメッセージを送る。また、移行先を絞ることは一人では大変になるため、他の学類・専門学群にはない「アカデミックサポートセンター」を設置し学習を手厚く支援するという。アカデミックサポートセンターでは、他学類・学群に所属する教員やコーディネーター、大学院生のティーチングアシスタントなどが総合学域群の学生をさまざまな面からサポートする。
新設される学域群ならではの苦労もあった。来年度が総合学域群初めての学生受け入れとなるため、同学域群には上級生がいない。そのため、筑波大は大学院生を含め、21年度も大学に在籍する学生すべてから新入生の履修登録の相談やサークルの紹介、懇親会の運営などを行う新歓委員を募った。
《土着通信部》44 UDフォントから始まるSDGsの行方
【コラム・相澤冬樹】行方市(鈴木周也市長)とモリサワ(本社・大阪市、森澤彰彦社長)が3日、「連携協力に関する包括協定」を締結したとのプレスリリースが届いた。行方(なめがた)は近隣のまちだが、NEWSつくばのカバーするエリアではない。でも地方自治体がなぜにモリサワ? とは、活字メディアに長く携わってきたものには興味あるところだ。
モリサワが扱うのは「フォント」。昔でいえば活字メーカーで、NEWSつくばの前身である常陽新聞も写植文字にモリサワを使っていた。しかし、行方に事業所や営業所があるとは聞いたことがない。
プレスリリースを読むと、「連携協力に関する包括協定」は地方創生とSDGs推進を目指すとある。同社による連携協定は関東の自治体では初めての事例と紹介している。
行方市は、総合戦略書に「情報発信で日本一プロジェクト」を掲げ、各種の課題に取り組んでいる。このなかで、モリサワのUD(ユニバーサルデザイン)フォントおよびMCCatalog+(多言語ユニバーサル情報配信ツール)の活用を図ってきたのだそう。これまでに職員研修を実施し、情報のユニバーサルデザイン化の浸透を図るなどの協力体制を開始しており、今後この動きを加速化するべく、協定の締結に至った。
UDフォントは筆者のパソコンにも教科書体が入っているが、UDが「ユニバーサルデザイン」とはついぞ知らなかった。より多くの人に、文字の形が分かりやすく、読み間違えにくく、文章が読みやすい―を目指して開発されたフォントということだ。
社会人を対象とした検証実験が昨年10月、同市も参加して行われ、UDフォントは特に40歳以上で読みの速度が約3.3%上がり、誤認を約5.3%回避できるという結果も得られた。
誰一人取り残さない情報発信
で、これがどう地方創生とSDGs推進に結びついていくのか? その要となるのが、MCCatalog+で、同市では2017年から利用している。広報紙、観光ガイド、地域情報誌など、あらゆる紙媒体をデジタル化し、スマートフォンやタブレット端末に手軽に配信できるクラウドサービス。インバウンド対応の多言語情報発信ツールでもあり、日本語・英語・中国語簡体字・中国語繁体字・韓国語・タイ語の7言語への自動翻訳ができ、多言語対応の音声読み上げ機能もついている。モリサワの仕事は「フォント」にとどまらないというわけだ。
配信した情報は、専用ビューア「Catalog Pocket(カタポケ)」で見ることができる。情報の電子化で環境に配慮する一方、外国人住民、文字読みに困難さを抱える人に向けた情報を整理し、配信量を増やし情報格差の軽減を図る狙いという。市は教育現場での利用拡大も進めている。
今回の協定について鈴木市長は「特に、情報発信分野で、一層、戦略的に推進することができるものと確信しています。『誰一人取り残さない情報発信』をキーワードとして、あらゆる協力体制を築くことにより、新たな地域活力の創出や行政サービスの向上が見込めるとともに、職員の働き方改革等にも繋がるものと考えています」とのコメントを出した。
ユニバーサルデザインやSDGsを取り上げた地域づくりは各地でさかんになっているが、入り口がフォントというのはユニークだ。行方バーガーとか、SNS「なめがた日和」とか、霞ケ浦の対岸にいても、その情報発信はいろいろ聞こえてくる。知恵者がいるに違いない。(ブロガー)
PayPay利用で30%ポイント還元 今月いっぱいつくば市で
【山口和紀】キャッシュレス決済サービス「PayPay(ペイペイ)」を利用した買い物の購入額の30%を利用者に還元するキャンペーン「あなたのまちを応援プロジェクト」が1日、つくば市で始まった。期間は28日まで。市によれば、7日時点で、市内店舗での決済件数は2万4000回にのぼり、キャンペーンの開始に向けて導入した店舗も多いという。
キャンペーンは、つくば市がPayPay(本社・東京、中山一郎社長)と締結した協定にもとづく事業で、国の地方創成臨時交付金及び茨城県の地域企業活力向上応援事業補助金を活用した。形式上、還元分の30%は同市の予算から支払われるが、その財源は国と県の交付金ですべて賄うため、市の一般財源からの支出は無い。昨年12月臨時議会で事業費8064万円が予算化された。
対象店舗はつくば市内のPayPay加盟店のうち、中小企業・個人事業主が運営し、いばらきアマビエちゃんの登録など感染症対策を講じている店舗(ただし、大型店舗などは除く)だ。つくば市によれば対象店舗は市内2015店舗(2月8日時点)。
データソースはつくば市「キャンペーン対象店舗リスト(一部)【2月8日現在】」。
一回あたりの付与上限は5000円相当で、キャンペーン期間中の付与上限は2万円相当分。例えば、1000円の買い物をした場合には300円分のポイントが還元されるが、2万円分の買い物をした場合には上限である5000円分しか還元されない。
決済方法では、事前にチャージしたPayPay残高で支払うか、ヤフーカードを登録しPayPayで決済する、またPayPayあと払い(一括)の場合に30%が付与される。 ただし、通常のクレジットカード払いの場合は、30%還元が行われない。詳しくは、つくば市のお知らせページを参照。
《続・平熱日記》79 看板を作ってアレコレ考えた
【コラム・斉藤裕之】昨年の暮れに友人からゴルフ練習場の看板を作り直してくれと頼まれた。材料はいわゆるツーバイフォーという木材。ちなみにこのツーバイフォー、実際には2インチ×4インチではない。これは製材前の寸法だそうだが、仕上がり寸法、つまり売っているサイズは1センチほども違う。
ついでに、長さの単位はフィートだ。1フィートは約30センチで1尺に近いが、なぜかそれの12分の1が1インチだ。十進法と十二進法が混在していて面倒くさい、と思っていたら、日本のモジュールも6尺で1間という同様にひねくれた単位である。
もひとつついでに、多くの住宅はこの尺という単位でできているが、我が家はメーターモジュールで建ててある。例えば、母は150センチそこそこの背丈だったと思うが、カミさんは165センチ。予想していたわけではないが、我が家の女性3人は165センチを超え、流しに3人並ぶ後ろ姿は戦前なら大女たちのシルエットに違いない。
長さの単位はヒトの体が元になっているのだろうから、流しの高さを従来よりも10センチ高くして、すなわち尺からセンチに変えたのも必然だったのかもしれない。
「趣味は軽トラの方を少々…」
さて、訪れたホームセンターの棚には、残り物のようなひん曲がった材料しかない。業界用語で板が曲がったり反ったりすることを「あばれる」と言い、「ケヤキはあばれっぺよ」なんて使う。(同じような状態を表す「ひわる」を普通に使っていたのだが、広島や山口の方言だと気づいたのは何年も前ではない)
次の入荷を待っていると年を越してしまいそうなので、仕方なく、あばれた劣等生たちをゴルフ場で借りた軽トラに積んだ。看板は3メートル×2メートルほどの大きさなのだが、文字をコンビニで拡大コピーし、カーボン紙を挟んで写し取り、ペンキで書いていくという超ローテク作業。あばれた板をいろんな道具で締め付けて、だましながら(平らにしながら)なんとか書き終えた。
コロナ禍で「看板を下ろす」いう言葉を耳にする。実は看板作りを依頼してきたのは大学の後輩で、美術の道を歩んできたのだが、訳あって家業の「看板を継ぐ」ことになった。幸いにも「打ちっぱなし業」はコロナ禍で繁盛しているそうだが。
その後、松くい虫にやられた木を一本倒してくれと頼まれて、その赤松の残骸を持ち帰るときに決めた。「おら、軽トラを買うだ!」と。「趣味は何ですか?」という質問に答えるのにいつも窮していたから、これからは「趣味は軽トラの方を少々…」と言おう。軽自動車といえば昔は360cc。つまり2合。車も当時は尺貫法で作っていたのか?
結局、出来上がった看板は、友人の手伝いで年内に無事取り付けることができた。ところで、近い将来、車も電気屋さんが看板を引き継ぐことになるのだろうか。ともかく私が軽トラでさっそうと現れる日もそう遠くない。果たしてその看板は、「何でも屋」? 「焼き芋屋」? 「ピザ屋」? 野望は膨らむ。(画家)
2割が業態転換を予定 新型コロナ影響 帝国データバンク調査
【山崎実】信用調査機関、帝国データバンクが、昨年12月から今年1月にかけて実施した「新型コロナウイルス感染症に対する県内企業の意識調査」によると、全体の2割近い18.2%の企業で業態転換の予定があることが分かった。
同社が景気動向調査2020年12月調査と一緒に行ったもので、調査対象は県内企業339社、有効回答企業数は170社(回答率50.1%)だった。
コロナ禍による自社業績への影響については「マイナスの影響がある」と見込む企業は75.9%。先行き不透明感を払拭(ふっしょく)できない企業が依然として多く、10カ月連続で7~8割の高水準で推移している。
特に注目されるのは、新型コロナの感染拡大が契機となり、業態転換を行う予定(可能性)があるかどうかの質問に、「予定がある」と回答した企業が18.2%と、2割近くもあったことだ。
業種別にみると、飲食店などの「サービス」で「(業態転換の)予定がある」と回答する企業が多かった。他方、「予定していない」は73.5%と7割超を占めたが、企業からは「業態転換は考えていないが、本業の売上額を補うため新たなことに取り組んでいる」と現状打開策の必要性を強調する一方、「過去の業績に関係なく、新規事業に対する融資を積極的に行ってほしい」という意見が聞かれた。
同社は「県内では約2割の企業が業態展開を行う『予定がある』とし、7割超は『予定はない』としているが、資金的な部分が障害となっている様子も浮き彫りになった」と分析し、新型コロナの早期収束が今後の行方に影響を与えることを警告している。
《邑から日本を見る》81 緊急事態宣言延長のあとはどうする
【コラム・先﨑千尋】新型コロナウイルス対応の特別措置法に基づく2回目の緊急事態宣言は、さらに1カ月延長されることになった。初めてプロンプターを使っての記者会見の菅総理の姿は痛々しく映り、この人の体は、失礼ながらあと1カ月もつのかなと思ってテレビを見ていた。
1月の発令の時に1カ月で収束させると見えを切り、「私からの挨拶とさせていただきます」と結婚式の挨拶のように締めくくったことや、「1カ月過ぎて再延長もあるのか」という記者からの質問に「仮定のことについては私からは控えさせていただきたい」と答えたことに、私は、これは何だと思った。組織のトップは常に最悪の事態を想定し、その時どう対応するのかを部下に示さなければならない。その心構えがない社長がいたら即刻クビだ。首長も同じだ。
2月3日の東京新聞の「本音のコラム」欄に文芸評論家の齋藤美奈子さんが、「数のマジック」というタイトルで、東京都のコロナウイルス感染者が減り始めていることについて書いている。それによると、東京都や神奈川県は1月下旬に「積極的疫学調査の規模を縮小する」という通知を保健所に出した。積極的疫学調査とは、陽性者からの聞き取りで濃厚接触者を追跡する調査のことだそうだ。
要するに検査人数を減らすことだ。検査の母数が少なくなれば陽性者の数も減る。最近の夕方のニュースで東京都の陽性者がどうしてこんなに減ってきたのか疑問だったが、その謎が解けた。茨城県の発表でも検査総数(母数)を出していない。だから、陽性者の数の変化だけでは、本当にコロナに感染した人が減ってきたのかどうかはわからない仕組みになっている。おかしいではないか。
死者数が増えていたり、病院などに入れない調整中の人がかなりいることも伝えられており、現場からはすでに医療崩壊が起きているという悲鳴が聞こえてくる。
国民は菅内閣に愛想をつかした?
そうしたとき、与党幹部が銀座のキャバクラとかで規制された時間を大幅に超えて遊び、しかもウソをついていたことが暴かれた。首相自らも、暮れに二階自民党幹事長らと会食したことで頭を下げている。メディアの世論調査では内閣支持率が30%台に落ち込んでいることや、東京都千代田区長選、北九州市議選、鹿児島県西之表市長選などで与党が敗北した結果を見ると、国民が菅内閣に愛想をつかしたのでは、と受け取れる。
4日には、森喜朗東京オリ・パラ組織委員会会長が女性蔑視の発言をしたとか、菅総理の長男らが総務省の幹部を接待したとかのニュースが大きく伝えられている。「菅総理は首相、社長の器ではなく、せいぜい総務部長どまり。間違って首相になってしまったのは国民にとって悲劇」という週刊誌の報道もあるくらいだ。政府与党の危機管理ができていなければ内閣は滅びるしかない。だが、菅内閣が滅びただけではコロナ問題の解決にならないのだ。
ワクチンの接種も大事だが、特効薬ではない。その前に感染源対策。感染者を早く見つけ、隔離、治療すること。中国武漢のように、コロナ専門病院をつくり、そこに患者を集中させること。医療現場でやるべきことは、素人目にもたくさんありそうだ。(元瓜連町長)
AIバス、自動運転1人乗りロボ 「つちうらMaaS」 15日から実証実験
【山崎実】つちうらMaaS(マース)推進協議会(土浦市、関東鉄道ほか11団体で構成)は15日から3月12日まで、土浦市内でMaaSの実証実験を実施する。
MaaSはアプリを利用し、複数の公共交通やモビリティーを最適に組み合わせ、検索・予約・通信・決済などを一括して行うサービスのこと。土浦は、国交省国土交通局の「2020年度日本版MaaS推進・支援事業」に選定され準備を進めているもので、市民の移動手段の確保、観光客の周遊促進などが目的。
実証実験では▽ジョルダン(本社・東京都新宿区)のアプリ「乗換案内」によるキャッシュレス化実験▽自転車道(つくば霞ケ浦りんりんロード)における電動キックボード走行実験▽土浦市新治地区におけるAIコミュニティーバス運行実験▽自動運転1人乗りロボ「ラクロTM」(AIコミュニティーバスのバス停から自宅までの、ラストワンマイルを担うモビリティー)の走行実験―などを行う。
このうちジョルダン「乗換案内」アプリによるキャッシュレス化実験、自転車道の電動キックボード走行実験、自動運転1人乗りロボの走行実験は県内初の試み。
特に、公共交通の不便地域である新治地区で、市民の移動手段確保を目的として、地区と既存路線バスのバス停、商業施設などを結ぶコミュニティーバス(無料、1台8人乗り)の運行実験が実施されることは、いわゆる「交通弱者」対策の切り札として注目される。
各実証実験の詳しい内容は以下の通り。
▽ジョルダンのアプリ「乗換案内」を使ったマルチモーダル経路検索・モバイルチケット利用(2/15~3/12実施)=同アプリで、タクシーを含めたマルチモーダル経路検索と合わせ、キャッシュレスで「つちうらMaaSモバイルチケット」を購入すれば、スマートフォン一つでバスの乗車や市内の飲食店や物販店(計59店)、観光施設などの利用ができる。「土浦グルメ・ショッピングチケット」「霞ケ浦観光遊覧船乗船券」「予科練平和記念館観覧券」「土浦市内バス1日乗車券」があり、各チケットには割引や利用特典がある。
▽自転車道での電動キックボードの走行実験(2/16~20)=電動キックボードは現在、所定の要件を満たせば原付きバイクとして公道を走行できるが、自転車道は認められていない。今回、つくば霞ケ浦りんりんロードの一部区間で、電動キックボードの活用可能性を探るため、すれ違い、追い抜き、並走など、さまざまな条件の下で安全性を確認する走行実験をする。電動キックボードは、キントーン(Kintone、本社・常総市)社が製造した茨城モデルの「キントーンモデルワン」を使用する。電動キックボードは、世界で普及しており、将来、バス停から自宅までのラストワンマイル(最後の1区間)の移動手段を担うことが期待されている。
▽「新治コミュニティーバス」運行実験(2/22~3/11)=土浦市新治地区で、地区と既存路線バス停、商業施設などを結ぶコミュニティーバスの運行実験を実施する。運行ルートの策定にあたっては、市民の移動需要を的確に捉えるため、Agoop(本社・東京都渋谷区)からビッグデータ(流動人口データ)の提供を受け、筑波大学システム情報系社会工学域、鈴木勉研究室の研究成果を踏まえ、ルートを策定した。運行は、3月2日までは時刻表に基づき運行する。3月3日からはNTTドコモ(本社・東京都千代田区)が提供するオンデマンド乗合交通システムにより運行し、効率的な運行を実現する。「AI運行バス」はNTTドコモが提供する「高度なAIによる配車制御で、乗りたいときに、乗りたい場所で、誰でも簡単に乗車予約ができる(オンデマンド)サービス」。利用者がウェブサイトや電話で乗降場所と乗車人数を予約すれば、運行中のAIコミュニティーバスがリアルタイムに配車される仕組み。車両と運行経路をリアルタイムにAIが決定し、ウェブサイトに乗車予定時刻が表示される。バスの乗車にあたっては、NECソリューションイノベータ(本社・東京都江東区)の顔認証システム及びICTまちづくり共通プラットフォーム推進機構(本社・群馬県前橋市)のマイナンバーカード公的個人認証システムによる認証実験を実施する。
▽自動運転一人乗りロボ「ラクロ」走行実験(2/26~27)=AIコミュニティーバスのバス停から自宅までのラストワンマイルを担うモビリティーとして、新治地区公民館付近の歩道で走行実験を実施する。「ラクロ」は、ZMP(本社・東京都文京区)が提供するサービス。シニアカーや電動車いすとは異なり、ジョイスティックなどを使った手動操作が必要ない。自律移動機能を搭載しているため、誤操作による事故も回避でき、バス停から自宅までラストワンマイルを担う安全性の高いモビリティとして活用が期待されている。さらに豊かな表情や声によるコミュニケーションも可能なことから、人と共生するロボットとして周囲の歩行者などと交流を図りながら走行することで街を明るくする効果も期待されている。郊外地域での走行実験は全国初。
問い合わせはつちうらMaaS推進協議会事務局(電話029-822-3710)
《介護教育の現場から》4 重度訪問介護サービスのこと
【コラム・岩松珠美】新型コロナの感染拡大に抑制がかからない。基礎疾患を抱える方や高齢などのリスクを抱えている人々には、感染予防の強化が求められているが、今回は介護保険法による訪問介護とは制度が異なる「重度訪問介護」を取り上げたい。障害者総合支援法による事業で、訪問介護員が利用者の住まいを訪問し、生活全般の援助を行う介護サービスである。
常に介護が必要とされる方(原則65歳未満)がこのサービスを受けることで、住みなれた環境で生活が続けられることを目指している。
対象は、「重度の肢体不自由、または精神障害・知的障害により行動上著しい困難があり、常時介護を要する状態」にある方。具体的には、交通事故などで四肢を欠損したり、脊椎損傷によって全身まひになった人や、筋萎縮性側索硬化症(ALS)やパーキンソン病などの難病にかかり、寝返りを打つことも難しいような重度の疾患を抱えている方が多い。日常生活を支えるために、3人の介護者が8時間・3交代が必要である。
現場に求められる人材の質
重度訪問介護の利用者数は年々増加しており、2016年は全国で1万463人に達した。この介護を担う事業所は、2016年時点で約7300カ所ある。訪問介護員は、居宅介護に従事可能な介護福祉士や介護職員初任者研修などの資格所有者、または重度訪問介護従事者養成研修修了者などである。
利用者によっては、家族がいる夜間は介護サービスを利用しないこともあるが、原則的には、利用者に必要な身の回りの援助のすべてに携わる。また、利用者ができることは見守り、援助の必要性が生じたときのために、利用者の近くで待機することも大切である。人工呼吸器装着の利用者の痰の吸引や胃ろうなど医療的ケアが必要で、コミュニケーションの難しい重度障害者のケアをできる訪問介護員は少ない。
訪問介護員と利用者の関わりで重要なことは、利用者と訪問介護員が1対1の対等な人間関係にあり、常にお互いを思いやることである。家族ではない介護者が極めてリスクが高い介護を請け負っている現実に、今のような時期だからこそ、介護の現場に要求される人材の質の高さにハッとさせられることがある。(つくばアジア福祉専門学校校長)
再認定! 決め手はユニバーサルデザイン 筑波山地域ジオパーク
【相澤冬樹】日本ジオパーク委員会(JGC、中田節也委員長)が5日開かれ、筑波山地域ジオパークの「再認定」を決めた。審査結果は同日、つくば、土浦、かすみがうら、石岡、笠間、桜川の6市からなる同ジオパーク推進協議会(会長・五十嵐立青つくば市長)の事務局本部になっているつくば市に伝えられた。五十嵐市長は「再認定は、これまでの筑波山地域ジオパークの活動が評価された結果。持続可能な地域社会を目指し、多くの方にその魅力を知っていただけるよう、活動を進めて参ります」とコメントを出した。
コロナ禍の逆境バネに
日本ジオパークは全国で43地域が認定されている。継続には4年に1度、JGCの審査を受けなければならない。今年度の再認定審査地域になっていたのは 11地域で、筑波山地域ジオパークを含む9地域が「再認定」された。今回も2地域が「条件付き再認定」 となったように、「再認定」には不断の地道な地域活動が問われる。「条件付き再認定」は2年後に再審査となり、再審査をパスできないと認定が取り消される厳しさだ。同地域は認定を受けた16年の段階で、JGCから13の課題が示されていた。事務局体制の強化などに取り組まれてきたが、多くが課題解決には至っていない。今年度に入りコロナ禍から活動の積み上げが難しくなり、市民組織である認定ジオガイドの新規募集も取り止め、ジオツアーなどの実地活動も停滞した。1月13日から15日にかけ委員会による現地調査が行われたが、事務局では緊張感を持っての受け入れとなった。5日の審査で、筑波山地域については「4年前の審査時の指摘事項について、解決に向けた取り組みが進んでいる。認定ジオガイドの育成、市民活動の推進、6市の市議会による『ジオ議連』の結成、認定商品のブランド化等を通じて、さまざまな人や組織が積極的に参加するようになった。特にユニバーサルデザインの取り組みは注目に値する。今後は、サイトの見直しを早急に進め、さらなる事業の展開を図ってほしい」との評価から「再認定」が決まった。ユニバーサルデザインの取り組みは、障害の有無や年齢、性別などにかかわらず、多くの人々が利用しやすいよう事業を展開するする考え方。たとえば県科学技術振興財団の運営するノンステップバス「サイエンスツアーバス」を使い筑波実験植物園や地質標本館を見学する催しで、手話通訳をつけたり、直接手で鉱物に触れるなどの工夫を講じた。事務局本部のつくば市ジオパーク室では「コロナ禍対応のため、逆に各市間の連絡がリモートを通じ密になり、一方ジオガイドも内部研さんに注力することができた。この辺が評価してもらえたと思っている」(伊藤祐二事務局長)とした。4年後の再度の「再認定」に向け、取り組みの達成度を上げていきたいとし、「そのためにも晴れてジオサイトで活動できる日が来るのが待ち遠しい」という。6市エリアから構成される筑波山地域ジオパークは、日本百名山にも選ばれている「筑波山」をはじめ、日本第2位の湖面積を誇る「霞ケ浦」、日本最大の平野「関東平野」など、日本を代表する大地の遺産を楽しめるジオパーク。16年に国内で41番目の日本ジオパークとして認定された。
