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古家晴美

《県南の食生活》12 ミーコ(水路)の恵み

【コラム・古家晴美】新緑が鮮やかな季節となってまいりましたが、新型コロナウィルスの影響で、おうちにこもって仕事や勉強をされている方もいらっしゃると思います。例年、ゴールデンウィーク前後になると、田植えをされている光景が見受けられますが、今回は田んぼや周辺の水路から頂戴(ちょうだい)してきた恵みについてです。 昭和30年ごろまでは、子供たちは夜になるとかがり火を持ち、まだ苗が植えられていない田んぼへやって来て、棒の先に針をつけた道具でドジョウを捕まえるドジョウブチをしていました。この時期はフナやコイの産卵期(ノッコミ)で、大人たちは産卵のために霞ケ浦から水路に上って来たノボリブナの魚群を玉網(たまあみ)で獲りますが、子供たちは川をせき止めて水を汲み出して魚を獲るカワボシ(カッポシ)を行っていました。 また、平成の初めごろまでは、5月に入ると、霞ケ浦の手前の堀に3~4メートルのシド(袋網)を張ったり、突きヤスを持って毎晩のように魚獲りに出かけたと言います。網にかかったドジョウが多過ぎて、酸欠で死んでしまうこともあったほど獲れたそうです。谷田部からわざわざやって来て、カーバイトランプを頭に照らしてドジョウを獲る人もいて、堤防はとにかくにぎやかでした。 いつもは島津(現阿見町)から自転車で売りに来る魚を買っていた方も、この時期には獲れ過ぎたドジョウを自宅で身を開かないままみそ汁に入れて食べ、残りを舟子(現美浦村)の魚屋さんに売りに行きました。 ドジョウ、コイ、フナ、ライギョ、ナマズ 湖岸に面していない農村部でも、田植え後に稲の丈が伸びてきたころ、大雨が降り水路から霞ケ浦へ大量の水が注ぎ込むようなときや、逆に霞ケ浦が増水して川の水がさかのぼってくるようなときには、途中に網やわなを仕掛けておくと、ドジョウのほかに、コイやフナ、ライギョ、ナマズなど様々な魚がたくさん獲れました。

《県南の食生活》11 ぼたもち、ボタメシ

【コラム・古家晴美】先週末、スーパーのレジ近くに沢山のおはぎが並んでいましたが、お買いになりましたか? 2020年春の彼岸は、中日(なかび)の3月20日(春分の日)をはさんで前後3日ずつ、17~23日でした。 現在、店頭で販売されているものは、その多くが「おはぎ」とラベル付けされていますが、『茨城方言民俗語辞典』を見ますと、県南地方ではオハギは見当たらず、ボタモジ(現桜川市、取手市)やボタメシ(つくば市、土浦市、取手市)などが「おはぎ」として紹介されています。 また、この季節になると、春彼岸に食べるのが「ぼたもち」で、秋彼岸に食べるのが「おはぎ」と解説する記事や番組も目立ちますね。確かに、季節的違いにより使い分ける地域もあるのですが、全国的に言えるものではなく、片方の呼称しか使わない地域もあります。 また、小豆餡(あずきあん)の「ぼたもち」と黄な粉やゴマをまぶした「おはぎ」(大正末期の水戸周辺、静岡県引佐群など)、もち米をつぶして握った「ぼたもち」と、つぶさず握った「おはぎ」(新潟県古志郡)など、材料や調理法で使い分ける例も報告されています。 阿見町大室では現在でも、お彼岸になると「ぼたもち」を作るお宅があります。炊飯器で炊いたもち米を皿によそい、その上に自宅で煮たつぶし餡を載せます。この地域では、「ぼたもち」は丸めずにこのような形で食べることが多いようです。地元では「おはぎ」と言う呼び名はあまり使いません。 60年前までは「漉し餡」 ダンゴツキの回(2019年9月25日掲載)でもご紹介したように、現在はつぶし餡が広く流通していますが、こちらでは、60年ほど前までは農家で自家用に作る場合でも、ほとんどが漉(こ)し餡だったそうです。作った経験のある方はよくご存じだと思いますが、漉し餡はつぶし餡と比べると数倍の手間と時間がかかります。 茹(ゆ)でた小豆をつぶして数回裏ごしし、何度か水に晒(さら)して布に包んで絞るという、根気のいる作業です。これは時間にゆとりがあるお年寄りたちの1日がかりの仕事でした。 ぼたもちは、お彼岸以外にもミツメノボタモチと言って、産後3日目の産婦に食べさせ出産祝いに配ったり、死後35日の法事に作って、死者が剣の山を登る時に足を滑らせないようにと、草鞋(わらじ)でぼたもちを挟んで墓に供え、参列者に振る舞ったりしました。 同様の例は、かすみがうら市、行方市、つくば市でも行われていました。このほかに、田植えを始めるウエソメや田植えが終わったサナブリ、稲の収穫が終わったカリアゲ、麦播きをすませたマキアゲの際にも、ぼたもちを作って食べる習慣がありました。お餅を搗(つ)くほどではないけれど、祝いたいような機会に作られてしていたようですね。(筑波学院大学教授) ➡古家晴美さんの過去のコラムはこちら

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茨城県の最低賃金851円に 2円引き上げ

【山崎実】茨城県の最低賃金が10月1日から時間額851円に引き上げられる。既に官報に公示され、県内の事業所で働く常用、臨時、パート、アルバイトなど、すべての労働者に適用される。 新型コロナ禍の影響で厳しい経済情勢の下、大井川和彦知事は7月、茨城地方最低賃金審議会(田中泉会長)に経済にかかわる諸指標を数値化した総合指数は全国11位なのに対し、最低賃金は16位で近隣県と比較しても低く、栃木県との4月の差は過去6年間変動しておらず、このままでは本県の労働力確保はさらに困難になるーと引き上げを要請した経緯がある。 審議会は8月、現行の時間給849円を2円引き上げて(引き上げ率0.24%)851円に改正することが適当と答申し決定した。 近県の状況は、栃木県が現行の853円から1円引き上げて854円、群馬県が835円から2円引き上げて837円に、東京都は1013円のまま据え置かれた。 一方、働き方改革の推進に伴い、中小企業は2021年4月からパートタイム・有期雇用労働法等により、同一労働同一賃金が適用される。このため働き方改革推進支援センター(フリーダイヤル0120-971-728)は周知徹底を図るべく、「同一労働同一賃金・テレワークセミナー」を実施している。

《令和楽学ラボ》9 茨城の和紅茶づくり

【コラム・川上美智子】「古内(ふるうち)茶の紅茶ができたので1つ持っていってください」と、9月の茨城県議会の折に加藤明良議員から声をかけられました。水戸光圀(みつくに)が愛(め)でた古内の在来種の茶葉100%を原料にした紅茶は、きれいにパッケージされ、高安園の城里和紅茶と名付けられていました。 「昨年、この紅茶を銀座の茨城県アンテナショップ『Ibaraki Sense(イバラキ・センス)』に出品したところ、お客様から台湾の東方美人(オリエンタル・ビューティー)の香りがすると言われたんですよ」と、うれしい報告もありました。 東方美人は知る人ぞ知る最高級の赤烏龍(うーろん)茶です。100グラム〇万円もする高価なお茶で、現在ではなかなか手に入りません。今から25年前にその香りを分析する機会を得、マスカットのような独特の香りが、2,6-dimethyl-3,7-octadiene-2,6-diol(2,6-ジメチル-3,7-オクタジエン-2,6-ジオール)と本物質が脱水したHotrienol(ホトリエノール)の2つの化合物に起因することを突き止めました。 また同時期に、マスカットフレーバーが特徴であると言われるインド・ダージリンのセカンドフラッシュの紅茶試料も手に入り、分析を行うことになりました。この紅茶も、他の紅茶に比較し2化合物の含有比が高いことがわかり、ダージリン紅茶の特有香になっていることを明らかにしました。 そして、赤烏龍茶とダージリン紅茶の共通点を調べているうちに、どちらもウンカ芽(昆虫のウンカの加害を受けた茶芽)を原料にしていることを突き止めました。学会で加害を受けて生成する化合物の発表をしたところ、海外の科学者たちは色めき立ち、最終的に中国の著名な茶の研究者が、2,6-dimethyl-3,7-octadiene-2,6-diolは、加害を受けた茶芽がウンカの天敵の昆虫を呼び寄せるために作り出した化合物であることを明らかにしました。

土浦の学校を爆破予告 36校で警察と巡回点検へ

土浦市は28日、市内の小中高校、大学を29日爆破し、市役所を銃で襲撃するなどの予告が、28日午前0時過ぎ、市ホームページのお問い合わせフォームにあったと発表した。 市危機管理室によると、予告内容は「29日午後0時30分より、市内の小中学校、高校、大学を爆破し、その混乱に乗じて児童・生徒を数名誘拐する」、さらに「29日午後1時30分ごろに市役所を銃で襲撃する」など。併せてビットコインを要求しているという。 予告を受けて市は28日に土浦警察署に通報、さらに市内にある小中高校と特別養護学校、短大、大学の計36校に通知し状況を説明した。 予告日の29日は朝から、警察官が市内の各学校に行き、学校職員と共に校内や周辺の点検やパトロールを実施する。 さらに市役所は、正午から午後2時まで、各階の出入口を1カ所のみに制限し、入り口に警察官と市職員が立って警備する。 同市は「同様の予告は全国の自治体で確認され、これまで被害が実際に発生した報告はないが、市民の安全を第一に考え万全の体制で対応する」としている。

就職・進学への不安 新しい生活様式に生きる留学生 筑波大学

【竹田栄紀】新型コロナウイルスの感染拡大は、留学生の生活を一変させたといわれる。身近に頼れる人が少ない留学生は孤立してしまうことも多い。つくばには多くの外国人が暮らす。10月から秋学期が始まる筑波大学(つくば市天王台)で、留学生の生活の現状を探った。 アルバイト収入ゼロに 筑波大大学院生命科学研究科修士2年の中国人留学生、楊逸暉さん(27)は来日4年目。来年、日本の製薬会社に就職予定だ。新型コロナの影響で来日時から志望していた観光業の新卒採用が滞ってしまい、志望業種の変更を強いられた。 筑波大大学院修士課程で学ぶ楊逸暉さん 楊さんは「留学生の枠はもともと限られており、そこに新型コロナによる混乱、新卒採用見送りなどが重なって苦しい就職活動となった」と振り返る。