月曜日, 10月 18, 2021
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秋最大のごちそう 新米 《県南の食生活》29

【コラム・古家晴美】ようやく猛暑の盛りを過ぎ、実りの季節が到来する。採れたての栗や落花生を目にされた方も多いだろう。今回は秋最大のごちそう、新米を取り上げてみたい。

現在、米といえば新潟県や北海道、秋田県を思い浮かべるが、令和2年の水陸稲収穫量を見ると、茨城県は全国7位で、堂々ベストテン入りしている。県南地域でファンが多い地域ブランド米と言えば、「北条米」だろう。

筑波山麓の桜川沿いに広がる平野には、筑波山の岩石のミネラル分をたっぷり含んだ水も注ぎ込んでいる。つくば市北条、筑波、田井、小田の4地域で生産されているこの米は、適度な粘りと甘み、冷めても照り輝きと旨(うま)味が失われないことから、最上ランキング特Aと評されるのもうなずける。

この地域の明治時代の記録によれば、米は農業産出額の7割以上を占めていた。そして、様々な野菜、果物、畜産が生産経営されている現在でも、つくば市の農業産出額を見ると、2位の野菜を大きく引き離し、米が1位に輝いている。立派な米どころだと言える。(令和元年市町村別農業産出額=推計=)

生産者に敬意を表していただく

ところで、この時期、何段階かで収穫の労をねぎらうご馳走が作られてきた。稲刈り開始にあたり、赤飯や混ぜご飯を食べる(土浦市、つくば市、麻生町)。また、稲刈り完了を祝うのに、赤飯やぼたもちを作り、神棚や仏壇に供え、手伝ってもらった家には重箱に詰めて配る(土浦市、つくば市、牛久市、麻生町)。あるいは、新米で油揚げ、人参、かんぴょうが入ったカリアゲメシを炊き、神棚、仏壇、オカマサマに供えた(つくば市)。

そして、脱穀を済ませた後、新米を臼でひき、オカマノダンゴという団子を作り、オカマ様に供え、近所にも配った。一度にたくさんの団子を作り、毎日ゆで直して餡でくるんで食べた。地域により、あるいは時代的な変化により、これらすべてがそろっているわけではないが、収穫の喜びとそれまでの労苦がうかがえる。

新米を特別に扱うのは、農家だけではない。阿見町大室のOさんは、現在でも新米を人からいただくと、「食べ初め」として、炊いたご飯に、尾頭付きの魚、ヌッペ汁(大根、人参、ゴボウ、里芋)を添え、感謝を込めて神仏に供えてからいただく。

新米で卵掛けご飯も魅力的だが、新米に(無論、生産者の方に対しても)敬意を表していただくと、一段と味わい深いものになるのではなかろうか。(筑波学院大学教授)

20 コメント

20 Comments
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名無しの市民
26 days ago

政治家にも敬意払いなさいね

名無しの市民
26 days ago

筑波山近くの大きな田んぼでは霞ヶ浦導水の水を使っていると聞いたことがありますが本当ですか。北条米は耕筰放棄で棚田が荒れているとかカメムシの被害が酷いとか聞きましたが本当ですか。

名無しの市民
返信する  名無しの市民
26 days ago

下記の表に●印が付いているところが現在,霞ヶ浦用水を使用している市町村です。
https://www.pref.ibaraki.jp/nourinsuisan/nishinourin/tochi/jigyo/tochikai/kasumigaura-irrigachion-project/index.html

名無しの市民
返信する  名無しの市民
26 days ago

ありがとうございます。よくわかりました。

要するにつくば市内の田んぼのお水は霞ヶ浦由来なんですね。りんりん道路から見える広い田んぼも霞ヶ浦のお水なんですね。桜川と筑波山に挟まれた地域は筑波山のお水と思いこんでいました。

すると小田米が筑波山の岩石のミネラル分をたっぷり含んだ水も注ぎ込んでいるのでおいしいというのは教授の誤った解釈で、栽培技術が優れているのでおいしいと改めるべきでしょうね。

名無しの市民
返信する  名無しの市民
23 days ago

南太田の田んぼの景色は大好きですがそこから眺めると採石場の跡地が目立ちます。山にゴルフ場もあります。田んぼの近くの山を大切にしていないこと明白だ。戦前は山と田は堅く結びついていたと思う。

5年前
返信する  名無しの市民
23 days ago

北条米(精米)2キロで千円でした。
今夜食べます。

名無しの市民
返信する  5年前
11 days ago

そんな高い米はうちでは無理です。

今日、ロピアで米を買いました。新米は茨城コシ1.250円、宮城ひとめぼれ1.199円、令2年産米は宮城つや姫が1.399円、北海道ゆめぴりかが1.499円でした。いずれも5キロの税抜価格です。今年はコメ価格が下がっていますね。

前回はゆめを、今回は茨城コシの新米、そして8月、9月は早場米の宮崎コシと千葉ふさおとめとふさこがねを買いました。

次に、宮城ひとめぼれを買うと、《 こしひかり⇒ひとめぼれ⇒ふさおとめ⇒ふさこがね 》と4世代に渡る品種改良の結実を味わうことになります。これは秋の楽しみです。毎年のことです。

名無しの市民
返信する  名無しの市民
10 days ago

ヨークベニマルに「一番星」新米がありました。茨城県産の早場米です。

1956年コシヒカリ⇒1991年ひとめぼれ⇒1995年ふさおとめ⇒2013年一番星

2006年ふさこがね(茨城)のいとこになります。

ttps://www.nanigoto.com/%e3%81%b5%e3%81%95%e3%81%93%e3%81%8c%e3%81%ad/

名無しの市民
返信する  名無しの市民
9 days ago

自民党は8日の総務会で了承した衆院選公約に、米価下落で収入が減ったコメ農家に支給する交付金などを実質的に前払いする支援策を盛り込んだ。

名無しの市民
返信する  名無しの市民
25 days ago

TXの沿線の田んぼは車窓の楽しみ。守谷に近づくと思わず立って田んぼを見る。霞ヶ浦からあの大きな田んぼにはるばる用水が引かれているなんてびっくりだ。

名無しの市民
返信する  名無しの市民
25 days ago
名無しの市民
返信する  名無しの市民
25 days ago

棚田が耕作放棄されているのは猪被害が酷く、耕作が出来ないと言った方が正確ですね。
畦や土手の手入れがされていないとカメムシ被害が酷くなりますが、その分農薬が使用されていないと言えます。
黒い斑点米が有るとクレーム、農薬を使ってもクレーム
一番の被害は生産者である農家の方々ですね。

名無しの市民
返信する  名無しの市民
24 days ago

耕作放棄が先でしょ。そこに猪が現れて荒らすもんだから他の田んぼも放棄する。筑波山近くの田んぼは酷い状態だ。山に竹林が侵入してもそのまんまだし。草刈りもやっていないし、

名無しの市民
返信する  名無しの市民
24 days ago

10年ほど前、農林団地の市民講演会。害虫のお話を聞いた。参加者のひとり、米販売を生業とするお爺さんが発言。北条米のカメムシ被害を嘆いていた。斑点米をセルソーターで選り分けていると言っていた。いまも同じようなことが起こっているとしたら残念。

名無しの市民
返信する  名無しの市民
23 days ago

北条米は食したのはこれまで1回だけです。

名無しの市民
返信する  名無しの市民
25 days ago

水田に引く霞ヶ浦用水は霞ヶ浦から汲み上げているのではなく、桜川から汲み上げています。
上流は桜川市、下流が土浦市にポンプ場があります。
桜川の土手下に有る水田地帯は、桜川から直接汲み上げていていますよ。

北条米は過去に献上されていたために有名となっていますが、今の時代は産地ではなく生産者で選ぶ時代です。
つくば市内でも極上のお米は生産者から直接購入しないと手に入らないですね。
だって、美味しくてもJAや米問屋は高く買い取ってくれないですから。

名無しの市民
返信する  名無しの市民
25 days ago

献上米とは100年前のコンテストで上位になったお米のことで、品種と栽培技術がその当時に評価されただけであって、今もその地のお米が優れているわけがない。かつてはコメ袋に「献上米」と書かれていた、あれは詐欺だと思った。美味しければ米問屋は高く買う。

お米の品種改良で美味しいお米が出てきたのは戦後です。

名無しの市民
返信する  名無しの市民
23 days ago

桜川から汲み上げているのならわざわざ筑波山の土手っ腹にトンネル掘る必要はないと言えます。つくし湖近くの桜川から汲み上げれば2桁も3桁も安上がり。馬鹿げた工事をしたと反省しきり。

5年前
返信する  名無しの市民
21 days ago

霞ヶ浦の水が、筑波山に掘られたトンネルを通って、少し高い所にあるつくし湖に入り、つくし湖からの水の一部が桜川の上流に入り、その後、桜川下流から水田用の水が汲み上げられる!
このようにしたのは、桜川を流れる水が少ないから!
と、私は理解しています。

名無しの市民
返信する  5年前
21 days ago

霞ヶ浦の先っちょに水門を設置したのは海水の進入を防いで田んぼの塩害を防ぐことと桜川の水位を上げるためと私は理解しています。桜川にいくつかの堰を作れば水田用のお水の供給はトンネルよりはるかに安上がりにできたのにわざわざトンネル掘ったのは工業用水と飲用水をもその目的にしたからです。予算要求の段階はいつもお花盛りですが実際は?ですね。

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