水曜日, 2月 1, 2023
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自然への関心が出発点 《菜園の輪》10

【コラム・古家晴美】つくば市内に住む福島繁実さん(80)、裕子さん(70)ご夫妻にお話を伺った。お2人とも自然環境への関心が高く、特に、繁実さんは40年近く「日本野鳥の会」に所属し、自然を見つめてきた。野鳥の種類も目に見えて減少してきた。少しでも、在来の生物が生きやすい田畑を作りたいという気持ちに、今も変わりはない。

福島さんと「農」との関わりが本格的に始まったのは、20年ほど前に仕事を退職してからだ。無農薬野菜を栽培する同志が見つかればと、1人で無農薬野菜の栽培と配達の会社を設立した。

しかし、無農薬栽培はそれほど甘いものではない。3分の1は、虫に食われダメになる。さらに、それを顧客に提供するために選別すると、半分ぐらいの量になってしまう。売るためには、ある程度、品物の見た目がよくないと受け入れてもらえない。

会社は7年間続けて閉じたが、野菜作りは今でも継続中だ。販売はせず、自分と仲間で消費し、余った野菜は知人や近所の人におすそ分けしている。畑は、現在3カ所で、合計400坪(約1.3ヘクタール)に広がった。

無農薬での栽培は、驚くほどに根気がいる仕事だ。農薬を使わないという人でも、ソラ豆だけには使う、という話をよく聞く。アブラムシがすごい。しかし、福島さんの場合、まず、アブラムシが嫌うシルバーマルチ(アルミ粉末利用フィルム)の覆いをする。それでも、もし出始めたら、牛乳を薄めたものを散布する。それでだめならば、茎の先端の軟らかい部分を切る。アブラムシはここから侵入するが、ここを切っても鞘(さや)には影響しないからだ。

栽培野菜をパソコンに記録

この他に、厳冬期に耕運機で2回くらい土を耕す。いわゆる「寒起こし」だ。そうすると農薬を使用せずとも、氷点下で病害虫が死滅する。雪の降った年は、作物の収穫がよいこともあるそうだ。

また、堆肥の使用も欠かせない。自宅の生ごみ処理機で堆肥化したごみと刈り取った草などを畑で山積みにし、年に2回前後切り返す。下の方がほぼ土のように分解されているのでそれを畑にまく。

しかし、勘のみに頼って、野菜を栽培しているわけではない。温暖化現象が顕著になってからは、かなり前から気候を気象庁の季節予報などで確認している。一方、連作障害にも配慮する必要がある。年2回、どこの畑で何を栽培したかをパソコンで記録して、その年から過去3年分さかのぼり、一目で見られるようにまとめている。

近所の農家の余った畑を借りて、現在、1ヘクタール以上になってしまった菜園。野菜栽培は様々な種類があるので、米作りよりも手間がかかる。しかし、アイデアマンの福島さん。この畑の一部にもち米の陸稲(短稈=たんかん=の品種)を栽培しようかと考えている。陸稲ならば、足場が悪くなく、かつ短稈は背が低いので、子どもでも収穫できる。ファミリー向けのレクレーションにならないか、ということなのだ。

ただし、高齢化は否めない。農業に関心がある方、是非、お手伝いに行ってください。おいしい、野菜やお米をいただけますよ。「グリアカ農園仲間」で検索を!(筑波学院大学教授)

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