日曜日, 10月 25, 2026
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ヨーロッパ由来の市民農園 《菜園の輪》5

【コラム・古家晴美】民俗学で注目されているのが、日本の農村や都市で利用されてきた自家用野菜を栽培する畑、すなわち「前栽畑(せんざいばたけ)」と、主に非農家の方々が携わってきた「市民農園」の共通点である。歴史を振り返ると、「前栽畑」が在来のものであるのに対し、「市民農園」は20世紀前半のクラインガルテン(農地賃借制度)などヨーロッパ由来のものだ。

が、これらの自家用の小規模「農」は、少量多品種、無農薬・有機栽培への志向など、自宅で「食べる」ということを前提としており、均一化(質・出荷時)・大規模化・単作化を志向している経済活動主体の「農業」とは異なる。

今回は、つくば市内の市民農園で野菜栽培をされている中本暁子さんご一家の「梅雨編」だ。お勤めの暁子さんに代わり、この時期、ご両親が晴れ間を見計らって畑仕事に精を出す。雨天が続くと、1週間に1回ぐらいしか来られず、雑草が生い茂ってしまうときもある。副業としての小規模「農」では普通かもしれない。

市民農園で30平方メートルという、限られたスペースをいかに活用するかを共に考えることは、家族の楽しみの一つだ。現在、2畝(うね)あるじゃがいもを、今日収穫したあとは、地這えのカボチャとズッキーニがつるを伸ばすことができるようにと、あらかじめ畝(うね)の間に植えておいた。

ジャガイモ、近くの三月豆(絹さや)も、今日、取り除く予定だ。弘之さんが、処分する豆とともに、枯れた小枝の塊を片手に持っていた。自宅近くの藪(やぶ)から取ってきた篠竹(しのだけ)だ。三月豆の霜よけと、ツルを這わせるために挿し立てておいたのだ。

農家だった親御さんがそのようにしていたのを思い出して、それにならった。「市民農園」自体は外来のものだが、日本の民俗的知識・技術が息づいている。

「食」と「命」に触れ合う

ナバナやほうれん草があったところには、すでにピーマンとナスを3本ずつ植え、実が付き始めている。きゅうりは2本だ。それ以上植えると、食べきれなくなってしまうからだ。このように、食べる量から逆算して、植え付けするのも自家用野菜畑の特徴といえる。

そして今日の一大イベントは、ジャガイモ掘り。弘之さんが牛糞(ふん)と豚糞を投入し、栄養分豊かになった土から、容太郎くんは葉付きジャガイモもを次から次へと掘り上げ、満面の笑みを浮かべている。容太郎くんの好物であるスイカは、弘之さんが受粉して大切に育てている。また、暁子さんが蒔(ま)いたポピーは、鮮やかなオレンジ色の花を咲かせている。

野菜ばかりでなく、花やハーブ、家族の好物など、市民農園で「食」と「命」に触れ合う楽しみのときは尽きない。(筑波学院大学教授)

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次期学長予定者に永田氏を再任 筑波大 在任17年と長期に

筑波大学(つくば市天王台)は23日、任期満了に伴う次期学長予定者に永田恭介氏(72)を再任したと発表した。次の任期は来年4月から2030年3月末までの3年間。永田氏は2013年4月から同大の学長を務めており、次の任期を含めると在任期間は17年と長期に及ぶ。 同大では2020年の学長選考で、これまで最長2期6年とされていた学長任期の上限を撤廃した(20年10月21日付、23年3月27日付)。前回23年は、学長選考は行わず、学長選考・監察会議の再任審査で永田氏が再任された(23年10月25日付)。 再び再任が決まったことを受けて23日、永田学長が記者会見し、カリキュラム改革や入試改革などの所信を改めて説明した。大学院までを見据えた3+3/3+4制(学群を3年で早期卒業し大学院を3年または4年で修了する)などのカリキュラム改革や、大学院課程を学位プログラムに移行したのに続く、学類の学位プログラム化など学群学類/大学院の組織の見直し、さらにAIの発展や留学生の増加を見据えた入試改革などについて必要性を話した。 在任期間が17年と長期に及ぶことについては「いけないことと、いいことの両方がある」とし、いいことして「ステークホルダー(利害関係者)とのやりとりが充実し、社会のいろいろな層と密接に意見交換できる」と強調した。 次期学長選考をめぐっては、9月に学長候補者の推薦を受け付けたところ、推薦があった候補は永田氏一人だった。10月22日、同大学長選考・監察会議(河田悌一議長)を開いて本人面談などを行い、次期学長予定者に決定した。永田氏は、筑波大学が未来構想大学(研究型総合大学)となる目標を掲げ、数々の学内改革を実行してきたこと、さらに永田氏が主導した、筑波研究学園都市の大学と研究機関が連携する筑波研究教育共創体(3月23日付)は、大学の研究と教育の在り方を大きく変えうる、類いまれで先進的な取り組みとして期待できることなどが理由という。 一方、9月の推薦受付に先立って、同大では、教職員の意見聴取(意向投票)が行われた。筑波学生新聞によると、意見聴取の候補者は永田氏一人で、結果は、永田氏が1460票だったのに対し、白票が922票だった。 同大学長選考・監察会議会議は、意見聴取の結果について、公表しないとしている。 永田学長は、意見聴取で白票が多かったことについて「白票の意味には、反対と分からないの二つの意味があるが、(理事や各組織長などで構成する教育研究評議会からの)推薦者名簿は、1組織を除いてすべての組織長が賛同してくれたが、現場の教職員にまで思いが届いてないということだと思う」と述べ、「去年から、上の人を除いて、各部局の希望者全員が集まって意見交換する場を設けており、白票の意味を変えていけると思う」などと話した。(鈴木宏子)