【コラム・森本信生】この9月、環境省、農林水産省、国土交通省から、土浦市の「宍塚の里山」、つくば市の「奥村組技術研究所ビオトープ」と「洞峰公園とその近隣公園」が自然共生サイトに認定され、30日に東京で認定式が行われました。
自然共生サイトは、国内だけでなく国際的にも位置づけられる制度です。2021年のG7サミットで採択された国際目標「30by30(サーティ・バイ・サーティ)」では、30年までに世界の陸域・海域の30%を「健全な生態系として効果的に保全・管理された区域」とすることが掲げられています。
この目標を達成するため、国は23年度に「自然共生サイト」認定制度を創設し、25年度には「地域における生物の多様性の増進のための活動の促進等に関する法律」を施行しました。今回の認定は、この法律に基づく初の認定です。自然共生サイトは、既存の保護区を除き、OECM(Other Effective area-based Conservation Measures:保護地域以外で生物多様性保全に資する区域)として、国際データベースに登録されます。
これまでに認定された自然共生サイトは、茨城県内で14カ所。土浦市では宍塚の里山が唯一の認定地です。つくば市は7カ所と多く、全国の市町村の中で第4位となっています。
環境教育の場として高い評価
今後、私たちの会は「自然共生サイト増進活動実施計画」に基づき、「生き物と歴史遺産に恵まれた宍塚の里山を次世代に伝える保全活動実施計画」を立て、次世代に向けた保全を目指します。認定にあたり評価された生物多様性上の価値は、次の4点です。
(1)公的機関によって生物多様性保全上の重要性がすでに認められている場
(2)里地里山といった二次的自然環境に特徴的な生態系が存在
(3)伝統工芸や伝統行事など、地域の伝統文化を支える自然資源の供給の場
(4)希少な動植物が生息・生育している、またはその可能性が高いこと
有識者による認定審査委員会からは「本サイトが学生などの活動拠点となり、環境教育の場として活用されている点を高く評価する」とのコメントが寄せられました。
宍塚の里山はすでに、環境省の「生物多様性上重要な里地里山」に指定されています。また、100年間にわたり全国1000か所の自然環境をモニタリングする環境省のプロジェクト「モニタリング1000」における第1号調査地「里山コアサイト」としても知られており、日本を代表する貴重な里山の一つです。
今回の「自然共生サイト」認定は、この地域の価値が国際的にも認められたことを意味します。宍塚から吉瀬(つくば市)に広がる里山の保全活動が、さらに大きな力を得て進展することを期待しています。(宍塚の自然と歴史の会 理事長)






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