月曜日, 4月 6, 2026

「感謝して手放したい」 1000体の人形を供養 JAつくば市谷田部

【橋立多美】JAつくば市谷田部(横田伊佐夫組合長)主催の人形供養祭が29日、同市榎戸のJA谷田部つくばホール(建物面積1248平方メートル、220人収容)で行われ、持ち込まれた約1000体の人形の供養が行われた。 祭壇に並んだのは、子どもの健やかな成長を願ったひな人形や五月人形、遊び相手として親しまれてきた大小のぬいぐるみ、日本人形、羽子板など。受付は1家族につき20体までとされ、数体持ち込む人がいる一方、箱に入ったままの段飾りのひな人形を運び込む参列者もあった。僧侶による人形供養が執り行われ、読経に合わせて約100人の参列者が焼香して人形に別れを告げた。 フランス人形など7体を持ち込んだ谷田部在住の55歳の女性は「人形に感謝してきちんと手放したいと申し込みました」。70代の女性は「10年前に他界したしゅうとめが大事にしていたフランス人形で、ケースが壊れたので思い切って供養することにしました」。5歳の女児と一緒に参加した30代の女性は「姉と私がかわいがったぬいぐるみを持ってきました。押し入れの奥から出したら娘が喜んで、子ども時代を思い出しました」と話した。 供養祭は「押し入れに入ったままだが、ごみのように処分するのは忍びない」人たちに感謝されているという。今年で3回目。地元谷田部地区のJA組合員だけでなく、近隣住民の参加もある。供養祭を終えた参列者たちは一様に晴れやかな表情でホールを後にした。

【茨城 高校野球展望’19】1 常総が優勝候補筆頭

【伊達康】7月6日に開幕する第101回全国高校野球選手権茨城大会の組み合わせ抽選会が21日に行われ対戦カードが決まった。参加93チーム(出場100校で4つの合同チームがある)のうち、春の県大会で4強に残った藤代、水戸商、常総学院、鹿島学園がAシードを獲得した。 140キロ超え3投手をひた隠し 3年ぶりの夏制覇を見据えた常総学院は、春の県大会で昨夏も中心となって登板したエース級右腕の塙雄裕(3年)や岡田幹太(3年)、菊地竜雅(2年)をあえてひた隠しに、ライバル校に球筋を明らかにしなかった。 この140キロ超え3投手を引っさげつつ、打線は高校通算54本塁打でプロ注目の強打者・菊田拡和(3年)や、長打にバントに補殺と何でもこなせる中妻翔(3年)など世代屈指の打者がそろっている常総学院が優勝候補の筆頭だ。 春優勝の藤代は投手力充実 秋準優勝、春優勝の藤代は最速142キロの中山航(3年)とスライダーの切れ味抜群の一條遥翔(3年)の右腕2枚看板を筆頭に投手力が充実している。 春に常総学院にサヨナラ勝ちで準優勝となった水戸商はエースで4番の小林嵩(3年)が投打をけん引しチーム力で追いすがる。 プロ注目投手擁す霞ケ浦 春県大会の初戦で明秀学園日立に乱打戦の末に敗れた霞ケ浦はDシードとなったが、プロ注目右腕・鈴木寛人(3年)や福浦太陽(3年)を擁し実力十分。夏は無難に勝ち上がるだろう。 Bシード・石岡一はセンバツに21世紀枠で出場し盛岡大附をあと一歩のところまで苦しめた。しかし春は初戦でエース右腕・岩本大地(3年)が大乱調で水戸商に惨敗。夏も岩本の調子次第だ。 Cシード・明秀学園日立は春の県大会3回戦で、優勝した藤代に2対3と惜敗した。北野凱士(3年)や高橋隆慶(3年)などが強打を誇り例年通り打線は強力だが投手力が例年に比べ劣る状況だ。そんな中、春に目覚ましい活躍をした右腕・佐藤紅琉(1年)が駒不足を解消する可能性を秘めている。 春4強の鹿島学園はびっくりするようなピッチャーはいないが、堅実につないで好機を作る。 土浦日大左腕は左打者翻弄 3連覇がかかっているCシード・土浦日大は変則左腕の荒井勇人(3年)が左打者を翻弄(ほんろう)するが、右の強打者にいかに対峙するかが見どころだ。キャプテンの石渡耀(3年)は華のある大型二塁手。 秋4強のBシード・水城はエースで4番の櫻井隼人(3年)が大黒柱だが、ここに春公式戦デビューを果たした1年生右腕の樫村佳歩が加わり投手層の厚みが増した。 Bシード・常磐大高は6月16日に行われた大分県高野連強化遠征にて春センバツ4強となった明豊を山田悠斗(3年)が完投して3対2で撃破。今夏の仕上がりはひと味違いそうだ。 Cシード・水戸癸陵は小橋一輝(3年)と定塚涼(3年)のダブルエースに安定感がある。 Cシード・つくば秀英は右腕の吉田青矢(3年)とBシード・竜ケ崎一の右腕・幸山耀平(3年)も好投手で打者の裏をかく能力が非常に高い。 秋春と結果を残せずノーシードとなった日立一は不気味な存在だ。(続く)

スマートシティの先の未来のつくば語る 筑波大教授と県局長が講演 筑協総会

【鈴木宏子】つくばの研究機関や民間研究所などで構成する産官学の交流組織「筑波研究学園都市交流協議会」(事務局・文科省研究交流センター)の2019年度総会が28日、同市竹園の同交流センターで開かれた。つくばが国交省の先行モデルに採択された「スマートシティ」をテーマに、今年度から実際に実証実験に取り組む筑波大学システム情報工学研究科長の大沢義明教授と、けん引役の県産業戦略部技術振興局の飯塚一政局長がそれぞれ講演し、スマートシティの先の未来のつくばの姿を語った。 大沢教授は、同大とトヨタがこれまで取り組んできた共同研究の成果を話し、車に搭載されたセンサーなどの情報を収集・分析して、周辺の道路状況を把握したり、災害復旧支援などに活用する近未来の地域社会の姿を語った。 今年度からつくばで始まるスマートシティ先行モデル事業の実証実験の中身も紹介した。筑波大学を行き来する路線バスで、顔認証によるキャッシュレス決済を行うほか、公共交通と医療サービスをつないで、バスに乗った人が顔認証により筑波大附属病院の受診受付や診療費の支払いなどを一括して行えるようにする。さらに排気ガスの心配がない水素燃料電池の路線バスや救急車を運行して、病院の建物の中に直接入る実証実験なども計画しているという。大沢教授は「つくばで日本版スマートシティを実現したい」と意欲を語った。 大沢教授はほかに、車の走行台数と駐車場空きスペースなどさまざまな情報を最適にマッチングさせることで、鹿島アントラーズ試合開催日のサッカースタジアム周辺の渋滞解消や、ゴールデンウイークや紅葉シーズンの筑波山周辺の渋滞解消などに取り組む計画があるという。 県の飯塚局長は、つくばが、国交省のスマートシティモデル事業と新モビリティサービス推進事業の二つの先行モデルに選ばれたことを強調し、その先に「まるごと未来都市」と呼ばれるスーパーシティがあるなどと未来のつくばを話した。 ➡スマートシティ採択に関する関連記事はこちら

新たな政治倫理審査会委員決まる 公募市民は含まず つくば市

【鈴木宏子】つくば市が、公募の上内定していた市政治倫理審査会市民委員の議会提案を見送った問題=6月8日付=で、五十嵐立青市長は6月議会最終日の28日、公募した市民委員を含まない、新たな委員7人を追加提案し、全会一致で可決された。 追加提案に先立って、委員の要件から「市民」を削除し「市民で地方行政に関し優れた識見を有する者」に改める市政治倫理審査会条例の一部改正案が審議された。実質的に公募による市民委員を無くすという内容だ。 本会議では「これまでの任命経緯に沿うもの」「(資産報告の審査は)プライバシーに関わるので一歩立ち止まり改めて議論すべき」とする賛成意見と、「公募による市民委員を推進すべき」とする反対意見が出たが、賛成多数で可決された。 続いて追加提案された委員7人を同意するか否かの採決が行われ、全会一致で可決された。公募による市民委員を推進すべきと主張していたつくば・市民ネットワークの4人は採決を退席した。 新たに選任された7人は、司法書士、元郵便局長、税理士、弁護士、大学教授、元市職員、元教育委員。市法務課によると、いずれも同審査会委員を務めた経験があり、条例に定められた法律や会計に専門的知識があって、市長や議員らの職務や市政に知識がある人を選任したとする。 任期は通常は2年間だが、今回は特例により7月1日から2021年3月末までの1年9カ月間の予定。7月に、市長や議員らの資産報告の審査を行い、9月中に審査報告書をまとめて市長に提出する予定だという。 市長や議員らの今年の資産報告は6月14日から公開されており、法務課と議会事務局でそれぞれ閲覧できる。8月1日の市広報誌には市長、副市長、教育長の資産報告概要を掲載する予定という。

つくばの標本470万点を経営資源に 国立科学博物館がイノベーションセンター設立

【相澤冬樹】国立科学博物館(科博、林良博館長)は27日、つくば市の科博筑波研究施設に報道関係者らを集め、約470万点に及ぶ科学系標本を収めた収蔵庫を特別公開した上で、「科学系博物館イノベーションセンター」(池本誠也センター長)の設立を発表した。これらのコレクションを、東京・上野の科博本館と結んでのバーチャル展示をはじめ、地方の科学博物館と連携しての巡回展などに役立てることで、博物館の経営資源としても活用、収益を研究人材の育成に振り向けていく枠組みを想定している。 同センターは政府の文化経済戦略(2017年度策定)に基づく立ち上げで、設立発表には宮田亮平文化庁長官、文科省の中村裕之政務官らも出席。力の入れようをうかがわせた。博物館資源を活用した経営基盤の強化、地域博物館も含めた事業活性化を取り組みの目標に掲げており、そのベースとなるのが筑波研究施設の約470万点に及ぶ標本資源だ。1877年に創立した科博の140年にわたる収集活動の成果だという。 この保管のため整備された筑波研究施設は2012年に開設、8階建ての自然史標本棟には各階1100平方メートルの標本室が確保され、植物、動物、地学、人類、理工学の研究部の標本が収められる。同じ敷地にある筑波実験植物園は一般に公開されているが、収蔵庫は科学技術週間の行事開催時を除き、一般公開されていない。 上野本館と結んでバーチャル展示 2001年に独立行政法人化された科博は当時90万人だった入場者を、第4期に入った現行の中期計画平均で267万人にまで増やしてきた。21年から5カ年の第5期では300万人にまで増やす計画を立てている。科博イノベーションプランと銘打っており、「科学を文化として育む博物館への展開」(林良博館長)を目指している。 入場者数には筑波実験植物園の分も含まれるが、同プランでも収蔵庫の公開は考えていない。標本管理のため温湿度や空調を一定に保つ必要などから公開が難しい。このためデジタルアーカイブ化して上野本館と結んだバーチャル展示などに活用する。 また各地の科学博物館に動物の骨格標本を貸し出したり、共同での巡回展も企画して、新たな収入確保につなげたい考え。センターは科博の横断的な組織として、11人のスタッフにより立ち上げており、来年度には「化石」をテーマにした事業が具体的に動く見通しになっている。

6年越しの大同団結 つくばJC・RC・LCが災害救援相互協定

【鈴木宏子】共助の立場から災害時に相互に協力してより効率的な救援活動をしようと、つくば青年会議所(JC、山谷憲司理事長、会員約90人)と、つくば学園ロータリークラブ(RC、大里喜彦会長、会員約90人)、つくばOAKライオンズクラブ(LC、森重英明会長、会員約140人)の3団体が27日、つくば市役所コミュニティ棟で、災害時救援相互協定を締結した。 2011年の東日本大震災と12年の北条竜巻被害の復旧支援活動を立て続けに経験し、6年越しの構想だという。いずれも国際組織である青年会議所、ロータリークラブ、ライオンズクラブが災害協定を締結するのは全国的にも珍しい。 竜巻被害当時、青年会議所理事長で現在は学園ロータリークラブ会員の木村英博さんが、翌年に「つくばのボランティア団体は大同団結しよう」と呼び掛けたのがきっかけ。竜巻被害時、青年会議所はいち早く災害本部を立ち上げ、ロータリークラブやライオンズクラブなどの協力を得て、朝昼晩1日3食を計1000食分、14日間にわたって被災した地域住民に届けた経験があり、協力の重要性を感じていたという。 当時は7団体で相互協定を検討したが方向性が定まらず、いったん話は流れた。その後、全国各地で災害が頻発し、地域の人同士が助け合う「共助」の大切さが改めて認識される中、今回、青年会議所のOBが比較的多い学園ロータリークラブとOAKライオンズクラブとの協定締結が実現した。 3団体のメンバーは主に中小企業の経営者で合わせて300人を超える。市内各地に居住し、業種も多岐にわたることから、日頃から協力体制をつくって、いざという時もネットワークを生かせるようにする。災害時には、行政の支援が届くより前などに、各地域で迅速に機動的な支援活動ができるようにする。 ロータリークラブの大里会長は「実際に役立つよう、温かく大きなものに育てたい」と述べ、ライオンズクラブの森重会長は「これを核として、いろいろな団体が加わっていけたら」と話した。青年会議所の山谷会長は「組織の枠を超えた協力体制を構築し、つくばの防災、減災に貢献出来たら」と語った。 協定締結に立ち会った五十嵐立青市長は「機動性をもって初動で動くことができ、地域の人が継続的に支援をするというのは全国的にも例がない。すごくありがたい」と話していた。

ハスの花開く 土浦・霞ケ浦総合公園

【鈴木宏子】約200種類の花ハスを栽培する霞ケ浦湖岸の土浦市大岩田、霞ケ浦総合公園の花蓮(はなはす)園で、ハスの花が咲き始めた。7月上旬から中旬には見頃となり、朝早く、一面にピンク、赤、白、淡い黄色など清らかな花を咲かせる。 6月19日前に開花した。今年は春の気温が平年より高かったことなどから例年より開花が早いという。花は日が昇ると咲き始め昼頃には閉じてしまう。 約1000平方メートルの園に池70升とたる240個を設置し、霞ケ浦の水をくみ上げてオランダ風車でろ過し栽培している。2001年に開園し、12年からは、はす博士として知られる元日本花蓮協会学術研究主幹の香取正人さんの指導を受けて、花蓮園として本格的に整備してきた。土浦市内で育種された品種や霞ケ浦原産の品種など、よそでは見られない品種も栽培している。 写真撮影に訪れた市内の男性(68)は「ハスの花が好きで毎年見に来ている。今年は咲くのが早いね」と話していた。 花蓮園に隣接するネイチャーセンター職員の坂本美佳さんは「これから見頃になりますのでぜひお越しください」と来園を呼び掛けている。 ◆入場無料。7月7日(日)午前7時から、同園で市公園管理アドバイザーでもある香取正人さんによる「はす博士の解説会」が開催される。問い合わせは電話029-826-1111(土浦市公園街路課)

クレオ旧イオン棟の解体工事始まる つくば駅前

【鈴木宏子】百貨店やスーパーが撤退し閉鎖されているつくば駅前の商業施設クレオ(つくば市吾妻)で、旧イオン棟の解体工事が始まった。今年3月にクレオを取得した不動産会社、日本エスコン(東京都千代田区)によると、解体工事は6月15日から来年5月20日までの予定。解体後、跡地にマンションを建設する。マンションは2022年に完成予定だが、規模などは現時点で未定という。 一方、新たな複合商業施設として再オープンする旧西武棟は、年内に内部の改修工事に着手し、来年オープンする予定という。具体的にどのような施設になるかについて同社は、まだ公表できる段階にないとしている。 クレオはつくば科学万博が開かれた1985年に開業した。筑波都市整備(同市竹園)が運営していたが、2017年2月末に西武筑波店が撤退、翌18年1月末にイオンつくば駅前店が撤退し閉鎖された。その後、つくば市が取得を表明したが断念。日本エスコンが18年12月に隣接の商業施設キュートとモグを取得、続いて19年3月にクレオを取得した=3月27日付。 日本エスコンは今年3月、クレオの旧イオン棟は解体してマンションを建設し、旧西武棟は行政や教育機関、研究開発系企業と連携し複合商業施設にすると発表し、商業施設について「キュート、モグを含め、駅直結の立地を活用し、マーケットニーズに合う業種業態・店舗を構成して魅力的な施設を設計し、駅前街区全体の新たなにぎわいを創出する」などと表明している。 クレオは敷地面積約1万5600平方メートル、建物は鉄筋コンクリート造り地下2階・地上8階建て、延床面積は約5万7000平方メートル。 ➡クレオに関する過去記事はこちら

花火の光束で絵筆のように描く 黒沢富雄さん つくばで写真展

【池田充雄】日本写真家協会会員の黒沢富雄さんが、つくば市豊里の杜のギャラリー夢工房で写真展「花火 Fireworks Flowers」を開いている。黒沢さんは常陸大宮市に写真工房を構える。花火を撮り続けて35年。多重露光やアウトフォーカスなどさまざまな技法を駆使しながら、驚きのある独自の花火写真を作り出している。 花火の撮影スタイルは「カメラを筆代わりにして描いていく」というもの。たとえば光の渦のように見える作品は、スローシャッターでカメラを回転させながら作り出した。赤いチューブがうねうねと四方八方へ伸びたような写真は、星の飛び散る様子をクローズアップでとらえたもの。400ミリの超望遠レンズによる手持ち撮影で、打ち上がっていく花火の玉を追いかけ、開いた瞬間に手を止めてシャッターを切っている。 「最初にどういう撮り方をしようかと考え、デッサン帳にイメージを書き入れながら練り上げていく。だが思った通りに撮れるのは2、3割ほど。花火は偶発的要素が多い。構図やバランスがなかなかうまくいかないし、色や明るさも開いてみるまで分からない。そこが難しさでもあるし醍醐味でもある」 出合いは1985年の水戸の千波湖花火大会。偶然に撮れたススキの穂のような形の写真に新たな可能性を感じ、そこから花火との対話の日々が始まった。最初の個展開催は95年の東京・キヤノンサロン。その後は99年のフジフォトサロンなど。1週間の会期で8000人の来場者を集めたこともあるそうだ。 今回の展覧会では30点を展示しており、その多くは90年代に撮影した。最近の作品も数点あるが、鮮やかさが違うという。「当時はリバーサルフィルムで撮っているが、デジタル写真と比べて透明度が高い。花火の色自体も昔と今とでは若干違う。今の花火はパステルカラーのような淡く透明感がある色彩。写真にするには色が濃い方が深みや重みが出せる」 今後考えているのは、茨城県内の全ての花火大会を写真で網羅すること。「小さいものも含めると40カ所くらいある。芸術的な撮り方ではなく一般的な撮り方で、なるべく早い時期にまとめたい」という。ほかにも久慈川の冬の風物詩のシガや、地元・常陸大宮市の文化遺産である「西塩子の回り舞台」、東日本大震災被災地の復興の様子など、追い求めているテーマは多岐にわたる。 ◆写真展は30日(日)まで、つくば市豊里の杜2-2-5 ギャラリー夢工房で開催中。開館時間は午前10時30分~午後5時30分(最終日は3時まで)。入場無料。30日午後1時30分から黒沢さんによる写真教室が開かれる(参加費1000円、コーヒー付き)。問い合わせは電話090-4676-9623(同夢工房)

子ども食堂を継続するためには? つくばで聞く ジレンマと台所事情

【橋立多美】「子ども食堂」が全国各地に生まれ、つくば市内では6団体が取り組んでいる。調理と食事ができるスペースを確保できれば始められる一方、担い手や資金の問題から継続することが難しいとされる。「継続するために知恵を絞り努力する」を活動方針に掲げて子ども食堂を運営している同市の市民グループ「竹園土曜ひろば」(毛利正英代表)の活動と台所事情を取材した。 子ども食堂は、無料または低額で食事を提供し、子どもたちの居場所となる。2014年に子どもの貧困対策法が施行され、表面上は見えない貧困層の存在が社会に認知されるようになった。一方、同年に厚労省が発表した子どもの貧困率は16.3%で過去最悪を更新し、6人に1人の子どもが貧困状態にある。 第4土曜日の22日午前9時過ぎ、同市竹園の竹園交流センター調理室に包丁で野菜を刻むリズミカルな音が響く。6つの調理台で計量や調理、食器などを洗う作業が進む。三角巾とエプロン姿のメンバーたちが家庭科の調理実習のように楽しそうに口と手を動かす。11時を回るとハッシュドビーフ、トウモロコシご飯、ヨーグルトマヨサラダが完成。デザート用のスイカもカットされた。 同ひろばは、昨年6月に開催された竹園交流センターの講座「貧困の連鎖を断ちきろう―私たちにできることってなんだろう」を受講した市民たちが始めた。講師は龍ケ崎市で子ども食堂を実施している団体代表で「自分もできることを…」と集った。地域住民が交流し、子どもの成長を支援する食堂を11月にスタートさせた。中高年の男女9人が運営を担っている。 活動は月1回で同センターの和室で午前10時30分から午後2時30分まで。昼食は正午からの1時間で、前後に遊びや手作り体験などを取り入れている。料金は乳児無料、中学生まで100円 、高校生以上300円。提供する食事は30食ほどでホームページでの事前申し込みを優先している。活動が周知され、春から、開催1週間前にはいっぱいになるという。 近隣農家から寄付される野菜をベースに、調理師も加わってメンバーがメニューを考える。また調理のプロの安全対策を共有し、調理ボランティアには手洗いを呼び掛けるなど、徹底した衛生管理を行っている。 補助金や助成金が頼みの綱 子ども食堂が子どもの貧困対策としてすぐに効果を表すことは難しい。それは「貧困状態にある家庭向け」にすると参加しづらくなるためだ。多くの子ども食堂は誰もが参加しやすい食堂づくりを心掛けている。そのため支援を必要としている家庭に届いているか分からない、というジレンマが存在する。 代表の毛利さんは「つくば市には貧困で居場所のない子どもが約1200人いて、竹園周辺地区には100人弱いると想定できる。貧困層を見分ける術はなく、孤立しない(させない)ための食を通じた交流を継続して続けていく」と話す。貧困対策に絞った活動ではないことで、困っている施設や人に食べ物を届ける活動をしているフードバンクの支援を受けられない悩みもある。 毛利さんによると、毎月の活動にかかる費用は約1万5000円。コメや生鮮食品と調味料、参加見込み人数で加入するボランティア行事用保険などが占める。野菜を寄付してもらうことで肉や魚を購入できるという。 利用者が増えて毎回の食事代収入は8000円以上になったが、資金が足りず補助金や助成金が頼みの綱だ。昨年は市の子ども食堂支援事業補助金(年5万円で申請は3回まで)の交付を受け、今年はキューピーみらいたまご財団の助成金を受けた。 つくば市は今年度から、生活困窮世帯の子どもの支援事業を充実させるため「つくばこどもの青い羽根基金」を創設した。基金は市が実施する学習支援事業や子ども食堂などに充当する予定だが、現時点で、いつ、どう振り分けるかは不明だ。「活動の拠り所であるだけに基金の運用が気になる」と毛利さんは気をもむ。 ◆次回は7月13日(土)に開催予定。竹園土曜ひろばのホームページはこちら

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