金曜日, 3月 29, 2024
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尽きない77歳のチャレンジ 《菜園の輪》12

【コラム・古家晴美】昨年10月、つくば市在住の小島幹男(77)さんの畑を訪ねたときには、筑波連山の宝篋山(ほうきょうさん)を背景に、畑の入り口にマリーゴールドや菊などが植え付けられ、青空に鮮やかに映えていた。今の時期は、種から育てたネモフィラが小島さんの畑を飾る。

夏野菜の苗の植え付けは、4月半ばに8割方終えたとのこと。「苗はほとんど購入しますよ」と、控えめな答えが返ってきた。が、話を聞くと、自分で種から仕立てた苗が多い。カボチャ、赤パプリカ、ズッキーニ、トウモロコシなど、なじみのある野菜が多い。「苗を仕立てることは楽しい」と言う。

このほか、この時期に植えたのは、ナス、トマト、スイカ、ズッキーニ、ハグラウリ、ピーマン、トウガラシなどだ。ナスは、昨年3種類植えたが、今年は白ナスの苗も購入した。知人から白ナスをもらい、自宅で食べたのを思い出し、苗を買ってみたくなった。

その知人も、別の知り合いから白ナスをもらったというから、まさに《菜園の輪》だ。ナスとトマト類の苗には、手作りの風よけ兼寒さよけを立てた。苗の周囲に4本の枝を立て、それをすっぽり囲むような形で、底を抜いたビニールの肥料袋をかぶせてある。家庭菜園ならではの光景だ。

土を介してお孫さんと交流

今年3月上旬には、昨年の5種類のほか、もう1種類のジャガイモを植えてみた。小島さんはこの機会をとても楽しみにしている。お孫さんと一緒に畑仕事をするからだ。「多少のお小遣いをやるんですがね」と、照れながら話されてはいたが、言外に伝わるものがあった。

作業の後、共通の話題で盛り上がり、共に食事を取る。日々忙しい現代っ子との、土を介した貴重な交流の場に違いないだろう。畑や自然に少しでも興味を抱いてほしいという願いもある。

しばらく経てば、サツマイモ、豆類、ゴボウ、ゴマをまく予定だ。小島さんの1年は忙しい。

小島さんが指さす先には、宝篋山の藤の花が見事に咲き誇っていた。少し前は「山笑う」というくらい、コブシの花やヤマザクラなどが咲き乱れ、見事だったと言う。夏は畑仕事の合間に、栗の木陰で、宝篋山を見ながらお茶を飲むのが日常だ。

小島さんの次なる目標は、スイカを自分でカボチャに接ぎ木して育てること。現在は接ぎ木の苗を購入しているが、以前から、今までやったことがないことを試してみたいと思っていた。77歳の大人のチャレンジは尽きない。(筑波学院大学教授)

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地元スタジアムから声援 常総学院、ベスト8届かず 

第96回選抜高校野球大会(兵庫県西宮市、甲子園球場)は27日、第4試合で常総学院が報徳学園(兵庫)と対戦した。常総学院は1-6で敗れ、9年ぶりの春甲子園ベスト8には届かなかった。地元の土浦市川口、J:COMスタジアム土浦では、試合のパブリックビューイングが実施された。 同球場のスコアボードがフルLEDに全面改修された記念として、1回戦に引き続き観客席および外野芝生エリアが無料開放され、熱心なファンが試合を見守った。 阿見町から来た信夫蒼太さん(11歳)と宮本航大さん(同)は、本郷イーグルスで活動する野球少年。常総学院の試合や練習にも足しげく通っている。この日の観戦については「球場の芝生の上で試合が見られるのは最高。負けたのは残念」との感想だった。 蒼太さんの母・美恵子さんは常総学院の給食センターに勤務し、選手たちが練習の合間に食べる補食のご飯も炊くなど、野球部とも関係が深い。航大さん・友美さん親子も、ここ数年にわたって一緒に応援している仲。友美さんは「夏に期待。甲子園まで応援に行くので絶対優勝してほしい」と、次のシーズンに向けてさっそく意欲を高めていた。 第96回選抜高校野球 2回戦(27日、甲子園球場)報徳学園 001130010 6常総学院 000000010 1 試合は、常総学院のエース小林芯汰から報徳学園が10安打を放って大勢を決した。また報徳学園は、常総学院の守備の小さなミスも見逃さず得点につなげた。 常総学院の先発小林は、25日の1回戦で119球を投げて完投しており、中1日での連投の影響もあったようだ。立ち上がりからストレートの制球がいま一つで、カットボールなどの変化球の多投が見られた。報徳学園の先発はエース間木歩。22日の1回戦では3回38球を投げており、この日は初回こそ2四死球を与え2死一・三塁のピンチをつくったが、徐々に持ち直し、8回まで常総打線を5安打に抑えた。 常総学院の失点は3回表。死球と盗塁で報徳学園に1死二塁とされ、3番打者の左飛には近藤和真がわずかに追いつけず、4番打者の中前打には池田翔吾がホームへ好返球を送るものの走者の生還が一瞬早かった。4回表には2死三塁の場面で、9番打者の三ゴロは渡辺翔太が横っ飛びで抑えたが、一塁への送球がワンバウンドになり2点目を失った。 5回表には3安打と2四死球で1点を奪われ1死満塁。ここから小林は直球主体に切り替え、ギアを1段上げて臨むが、四球押し出しと左前打でさらに2点を失った。6回からは平隼磨、8回からは斎藤一磨がマウンドに上がっている。 常総学院は8回裏、先頭の3番・若林祐真が四球を選び、5番・森田大翔の右越え二塁打と、6番・片岡陸斗の右犠飛で1点を奪取。この試合唯一の得点だった。9回表には小林が再登板、3者凡退でピシャリと締めたことは、夏に向けての好材料といえた。(池田充雄)