月曜日, 4月 6, 2026

コーヒー専門店「とむとむ」《ご飯は世界を救う》33

【コラム・川浪せつ子】県独自の新型コロナ緊急事態宣言も解除されてヤレヤレです。ですが、期間中いろいろな行動が制限され、閉塞(へいそく)状態から、私はかなりウツウツになりました。 2月は私の誕生日。この歳まで生きた自分にご褒美をあげたくて、お誕生日に閉塞感を少しでも取っ払いたくて、1人で「COFFEE HOUSE とむとむ」つくば店さん(つくば市高野台)に行き、ささやかにハッピバースデー。これって、今はやりの「ソロ活」かな。 おいしいものを選ぶときほど、幸せなことはないですね。私は、特にメニュー表が大好きです。注文し終わっても「メニュー、見たいので置いておいて下さいますか」。じっくり眺めて「次はどうしようかなぁ」「コレって家でも作れるかしら?」「〇〇さんと来たら一緒に食べたいな」。メニュー表で、空想、妄想のてんこ盛り。 ここは、朝早くからモーニングもやっています。行ったことはないのですが、かなり好評のようです。午前11時半までやっているので! そして、お値段がお手軽の割にはリッチ。あ、あ、行きたい~。 ランチもオシャレで、セットにするとコーヒーはサイホンで入れたもので、カップ2杯分になります。スイーツセット(この絵のほかいろいろ)でも、2杯飲めるので、ユックリ、マッタリ、天井の高いログハウスの空間で、時間を過ごせます。命の洗濯~!! コロナ禍で「ソロ活」を楽しむ そしてコロナ時代。こちらのお店は、大きなテーブルにアクリル板がたくさん立ち、仕切られています。だから、今回も安心してお寄りしました。お手ふきも「感染予防のため、ご自分で会計の所のダストボックスにお願いします」と説明されて。 うんうん、頑張っていらっしゃるよね。座席数も半分になっているし、大変と思いますけど、これからもおいしいお店でいてくださいね。 「ソロ活」とは、あえて1人で行動し、楽しむこと。「ぼっち」「おひとりさま」とは、少し意味合いが違います。(イラストレーター)

県全域に「まん延防止警戒期間」 21日から4月10日まで

新型コロナウイルスの感染防止対策として大井川和彦知事は16日、県全域を対象に、21日から4月10日までの21日間を「県まん延防止警戒期間」とすると発表した。3月下旬の年度末や4月初旬の年度初めに人の移動や会食の機会が増え、第4波につながると予想されることから、感染防止対策の徹底を改めて呼び掛ける。 歓送迎会は4人まで 花見は宴会無し ①卒業式や入学式後に家族以外と会食や歓送迎会をする場合、いつも近くにいる4人までとする②花見は宴会無しとし会食を控える③春休みの旅行は、国の緊急事態宣言地域やまん延防止重点措置区域との往来を自粛するーなど3点を要請する。 大井川知事は、これまでの感染拡大傾向を踏まえると、4月中旬以降に第4波が到来し、第3波の2倍のスピードで感染が拡大、現在の新規感染者数(1日当たり30人程度)の6倍に当たる、180人の新規感染者が出る恐れがあるとした。 1月の第3波は、年末年始の大規模な人の移動により到来したこと、1都3県の緊急事態宣言が21日に解除された場合、人出が増えると予想されること、ワクチンの本格的な接種は高齢者も含め5月にならないと進まないことなどから、変異株の懸念もある第4波の到来を前に対策を打つ。 現在の県内の感染状況は、感染が概ね抑制できている状態のステージ2(県の判断指標)で、新規感染者は1日30人程度で下げ止まっているという。(鈴木宏子)

協力団体が支援 コロナ禍の学生に食品無料配布 筑波学院大

コロナ禍でアルバイトが減り生活に困っている学生を支援しようと、筑波学院大学(つくば市吾妻)で16、17日の2日間、学生に食品や日用品を無料で配布する「フードパントリー」が開かれている。 つくば青年会議所OB有志(小椋直樹代表)と市民団体「竹園土曜ひろば」(毛利正英代表)の協力を受けて開設した。両団体は、学生が地域に出て社会活動を実践する同大の教育プログラムの学生受け入れ団体として、長年、同大と関わってきた。 今年1月、同青年会議所の関係者から、教育プログラムを担当する同大教員に「筑波大生を対象とした食料支援はやられているが、学院大生は大丈夫でしょうか」などの問い合わせがあったのがきっかけ。 教員らは、昨年9月から市内で大学生への食糧支援を実施してきた「竹園土曜ひろば」に支援方法のノウハウなどを尋ね、同大地域連携センター(高嶋啓センター長)が取り組むことになった。 無料配布する食品や日用品は、飲料水、野菜、コメ、レトルト食品、カップ麺、トイレットペーパー、生理用品など約100品目。事前に申し込みを受け付けた30人分を含め計50人分を2団体が準備し、提供した。イスラム教徒の留学生もいることから、豚肉などを使用していない加工食品なども特別に用意した。 16日、同大の学内食堂に食品や日用品がずらりと並べられ、訪れた学生は必要な食品や日用品をそれぞれ持ち帰った。 市内に住む同大4年の女子学生は「バイトしようと、去年、飲食店の面接を3~4社受けたが、1社しか受からなかった。今年1月、面接に受かったお店で仕事を始めた途端、県の緊急事態宣言が出て、『お客さんの予約がある日だけ来て』といわれた。アルバイトが減って大変」だと語った。 市内の4年男子学生は「4月から都内で一人暮らしをする。引っ越し費用がかさむので、生活必需品がもらえて、ありがたい」などと話していた。 食品や日用品の無料配布は同大生を対象に17日も実施される。(鈴木宏子)

霞ケ浦二橋構想25年「莫大な費用と時間要する」

霞ケ浦に二つの橋を架ける「霞ケ浦二橋架橋整備構想」ー。霞ケ浦二橋建設促進期成同盟会を構成する土浦市など8市町村は昨年11月、県議会に陳情書を提出し、二橋構想の早期具体化などを要望した。 この構想は、霞ケ浦の土浦入りと高浜入りの二つの入り江に橋を架け、北は茨城空港、東関東自動車道水戸線の茨城空港北インターチェンジ(IC)を経て茨城港常陸那珂港区へ、南は圏央道と利根川に架かる若草大橋を経て幕張新都心までをつなぐという壮大な構想だ。 土浦市、小美玉市、河内町など8市町村が、1996年に「霞ケ浦二橋建設促進期成同盟会」を設立し、以来、県はじめ関係機関に建設促進を訴え続けてきた。しかし未だ奏功せず、25年が経過している。 陳情書はほかに、美浦栄線バイパスと竜ケ崎阿見線バイパスの整備促進、千葉茨城道路と百里飛行場連絡道路の整備促進の早期実現を訴えた。 この問題について、開会中の県議会第1回定例会(2月26日~3月24日)で論戦が展開され、県側は、美浦栄線、竜ケ崎阿見線バイパスのほか、霞ケ浦周辺では、石岡小美玉スマートICと茨城空港をほぼ直線で結ぶ茨城空港アクセス道路などを整備し、さらに圏央道の4車線化、東関東道水戸線の整備などにより、霞ケ浦周辺地域は産業立地(企業進出)や、茨城港・鹿島港湾物流の増加、茨城空港による国内外との交流の促進など、地域振興のポテンシャルが極めて高いと指摘した。 その上で、現時点で霞ケ浦二橋構想は「その整備に莫大な費用と時間を要する構想」であり、公共施設の老朽化対策など、他の財政需要の拡大見込みを踏まえつつ、沿線開発の状況、費用対効果などを勘案しながら、「長期的な視点で取り組む必要がある」(知事答弁)との考えを示唆するにとどまった。 期成同盟会設立からすでに25年。霞ケ浦二橋構想は新たな視点からの練り直しが求められている。(山崎実)

東日本大震災のとき私は…《 晴狗雨dog せいこううどく 》1

【コラム・鶴田真子美】東日本大震災の3.11から10年が経ちました。災害関連死も含めて1万9600名の方が亡くなり、2528名の方がまだ見つかっていません。けがをなさった方、最愛の人や家族を失った方、飼い犬猫と離れ離れになった方、家を失い故郷を失った方、本当につらい10年だったかと思います。 私は音楽大学やNHKでイタリア語を教える教員をしながら、NPO法人を立ち上げ、つくば市内で犬猫の保護ボランティアをしておりました。3月11日も、小貝川のほとりの犬捨て場に作られた小さなシェルターにいて、6頭の犬の世話をしていました。 よい天気で、爽やかな午後でした。犬たちはドッグランの中で寝そべり、暖かな日差しを浴びてまどろんでいました。私は順番に犬を連れ、原っぱを散歩していました。すると突然、誰も来ないのに犬たちが一斉に立ち上がり、見えないものを追うように、ほえながら駆け回ったのです。 誰か来たんだと、思いました。神社を自分たちの縄張りと思っていた犬たちは、参拝客の車が土手向こうから来るたびに、警戒してほえていましたから。でも車も来ない、人影もいない、静かな河原ふちの原っぱです。と思ったら、強い風が吹きました。それまで明るかった空が突如として暗くなりました。山のてっぺんみたいに。 誰もいない河原の中央にいた私は、次の瞬間、大きく揺さぶられ、地面に倒れたのです。金村別雷神社(かなむら わけいかづち じんじゃ、雷神様)の鳥居や石碑が、地響きを立てて崩れ落ちました。 命さえあれば何とかなる この10年は、福島県だけでなく、常総市や熊本県などの被災地で保護活動をしながら、たくさんの思考を重ねました。福島第1原発の汚染水は海洋に垂れ流すとされ、廃炉もまだ見えないまま、東海第2原発の再稼働に向けて県政は前のめりとなっています。 福島の人々は置き去りにされ、東京オリンピックの準備に向けた騒ぎのなかで、新型コロナウイルスが世界を凍りつかせています。10年前のあのとき、私のなかの時計の針は止まり、今も時々動いたり止まったり。 でも私たちは生きていかなきゃならん。命さえあれば後は何とかなる。人間だけの地球ではないさ。200匹の犬猫と人間の仲間たちと暮らしている筑波山のふもとの「CAPINシェルター」から、日々の活動を発信していきます。(犬猫保護活動家) 【つるた・まこみ】1990年、東京外語大イタリア語学科卒。同大学院博士前期課程修了後、後期課程単位を取得。日伊協会講師、東邦音楽大、慶応義塾大などの非常勤講師を歴任。2008年からNPO法人「動物愛護を考える茨城県民ネットワーク CAPIN」理事長。東日本大震災後の福島第1原発警戒区域、鬼怒川水害後の常総市などに入り活動。19年から茨城県の犬殺処分ゼロを目指し活動中。21年、土浦市に「パルTNR動物福祉病院」を開設。神戸市生まれ。土浦市東城寺に殺処分を免れた200頭の犬猫と暮らす。

小規模事業所も排水基準順守を徹底 4月1日から霞ケ浦流域

霞ケ浦の水質浄化対策として4月1日から、排水基準の順守義務などが徹底され、飲食店やコンビニ店などの小規模事業所も、基準超過に対しては、改善命令・排出一時停止命令が出される。 県霞ケ浦水質保全条例などの3つの条例を改正し取り組む。改善命令に従わなかった場合は、最大100万円の罰金など罰則が適用されることになる。 水質浄化対策は、「泳げる霞ケ浦」を取り戻すため、森林湖沼環境税(年間約17億円)を活用し、森林資源の保全・整備と、霞ケ浦など湖沼、河川の水質保全事業が実施されている。 対策のうち、生活排水対策については、2008年度の同環境税導入時から19年度までの12年間で、約1万基の高度処理型浄化槽の設置補助、約7000件の下水道への接続を促進した。工場・事業場排水対策では、19年度に「霞ケ浦水質保全条例」を改正した。 県は4月からの改正条例施行に先立ち、立ち入り検査による指導を強化してきた。結果、水質汚濁のバロメーターといわれる霞ケ浦のCOD(化学的酸素要求量)は、税導入前の07年度が1リットル当たり8.8ミリグラムだったのに対し、19年度は6.9ミリグラムまで低下した。 しかし、1998年度以降、CODは霞ケ浦の西浦より北浦流域で高い状態にあり、2011年度に策定した第6期霞ケ浦湖沼水質保全計画では、西浦、北浦独自の施策目標を定めて推進した。近年は特に北浦流域を重点化し、単独処理浄化槽から高度処理型浄化槽への転換補助基数が、今年度は前年度の約3倍になるなどの成果を収めつつある。 これらの事情を背景に県は、21年度までの第3期森林湖沼環境税を活用した水質浄化対策などに引き続き積極的に取り組むほか、現在策定作業を進めている第8期の同水質保全計画の議論を参考に、「着実かつ効果的な水質浄化対策を、スピード感をもって進めていく」(県議会第1回定例会、知事答弁)としている。(山崎実)

メイドインつくばの赤い衛星 「きぼう」から軌道投入成功

筑波大学発宇宙ベンチャー、ワープスペース(本社・つくば市吾妻)開発の超小型通信衛星「日輪」(2月17日付)が14日夜(日本時間)、国際宇宙ステーション(ISS)から放出され、県内の民間企業では初めて、軌道投入に成功した。同社があるつくばスタートアップパークの特設会場で中継を見守った五十嵐立青市長は「メイドインつくばの技術でここまでやれた価値は大きい。おめでとうと言いたい」と祝福した。 衛星は、正式名称を「WARP-01(ワープゼロワン)」といい、同パーク2階にある同社で、通信基盤などが組み込まれ、一辺が約10センチ角の立方体サイズに組み立てられた。重さ1.3キロの超小型衛星で、外枠に赤のカラーリングが施されていることから「日輪」の愛称がついた。 ISSへ向かう補給船に搭載され、2月21日に米国から打ち上げられた。ISSでは日本実験棟「きぼう」に移され、放出のタイミングを待っていた。「きぼう」には宇宙飛行士の野口聡一さんが滞在中で、放出には直接関わらないが、宇宙航空研究開発機構(JAXA)筑波宇宙センターが管制業務に当たった。 14日は放出の模様をJAXAがYoutubeで配信したことから、同社がサテライトビューイング会場を開設。常間地悟(つねまち・さとる)CEOが五十嵐市長、県の伊佐間久技術振興局長らと放出の瞬間を見守った。「日輪」には同市のふるさと納税者3人の名前が刻字されている。 放出予定時刻は午後8時50分、「きぼう」の射出口から衛星が飛び出た瞬間には「あ、赤くない」の声が上がった。常間地CEOは「一瞬別の機体かと思った」そうだが、軌道上の衛星を追った画像で赤い色を確認すると「赤く見えたぞ、やった、やった」の歓声が上がった。 手塩にかけるように衛星を制作し、「日輪」の名付け親ともなった同社のエンジニア、木村洋平さん(26)は「感無量」と喜んだ。JAXA配信の画面では放出証明書の発行による成功が伝えられた。 「日輪」はほぼ地上400キロの高度で、1周約90分をかけて地球を周回する。推進装置を持たないため次第に高度を下げて、大気圏に突入し使命を終える。早ければ半年、最長で2年という寿命だが、この間に衛星運用の訓練を積むことにしている。 ワープスペースではこれをベースに、光通信モジュールを搭載した中継衛星を高度1万メートル軌道に打ち上げる計画でいる。1メートルサイズの小型衛星で、2020年末に1号機を打ち上げ、23年に2機を追加し計3機によってネットワークを展開。地上局とユーザーの低軌道衛星との間を24時間365日にわたって常時接続できるシステムの構築を目指している。 常間地CEOは「今回もクラウドファンディングなどで筑波大OB、OGをはじめ、つくばの皆さんのお世話になった。この先もつくばにこだわり続けたい」と飛躍を誓った。(相澤冬樹)

つくば市長の金看板にゆがみ 《吾妻カガミ》102

【コラム・坂本栄】つくば市長の五十嵐さんは「市民による合意形成」を市政運営の金看板にしていますが、最近、その看板にゆがみが生じました。施策Aについて市民の声を聴く手続きを進めている最中に、その議論の選択肢を事実上封じるような施策Bの具体案を公表し、合意形成の目玉ともいうべき「パブリックコメント(市民の意見募集)」を操作してしまったからです。 パブリックコメントを軽視 施策Aとは、2月10日の記者会見で公表された陸上競技場構想(高校廃校跡に400メートルトラックを持つ競技場を整備)です。詳しくは「そろそろ決着? つくば市の2大案件」(2月1日掲載)をご覧ください。五十嵐さんは会見で「市民の意見を反映させるため、3月7日まで基本構想案についてパブリックコメントを実施しています」と、同案について市民に意見を求めました。 ところが、意見募集中の2月19日、施策B=総合運動公園用地利用の具体策として、そこに防災倉庫と災害時ヘリポートを設ける案を公表しました(関連記事は2月20日掲載)。この案を聞いて、運動公園用地に陸上競技場を造ったらどうかと考えている市民は「防災倉庫を建てる計画があるのなら、陸上競技場を持ってきたらと言ってもダメかな」と思ったことでしょう。 また、「災害時ヘリポートを造るなら、運動公園用地よりも、陸上競技場のトラック内フィールドを活用した方がよいのではないか」といった対案の提出も控えられたでしょう。このように、施策Aのパブリックコメント中に、市が防災倉庫・ヘリポート案をぶつけたことで、合意形成のプロセスがゆがめられました。 防災倉庫・ヘリポート案の公表が意図的なものなのか、それとも意図せざるものなのか、よく分かりません。前者であれば、金看板の「市民による合意形成」を軽視して、市民の意見を市案に誘導するような行為です。後者であったとしても、金看板の信頼性を傷付けることになります。 政治課題の最終解決で焦り? 五十嵐さんの市政スタイル「市民による合意形成」は、前市長の「リーダーシップ型」市政の失敗を踏まえたものでした。前市長は市民によく説明せずに、総合運動公園計画(約370億円の総事業費で陸上競技場など3施設を整備)を推進。ところが、市民の反対に遭い、計画は廃止に追い込まれました。五十嵐さんの合意形成スタイルは、前市長の失政を教訓にしたようです。 市長2期目に入った五十嵐さんは、政治的な課題となっている「総合運動公園用地の最終解決」(具体的には陸上競技場の整備と運動公園用地の活用・処分)を焦るあまり、「市民による合意形成」をお留守にし、金看板の枠組みをゆがめました。看板を修理するのか、それとも降ろすのか、ウォッチしていきましょう。(経済ジャーナリスト)

つくばセンタービル舞台に 筑波大生らアーティスト12人が作品

「廃墟」としてのつくばセンタービルを舞台とした美術展示会「狢PLAY(むじなプレー)―複数性のすみか」が14日、つくば駅前のつくば市吾妻、同センタービル1階アイアイモールとセンター広場で開幕した。筑波大学の学生グループ「平砂アートムヴメント2020」(阿部七海代表、芸術専門学群4年)が主催する=3月8日付。12人の若手アーティストの作品が展示されている。 旧公務員宿舎 室内を連続描写 市内の国家公務員宿舎跡の室内写真を連続的に描写する作品「Apartment(アパートメント)」を出展したのは生物資源学類4年の河津晃平さんだ。作品のコンセプトは「無人の空間」。「コロナ禍で大学から学生がほとんどいなくなってしまって、無人の廃墟的空間に興味を持つようになった。これまで市内の空きテナントや廃墟化した大学の様子などを撮ってきた。今回は大学の授業で訪れたある意味で廃墟となった公務員宿舎のあり方を表現しようと思った。(廃墟や空き店舗で展覧会を開いている)平砂アートムーヴメントは『廃墟の中でのアート』という意味で通底するところがある」という。 河津さんは同大を卒業後、東京芸術大学大学院に進学する。「環境に興味があり生物資源学類に入った。関心は変わらないが芸術という形で表現してみたいと思うようになった。誰もいない無人の空間とその美しさをこれからも探求していきたい」と語る。 食器やフライパンなどを小型のバイブレーターで鳴らす作品「sound bugs(サウンドバグズ)」を出展するのは情報メディア創成学類3年の頃安祐輔さん。食器や調理器具にバイブレーターがたくさん付けられていて、それが振動することで、食器などが一定の間隔で鳴るようにプログラムしてあるという。コンセプトは作品名の通り「バグ」。「コンピューターの意図しない誤動作(バグ)」と「小さなたくさんの虫」という意味が込められている。 頃安さんはメディアアーティストとして著名な同大の落合陽一准教授のゼミに所属している。落合研究室のゼミ生が複数所属しているというアーティストグループ「TParty(奥山裕大代表、総合メディア創成学類3年)」の一員として活動しており、「オーディオデザインに関心があり、そうした方向性の作品を作りたいと考えていた」という。 つくられた街のアイデンティティを見る つくばセンタービルの「虚構性」と、人工的に計画された街の中心としての「つくばセンター広場」に向き合う作品「Representation(Tsukuba)(リプリゼンテーションつくば)」を出展するのは、東京大学学際情報学府修士1年の阿部修一郎さんだ。町村合併前のつくば市の6つの地域の土を集め、一つの作品に表現した。背後には阿部さんが市内各地域で「あなたにはつくば市民としてのアイデンティティはあるか、ないか」と問い掛け、インタビューした音声が流れ続けている。 「つくば市はすごく人工的な形でつくられた街。もともとバラバラに存在していた6町村を無理やり人工的に覆った、そういう場所。その中心に会場であるつくばセンター広場があるが、それは上がただ言っているだけの『虚構』であって、そのことに向き合おうと考えた。人々がどのように『つくば市』というものをとらえているのかが知りたい」と語る。 インタビューは、阿部さん自身がさまざまな立場の人から話を聞いたもの。「話を聞いていく中で印象に残った話があった。筑波大学を出てそのままつくばに住んでいる人が『子どもができてはじめて地域のネットワークの中に入れたような気がする』と話してくれた。人工的につくられたこの街で、どういうアイデンティティを人々が持っているのか、そういうことを考えたいし、見た人に考えてもらえればいい」。作品の手法については「自分は文化人類学を専攻していて、そこに住む人々に話を聞くということ自体は普通の手法。それをたまたまこういう形で表現しているに過ぎないと思う」と話す。(山口和紀) ◆同展は31日まで。入場無料。開催時間は正午から午後8時まで。

さくらの杜ショッピングセンター 19日誕生 つくば市中根・金田台

【相澤冬樹】つくば市東部のニュータウンにこの春、大規模ショッピングセンターが誕生する。つくばエクスプレス(TX)沿線開発事業の一つ、中根・金田台特定土地区画整理で生まれた新街区、さくらの森に、地元デベロッパーが店舗面積約1万3600平方メートルの「さくらの杜ショッピングセンター」を整備した。複合店舗の先陣を切って19日、核テナントのスーパーがオープンする。 ショッピングセンターは、県道土浦大曽根線沿いの敷地約8万6700平方メートルに、3棟からなる店舗で構成される。核店舗となるのはスーパー、ヨークベニマル(本社・福島県郡山市)とホームセンター、コメリ(本社・新潟市)で、ドラッグストアや100円ショップなども軒を並べる。別のテナント棟にはコインランドリー、美容室、ゴルフスクールなどが入居する。駐車場は967台収容で整備された。 新型コロナ対策から、華々しいオープニングセレモニーは控えられるが、ヨークベニマルつくばさくらの森店が19日午前8時40分、テープカットを行い同9時に開店する。同日、ドラッグストアのマツモトキヨシ、25日にコメリパワーつくば東店が開店し、各テナントも3月中に順次オープンする。 コロナ禍で店舗開発 開発したのは建築・不動産業のクラフト(土浦市中高津、稲村冨士男社長)。スーパーやドラッグストアなどの単独店舗は手掛けてきたが、複合型ショッピングセンターは初めて。都市再生機構(UR)から事業用地を取得したのは2017年だったが、埋蔵文化財調査などのために引き渡しが2019年となるなど船出に手間取った。 ようやく造成に着手できたのは昨年3月、今度はコロナ禍の中での店舗開発を強いられた。「関係者集まっての会議は毎月のように22回ほど開いた。25~30人が集まるので、新型コロナの緊急事態宣言が出てからは参加者の体温チェックをし、テーブルの間隔をあけるなどの対策を講じての協議となった」(クラフト・坂本淳課長)という。 中根・金田台は、都市再生機構により地区面積約190ヘクタール、計画人口8000人で開発された。「緑住農一体型」の住宅地整備を行うなどしてなど2018年までに竣工、同年11月の住居表示で春風台、さくらの森、流星台の3行政区に編成された。同年10月に328世帯846人だった人口は、ことし2月には1165世帯2600人になった。この1年は特に「東京脱出組」を含めた移入が目立って増えているという。 急増する流入人口には待望の商業施設であると同時に、就業の場ができた形。コロナ禍にあってもスーパーやホームセンターなど流通業は客足を伸ばしていることもあって、今回出店の各テナントとも競うように大量求人に乗り出した。 課題は交通環境。TX沿線整備事業ながら、最寄りのつくば駅へアクセスするのに、土浦学園線と学園東大通り線へつながる道路が共に途切れていて使えない。買い物客はマイカー頼みだけに週末などの渋滞が懸念される。クラフトの稲村社長は「都市計画決定はしているのだから、県と市には早急な事業化をお願いしたい」と話している。

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