土曜日, 5月 15, 2021
ホーム コラム 《続・平熱日記》79 看板を作ってアレコレ考えた

《続・平熱日記》79 看板を作ってアレコレ考えた

【コラム・斉藤裕之】昨年の暮れに友人からゴルフ練習場の看板を作り直してくれと頼まれた。材料はいわゆるツーバイフォーという木材。ちなみにこのツーバイフォー、実際には2インチ×4インチではない。これは製材前の寸法だそうだが、仕上がり寸法、つまり売っているサイズは1センチほども違う。

ついでに、長さの単位はフィートだ。1フィートは約30センチで1尺に近いが、なぜかそれの12分の1が1インチだ。十進法と十二進法が混在していて面倒くさい、と思っていたら、日本のモジュールも6尺で1間という同様にひねくれた単位である。

もひとつついでに、多くの住宅はこの尺という単位でできているが、我が家はメーターモジュールで建ててある。例えば、母は150センチそこそこの背丈だったと思うが、カミさんは165センチ。予想していたわけではないが、我が家の女性3人は165センチを超え、流しに3人並ぶ後ろ姿は戦前なら大女たちのシルエットに違いない。

長さの単位はヒトの体が元になっているのだろうから、流しの高さを従来よりも10センチ高くして、すなわち尺からセンチに変えたのも必然だったのかもしれない。

「趣味は軽トラの方を少々…

さて、訪れたホームセンターの棚には、残り物のようなひん曲がった材料しかない。業界用語で板が曲がったり反ったりすることを「あばれる」と言い、「ケヤキはあばれっぺよ」なんて使う。(同じような状態を表す「ひわる」を普通に使っていたのだが、広島や山口の方言だと気づいたのは何年も前ではない)

次の入荷を待っていると年を越してしまいそうなので、仕方なく、あばれた劣等生たちをゴルフ場で借りた軽トラに積んだ。看板は3メートル×2メートルほどの大きさなのだが、文字をコンビニで拡大コピーし、カーボン紙を挟んで写し取り、ペンキで書いていくという超ローテク作業。あばれた板をいろんな道具で締め付けて、だましながら(平らにしながら)なんとか書き終えた。

コロナ禍で「看板を下ろす」いう言葉を耳にする。実は看板作りを依頼してきたのは大学の後輩で、美術の道を歩んできたのだが、訳あって家業の「看板を継ぐ」ことになった。幸いにも「打ちっぱなし業」はコロナ禍で繁盛しているそうだが。

その後、松くい虫にやられた木を一本倒してくれと頼まれて、その赤松の残骸を持ち帰るときに決めた。「おら、軽トラを買うだ!」と。「趣味は何ですか?」という質問に答えるのにいつも窮していたから、これからは「趣味は軽トラの方を少々…」と言おう。軽自動車といえば昔は360cc。つまり2合。車も当時は尺貫法で作っていたのか?

結局、出来上がった看板は、友人の手伝いで年内に無事取り付けることができた。ところで、近い将来、車も電気屋さんが看板を引き継ぐことになるのだろうか。ともかく私が軽トラでさっそうと現れる日もそう遠くない。果たしてその看板は、「何でも屋」? 「焼き芋屋」? 「ピザ屋」? 野望は膨らむ。(画家)

会員募集中

NEWSつくばでは、私たちの理念に賛同し、一緒に活動していただける正会員、活動会員、ボランティア会員、および資金面で活動を支援していただける賛助会員(クレジットカード払い可)を募集しています。私たちと一緒に新しいメディアをつくりませんか。

0 Comments
フィードバック
すべてのコメントを見る
スポンサー

注目の記事

最新記事

筑波大、流経大に完敗 2年ぶり茨城ダービー

第95回関東大学サッカーリーグ1部前期第6節の筑波大―流通経済大(流経大)戦、通称「茨城ダービー」が15日、千葉県東金市の東金アリーナ陸上競技場で行われ、筑波大は1-3で流経大に敗れた。コロナ禍により茨城ダービーの開催は2019年以来2年ぶり。 第95回関東大学サッカーリーグ1部前期第6節 5月15日 東金アリーナ陸上競技場筑波大1ー3流経大前半0-2後半1ー1 両校は、今月9日にひたちなか総合運動公園陸上競技場(ひたちなか市)で行われた天皇杯県代表決定戦の決勝戦で対決し、延長戦の末、筑波大が流経大に2-3で惜敗した。筑波大は雪辱を期して臨んだが、流経大に返り討ちに遭った格好となった。 筑波大は、前半6分に流経大DF佐久間駿希(4年)にシュートを決められ失点を許した。同35分にも流経大FW満田誠(4年)にシュートを決められ2失点。巻き返しを図ろうとするも得点を決められず0-2と流経大優勢のまま前半を折り返した。 ハーフタイムに交代した筑波大MF田村蒼生(1年)が後半17分に1点を決めて1-2に持ち込み、流経大に一矢報いたが、同21分に流経大FW齊藤聖七(3年)に3点目を決められた。

導水運用し霞ケ浦、利根川下流の水資源を有効活用 東京2020渇水対策で国交省

国交省関東地方整備局は、東京2020オリンピック・パラリンピックに備えた4月の渇水対策協議会で、渇水対応行動計画を改定した。 前回、東京オリンピック直前の1964年(昭和39)夏に、最大給水制限率50%で昼間の断水等、厳しい制限を余儀なくされたことから、これを教訓にダム群の貯水量の温存に努め、水の安定的供給に万全を期す。 渇水対応行動計画の主な改定内容は、利根川・荒川水系等で3対策(武蔵水路等の新たな運用、既存施設の徹底活用など)を新たに追加したほか▽洪水期のダムの弾力的管理は「八ッ場ダム」(2020年3月末完成、4月以降は本格的な運用開始)、「渡良瀬遊水地」を追加し計11ダムで実施する▽継続的な確保対策上、水不足の段階になった場合には外国人観光客等に対し、外国語で節水を呼び掛ける―ことなども行い、対策を拡充、強化し、渇水に備えたいとしている。 前回の1964年夏とは異なり、現在は東京都の水源として多摩川に加え、利根川、荒川の2水系が加わり、2020年3月末には八ッ場ダムも完成した。 このため首都圏のダム総利水容量は、八ッ場ダムを含め洪水期で当時の約4.5倍の12億4500万立方メートル、非洪水期で5.1倍の16億9100万立方メートルとなっているが、近年の猛暑などから首都圏の主要な水源である利根川・荒川水系では、取水制限を伴う渇水が発生している。 オリンピック・パラリンピック開催の今年も大きな懸念材料になっている。

サヨナラ勝ち アストロプラネッツ、東地区2位に浮上

プロ野球独立リーグ・ルートインBCリーグの茨城アストロプラネッツは14日、土浦市川口のJ:COMスタジアム土浦で神奈川フューチャードリームスと対戦し、4-3でサヨナラ勝ちを収めた。これで茨城は7勝7敗1分、栃木ゴールデンブレーブスをかわし東地区2位に浮上。期待の新外国人ラモン・カブレラも初ヒットを記録した。 神奈川 000002001 3茨城  000003001x 4 茨城はこの試合、土浦出身の野木和馬投手が加入後初となる先発出場。5回までを2安打2四球の好投で試合を作り、「少ない球数で抑え、攻撃につなげるピッチングを心掛けた。1、2回とも先頭打者を出してしまったが後続を断ち、野球はリカバリーができるスポーツであることを体現できた」と胸を張った。ジョニー・セリス監督も「いま一番安定している投手。コントロールがいいし気持ちも強い」と評価、今後も先発で使う意向だ。 先発で5回を好投した野木(同) 野木は初の先発とあって5回でマウンドを降りたが、6回表、2人目の久能雄汰が神奈川に先制を許した。先頭を四球で出し、三塁打と犠牲フライで2失点。しかし茨城はその裏すかさず逆転に成功。先頭の妹尾克哉の中前打で口火を切り、2四死球で無死満塁とすると、安田寿明の中前打でまずは1点。そして山中堯之の中越え二塁打で2点を加えた。これで山中は初のMVP受賞。試合後のお立ち台では「勝ちたい一心でバットを振った。これからさらに勝ち続けるので応援よろしくお願いします」とファンにアピールした。

「コップ半分の水」の捉え方 《続・気軽にSOS》85

【コラム・浅井和幸】ここにコップがあります。そのコップには水が半分入っています。このコップを見て、「コップに水が半分しか入っていない」とネガティブに考えることはいけないことで、「コップに水が半分も入っている」とポジティブに考えることがよいことだと教えられる場面があります。 世間では、ポジティブが良いことで、ネガティブが悪いことだと教わります。さて、コップに水が半分「も」入っていると考えるのがよいのか、半分「しか」入っていないと考えるのがよいのか。それぞれが勝手に好きなように考えればよいと思いますよ。 ですが、浅井はどのように考えるのか?と聞かれたら、「コップに水が半分入っているのだなと考える」と答えます。いやいや、それをネガティブに考えるのか、ポジティブに考えるのか?という質問に答えなければいけないとなると、どんな大きさのどのようなコップに、どれぐらいの水が入っていようが、ポジティブでもなければ、ネガティブでもないよと捉えます。 大切なのは、このコップと水のある背景、シチュエーションです。コップに水が入っていることが良いことか、悪いことか? そして、「も」と捉えることと「しか」と捉えることのどちらがよいことかは、別の条件がなければ判断できません。 ポジティブ思考とネガティブ思考 例えば、コップ半分の水で、十分にのどの渇きが潤せるのであれば、それは「コップに水が半分も入っている」というポジティブな意味にとらえられます。
0
コメントお待ちしてますx
()
x