月曜日, 4月 6, 2026

オリジナルフレーム切手発売へ つくばわんわんランド25周年記念

つくばわんわんランド(つくば市沼田)の開園25周年を記念し、オリジナルフレーム切手「つくばわんわんランド わんにゃん大集合」が発売されるのに先駆け、「ワンワンワンの日」の11月1日、同ランド内のモックン広場で関係者による贈呈式が開かれた。 90犬種500頭以上の犬と出会える日本最大級の犬猫のテーマパークは1996年4月27日の開園で、今年25周年を迎えた。これを記念するオリジナルフレーム切手「わんにゃん大集合」は8日、日本郵便関東支社から800シート限定で発売される。販売場所は茨城県南・県西地区と水戸中央、茨城県庁の計206郵便局のほか、郵便局のネットショップと、つくばわんわんランド内。 贈呈式では同支社茨城県南部地区統括局長の伊藤祥紀さん(佐貫駅前郵便局長)が「フレーム切手の提案に喜んで応じてくださり、写真のご提供など多くのご協力をいただけた。つくばの地で大勢の観光客にご来場いただき、たくさんの子どもたちがここで笑顔になる、そのお手伝いを私どもができればうれしい」とあいさつ。サンスイグループ・つくばわんわんランドの東郷茂副社長は「選ばれたことは大変光栄。日頃の努力が報われ、スタッフ一同感無量の思い。今後も県の観光拠点として頑張っていきたい」と感謝を述べた。 フレーム切手は84円切手10枚によるシートで、1シート1330円(税込み)。デザインには同ランドで過去に撮りためた、ビーグルやプードル、柴など人気の高い犬種の愛くるしい仔犬の姿を主に使用。人気のアトラクション「わんわんレースショー」「わんわんパーク」「ねこハウス」の写真も入った。 「わんわんパーク」の写真に登場したのは人気トップスリー、グレートピレニーズの「ピエロ」、ニューファンドランドの「ふうた」、ホワイトシェパードの「ハイジ」。いずれも大型犬で家庭ではなかなか飼えないため、ここへ触れ合いに来る人が多いそうだ。「ねこハウス」からはふわふわの巻き毛が魅力のラパーマが選ばれた。 支配人の寺崎修司さんは「ランドではわんわんメモリアルパークの建設も進み、ゆりかごから墓場までの体制が整いつつある。切手に恥じない施設にして、次の30周年も迎えたい」と感慨を語った。ご当地切手というとこれまでは景勝地や鉄道などが多かったが、最近はスポーツチームや観光施設など新しいテーマも増えつつある。こうした形で地域のPRを手助けし、盛り上げに一役買えればとの思いがあるそうだ。(池田充雄)

センタービル問題 まだ続く迷走《吾妻カガミ》119

【コラム・坂本栄】つくばセンタービル改修で市の迷走が続いています。市にはこの程度の事業も企画・実施する力がないのかと思ってしまうほどです。久しぶりにこの問題を取り上げ、首をかしげざるを得ないところを整理してみます。 3カ月前の「五十嵐つくば市政 揺らぐその原点」(8月2日掲載)では、広く市民・市議・識者の意見を聴いて事業を進めるという五十嵐市政の原点が、センタービル改修事業では失われているのではないかと指摘しました。市政の基本スタンスを自ら崩し、それをどう繕うかと焦り出したことが、迷走の背景にあるようです。 市民を軽視 議会も軽視 市報10月号を見て思わず笑いました。センタービル改修説明の下に、この事業について意見を募集しているとの告知があったからです。現施設の一部解体が10月半ばから始まるというのに、今ごろ意見募集とはおかしなことです。五十嵐市政の基本からすれば、事業立案段階で市民の声を聴かなければならないのに、着手後に意見を聴くとは順番が逆ではないでしょうか。市民軽視です。 市の議会対応にも笑いました。記事「『資金調達現在進めている』 改修工事費用でまちづくり会社」(10月16日掲載)によると、議会(全員協議会)に呼び出された第3セクター(センタービルの一部改修と施設運営を担当する会社=市が筆頭株主)の専務(市から派遣)が、改修の資金計画を示すよう迫る市議の質問から逃げ回ったというのです。議会軽視です。 市議の議決行動にも笑いました。一部の議員が「センタービル工事を議会や市民に説明なしに拙速に進めないことを求める決議」を議会(臨時議会)に出したところ、そんなことをやっていると改修工事が遅れると、否決されたというのです。市民に選ばれたはずの議員の多くは、市民の方ではなく、市執行部の方を向いているようです。軽い議会です。 設計した著名識者も軽視 市の常識の無さも笑いました。改修する建物や広場を設計した著名人にろくな挨拶もせずに、その文化的価値を壊すような図面を描いていたからです。記事「市長、磯崎さんに面会熱望」(10月8日掲載)を読んで驚きました。情報開示請求で明らかになったメールのやりとりによると、市職員が磯崎事務所を訪れたのは1回だけ、市長はまだ面会もしていない、というのです。識者軽視です。 この問題を点検していて、市民・市議・識者の意見を大事にするという五十嵐市政の基本が吹き飛んでいることが分かりました。センター広場改修に反対する活動をしている冠木新市さん(脚本家)には、「喜劇・センター騒動」を書いてもらいたいものです。市に税金を納めている市民にとっては悲劇ですが。(経済ジャーナリスト) 参考 <拙速に進めないよう求める決議への市議の賛否(敬称略)> 賛成:飯岡宏之、宮本達也、木村修寿、塚本洋二(以上自民党政清クラブ)/橋本佳子、山中真弓(以上日本共産党つくば市議団)/金子和雄(新社会党つくば)/小村政文(創生クラブ) 反対:黒田健祐、長塚俊宏、神谷大蔵、五頭泰誠、久保谷孝夫(以上つくば自民党・新しい風)/小森谷さやか、川村直子、あさのえくこ、皆川幸枝(以上つくば・市民ネットワーク)/小野泰宏、山本美和、浜中勝美(以上公明党つくば)/高野文男、中村重雄(以上創生クラブ)/塩田尚(山中八策の会)/木村清隆(清郷会)/川久保皆実(つくばチェンジチャレンジ) 欠席:ヘイズ・ジョン(つくば自民党・新しい風)/鈴木富士雄(自民党政清クラブ)

国光氏(自民)再び青山氏(立憲)下す 衆院選茨城6区 

衆院選は31日、投開票が行われた。つくば、土浦市などが選挙区の小選挙区茨城6区は、共に2期目を目指した自民の国光文乃氏(42)と立憲の青山大人氏(42)の与野党一騎打ちとなり、国光氏が青山氏を下し、前回2017年に続いて再び勝利を飾った。小選挙区で及ばなかった青山氏は比例復活(北関東ブロック)で当選を果たした。小選挙区の当日有権者数は45万4712人、投票率は53.62%(前回51.50%)だった 国光氏は、国会議員唯一の感染症専門医であることを強調し「コロナを終わらせ命と暮らしを守る」などと訴えた。国道6号バイパスの予算拡充、国立病院機構霞ケ浦医療センターの黒字化達成など地元での実績も強調した。自民党本部から重点区と位置付けられ、岸田文雄首相、安倍晋三、菅義偉元首相と歴代3人の首相経験者らが次々に駆け付け、公明の支援も受けて総力で臨んだことが奏功した。 青山氏は、約5800票差で敗れた前回2017年の選挙戦を跳ね返そうと「地元生まれ、地元育ち」を強調し、各地域をこまめに回って後援会組織を強固にして臨んだ、加えて告示日直前に共産党が立候補を取り下げ、初めて野党共闘で臨み、選挙戦後半には立憲の枝野幸男代表が応援に駆け付けた。選挙戦では与野党が拮抗(きっこう)した緊張感ある政治、信頼と公正、優しい政治などを訴えた。小選挙区では、あと一歩及ばなかったが、前回に続いて比例復活で当選を果たした。 勝利にわく国光事務所 つくば市吉瀬の選挙事務所には多くの支援者が詰めかけ、午後9時31分、テレビで当選確実が報じられると、大きな拍手が起きた。直後に国光氏が事務所に入り、NHKや茨城放送のインタビューには、激戦に勝ち抜いたうれしさからか言葉が詰まり、声がよく聞こえないほど。 事務所には、鈴木茨城県医師会長、池田JA水郷つくば組合長、安藤土浦市長、五十嵐つくば市長、坪井かすみがうら市長、自民党の伊沢県議(土浦)、星田県議(つくば)、塚本県議(同)、公明党の八島県議(土浦)、土浦の小坂市議会議長、つくばの久保谷市議ら、選挙区の後援者や首長・議員の顔が数多く見られた。 国光氏は挨拶で、「(1期目の)4年間、そして、この選挙で支えていただき、本当にありがとうございました。お一人おひとりとのいろいろな思い出が、走馬灯のように浮かんできます。皆さまのお言葉、ご期待、叱咤激励を心に刻み、皆さまの命と暮らしを全力で守っていきます。この茨城県南を、そして日本をつくっていきましょう」と述べた。 国光文乃 42 医師 自民 前②【公約】①現役医師の知見を生かしたコロナ対策②国道6号バイパスの早期完成?TX延伸④農家所得の拡大【略歴】山口県出身、長崎大学医学部卒。病院勤務を経て、厚労省保険局医療課課長補佐。2017年、丹羽雄哉元厚労相の後継者として初当選。自民党新型コロナ対策本部プロジェクトチームの事務局次長。  小選挙区 茨城6区 開票結果(市町村別)        国光文乃 青山大人土浦市     2万8889  3万0814石岡市     1万7056  1万4703つくば市    5万5967  4万7525かすみがうら市   9944    8947つくばみらい市 1万1955  1万0154小美玉市6区    1892    1427    6区計 12万5703  11万3570 青山氏が比例復活 土浦市下高津の青山氏の選挙事務所では、小選挙区で敗れた後も支持者らがテレビで、北関東比例区の開票の様子を見守った。日をまたぎ11月1日午前3時、当確が伝えられると、事務所に残った支持者から大きな拍手と歓声が沸き起こった。これを受けて青山氏は「今でも信じられません。最後に一議席入るぞ、という皆さんの信念が形になったと思います」と話した。 報道陣との質疑で青山氏は「一対一の構図にはなったけれど3人の総理大臣(経験者ら)が投入されるなど組織戦に対し、我々は本当に地元の皆さまとの信頼関係、絆で戦った。(小選挙区では)若干及ばなかったことは私自身反省している。自分の普段の活動が足りなかった」と反省点を述べた。 また、大学生や飲食店従業員などコロナ禍の影響で困窮する人々について、青山氏は「(生活支援が)必要な方たちに対して手が差し伸べられていないじゃないですか。そういう現状を踏まえてしっかりやらなきゃと思っている」と生活支援を進める考えを示した。 青山大人 42 元県議 立憲 前②【公約】①幅広い業種への助成金や生活支援金の拡充など新型コロナ対策と経済の両立②消費税減税③原発からのエネルギー政策転換【略歴】土浦市出身、土浦一高、慶応大学経済学部卒。国会議員秘書。県議2期。2017年の衆院選は小選挙区で敗れたが比例復活当選。立憲民主党政務調査会会長補佐。

土浦日大 1点差及ばず 高校野球関東大会1回戦 

来春の選抜高校野球大会(センバツ)につながる第74回秋季関東高校野球大会は31日、水戸市見川町のノーブルホームスタジアム水戸で1回戦4試合を行い、桐生第一(群馬1位)と対戦した土浦日大(茨城3位)は2-3で敗れた。相手の継投に目先を変えられ、打線がつながらなかったのが敗因だった。 土浦日大は初回、後藤陽人の左中間三塁打と吉次悠真の右前打で1点を先制。守備では先発のエース山田奏太が、スローボールでカウントを稼ぎ、変化球で打たせて取るピッチングで、1・2回はいずれも三者凡退に抑える。 だが3回は送球エラーから同点とされ、4回にもエラーがらみで2死二塁から2連打を浴びて2点を奪われた。「エラーで集中力を切らしてしまい、打たれて流れを渡してしまった。ここを乗り越えないと強豪校には勝てない。県大会と比べて相手が粘り強く、追い込んでから当てられたことも原因だった。1球1球の重みを感じた」と山田。 2回以降、打者一巡ごとに投手を替える桐生一の継投策にはまり、土浦日大は5回まで1安打。6回に吉次が左前打から盗塁を決め1死二塁とし、香取蒼太の中前打で1点を返す。 その後、土浦日大は山田に代わり6回途中から登板した河野智輝が被安打2と好投し、味方の援護を待つ。だが桐生一もエース北村をマウンドに上げ、追撃を許さない。9回裏、2死一・二塁の好機をつくるが、次打者が二ゴロに倒れゲームセットとなった。 土浦日大の小菅勲監督は「相手の方が一枚上。わずか1点差だが振る力、しっかりつなぐ力の違いが現れた。山田は若干疲れもあったがよく流れを作った。河野もプレッシャーがかかる中、自分のピッチングを続けてくれた」と、打撃陣の不足と投手陣の収穫を挙げた。 武田優輝主将は「温存されたエースを早く引きずりだそうとしたが、あせって凡打が続き、波に乗れなかった。序盤から打つべき球を絞れば、自分たちの流れにしていけたのではないか」と反省の弁を述べ、「自分たちの課題はバッティング。この冬に基礎体力や体重・体格を上げ、バットを振り込んで強い球を打てるようにしたい」と来夏へ向けて目標を掲げる。(池田充雄)

「宝探しみたい」レンコン収穫に挑む JA水郷つくば大使 安達勇人さん

JA水郷つくば大使の安達勇人さんが29日、土浦市田村町にある自身のハス田「アダチハウス・ロータスファーム(ADACHI HOUSE LOTUS FARM)」で収穫体験をした。ゴム胴長姿でハス田に入り、立派に育ったレンコンを次々に掘り当て「久しぶりのレンコンとの出会いで楽しい時間を過ごせた。植え付けから収穫まで向き合い、改めて自分の子どもみたいな思い入れを感じた」と語った。 春に種バスの植え付けをした(5月1日付)ハス田に、再び挑んだ安達さん。前回は軟らかい泥に足が埋まってしまったが、季節を経て泥が締まり、今回は動きやすかったそうだ。 水深は腰までだが、収穫のときは膝立ちになるので胸元まで水に浸かる。この姿勢で左手でホースを操作し、水流で泥を溶かしながら右手でレンコンを探る。JA水郷つくば蓮根本部会会長の石神一幸さんが「レンコンはナイーブ。長くて折れやすいし、水をかけすぎたり触りすぎたりすると紫色に変色してしまう。芽がある先端の方は特にデリケートなので、お尻の方から持ち上げる」とアドバイスする。 「レンコン掘りは宝探しみたい。土の中は見えないが、大きいのを探り当てると感動」と安達さん。掘ったレンコンは水で洗浄してつやを出し、節にあるひげ根などを削って形を整え、箱詰めされる。県の指定産地銘柄である田村レンコンの場合、朝掘りしたものが午後2時のトラックで東京・横浜の指定市場へ向けて発送され、翌日には店頭に並ぶという。 「シャリシャリした中の弾力」 安達さんは先日、さっそく新物のレンコンでステーキと天ぷらを作ってみたそう。ステーキは厚さ3センチほどの輪切りにし、油を引いたフライパンでじっくりと火を通す。厚く切ることで食べごたえが出て、素材の甘みも際立つという。 「味付けは塩コショウだけで、すごくおいしくいただけた。シャリシャリした中にもっちりした弾力があるような、ほかに代えがたい食感。簡単にできるのでぜひ試してみて」と安達さん。石神会長の妻のれい子さんは「スライスした柿と生ハムをはさむのもお勧め」という。 安達さんは「自分で育てたレンコンを食べるなんて、めったにできない経験。いままで気付かなかったいろんな味に気付いた。根菜なので体にいいし、ビタミンCや食物繊維も豊富。田村のおいしいレンコンで、たくさんの人が笑顔になり、食卓が幸せになってくれるといい」と締めくくった。 今年のレンコンは、8月ごろから台風や大風が続いて作柄が心配されたが、品質・価格とも例年並み。これから身が詰まっておいしい時季を迎えるそうだ。(池田充雄)

輪行袋不要のサイクルバス 関鉄 土浦駅-筑波山口間で実証運行

関東鉄道(本社・土浦市、松上英一郎社長)は11月1日から、土浦駅と筑波山口を結ぶ路線バスに自転車が積載できるバスを実証運行する。輪行袋に収納しなくても、車内に2台まで積み込めるサイクルバスで、JR常磐線の駅から運行するのは県内で初めて。 仕事や買い物利用でも使える 土浦駅 - 筑波山口間の路線は、自転車道「つくば霞ケ浦りんりんロード」をほぼ平行に走る約20キロ、約50分間の距離で、どの停留所からでも自転車と一緒に乗り降りできる。実証運行期間中、積載料は当面の間、無料。 りんりんロードを自転車で走るサイクリストが、行きや帰りに路線バスを利用したり、急勾配の筑波山を上り下りするヒルクライムに挑戦するサイクリストが利用することを想定している。 バスは69人乗りの大型バスで、車内の座席のうち中央の4席を取り外し、自転車2台が積み込めるようにした。乗客自身が自転車を車内に持ち込み、前輪と後輪を車輪止めで固定し、ベルトで車体を固定する作業を行う。方法が分からない場合は運転手が手伝ってくれる。 サイクルバスは、平日午前10時から午後4時20分まで往復2便、土日祝日は午前7時50分から午後5時20分まで往復4便運行する。 つくばエクスプレス(TX)つくば駅と筑波山を結ぶバスは、つくば市が運行するコミュニティーバス「つくバス」に2010年から自転車1台が車外に積載できるようになっている。土浦駅発の路線バスに自転車が積み込めるようになることで、TXと常磐線の両方から、自転車を積載して筑波山に向かうことができる。 同社企画課の森田玲泉係長は「サイクリストばかりでなく、一般の人も利用してほしい」と話し、観光やレジャーばかりでなく、日常の仕事や買い物での利用を呼び掛ける。公共交通の利用を促進するためには、ラストワンマイルといわれる自宅からバス停までの二次交通手段の確保が課題とされており、課題克服を視野に入れた実証運行でもある。利用者が多い場合、他の路線にも自転車積載バスを拡大していく方針だという。(鈴木宏子) ◆土浦駅 - 筑波山口の乗車料金は片道大人940円。自転車積載の予約は不要。

作谷の森で楽しい技法を求めて 飯塚優子さん【染色人を訪ねて】4

これまで訪ね歩いた染色家との対話で、「作谷には行きましたか?」という問いかけを、同じようにいただいた。この連載は当初、3回でまとめるつもりだったのだが、「それでは一人足りない」とも告げられた。 つくば市北部の作谷に伺うと、染色家達に教えられたように、森の中にアトリエがあった。「ぷにの家」である。 このアトリエを営む飯塚優子さん(50)は、藍染もこなすが専門は草木染だ。草木染は、前回紹介したfutashiba248(フタシバ)の関夫妻の項でも記したとおり、弥生時代までさかのぼる染色技法だが、飯塚さんの場合、以前勤めたことのある工房が厳しく守ろうとする伝承文化としての格式を認めながらも、染色はもっと広く楽しく多くの人々に知ってもらうものではないかと思い至り、その世界から独立した。 「この森と屋敷は祖母の家を受け継いだもので、古い鶏小屋をアトリエに改造したのです。草木染めは独立するまで東京の自宅で行っていましたが、いろいろなチャレンジ、本格的な染色をするためには、マンションの室内では限界があったから」 飯塚の姓は旧姓。彼女は本サイトで2019年、つくば市立秀峰筑波義務教育学校が開校の記念に作成した「秀峰筑波かるた」の企画制作者として、柿崎の姓で紹介されている。本来そちらが現在の名字だが、「ぷにの家」においては旧姓で仕事をしている。 「作谷の森には、1996年頃にやってきました。今もあまり変わりませんが、あの頃は、こんな田舎に隠遁してしまって暮らしていけるかと頭を抱えることもありました。でも今は、主人と4人の子どもたちと過ごしています」 飯塚さんが作谷に定住したことによって、大きな出会いを得ることになっていく。 染色家としてのなりわいは、地域の保育園での卒業制作としてミニトートバッグなどの体験染色を請け負い、オリジナルデザインや文字入れを施した手ぬぐい、シャツなどの受注をしながら、定期的に草木染めを主体とした工房体験教室を開いてきた。つくば市内を中心に各地の地域イベントにも出店している。 こうして名前と顔が地域に広まっていく中、2010年のある日、近隣の北条地区にかつて所在した染物工場が使っていた「型紙」を譲り受けることになった。 「工場は半世紀前には失われていましたが、縁者の方から、あなたが役に立てなさいと言われて、3000枚ほどの型紙を委ねられたんです。大半が劣化していて使用に耐えられるものは300枚くらいでしたが、旧筑波町に確かに染め物を営む人がいらした証をいただけた。染色家の1人としては、これは大変なことになったという思いをしたのです」 この型紙は、展示会などで紹介する一方、型紙そのものをベースに、体験教室でも型紙を起こすプロセスを加えるなど、染色技法と歴史の一環として体験参加者とともに再現活動を行っている。 「次第に活動内容が大きく複雑になってきました。1人でやっていくのが大変だなと感じているところに、この数年、若手の染色家がつくば発の活動を始めているわけです。最初はね、お互いに顔見せすることもなかったんですよ。といって、私は25年前からここにいるのよ、遊びに来てよとも、初めのうちは言えなかったの。少しずつ交流を始めて、丹羽さん、渋谷さん、関さんご夫妻と情報交換するネットワークを作りました。私は染染(そめそめ)クラブと呼んでいます」 天然素材にこだわる若手染色家たちに比べて、飯塚さんの染色は、化学的に開発された市販の抜染糊(ばっせんのり)を積極的に用いた型押し抜き。あらかじめ藍染された布に、型紙だけでなく木の葉などを使って抜染糊を置く。その部分だけが、薬品反応と湯煎の熱処理によって白く色が抜け文様となる。体験教室にやってくる子どもたちは、そのプロセスと出来映えに興味津々だ。 「藍染は、若手にお願いしようと考えています。私は草木染の伝統技法だけにこだわらず、新しいアイデアとの組み合わせを通して、型押し抜きの面白さや、栽培しているマリーゴールドの花がどんな色で布地を染め上げるかを楽しんでいるから」 飯塚さんに会うまで、作谷の森にいるのは魔女や魔法使いやらの例えだろうかと考えていたが、染色は論理と化学と自然を融合させるものと言っても良い。それを大幅に広い意味で解釈すれば、彼女は染分野の錬金術師なのだと感じた。 飯塚さんは今後、「ぷにの家」を「ぷにの邑」へと発展させるという。染色以外の活動では、「秀峰筑波かるた」の地域性をつくば市内の他地区ごとに広げた「つくばかるた」の制作も温めている。作谷の森の錬金術師は人々の優しさをつなぐために、染の魅力を振るっている。(鴨志田隆之) 飯塚優子(いいづか・ゆうこ)草木染の大家であった故・山崎青樹の姪。大学時代に草木染を始め卒業後にその道へ進むが、自らの理念を貫き独立。草木染以外の様々な染料や技法を研究し、誰もが楽しめる染物を提案している。ぷにの家 : https://www.instagram.com/puninoie/?hl=ja 終わり

つくば、土浦で最後の訴え 衆院選あす投開票

衆院選は31日、投開票が実施される。接戦が伝えられる小選挙区茨城6区はいずれも前職で2期目を目指す元県議の青山大人氏(42)=立憲=、医師の国光文乃氏(42)=自民=の2氏が立候補している。青山氏の応援には立憲民主党の枝野幸男代表が、国光氏には自民党総裁の岸田文雄首相がそれぞれ駆け付けるなど激戦が展開されている。選挙戦最終日の30日は両候補とも、有権者数が多いつくば市や土浦市で最後の訴えをする。 青山氏は「地元生まれ 地元育ち」を強調し、「信頼と公正、優しい政治」などを掲げて12日間、各地域をこまめに回って街頭演説を展開してきた。立憲の枝野代表のほか、田名部匡代参院議員、江田憲司代表代行、泉健太党政務調査会長らが応援に駆け付けた。最終日の30日は、つくば、土浦市内の計10カ所で街頭演説する。午前中につくば市の万博記念公園駅前、タイヨー学園の森店前、とりせん研究学園前で演説、午後1時からは万博記念公園前、1時40分に陣場公園前、2時30分にみどりの中央公園前、3時にヤックスドラッグつくばみどりの店前、3時45分に緑が丘団地イチョウ公園前、土浦市は、午後5時に中華料理ゆきむら真鍋店前(土浦市真鍋新町)、7時に土浦駅西口前で最後の訴えをする。 一方、国光氏は、国会議員唯一の感染症専門の医師であることを強調、「コロナを終わらせ命と暮らしを守る」などと訴え、19日の告示日から12日間、選挙区内各地を回ってきた。選挙戦では、自民党本部の重点選挙区として、岸田首相のほか、安倍晋三氏、菅義偉氏と、歴代3人の首相経験者が相次いで6区入りした。ほかに、三原じゅん子参院議員、小野寺五典元防衛相らが応援に駆け付けるなど、党本部から次々と6区入りした。最終日の30日は土浦市内1カ所、つくば市内2カ所の計3カ所で街頭演説する。土浦市は、午前11時に土浦駅西口の土浦市役所前、つくば市は、午後6時にイーアスつくば前、7時45分に吉瀬の選挙事務所で最後の訴えをして締めくくる。 青山大人 42 元県議 立憲 前①【公約】①幅広い業種への助成金や生活支援金の拡充など新型コロナ対策と経済の両立②消費税減税③原発からのエネルギー政策転換【略歴】土浦市出身、土浦一高、慶応大学経済学部卒。国会議員秘書。県議2期。2017年の衆院選は小選挙区で敗れたが比例復活当選。立憲民主党政務調査会会長補佐。 国光文乃 42 医師 自民 前①【公約】①現役医師の知見を生かしたコロナ対策②国道6号バイパスの早期完成③TX延伸④農家所得の拡大【略歴】山口県出身、長崎大学医学部卒。病院勤務を経て、厚労省保険局医療課課長補佐。2017年、丹羽雄哉元厚労相の後継者として初当選。自民党新型コロナ対策本部プロジェクトチームの事務局次長。 ※NEWSつくばは31日夜、小選挙区茨城6区の開票状況を速報します。

花開く世界の野生ラン 筑波実験植物園に200点 31日から

国立科学博物館 筑波実験植物園(つくば市天久保)が保有する野生ランの「つくばコレクション」のうち、開花中の貴重種約200点などを公開する企画展「つくば蘭展」が31日から開かれる。11月7日まで。同植物園が発見した新種の花の香り物質の紹介、キノコから奪った栄養でつるを20メートルも伸ばす世界最大の菌寄生植物タカツルランの研究紹介などが見どころだ。 形、色、香りも多彩 同植物園は世界有数の野生ラン保存施設で、「蘭展」は開園から38年になる同園の定番企画。時期を変え、開催のタイミングに開花を迎えたランを選んで展示を行っている。 長く監修役を務めてきた多様性解析・保全グループの遊川知久グループ長(60)によれば、ラン科植物はキク科と並んで種類が多く、世界に約2万8000の野生種があるという。同園は特にアジア地域を中心に野生ランの収集、系統保存を進めており、コレクションは約3200種にもなるそうだ。 ニューギニアやボルネオ島の高地、アマゾン奥地のジャングルで採集した品種もあり、開花した状態で見られるのは貴重な機会。パフィオペディルム・サンデリアヌムというランは世界で最も長い花の一つ。垂れ下がった花弁の長さは1メートルにもなるという。つたや花茎が異状に長いランや根っこが広く張り出した鉢などをみることができる。 虫媒花が多いランは、花の色彩や形状に加え、香りで花粉を運ぶ虫たちを誘う。今回は特に香りの体験コーナーが設けられた。ハイライトは、同園で研究し2010 年に新種発表したデンドロビウム・ロセイオドルムの展示。学名のロセイオドルム(roseiodorum)は「バラの香り」という意味で、妖艶な香りをほのかに放つ。化粧品メーカーとの共同研究で、この植物のにおい物質を明らかにした成果を紹介する。 会場は多目的温室を始め、熱帯資源植物温室など巡る構成。つくば洋蘭会など協力団体の愛好家らが育てた最新の園芸品種なども展示され、合わせて約500点の花のりょう乱となる。 遊川グループ長は「さまざまな色や形で世界中に広がったランを集めた。地球の生命の豊かさを感じてもらえたら」と話している。(相澤冬樹) ◆企画展「つくば蘭展」 31日(日)から11月7日(日)まで、国立科学博物館 筑波実験植物園(つくば市天久保4-1-1)。期間中は写真展、デザイン作品展なども開催。会期中は無休。31日午後には遊川知久グループ長によるセミナー「シラン?ワカラン?ランの七不思議」もある(要事前予約)入園料は一般320円(税込み)、高校生以下・65歳以上は無料。電話029-851-5159。

児童クラブ非常勤職員12人に通勤手当て55万円過払い つくば市

つくば市は29日、公営児童クラブに勤務している非常勤職員のうち、通勤手当の支払い対象ではない12人に、昨年4月から今年9月まで1年6カ月間、通勤手当を計55万4055円過払いしていたことが分かったと発表した。 市こども育成課によると、自宅から職場までの通勤距離が片道2キロ未満の職員の場合、条例で通勤手当てを支給しないと定めている。規定にもかかわらず、市内にある1カ所の公営児童クラブで、通勤距離2キロ未満の非常勤職員12人に対し、片道2キロ以上5キロ未満の非常勤職員に支給される日額215円の通勤手当てを支払っていた。 過払い額は2020年度の1年間が11人に対し計35万7115円、21年度の6カ月間が12人に対し計19万6940円で、1年半で1人当たり約1万7000円から約7万円を過払いしていた。 この公営児童クラブで11月から新たに非常勤職員を任用することになり、準備を進める中で、本来は支給対象でない職員に交通費を支払っていたことが判明した。過去にさかのぼって調べたところ、昨年4月から過払いがあったことが分かった。19年度までは条例の定め通り支払っており、過払いはないという。 市は今後、過払いが分かった12人を個別訪問し、謝罪し説明した上で、過払い分の返金を求める。 さらに、ほかに誤りがないか、市内の児童クラブと児童館計28施設約270人を対象に、通勤手当の支給状況を改めて調べる。 再発防止策として市は、市内の児童クラブ及び児童館に対し、通勤手当に関する条例を再確認させ、算出の際は複数の職員でチェックするよう指導するとしている。

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