霞ケ浦の水質浄化対策として4月1日から、排水基準の順守義務などが徹底され、飲食店やコンビニ店などの小規模事業所も、基準超過に対しては、改善命令・排出一時停止命令が出される。
県霞ケ浦水質保全条例などの3つの条例を改正し取り組む。改善命令に従わなかった場合は、最大100万円の罰金など罰則が適用されることになる。
水質浄化対策は、「泳げる霞ケ浦」を取り戻すため、森林湖沼環境税(年間約17億円)を活用し、森林資源の保全・整備と、霞ケ浦など湖沼、河川の水質保全事業が実施されている。
対策のうち、生活排水対策については、2008年度の同環境税導入時から19年度までの12年間で、約1万基の高度処理型浄化槽の設置補助、約7000件の下水道への接続を促進した。工場・事業場排水対策では、19年度に「霞ケ浦水質保全条例」を改正した。
県は4月からの改正条例施行に先立ち、立ち入り検査による指導を強化してきた。結果、水質汚濁のバロメーターといわれる霞ケ浦のCOD(化学的酸素要求量)は、税導入前の07年度が1リットル当たり8.8ミリグラムだったのに対し、19年度は6.9ミリグラムまで低下した。
しかし、1998年度以降、CODは霞ケ浦の西浦より北浦流域で高い状態にあり、2011年度に策定した第6期霞ケ浦湖沼水質保全計画では、西浦、北浦独自の施策目標を定めて推進した。近年は特に北浦流域を重点化し、単独処理浄化槽から高度処理型浄化槽への転換補助基数が、今年度は前年度の約3倍になるなどの成果を収めつつある。
これらの事情を背景に県は、21年度までの第3期森林湖沼環境税を活用した水質浄化対策などに引き続き積極的に取り組むほか、現在策定作業を進めている第8期の同水質保全計画の議論を参考に、「着実かつ効果的な水質浄化対策を、スピード感をもって進めていく」(県議会第1回定例会、知事答弁)としている。(山崎実)