水曜日, 7月 9, 2025

【震災7年】福島の避難者、故郷の窮状訴え つくば・取手で集会

【崎山勝功】東日本大震災と福島第1原発事故から丸7年を迎えた11日、県南ではつくばと取手市の2カ所で脱原発を訴える集会が開かれた。つくば市吾妻の中央公園では同日午前、「3.11から7年 さよなら原発!守ろう憲法!つくば共同アクション」が開かれ、福島県楢葉町から避難している草野巍久さん(78)=守谷市在住=が、故郷の窮状を訴えた。 草野さんは「安心安全に帰ることができる環境でないと避難解除はすべきでない。住民は避難解除になっても、元の家を更地にして別の場所にマンションを買うなど(楢葉町に)帰らない人が多い」と訴えた。その上で自身が原発事故以前に耕していた水田の様子に触れ「田んぼは7年もぶん投げているので大きな木が生えてしまい、一から開墾しないといけない」と厳しい現状を述べた。 草野さんは取材に対し「帰りたくても帰れない状況。誰のために避難解除したのか分からない。水は飲めそうにないし、自宅周囲は(除染した汚染土などの)仮置き場。具体的にどのようになれば『復興』というのか分からない」と、いまだに生活再建が進んでいない実状を話した。 同集会には約100人(主催者発表)が参加した。集会後、参加者らはつくば駅周辺をデモ行進し「東海第2原発再稼働反対」などと訴えた。参加した弁護士の鈴木裕也さん(25)=水戸市=は「原発のことも被災地のことも、他人事にしないでもっと興味を持ち、被災者に寄り添いたい」となどと語った。 主催者の山本千秋さん(77)=つくば市=によると、集会参加者数はここ数年伸び悩んでいるという。山本さんは「時間が経つと一人ひとりの原発問題についての意識が遠のいていく印象はある」と話し「この集会を継続し、行動を提起し、声を上げ続けたい」と意思を示した。 取手で200人が黙とう 同日午後には取手市新町の取手ウェルネスパークで「フクシマを忘れない3・11 STOP原発 県南総行動」(同実行委員会主催)が開かれ、参加者ら約200人(主催者発表)が、地震発生時刻の午後2時46分に黙とうし震災犠牲者を追悼した。 ステージ上ではバンド演奏に合わせて「花は咲く」「ふるさと」などの合唱や福島県の民謡「新相馬節」のステージ発表などが行われた。ステージからの「原発いらない」の掛け声に合わせて、参加者らが「原発ゼロの未来へ!」と書かれたプラカードを掲げた。 「震災当時は小学校のPTA役員をしていた」という英会話講師の加川ゆうみさん(52)=牛久市=は、小学校の卒業式で配布するクッキーを牛久市内のパン屋に受け取りに行った際、地震に遭ったと話した。クッキーは1枚も割れることなく受け取ることができたが、小学校の体育館が使用不能になったため、市内の中学校での卒業式を余儀なくされ「母校で卒業式が出来ず息子たちは泣いていた」と当時を振り返った。震災から丸7年を迎え「あれから日本は震災の教訓を生かして成長したのかと考えてしまう」と語った。 主催者の根本和彦さんは「原発事故から7年経っても故郷に帰れず苦しんでいる人が5万人以上いる。そういうことを考えれば原発は廃炉にすべき。一刻も早く政府はエネルギー政策を転換して再生可能エネルギーにかじを切るべき」と主張した。

【震災7年】犠牲者に黙とう 土浦市立図書館

【谷島英里子】東日本大震災から丸7年が経過した11日、土浦市立図書館(同市大和町)では地震発生時刻の午後2時46分に合わせ、職員や市民らが黙とうし、犠牲者に哀悼の意を表し復興を願った。 同図書館では震災7年に合わせて1日から、2階に企画コーナーを設け、震災関連図書展示」を15日まで行っている。11日は訪れた多くの利用者が手に取っていた。 同展は震災の記憶を伝え続けようと震災翌年の2012年3月から毎年行っているもの。被災者や病院の体験記録、写真集、備えや避難など防災に関する書籍38冊を並べた。子どもたちにも伝わるようにと震災関連の児童書も展示してある。 館長の入沢弘子さんは「本を通じて正しい情報を知っていただき、震災の記憶や経験を共有できれば」と話していた。 同市では、住宅3棟が全壊、43棟が半壊、3060棟が一部崩壊したなどの被害があったほか、断水などが長引く被害があった。

【震災7年】「生ある限り考え続けたい」 福島にこだわり毎年写真展

【鈴木萬里子】「日々探鳥びと」を名乗り、野鳥写真家として知られる阿見町、海老原信一さんは「生ある限り考え続けていきたい」と、東日本大震災以来、毎年3月に、福島にこだわった写真展を開いている。 つくば市二の宮の洞峰公園新都市記念館展示ホールで14日まで開催中の「鳥撮り三昧第32回写真展―七度目の三月に」では、福島県の海岸や帰還困難区域の現在の様子を伝える写真を展示している。 2011年3月11日、海老原さんは第11回写真展を同会場で開いている最中に、東日本大震災の大きな揺れを経験した。11年、11日、11回と11の並びに、巡り合わせを感じたという。 海老原さんは以前から、野鳥の撮影のためよく福島県裏磐梯に通っていた。しかし福島第1原発事故後は一時閑散としてしまった。北茨城にも通ったが、津波により美しかった海岸線は破壊され、現在は護岸工事が進み堤防が作られているという。 昨年12月、海老原さんは夫妻で福島県を訪れた。常磐道南相馬インターチェンジ(福島県南相馬市)で高速道路を下り、国道6号を双葉郡広野町まで南下するルートを走った。原発事故影響下の地域を自分の目で見てみようとの思いからだ。帰還困難区域の国道の両側に人の姿はなく、人々が息づいていた痕跡だけが残されていた。さらに南下し広野町に入ると様子は一変、人々の日常の姿に生活の響きがあり「その対比に戸惑った」と振り返る。脇道は今でも通行不可だが6号は全線開通している。海老原さんは「避けていると耳だけの情報しか入ってこない。実際に行って自分の目で見ることが大切だと思った。是非現実を見てほしい」と話した。会場の一画にはその時に撮った写真6枚が展示されている。 ほかに、野鳥の写真が、裏磐梯18点、つくば・土浦20点、その他北茨城など8点の計46点展示されている。 ◆会期は3月14日(水)まで。開館時間は午前8時30分~午後5時(最終日は3時)。入場無料。問い合わせは029・852・1432(洞峰公園管理事務所)

【震災7年】牛久駅前集会268回に 脱原発訴え5年半

【崎山勝功】JR牛久駅東口前で2012年9月から始まった、脱原発を訴える「金曜日牛久駅前反原発集会」が今月9日で通算268回目を迎えた。都内の首相官邸前脱原発集会に連動する形で毎週金曜午後6時から行われている。 集会では主に東海第2原発(東海村)の再稼働反対や廃炉などを訴える。昨年11月下旬には子ども連れの主婦(32)=つくばみらい市在住=が飛び入り参加するなど、常時20人前後の市民が集まっている。 「震災当時は守谷市に住んでいた」という主婦は、「当時は放射能の知識が無かったけれど、夫から『茨城にいたら危ない』と言われ、親せきのいる(東京都)八王子市に3週間逃げた。それがきっかけで放射能の影響を調べるようになった」と話した。子どもの習い事で牛久駅前を通るので、以前から気になっていた集会に飛び入り参加したという。 主催者の森川辰夫さん(82)=牛久市=は、福島第1原発事故が発生したので、東海第2原発は2~3年で廃炉になると期待していたという。だが「今晩(3月9日)で268回目。集会を100回やれば済むと思っていたのに長引いてしまった。予想外だった」と事故から7年を振り返った。 その上で、今年で運転開始から40年を迎える東海第2原発の再稼働問題について、「再稼働は経営的に無理だろう」との思いを話した。理由として立憲民主党や共産党など野党4党が共同で国会に提出した「原発ゼロ法案」の存在や、東海第2原発から半径30km圏内の避難計画が整備できていないことなどを挙げ「大井川知事はそんなリスクを負う人ではない」と期待を寄せる。 県内では、取手駅前(西口と東口で交互に開催)でも脱原発金曜集会が現在も続けられている。主催者の「くらしと平和を守るネットワーク取手」事務局の根本和彦さん(64)は、昨年の県知事選投票所のNHK出口調査で有権者の76%が「東海第2原発の再稼働反対」と答えたことを挙げ「県民世論は『東海第2原発は再稼働すべきではない』が圧倒的。取手はホットスポットになったという点でも(再稼働に)市民は不安を持っている」と話した。

【震災7年】 消えたキーワード「放射性物質」

【鈴木宏子】「放射性物質については、一つの分科会のキーワードに明示する方向で議論しております」。10月に、つくば国際会議場で開かれる第17回世界湖沼会議に関して、主催者の県が2017年3月9日付けで環境保護団体、NPOアサザ基金(牛久市、飯島博代表)に出した回答だ。しかしその後発表された9つの分科会のキーワードに「放射性物質」の文字は無かった。 もう一人の主催者、国際湖沼環境委員会も16年12月28日付けで同NPOに同様の回答をしていた。「放射性物質については一つの分科会のキーワードに明示する方向で議論が行われております。東日本地域での湖沼では、原発事故による放射性物質についての調査研究が多く行われていることから、これらについての発表は基本計画等で示される枠組みの中で行うことができるものと考えております」。 分科会のキーワードどころか「発表されている同会議の開催案内書のどこにも放射性物質の文字が一切見られない」などとして、同NPOは2月13日と15日、県と国際湖沼環境委員会にそれぞれ要望と質問書を提出した。 飯島代表は「世界中の人が福島原発事故に衝撃を受け、経過を注視してきた。原発事故は霞ケ浦を始め東日本の湖沼に影響を及ぼした」とし、「今回の湖沼会議は原発事故の影響を受けた地域で初めての開催となる。原子力災害や放射性物質の文言が一切無いとしたら、かえって不自然で、都合が悪いから意図的に議論を避けたと解釈されてしまう恐れがある」と指摘する。 その上で「事故直後に水環境を保全するために行政はどのような対策をとったのか、霞ケ浦や流入河川のモニタリング手法は適切だったのか、今後霞ケ浦をどう管理していくのかなど、湖沼会議は教訓を共有する場として開催されるべきで、きちんと議論することが行政や研究者の姿勢を世界に示すことになる」と強調する。 これに対し、主催者の県環境対策課・世界湖沼会議実行委員会事務局は「専門委員会の中で先生方に議論していただいた結果、分科会の文言(キーワード)そのものには明示しなかった。しかし放射性物質を取り上げないということではなく、第5分科会(流域活動と物質循環)の化学物質というキーワードの中で討議したい」としている。 湖内はほぼ横ばい 霞ケ浦の放射性物質は現在どういう状態なのか。環境省と県が昨年11、12月に実施した最新の霞ケ浦と流入河川の放射性物質モニタリング調査結果によると、霞ケ浦湖内8地点の放射性セシウムは底泥1㎏当たり50~350ベクレル(最大地点は西浦・玉造沖)、平均は304ベクレルとほぼ横ばい傾向、流入河川56河川は不検出~649ベクレル(最大は土浦市の備前川)、平均は157ベクレルと減少傾向で推移している。 アサザ基金は、事故翌年の2012年3月から15年3月まで年2回、独自に霞ケ浦・北浦に流入する56河川で放射性セシウムを調査した。特に備前川、新川、小野川、清明川では数百m間隔できめ細かく調査し、流入河川にたまった放射性セシウムが霞ケ浦に流れ込んでいった実態を明らかにした。10月の世界湖沼会議では、これまでの調査をもとに「原子力災害と湖沼環境」について発表したい意向だ。

ゲーム通しつくば駅前に交流空間 筑波大生が月1回開催

【鈴木宏子】ゲーム好きの筑波大生が、つくば駅前に新たな交流空間を出現させている。駅前の商業施設BiViつくば2階の交流サロンで月1回開かれているゲーム会だ。まちなかの一角が、見知らぬ人同士、テーブルを囲んでカードゲームなどに興じる空間になる。 筑波大生4人でつくる「つくばテーブルゲーム=メモ=交流協会」が毎月1回、最終土曜日の午前10時30分から午後8時30分まで開催している。参加者は、会場の8つの丸テーブルを囲んで、居合わせた人とカードなどを使ったゲームを楽しむ。毎回40~50人が集まりテーブルはすぐに満杯になる。子ども連れの参加者もいて、市内のほか、水戸、鹿嶋市などからも集まる。 「10年後につくばをテーブルゲームのまちにしたい」と、代表を務める人文・文化学群比較文化学類4年、高野大さん(22)さんが、理工学学群・工学システム学類3年、亀沢和史さん(21)や人文・文化学群比較文化学類3年、福田哲郎さん(22)さんらに呼び掛けて2016年12月に発足させた。 「ルールが簡単なのでだれでもすぐに始められるし、初対面でも楽しめる。子供も、学生も、社会人も一緒に楽しめるし、留学生など日本語がうまくしゃべれない人とも遊べる」と福田さんはいう。 「つくばはいろいろな人が移り住んで、出てゆくまちなので、ゲームを通して人と人が出会えれば」と高野さん。「テーブルゲームはつくばのまちの特性を生かせる魅力的なコミュニケーションツールになる」と強調する。 カードやボードを使ったゲームは100種類ほどあり、自宅からゲームを持参したり、新しいゲームを考案する参加者もいるという。 ほかに同大近くのコワーキングスペース(事務所スペース)「つくばプレイスラボ」や、同大留学生らの宿舎「グローバルビレッジ」などでも開催。市内各所で年間40回ほど開いているという。3月17日にはカスミのフードスクエア学園店(つくば市竹園2丁目)の飲食ができるイートインスペースで初めてゲーム会を開く予定だ。 「将来、銀行や郵便局、病院などの待合室にもテーブルゲームが置いてあって、待ち時間にだれでも楽しめるようなまちになったらうれしい」と高野さんは話す。 ※メモ 【テーブルゲーム】参加者がテーブルを囲んで行うゲームの総称で、トランプや絵札などを使ったカードゲームや、盤と駒を使ったすごろくなどのボードゲームなどがある。

障害者らアートへの情熱発信 チャレンジフェス つくば

【鈴木萬里子】障がいがある人の絵画や造形作品などを展示し、芸術活動を発信する「第17回チャレンジアートフェスティバルinつくば」の作品展示が6日から県つくば美術館(つくば市吾妻)で始まった。市内28カ所の社会福祉団体による、個人や共同制作作品が広い会場を埋め尽くしている。 立体造形「おばけの森」(NPO法人にっこりの森)のゾンビやカラフルお化けなどは、みんなで楽しんで考え出した。古屋正太郎さんの墨絵「流れ」(アートクラブふぉれすと)は第21回「国際現代」水墨画展こどもの部金賞受賞作品。単色なのにカラー以上の迫力で強く迫ってくる。このほか貼り絵、手芸、習字、ちぎり絵など作品は多岐にわたる。つくば市の友好都市、東京都荒川区から特別参加の絵画も展示されている。 6日のオープニングイベントでは、子育て仲間の友人らで結成した「たけとんぼ」によるミニコンサートが催され、来場者らは演奏に合わせて合唱を楽しんだ。ワークショップ「ペーパーフレームをつくろう!」では講師の伊藤三千代さんの指導で額縁が出来上がった。 社会福祉法人関係者の女性は「この展覧会は障がいのある人が自分を表現できる場となっている。施設の日々の活動の中で作り上げた作品、アートに向ける情熱を感じてほしい」と話した。来場者の女性は「どれも素晴らしい作品ばかり。障がい者、健常者とくくるのではなく、芸術性で見たいですね」と絶賛していた。 主催者で同実行委員会の笹本健一委員長は「素晴らしい作品が多い。関係者だけではなく一般の人にも是非足を運んで見てほしい。障がいのある人とない人が共生する社会への意識を高めて、より素晴らしいまちにしていきたい」と話した。一部の作品は5月頃、常磐道谷田部東パーキングエリアで展示される予定だ。 ◆会期は3月11日(日)まで。開館時間は午前9時30分~午後5時(最終日は3時)。入場無料。問い合わせは029・883・1111(つくば市障害福祉課)

ネットで投票して! 茨城応援マスコット

【大志万容子】茨城を応援するために、地域の人々がアイデアを出し合ってマスコットをつくる「プルプルたまごプロジェクト」が、マスコットの投票を公式サイトで募っている。候補は3体。同プロジェクトは「それぞれのキャラ設定にも注目して選んでほしい」と呼びかける。投票は20日まで。 候補は、A=相方の「スケ」「カク」を車輪にした原付きで諸国を漫遊する「茨城を愛するワンダフルボーイ」▽B=ガマリュックを愛用する「茨城の魅力をしりたがり!ばあちゃん」▽C=わらづと納豆の髪型をした「いばらき食の伝道師 Yo-sei!」。 同プロジェクトはサッカークラブ「つくばFC」(つくば市稲岡)が、茨城を盛り上げようと昨年11月に立ち上げた。120人以上が参加した3回のワークショップを通じて、茨城を応援するマスコットにふさわしいキーワードを集め、生い立ちや物語などのキャラクターを設定。実用性や長く愛されるかどうかなどの視点から3体に絞り、つくば市のイラストレーターふるやまなつみさんがデザインした。 マスコットのプロフィールやキャラ設定についてはサイトで詳しく紹介している。同プロジェクトメンバーの藤井志保さんは「ワークショップで地域の皆さんと作り上げたマスコット。じっくり目を通して選んでほしい」と述べた。 投票で1番になったマスコットは、21日に「いばらき応援マスコット」としてデビュー。県内のご当地マスコットにそれぞれの地域のインタビューを行ったり、地域の企業や団体を紹介したりと、茨城の魅力アップのために幅広く活動する予定。藤井さんは「投票後のマスコットの活躍にもぜひ注目して」と話している。 ▼投票は下記サイトで開催中。 https://sites.google.com/view/purutama

平安時代にタイムスリップ 「ひな人形になったよう」 土浦

【谷島英里子】平安貴族の正装とされる女性の十二単(ひとえ)と男性の束帯(そくたい)の着付けを実演するひな祭りのイベントが3日、土浦市桜町のすがた美容室で行われ、みやびな世界に包まれた。 衣紋者(えもんじゃ)と呼ばれる特別な技術を持つ着付けの木村恵子さんらが、来場者の目の前で、五衣(いつつぎぬ)、上着、唐衣(からぎぬ)、裳(も)まで、衣を一枚一枚重ねていく様子を披露した。 体験した埼玉県の藤野紀子さん(61)は「タイムスリップしたような気分。ひな人形になったようでうれしい」。千葉県の神保弘さん(41)「ずっしりとした重量感があった。ちょうどひな祭りの3日に着ることができて感無量です」と話していた。 木村さんは、歴史ある土浦で和文化を継承したいと、毎回、一般から参加を募って無料で体験会を開いている。今回の十二単と束帯の体験のほか、5歳になるころ健やかな成長を祈って行われる「着袴(ちゃっこ)の儀」、平安時代の成人式「着裳(ちゃくも)の儀」と「加冠(かかん)の儀」の着装実演も行っている。

マリンウイーク優秀活動に 「誰でも楽しもう霞ケ浦」

【鈴木宏子】土浦港のヨットハーバー、ラクスマリーナ(土浦市川口)で年4回程度開催されているカヌーやヨットなどを体験するイベント「誰でも楽しもう霞ケ浦」が、日本マリーナ・ビーチ協会(東京都千代田区)の2017年度マリンウイーク優秀実施団体に選ばれた。8日、パシフィコ横浜で開かれる「ジャパンインターナショナルボートショー」で表彰される。 障害者も、健常者も、初心者も、だれでも水上スポーツを楽しめるイベントとして2005年にスタートした。地元高校のヨット部OBや、ヨット愛好者ら約60人のボランティアが、自分のヨットやカヌーなどを無料で貸し出し、漕ぎ方を教えたり、参加者の安全を見守るなどしてイベントを支えているのが特徴だ。県内のほか東京、千葉、埼玉など首都圏から毎回50~300人近くが参加している。 セイラビリティー土浦(代表・秋元昭臣ラクスマリーナ専務)が主催する。ヨットハーバーのバリアフリー化に取り組んでいた同マリーナが、初心者でも操縦できる転覆しないヨット、アクセスディンギーの存在を知り、障害者にも水上スポーツを楽しんでもらおうと導入したのがきっかけ。イベントを通して、水上スポーツのバリアフリー化のノウハウを一つひとつ蓄積している。 これまで10年以上継続して開催されてきた活動が「多くのボランティアの支えで、国籍、年齢、性別、障害の有無にかかわらず、幅広い市民や子どもたちにマリンスポーツの楽しさを伝えている」として評価された。17年度の表彰団体5団体のうちの一つ。 秋元代表は「毎回60~65人のボランティアが来てくれる。そういう人たちに支えられてやってこられた。その人たちに感謝すると同時に、今後もだれでも水に親しめるイベントとして続けていきたい」と話している。

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