土曜日, 7月 2, 2022
ホーム つくば 新学群「総合学域」で一般入試 筑波大 1年かけ所属学類選ぶ

新学群「総合学域」で一般入試 筑波大 1年かけ所属学類選ぶ

【山口和紀】筑波大学は2021年度から一般入試に「総合選抜」を導入し、新たな学群となる「総合学域群」を設置する。これまで筑波大の入試は出願時に学類・専門学群を決める方式のみだったが、新設の総合選抜では前期日程の募集人員のうち3割を「文系」「理系Ⅰ」「理系Ⅱ」「理系Ⅲ」という大きな区分で選抜する。

総合選抜の今年度の志願倍率は「文系」で2.3倍(定員128人)、「理系Ⅰ」で2.8倍(定員154人)、「理系Ⅱ」で4.0倍(定員41人)、「理系Ⅲ」で2.7倍(定員90人)に最終確定した。大学全体では、募集人員1469に対し志願者5707人で、前年と同じく倍率は3.9倍となった。

総合学域群に所属する学生は1年次の末に2年次以降の所属学類を決定するが、進路選択の幅は極めて広い。いずれの入試区分からでも体育専門学群を除くすべての学類・学群に進むことが可能になっている。移行先は、学生の志望順位と学類・専門学群側が設定する受入順位の組み合わせで決定される。特に専門性の高い医学類、芸術専門学群なども全ての区分から学生を受け入れる。国が進める「大学入試の一体的な改革に呼応」する新たな教育と入試システムの構築を目指す筑波大独自の改革だ。

筑波大は2019年度から「深い専門性と幅広い知識の両方をともに学ぶこと」を理念とする新たなリベラルアーツ教育「総合智教育」を実施し、「専門導入科目」の導入などが行われた。総合学域の新設は、この「総合智教育」を特に具体化させようとするもので「文系・理系にとらわれずじっくり学んだ後に自らの専門に進む」ことができるように設計されている。

「アカデミックサポートセンター」を設置

総合学域群長の山中弘特命教授は「自分とは違う問題意識や将来の夢をもつ仲間と一緒に、1年間の学びの中で将来の方向性を考えながら、自分の関心と適性に合った学類を絞ることができる」と受験生にメッセージを送る。また、移行先を絞ることは一人では大変になるため、他の学類・専門学群にはない「アカデミックサポートセンター」を設置し学習を手厚く支援するという。アカデミックサポートセンターでは、他学類・学群に所属する教員やコーディネーター、大学院生のティーチングアシスタントなどが総合学域群の学生をさまざまな面からサポートする。

新設される学域群ならではの苦労もあった。来年度が総合学域群初めての学生受け入れとなるため、同学域群には上級生がいない。そのため、筑波大は大学院生を含め、21年度も大学に在籍する学生すべてから新入生の履修登録の相談やサークルの紹介、懇親会の運営などを行う新歓委員を募った。

1コメント

誹謗中傷するコメントはNEWSつくば編集局が削除します。
1 Comment
フィードバック
すべてのコメントを見る

陽性確認者数(公表日ベース)の推移

つくば市

土浦市

スポンサー

注目の記事

最近のコメント

最新記事

挫折経験を強みに活躍するチームリーダー 土浦市 池田あゆみさん【ウーマン】3

土浦市田村町在住、池田あゆみさん(42)は、明治安田生命保険(本社・東京)つくば支社土浦南営業部に勤務して8年目の支部マネジャー。チームリーダーとしての仕事に「楽しくてやりがいがある」と笑顔で話す。余裕を感じさせる姿勢は、食いぶちを稼ぐための水商売を振り出しに、幾多の失敗や困難で得た経験によって培われた。 16歳で家出して水商売に 陸上自衛隊の自衛官だった父親の霞ケ浦駐屯地への異動で、小学6年のときに阿見町中央に引っ越してきた。4人きょうだいの末っ子。しつけが厳しく過干渉な母親から逃げたくて、中学3年になるとプチ家出を繰り返すようになった。 「夕方家に帰りたくなくて公園にいることが多かった。お腹が空いて、公園に隣接したコンビニが食べ残しの弁当を裏手の物置に入れるのを見ていたので、こっそり持ち出して食べました。(人の食べ残しに)抵抗はなかった。冬は学校のジャージだけで寒くて辛かった。行く当てはなくて翌朝には家に帰りました」 高校生になっても家は息が詰まり、週末は友だちと土浦の中心街に出かけるのが常だった。当時は駅前通りに大型店の小網屋や西友、丸井があって賑わい、路上でワゴン車に積んだ倒産品などを売る30代の男性、ノリさんと顔なじみになった。 何度もノリさんに「自分で稼いで食べていきたい」と訴え、夏休みが終わる頃、家出してノリさんの住む東京・小岩の高級クラブで働き始めた。クラブを経営していたママはノリさんの知人で、ママが衣装を貸してくれた。年齢は4歳サバを読んで20歳で通した。

「キーパーソン」 《続・気軽にSOS》112

【コラム・浅井和幸】「キーパーソン」という言葉を聞いたことがあるでしょうか。病院への入院や介護施設に入所するときの手続きや連絡先などの協力をする人を指すことがあります。家族などが担うことが多いですが、身寄りがない方の場合は弁護士や施設の職員などが担うこともあるようです。 それ以外に、地域福祉でも支援時に課題解決のカギを握っている人という意味で使われることがあります。例えば、コミュニケーションの取れないひきこもりの方への支援としてのキーパーソンとして、接する機会が多い家族や友人、すでに支援をしているワーカーなどが挙げられるでしょう。 「悪いのは自分ではない、社会の方だ」という信念から、支援者とは会いたくない、何をされるのか分からずに怖いと感じている方は多いものです。支援を受けるなんて迷惑をおかけして申し訳ないと考えて、かたくなに支援を拒む方もいます。 良い悪いではなく人は支え合い、その多様性の中で生きていくものです。生活上で何か支障があれば、頼れるところを頼ることは大切なことです。 しかし、頼ることに慣れていない人が、そうそう簡単に支援者を利用することを選択できないことは当たり前のことです。心身にある程度の余裕がなければ、新しいことを始めることがさらなるストレスになり、避けたくなるのは不思議なことではありません。 そのようなときに、新しいことを取り入れることができる、周りの少しでも余裕のある方に関わってもらうことは、事態を変化させることにポジティブな影響を与えます。いろいろな関わり方のできる人が周りにいることは、複数の選択肢を得ることになります。

あまり話さない息子と、あまり話さない私《ことばのおはなし》47

【コラム・山口絹記】あなたは、生まれてはじめて自分が発したことばを覚えているだろうか。 まぁ、覚えていないだろう。でも、親であれば自分のこどもが初めて発した意味のある(と思われる)ことばは覚えているのではないだろうか。我が家の上の娘も、最初は「まんまんま」とか「わんわん」とか、おそらく統計的にもよくあることばから話し始めていた。 しかし、下の1歳になる息子があまり話さない。 今年から保育園に通い始めたのだが、ついに保育園の先生に「あまり話さない」ということで心配されてしまっていた。普通はそろそろ「ママ」とか「わんわん」とかいうんですけど、ということらしい。かわいそうに、2人目のこどもということで、だいぶ適当に育てられている彼。母子手帳に書かれているような発育具合のチェックも適当になっていて気が付かなかった。 とはいえ、特に心配していなかったのには一応理由があった。保育園の先生にはなんとなく言えなかったのだが、すでにいろいろボキャブラリーがあったのだ。 一つは「でてって?(出ていけの意)」。何か気に食わないことが起きたり、私の帰宅時に飛び出すひとこと。これは姉のマネである。

日本はプーチンのロシアになるのか 《ひょうたんの眼》50

【コラム・高橋恵一】プーチンのロシアの理不尽なウクライナ侵攻を見て、日本の危機と防衛力の強化が叫ばれている。よくメディアに登場する「専門家」は、防衛省関係者・自衛隊幹部OB、あるいは旧大日本帝国の残影が残る関係者が大半だ。 「専門家」の解決策は、ロシアを押し返して、妥協できるところで停戦するシナリオだろうが、それまでにどれだけのウクライナ人が死ななければならないのだろう。ロシアの兵士は何万人死ぬのだろうか。世界の穀倉地帯の混乱で飢餓に陥る人々は16億人を超すとも予測されている。 プーチン大統領は、核兵器使用もいとわないという、無茶ぶりだ。NATO欧州加盟国は、防衛費をGDPの2%に増額するという。長期戦略として効果的かどうかも疑わしいが、少なくとも今のウクライナには間に合わない。 現在の日本の防衛予算は世界第8位。取りざたされているGDPの2%になれば、米国、中国に次いで、世界3番目の軍事費大国になる。 プーチンの侵略行為が、先の大戦のナチスドイツや大日本帝国軍の行動によく似ていることを考えれば、日本の防衛力強化は軍国日本の復活ともとられ、世界や日本国民が受け入れるとは思えない。世界は、そう見るのだ。 当然、中国もロシアも北朝鮮も、対抗して防衛力を強化する。それどころか、日本を警戒する意味で、韓国、台湾、フィリピンなどとの緊張も高めてしまうかもしれない。米国も、軍事産業部門以外からは、歓迎されないのではないか。